突然ですが、あなたは飼い犬に噛まれたことはありますか?急に飼い犬に噛まれてしまったら驚くどころか恐怖を感じてしまいますよね。
しかし、犬は闇雲に誰に対しても噛んでいるわけではありません。家族の中でも噛む人と噛まない人がいるほど、犬は人を良く見ています。
自分には噛んでくるけど他の家族には噛まない…という状況はよくあることなのです。
では一体なぜ噛む人と噛まない人がいるのでしょうか?
今回は、噛まれる人と噛まれない人の特徴と噛み癖の対策について徹底的に解説します。愛犬の噛み癖で悩んでいる人は必見ですよ!
犬が家族の中で噛む人と噛まない人がいる理由
犬が家族の中で噛む人と噛まない人がいるのは以下の3つの理由によるものと考えられます。
- 家族の中で序列をつけているから
- 噛めば要求が通ることを学習している
- 恐怖や怒りを感じている
自分だけ噛まれて理不尽だ!と思っても、犬にしてみたらきちんと理由があるのです。
それでは詳しくみていきましょう。
1:家族の中で序列をつけているから
犬は家族をひとつの群れとして認識しています。犬は家族の中でリーダーを筆頭にしその下につくものの順位をつけていると言われてます。
犬にとってリーダーは絶対的存在です。自分よりも上だと認めた相手には犬は服従するため反抗的な態度を取ることはほぼありません。
本来であれば犬は家族の中で1番下に置くべきなのですが、家族の中での順位付けがうまくいかずに人間よりも犬が上の順位についていることも珍しくありません。
よくあるのが、
- リーダー…父親か母親
- 父親か母親
- 犬
- 子供たち
このような順位です。
子供たちよりも上に犬が付いてしまうことで、父親や母親には歯向かうことがなくても、自分より下の子供たちには牙を向けることがあるのです。
ただ、犬は愛情深い動物でもあります。自分より下と認識している子供でも子供は守るべき存在として接することも…。
犬が家族の中で噛む人と噛まない人がいるのはこのように家族の中での順位で上か下が存在するからなのです。
2:噛めば要求が通ることを学習している
犬は賢い動物です。学習能力も高く人間がどうすれば自分の要求を叶えてくれるのか人間の反応を観察し学習している犬も多いです。
例えば、父親は犬がどんなことをしても要求が通らなければ父親に要求することは諦めます。
しかし相手が母親のときに、噛んだことで要求が一度でも通った経験があると【母親→噛む→要求通る】と学習していることで噛むことが癖になるのです。
家族の中で、噛んだことに対する反応が違う場合には犬も人によって噛む行為を使い分けるようになるでしょう。
3:恐怖や怒りを感じている
恐怖や怒りを感じる人には噛み付くことで自分の安全を確保しようとします。
家族の中で力で支配しようとしてくる人がいる場合にはその人にだけは攻撃的になる恐れがあります。
また、自分に対してだけでなく自分が大切に思っている家族に対して家族の中の特定の人が暴力などをふるっている場合には、暴力を受けている人を守ろうとして立ち向かうために噛み付くことも…。
犬が家族の中で噛む人の特徴
犬が家族の中で噛む人には以下の4つの特徴があります。
- 犬を怖がっている
- いきなり触ろうとする
- 犬の嫌がることをする
- 子供は噛まれやすい
心当たりがなかったとしてもよくよく考えると上記のような行動や態度をとっていることはありませんか?
犬は理由もなく噛むことはありません。自分が噛まれるようなことをしていないかチェックしていきましょう!
1:犬を怖がっている
犬を必要以上に怖がっていませんか?犬は人間の感情にとても敏感です。
人が緊張していれば犬も緊張しますし、人が犬を怖がればその犬も不安を覚えるのです。
2:いきなり触ろうとする
人の怪しい動きや不安や緊張の感情によって、「何かするんではないか?」という気持ちになることで噛み付いてその状況を避けようとしているのです。
犬の前で不安や緊張の感情を出すことはNGです。
犬の頭の上から急に手を出したり、犬がリラックスしているときに急に触ったりしていませんか?
犬は人の突然の行動には恐怖を感じるものです。恐怖から自分を守ろうと噛み付いてしまうのでしょう。
また、恐怖だけではありません。人間の急な動きに対して驚いて咄嗟にみ付いてしまうことも…。
いずれにせよ犬の前で大きな動作や急な動作をする人は噛まれやすいといえます。
3:犬の嫌がることをする
犬が嫌がることをする人は犬に噛まれやすいでしょう。犬の嫌がることといってもさまざまです。
- 暴力をふるう
- リラックスしているのにちょっかいを出す
- 食事に手を出す
- お尻や足先を触る
- しつこくする
上記のような行動は犬にとってストレスになります。
飼い主によっては、犬が嫌がることを無意識にしている人もいます。犬は人間のように言葉を話すことはできません。
人であれば嫌なことがあったら「やめて」と言葉で意思表示することができますが、犬にとっては「唸る•噛み付く」がその意思表示になるのです。
4:子供は噛まれやすい
子供は犬が守らなければいけない存在として認識する場合もある一方で、犬にとってはストレスになる存在でもあります。
特に月齢の低い子供は犬との関わり方が上手ではありません。毛を引っ張ったりおもちゃを取ったり、大きな声を出したりなど犬にとって子供の行動や態度は恐怖や驚きを感じやすいもの。
そのため、不快に感じた犬か咄嗟に噛み付いてしまうことも珍しくありません。
犬が家族の中で噛まない人の特徴
犬が家族の中で噛まない人には以下の4つの特徴があります。
- 一貫性があり安定している
- 犬の気持ちを理解している
- 犬が好き
- 犬の特徴や性格を理解している
犬に好かれる人の特徴でもありますのでチェックしておきましょう。
1:一貫性があり安定している
犬は一貫性があり安定している人を好みます。犬は群れで生活をする動物です。
群れには頼れるリーダーがいますが、これは家族であっても同じです。犬は家族をひとつの群れとして認識しています。
そのため、家族の中にも頼れるリーダーを必要とします。
一貫性があり頼れる人は犬にとってはとても安心する存在です。犬は自分が認めた信頼できる相手には噛むことはないでしょう。
2:犬の気持ちを理解している
犬の気持ちを理解している人は犬には噛まれにくいでしょう。
犬がされて嫌なことやストレスになることは自然と避けるでしょうし、犬の気持ちがわかる人は適度な距離感をとり上手に接することができます。
そのため犬自身もリラックスできることから、威嚇をしたり噛んだりする必要がないのです。
3:犬が好き
犬は、その人が犬を本当に好きかどうか見極めることができると考えられます。
犬は人間の感情を敏感に感じとります。
そのため、警戒心や恐怖心を持っていると犬も同じように緊張しますが、犬が好きな人はそのようは感情を持つことがなく純粋に近づいてきます。
人間側がリラックスしていれば、犬も過度に緊張することなく落ち着いていられるんですね。警戒心や恐怖心を持つことがなければ当然噛み付くことはほぼありません。
4:犬の特徴や性格を理解している
犬の特徴や性格をしっかり理解している人ならそもそも噛まれるシチュエーションにはなりづらいです。
例えば、犬種によっても接し方や関わり方は全く異なります。
自立心旺盛な柴犬などであれば、ベタベタすることは犬のストレスになりますが、ゴールデンレトリバー など人間と関わることが大好きな犬種は逆に放置されるとストレスを感じます。
犬種ごとの気質や特性を理解している人は噛まれることはないでしょう。
犬が特定の人の足を噛む理由は?
犬が特定の人の足を噛むのは以下の3つの理由からだと考えられます。
- 犬の習性
- 警戒心や威嚇
- 遊びの一貫
人間にとっては問題行動のひとつとして捉えられていますが、犬にとってはどれも正当な理由があるんです。
また、人間の反応や接し方が噛む原因を作っている可能性もあるのでチェックしておきましょう。
1:犬の習性
犬は【動くものに反応する】という習性を持っています。
特に猟犬はその特性が強く根付いていると言えるでしょう。
犬の目の前で足が動くことで【獲物】として認識し咄嗟に噛み付いているんです。
成犬になればだんだんに噛んではいけないもの噛んでいいものの区別がついてくるので、どちらかというと子犬の頃に多い印象があります。
子犬の乳歯は尖っていてちょっと歯が当たるだけでも結構痛いもの。生傷になることも珍しくありません。
2:警戒心や威嚇
犬は警戒心や恐怖心が高まると噛むことで威嚇することがあります。
人間も自分にとって不快なシチュエーションに遭遇したときには言葉で拒否反応を示すかその場から離れたりしますよね?
犬も同じで、その方法が「噛み付く」という方法なのです。
特に、神経質だったり警戒心の高い犬種はそれだけ不快を感じやすいため噛みつきやすい傾向があります。
3:遊びの一貫
犬が特定の人の足をかむのは遊びの一貫の場合があります。特に子犬の場合には、構って欲しくて動く足を噛んでいるのです。
遊びのつもりなので犬は悪気はありません。
犬が特定の人に甘噛みする理由
犬の噛みつきには、本気噛みと甘噛みがあります。
犬が甘噛みをする理由には、主に歯が痒かったり噛む行為が良くないということを学んでいない場合が考えられるのですが、実はそれだけではありません。
犬の甘噛みはその人に対する【愛情表現】の場合もあるのです。
特に子犬の頃には多く、「もっと構って欲しい」「遊んで欲しい」という意思表示でもあるんですよ。
成犬になっても興奮したり嬉しい時には甘噛みをして嬉しい気持ちを表現することはあります。
犬の噛み癖対策・しつけのこつ
犬の噛み癖対策には以下の6つのコツがあります。
- 反応しない
- 噛まれるシチュエーションを避ける
- 代わりのものを与える
- 場合によっては天罰方式も可
- ちょうだいを教える
- ストレス発散させる
適切な対策を取ることで噛まれることを回避できる可能性があります。
噛む行為を許していると飼い主と犬の関係性も悪くなる危険性があるのでできる限り対策するようにしましょう!
1:反応しない
犬が噛んできても反応してはいけません。
飼い主が大きな声を出したり過度な反応を示したりすると、犬は「喜んでくれている」と勘違いしてしまう恐れがあります。
飼い主が喜んでくれるのだからもっとやろう!と、どんどん噛み癖は酷くなります。
また、女性の甲高い声に犬は興奮します。興奮が高まり余計に噛んでくる可能性があるので注意しましょう。
2:噛まれるシチュエーションを避ける
そもそも犬に噛まれるシチュエーションにならないことが大切です。
噛まれやすい人は無意識に噛まれやすい状況を自ら作り出していることがあります。
例えば、
- 食事に手を出す
- しつこくちょっかいを出す
- 急な動作をする
- いきなり触ろうとする
- お尻や足先などの犬が嫌な場所を触る
これらの行動を日常生活の中でしていることが多いのです。
犬は噛まなければならない状況でない限り、自分から攻撃することはほとんどありません。
そのため、人間の関わり方が犬を興奮させたり警戒させたりしていることにまずは気付きましょう。
3:代わりのものを与える
子犬で歯の生え変わりが原因で噛み付く場合に効果的な対策です。
噛んでもいいものを与えてあげるとお互いにストレスが軽減されるのではないでしょうか?
4:場合によっては天罰方式も可
犬の噛みつきがひどい場合には天罰方式を取り入れるのも良いかもしれません。
天罰方式といっても叩いたり蹴ったりなどの犬に直接制裁を加えることではありません。
例えば、噛み付いたときに大きな音を立てて驚かす…と言った方法があります。
ポイントはあなたが音を立てたことを知られないようにすることです。
なぜなら、大きな音を立てたのがあなただとわかることであなたに恐怖心をいだいてしまい信頼関係が崩れる可能性があるからです。
そのため、ペットボトルなどで床を叩いて大きな音を立てる場合には、必ず犬には見られないような形でする必要があります。
5:ちょうだいを教える
犬の加えたものを無理に取ることで噛まれる危険性がある場合には、「ちょうだい」を覚えさせると良いでしょう。
犬は独占欲も強く、一度加えたものはなかなか離そうとしないことも多いです。
そのため、無理に取ろうとすることで噛みつかれる危険性があるので、指示をだして自ら離してくれるよう教えることが理想的。
ただ、まずは信頼関係を築くことが先決です。信頼関係が築けていない段階ではいくら躾をしようとしてもなかなかうまくいかないことも…。
しつけをするときには自分だけでどうにかしようとせず、プロのトレーナーの力を借りることもおすすめですよ。
6:ストレス発散させる
ストレスや運動不足が原因で噛み付いている可能性もあります。
運動不足の場合には、運動欲求を満たしてあげることが必要です。
また、運動不足以外でもストレスを抱えることがあります。
例えば、
- 生活環境の変化
- 飼い主とのコミュニケーション不足
- 留守番が長い
などです。
何がストレスになっているのかで対応策も変わってきます。ストレスの原因を突き止め、それに応じた対策をするようにしましょう。
まとめ
今回は、犬が家族の中で噛む人と噛まない人がいる理由と噛まれやすい人と噛まれない人の特徴について徹底的に解説しました。
犬が噛むのには必ず理由があります。犬自身の問題もありますが、多くは人間側が原因になっていることも…。
犬に噛まれる人は、自分が噛まれることをしていないか考えてみるようにしましょう。
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