奈良県桜井市に鎮座する大変古い神社で神奈備(かむなび)と呼ばれる神様が宿る神域そのものが神社となっています。
三輪山を御神体とし正殿がありません。三輪山が大神神社の神奈備であり神体山なのです。大神(おおみわ)神社と読みます。
神社名からして神社の始まり以前を想像しますが、そのインスピレーションの通り自然発生的に生まれた原始宗教で詳細不明の領域に入る神社なのです。
恐ろしいけれど何故か人気のある神社が大神神社と言われています。
奈良の大神神社とは
全国にある大神神社、三輪神社(美和神社)は大神神社の分祀となります。特に山陽道に発展しています。
大神神社は奈良県桜井市にある三輪山を御神体とする神様です。三輪山を拝む事が参拝となります。
奥津磐座(おきついわくら)ここには大国主命(おおくにぬしのみこと)が鎮座されています。
中津磐座(なかついわくら)こちらには大己貴神(おおなむちのかみ)が。
辺津磐座(へついいわくら)麓には少彦名神(すくなひこなのかみ)がいるとされています。
この3つの磐座を拝殿から仰ぎ見ることで参拝となります。
これを古神道と呼びます。
大神神社の歴史
創建については不詳となっています。有史の時代に入ると出雲ノ神の一族が氏神様として信仰していたそうです。
崇神天皇時代に疫病が流行った時、大国主命(おおくにぬしのみこと)に祈願することで克服することができたとしています。
それは医薬品としての酒作りが大国主命からのご神託に拠るものだったからです。
そのため、御祭神を医薬としての酒造り、災いを遠ざける神様として信仰する様になりました。
名声は轟き、1664年、徳川4代将軍家綱が感謝の念から拝殿を再建しています。第125代天皇陛下も2度参拝しています。
大神神社は何の神様?御祭神
【御祭神】
大国主命(おおくにぬしのみこと)国造りの神様。
古事記では大国主命が国造りをしようとしている時、自分を山の上にお祀りする様にと神は大国主の幸魂奇魂(和魂 神様の霊魂が持つ2つの側面の一つ)が現れ、その三輪山にお祀りする様になったとのことです。
全ての産業発展、交通安全、病気平癒、五穀豊穣、縁結びなど人々の生活全般に関して司ります。
【配祀】
少彦名神(すくなひこなのかみ)は医薬や酒造を司る神様です。
大己貴神(おおなむちのかみ)大国主命の御后神様で、五穀豊穣や安産、子孫繁栄、夫婦円満の神様となります。
大神神社の何が恐ろしい?
自然発生的に生まれた宗教であり詳細不明なのです。
]三輪山自体が御神体となるのです。本来なら本殿に御神体がお祀りされているのが神社ですが、神奈備(かむなび)である以上、三輪山に入る時は神域に入るということを忘れてはならないということになります。
この点だけでも難しいのではないでしょうか。「あの山の中には決して入ってはいけない」とする昔話なども存在します。
それが神奈備(かむなび)だったのではないでしょうか。「山には神様が住んでいる」と言う言葉を聞いた事はないでしょうか。
御神体としての山の事だったのですね。神様の霊魂が住む三輪山そのものが御神体となるのですから山を掘り起こしたりすると恐ろしい事が起こるかも知れません。
三輪山の草も木も土も神様の和魂です。歩かせて頂いていると思って下さい。写真撮影も禁止だそうです。
御祭神の大国主命を怒らせない様に御参拝時のルールを確認して下さい。草を引いただけで困った事に遭遇した人もいるそうです。
大神神社は結界が張られていてたどり着けない人がいる?
御祭神の大国主命(おおくにぬしのみこと)は約束を破った倭迹迹日百襲姫命(やまととはやかんあさじはらまくわしひめ)の前から姿を消してしまいました。
その結果、妻の倭迹迹日百襲姫命(やまととはやかんあさじはらまくわしひめ)は悲しむ余り死んでしまいます。御祭神の大国主命(おおくにぬしのみこと)は約束を破るとお怒りになる神様です。
大国主命を愛する聡明な倭迹迹日百襲姫命の元にすぐに戻るつもりだったのかも知れません。大国主命(おおくにぬしのみこと)に嫌われてしまうと辿り着く事ができないかも知れません。
結界が張られるとは、今は来ない方が良いタイミング、磁気が狂う時など、色々な理由が考えられます。
タイミングが合わない時は時間を待って参拝しましょう。順調に参拝できる日があることでしょう。
大神神社の秘密
御祭神の大物主命はやがて第8代孝元天皇の皇女である倭迹迹日百襲姫命(やまととはやかんあさじはらまくわしひめ)と結婚することになります。
しかし倭迹迹日百襲姫命は夜のみ大物主命と一緒にいる事ができず、姿を見る事はなかったそうです。姿を見たいという倭迹迹日百襲姫命のために朝までいた大物主命の姿は蛇だったそうです。
決して驚かない様にとの約束でしたが、余りに驚いた倭迹迹日百襲姫命は蛇を見て悲鳴をあげてしまいます。美しい青年に変化して大物主命は三輪山に帰ってしまったのでした。
倭迹迹日百襲姫命は戻ってきて欲しいと半狂乱になり、その時に箸が突き刺さるという大怪我が元で亡くなってしまったそうです。
大物主命の姿はそれは美しい蛇だったそうです。聡明な女性として評判だった倭迹迹日百襲姫命と勇敢だった大物主命の美しい蛇の姿、その後のお二人の悲しくも美しい話。
世の中には悲恋や好き同士でも結ばれないカップルもいますが、そういう現代の人達にも伝わる何かがある様です。
約束を破らない事なども教訓として考えさせられます。蛇と美しい青年は一体化していたのです。蛇神信仰は古くから存在し、卵をお供えして人々は今も霊威に感謝、崇拝しているのです。
大神神社の不思議体験
大神神社に参拝した時に蛇に遭うと大物主命の美しい姿と一体なので、すぐにそういう男性が目の前に現れるかも知れません。
美しい男性が急に現れたらいつもは美しい蛇である大国主命の真の姿が時空を超えて、或は今も変わらず三輪山を散歩しているのかも知れません。
御祭神は三輪山に帰っていったのですから。
鳥居を撮影したら緑色の光が大きく写っていたという話があります。緑色の光は神様が起こす現象で蛇神の胴体の一部だそうです。驚くべき現象です。
大神神社の眷属
大物主命は蛇神とも言われます。蛇は龍神であり水の神様でもあります。醸造に繋がった事も水系が豊富だったという事でもあり三輪山には湧き水があるはずです。
神社の地下には地下水が流れている事が多く、大神神社は三輪山が深く関係しています。この事から龍神、蛇が眷属としてお遣いしている事になります。
大神神社の効果・ご利益
国造りの神様。国造りを目指して奔走された御祭神から授けられるご利益は人々の生活全般に関わるものです。すすんでご利益を頂きに参拝しましょう。
五穀豊穣
→水系を司る蛇(龍神)が御祭神です。五穀豊穣に適した水は三輪山から流れている事でしょう。
工業商業などの発展
→国造りに奔走された神様。国の発展を促してくれています。
厄除け、方除け(ほうよけ)
→運の良い方角へと導いてくれます。
縁結び
→大物主大神と活玉依姫(いくたまよりひめ)の恋愛が古事記に描かれています。縁結びのご利益もある様です。
航海安全
→水を司る龍神の力で海の安全、川の安全を司ります。
交通安全
→人々の移動の安全を見守ります。
病気平癒
→元々疾病で苦しむ人々を助けるために力を貸してくれた神様です。
製薬と酒造
→疾病治癒への製薬と消毒作用のある酒造方法を教えてくれた神様です。
おまじない
→人間を苦しめる精霊を鎮めるおまじないも教授してくれたと言います。
大神神社を観光するときのポイント・おすすめ
大神神社の行事は非常に多く、夫々のイベントに意味があり見逃さずに参拝したいと思う事でしょう。
年間行事・各月の祭典
→大神神社では年間行事が多く開催されています。特に大きなお祭りは4月の春の大祭で3日間に渡り開催されます。
毎月祭典が行われているので常に賑わっている神社という印象が強く、活発なエネルギーに満ちている境内です。
例えば5月では5日に新一年生などを中心に境内にある学問の神様、久延彦神社で就学安全祈願祭が行われます。12日には播種祭(はしゅさい)で初米作りの神事を執り行います。
蛇体と神と卵
→大物主大神は蛇神でもあります。蛇の好物は卵です。それがお供えものに卵が置かれる理由です。
黒い岩
→三輪山には磐座と言われる不思議な丸い岩が点在しています。精霊が宿り精霊を鎮めるとも言われています。
この黒い岩のある場所はパワーが強く空気が濃いと言うか景色がはっきりとしているそうです。
この場所には中々辿り着けないとも言われています。
福徳をもたらす霊威「蛇」巳の神杉
→主祭神の大物主大神は酒造りの神様でもあります。昔から酒屋には束ねた杉葉を店先に吊るすという習慣があったそうです。
大神神社の御神木である杉には霊威が籠っており、酒作りの神様の力により美味しい良質のお酒ができあがると言われています。
11月14日に行われる酒祭りの直前に大神神社から新しいしるしの杉玉が酒造業者に配られています。
春の大祭
→4月8日~10日に続いて行われます。
4月8日の春の大神祭宵宮祭がスタート
4月9日は春の大神祭と若宮神幸祭
4月10日は春の大神祭後宴祭と後宴能
大鳥居
→昭和59年の昭和天皇が参拝される時に建立された日本一の大きさを誇る鳥居です。高さは32メートル以上あるそうです。
三輪山が御神体となる大神神社なのでこれだけ大きな鳥居を建立して結界を張っているのかも知れません。
なでうさぎ
→大神神社は270年前から大鳥居の前に鉄の灯籠が灯される様になりました。そこには兎の置物も飾られていました。
卯の年に大神神社の大神祭が始まったからだそうです。また因幡の白兎の神話は大国主命が助けるお話です。時代が変わり灯籠は兎の置物になって神社に保管される様になりました。
参拝者が兎の置物を撫でる様になり、すると身体の悪い部分が良くなった人、願い事が叶ったとする人が増えていったそうです。人々の信仰が現実化していく様になったとも言われています。
三 ツ 鳥居
→拝殿の奥には神職に携わる神社関係者でさえも入る事が許されない神域となっています。拝殿との境には結界としての三ツ鳥居が存在するのです。
この三ツ鳥居と呼ばれる大鳥居は本殿のない大神神社の本殿入り口の役割も果たしているそうです。
大神神社の御朱印・御朱印帳
通常の御朱印は初穂料1枚300円
水墨画入りの御朱印も頂けます。初穂料は1枚500円
御朱印帳は大神神社オリジナルとなっています。
御神体である三輪山と三ツ杉、拝殿が薄い葉の色で描かれたとても清々しい御朱印帳となっています。初穂料は一冊2000円
大神神社のお守り
毎年干支を形どったお守りが授与されています。開運上運干支守です。色違いもあり初穂料は500円
お清めのお砂
→お清め全般に利用できる浄化の砂が詰まっています。携帯して持ち歩きもできます。気になった時は砂で浄化して過ごす事ができるのは安心です。
初穂料は1000円。大神神社のお清め砂は普通の砂ではありません。相当強いパワーを浄化作用に変換しているお清め専用の砂です。
カード型のお守り
→三輪山や拝殿、三ツ杉など大神神社を象徴するものが描かれてパワーが入ったカード型開運招福御守です。
自分だけのカードケースやお財布の中に入れて誰にも触れられない秘密のお守りになります。見る角度で描かれているご利益深い絵が変化してそれぞれのパワーが発せられる様になっています。
初穂料は1000円です。
卯のお守り「なで守」
→大神祭は崇神天皇の8年卯の日に始まりました。縁の深い卯に因んで「なで守」からも強力なパワーが発せられています。初穂料は1000円となっています。
可愛い置きものにもなる源氣(げんき)うさぎ守や土鈴
→初穂料は何れも一個1000円です。部屋に飾っておくと可愛いのとパワーが発散されるの相乗効果がありそうです。
その他お守りの種類も豊富です。
→オーソドックスな古くからのお守りも揃っています。ご自分の好きなお守りを選んでみて下さい。
大神神社のおみくじ
2022年初春現在は新型コロナウィルス対策として非接触型のおみくじとなっています。初穂料200円
大神神社のスピリチュアル・パワースポット効果
三輪山が御神体という事は神社と山の間の空間も神域に含まれます。相当広い範囲にエネルギーが作用している様です。結界を張っている大鳥居の中
大神神社に呼ばれた人のサイン
大国主命はとても美しく繊細な神様と言われています。三輪山を荒らす行為をしただけで困った目に遭った人も少なくない様です。礼儀正しく三輪山参拝ができない人は呼ばれないとも言われます。
大神神社で蛇を見た!
→御祭神は蛇の神様です。実は大物主大神は美しい蛇の姿をした神様でしたが、ある日奥様の倭迹迹日百襲姫命に姿を見せてしまいます。
驚き叫ぶ倭迹迹日百襲姫命に恥ずかしくなった大物主大命は三輪山に帰ってしまいました。蛇は御祭神の大物主大命かも知れません。
水をコントロールする龍神でもある蛇。
→土砂降りの雨の後、急に晴れて参拝できる様になった時は歓迎されています。
大神神社に行こうと誘われる。
→自らの意思ではなく気を許せる人からの誘いの時は神社に呼ばれているそうです。
広い三輪山の麓では特別なパワースポットに行けない人も
→気が場所によって強い様です。広い山の周辺では教えてくれる人が現れて辿り着く事もあるそうです。呼ばれている人は参拝中に声を掛けられる事も多いそうです。
大神神社と龍神
御祭神の大物主大命の正体は蛇です。龍神でもあります。御神体は三輪山ですが、山には湧き水もありこの様な水系を司っているのが龍神です。パワースポットには必ず地下水が流れているそうです。
大神神社の属性
地の属性になります。
大神神社の参拝・お参りの仕方
大神神社の御神体は三輪山です。三輪山に登る時、参拝する時は大神神社の掲示板やルール、貼り紙などを確認した方が良い様です。
三輪山自体が神様なのです。
そして御祭神の大国主命は三輪山に戻られてしまったと言われています。今も三輪山と一体化してそこに鎮座されているのでしょう。
マナーを守り、大国主命を怒らせない様に気を付ける様に、と言われています。
JR桜井線 三輪駅で下車し徒歩約5分
JR桜井線 桜井駅からバスに乗れば、大神神社二の鳥居前で下車すると目の前が大神神社となります。
近鉄大阪線で桜井駅まで行き、桜井駅からバスに乗ることもできます。
三輪山は神様が住む御神体です。
参拝への道は飲食禁止、撮影禁止とされている様です。三輪山は仰ぎ見ることで参拝となるので、見るだけでパワーを感じご利益を頂くことができます。
また大神神社の境内では月に2回お茶席で裏千家のお茶とお菓子を頂けるそうです。
時間は10時~16時までの間、お菓子代含め1人500円で参加できます。※1月・5月・12月以外の月だけ開催。参加御予定の方は、お茶席は開催日が決まっている様です。
必ずホームページで確認して下さい。
参拝後にお茶と季節のお菓子を頂いて帰るなど良い思い出になりますね。
まとめ
鳥居をくぐると本殿がなく三輪山に向かって参拝する自然崇拝が現代に引き継がれている大神神社。
原始の時代のパワーは変わらずに延々と引き継がれているのではないでしょうか。
現代式に変えていく事のない日本の神社の原点が大神神社にあるのです。
大国主命は約束を破った事を気にして三輪山に戻ってしまったと言われています。
三輪山には敬意を表し怒らせな様に向かわなければならないと強く言われています。三輪山に登る時は注意しなければならないそうです。
これが大神神社が畏れられている理由なのです。
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