猫のまたたび死亡事故

猫のまたたび死亡事故

「猫にまたたび」ということわざがあるように、猫はまたたびが大好き。

またたびに飛びついて楽しそうにする様子は見ていて可愛いですよね。

しかし、そんな大好物のまたたびで猫が死亡してしまう事故が発生する可能性があると言われていることはご存知でしたか?

良かれと思って与えてみたことで、それが原因で最悪の事態になってしまうことがあるなんて、恐ろしいですよね。

またたびにそんな危険性があることすら知らなかった…なんて飼い主もいるでしょう。

そこで今回は、またたびで起こる猫の死亡事故が起こる可能性がある理由について詳しく解説します。特に、猫にまたたびを与えようと考えている人は気をつけてくださいね。

また、またたびを猫に与えるときに注意するべきポイントにも触れていますのでぜひ参考にしてください。

またたびとは?

そもそも、「またたび」とは一体なんなのでしょうか?聞いたことはあっても、詳しい実態はわからない…と言う人もいるでしょう。

またたびとは、日本や東アジアを原産とするつる性の植物です。

開花期は6月から7月で小さな可愛らしい白い花を咲かせます。

またたびは、ハエやアブラムシが産みつけた卵が変形したことでなる虫えい果と呼ばれる実をつけるのですが、この「虫えい果」と呼ばれる実に、猫を陶酔させる成分が多く含まれています。

猫のまたたびによる死亡事故はある!?

猫が大好物だと言われているまたたびですが、実は猫にとって危険な植物でもあります。一部では、猫にまたたびを与えると死の危険がある…とも言われているようで、注意が必要です。

実際に死亡したという情報は見つけることはできませんでしたが、注意するに越したことはありません。

では、なぜ世間では「またたび=死の危険がある」と言われているのでしょうか?

それは、またたびに含まれている「マタタビラクトン」と「アクチニジン」という成分が関係しています。

マタタビラクトンとアクチニジンは、猫の脳の中枢神経を麻痺させる効能があり、この作用により猫は一時的に陶酔した状態になります。

呼吸は中枢神経系にある呼吸中枢が調節していることで保たれていますが、またたびの過剰摂取により中枢神経が麻痺することで呼吸困難に陥る危険性があると言われているのです。

呼吸ができなくなれば、当然死に至ります。またたびの嬉しい効果の一歩先にはこのような事態を招くリスクがあるということを知っておきましょう。

猫のまたたびで起こり得る危険とは?

猫のまたたびによって起こり得る危険は以下の3つです。

  1. 凶暴化する
  2. フラフラになる
  3. 理性を失いパニックになる

またたびによって、死亡まではいかなくとも猫にとっても飼い主にとっても好ましくない状況になることはよくあるようです。

直接的に死に至ることはなくても、状況によっては結果的に死に繋がってしまうこともあるため注意が必要です。

それでは、詳しくみていきましょう。

1.凶暴化する

猫がまたたびによって、凶暴化することは珍しくありません。

またたびの効能には、リラックスや食欲増進、ストレス発散などのメリットも期待できますが、猫によっては凶暴化して手がつけられなくなることもあります。

いつも大人しい猫でも急激な精神状態の変化により興奮状態になり噛みついたり引っ掻いたり、悲惨な状況になることも…。

中には、自傷をしてしまうほどに理性がなくなる子もいるようで大変危険です。特に、小さい子供がいると一時的に凶暴化した猫に攻撃される心配もあるでしょう。

2.フラフラになる

またたびは人間で言う「お酒に酔った状態」に近いです。そのため、過剰に摂取してしまうほか、与える量が適切だったとしても猫によっては異常なほど反応を示してしまうことがあります。

その結果、フラフラでおぼつかない状況になることもあり、まさに酔っ払い状態…。

フラフラになるだけならまだしも、転倒の恐れもあるため大変危険です。

3.理性を失いパニックになる

またたびは猫によっては効きすぎてしまい理性を失いパニック状態になることもあります。

パニックになると、自分でもコントロールすることができずに暴れ回ってしまいます。

パニックになることで、落下したり脱走などの事態に繋がる危険性もあるでしょう。

猫は多少の高さから落下しても怪我を負うことはそうありませんが、理性を失っているときは別です。

体を強打したり着地に失敗して足を骨折してしまうことも…。怪我で済めば良いですが、体を強くぶつけてしまうことで命の危険が及ぶ危険性があり注意が必要です。

猫のまたたびの危険を訴える声を紹介!

猫のまたたびは、多くの飼い主が一度は与えたことがあるようですが、上記で挙げたような危険な状態になったという声が多数ありました。

ここでは、実際にまたたびによって起こった猫の異常行動と飼い主の声を紹介していきます。

多くの飼い主がまたたびによる凶暴化に驚きを隠せない様子。なかには、怪我をしてしまう飼い主もいるようで、ますます恐ろしい…と感じてしまいます。安易に与えるのはやめたほうが良さそうですね。

ただ、猫のおもちゃにまたたびを使用している場合もあるようで知らず知らずのうちにまたたびの影響を受けている可能性も考えられます。

あまりにも飛びつくおもちゃや、いつもと様子が変わるおもちゃがあるのであれば、避けるようにした方が良いかもしれませんね。

猫にまたたびをあげるなら…注意するポイント!

猫にまたたびをあげるなら、以下の8つのポイントに注意するようにしましょう。

  1. 与える年齢に注意
  2. 過剰摂取に注意
  3. 窒息に注意
  4. 目は離さない
  5. 保管場所に注意
  6. 与える頻度に注意
  7. 与え方に注意
  8. 様子がおかしければ獣医師に相談

またたびは安全に使用したとしても猫によっては合わないということもあります。

どうしてもまたたびを与えてみたい!と思っているのであれば、最低限またたびの危険性と注意ポイントを頭に入れておきましょう。

1.与える年齢に注意

またたびを与えるときには、猫の年齢に注意しましょう。基本的にまただびは、子猫や老猫にはおすすめしません。

脳の中枢神経系に働きかけるので、まだ未発達の子猫や体内の機能が低下してきている老猫には刺激が強すぎてパニックを起こす危険性があります。

明確に「何歳から」と定められているわけではありませんが、注意してください。

また、市販のまたたびの製品には年齢が記載されていることがあるので、しっかり確認するようにしましょう。

2.過剰摂取に注意

猫にまたたびを与える時には、過剰摂取に注意してください。

過剰に摂取してしまうことで、効きすぎてしまいパニックや凶暴化などさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

また、中枢神経が麻痺することによって呼吸困難に陥る危険性も…。一度に与える場合、0.5g〜1gを目安にしてください。

また、またたびには「粉末→液体→実→枝」の順に効果の強度が高まっていきます。形状によっても適量は変わってきますので、間違えないようにしてください。

3.窒息に注意

またたびの実を与える場合、丸呑みしてしまい窒息してしまう危険性があります。実際に丸呑みをして喉に詰まらせるという事故も発生しているようですので、注意が必要です。

4.目は離さない

またたびを与えているときは、猫から目を離さないようにしましょう。

実を与える場合は窒息の危険がありますし、猫によっては効きすぎて様子が明らかにおかしくなってしまうこともあります。

転落やパニックになって自傷する子もいるようですので、大きな事故に繋がらないようにまたたびを与えている間は猫の近くにいるようにしてください。

特に、退屈しないようにしてあげたいからといって、留守番中に与えるのは大変危険なのでやめましょう。

5.保管場所に注意

またたびは、保管場所に注意するようにしましょう。

猫はまたたびが大好き。保管場所に猫が簡単に近づくことができると飼い主が見ていない間にまたたびをとっていってしまう危険性があります。

猫は運動神経の良い動物ですから、高い場所に置いとくだけでは意味がありません。引き出し等に保管するか、猫が入れいエリアで保管するなど徹底するようにしましょう。

特に、留守番の時にケージにいれずにフリーにしている場合には注意が必要です。

知らない間に猫がまたたびをとってしまい、過剰に摂取してしまっていた…なんてことにならないように気をつけてくださいね。

6.与える頻度に注意

またたびを猫に与える時には、その頻度に注意するようにしましょう。

毎日与えていると、効果は薄れていく可能性がありますし、毎日毎日陶酔した状態というのはあまり好ましくありません。

日に何度も与えたり、毎日連続で与えることは避けた方が良いでしょう。たまにのご褒美で与えるくらいの頻度が安全です。

他の家族が同居している場合には、頻度について共有するようにしましょう。自分は徹底していたとしても、知らない間に他の家族が与え過ぎてしまっている…ということも考えられますので注意してください。

7.与え方に注意

猫にまたたびを与える時には、与え方に注意が必要です。というのも、またたびの匂いを嗅がせる方法の他にも直接食べる方法もあるからです。

一般的には、匂いを嗅がせるよりも直接食べるほうが効き目が強く現れると言われています。

「匂いを嗅がせる→効果は薄いが長時間陶酔の状態が続く」、「直接食べさせる=効果が強いが持続性はない」とも言われていますので、飼い主の判断でどちらが良いのか選んでいきましょう。

ただし、初めて与える場合は少量で匂いを嗅がせてみて猫の様子を確認しながら慎重に進めてくださいね。

8.様子がおかしければ獣医師に相談

またたびを与えると、猫は一時的に陶酔状態になりますから普段の様子とは変わることが多いです。

ただ、

  • 呼吸困難が起きている
  • 陶酔から覚めない
  • 自傷行為がひどい
  • 嘔吐や下痢
  • ぐったりして反応が薄い

など、猫の様子に明らかな異常をきたしていると判断できる場合には速やかに動物病院に相談するようにしましょう。

またたびを上手に与えることで得られるメリットはなに?

またたびを上手に与えることで得られるメリットは以下の4つです。

  1. リラックス効果
  2. 食欲増進
  3. 一時的に元気が出る
  4. 老化防止

またたびは、猫によっては嬉しい効果が期待できるのも事実です。

実際に、またたびを上手に取り入れながら猫と生活している人は多くいるようです。

それでは、それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。

1.リラックス効果

またたびには、リラックス効果が期待できます。またたびの匂いを嗅ぐだけで気持ち良さそうにゴロゴロと転がる猫も珍しくありません。表情も穏やかになり、精神的に満たされている様子になります。

2.食欲増進

またたびは、食欲増進の効果も期待できるようです。

高齢の猫や食欲の低下がみられる猫、また好き嫌いで食が細い猫に試してみると一時的でもご飯を食べてくれるかもしれません。

ただ、食欲不振は病気が潜んでいる可能性もあるほか、老猫に過剰に与えることは好ましいとは言えないため、いずれにしてもまずは獣医師に相談することをおすすめします。

3.一時的に元気が出る

またたびは、一時的に活発になったり元気になったりする効果が期待できます。

活動的になることで、運動不足解消やストレス発散に役立つそうですよ。

4.老化防止

またたびは猫の老化防止にも役に立つそうです。またたび入りのおもちゃを噛むことで脳が刺激されます。

噛むことはボケ防止にも効果が期待できることから、シニア期の猫には良いかもしれません。

また、1日の大半を寝て過ごす老猫にとってこのような刺激があるのはグッド!動き回らなくても遊べるので負担なく楽しむことができるのではないでしょうか?

ただ、刺激が強すぎると返って老猫の負担になりかねません。過剰に与えることはせずにごく少量を与えるように調整しましょう。

まとめ

今回は、またたびが引き起こす死亡のリスクとまたたびを与える時の注意点、また上手に取り入れることで得られるメリットについても解説しました。

猫の飼い主であれば、一度は試してみたい!と思うまたたび。しかし、またたびにはメリットがあるだけでなく危険も潜んでいることを知っておきましょう。

またたびは、猫によっては重大なトラブルに繋がることがあるので注意してくださいね!

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