皆さんは「陰徳」という言葉をご存じでしょうか。
「見返りなどを求めることなく人知れず善行を行う」という意味の言葉ですが、実はこの陰徳を積むことはスピリチュアルの観点から見ても非常に意義のある行為であり、自身の魂を磨く最も有効な手段であると言われています。
中国古典の北史の中では「陰徳とは即ち耳鳴りのごとし」と語られています。
どのような意味かというと、陰徳とは陰に隠れて人知れず善行を積んでいく行為であるため、誰からも褒められることはなくまるで自分一人にしか聞こえない耳鳴りの様だと説いているのです。
この様に古来より陰徳を積むことは世界中で美徳と考えられており、現代まで語り継がれてきました。この記事ではそんな陰徳を積むメリットや方法などを詳しく紹介していきます。
陰徳とは?
陰徳とは人知れず善い行いをしていくことです。見返りを求めることなく、自慢することもなく誰からも見られていない場所で善行を積むことです。
隠れた善行であるのが「陰徳」ですが難しく考える必要はなく、小さなことだけど他者のためになることであったり、人として当たり前の行為のことを指します。
しかし、当たり前のことを当たり前に行うということは実は非常に難しいことであり、誰にでも簡単にできることではありません。
故に陰徳は波動を高める行為であると考えられ、魂の格を昇格させるにも必須となることなのです。
陰徳の反対の言葉「陽徳」の意味
陽徳とは陰徳の対義語であり意味としては、「人に認識され感謝されながら行う善行」です。
一般的には陰徳の方が良い行いであると言われ、波動の上昇なども陰徳を積む方が大きな効力があると考えられています。
しかし「陽徳」も同じ「德」を積む行為なので、もちろん素晴らし行いに違いありませんし、波動も着実に上昇して行くでしょう。
まさにやらない善行より、やる偽善ということでしょうか。
現代社会の身近なところで言えば、SNSでの発信を通して人助けをしている人達が多数現れています。
人助けを行っているのでもちろん褒められるべき素晴らしい行為なのですが、その行為の裏には、フォロワーを増やしたいなどの見返りを求める気持ちが潜んでいたり、自身の承認欲求を満たすための行為である場合も少なくありません。
これがいわゆる「陽徳」というものになります。
陰徳陽報「陰徳あれば陽報あり」ということわざもある
「陰徳あれば陽報あり」ということわざを皆さんはご存じでしょうか。
人に見えないところで善行を積むことができれば、巡り巡って必ず自身に良いことが返ってくるという意味があります。
同じ意味を表す言葉で「陰徳陽報」というものがあります。こちらは中国の古典「淮南子」の中の人間訓という章の一節が由来となった言葉のようです。
淮南子が書かれた漢の時代は様々な思想が入り乱れており、思想の融合なども繰り返されていたそうです。
そんな時代に生まれたとされる「陰徳陽報」の考え方は物事の本質を的確に捉えており、人々の心に深く訴えるものとなりました。故に現代まで陰徳の考え方は受け継がれ、人間の本質を表す最大の美徳とまで言われるようになったのです。
陰徳を積む生き方とは
ここまでで陰徳とはどの様なものなのか、僅かでもご理解いただけたかと思います。
陰徳とは何か、陰徳と陽徳の違いが理解できたのであれば、次は陰徳を積む方法を知る必要があります。
「陰徳を積む生き方」言葉だけ聞くとすごく大きなことを成し遂げなくてはいけないように聞こえてしまいますが、陰徳の根本的な考え方は当たり前のことを当たり前に遂行することなのです。凡事を徹底して普段の生活を営むことで必然的に陰徳を積む生き方を体現することになります。
陰徳を積む方法10選!例を見て今日から陰徳を積もう!
上記で陰徳とは凡事を徹底することとお話しましたが、ここではなるべく身近な具体的な行動を紹介していきます。
ゴミ拾い
道端にゴミをポイ捨てする悪行を働く人間もいれば、それを人知れず拾う清掃活動を行う人々もいます。
ゴミ拾いは最も簡単に陰徳を積む行為のひとつです。地域の清掃活動などに参加するのももちろん良いですが、通勤や通学の途中に1個でもゴミを拾うことで陰徳を積む行為となります。
見返りを求めない善行はどれだけ小さなことでも陰徳となるのです。
ボランティア
善行として最も代表的な行為がボランティアです。自らの意思により社会への奉仕に取り組む行為であり、見返りを求めず無償の愛を体現する尊い行為であります。
声を大にしてボランティア活動に参加するようなことをしなければ、大きな陰徳を積むことができるでしょう。
献血
実は献血に参加することでも大きな陰徳を積むことができると言われています。
献血への参加を普段から定期的に行っているという人は少ないかもしれませんが、実は非常に大きな陰徳を積むことができます。
献血は間接的ではありますが、他者の命を救う行為に繋がりますので社会貢献度は大きなものとなります。
貢献度の大きさがそのまま徳の大きさとも考えられますので、人知れず献血に参加することは陰徳陽報の観点から考えると非常に大きな意義のある行為となります。
寄付や募金をする
寄付や募金をすることも陰徳に繋がります。金額は関係なく、たとえ10円でも他人のために寄付することができれば徳を積むことができます。
肝心なのは見返りを求めないこと、自己満足の行為になってしまわないことです。他者を助けたいという純粋な気持ちを持って行動に移しましょう。
神社
神社への参拝も陰徳を積む行為として挙げられます。もちろんこれも見返りを求めてはいけません。
何かを神様にお願いするための参拝では徳は積むことはできませんので、ただ一途に神様への感謝の気持ちを持って「ありがとうございます」を伝える参拝を心掛けましょう。
トイレ掃除
人が嫌がるようなことに率先して取り組むことでも陰徳を積むことができます。
トイレ掃除と言えば「臭い・汚い」などの理由で敬遠されがちですが、一昔前に流行った歌のようにトイレには神様が宿ると考えられており、風水などでも重要な場所として挙げられます。
率先してトイレ掃除に励むことでコツコツと徳を積んで行きましょう。
笑顔を絶やさない
笑顔を絶やさないことでも陰徳を積むことができます。
一見、笑顔でいるだけでは誰の役にも助けにもなっていないように感じますが、実は常に笑顔でいることは人助けに繋がっているのです。
人の笑顔には強大なプラスのパワーが宿っており、周囲の人たちに癒しの効果を常時与えることになります。
物を大切に扱う
日本では古来より付喪神という神様の存在が信仰されており、長年使用してきた物には神様が宿ると考えられてきました。
物を大切に扱うことは当たり前のように感じますが、物と一緒にそこに宿る神様や精霊も大切にすることと同義になりますので、徳を積むことにも繋がります。
常に勤勉である
勤勉に努めることでも陰徳を積むことができます。「真面目」や「真摯」と言い換えても良いかもしれません。
見返りを求めることなく常に物事に真摯に取り組むことで、あなたの波動や魂は清廉さを宿します。清廉潔白であることは陰徳を積むことと直結しているので勤勉であることは大きな効果をもたらすことになります。
挨拶を徹底する
凡事徹底の基本とも言える「挨拶」ですが、気持ちの良い挨拶を徹底し心掛けることで徳を積むことができます。
挨拶は人がコミュニティの中で集団生活を営むための基礎となる部分です。基礎をしっかりと固めることで自身の人間力を向上させ、周りの波動も底上げすることができるのです。
陰徳を積むときのポイント・注意点
陰徳を積むことは自身の波動を底上げし魂を磨く行為であり、人知れず凡事を徹底することは大きな意義があると説明しました。
ここで最も重要なのは「陰」の部分、「人知れず」ということです。良いことを行ってもそれを人様に大きな声で自慢したり、見返りを求めてしまうとただの善行となってしまします。
陰徳を積むためには無償の行動であること、人知れず誰からも褒められなくとも行動を起こすことが必須となります。
陰徳を積むときの注意点を挙げるのならば、自分の行う善行を「特別なこと」と思わないことです。凡事徹底を意識してください。
あくまでも善行はやって当たり前の行為なのです。
これさえ押さえておけばあなたの陰徳は着実にプラスになっていきます。
陰徳を積む効果
陰徳を積むことで自らの波動を高め、魂を清廉潔白なものにできるということはお話しましたが、では陰徳を積むことは具体的にどの様な効果をあなたにもたらしてくれるのでしょうか。
この世界に存在する揺るぎないルールである「引き寄せの法則」や「原因と結果の法則」に則って、陰徳を積むと巡り巡って必ずあなた自身に善いことが返ってきます。
波動が高まるため心身の健康に恵まれます。
また清廉潔白な魂の持ち主の元には同じく純粋な心の持ち主が集まるため、周囲に信頼できる仲間が集まります。
周囲からの手厚いサポートを受けることができるため、大きな成功を収めることも容易となります。そして最も大きな効果となるのは、見返りを求めない純粋な善行には予期せぬ幸運が返ってくるということです。
宝くじ当選のような臨時収入かもしれませんし、パートナーとなるべき人との素敵な出会いかもしれません。
この様に陰徳を積むことは最終的にはプラスのパワーとなって自分に返ってくるのです。
陰徳を積む人の特徴3選
①謙虚である
陰徳という言葉の大前提として、見返り求めないということや人知れず陰で行う善行であることが挙げられます。
無償の善行を行える人や凡事を徹底できる人は謙虚な心の持ち主であると言えます。
傲慢な心の持ち主であれは、善行をアピールしてしまうでしょうし、見返りや交換条件を出してしまうでしょう。それでは陰徳とは言えません。
②万物に対して平等である
人間なので心を持つ以上、誰でも好き嫌いなどの気持ちはどうしても出てきてしまうものです。
しかし陰徳を積み重ねている人は決して好き嫌いの気持ちを表に出すことはありません。
常に平等に接することを心掛けているのです。
③ポジティブな思考である
陰徳を積み重ねている人は、波動が上昇しており魂の格も昇格していますので、心身に流れる気もプラスのパワーを帯びたものに変化しています。
プラスのパワーは思考にも作用し常にポジティブな考えができるようになるため、物事の進行がスムーズになって成功への後押しとなります。
運気が上がる・開運する
スピリチュアルに関するものだけではなく、風水や占星術など様々な考え方の中に「開運方法」は存在しています。
有名なところではお守りやパワーストーン、家具の配置などが挙げられます。
これらは全て、物に込められたパワーを身近に置くことで自身の波動を底上げし開運に繋げているものです。
物体からプラスのパワーを吸収し波動を高め、開運に必要なエネルギーを自身の内部から放出するというプロセスを実行しているのです。
実はこの様に開運グッズなどの物体に頼り切った開運方法を続けているとあなたの内部に蓄積されていたプラスのエネルギーは消費ばかりになるため、いずれは底をついてしまいます。
そこで陰徳を積むことによって自身の内部にエネルギーを蓄積していくことが重要となるのです。陰徳を積むことは開運の根幹を成す行為と言っても過言ではありません。
陰徳を積み内包するエネルギー総量を上昇させ、開運グッズなどの物体の力を借りて大きく放出することが一番効率的な開運方法であると言えるでしょう。
陰徳を積んでいる人はオーラの格が違う
徳を積んでいる人は周囲の人々から尊重され、尊敬の眼差しを向けられるようになります。
陰徳を着実に積み上げ自身の徳がある一定の上限を超えると波動が上昇し、魂も洗練されていきます。
それに伴い、まとうオーラにも変化が現れ、一般的には徳を積んできた人物のオーラは金色で強い輝きを帯びていくと言われています。
また、その人が持っている徳の大きさによってオーラも色の濃さや出力される大きさなどに変化が現れるようです。
穏やかな晩年を過ごすことができる
陰徳陽報の考え方は、人に見えないところで善行を積むことができれば、巡り巡って必ず自身に良いことが返ってくるというものですが、実は陰徳に対して即時効果があるわけではないのです。
陰徳を積んだ翌日に良い出来事が起こるわけではなく、長年にわたりコツコツと積み上げてきた陰徳に対して大きなプラスのエネルギーが作用するということなのです。
ですから陰徳を積んできた多くの人たちは穏やかで素敵な晩年を過ごすことができるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では「陰徳」についてお話してきました。
普段の生活の中では中々聞きなじみのない言葉だったかもしれません。
開運や人生を豊かにしていくためには非常に重要なものとなります。人知れず善行に取り組み陰徳を積むことで自身の波動を高め、魂を清廉潔白なものへと昇格することができるのです。
見返りを求めることなく純粋な心で人助けをすることは「陰徳陽報」の言葉の通り、巡り巡って必ずあなた自身の助けとなるでしょう。
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