歴史上、さまざまな文化圏で、幸運をもたらし、邪悪な力を追い払い、愛する人や自分を害から守るために、独自の迷信や儀式が発達してきました。
その代表的なものが「花」です。
この記事では、邪気を追い払う力があり、魔除けや神性のシンボルとして非常に強力な力を持っている10の花についてご紹介します。
菊
中国では、菊は邪気を払う力を持っているとされており、それが日本にも語り継がれ、旧暦の9月9日である重陽の節句という菊の花を楽しむ行事があります。旧暦の9月9日は現在の10月中旬に当たり、菊の花が最も美しくなる時期です。
旧暦の9月は「菊見月」とも呼ばれ、日本では平安時代初期に宮中行事のひとつとなり、菊を鑑賞する宴会や菊を用いた厄払いの宴会が行われるようになりました。
現在では、長寿や喜びを連想させることが多い花ですが、邪気を払う力もあるとされ、親しまれていたんですね。
また、この花は死者を安らかにあの世に送り出すことができると信じられているため、葬儀の生け花としても人気があります。
厄除けや幸運のシンボルとして使われており、心を穏やかにする効果があると言われています。
セージ
悪霊や悪魔を撃退するために使われる最も古い植物のひとつが、セージです。
何千年もの間、スマッジングなど、伝統的な儀式に使われてきました。
ネイティブアメリカンは長い間、セージがネガティブなエネルギーを浄化し、空間を清める力があると信じてきました。
セージの癒しの効果は、嫉妬や悪霊を追い払い、平和な環境を作り出すと信じられている。
今日、セージは世界中の宗教儀式や祭事で広く使われている。
セージを燃やすと、その煙がネガティブな波動を運び去り、部屋のエネルギーを浄化してくれると信じられている。
セージは、人や場所の不要なエネルギーを “浄化 “するために使うことができます。
ヒソップ
悪霊や悪魔を追い払う力があると信じられているもうひとつの植物が、ヒソップです。
ヘブライ語で聖なる草という意味を持つヒソップは芳香性の低木で、しっかりとした香りと薬効があります。
古代文化ではヒソップを薬用に用い、神聖視していました。実際、今日でも胃腸や呼吸器系の問題を治療する薬の成分として使用されているのです。
多くの宗教において、ヒソップは個人や地域を浄化するための儀式の一部として使用されてきました。ヒソップは保護力を高め、悪霊や悪魔を追い払うと信じられています。
ヒソップは、あらゆるネガティブなエネルギーを追い払い、ポジティブな波動をもたらすのに十分な力があると信じられています。
古代ギリシャでは、ヒソップは王に油を注ぎ、寺院を浄化し、悪霊を追い払うために使用されていました。中世ヨーロッパでは、ヒソップは家を守り、魔女を遠ざけるために使われていました。聖書の中にも、ヒソップは保護と浄化のために何度も登場します。
植物の力を信じるかどうかは別として、セージとヒソップが歴史を通じて悪霊や悪魔を撃退するために使われてきたことは明らかです。
これらの植物はそれ自体もパワフルですが、儀式やセレモニー、祈りの中で使われると、そのパワーはより大きくなります。
ヨモギ
ヨモギは、邪気に対する強力な武器と考えられています。
古代中国では、ヨモギなどの草の香りが邪気を払うと信じられ、草餅を食べて厄払いをしていました。
日本でも3月3日のひな祭りに邪気払いのために草餅を食べる習慣がありますよね。
もともとは中国から伝わった上巳の節句で、季節の節目を意味する「節」は、昔から邪気が入りやすいとされていたからなんです。
このハーブは非常に香りがよく、強い苦味成分を含んでおり、邪悪な力を追い払うために使用されます。
ある文化では、ヨモギは葬儀の時など、負のエネルギーにさらされたものを清めるために使われます。
日本でも、ヨモギの葉を燃やして濃い煙を出し、空気を浄化して悪霊を追い払うと言われています。
また、中世のヨーロッパでは、悪魔を追い払う効果があるとされ、玄関にヨモギを吊るす習慣がありました。
桃の花
桃の花は、不運や災難から守ってくれます。
旧正月になると、多くの人が桃の花を家に飾ったり、桃の花のキャンディを配ったりして、邪気を払うのです。
雛まつりで桃の花を飾るのも、桃の花の鮮やかなピンク色は、不吉な霊や邪気を追い払う効果があるからなんですね!
また、桃の花は長寿のシンボルでもあるため、病気から身を守るために薬や漢方薬にもよく使われます。
また、芳しい香りは心を落ち着かせ、リラックスさせる効果があるとされ、リラクゼーションに最適な花とされています。
カーネーション
カーネーションは美しく鮮やかな花で、さまざまな色があり、神の愛と神の守護を表しています。
そのため、多くの宗教的な信念や慣習において重要な要素となってきました。
例えば、カトリックでは、カーネーションは聖母マリアの純潔と神聖さを思い起こさせるものとされています。
その理由は、彼女の涙が最初のカーネーションになったと言われているからです。
そのため、多くのカトリック教徒はカーネーションを大切にし、宗教的な儀式でこの花を贈ったり、精神的な安心感として家の中に置いたりしています。
また、カトリック以外でも、愛情や尊敬、賞賛の気持ちを込めてカーネーションを贈ることが多いようです。
精神的な保護という意味では、カーネーションの美しい色には魔除けの力があり、暗い霊やネガティブなエネルギーに対して安定と安心を与えてくれると考える人もいます。
このことは、キリスト教でカーネーションを悪霊から守るために持ち歩く習慣や、愛と守護の証としてこの花を贈る一般的な習慣に表れています。
マリーゴールド
マリーゴールドも邪気祓いに効果的な花です。古来よりスピリチュアルな性質を持つと信じられてきた花の一種です。
聖母マリアは花が好きで、特にマリーゴールドが好きだったそうで、聖母マリアは庭をマリーゴールドでいっぱいにしていたと言われており、それがやがて聖母マリアとこの美しい花との結びつきにつながりました。
聖母マリアの黄金の花として親しまれています。
今日でも、多くの人々がマリーゴールドの花束を持ちながら、聖母に祈り、その愛と守護をお願いしています。
マリーゴールドは太陽の象徴として使われることが多く、その鮮やかなオレンジ色は光と生命力を意味しています。また、聖母マリアを象徴する誠実さや守護のシンボルとしても用いられています。
メキシコでは万聖節にちなんで、愛する人のお墓に供え、死者を讃える花です。マリーゴールドは成長が早いため、悪霊を追い払い、超自然的なものから人々を守る力があると言われています。
スペインでは、マリーゴールドを「flor de Muerto」(死者の花)と呼ぶ文化もある。
2つの花をベッドの両側に置くと、ネガティブなエネルギーから身を守れると言われています。マリーゴールドはパワフルな花なので、水やりやお手入れを忘れないことが大切です。
ジャスミン
ジャスミンは浄化作用があると信じられており、悪や闇を追い払うための儀式や聖歌によく使われる花です。
インドやスーダンをはじめ、多くの文化圏で、ジャスミンはネガティブな霊を遠ざけ、幸運と富をもたらすために使われてきました。
ジャスミンの力強い香りは、悪夢のような精霊を阻止する働きをすると考えられています。
中国では、先祖を喜ばせ、後世に幸運をもたらすために、ジャスミンをお供えすることが多いようです。
ジャスミンは美と優雅さを象徴する花であり、そのため、このような慈悲深い用途に使われるのでしょう。
古代エジプトでは、ジャスミンは家の周りに植えられ、邪悪なものから家を守るために使われていました。
水仙
水仙もまた、邪気を払う力があるとされる花です。
水仙は、日本のバラと同様に、鮮やかな色と甘い香りが心を落ち着かせ、ネガティブなエネルギーを追い払う効果があるとされています。
また、家に置くと幸運と繁栄をもたらすと言われています。
また、この花は太陽のシンボルでもあり、家に置いている人にポジティブなエネルギーをもたらすと言われています。
神話的には、ギリシャ神話の女神ペルセポネがハデスの妻として冥界に連れて行かれ、贈られた水仙を食べて初めて解放されたことと関係があると言われている花です。
このことから、この花は希望と信仰の象徴であり、私たちの生活に常に存在する神聖な力を思い起こさせる花でもあるのです。
ローズマリー
ローズマリーは古くから宗教的な儀式に使われてきました。
ギリシャ神話では、ローズマリーは愛と美の女神アフロディーテと結びつけられていました。
伝説によると、ローズマリーは、アフロディーテの涙が砂に当たって海の近くに生え始め、香りのよいハーブに成長したそうです。
また、ローズマリーは記憶と結びつき、強さと忠誠心を象徴し、結婚式や葬儀の際にローズマリーの小枝をよく身につけたという。
現在でも、甘い香りのするこのハーブは、お香や祭壇へのお供え物として、悪いエネルギーを跳ね返すのによく使われています。
今日、ローズマリーは悪霊を追い払う伝統的な治療薬と考えられています。
多くの文化圏で、ローズマリーは身を守るために燃やされたり、家の中に吊るされたりします。
また、霊能力を刺激し、創造性を啓発すると信じられています。
ヨーロッパのある伝統によると、ローズマリーは誰が真実で誰が嘘をついているかを見分けるため、あるいは悪意のある存在を追い払うために使われることがあるそうです。
特にローズマリーの香りは、家の中のネガティブなエネルギーを取り除くのに有効です。家の中でローズマリーの束に火をつけると、悪い気を一掃できると言われています。また、ローズマリーを布に包んで引き出しの中にしまっておくと、家を邪悪な力から守ることができるそうです。
まとめ
季節に応じて楽しむこともできるので、いろいろと自分のインスピレーションにあったお花を探してみてください。
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