真紅のカラーリングが美しいパイロープガーネットは、美しいジェムストーンであるだけでなく、強力なパワーストーンでもあります。ガーネットらしいルックスに似合う強さや一途さを持つパイロープガーネットについて、相性や効力、取り扱い方などをまとめました。
パイロープガーネットってどんな石？
パイロープガーネットとは
パイロープガーネットとは、ガーネットと聞いてイメージするような真紅のガーネットのこと。しかし、現在日本でメインで流通するガーネットはアルマンディンガーネットもしくはアルマンディンガーネットとパイロープガーネットの中間となる中間固溶体という存在であり、純粋なパイロープガーネットは少ないです。純粋なパイロープガーネットはカラーレスで、アルマンディンガーネットと混ざり合うことでレッドカラーとなっているのです。ガーネットは比較的産出量の多いジェムストーンなのでさほど高価ではなく、アルマンディンガーネットであろうとパイロープガーネットであろうと、「レッド系ガーネット」として流通し区別されていないのが現状です。
いかにもガーネットらしいレッドカラーで人気があり、大粒のものがなかなか産出しないこともあり、ジェムコレクターの中には「納得のいく品質のパイロープガーネットを追い求めて何年も探している」という人も少なくありません。一方で、パイロープガーネットは、本来ならジェムストーンとなるようなランクのものがパワーストーンとして安価に流通しています。パイロープガーネットはトリートメント加工や加熱処理など人工的な加工を施さなくても十分に美しく、カラーストーンの中では珍しく未加工で流通することが多いのです。「大きさにこだわらなければ手に入れやすい」という点や「たいていの石が十分に美しい」点から、ジェムストーンとパワーストーンの両面を期待して持つ人も増えています。
ガーネットのグループ分け
ガーネットといえば「柘榴を思わせるような暗みがかった赤い石」というイメージが一般的ですよね。しかし、実際にはミントガーネットやグリーンガーネット、オレンジガーネットなどレッド以外のカラーリングのガーネットが存在します。実はガーネットは20種類を超える鉱石の一大グループであり、成分によってカラーもそれぞれ違い、ガーネットはカラーストーンとしてのカラーリングのほとんどを持っているということです。
まず、ガーネットはアルミニウム系ガーネットであるパイラルスパイト系と、カルシウム系ガーネットであるウグランダイト系に分かれます。そこからさらに3つずつのグループに分けられ、パイラルスパイト系にはパイロープガーネット、アルマンディンガーネット、スペサルティンガーネットがあります。ウグランダイト系はグロッシュラーガーネット、アンドラダイドガーネット、ウバロバイトガーネットの3つです。この合計6つのガーネットがジェムとして扱われるメインガーネットとなります。
しかし、それだけではありません。ガーネットは中間固溶体という2つ以上のガーネットが混じりあったものが存在します。この性質は、ムーンストーンやサンストーン、ラブラドライトなどで有名なフェルドスパーグループにも見られます。ガーネットの中間固溶体の中で有名なのは、アルマンディンガーネットとパイロープガーネットの中間固溶体であるロードライトガーネット、アンドラダイドガーネットとグロッシュラーガーネットの中間固溶体であるマリガーネットなどでしょう。
ガーネットは産出量が多く比較的安価なジェムストーンです。さらに、グリーンやイエローが多いウグランダイト系に比べ、従来のイメージ通りのレッド系が多いパイラルスパイト系のガーネットは評価が高いものが少ないです。希少性がないからです。そのため、鑑別に回ることはほとんどなく、アルマンディンガーネットもパイロープガーネットも同じレッドガーネットとして流通し、厳密には違いを明記されることは少ないでしょう。
パイロープガーネットの名前の由来
パイロープガーネット（Pyrope Garnet）の語源は、ギリシャ語で「炎・炎のような目」を意味する「Pyropos（ピポロス）」と、ラテン語で「種子」「ザクロ」を意味する「granatus（グラナタス）」です。パイロープガーネットをろうそくの火にかざした様子が、炎が揺らめくように見えたことが由来とされています。
パイロープガーネットの和名・別名
パイロープガーネットの和名は「苦礬柘榴石（くばんざくろいし）」です。
パイロープガーネットは多くの別名やフォールスネームを持ちます。チェコのボヘミア地方が主要産地であることから「ボヘミアンガーネット（Bohemian Garnet）」、クロムを有して発色することから「クロムパイロープ（Chrome Pyrope）」などと呼ばれます。他にも「コロラドルビー（Colorado ruby）」、「アリゾナルビー（Arizona ruby）」、「ボヘミアンカーバンクル（Bohemian carbuncle）」、「ケープルビー（Cape ruby）」などと呼ばれることがあります。
パイロープガーネットの歴史
パイロープガーネットは1803年にチェコのボヘミア地方で発見されました。当時この国を治めていたハプスブルク帝国から親交のあったイギリスのヴィクトリア王朝へと贈られたパイロープガーネットは、一躍人気となります。イギリス市民たちは高価で手の届かないルビーではなく、同等に美しくルビーより安価なパイロープガーネットを求めたのです。そのため、当時のアンティーク品には多くのパイロープガーネットが使用されていたり、「ルビーだと思われていたものが実はパイロープガーネットであった」とのちに判明することも多いです。この一大ブームにより、ハプスブルグ帝国は潤い、繁栄したといいます。
少ししてボヘミア地方での産出が少なくなってくると、パイロープガーネットによく似たガラスが作り出されるようになります。これがチェコガラス・ボヘミアンガラスの始まりです。産出量が少なくなったことでますますボヘミア産パイロープガーネットの価値は高くなり、産地を示すために「ボヘミアンガーネット」と名付けられて流通するようになりました。現代でも、パイロープガーネットはチェコの国石に制定されています。
パイロープガーネットの伝説・言い伝え
19世紀に発見されたパイロープガーネットですが、実際には、紀元前からその姿を人間に見せていたとされています。もっとも古いところでは紀元前3000年ごろのメソポタミア文明で、宝飾品として使用されていたようです。
また、旧約聖書に出てくるノアの箱舟で、灯火として船の中を照らしていた光が、パイロープガーネットであったといわれています。
パイロープガーネットの産地
チェコ・ブラジル・アメリカ・オーストラリア・タンザニア・ブラジル・ミャンマーなど
パイロープガーネットは比較的あちこちで産出する鉱石です。もっとも品質が高いといわれているのは、発見地ともいわれるチェコのボヘミア地方でしょう。日本でも産出があり、1937年に愛媛県の四国中央市で発見されています。
パイロープガーネットの硬度
パイロープガーネットのモース硬度は7～7.5。劈開はありません。比較的取り扱いやすい鉱石といえるでしょう。
パイロープガーネットの宝石言葉・石言葉
「勝利」・「真実」・「燃える愛」
パイロープガーネットと誕生石・曜日石・守護石
パイロープガーネットは1月1日と1月26日の誕生日石です。ガーネット全般が1月の誕生月石なので、パイロープガーネットも1月全般の誕生月石と考えてよいでしょう。
また、獅子座と山羊座の守護石でもあります。
パイロープガーネットの色と種類・似ているパワーストーン
純粋なパイロープガーネットはクリアカラーをしていますが、クロム及び鉄が混入することによりレッドカラーに発色します。鉄が多くなればレッドが濃くなりますが同時に暗くなっていきます。成分比率によってもカラーリングが変わり、ピンクやオレンジがかったものもあります。ちなみに、純粋なパイロープガーネットはとても希少なので、カラーレスのものはほとんど発見されません。
パイロープガーネットと似ているパワーストーン
アルマンディンガーネット
パイロープガーネットと同じくパイラルスパイト系ガーネットであり、成分的に混ざり合うことの多いアルマンディンガーネット。同じレッド系であり、パイロープガーネットより黒みがかったレッドであることが多いとされています。しかし、アルマンディガーネットとパイロープガーネットに関しては、プロの鑑別士でも肉眼で見分けることは不可能といわれ、成分分析に頼るしかありません。そのため、アルマンディンガーネットやパイロープガーネットは「レッドガーネット」という名前で流通することもあります。
ロードライトガーネット
パイロープガーネットとアルマンディンガーネットの中間固溶体で、パイロープガーネットが70％、アルマンディンガーネットが30％を占めたものがロードライトガーネットです。もっとも産出量が多いためガーネットグループの中では安価で、パワーストーンとしても流通が多いです。ワインレッドやローズピンクの鉱石で「グレープガーネット」「パープルガーネット」とも呼ばれます。
産出量がもっとも多く安価なので、パワーストーンとしてもよく流通しています。
マラヤガーネット（ウンバライト）
ピンクやオレンジがかったレッドが多い、マラヤガーネット。パイロープガーネットとスペサルティンガーネット、もしくは、パイロープガーネットとスペサルティンガーネットそしてアルマンディンガーネットが混ざり合った中間固溶体です。カラーチェンジ効果を持つものもあります。マラヤガーネット、ウンバライトなどと呼ばれますが、商品名であり、鉱物名でも宝石名でもありません。
パイロープガーネットが持つスピリチュアル的性質
パイロープガーネットと風水
パイロープガーネットは風水における五行思想では火気を持っています。
火気は「礼」で、激しさや旺盛さ、華やかさの象徴。真夏の太陽のようにギラギラとして派手な性質で、静と動でいえば動です。また、火は物質を燃やして別の物質へと変化させることから、昇華や応用といった意味もあります。
パイロープガーネットと相性の良い方位
東・東南・東
パイロープガーネットとチャクラ
パイロープガーネットは第1チャクラを活性化させます。
第1チャクラは尾てい骨にある「ベースチャクラ」で、肉体的な活力を司ります。名前の通り、生きていくためのベースとなる必要最低限の健康や気力、財力といったものを作り上げる力を持つチャクラです。
パイロープガーネットはこんな人におすすめ
・やる気をアップしたい人
・忍耐力を高めたい人
・達成したい目標がある人
・女性としての魅力が欲しい人
・結婚につながる恋愛をしたい人
パイロープガーネットの効果・効能・スピリチュアルへの影響
1.活力アップ・勇気が出る
パイロープガーネットには、活力アップや勇気を与える効果があります。
パイロープガーネットをはじめとするレッド系パワーストーンは、炎や血液を連想させることから、情熱や活力をもたらす効果があるとされています。パイロープガーネットにもその効果は備わっていて、目標に向かって頑張ろうという気持ちが湧いてきたり、前向きに1歩を踏み出したくなるような勇気が出たりする効果があります。エネルギー不足の人やネガティブな人、不安に襲われている人におすすめで、不安や恐怖を打ち消して力を湧き上がらせてくれるでしょう。
パイロープガーネットが持ち主に与えるのは、活力や勇気だけではありません。自尊心を高め「自分ならできる」という自信をもたらします。また、情熱の炎を心に灯すことで物事のスタートを切らせます。自分を信じて努力することを促す石なので、やる気が起きない人にもおすすめです。
2.目標達成
パイロープガーネットは、目標達成のサポートストーンとなってくれます。
ガーネットには「勝利・実り」といった意味があり、パイロープガーネットも持ち主を勝利へ導く石として知られています。活力や勇気、自信といった勝利に必要な要素を授けるのはもちろん、持ち主が一生懸命努力できるよう背中を押し続けてくれるのです。
パイロープガーネットが意味する勝利とは、誰かに打ち勝つことだけではありません。どちらかといえば自分自身の内面に打ち勝つことをメインとしています。忍耐力や一途さというガーネット全般が持つ意味も、パイロープガーネットは持っています。そのため、持ち主が目標に向かって一途に努力を続け、ピンチに陥っても諦めないよう励まし続けてくれるのです。他人に勝つというより己に勝つ石だと思えばよいでしょう。少々生真面目なところのある石ですが、どうしても叶えたい目標がある人や、願望成就のために一生懸命にならなくてはいけない人におすすめです。
3.恋愛運アップ
パイロープガーネットは恋愛運アップ効果があります。
パイロープガーネットが持つレッドは、情熱の炎を表します。また、女性にとっては華やかさや性的魅力をもたらす色でもあります。さらにパイロープガーネットには勇気や活力をもたらす効果があるので、恋愛に対して前向きになれると同時に、女性としての魅力を高めて恋愛成就へと導いてもくれるでしょう。
パイロープガーネットは、ガーネット全般が持つ「忍耐・一途」といった意味を持っています。そのため、一途にお互いを思い合えるような恋愛をもたらしてくれるでしょう。その場限りであったり気軽に楽しめる恋愛ではなく、将来をきちんと考えていけるようなお相手を選ばせてくれるのです。楽しい恋愛というより真面目な交際といった感じの石なので、恋愛の先に結婚を見据えたい人におすすめです。
4.創作意欲アップ・富を得る
パイロープガーネットは、創作意欲を高めたり富を得る効果があります。
目標達成効果と似ていますが、パイロープガーネットには何かを形にする力があります。夢や目標、アイデアや気持ちを具現化するサポートをしてくれるのです。そのため、創作意欲が高まり、形のないものを形にすることができます。
何かを形にするというこの力は、努力の結果を得るということでもありますよね。労働や能力を金銭にすることも具現化といってもよいですから、パイロープガーネットには富を得る効果があります。ただし、パイロープガーネットは努力の結果を得させる性質があるので、ギャンブルや宝くじで富を得るようなことは起きません。あくまで持ち主の努力を形に変える力なので、コツコツ頑張ることが大切です。
パイロープガーネットと相性の良い組み合わせ
パイロープガーネット×アイオライト
パイロープガーネットとアイオライトの組み合わせは、願望成就や問題解決に効果があります。
アイオライトは美しいスミレ色のパワーストーンで、角度によってカラーリングが変わる多色性を持つことで有名です。その性質を生かし、古代のバイキングたちが羅針盤替わりに使っていたんだそう。そのことから、「人生の羅針盤」と呼ばれ、進むべき方向を指し示すといわれています。進むべき方向や捨てるべきものが分かれば、迷いが消えますよね。アイオライトは持ち主を冷静にし、分析力や決断力をアップさせてくれるので、感情に流されることなく取捨選択ができるようになるでしょう。生きていくうえで困った際に頼ることができる、問題解決能力の高い石でもあります。
そして、パイロープガーネットは、持ち主に活力や自信を与える効果があります。気持ちを奮い立たせ、自分を信じて前進させてくれるでしょう。心が折れないよう守ってくれる、精神的なお守りになってくれるのです。思考をクリアにし道を指し示してくれるアイオライトと組み合わせることで、願望を成就できたり問題解決ができたりします。現実的なナビゲーターとなるアイオライトと精神的なサポーターとなるパイロープガーネットの組み合わせは、最強タッグといっても過言ではないでしょう。
パイロープガーネット×ムーンストーン
パイロープガーネットとムーンストーンの組み合わせは、恋愛運アップ効果や自己表現力アップ効果があります。
ムーンストーンは、その名の通り、月の力を宿した石。月は古来より女性性や精神性の象徴であり、満ち欠けすることで地上の生き物に影響を与えるとされてきました。そんな月の力を持つムーンストーンには、女性らしさをアップしたり精神的な落ち着きを与える効果があります。感情の波がやってきても鎮静化して、動じないようにしてくれるのです。また、月は夜の闇の中に光を降らせる存在ですよね。そのことから、ムーンストーンは絶望の中にあっても道を指し示すとされ、未来透視や直観力アップ効果もあるといわれています。
一方、パイロープガーネットは華やかさや女性的な魅力を授ける効果があります。女性性の象徴であるムーンストーンと合わせることで、恋愛ン面における相乗効果が期待できるでしょう。また、ムーンストーンによって得たインスピレーションを、パイロープガーネットが持つ具現化能力で形にすることができます。ピンチ脱出にも強い組み合わせなので、どうしたらよいのか分からず八方ふさがりだという人にもおすすめ。良い解決方法をムーンストーンが導き出し、パイロープガーネットが解決まで心が折れないようにサポートしてくれますよ。
パイロープガーネット×ブラジリアナイト
パイロープガーネットとブラジリアナイトの組み合わせは、自分らしさを大事にさせてくれます。
ブラジリアナイトとはグリーンからイエロー系の鉱石で、シンハライト、タンザナイトとともに「20世紀に発見された世界3大宝石」の1つにかぞえられています。精神的なブロックを外す解放系のパワーストーンで、生来の性格からくる生きにくさや抑圧された末に陥ってしまった負のスパイラルから抜け出せるよう、手助けしてくれるでしょう。ヒーリング効果も高いですが、日々のストレスというよりは性格からくる考え方のクセをいさめ、心を穏やかにしてくれるタイプのヒーリングストーンです。「自分が考えている自分らしさ」という檻から持ち主を引っ張り出し、本当の意味での自分らしさを取り戻させてくれるでしょう。
そして、パイロープガーネットには忍耐力や一途さ、やる気をもたらす効果があります。自分らしく力を抜くことを推奨するブラジリアナイトと、努力をしてステップアップを目指させるパイロープガーネットでは、正反対に思えるかもしれません。実際に、2つの石は正反対の性質を持っています。しかし、正反対だからこそうまくいく組み合わせなのです。パイロープガーネットは持ち主の精神力を鍛えますが、「でもやっぱりダメかもしれない」と自分を信じきれなくなるときがやってくるかもしれません。そんなとき、ブラジリアナイトが力を抜いて自分らしく生きるよう教え、休息をさせてくれます。ブラジリアナイトはヒーリング能力がありますが心の傷を癒すというよりは悪い考え方のクセを正してくれるので、怠けにつながることはありません。そのため、努力を促し続けるパイロープガーネットと反発しあうこともありません。無理なく頑張るためのお守りとなってくれる組み合わせです。
パイロープガーネット×アマゾナイト
パイロープガーネットとアマゾナイトの組み合わせは、未来を明るくするためのサポートをしてくれます。
アマゾナイトは別名「ホープストーン」といい、暗闇の中に希望の光をもたらす効果があるといわれています。持ち主の中からネガティブな感情を消し、ポジティブ思考を与え、実際に行動を起こさせます。そのため「行動の石」とも呼ばれます。非常に明るいエネルギーを持つ石であり、ヒーリング効果も高いです。
そして、パイロープガーネットは心に情熱の炎を灯し、活力を与え、前進させてくれるパワーストーン。持ち主自身に向き合わせ、欲求そのものを認識させます。ポジティブさや行動力を与えるアマゾナイトと組み合わせることで、願望や欲求を自覚し、実際に動き出すことができるでしょう。また、パイロープガーネットには忍耐力アップ効果もあるので、問題が生じたとしても諦めさせません。希望をもたらすアマゾナイトとの組み合わせでは、より強く未来に光を感じることができ、心が折れることなく前進していけるでしょう。
パイロープガーネット×スモーキークォーツ
パイロープガーネットとスモーキークォーツの組み合わせは、目標達成効果があります。
スモーキークォーツは水晶の変色種で、ブラウンやグレーをしています。大地の力を持ちグラウンディング能力に長け、生きていくための地盤をしっかりと築くことができます。魔除け効果も高く、持ち主の心を強くして穢れに対する防御力を上げてくれるでしょう。ただ1点、天然のものはパワーが強すぎて合わない人も多いといいます。人工的に作り出されたものの方が使いやすいという変わったタイプのパワーストーンなのです。
一方、パイロープガーネットは目標達成のための実りの石です。一途に努力させ、ときには耐えさせ、見合った結果をもたらしてくれます。情熱の炎を灯し絶やさずに前進していくことで、勝利や成果を得させてくれるでしょう。グラウンディング効果が高く現実性をアップするスモーキークォーツと組み合わせることで、より堅実に、そして確実に目標までたどりつけます。頑張りすぎそうなときにはスモーキークォーツがストップをかけてくれるので、無理なく目標を目指せるでしょう。
パイロープガーネットを身に着けるのにおすすめのアクセサリーと効果
パイロープガーネットはリングやネックレスとして身に着けるのがおすすめです。
リングとして身に着けるなら、願い事によって指を変えてみてください。願望成就や目標達成なら左右どちらでも親指につけるとよいでしょう。パートナーとの誠実な関係を望むときには、お互いの薬指に着けるとよいです。ガーネット全般に「貞節」という意味があるので、浮気心を封じ、一途に愛し合うためのお守りとなってくれますよ。
パイロープガーネットのお手入れ・浄化方法
パイロープガーネットはこれといった弱点がなく、すべての浄化方法が使用できます。ただし、クリアかつ有色のジェムストーンは、紫外線を長時間当て続けることで次第に退色していきます。長い時間をかけての話ではありますが、念のため、日光による浄化は避けた方が無難です。日光が差し込む窓辺に置きっぱなしにするのもNGです。
浄化の頻度は2週間に1回、パワーチャージも同等でよいでしょう。パイロープガーネットはエネルギッシュな石ですが、常にパワーを放出するタイプなので消耗も激しいことを覚えておいてくださいね。
浄化方法
対応
塩・塩水
◎
流水
◎
ホワイトセージ
◎
水晶クラスタ・水晶さざれ
◎
日光・月光浴
△
土
◎
音
◎
パイロープガーネットのお手入れ・浄化方法早見表
塩・塩水
塩や塩水による浄化は、パイロープガーネットに対応しています。塩やヒマラヤ岩塩もしくは天然の粗塩を使用してください。
塩を用いる場合は、浄化皿の上に塩を盛り、パイロープガーネットをその上に乗せるか中に埋めるかします。30分程度経ったら取り出し、流水ですすぎ、天然素材の柔らかい布で水けを拭き、自然乾燥させましょう。
塩水を用いるなら、まず3％程度の濃さの塩水を作ります。グラスの中に塩水を入れ、その中にパイロープガーネットを沈めてください。30分程度経ったら取り出し、流水ですすぎ、天然素材の柔らかい布で水けを拭き、自然乾燥させればOKです。
流水
流水による浄化は、パイロープガーネットに対応しています。
浄化皿の上にパイロープガーネットをセットし、流水をそそぎます。直接石に水が当たらないよう、位置を調節してください。小川のせせらぎの中にパイロープガーネットが沈んでいるようなイメージで配置するとよいですよ。
10分程度で浄化が完了するので、天然素材の柔らかい布で水けを取り、自然乾燥させましょう。
ホワイトセージ
ホワイトセージによる浄化は、パイロープガーネットに対応しています。
ホワイトセージのお香もしくは乾燥させた葉っぱを用意しましょう。火をつけ、立ち上る煙の中にパイロープガーネットをくぐらせます。10回程度で完了しますので、そのまま使用してOKです。
ホワイトセージでパワーチャージができる
パイロープガーネットはホワイトセージでパワーチャージができます。
ホワイトセージのお香もしくは乾燥させた葉っぱに火をつけ、煙でいぶすだけです。ほんの数回でパワーがチャージされるので、浄化のあとに続けて行ってもよいでしょう。
水晶クラスタ・水晶さざれ
水晶クラスタや水晶さざれによる浄化は、パイロープガーネットに対応しています。
クラスタを使用する場合は、クラスタの上にパイロープガーネットを置くだけ。さざれ石を用いる場合は、さざれ石を山のように盛り、パイロープガーネットを中に埋めるか上に乗せるかします。2時間から5時間おいておけば浄化が完了します。
日光・月光浴
パイロープガーネットは日光に当たっても問題ない石といわれていますが、厳密にはそうではありません。クリアかつ有色の鉱石というものは、長時間紫外線に当て続けると退色してしまうものなのです。数日放置するなどしなければ基本的には問題ありませんが、ダメージを受けていることに変わりありませんから、長くお付き合いするつもりなら日光による浄化は避けた方が無難です。月光なら問題なく浄化ができます。
浄化皿の上に乗せたパイロープガーネットに、月光を浴びせるだけで浄化ができます。3時間程度でOKです。
土
土による浄化は、パイロープガーネットに対応しています。
天然素材の柔らかい布でパイロープガーネットを包み、柔らかく乾いた土の中に埋めます。2週間程度経ったら取り出し、流水で汚れを落とし、清潔な天然素材の布で水けを取りましょう。その後は自然乾燥させてください。
音
音による浄化は、パイロープガーネットに対応しています。
音叉やクリスタルチューナー、水晶ポイントを用意します。浄化皿の上にパイロープガーネットをセットし、音を奏でましょう。水晶ポイントの先をパイロープガーネットに向けたまま、パイロープガーネット中心に円を描きます。音が鳴りやんだらまた音を鳴らし、繰り返してください。10回程度で浄化が完了するとされています。
パイロープガーネットの好転反応・副作用
パイロープガーネットはエネルギッシュかつ少々気難しい波動を持っていますので、好転反応が起きやすいです。ジェムストーンとして着飾るために持つのなら問題はありませんが、パワーストーンだと認識して持つなら注意しましょう。
パイロープガーネットだけでなくガーネット全般にいえることですが、自己主張が激しく、「忠誠」「一途」といった意味があります。そのため、自分が尽くすのにふさわしい相手かどうか、持ち主に対して見極めをするといいます。その過程において好転反応が起き、頭痛や火照りなどなんらかの異常が現れることも多いのです。
もしパイロープガーネットを持ってみて問題が生じたら、身に着ける時間を極端に短くしたのち、徐々に伸ばしていくとよいでしょう。お互いの波動が馴染めば、好転反応は生じなくなりますよ。
もしくは、水晶を合わせるのも1つの方法です。水晶はすべてのパワーストーンの基礎であり、合わせた他のパワーストーンの力や波動をコントロールする能力を持っています。パイロープガーネットの力を調整して、持ち主にとってちょうどよいレベルにしてくれるでしょう。
パイロープガーネットのQ&A
パイロープガーネットの偽物の見分け方は？
パイロープガーネットは他のレッド系ジェムストーンと似ていることが多く、ルビーやレッドスピネルなどと混同されることもしばしばです。また、同じガーネットであるアルマンディガーネットとは特に似ていて、肉眼で区別するのはプロの鑑別士でも不可能です。
ガーネットは数少ない単屈折のカラーストーンとして有名ですが、同じく単屈折の石にはレッドスピネルがあります。レッドスピネルとパイロープガーネットは似ていますので、見分けることは難しいでしょう。
また、アルマンディンガーネットとパイロープガーネットは区別されることなく単に「レッドガーネット」として販売されることがほとんどです。レッド系ガーネットはジェムとしては比較的安価なので、鑑別にかけることはほとんどなく、曖昧なままで販売されているのが現状なんだそう。どうしてもパイロープガーネットと定義されたものが欲しければ、鑑別書付きのものを購入するとよいでしょう。
本物のパイロープガーネットならば鑑別書には「鉱物名：天然ガーネット」「宝石名：パイロープ・ガーネット」と記載されています。鑑別機関によっては宝石名欄はすべてガーネット表記で統一されているところもあるので、自分で鑑別に出すときには事前に調べておくことが重要です。
パイロープガーネットが割れた・欠けた！特別な意味はある？
パイロープガーネットはモース硬度が十分にあり、劈開性もありません。そのため耐久性が高く、割れたり欠けたりしづらい鉱石です。
そんなパイロープガーネットが割れたり欠けたりしたら、スピリチュアルな要因を考えてもよいでしょう。
パイロープガーネットは活力を与えたり、愛情をもたらす効果があります。そのため、活力が失われるような出来事が起きたり、対人トラブルや恋愛において破局する可能性があります。何にせよ凶兆なので、気をつけてください。
割れたり欠けたりしたパイロープガーネットは縁起の良いものではありません。ジェムストーンとしてならリペアに出してもよいですが、できれば潔く土に還した方がよいでしょう。また、持ち主が不吉さを感じたら手放してください。直感を信じてくださいね。
パイロープガーネットの色が変わった？退色・変色する？
パイロープガーネットは物理的に変色することはまれです。長時間紫外線に当て続ければ退色しますが、長い時間をかけてのことなので、日光の下にずっと置きっぱなしにしていたわけでもなければ起きない現象です。
もしパイロープガーネットが退色したり変色していたら、パワーストーンとしての力の変化が考えられます。パワーストーンは力が強まるとカラーが濃くなり、弱まると退色するといわれています。浄化やパワーチャージをしっかり行っていれば起きない現象なので、日ごろからきちんとケアしてあげましょう。
退色してしまったパイロープガーネットは、半年ほどジュエリーボックスなどで安置することでカラーが戻ることもあります。それでもダメなら諦めて、以前よりパワーダウンしたパイロープガーネットとしてお付き合いしていくしかないでしょう。
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まとめ
ジェムストーンとしての側面が強いパイロープガーネットですが、ジェムストーンとして美しいのはもちろん、パワーストーンとしても強い力を持っています。持ち主がパワーストーンだと認識しなければ力は発動しませんので、パイロープガーネットの効果を望むなら、パワーストーンを持っていることを認識するようにしてください。
また、パイロープガーネットは持ち主の努力に反応する石です。努力を怠っていれば結果は訪れませんので、しっかりと努力をしてくださいね。
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