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健康に良い甘味料は何か

健康に良い甘味料は何か

代表的な甘味料は長い間砂糖でしたが、1970年代以降、砂糖よりも安価な異性化糖(果糖ブドウ糖液糖など)が大量に消費されるようになりました。他方で、糖質制限などのダイエットがブームとなる中、糖質を含まない人工甘味料が、カロリーゼロを謳う食品に採用されるようになりました。砂糖とは異なって、虫歯の原因にはならないとはいえ、本当に健康に良いかどうかは議論があるところです。この記事では、既存の甘味料や新しく登場した人工甘味料の問題点を指摘した上で、健康にとって最も好ましい甘味料は何かを考えたいと思います。

1. 既存の甘味料の問題点

かつて、甘味料と言えば、砂糖でした。インドでは、紀元前から砂糖がサトウキビから作られ、その後、砂糖の生産と消費は、世界各地に広がっていきました。18世紀になると、甜菜(サトウダイコン)からも作られるようになったものの、材料が限定されるため、値段が高く、今ほど一般大衆が大量に消費するということはありませんでした。この状況を変えたのが、異性化糖です。本章は、現代の主要な甘味料である砂糖や異性化糖が健康に与える影響を論じますが、その前に、これらの甘味料がどういう成分を含んでいるかという基本的な所から話を始めましょう。

1.1. 砂糖と異性化糖が甘いわけ

砂糖の主要成分であるスクロース(sucrose 蔗糖)は、以下の図に示したように、単糖であるグルコース(glucose ブドウ糖)とフルクトース(fructose 果糖)との脱水縮合により形成される二糖類です。消化されると、グルコースとフルクトースに加水分解されます。

グルコースとフルクトースのグリコシド結合としてのスクロース[1]

スクロースの甘さは、主としてフルクトースの甘さに起因します。実際、フルクトース単体の甘さは、スクロースの甘さの1.2~1.5倍です。これに対して、グルコースの甘さは、スクロースの甘さの0.65~0.8倍です。実際、グルコースが結合してできたデンプンも、スクロースほど甘くありません。戦後の日本では、砂糖が入手困難な貴重品であった反面、食料不足解消のために栽培が奨励されたサツマイモが供給過剰になりました。サツマイモにはスクロースやフルクトースはわずかしか含まれていません。そこで、サツマイモのデンプンに含まれるグルコースをフルクトースに転換する酵素、グルコースイソメラーゼの研究が熱心に行われ、1965年にこの酵素による異性化糖の生産が実用化されました。

異性化糖の量産技術は、日本では当初あまり注目されませんでしたが、2年後この技術に飛びついたのが米国です。当時、米国ではトウモロコシが供給過剰であった一方で、キューバ産砂糖の輸入が、1962年のキューバ危機以降制限され、砂糖不足になっていました。そこで、米国の食品会社は、トウモロコシ由来のグルコースから異性化糖を作り、砂糖の安価な代替として使用し始めました。以後日米で異性化糖の利用が急速に拡大しました。

米国では、もっぱらトウモロコシから作られるため、異性化糖は、高果糖コーンシロップ(HFCS=High-Fructose Corn Syrup)と呼ばれています。日本では、サツマイモやジャガイモからも作られるので、異性化糖という抽象的な名称で呼ばれますが、より詳しくは、フルクトースが占める割合によって、以下のように三つに分類されます。

  • ブドウ糖果糖液糖:フルクトース含有率が 50 % 未満の異性化糖
  • 果糖ブドウ糖液糖:フルクトース含有率が 50 % 以上 90 % 未満の異性化糖
  • 高果糖液糖:フルクトース含有率が 90 % 以上の異性化糖

フルクトースの甘さは、グルコースの甘さの約2倍であるため、フルクトースの含有率が高くなるほど甘くなります。この中でも、果糖ブドウ糖液糖は、砂糖よりも甘くて、安価であるため、様々な食品に添加されています。以下は、コカ・コーラ®の原材料の一覧です。糖類として、果糖ブドウ糖液糖と砂糖が記載されています。

コカ・コーラ®の原材料。

果糖ブドウ糖液糖は、甘さと無縁に思える食品の中にも含まれています。以下は、キムチの原材料の一覧です。漬け原材料として、果糖ブドウ糖液糖が最初に記載されています。最初に記載されているということは、最も重量の割合が高いということです。

キムチの原材料。

私たちは、知らないうちに、大量の異性化糖を摂取しています。それが、私たちの健康に悪影響を与えているのではないかという見解があります。

1.2. ラスティグによる果糖中毒の告発

異性化糖という安価な砂糖の代替甘味料を手にした食品業界は、1970年代以降、様々な飲み物や食べ物に異性化糖をふんだんに使用するようになり、それとともに肥満や生活習慣病の広がりも深刻な社会問題となりました。当初、肥満の原因は脂肪の摂りすぎと考えられ、低脂肪ダイエットが推奨されましたが、それでは肥満や生活習慣病の増加に歯止めがかかりませんでした。そんな中、フルクトースの過剰摂取が肥満や生活習慣病の蔓延の原因だと指摘されるようになったのです。現在、その旗振り役となっているのが、米国の小児内分泌学者、ロバート・ラスティグ(Robert H. Lustig,1957年 – )です。

ラスティグは、増え続ける肥満の最大の原因が、高果糖コーンシロップや砂糖が大量に入った清涼飲料水の消費にあると見抜き、2009年の「砂糖 ― 苦い真実」(Sugar: The Bitter Truth)という講演で、高果糖コーンシロップや砂糖に含まれるフルクトースがアルコール並みに有害であると訴えました。この講演を撮影したYouTube動画は大きな反響を呼び、2022年現在、2千万回以上再生されています。

Sugar: The Bitter Truth (2009/07/31) University of California Television (UCTV)。高果糖コーンシロップは第二次世界大戦に対する日本の報復など、笑えるジョーク満載の面白い動画なので、英語がわかる人は、視聴してみてください。

2013年に出版された『ファット・チャンス』は、『果糖中毒――19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』というタイトルで日本語にも翻訳され、多くの人に読まれました。この本の中でラスティグは、次のような「フルクトースが体に入ったときの11のプロセス」を問題視しています[2]

  1. 尿酸が生まれ、痛風をもたらし、血圧が上がる
  2. 直接ミトコンドリアに入り、パンクさせる
  3. 脂肪になり、心臓病を押し進める
  4. 肝臓がインスリン抵抗性になる
  5. 血糖値が上がり、糖尿病につながる
  6. 内臓脂肪が増える
  7. がん発症の可能性が高まる
  8. 空腹感が高まる
  9. 腸壁のバリア機能を奪い、インスリン・レベルを上げる
  10. メイラード反応が生じ、がんの発症を加速させる
  11. 認知症が起こる

要するに、フルクトースは、生活習慣病のみならず、がんや認知症の原因にもなるアルコールと同程度の毒ということです。アルコールは、その大部分が肝臓に送られ、脂肪に変えられるため、過度の飲酒が脂肪肝の原因になります。このアルコールの害は良く知られていますが、たとえ飲酒をしなくても、フルクトースを過剰に摂取すると、脂肪肝になります。場合によっては、脂肪肝炎や肝硬変にまでなります。これを、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD=NonAlcoholic Fatty Liver Disease)と言います。アルコールの販売が法律で規制されているのに、砂糖や高果糖コーンシロップが規制されないのはおかしいというのが、ラスティグの主張です。

1.3. ラスティグの主張を検証する

ラスティグの主張がどこまで正しいかを検証しましょう。ラスティグによると、摂取した量の二割しか肝臓に行かないグルコースとは異なり、フルクトースは、アルコールと同様、摂取後大部分が肝臓に送られます。大量のフルクトースが肝臓に押し寄せると、肝臓は代謝のために必要とするエネルギーを賄えず、その結果、肝臓細胞からATPが奪われます。ATPの欠乏は、老廃物である尿酸の生成により、痛風をもたらすとともに、血圧を上昇させるというのです。

2019年に、フルクトースを含む食品がどの程度血圧を上昇させるかをまとめたメタアナリシスが発表されたので、その結果を紹介しましょう。ラスティグの主張は、以下のグラフに示されるように、砂糖入り飲料については成り立ちます。

砂糖入り飲料の一日当たりの消費量(横軸)と高血圧発症の自然対数変換リスク比(縦軸)[3]

このグラフにおける赤線は、一日当たりの消費量と高血圧発症の自然対数変換リスク比との用量反応関係を線形モデルで示したトレンド・ラインです。黒線は非線形モデルによるトレンド・ラインで、上下の点線は非線形モデルの95%信用区間を表します。砂糖入り飲料の消費が血圧を有意に上げていることがわかります。

これと対照的なのが、果物です。果物の消費は、血圧を有意に下げています。

果物の一日当たりの消費量(横軸)と高血圧発症の自然対数変換リスク比(縦軸)[3]

語源的に、果糖は果物の糖という意味です。英語のフルクトースもラテン語でフルーツを意味する “fructus” に由来します。果物には、フルクトースが大量に含まれるのに結果は逆です。では、100%フルーツ・ジュースはどうでしょうか。

100%フルーツ・ジュースの一日当たりの消費量(横軸)と高血圧発症の自然対数変換リスク比(縦軸)[3]

このグラフから、少量なら有益だけれども、飲みすぎは有害と言えそうですが、統計学的には有意な用量反応的関係を認められません。最後に、甘い菓子の摂取と血圧の関係を見ましょう。

甘い菓子の一日当たりの消費量(横軸)と高血圧発症の自然対数変換リスク比(縦軸)[3]

点線で示される95%信用区間が非常に大きいのは、不確定性が大きいことを示しています。一口に甘い菓子といってもいろいろなものがあるので、その効果は一概には言えないということでしょう。例えば、チョコレートは、砂糖を含むという点では有害ですが、材料のカカオに含まれるカカオ・ポリフェノールには血圧を下げる作用があります。このグラフを見ると、正の用量反応的関係があるように見えますが、リスク比は有意に1よりも大きくはありません。

別の研究[4]から、同じ糖質でも、GI(グライセミック・インデックス)が低いほど、尿酸が減ることが知られています。果物は、砂糖入り飲料よりもGIが低く、100%フルーツ・ジュースと菓子はその中間なので、GIの高低で、尿酸の生成を、したがって血圧の高低も説明できます。

血圧に関する結果を一般化すると、フルクトースを含む食品の健康に与える影響は、食品が固形の食べ物か液状の飲み物か、果物が材料か否かで分類して、以下の表のようにまとめられます。

フルクトースを含む食品の分類。【括弧】内は、健康に与える影響。

果物には、ファイトケミカル、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど健康に有益な成分が多く含まれるので、その摂取が健康に好ましいことは、良く知られているとおりです。他方で、明確に有害なのは、砂糖や異性化糖で甘くした清涼飲料水です。果物のファイトケミカル、食物繊維、ビタミン、ミネラルの一部または全部が取り除かれている100%フルーツ・ジュースや甘い菓子の健康に与える影響はその中間です。

フルクトースは毒だと断言するラスティグも、果物は食物繊維を含むがゆえに問題ないと『果糖中毒』で書いています。

果物にはフルクトースが含まれていますが、食物繊維も内在しています。これは偶然ではありません。果物に含まれるフルクトースが重大な健康問題を引き起こさないのは、果物の固形部分を構成する内因性の食物繊維とバランスがとれているからです。自然が意図したように、この二つを一緒に摂取すると、肝臓への流入速度が抑えられ、肝臓もそれについていけるので、砂糖の悪影響がほとんど軽減されるのです。実際、ほとんどの果物に含まれるフルクトースの量は、果物に含まれる食物繊維とうまくバランスがとれています。[5]

私は、この箇所を最初に読んだ時、ラスティグの説明に納得しませんでした。もしもフルクトースが毒なら、肝臓への流入速度が抑えられるぐらいで被害を免れられるのか疑問だったからです。しかし、その後、この疑問を解く発見が米国でありました。2018年に発表されたチャン・チョルスン(Jang Cholsoon)たちの論文「小腸は食事で摂ったフルクトースをグルコースと有機酸に変換する[6]」が、フルクトースの代謝の常識を変えたのです。

チャンたちのグループは、マウスに与えるグルコースとフルクトースのどちらか一方を13Cで標識付け、経口投与後の動態を追跡しました。その結果、経口投与されたフルクトースの炭素の大部分が、グルコースとして検出されました。フルクトースの炭素はまた、クエン酸(TCA)回路の中間代謝物としても検出されました。従来、小腸から吸収されたフルクトースの大部分は、そのまま肝臓に送られ、脂肪になると考えられていましたが、実際には、腸管上皮細胞で大部分が代謝され、無害化されていたのです。ただし、それは果物のような消化に時間がかかる食べ物の場合で、砂糖水のような飲み物の場合には、遊離フルクトースの出現速度が高く、腸管上皮細胞での代謝のキャパシティを越え、肝臓へのオーバーフローが増えるとのことです。

チャンたちのグループは、2020年発表の論文「小腸はフルクトースによる脂肪肝から肝臓を保護する[7]」において、腸管上皮細胞がフルクトース代謝で果たす役割をさらに詳しく調べるべく、腸管特異的なケトヘキソキナーゼ-Cの欠損と過剰発現が肝脂質生成に与える影響をマウスで調べました。その結果、腸管特異的なケトヘキソキナーゼ-Cを欠損させると、フルクトースの肝臓への移行が増加し、脂肪肝が悪化したのに対して、その酵素を過剰発現させると、フルクトースの肝臓への移行が減少し、脂肪肝が改善することが判明しました。

ケトヘキソキナーゼ(KHK=KetoHexoKinase)は、別名フルクトキナーゼ(fructokinase)と言い、フルクトースをフルクトース-1-リン酸に変換する酵素です。フルクトース-1-リン酸は、さらに異化されて、解糖系に入り、エネルギー源になったり、解糖系の経路に逆行して、グルコースに変換されたりします(糖新生)。2020年発表の実験の結果は、小腸で吸収したフルクトースの大部分は、腸管上皮細胞で代謝され、無害化されるという2018年の論文で提案した仮説を裏付けています。

もしもマウスで確認されたフルクトース代謝のメカニズムがヒトにもあるのなら、なぜ砂糖入り清涼飲料水が有害で、果物がそうではないかが説明できます。ラスティグも認識していた通り、果物のフルクトースは、食物繊維の妨害により、小腸からゆっくり吸収されます。このため、腸管上皮細胞で大部分を代謝させる余裕が生まれます。砂糖入り清涼飲料水の場合、フルクトースの吸収速度が高いので、腸管上皮細胞での代謝では追い付かず、多くのフルクトースが肝臓に送られ、脂肪となります。これで、砂糖入り清涼飲料水を飲みすぎると、非アルコール性脂肪性肝疾患になりやすくなる理由が説明できます。

なお、グルコースも過剰に摂取し、血糖値が上がると、肝臓で過剰なグルコースがフルクトースに変換され、肥満、インスリン抵抗性、脂肪肝の原因となります[8]。したがって、フルクトースを含む食品は有害で、グルコースしか含まない食品は安全とは必ずしも言えません。それよりも、むしろ、GI/GLの高低の方が、重要な基準です。

2. 人工甘味料の問題点

フルクトースの過剰摂取による肥満や生活習慣病が深刻な社会問題となる中、フルクトースを含まない人工甘味料の開発が進みました。現在日本で使用が許可されている人工甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アドバンテームの六種類です(ただし、ネオテームとアドバンテームは、アスパルテームの誘導体です)。「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」を謳う商品には、こうした人工甘味料が使われています。この章では、こうした人工甘味料が健康に及ぼす影響を取り上げることにします。

2.1. アスパルテームとアセスルファムK

アスパルテーム(aspartame)とは、二種の天然アミノ酸(L-アスパラギン酸とL-フェニルアラニン)が結合したジペプチドです。重量当たりのカロリーは、スクロースとほぼ同じですから、厳密に言えばゼロカロリーではありませんが、甘さは、スクロースの160~200倍あるので、スクロースと比べるなら、わずかな量ですむので、その意味では、ゼロカロリーに近いと言えます。 日本では1983年に食品添加物として認可されました。現在、最も人気の人工甘味料として幅広く使われています。

アセスルファム・カリウム(acesulfame K アセスルファムK)は、スルファミン酸(アミド硫酸)に無水硫酸(三酸化硫黄)を加えてアセスルファム環を生成させた後で、水酸化カリウムと反応させることで得られる人工甘味料です。スルファミン酸とシクロヘキシルアミンの混合物を水酸化ナトリウムと反応させることで得られる人工甘味料、チクロが、発がん性や催奇形性の疑いから、1969年に日本で使用禁止となったものの、アセスルファムKは、2000年に日本で認可され、今でもアスパルテームに次いでよく使われています。こちらも、甘さは、スクロースの200倍程度あります。

味の素が販売しているパルスイート®の主成分は、アスパルテームとアセスルファムKです。アスパルテームとアセスルファムKは、最も人気がある人工甘味料で、パルスイート®に限らず、「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」を謳う様々な食品に甘味料として使用されていますが、本当にこれらは摂取しても健康に悪影響を与えないのでしょうか。チクロのような発がん性はないのでしょうか。

人工甘味料の発がん性を調べるために、2009年から2021年にかけてフランスの成人10万2865人を、中央値7.8年間追跡したコホート研究の結果が、2022年に発表されました[9]。がん発生率との関連は、年齢、性、教育、身体活動、喫煙、肥満度、身長、追跡期間中の体重増加、糖尿病、がんの家族歴、24時間食事記録の数、およびエネルギー、アルコール、ナトリウム、飽和脂肪酸、食物繊維、砂糖、果物および野菜、全粒食品、乳製品の基本摂取量で調整したCox比例ハザード・モデルによって評価されました。それによると、非摂取者と比較した高摂取者のハザード比は、

  • アスパルテームで、1.15(95%信用区間:1.03~1.28, P=0.002)
  • アセスルファムKで、1.13(95%信用区間:1.01~1.26, P=0.007)

といずれも有意に1より大きくなりました。がんの種類別では、乳がんと肥満関連がんが特に高リスクでした。肥満女性の中には、ダイエット目的で砂糖の代わりにアスパルテームやアセスルファムKを甘味料として使用している人もいることでしょうが、そうした女性は皮肉なことに特に発がんリスクが高いので、要注意です。

2.2. スクラロースとサッカリン

スクラロース(sucralose)は、スクロースと名前が似ていますが、分子構造もよく似ています。スクラロースは、スクロースのヒドロキシ基のうち3つを塩素で置換することで生成するのですから、当然です。それでも、甘さはスクロースの約600倍もあります。1976年に英国で開発され、1999年に日本で認可されました。消化管ではほとんど吸収されないので、ダイエット目的で砂糖の代用甘味料として使用されています。

もう一つ、消化管でほとんど吸収されない人工甘味料として、サッカリン(saccharin)があります。開発と利用の歴史はスクラロースよりも古く、1878年に米国で発見され、第一次世界大戦中の砂糖不足の時代に普及しました。1960年代に行われた動物実験で発がん性が疑われ、米国では、1977年に一度禁止されたものの、再現性がないことから、1991年に発がん性化合物のリストから外されました。

日本では食品衛生法によりサッカリンの最大使用量が定められているので、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースほど使われていません。浅田飴が1973年から販売しているシュガーカット®も、2009年までは人工甘味料としてサッカリンを使っていましたが、現在では、スクラロースを使用しています。

アスパルテームとアセスルファムKの発がん性を指摘した2022年の論文も、スクラロース高摂取者の非摂取者と比較した発がんのハザード比が、有意に1を超えていないとしています。アスパルテームとアセスルファムKが消化管から大部分吸収されるのに対して、スクラロースとサッカリンはほとんど吸収されないのですから、そうした違いが出ることは理解できます。それなら、スクラロースとサッカリンが健康に与える悪影響は皆無かと言えば、そうとも限りません。ほとんど吸収されずに腸内に留まるがゆえに、腸内細菌に大きな影響を与えるからです。

マウスを使った実験により、サッカリンの慢性的な摂取が、腸内細菌叢異常を誘発することによって、体重増加と耐糖能の悪化をもたらすことが判明しました[10]。スクラロースも、ラットにおける体重増加および腸内細菌叢の変化を助長することが示されました[11]。もちろん、齧歯類に当てはまることがヒトにも当てはまるかどうかはわかりませんが、スクラロースとサッカリンの安全性もまだ完全には証明されていません。

2.3. カロリーゼロが健康に及ぼす影響

2019年にカロリーゼロの砂糖代替甘味料(大部分は人工甘味料)全般が健康に及ぼす影響を包括的に調べた世界保健機関(WHO)のメタアナリシスが、2022年にアップデートされた[12]ので、その紹介を以て本章の締めくくりとしましょう。

2型糖尿病の発症リスクについて報告した前向きコホート研究をまとめると、ハザード比は、

  • カロリーゼロの飲み物の消費で、1.23(95%信用区間:1.14~1.32, 13コホート, I2=6%)
  • カロリーゼロの食べ物の消費で、1.34(95%信用区間:1.21~1.48, 2コホート, I2=0%)

で、どちらも有意に1を越えました。カロリーゼロの甘味料を使えば、それだけ砂糖や異性化糖を減らせるので、糖尿病のリスクが減ってもよさそうですが、現実はそう甘くないということです。

カロリーゼロの飲み物の消費がもたらす心疾患関連の様々なリスクについて報告した前向きコホート研究[13]をまとめると、ハザード比は、

  • 心血管疾患死亡率で、1.19(95%信用区間:1.07~1.32, 5コホート, I2=25%)
  • 心血管イベントで、1.32(95%信用区間:1.17~1.50, 3コホート, I2=0%)
  • 冠状動脈性心疾患で、1.16(95%信用区間:0.97~1.39, 4コホート, I2=75%)
  • 発作で、1.19(95%信用区間:1.09~1.29, 6コホート, I2=0%)
  • 高血圧で、1.13(95%信用区間:1.09~1.17, 6コホート, I2=48%)

で、冠状動脈性心疾患以外はすべて有意に1を越えました。カロリーゼロの飲み物の消費による全原因死亡率のハザード比も、1.12(95%信用区間:1.05~1.19, 8コホート, I2=73%)というように有意に1を越えているので、カロリーゼロの甘味料は総じて健康にはよくないと結論付けられます。健康意識の高い人が好んでカロリーゼロを選んでいることを考えると、皮肉な結果と言わざるを得ません。砂糖も、異性化糖も、人工甘味料も健康に良くないのなら、何を甘味料にすればよいのか、それが次の章のテーマです。

3. 健康に良い甘味料の候補

健康に良い甘味料には二種類あります。一つは、腸管から吸収されて、体内でカロリー制限模倣物質として機能する甘味料で、もう一つは、腸管からはほとんど吸収されず、腸内環境を改善する甘味料です。この章では、前者の甘味料として、プシコースとステビアを、後者の甘味料としてオリゴ糖を紹介しましょう。

3.1. プシコース

D-プシコース(D-psicose)は、D-フルクトースの異性体です。以下の図に示した通り、両者は、C6H12O6という同じ分子式を持ちながら、ヒドロキシ基(-OH)の向きが一つだけ異なる構造を持ちます。

D-フルクトース(左)とD-プシコース(右)の[14]

疑似フルクトース(pseudo-fructose)の略記としてプシコースという名称が提案されたのは1935年ですが、英語圏では、1942年に提案されたD-アルロース(D-allulose)という発音しやすい呼称が主として使われています。ここでは、古い方を優先して、プシコースというドイツ語生まれの名称を使うことにします。

プシコースは、人工甘味料ではなく、イチジクやレーズンやズイナなどに含まれる天然の甘味料ですが、自然界に存在する量はわずかで、希少糖(rare sugar)と呼ばれる希少な種類の糖の一つです。1991年に、香川大学の何森健(いずもり けん,1943年- )が、D-フルクトースをD-プシコースに変換する酵素(DTE=D-Tagatose 3-Epimerase)を発見し、D-プシコースを量産する技術を確立しました[15]。この技術のおかげで、私たちは、現在比較的安価にプシコースを入手できるようになりました。

プシコースは、スクロースの七割程度の甘さを持ちながら、そのカロリーは、当量のスクロースの5%程度です。経口摂取したプシコースは、大部分が小腸から吸収されるものの、ほとんど体内では代謝されず、体内にエネルギーとして蓄積されるのは、0.3%にすぎません[16]。安全性に関しても特段の問題はなく、FDAもプシコースをGRAS(Generally Regarded As Safe=一般的に安全とみなされる)食品として認証しています[17]

2015年のラットを用いた実験[18]で、その効果を確認しましょう。処置群のラットに3%のプシコースを含む飼料を、対照群には含まない飼料を4週間与えたところ、処置群のラットでは、対照群と比べ、脂質生成に関与する肝臓酵素活性が有意に低下した一方、脂肪酸酸化の転写調節因子の遺伝子発現が亢進しました。その結果、処置群のラットは、対照群と比較して体重と摂餌量を有意に減少させました。この実験から、プシコースは脂肪酸酸化を促進し、脂肪生成を減少させ、体重を減らす効果があると推測されます。

動物実験に加え、培養器内(in vitro)試験から、プシコースは、高脂血症と高血糖を抑制する作用ゆえに、糖尿病予防効果[19]や動脈硬化予防効果[20]を有することが報告されています。プシコースが細胞内グルタチオンの上昇を誘導することにより、神経変性疾患の治療における神経保護剤としての役割を果たす可能性まで示唆されています[21]

もとより、動物実験や培養器内試験だけでは、エビデンスとしては不十分です。臨床試験の方は、まだ数が少ないのですが、それでもいくつか成果が出ています。2010年に行われたランダム化比較試験[22]によると、境界型糖尿病患者26名の被験者に、標準的な食事とともにプシコースをクロスオーバーで0gまたは5g摂取させたところ、食後30分、60分時点での血糖値が、処置群でどちらも有意に(p<0.01、p<0.05)低下し、曲線下面積でも有意な減少を示しました(p<0.01)。

プシコースの試験は、主として日本で行われていますが、海外でも非アジア人を対象にした試験が行われています。2021年に発表された二重盲検ランダム化クロスオーバー比較試験の結果によると、糖尿病を発症していない被験者30名に、標準的なスクロース負荷(50g)に加えてプラセボまたはプシコースのエスカレーション用量(2.5、5.0、7.5、10.0g)を経口投与したところ、プラセボと比較して、30分後の血糖値の用量依存的な減少が確認されました。特に、7.5g(p=0.005)と10g(p=0.002)投与で有意に血糖値が減少しました。また、プシコース10g投与は、プラセボと比較して、30分後のインスリンのレベル(p=0.006)と変動幅(p=0.002)を有意に低下させました。この結果から、欧米の健常者にも、プシコースが二型糖尿病予防に効果がありそうだという結論が得られました。

ヒトに対する効果はまだ十分に判明していませんが、今から試す価値はありそうです。現在市販されているプシコース商品には、他の糖がたくさん混ざっているものもあるようです。購入にあたっては、D-プシコース/D-アルロースが100%に近い高純度の商品を選ぶようにしましょう。

3.2. ステビア

ステビア(Stevia rebaudiana Bertoni)は、キク科ステビア属の多年草で、パラグアイの先住民族によって、マテ茶の甘味料としてだけでなく、薬草としても長らく利用されてきました。

ステビアの葉

20世紀になって、ステビアの研究が進み、ステビアに含まれるステビオール配糖体が甘さをもたらしていることが判明しました。9種類あるステビオール配糖体(ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオドC、ズルコシドA、レバウジオシドB、ルブソシド、ステビオールビオシド、レバウジオシドD、レバウジオシドF)の中でも、ステビオシドには、スクロースの150倍の甘さがあります。それでいて、体内ではほとんど代謝されずに排出されることから、カロリーゼロの砂糖代替甘味料として使用されています。

中央の白い粉のように見えるのが、ステビア。インスタント・コーヒーで飲む場合、この程度の量で十分甘みが出る。

ステビオール配糖体は、スクラロースやサッカリンと同様に、腸内環境を変えることが知られていますが、スクラロースやサッカリンとは異なり、むしろ良い方に変えるようです。2022年の総説[23]によると、腸内細菌は、ステビオール配糖体をステビオールに分解し、マイクロバイオームの多様性を高めています。ステビアの摂取は、試験管実験(in vitro)ではTNF-α、IL-1β、IL-6の合成とNF-κB転写因子の阻害により、また動物実験(in vivo)では、NF-κBおよびMAPK阻害により、抗炎症作用をもたらすことが確認されています。

ステビオシドは、ケルセチン、カテキン、アントシアニン、イソフラボンなどと同様、フラボノイドというポリフェノールの一種なので、カロリー制限模倣効果が期待されます。実際、齧歯類を用いた動物実験から、肥満[24]、糖尿病[25]、脂肪肝[26]、慢性腎臓病[27]、心筋線維化[28]、炎症性腸疾患[29]、がん[30]などの慢性疾患に治療効果を発揮する[31]ことが判明していますが、本当にヒトにも効果があるのでしょうか。

ステビオール配糖体がヒトの生活習慣病関連の指標に与える影響を調べた2019年のメタアナリシス[32]によると、ステビオール配糖体摂取群をプラセボ摂取群と比較した平均差は、

  • 収縮期血圧で、−6.32 mm Hg(95%信用区間:−10.17~−2.46 mm Hg, 7 RCTs, n = 403, p = 0.001)
  • 拡張期血圧で、−3.62 mm Hg(95%信用区間:−7.69~0.49 mm Hg, 8 RCTs, n = 494, p = 0.08)
  • BMIで、−0.46(95%信用区間:−0.95~0.04, 7 RCTs, n = 401, p = 0.07)
  • 空腹時血糖で、−2.63 mg/dL(95%信用区間:−7.77~2.51 mg/dL, 8 RCTs, n = 438, p = 0.32)
  • 総コレステロール値で、−1.27 mg/dL(95%信用区間:−6.56~4.02 mg/dL, 8 RCTs, n = 438, p = 0.64)
  • 糖化ヘモグロビン(HbA1c)で、0.00%(95%信用区間:−0.24~0.25%, 5 RCTs, n = 127, p = 0.98)

でした。有意に低下したのは収縮期血圧のみで、それ以外の指標の変化には有意差がありませんでした。ステビアが血圧を低下させるのは、血管平滑筋細胞へのカルシウムイオンの流入をブロックするからだと考えられています[33]が、アンジオテンシン変換酵素活性を阻害するからという新説もあります[34]

それ以外の項目でもステビアの摂取量をもっと増やせば、動物実験でのように有意な違いが出るかもしれませんが、安全性の観点から大量摂取は避けられています。ステビアは、原産地のパラグアイで1500年以上にわたって継続的に使用されているのにもかかわらず、副作用が特に報告されていないことから、一般には安全な食品と考えられています。実際、ステビアの安全性は、日本はもとより、FDA(米国食品医薬品局)やEFSA(欧州食品安全機関)によっても認められています。但し、動物実験では、ステビア抽出物が雄ラットの生殖能力を低下させたという報告[35]があります。そもそもカロリー制限の効果は、抗老化と生殖のトレードオフに基づいていて、抗老化を優先すると成長や生殖が犠牲になるはずなので、これはありうる話です。しかし、体重1kgあたり4mg以下というFAO/WHO食品添加物専門家会議が定めた一日摂取許容量を守る限り、生殖能力が低下することはないでしょう(その代わり、他の有益なカロリー制限模倣効果も限定的になります)。

3.3. オリゴ糖

オリゴ糖(oligosaccharide 少糖類)とは、単糖類が3~10個程度グリコシド結合(脱水縮合)した糖類の総称で、二糖類と多糖類の中間に位置します。この呼称は、特に溶解度や味などが単糖に類似したものに対して使われます。可消化性オリゴ糖もありますが、難消化性オリゴ糖は、水溶性食物繊維と同様に、小腸で消化されずに、腸内細菌の栄養源になることから、生活習慣病予防や腸内環境改善に資する健康食品として商品化されています。もとより、オリゴ糖の甘みは低いので、オリゴ糖と銘打った商品の中には、甘みを増すために可消化性の糖を混入させているものも少なくありません。健康のためには、高純度の難消化性オリゴ糖を選ぶ必要があります。

日本で量産されている天然の難消化性オリゴ糖に、シュガー・ビート(砂糖大根)から分離精製して作ったラフィノース(raffinose)があります。

シュガー・ビート(砂糖大根)の葉(左)と根(右)[36]

ラフィノースは、ヒトの腸内において、ビフィズス菌や乳酸菌などの有益な細菌の増殖を促進しつつ、大腸に存在する有害な細菌を減少させるプレバイオティクスとしての機能が報告されています[37]。ラフィノースが抑制する症状として、アレルギー[38]、アトピー性皮膚炎[39]、脂質蓄積[40]、肥満、糖尿病などが期待されます。腸内環境改善のためには、1日3g以上摂取する必要があります。

以上、健康という観点から、プシコース、ステビア、オリゴ糖という三つの甘味料を紹介しました。最後に、この三つを使い分ける方法を提案したいと思います。

三つの甘味料の長所と短所と使い分け
  • プシコースは、長時間の過熱や高pH(pH9超)の環境下で減少する[41]ので、低温かつ低pH(中性もしくは酸性)の食品に使用するとよいでしょう。アイス・コーヒー、アイス・ティー、ヨーグルトなどがこの条件を満たしています。
  • ステビオシドは、プシコースよりも化学的に安定しています。1時間120℃で熱しても、安定しており、分解するのは、140℃以上においてです。水溶液中のステビオシドは、80℃までの環境下なら、pH2-10の範囲で顕著な安定性を示します[42]。このため、プシコースよりも幅広い用途に使えます。難点は、味に癖があることぐらいでしょうか。直接舐めると、プシコースはハチミツのような優しい甘さですが、ステビオシドは苦みを感じるとかまずいとかと言う人もいます。もとより味覚の好みには個人差があり、飲み物の甘味料として使う限り、特段の苦みも癖もを感じないというのが、私の個人的感想です。
  • ビート・オリゴ糖(ラフィノース)は、さらに熱に強く、140℃までは安定しています。この甘味料の最大の欠点は、甘さが砂糖の二割ほどしかないところにあります。直接舐めると甘さを感じますが、飲み物などに入れるとほとんど甘みを感じません。しかしこの欠点を逆に利用して、それほど甘さを出す必要のない料理に使うとよいでしょう。

三者三様なので、それぞれの特性をよく踏まえた上で、日常の食事に取り入れ、健康と食事の楽しさの両立を実現していただければと思います。

免責事項:このコンテンツは一般的な情報の提供を目的としています。一般に健康に良いとされる方法が個別にも最適とは限らないので、個別での実践に際しては、個別事情に詳しいかかりつけ医等に相談してください。

4. 動画による要点のまとめ

5. 参照情報

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