生体販売とは?

生体販売とは?ペット

犬猫を飼いたい…!そう思った時には、みなさんはどこで犬猫を手に入れようと考えますか?

多くは、ブリーダーやペットショップなどを利用するのではないでしょうか?

しかし、生体販売はとても便利な一方で多くの問題も抱えています。そこで今回は、生体販売の問題点と世界の生体販売の状況について解説します。

生体販売について今一度一人一人が真剣に向き合い考えるようにしましょう。

生体販売とは

生体販売とは、犬猫やウサギなどの生体に価格をつけて販売することです。主にブリーダーやペットショップでこの生体販売は行われています。

この生体販売によって、多くの犬猫の飼い主は希望のペットを手に入れることができます。

しかし、その一方で生体販売は問題点が多くあるのも事実です。私たち人間は、生体販売の裏にある真実に目を向けるべきなのではないでしょうか?

生体販売に反発する声も多くなっており、犬猫を迎える時には保護犬や保護猫を迎えるよう訴える団体も多くなっています。

生体販売を禁止している国が増えている

生体販売を禁止している主な国は以下の4つです。

  1. スウェーデン
  2. フランス
  3. アメリカ
  4. オーストラリア

日本でも生体販売への反発は増えてはきていますが、まだまだ規制が行き届いていません。

一方、世界では生体販売自体を禁止している国や地域は存在します。

スウェーデン

動物愛護の先進国であるスウェーデン。動物に関しての規制の厳しさは世界一との声もあります。

スウェーデンでは、動物保護法によりペットショップでの生体販売は禁止されています。

ペットショップは存在しますが、日本のように店頭にペットが並ぶことはありません。

他にも、スウェーデンにはさまざまな動物保護のための条例があります。

  1. 繋ぎ飼いの禁止
  2. ケージ飼いの禁止
  3. 犬だけの6時間以上の留守番禁止

など、日本とはまるで違いますよね。

このような条例があることから、いかに動物に対する愛護の意識が高いかがわかるのではないでしょうか?

フランス

フランスでは、現在は生体販売は禁止ではありませんが2024年からペットショップでの生体販売は一切禁止になります。

フランスはペット愛好国でもありますが、実はそんなペット愛好国フランスでも捨て犬や捨て猫の数の多さは問題になっています。

ペット愛好国家であるフランスでも、毎年10万匹近いペットが捨てられているようです。

2024年からの生体販売禁止によって、不幸なペットが減ることを願います。

アメリカ

アメリカの一部の地域や州で生体販売は禁止されています。

主に、カリフォルニア州・インディアナ州・イリノイ州・ワシントン州で生体販売の禁止法が定められています。

インディアナ州では、ペットショップで犬、猫、ウサギの生体販売を行った場合、最大500ドル(日本円にして約¥50,000)、継続的な違反には1日につき500ドルの罰則が課せられることになっています。

オーストラリア

ペット大国としても知られているオーストラリア。

オーストラリアは人口よりもペットの数の方が多いと言われるほど、ペットとの生活が根付いています。

オーストラリアのビクトリア州では、2018年に原則ペットショップでの生体販売の禁止が定められました。

禁止まではしていないが厳格な規制がある国も

生体販売自体を禁止している国や地域がある一方で、禁止まではされてはいないものの厳格な規制がある国も存在します。

例えば、ドイツは生体販売が禁止されている…と思っている人も多いと思いますが、実際は禁止されているわけではありません。ただ、ドイツではペットショップで生体販売をする際の条件やルールがとても厳しく定められているのです。

例えば、

  1. ケージの最低面積
  2. ケージの採光
  3. 暖房設備
  4. 通気状態

など、とても細かく条件が定められています。

現実的に、これらのルール・条件を満たすことが難しいことから、多くのペットショップでは生体販売ができないのです。

これが、ドイツのペットショップで犬や猫が販売されていない真実です。生体販売を禁止とする条例がなくても、このように生体販売を事実上ゼロの状態にすることも可能だということが分かるでしょう。

生体販売の問題点

近年、日本でも生体販売の反発が増えているのは、次のような問題点があるからです。

  1. 飼い主の意識の低さ
  2. 悪質ブリーダー
  3. 販売業者の劣悪な環境

特に、ペットショップでの生体販売は手軽に多くの人がペットを迎えることができる一方で上記のような重大な問題を抱えています。

それでは、それぞれの問題点について詳しく解説していきます。

飼い主の意識の低さ

ペットショップにてペットが手に入るのは便利な一方で、簡単に手に入ってしまうことから意識の低い飼い主が一定数存在します。

お金を払えば誰でも簡単にペットを購入できることから、ペットを飼う責任をよく考えずに購入してしまい後で「こんなはずではなかった…」なんてことが生じる危険性があるのです。

ペットショップでは、月齢の低い子犬が販売されていますので、その見た目の可愛さについつい衝動買いしてしまう飼い主もいるんですよ。

特に、犬の場合には飼う前に犬種特有の気質や特性を勉強している飼い主がどれほどいるでしょうか?

例えば、日本犬である【柴犬】ですが、柴犬は子犬の頃の可愛さは群を抜いています。

柴犬の子犬の可愛さに魅了されて飼った人も多いでしょう。あまり大きくならないことからも飼いやすいと勘違いしている人もいるかもしれませんね。

柴犬は人気がある一方で保健所に持ち込まれることも多い犬種なのです。

これは、明らかに【柴犬の気質】を理解していなかったことが原因として挙げられるでしょう。

柴犬はとても可愛くて魅力的な犬種ですが、一方で和犬気質がとても強い犬種でもあります。

成犬になるにつれ、警戒心が高くなり神経質な特徴が見られてきます。そのため、噛み付く子も多いです。

しつけがしにくいのも柴犬の特徴ですから、可愛いから飼ったものの、吠えるし噛むししつけがしにくい…このような状況になることで【手に負えない!】と捨ててしまうという悲しい結果につながってしまうのでしょう。

もちろん大切に育てる人の方が多いとは思います。しかし簡単に手に入ることで、意識の低い飼い主が一定数出てくるのも事実。ペットショップでの生体販売は不幸な犬が増えるひとつの要因になっているといえます。

また、一部のペットショップでは生体価格をローンで支払えるようになってきています。生体代が準備できない経済的余裕のない人が飼うことは、適切な飼育が出来ず飼育放棄に繋がる危険性もあるのです。

悪質ブリーダーの増加

犬や猫等の生体販売には大元には生体を繁殖させるブリーダーがいますが、生体販売で金銭を受け取るこの仕組みは悪質なブリーダーを増加させる要因になっています。

まず、人気犬種や人気猫種を多く繁殖しようとするがゆえに乱繁殖が行われる危険性があります。

このような、乱繁殖をしているブリーダーを通称【パピーミル】と呼んでいます。

パピーミルは、人気犬種を繁殖させるためなら手段を選びません。

生体を繁殖させることを目的としているため、親犬や親猫の飼育環境は劣悪で、生産性を重視するがゆえに親犬への負担はもちろんその他の飼育費用も最小限に抑えて繁殖しているのです。

パピーミルの実情はそれそれは目を背けたくなるほどの酷さです。

  1. 病気になっても放置
  2. 病気の犬は売り物にならないため処分
  3. 健康は考えられていない
  4. 遺伝性疾患等にも配慮されていない
  5. 繁殖引退犬は処分されたり里親に出されたりする
  6. 繁殖できる能力のあるうちは、発情期が来るたびに妊娠させられる

これは一部ですがこのような非人道的なことが実際に行われているのです。

もちろん優良ブリーダーも存在しますが、生体販売で儲けることができる限り、このような悪質なブリーダーはきっといなくなることはないでしょう。

販売業者による劣悪な飼育環境

生体販売を行なっている一部のペットショップやブリーダーでは扱っている動物の飼育環境が劣悪であることがあります。

オークションで安い子犬を買い漁り、飼育環境はそれは目を塞ぎたくなるほど。

狭いケージに何匹も押し込んで飼育していたり、トイレや水もない状況で飼育されている場合も…。

安い子犬を手に入れ、飼育費用も掛けなければ、それだけ利益が出ます。

売り物にならないペットは処分の対象になったり…とても悲惨な状態で飼育している悪質な販売業者もいるのです。

生体販売に反対する声も強まっている

生体販売に対する反発は近年では日本でも多くなってきています。

できる限り保護犬や保護猫を迎えるよう呼びかけている団体や、保健所に持ち込まれた犬猫を引き出し里親募集や愛護団体にて飼育している動きも多くなっています。

ここでは、犬猫などのペットの生体販売に反対・疑問視する声を一部紹介します。

生体販売に限らず私たちが住む地球には問題点がやまほどある

今回は、ペットの生体販売にフォーカスして問題点を紹介してきましたが、生体販売以外にも地球が抱える問題点は山積みです。

日本に限らず地球規模で考えると、その問題の全ては人間が生活するうえでも見て見ぬ振りはできないといえるでしょう。

ここでは、地球と私たちが抱える問題点について簡単に解説します。

畜産問題

肉食が地球温暖化や環境破壊の原因になっていると言われるようになったことをご存知でしょうか?

肉の消費が増えることによって、肉を生産するための家畜も増えます。

面積の確保や飼料を栽培するため、森林破壊に繋がっているのです。

森林の面積が減少することで、動物間の接触も増え生態系に影響も…。

海洋プラスチック問題

海洋プラスチック問題は近年とても注目されています。日本でも2020年7月からレジ袋有料化の対策が取られプラスチックゴミの削減に力を入れていますね。

プラスチックは人間が生活する上でとても身近にあるものですが、このプラスチックはほとんどの場合で使い捨てされているのが現状です。

その中で、プラスチックゴミがきちんと廃棄されずに環境中に流出してしまうことも…。

流失した結果、最後に流れ着くのが【海】なのです。

海にプラスチックゴミが流れ着くことで、その海に住む生物にも多大な影響を与えることになります。

海を汚染するだけでなく生態系にも悪影響があるんですね…。

それだけでなく、その結果海洋産業にも大きな経済的損失が出ることに繋がるでしょう。

人間が何気なく使っているプラスチックは、裏ではこのような問題を引き起こす要因になっているのです。

森林破壊

森林破壊も地球が抱える問題のひとつです。

森林破壊は人間が行う森林栽培などが原因です。土地への転換や違法な伐採、木材の過剰摂取のほかに、森林火災が要因となり森林破壊が進んでいます。

森林破壊が進むと、そこに住む野生動物の減少・木材不足による人の生活への影響などが問題になります。

まとめ

今回は、生体販売の問題点と生体販売を禁止している国の実情などを解説しました。

動物愛護の後進国である日本は、そろそろ生体販売始めペットに対する法整備をもっと厳格にしなければいけない時期に来ているのではないでしょうか?

日本では年間約30,000匹のペットの命が人知れず失われているという残酷な事実と向き合うべきでしょう。

国民一人一人の生体販売に対しての意識の変化が、犬猫を救うきっかけになるのではないでしょうか?

ぜひこの機会に考えてみてくださいね!

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