誤飲は犬を飼っているとよく起こるトラブルのひとつです。
犬がプラスチック片を飲み込んでしまった場合、「放っておいても大丈夫なの?」なんて不安になりますよね。
飼い主の多くは、
- 犬の誤飲の対処法
- 犬の誤飲の危険性
について疑問に思うことでしょう。
また、誤飲したプラスチックはうんちで一緒に出るのかどうかも気になる点ですよね。
今回は、プラスチック片を飲んでしまった時の対処法と危険な症状、うんちで排出される時間等を徹底的に解説します。
誤飲は時と場合によっては生命を脅やかすほどのリスクが生じることがあります。犬が苦しい思いをすることがないようしっかり学んでおきましょう!
犬がプラスチック片を飲んでしまった!
犬がプラスチック片を誤飲してしまったことに気づいたら、飼い主としてはどうしたらいいか分からず慌ててしまいますよね。
既に飲み込んでしまった後であれば、大きさなども詳しく見ていないために、どのような対処が適切なのかわからないのではないでしょうか?
プラスチック片を飲み込んでしまった場合には、放っておくことはせずできる限りの対処を試みることをおすすめします。
犬がプラスチック片を飲んだときの対処法
犬が誤ってプラスチック片を飲んでしまった時にはどのような対処法をするべきなのでしょうか?
飼い主としてするべき対処法は以下の3つです。
- プラスチック片の大きさや形状を確認
- 犬の様子を確認する
- 動物病院に電話をし指示を仰ぐ
それぞれの対処法についてくわしく解説します。
1:プラスチック片の大きさや形状を確認
犬が誤飲してしまったプラスチック片の大きさや形状を確認してください。
割れた残りのプラスチックがあるのであればとっておき、もし残っていなかった場合にはわかるのであれば大きさや形状をメモをとるなりして記録しましょう。
動物病院に行くときに持参するようにしてください。
2:犬の様子を確認する
犬がプラスチック片を飲んでしまった時には、犬に異変が起きていないか確認しましょう。
異変がある場合には、誤飲からどのくらいで異変が起きたか?その症状についてもメモを取ってください。
動物病院に指示を仰ぐ時に、症状や時系列が正確にわかるととても役に立ちます。特に、呼吸困難や意識の混濁、元気失消などの異変には注意が必要です。
3:動物病院に電話し指示を仰ぐ
犬がプラスチック片を飲んでしまった場合には、プラスチック片の大きさや犬の様子に関わらず動物病院に電話をし指示を仰ぐようにしましょう。
その時は大丈夫でも、時間が経ってから異変が起きてしまうこともあります。そのため、症状の有無に関わらずまずは獣医師の判断を優先してください。
病院にいくことになった場合には、メモや割れた残りのプラスチックなどがあれば必ず持参してくださいね。
犬がプラスチックを飲んだらどうなる
犬がプラスチック片を飲んでしまうと、そのプラスチックの大きさによっては大事に至らないケースもあれば、手術が必要なほどの状態になってしまうケースとさまざまあります。
犬がプラスチック片を飲んでしまった時には、例え小さかったとしても油断は禁物!犬がプラスチック片を誤飲したあとにはさまざまな症状を引き起こす危険もあります。
ここからは、プラスチック片を飲んだ時に見られる危険な症状について詳しく見ていきましょう。
犬がプラスチックを誤飲したときに起こりうる症状
犬がプラスチック片を誤飲した時には、主に以下の5つの症状が現れることがあります。
- 嘔吐する
- 食欲や元気の消失
- 腹痛
- うんちが出ない又は下痢
- 呼吸困難
上記の症状はどれも緊急性がある症状です。万が一のときに備え、誤飲が引き起こす危険な症状について勉強しておきましょう。
1:嘔吐する
犬がプラスチック片を飲んでしまった場合には、異物を吐き出そうと嘔吐することがあります。
小さいものであれば嘔吐によって出てくることもあるでしょう。
ただ、ある程度の大きさがある場合には、嘔吐で戻ってきたとしてもその際に食道壁や口内を傷つける危険性があります。
また、嘔吐の症状が現れている場合、食道閉塞を起こしている可能性もあります。嘔吐はしなくても、吐き出そうとする仕草が見られる場合には、注意が必要です。
2:食欲や元気の消失
犬がプラスチック片を飲み込んでしまったあと、食欲が低下したり元気の消失が起こることもあります。
異物が、入ってきたことによって気持ち悪かったり違和感を感じているのかもしれません。
3:腹痛
犬がプラスチックを飲み込んでしまった後、腹痛に見舞われることがあります。
うずくまって動かない、近づこうとすると唸る、触ろうとすると噛み付くなどの様子が見られる場合には、体に痛みを感じている可能性が高いでしょう。
特に、腹膜炎を起こしてしまうとその痛みは凄まじいものになると考えられます。腹膜炎はときに命を奪うこともあるので、早急に獣医師に見てもらう必要があります。
4うんちが出ないまたは下痢
犬がプラスチック片を飲んでしまった場合には、うんちが出なかったり下痢の症状が起こることがあります。
うんちと一緒に出てくれると安心ですが、ある程度大きさがあると腸を塞いでしまい腸閉塞を起こすことも…。
激しい腹痛や嘔吐、下痢などの症状が出る場合には注意が必要です。腸閉塞はすぐさま処置をしなければ命に関わることもあります。
5:呼吸困難
犬がプラスチック片を飲み込んでしまった場合には、最悪のケースで呼吸困難が起こることがあります。
プラスチック片が胃まで落ちずに途中でつっかえてしまうことで気道閉塞を起こしてしまう危険性があるのです。
一刻も早く詰まっている異物を取り除いてあげなければ窒息し命の危険が…。呼吸困難が起きている場合には、以下の方法を試し異物を取り除くことを試してください。
- 腹部突き上げ法
- 背部叩打法
- チェストトラスト法
反応があり立つことができるのであれば、腹部突き上げ法を行います。犬の背後から両手で腹部に当てて突き上げて圧迫させましょう。
背部叩打法は意識があり自ら吐き出そうとしている場合に使用します。肩甲骨の間を5回程度強く叩いてください。犬の吐き出そうとする動きに合わせるとより良いです。(小型犬・中型犬におすすめ)
チェストトラスト法は四つん這いになっている犬の両肩を強く圧迫します。体内の圧を強めることで異物除去の効果が期待できます。犬の吐き出そうとする動きに合わせるとグッドです。(小型犬におすすめ)
窒息は時間との勝負。時間が過ぎるごとに救命率は下がりますので、迅速な対応をしましょう。
ある程度やっても無理な場合には、速やかに動物病院の指示を仰ぎ診察してもらうようにしましょう。
犬が誤飲したプラスチックがうんちで出てくるまでの時間
犬がプラスチックを誤飲したあとは、そのプラスチックがうんちで出てくることがあります。
誤飲から異物がうんちと出てくるのは、おおよそ48時間ほど、遅くても3日以内には出てくることが多いようです。
ただ、うんちと一緒に出るのをずっと待っていると場合によっては腸閉塞を起こしてしまうことがあるため、特に体調に変化がない場合でも2日ほど様子をみて出てくる気配がなければ動物病院にて診察をしてもらうようにしましょう。
犬はプラスチックを消化できる?
犬がプラスチック片を誤飲することはそう珍しくはありませんが、そもそも犬はプラスチックを消化することはできないのでしょうか?
結論から言うと、プラスチックは消化することはできません。犬の胃酸は強酸性で骨や筋肉なども溶かすことができると言われていますが、プラスチックは溶けることはありませんので誤解しないように気をつけましょう。
消化することもできなければ、胃酸で溶けることもありませんので、うんちで排出することができなければ、時には外科的に取り除く必要があります。
症状がないからと言って放っておくのは危険ですので、素人判断はしないようにしましょう。
犬が誤飲しても塩やオキシドールは使用しないで!
犬が誤飲した時の対処法として、塩やオキシドールを使用して吐かせるようなことをする人がいますが、大変危険なのでやめてください。
塩の過剰摂取は高ナトリウム血症を起こし最悪死に至るケースがあります。オキシドールも同様で胃の粘膜がただれることがありますので危険です。
ネット上には誤った情報も溢れていますので、必ず動物病院にて獣医師の声を聞くようにしましょう。
犬の誤飲を防ぐためにできること
犬のプラスチック片の誤飲をしたときには迅速な対応が要求されますが、そもそも誤飲をさせないことが大切です。
誤飲は、ときに命の危険に晒されることもあるため甘く見てはいけません。犬の飼育環境に危険な箇所がないかをチェックしましょう。
ここでは、犬の誤飲を防ぐためにできることを解説します。
1:犬が届く場所に置かない
犬の誤飲を防ぐためには、そもそも犬が届く場所に犬が口にすると危険なものは置かないようにしましょう。
犬は好奇心が旺盛な動物です。特に犬の目を引くようなものは置かないようにしてください。
2:ゴミ箱は漁られないようにする
犬の誤飲はなにもテーブルや棚、床だけで起こるわけではありません。
特に、留守番時にクレートやケージに入れずにフリーにしている場合には、ゴミ箱は漁られないようにしっかり蓋をするようにするなどの対策を取るようにしましょう。
3:犬が使うおもちゃ等を確認する
犬の誤飲は、犬のおもちゃから発生する可能性もあります。犬が愛用しているおもちゃにプラスチックが付いている場合噛み砕いてしまうことで飲み込んでしまうことがあるのです。
犬に与えるおもちゃは、犬が容易に噛み砕けるものや割れるような部品、小さな部品が付いているものは避けるようにしましょう。
4:拾い食いをする癖がある場合にはしつけ直す
拾い食いをする癖のある犬は、しない犬に比べて誤飲をする可能性が高まります。
拾い食いを防ぐためには、しつけをし直し飼い主がリーダーになり飼い主の指示以外からは口に入れないようにするしかありません。
5:クレートトレーニングをする
犬の誤飲を防ぐためには、クレートトレーニングをし長時間目を話すときや留守番時、就寝時にはクレートで過ごしてもらうようにしましょう。
クレートに入ることができれば、飼い主が注意を向けられない時でも犬の安全を守ることができます。
また、クレートで大人しくできるようになるとお出かけや災害時にも役に立ちますので積極的にトレーニングしましょう。
6:床はこまめに掃除する
犬の誤飲を防ぐためには、床の掃除はこまめにすることです。床は毎日掃除しても、埃やゴミが落ちてしまうもの。
プラスチック片に限らず誤飲しやすい場所です。
特に拾い食い癖のある犬にとっては床に落ちているものはとりあえず口に入れてしまう可能性が高いでしょう。
床は人間目線で見ていると気づかない異物がよく落ちていることは珍しくありません。こまめな掃除で犬の誤飲の機会を減らすように努力しましょう!
7:入ってほしくない場所には柵をつける
犬の誤飲を防ぐためには、入ってほしくない場所には柵をつけて入れないようにしましょう。
犬が家中歩き回ることができると、どうしても目の届かない時間や場所が出てきてしまいます。ずっと監視することは現実的ではないので、犬が入っていい場所を限定することをおすすめします。
8:子供のおもちゃも気をつける
小さい子供がいる場合、子供が使うおもちゃにも気をつけなければなりません。
特に小さい月齢の子供であれば、片付けがまだ上手にできないことが多くその辺におもちゃが転がっている…なんてこともあるでしょう。
また、子供が楽しそうに遊んでいるおもちゃに興味を持ち口に入れてしまうこともあります。子供のおもちゃには小さい部品等を使用していることも多いため誤飲には繋がりやすく危険だと言えます。
まとめ
今回は、犬がプラスチック片を飲んでしまったらどうするべきなのか?また、危険な症状やうんちとの関係などについて解説しました。
犬と共に生活をしていると誤飲トラブルは少なくはないです。どんなに気をつけていても誤飲のリスクは常にあります。
特にプラスチック片のような硬いものの誤飲は気をつけなければなりません。
プラスチックの先が尖っていたりする場合は、体内が傷ついてしまうことがあるのでそもそも誤飲をさせないように飼育環境を見直しましょう。
それでも誤飲が起きてしまったときには、ここで紹介した異物除去法等を試してみてくださいね。
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