「飼い猫が餌をクンクンするのに食べてくれない…。」
このような状況に悩んでいる飼い主もいるのではないでしょうか?飼い猫の食欲が低下してしまったら、どこか悪いのでは?と心配になりますよね。
そこで今回は、猫クンクンするけど食べない理由と対処法を解説します!
猫クンクンするけど食べない理由
猫クンクンするけど食べない理由は、以下の7つです。
- 好みではない
- 警戒している
- ストレス
- 繁殖期
- 老化による衰え
- 口腔内の病気
- 内臓の病気
猫が餌を食べないと心配になりますよね。食べない理由がわかれば、適切な対策を取ることができます。
それでは、それぞれ詳しくみていきましょう。
1.好みではない
猫がクンクンするけど食べないのは、フードや餌が猫の好みではないからです。猫は意外とグルメな動物です。そのため、自分が気に入ったフードや餌でない場合には、「これじゃない…!」と拒否することも珍しくありません。
特に、療法食を与えている場合は、「食べてくれない…」と、手を焼いている飼い主も多いのではないでしょうか?療法食を食べないのは、療法食が薄味に作られていることが多いのが理由に挙げられます。
2.警戒している
猫はとても警戒心の高い動物です。警戒を感じたものには近づかなくなることも…。
例えば、いつも食べているフードから急に違うフードにしたり、フードに食べたことのないものをトッピングしたりすることで、警戒してしまう可能性があります。
一度警戒してしまうと、警戒心を解くのは簡単なことではありません。無理に食べさせよう…とすることは逆効果になるかも!
3.ストレス
猫はストレスを感じたり興奮していたりすると、一時的に食欲が低下し食べなくなることは珍しくありません。
猫は人間が思っている以上に、ストレスを感じやすい生き物です。
例えば、
- 引っ越し新しい家族が増えた(人間の赤ちゃんや新しい猫や犬など…)
- 飼い主とのコミュニケーション不足
- 来客
- 旅行
- フードボウルの位置が変わったり、フードボウル自体が変わった
- 長時間の留守番
- 里親など飼い主が変わった
このような環境の変化に、ストレスを感じることは多いです。人間側にとってはなんでもないことであっても、動物は敏感に感じたりダメージを受けていることがあります。
4.繁殖期
避妊や去勢手術をしていない猫の場合、繁殖期に食欲が低下することは珍しくありません。
猫は暖かくなると発情期を迎え、9月頃まで続くことが一般的です。猫の場合には、年何回と決まっているわけではなく、面白いことに日照時間が長くなりかつ14時間を超えると猫は発情する特徴があります。
また、食欲低下の他にもさまざまな症状が現れます。
例えば、
- 叫ぶように鳴く
- トイレ以外の場所で用を足す
- すり寄ってくる
- スプレー行動が増える
などの様子が見られる場合には、繁殖期を迎えていると予想することができるでしょう。
猫の発情期には、いつもの猫とはまるで違う様子に飼い主はびっくりしてしまうことも…。
5.老化による衰え
猫が餌をクンクンしても食べないときには、猫がシニアの場合老化によって消化器機能が衰えている可能性があります。
猫も人間同様に年齢を重ねていくと消化器機能が衰えていきます。その結果、食欲が湧かなくなったり食べることへの意欲が低下することも…。
6.口腔内の病気
猫が餌をクンクンしているのに食べないときには、猫の口腔内にトラブルが起きている可能性があります。
例えば、デンタルケアを全くしていない場合には、虫歯や歯周病を発症している危険性があります。
虫歯や歯周病は初期の頃は特に目立つ症状はなくても、進行していくに連れ「痛み、悪臭、歯が抜ける」などの症状が現れることも…。
餌を食べるときに痛みが生じることで、食べることを躊躇している可能性があります。また、痛みで食欲が低下していることも…。
7.内臓の病気
猫が餌をクンクンしているのに食べないときには、内臓の病気が関係している可能性があります。
例えば、消化器疾患や腎臓病、心筋症、猫白血病や癌などの病気になると食欲が低下することがあるのです。
初期の段階では目立った症状がなくても、進行していくと食欲不振以外にも症状が出ることがありますので、チェックしておきましょう。
猫クンクンするけど食べときの対処法
猫クンクンするけど食べないときの対処法は以下の4つです。
- 元気ならほっとく
- 病気が原因なら動物病院に連れていく
- フードが食べにくくないか確認する
- ストレスになる要因を取り除く
ほっといても平気な場合もありますが、ほっとくことで命に危険が生じることがありますので、慎重に対処するようにしましょう。
1.元気ならほっとく
餌を食べなくても、特に食欲低下や食欲不振以外に気になる症状がなければ、とりあえず様子を見るのも手です。
食欲低下や食欲不振は病気などの特別な原因がなくても起こることは珍しくなく、水を飲めていていつもと変わらない様子であればそれほど慌てる必要はありません。
飼い主が慌てたり、必要以上に心配をすると、飼い主の不安な感情を敏感に察知し猫も不安になります。
1日から2日はおおらかな気持ちで様子を見ましょう。
2.病気が原因なら動物病院に連れていく
食欲低下や食欲不振の他に、気になる症状やいつもと違う様子がある場合には、何かの病気が原因となっていることがあります。
例えば
- 下痢や嘔吐がある
- 水も飲まない
- ぐったりしている
- 息が荒い(苦しそう)
- 舌の色が薄い
などの症状がある場合には、緊急を要することもあるため直ちに動物病院に連れて行ってあげてください。
3.フードが食べにくくないか確認する
餌をクンクンしているのに食べない場合は、フードの形状や硬さが合っていないのかもしれません。
例えば、噛む力が衰えてきているシニアに、硬すぎるカリカリフードを与えても負担になるだけです。
また、若い成猫であればあまりにも柔らかいフードはお気に召さないことも…。
他の飼い主からおすすめされたフードや人気のフードだからといって、飼い猫にも合っているかどうかは別の話ですので、注意が必要です。
飼い猫の様子をしっかり観察してくださいね。
4.ストレスになる要因を取り除く
ストレスになる要因がある場合には、可能な限り環境を見直すようにしましょう。
- フードボウルを変えた→フードボウルを戻す
- フードの場所を変えた→場所を戻す
- フードを変えた→フードを戻す
- 留守番が増えた→留守番を減らす努力をする
- 来客→極力人は呼ばない
など、まずは環境が変わる前の状態に出来るだけ戻すことをおすすめします。
もし、環境を元に戻すことができない事情がある場合には、徐々に環境の変化に慣れさせてあげなければなりません。
人間だって、急にガラッと生活環境が変わったらストレスがかかり体調不良の元になったりしますよね?
猫も同じです。
フードを変える場合には、徐々にフードを切り替えていく、留守番させなければならないのであれば、徐々に留守番の時間を長くしていく…など飼い主側の配慮も必要になります。
ストレスは万病の元です。急激なストレスをかけないよう注意しましょう。
餌をクンクンするけど食べないときのシチュエーション別にチェック
餌をクンクンするけど食べないときは、そのシチュエーションで理由や対処が異なります。
食欲不振だけの限定的な症状だけで判断せずに、他の症状が出ていないかチェックするようにしましょう。
1.元気はあるけど餌を食べない
元気はあるけど餌は食べない…猫がこのような状態になることは決して珍しいことではありません。
元気はあるけど餌を食べないのは、気まぐれやわがまま、軽度のストレスが原因と考えられるでしょう。この場合には、基本的には様子を見ておいても大丈夫です。
!ワンポイントアドバイス
餌を食べさせたいあまりに、猫の機嫌を取るかのようにおやつや人間のご飯を与えることはやめましょう。
特に、人間のご飯は味が濃くクセになりやすいです。また、猫にとっては塩分が多く害になる危険性があるので絶対に与えないようにしましょう。
2.カリカリを急に食べなくなった
カリカリを急に食べなくなった場合、味に飽きていたり、そもそもカリカリが好きではなく仕方なく食べていた可能性が高いでしょう。
病気や口腔内のトラブルもないわけではないですが、それらが要因であれば食欲不振以外の症状も出ている可能性は高いです。
口腔内からの出血や悪臭、ぐったりしている、水も飲まない、嘔吐や下痢などの身体的な症状がなければ、体内でなにか起きていると考えるよりも、上記の心理的な問題と考えたほうが良さそう。
!ワンポイントアドバイス
カリカリを急に食べなくなった場合には、まずフードに工夫をしてみましょう。
具体的には、フードにふりかけをトッピングして味に変化をつけてあげたり、フードをふやかして柔らかくしてあげたりしてみましょう。普段と少し違うだけでも、食いつきが良くなることがあります。
特に、フードはふやかすと香りが強くなります。
3.ご飯は食べないけど水は飲む
ご飯は食べないけど水は飲む場合、特に問題はないケースと心配なケースがあります。
問題ないケースは、わがままや発情期に伴う食欲不振です。
このケースでは、しばらくすると落ち着いたり、少しの工夫で解決することが多くさほど心配はありません。
一方で、心配なケースは水を良く飲むようになった場合。水を大量に飲む症状は、腎臓病や糖尿病などの病気を発症している可能性も考えられます。
いつもよりも明らかに水を飲む量が増えた…というのであれば一度病院で診察してみても良いかもしれません。
4.ご飯も食べずに寝てばかり
ご飯も食べずに寝てばかりの場合では、まず1番に疑うのは老化による活動低下です。
猫は15年、20年と生きることも珍しくなく、昔と比べると猫の寿命は伸びているようです。しかし、寿命が伸びたとしても7歳から8歳頃からはシニア期に入ります。
シニア期に入ると、だんだんと活動低下が起こり、成猫の時と同じようなエネルギーを必要としなくなってきます。
必要エネルギーが下がれば、当然その分摂取するエネルギー量も低下するので、自然と食欲が湧かなくなったり少食になったりするのです。
上記のような活動低下に伴い寝てばかりとなっていると考えられます。
!ワンポイントアドバイス
シニア期の猫であれば、無理に活動させようとせずのんびりと過ごさせてあげることも大切です。猫がご飯を食べない場合、飼い主としてはどうにかしてご飯を与えよう…としてしまいがちですが、必要エネルギーが低下しているのに無理に食事をするのは負担になる他ありません。
水が飲めているのであれば、のんびり寝かせてあげましょう。
5.餌は食べないけどおやつは食べる
餌は食べないけどおやつは食べる場合、ほとんどの場合は猫のわがままや要求です。おやつを与えすぎてしまうと、フードよりもおやつを欲しがるようになります。
!ワンポイントアドバイス
おやつを与えすぎることはやめましょう。要求されるがまま、可愛いからと言ってあげているとクセになる危険性があります。おやつの与え方を調整し、依存しないようにコントロールしましょう。
6.ご飯はたべないけどチュールは食べる
チュールは猫好みに味や匂いがつけられているため、当然猫は大好きなおやつです。
味が濃いものはクセになりやすいので、チュールばかりあげていたらご飯を食べなくなるのは容易に想像ができます。チュールばかり食べていると、肥満に繋がり結果的に病を引き起こす危険性もあるので注意しましょう。
!ワンポイントアドバイス
チュールばかり食べる場合、チュールを与える頻度を下げるほかにも、できる対策があります。
チュールを与える頻度を下げたところで、フードを食べてくれなければ飢餓状態になることも…。
そのため、フードにチュールを混ぜて食欲を上げるようにしてみましょう。フードにチュールの味や匂いがつけば、進んで食べる可能性もあります。
また、フードをふやかしたりするのも効果的です。
猫がご飯を食べないフラフラ
猫がご飯を食べなくなり、フラフラの様子であれば緊急を要する事態が起きている可能性があります。
例えば、フラフラするのは平衡感覚を司る三半規管に異常が出ているのかもしれません。
また、それだけではなく貧血や熱中症などの疾患でもフラフラするという症状が出ることも…。
いずれにしても、フラフラしている場合には体内で異常が起きていないかを早急に調べてもらうことをおすすめします。
まとめ
今回は、猫が餌をクンクンしているのに食べない理由と対処法について解説しました。飼い猫がご飯を食べないのには必ず何か理由があります。
問題ないケースから心配なケースまでさまざまな理由が考えられますので、異変を見落とさないように日頃から飼い猫の様子をチェックしておくようにしましょう。
コメント