犬を飼ったらまずやるべきことのひとつが「飼い犬の登録手続き」です。
飼い主は飼い犬の飼育を市町村に申告する義務があります。
しかし、中にはさまざまな事情により「犬の登録をしてない」という人もいるのだとか…。
そもそも犬の登録をしていない場合、無登録がバレることはあるのでしょうか?
今回は、犬の登録してないことがバレるのかどうか?に加えて、犬の登録の必要性や登録の方法について解説します。
犬の登録をしていないかたはもちろんですが、これから犬を飼育する予定のかたもぜひ参考にしてください!
そもそも犬の登録ってなに?
犬を飼育すると必ず「飼い犬の飼育登録」を住まいのある市町村にておこなう必要があります。
そもそもこの「犬の登録」は何のために行うものなのかを整理しましょう。
犬の登録は、「狂犬病予防法」に基づいて定められている飼い主の義務です。
狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染している動物に噛まれることで発症する伝染病です。犬に噛まれることで感染することが多いこともあり、『狂犬病』と犬の漢字が使われていますが、哺乳類ほとんどが感染することがあり犬以外の動物に噛まれることでも感染してしまうケースはあります。
発症したらほぼ致死率は100%と極めて予後の悪い病気で今も治療法は確立されていません。
日本でもかつて狂犬病が蔓延し多くの死亡者が発生していましたが1950年に狂犬病予防法が作られ【犬の登録、狂犬病予防注射、野犬の捕獲等】の徹底がされるようになったことで1957年以降は日本国内では狂犬病は発生していません。
犬の所有者と狂犬病予防注射の接種の有無等を明確にすることで狂犬病の発生を予防しているのです。
犬の登録はただあなたの自宅で犬を飼いはじめたということ知らせるためだけにあるのではなく、地域一帯となり狂犬病の発生を予防するためにあることを忘れないようにしましょう。
犬の登録の仕方とは?
住んでいる地域を管轄する役所や保健所にて登録が可能です。
犬の登録ができる部署に出向き、犬の登録をしたいことを伝えると登録手続きに入ります。
登録費用は1頭3,000円ほどです。
ただし犬の登録は登録した市町村に住んでいる限り一回すれば大丈夫です。
登録をすると、犬一頭につき登録番号が割り当てられるのですが、管轄する市や郡に住んでいる限りその犬は生涯に渡ってその番号で管理されます。
登録が無事済むと、注射済票のシールや登録番号が刻印された鑑札がもらえます。
鑑札は首輪に、シールは玄関先に貼ることで狂犬病予防をしっかりしていることが確認できるため必ずつけるようにしてください。
登録は一回ですが狂犬病予防注射は毎年必要になります。毎年狂犬病予防注射済票を提出するとその都度新しい鑑札がもらえる仕組みになっています。
犬の登録をしていないと罰則はあるの?
犬の登録は狂犬病予防法に基づいて定められている飼い主の義務ですが、これは法律で決められていますのでもちろん違反した場合には罰則対象になります。
犬の登録は犬を飼い始めてから30日以内、また子犬の場合には生後90日以降経った時期から30日以内に手続きをする必要があります。
違反してしまうと、20万円以下の罰金刑に処されることが定められています。
犬の登録は住まいの市区町村にて生涯で1回限りの登録になるのでしっかり飼い主の義務を果たすようにしましょう。(引っ越しなどの場合は、引っ越し先でまた登録をしなおす必要があります)
犬の登録してない…バレることあるの?
犬の登録は狂犬病予防法に基づいて飼い主に定められている義務ですが、中には登録をせずに飼育している人もいます。
理由はさまざまで、
- 面倒
- お金がかかるからもったいない
- 役所からのハガキが来るのが煩わしい
- そもそも登録しなきゃいけないことを知らない
など。
義務だと知っているけれど登録していない場合には「これってバレるものなの?」と心配になっている人もいるでしょう。
無登録の飼い主には罰則が設けられていますし心配になるのは当然ですよね。
結論から言うと、登録しないで飼育していても絶対にバレるとは言い切れません。
役所や保健所は飼い主からの申告がない場合には、あなたの自宅で犬を飼っているということを実際には確認しようがないからです。
ただ、絶対にバレないか?と言うとそうではありません。状況次第ではあなたが無登録のまま犬を飼育していることが知られてしまう場合もあります。
犬の登録してないことがバレるとしたら…?
犬を無登録で飼育していた場合でも絶対にバレるわけではありません。しかし、さまざまなケースによりバレてしまうことはあるでしょう。
自分が申告しなければ大丈夫…と安易に考えてしまうのは少々危険。
ここでは、犬を登録していないことがバレるとしたらどのようなことからバレてしまうのか解説します。
近所や知人からの通告
近所の人や知人と話しているときに、つい「犬の登録はしていない」なんてことをポロッと話してしまっていた場合には、役所へと通告されてしまうかもしれません。
例え、仲が良い間柄でも「ルールを破るのは許せない…」と感じる人も多いです。多くの人は、わざわざ自分で電話して通告することはしないでしょうが、人によっては「許せない、通告してやろう…」と思う人もいるかもしれません。
また、世の中には犬好きな人ばかりではありません。ルールやマナーを守っているのであればまだしも、守らない飼い主には嫌悪感を持つ人もいますので注意が必要です。
他人を噛み付いた等のトラブルが発生したとき
自分の犬が万が一他人を噛んでしまったとき、無登録だとトラブルに発展することがあります。
先に説明した通り、犬の登録は狂犬病予防法に基づいて定められた飼い主の義務です。
万が一噛み付いていてしまった場合、怪我の重症度のほかに「狂犬病予防注射がされているかどうか」も確認する必要があります。
飼い主がそばにいる時であればよいですが、脱走したのちに噛み付いてしまった場合には、どこの犬かわからず野良犬と判断されてしまう場合もあります。
その後に飼い主が名乗り出た場合に未登録がバレてしまう可能性はあるでしょう。
狂犬病予防注射を受けた病院から
犬の登録をしていない場合でも、狂犬病予防接種を病院で受けることは可能です。
ただ、多くの動物病院では動物病院と同市内の居住地の場合、動物病院から狂犬病予防注射を受けた犬の手続きをまとめて保健所にやってくれる病院も多くなっています。
もちろん動物病院で代行していない場合には、あなたが登録をしていなくてもバレることはありません。
ただ、代行をしていることを知らずに注射を受けると動物病院の代行手続きによってあなたの飼い犬が登録されていないことがわかってしまうでしょう。
犬の登録をした後にすることは?なにかあるの?
犬の登録が無事に終わると、鑑札と犬シール(犬門標)がもらえます。
いずれも、狂犬病予防注射をしていることの証明になるので適切に使用する必要があります。
犬の鑑札
犬の鑑札は、常時犬に装着しておかなければなりません。鑑札には穴が空いているのでそこにステンレスの輪っかを通して首輪につけます。(輪っかはもともとついていることが多いです)
鑑札には、大きく「犬鑑札」の文字と市区町村、登録番号が記載されています。
鑑札自体のデザインは以前は一律でしたが、現在は市区町村によってさまざまです。
骨の形をしていたり、丸だったり四角だったり…。
鑑札は狂犬病予防注射をしている犬という証明になるほか、万が一迷子になったときにも鑑札がついていると誰かが保護してくれている場合にはその鑑札によって犬の登録市区町村がすぐに判明し、登録番号からどこの家で飼育されている犬なのかがわかるのでとても便利です。
鑑札を紛失した場合には、再発行手続きを行うことで再発行することができますが、再発行するには1,600円前後の再発行手数料がかかりますので注意が必要です。
紛失しないためにも鑑札をもらったら速やかに犬の首輪につけるようにしましょう。
犬シール(犬門標)
犬シールは、「犬」と大きく書かれたシールです。主に玄関先に貼らなければなりません。
シールを貼ることで自宅で犬を飼育していることを表示しなければなりません。
この犬シールですが、鑑札同様市区町村によってデザインは異なります。特に多いのは「犬」と大きく書かれたシンプルなデザインですが、ある地域では犬のイラストが描かれているシールがもらえるそうです。
鑑札同様に、紛失や破損によって再発行する場合には費用がかかります。
おおよそ300円前後で再発行することができるようですが、詳しい金額はお住まいの市区町村ホームページにて確認するか直接役所に電話をして確認してください。
鑑札と同じく、犬シールももらったら速やかに玄関先に貼り付けるようにしましょう。
いずれも紛失などで余計な費用を払わなくていいように管理しましょうね!
犬の登録の変更が必要なときはある?
犬の登録は基本的にその市区町村に住んでいる場合には一回で終わりです。
そのため登録に関わる手続きは再度する必要はありませんが、状況によっては変更の届けをしなければならないケースがあります。
引っ越す場合
犬を登録している市区町村から別の市区町村に引っ越す場合には、新しい居住地の管轄である役所にて新たに犬の登録をする必要があります。
基本的には転入後30日以内に登録が必要。
旧居住地にて交付された鑑札や動物病院でもらった注射済票があれば持参するとスムーズです。
同市区町村内の引っ越しの場合には、管轄先が変わるわけではありませんので再登録は必要ありません。
飼い犬が死亡したとき
飼い犬が死亡してしまったときには、犬の登録の抹消手続きをしなければなりません。
狂犬病予防法によって、飼育されている犬は登録することにより管理されていますが死亡すれば管理する必要が当然ながらなくなります。
また、登録されている犬の住所には毎年狂犬病予防の案内が届くようになっていますので、死亡届を出さずに放っておくと毎年その案内が届くことになります。
案内を送っても狂犬病予防注射をした様子がなければ、場合によっては聞き取り調査などをしている地域もあるかもしれません。
死亡届を出し忘れていたからといって特別罰則などはあるわけではないでしょうが、ほぼ全ての地域で「犬が死亡した時は届け出なければならない」と定められていますので、のちのちのトラブルを避けるためにも速やかに手続きはしておきましょう。
犬を人に譲渡したとき
犬を譲渡した場合には、当然ながら犬の所有者を変更しなければなりません。
相手に狂犬病予防注射済票と鑑札を渡し、相手に新たに犬の登録をしてもらう必要があります。
相手にもその旨をしっかり伝えたうえで譲渡するようにしましょう!
犬の登録は必ずしてください!
犬の登録は犬を飼育する飼い主の義務です。
- 「お金がもったいない…」
- 「バレなければ別にいいや」
いろんな思いがあるでしょうが、犬を飼うことには責任が生じます。犬の飼い主は定められたルールに従って安全に飼育することが義務付けられているのです。
ルールを破ることは、ほかのルールを守っている人にまで迷惑をかけてしまう恐れが…。
今からでも遅くはありません。
「今さら登録しに行っても罰則になるから行きたくない…」と考えてしまうかもしれませんが、実際には自ら申告した場合には多くの人がお咎めなしで無事に手続きをしているという声もありました。
もちろん、自治体の判断にはなりますので絶対に罰則の対象にならないのか?と言われたら確実ではありません。(そもそも、犬の登録を怠っている時点で罰則の対象にはなっています)
しかし、今からでも犬の飼い主としてやるべきことをしっかりやるようにしましょう。
バレるかな?と心配なのであれば、バレる前に自ら行動を起こすべきです。堂々と愛犬と暮らすためにも犬の登録は必ずしてくださいね!
まとめ
今回は、犬の登録してない場合バレるのか?について解説しました。
犬の登録はたしかにお金がかかります。
また、日本では1957年以降狂犬病は発生しておらず撲滅に至っていますから、「わさわざしなくても平気でしょ…」と思いたい気持ちもわからなくはないです。
しかし、ルールはルール!ルールは必要だからあるのであって守るためにあります。
犬の飼い主として正しい行動を取るようにしましょう!犬の登録は忘れずに必ずするようにしてください。
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