飼い猫の様子がいつもと違ったら心配になります。突然そのような状況になったらパニックになってしまう飼い主もいるでしょう。
「飼い猫の食欲が無くて心配…。歩き方がフラフラしている気がする…。」
そんなふうに不安になっている飼い主に向けて、猫がご飯を食べずにフラフラしている理由と獣医師に見せるべき判断をする状況について解説します。
猫がご飯を食べず、フラフラしているとき、どうしたらいいのか?
猫がご飯を食べず、フラフラしているときはどうしたらいいのか飼い主であれば誰もが心配になりますよね。
元気があるのであればまだしも…、フラフラの状態でいるのであれば猫の体に何か起きているのでは?と感じるのも無理はありません。
すぐに病院に連れて行ったほうがいいのか?または、様子を見ていてもいいのか、悩んでいることでしょう。
結論から言うと、ご飯を食べないでフラフラの状態の時には、獣医師に速やかに見せておいたほうが安心です。
病気であってもそうでなくても、まずは猫の体がどのような状況なのかを明らかにした方がよいでしょう。
猫がご飯を食べないでフラフラしているときに考えられる理由
猫がご飯を食べないでフラフラしているときに考えられる理由は以下の7つです。
- 内臓の病気による体調不良
- 老化による筋力低下
- 貧血
- 熱中症
- ワクチンなどの副作用
- 怪我
- 誤飲による中毒症状
フラフラになる状態というのは、多くは少し心配な状況であることが多いでしょう。
猫の体内では深刻な事態が起こっている可能性も高く注意が必要です。それでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
1.内臓の病気による体調不良
猫がご飯を食べないで、さらにフラフラの状態である場合は、内臓の病気による体調不良が考えられます。
①慢性腎臓病
猫が最もかかりやすいと言われている「慢性腎臓病」。徐々に猫の体を蝕んでいく恐ろしい病です。
慢性腎臓病は、初期の段階では症状はほとんどなく、見つかった時にはかなり進行しているケースが一般的です。
腎臓病もまた、食欲不振の症状が現れる病気。症状が現れた段階ではかなり病気は進行していますから、食欲不振の他にも体重減少や激しい嘔吐など深刻な状況になり体力的にはボロボロの状態でしょう。エネルギーを摂取することができない上に、嘔吐が続けば脱水状態にもなります。
②消化器系疾患
消化器系疾患でも食欲低下の症状が現れることがあります。
例えば、急性胃腸炎や急性膵炎などは食欲不振の他にも嘔吐や下痢、元気がなかったり脱力するなどの症状がでることがあります。
特に激しい嘔吐は体力も奪ううえに、脱水の心配も…。
③肝臓病
肝臓病も食欲不振が現れる病気のひとつです。肝臓の機能が低下すると、体のダルさが強くなり食欲低下や嘔吐の症状が出てきます。
肝臓は沈黙の臓器と言われていますので、症状が出た時にはかなり状態は悪くなっていることが多く大変危険です。
さらに進んでいくと、黄疸や腹水が溜まるなどの肝臓病特有の症状が目立ち始めます。
④腫瘍
猫も人間同様に悪性腫瘍に蝕まれることがあります。人間と違い、猫や犬などの動物は悪性腫瘍の進行は割と早く、また見つかった時には相当悪い状態のことも珍しくはありません。
食欲低下に加えて、元気がない、体重減少などの症状も出てくることがあります。
2.老化による筋力低下
猫がご飯を食べないでフラフラの状態である場合には、猫がシニアであるなら老化による筋力低下が考えられます。
一般的には7歳を迎えた頃から「シニア期」と呼ばれるようになり、個体差はあれど徐々に老化現象が進んでいきます。
老化が進むと、消化機能も衰えるため食欲の低下が起こることも…。また、日中の活動量の低下に伴い筋力もどんどん低下していきます。
さらに、低下していくと歩き方がぎこちなくなったり、力が入らなくてフラフラしてしまう状態になることもあります。
この場合は、生き物が老いていく段階の自然な流れでもありますので、ほかに目立った症状がなく一日くらいの食事拒否であれば自宅で様子を見ておいても大丈夫でしょう。
3.貧血
猫がご飯を食べないでフラフラしてしまうのは、貧血が関係しているかもしれません。
貧血の原因は主に2つと言われており、どこかで出血をしているか、または猫白血病などの病気により正常な赤血球を作ることができないという状況のいずれかであるようです。
食欲低下のほかに、元気がなかったり口腔内が白くなっていたり、ぐったりしたり、さまざまな症状が出ます。
貧血も重度になると命の危険がありますので注意が必要です。
4.熱中症
猫がご飯を食べないでフラフラの状態である場合、夏場であれば熱中症の疑いもあります。
猫は、人間と比べて体温調節が得意ではありません。そのため熱が体内にこもりやすく、熱中症になるリスクが高いのです。
熱中症になると、元気がなくなり食欲がなくなる他、足元がおぼつかなくなったり嘔吐や下痢などの症状を引き起こすことがあります。
5.ワクチンなどの副作用
混合ワクチンなどの予防接種後にご飯を食べない、フラフラしているなどの症状がある場合には、ワクチンの副作用が生じている可能性があります。
特に重篤な症状を引き起こすアナフィラキシーショックになるのは猫では5,000頭に1頭と言われています。
アナフィラキシーショックは、命の危険がある危険な状態でもあるので注意が必要です。
6.怪我
猫がご飯を食べないでフラフラの状態であるのであれば、それは怪我が原因になっているのかもしれません。
例えば、外に自由に出る猫であれば外に行った際に交通事故に遭ってしまい脊椎の損傷などの大怪我をしてしまったのかも。
脊椎は一度損傷してしまうと皮膚の傷のように元に戻ることはありません。
足に力が入らず麻痺のような状態になることが多く、また激しい痛みが生じている場合には元気がなくなったり、食欲低下の症状が出ることも…。
7.誤飲による中毒症状
猫がご飯を食べないでフラフラしている場合には、誤飲による中毒症状を引き起こしている可能性もあります。
除草剤が付着している土や保冷剤など、自宅内であっても猫にとって危険なものは沢山あります。
それらを誤って口に入れて飲み込んでしまった場合、激しい中毒症状を引き起こし最悪死に至ることも…。
食欲低下に加え、元気がない、フラフラしている、嘔吐や下痢、痙攣などの症状が起こることがあります。
猫がご飯を食べずにフラフラしていて獣医師の治療を受けるべきとき
猫がご飯を食べずにフラフラしている場合、獣医師の治療を受けるべきと判断する状況は以下の5つです。
- 嘔吐や下痢が続いている
- 意識が朦朧としている
- 体重減少を伴っている
- 痛みがあるとき
- 何日も食べていないとき
放っておくことで、手遅れになる危険性もあります。まずは猫の様子をしっかり観察し、必要であれば速やかに病院に連れて行ってあげてください。
1.嘔吐や下痢が続いている
食欲低下に加え嘔吐や下痢が続いている場合は、内臓の病気の危険性や熱中症、消化器系の異常などさまざまな病気が考えられます。
激しい嘔吐や下痢は、脱水になる危険性もあり深刻な状況になることもあります。
獣医師にいく時には、嘔吐物や便も持参していくと診断の役に立つかもしれません。また、嘔吐や下痢の中に血液が混じっていないかもチェックしておきましょう。
2.意識が朦朧としている
食欲低下やフラフラの状態に加え意識が朦朧としている場合、命の危険が迫っている可能性が高く、速やかに獣医師に診てもらう必要があります。
動物病院に行く前に電話をできるようであれば状況を先に説明しておきましょう。
状況が事前にわかっていれば、動物病院側も猫の到着前から準備を始めることができます。
意識が朦朧としている状況は、一刻を争います。時間との勝負ですのでより迅速に対応してもらえるように手配しておきましょう。
3.体重減少を伴っている
体重減少を伴っている場合も、獣医師に診察をしてもらっておくと安心です。
体重減少は老化現象によっても起こることですが、腫瘍などの重篤な病でも起こる症状です。
病の場合は、体重減少の症状はあまりいい兆候ではありません。シニア期の猫の体重減少は「もう歳だから…」と見過ごしてしまいがちになりますが、手遅れにならないよう獣医師の診察を受けるようにしましょう。
4.痛みがあるとき
食欲不振とフラフラする状態に加え痛みがある場合、悪性腫瘍の末期状態のこともありますし、脊椎損傷の大きな怪我を負っている可能性がありますので、速やかに獣医師に相談しましょう。
激しい痛みがある場合には、無理やり体制を変えたりすることで痛みのショックで呼吸や全身状態が悪化することがありますので、注意してください。
極力刺激を与えないように病院まで連れて行ってあげましょう。
5.何日も食べていないとき
何日もご飯を食べれていない場合には、獣医師に相談するべきです。何日もご飯を食べれていないと、飢餓状態になっていることも…。
老猫だったとしてもこのままでは死んでしまいます。獣医師に相談すれば、点滴などで栄養を補充してもらうこともできるでしょう。
ただ、場合によっては点滴で栄養を入れることが返って負担になってしまうこともあるので、猫の状態を的確に見極めてもらった上で獣医師と相談しながら治療について考えていくようにしてください。
猫がご飯を食べずにフラフラしていて病気がわかったケース
昨日はうちの猫🐈がフラフラしてたので、動物病院へ。メニエール病ですって❗️
— 名津 (@natsufuji973) October 27, 2022
ついでに血液検査したら、昨年引っかかってた数値が正常になってた👏🎉
今後は猫とまったり過ごせる働き方をしたい。収入源一つじゃなくて複数にしたい。
不労所得も欲しい💴さっ、willとcanやろーっと。計画を立てよう❗️
このかたの飼い猫は、フラフラする症状からメニエール病が見つかったようです。
メニエール病とはいわゆる前庭性障害などのことでしょう。歩くときにフラフラしたり、同じ場所をクルクルと旋回するような症状が出る病気で、一般的には特発性の前庭性障害であれば治療をすれば2〜3週間ほどで良くなるようですね。病院で早く診断が出て本当によかったです。
ツイッターやインスタで心筋症の猫ちゃんを見かけます。ミーも心筋症で左心房が拡大し、猫には稀な洞房ブロックもあります。不整脈で失神が頻繁にあります。大学病院で言われたのは猫の心筋症はすごく多いそうです。フラフラしたり倒れたり足の麻痺があったらすぐに大きな病院で検査してみて下さい。 pic.twitter.com/9hMNo2XN5w
— 西野つかさlove j&m (@tukasanishinojm) December 8, 2016
このかたの飼い猫は、心筋症を患っているようです。猫の心筋症は完治することは難しく対処療法や進行を抑える治療が行われるようです。
猫の心筋症もまた、元気がなくなったり食欲が低下したりフラフラしたりする症状が出ることも…。
病気の完治は望めなかったとしても、進行を遅らせることができるのであれば、早めに診察を受けることはとても重要ですね。
マジで心配した
— 鯉口を切る系ぢゅん岩森 (@OPekochi) February 4, 2020
うちのおバカ長毛種猫🐱
今朝から食欲ないし吐くし、下痢だしで、動物病院連れてったら
ストーブでの熱中症…
結構多いようなので皆さんご注意ください… pic.twitter.com/e4keNug77j
このかたの飼い猫は、食欲低下や元気焼失で病院に行ったところ、なんとストーブによる熱中症だったんだとか…。
ストーブをつけていたということから、季節は冬だと想像できますが、冬でも暖房器具が原因で熱中症になってしまうなんて恐ろしいです。真夏だけで無く、冬でも気をつけなければなりません。猫は寒がり…という知識から暖かくしすぎてしまう危険もあり注意が必要ですね。
猫の病気に詳しい方😢10歳の室内猫🐈
— ここあくん (@cocoakun_0706) November 4, 2022
今年2月に慢性腎臓病と診断、週2で点滴開始。腎臓安定。
6月になんだか元気が無さげ+食欲不振、途中から下痢が続く。
採血を行い炎症反応が高く3週間効く抗生剤使用。
それでも下痢が治らず、元気なく部屋の暗いところへ行きたがるので、お腹のエコーを撮り↓
このかたの飼い猫は、食欲低下や元気焼失の症状から病院にいったところ慢性腎臓病が発見されたようです。
慢性腎臓病は猫にとても多く、さらに15歳以上の高齢の猫の80%が患っているとも言われている病気。症状が現れた時にはかなり進んだ状態とも言われていますので、この猫の現在の状態もとても心配ですね。
実家の愛猫が今朝亡くなった、まだ10歳。
— まこちん☆オオクワ☆ソロキャンパー☆ (@makotorara220) November 19, 2021
1ヶ月前まで甘えて元気に走り回ってた。
突然ご飯を食べなくなり獣医に見せたら末期癌だった。日に日に体重が落ち、水も飲めない。抗がん剤の副作用も強かった。
母の腕の中で看取られた。
前日に会えてて良かった。
癌の怖さと命の儚さを改めて考えた。 pic.twitter.com/ODrCXIsE1X
このかたの飼い猫は、もうすでに亡くなっていますが生前は末期癌に冒されていたようです。食欲低下や元気消失の症状がきっかけで癌が発覚したそうですが、見つかった時にはすでに末期の状態というなんとも辛い診断だったようですね。
それまでは元気に過ごしていたみたいですから、突然の末期癌宣告なんて信じたくなかったでしょう。とても苦しくて辛い状況だったことが目に浮かびます。
まとめ
今回は、猫がご飯を食べずにフラフラの状態である場合、考えられる理由と獣医師に治療を受ける判断をするべき状況について解説しました。
猫がご飯を食べないでフラフラしているのは重大な病気が隠されていることがあるので注意が必要。様子を見ていたら手遅れになってしまった…なんてことも起こり得ます。慎重に状況を見極め的確な判断ができるようにしましょう!
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