犬が死ぬ前には多かれ少なかれ前兆があります。
その前兆のひとつに「水を多量に飲む」ことがあるそうですが、「死ぬ前に水を飲むってどういうこと?」なんて、疑問を持つ人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、犬が死ぬ前に水を飲む理由について解説していきます。
また、水を多量に飲むという症状が現れる危険な病気についても解説しますので、ぜひ参考にしてください!
犬が死ぬ前に水を飲む理由とは?
犬が死ぬ前に水を飲む理由は、恒常性を維持するための本能が影響しているのでは?と考えます。
動物には、体の外内部の変化に対して身体の状態を一定に保とうとする機能が備わっています。
この機能によって、私たち動物は日頃心身のバランスを一定の状態に保つことができているのです。
犬が死ぬときの体内の異変に、この恒常性バイアスが機能しているのかもしれません。
水を飲む行為自体も恒常性を維持するために必要なこと。
例えば、
- 脱水になれば喉が渇き水を欲する
- 体温が高くなれば水分を取りたくなる
- 気分が悪いと水を飲んで落ち着かせようとする
などなど。水を飲むことで本来の正常な状態に戻そうとしているんですね。
この原理を考えると、犬が死ぬ前に水を飲むことはさほど不思議ではないことがわかるのではないでしょうか?
死ぬ前というのは、身体機能としてはかなりバランスが崩れている状態になっていると考えられます。必死に命の危険から逃れるために、本能的に水を欲しているのかもしれませんね。
犬が水を多量に飲むときに考えられる危険な病気
犬が死ぬ前に水を飲むことがあるのは分かりましたが、病気を患っていることがわかっている場合や老犬で寝たきりで明らかに命の終わりが見えてきているならまだしも、それ以外であれば、「水を飲む行為」から死が迫っている可能性を予期するのは難しいでしょう。
ただ、普段から犬の様子を観察することで早期に犬の異変を察知することができれば、死を未然に防ぐこともできるかもしれませんよ。
犬がいつもより多量に水を飲むようになったら命の危険があるかもしれないことは頭には入れておいた方が良いかもしれません。
①脱水
犬が突然水を多量に飲む場合は、体内の水分量のバランスが崩れてしまい脱水症状を引き起こしている可能性があります。
犬は体温調節が苦手な動物なので特に夏場は熱中症になる犬も多いです。
熱中症や脱水は放っておくと命の危険を伴います。
特に夏場に水を多量に飲む場合には、このように暑さから体調を崩していることがあるので注意しましょう。
意識の混濁等が見られる場合には、より危険が迫っているといえます。
②糖尿病
犬が多量に水を飲むようになった場合には、糖尿病を患っている可能性もあります。
犬の糖尿病も人間の糖尿病と同様に、多飲多尿の症状が見られることが多く、放っておくと命に関わることがあります。
糖尿病は、末期になると体重が減ったり意識が混濁したり重篤な症状を引き起こし死に至るケースもありますので注意しましょう。
③腎臓病
腎臓病もまた、多飲多尿の症状が現れる病気のひとつです。
腎臓病は初期には特有の症状が現れることが少ないため発見しづらい病気とも言われています。
腎臓は老廃物をろ過し体外へと出す働きがありますが、腎臓の機能が衰え最終的に腎不全まで進んでしまうと、体内の毒素が溜まり尿毒症になる危険もあります。
尿毒症になると、1週間から1ヶ月の間に亡くなるケースも多いようですので注意しましょう。
④子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は、子宮の中で細菌感染を起こしてしまうことで膿が溜まる病気です。
子宮蓄膿症がひどくなると元気消失や食欲低下などの症状に加え多飲多尿の症状が見られます。
子宮蓄膿症は死亡率の高い病気で急速に病状が進行し自宅で様子を見ている間に急死してしまうこともある恐ろしい病気です。
主に、避妊手術をしていない6歳以上の犬に起こることが多く、さらにお産を経験していない犬はより発症率は高くなるそうですよ。
⑤クッシング症候群
副腎皮質ホルモンが過剰に分泌することが原因のクッシング症候群。
クッシング症候群の代表的な症状のひとつに多飲多尿があげられます。病態が急速に悪化すると急死する可能性もあるようなので注意が必要です。
多飲があったらよく観察してあげて!
犬の多飲は問題ないケースから上記のように死の一歩手前の状態にいるケースもあります。
犬の体の危険サインにいち早く気づくためには、日頃から愛犬の生活リズムや様子を観察することが大切です。
正常の状態が分からなければ、いくら水をたくさん飲むことでサインが出ていたとしても、その状態を異常と認識することは難しいですよね。
ただ、重大な病気が隠れている場合や急を要する状態のこともあるので、日頃の状態がわからなくて比較ができない場合であっても、犬の多飲に気づいたら犬の様子に異変はないか確認するようにしましょう。
特に、呼吸状態や目の焦点、また舌や歯茎の色を確認しておくと安心です。舌や歯茎の色がピンク色ではなく白くなっていると重度の貧血を起こしている可能性があるかもしれません。
心配であれば、獣医師にチェックしてもらうと良いでしょう。
まとめ
今回は、犬が死ぬ前に水を飲む理由について詳しく解説しました。
犬が死ぬ前に見せる前兆はさまざまです。
老衰や末期の病気で闘病している状態であれば、多飲の他にも寝たきり等の状態にいることが多いでしょうからわかりやすいですが、突然死のような状況の死ぬ前というのは異変には気付きにくかもしれません。
犬が水を多量に飲む場合には、なにか体内に重大な異変が起きている可能性を考えるようにしましょう。
犬の状態を把握するためには、日頃の観察に加え健康診断を受けておくのもおすすめです。
犬は言葉で不調を伝えることができません。そのため飼い主が注意して見てあげることが必要です。
また、犬は症状が現れると既に病状が深刻な状態にまで進んでいることがよくあります。
手遅れになる前に、せめてシニア期に入ったらよく見てあげるようにしてくださいね。
老犬や病気の末期で寿命が近いことがわかっている場合には、犬が水を飲みたがる様子があればその希望を満たしてあげ、いつ訪れてもおかしくない死を受け入れる準備をしてあげましょう!
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