大切な人が亡くなった時、日本では古来より「形見分け」などを行い故人の思い出の品を残された人達で分け、想いを受け継いできました。形見分けの歴史は古く、文献を遡れば平安時代の頃からこの風習は存在していたようです。
亡くなった人の持ち物を身に着けることに戸惑いを感じる方も多いかと思います。しかしスピリチュアルの側面から考えると、遺品には故人の想いやエネルギーが滞留しているため、故人を偲び大切に想う心を持って誠心誠意向き合えば、故人の残した想いとあなたの波動は共鳴し、必ずあなたを助け導くための道しるべとなるはずです。
この記事では亡くなった人の物の取り扱いについて、意味合いや効果などを交え詳しくお話していきます。
亡くなった人の物を使うのはスピリチュアル的にどういう意味を持つ?
亡くなった人の物を使用するという行為はスピリチュアルの側面から考えると、故人の想いや残されたエネルギー、波動を受け継いでいくということになります。
形見の品には故人の生前の思い出や、気が宿ると考えられています。亡くなった人の物を受け継ぎ使い続けることは故人を偲び、想いを引き継ぐことになるのです。
亡くなった人の物を使うスピリチュアルな効果
風水学では「もの」には気が宿ると考えられており、さらに古来日本では長く使用しているものには「付喪神」という神様が宿ると考えられてきました。この様に物体は「気」に作用し周囲の人々の波動にも影響を与える大きなパワーを保有しています。
亡くなった人の物、遺品を使用することでどの様な影響や効果が現れるのか、気になるところだと思います。
亡くなった人があなたにとって大切な存在であり、生前より想いを通わせることができていたのであれば、その方の遺品にはあなたを想うプラスの気が宿っているはずです。
手に取ってみて懐かしさや優しさなどのプラスのエネルギーを感じる場合は、肌身離さず持ち歩くことであなたの波動の強さを底上げする存在になります。
さらに亡くなった方の霊魂の欠片が遺品に宿り守護霊としての役割を果たしてくれる場合もあります。
亡くなった人からもらったものはどうどうするべき?
亡くなった人からもらったものはどの様に扱ったらよいのか。そのまま使い続けてもよいのか。迷われる方が多いのではないかと思います。
基本的には亡くなった人からもらった物もそのまま使い続けても良いと考えられています。
想いの通じ合っていた大切な人であったのならば、残された物にも気が宿り持ち主を温かく見守ってくれ、守護の力も付与してくださるかもしれません。
保有していてマイナスの気を感じることがなければそのまま大切に使い続けてください。
一方で、亡くなった人が悲運な最期を遂げられた場合には少し注意が必要になります。突然の事故や自ら命を絶ってしまった方の魂には未練や悲しみ、憎悪などの負のエネルギーが留まってしまう場合があるのです。
行き場を失った負のエネルギーは依り代を求めて現世を彷徨い続けます。生前に強い想いが込められていた物体はこの様な負のエネルギーも呼び込んでしまう可能性が十分にありますので、使用者にも悪い影響を及ぼすことになってしまいます。
遺品を起点として悪い出来事が起きたり、手に持っているだけで悲しみの感情が溢れてくるようであれば早めに処分した方がよいでしょう。
処分の方法も気になるようであればお寺などで除霊やお焚き上げをお願いするのが確実です。
亡くなった人の物をもらうのはいいの?
亡くなった人の物をもらう行為は基本的には問題ありません。故人の想いを引き継ぎ大切に使用していくのであれば善い行いと言えるでしょう。
親族が亡くなった場合には「形見分け」を行って身内の中で遺品を分けることになります。
この形見分けという行為には大変長い歴史があり、平安時代に記された書物にも故人の着物を親族で分けたと記述が残っています。
この様に日本では古来より、形見分けは残された人達で故人を偲ぶ行為であると考えられ、ひとつの区切りを設けるためにも重要な行いであると言われてきました。
形見分けをして故人の所有していた物をもらうのは良いことであると述べましたが、いくつか注意点もあります。
一つ目は、使う予定もない物を無暗にもらわないことです。形見分けの品は生前に故人が本当に大切にしていた品々です。
もらうだけもらって雑な扱いをしてしまっては故人に失礼ですし、非常に罰当たりな行為になります。本当に大切に扱えるものだけをいただいて、故人の想いを受け取ったと考え大切に扱う様に心がけましょう。
二つ目は自分の波動に合わない品は受け取るべきではないということです。故人の思い出の品には生前の様々な想いや感情が詰まっています。
中には受け取った人にとってマイナスの気を帯びている物もあるので、形見の品を手に取った時に直感的に負の感情を感じた物があれば、それはあなたの波動に反発するマイナスの気を帯びている品の可能性があるので受け取るのは控えた方がよいかもしれません。
自身の波動に合わない品を身近に置いておくと、波動や運気の低下を招いてしまいます。
亡くなった人のものが捨てられないときの意味
形見分けや遺品整理などが終わって残された人がそれぞれ大切なものを受け取ったあと、残った遺品は廃棄やお焚き上げなどの処置をすることになると思います。
しかし中にはどうしても捨てられない物や、特別な品ではないはずなのに心惹かれる物が存在します。
遺品に宿った気とあなた自身の波動が共鳴し引かれ合った時にこの様な現象が起きると言われています。
故人の想いや霊魂の欠片が物体に宿り、あなたに呼び掛けている可能性もあります。
遺品をどうしても捨てられないときは、そのものに故人の面影を見ている状態なので無理に廃棄してしまわず、その物に対して心が穏やかになるまでは一時保留をかけた方が良いとされています。
遺品を捨てると運気は「上がる」
風水学では遺品は生きている物ではなくなります。生命力が感じられない、つまり「陰の気」を宿した物と認識されるのです。
基本的には陰の気を帯びている物体を身近に配置することは風水ではタブーとされていますので、遺品をお焚き上げなどの正しい手順で処分することは運気の上昇が見込まれます。
しかし、スピリチュアルの側面から考えると、故人の優しい想いが詰まった形見にはプラスのエネルギーが滞留しており、受け継いだ人を守護する効果を発揮すると考えられていますので、遺品は処分した方が運気は上がるとは一概には言えません。
故人との思い出を大切に考え、あなた自身や残された家族の直感を信じた方が良い結果となるはずです。
遺品を捨てるのと売ることによる違い
遺品整理ではどうしても不要となる物がでてくると思います。
片付ける方法としては基本的に廃棄か売りに出すの2択になると思いますが、この2つの方法は大きく異なる意味合いを持っています。
まず廃棄に関してですが、こちらはお焚き上げなどの然るべき手順を取ることで故人の想いもしっかりと供養することができ、風水的にもスピリチュアルの観点から見ても正しく廃棄したことになり、自分への影響下から外れることになります。
一方で売りに出すという行為は廃棄にはなりませんので、自身の手元から離れることにはなりますが、少なからず影響をもたらす程度の繋がりは保たれたままになります。
手放した品がどこかで誰かの役に立ち、感謝される様な場合は売りに出した当人にも良い影響を与えてくれるかもしれません。
しかし反対に売られた先で憎悪にまみれるようなことになってしまうと、悪い影響も跳ね返って来てしまうのです。
遺品となった品々との関係をスッキリさせてしまいたいと考える方は売りには出さずに
廃棄することをお勧めします。
親の遺品で残したほうがいいもの
故人が生前常に身に着けていた物、「指輪」などのアクセサリーや仕事などで使っていた愛用の品、「万年筆」などは故人の想いが特別に詰まった品物である場合が多いので、大切に残しておくべき物として挙げられます。
しかしあなたが手に取った時に直感的に負の感情を抱いてしまうのであれば、それは陰の気を宿している合図ですので然るべき手順で処分を行ってください。
その他にも、手帳や日記などの故人の生活や人となりがわかるものは霊魂や想いが依り代とするものなので形見として残しておくことをお勧めします。
しかし、これらの品物はより生活に密接し、故人の感情がダイレクトに映し出されていた物なので負のエネルギーにも反応しやすいと考えられています。
少しでも違和感を感じたのであれば無理に手元に置いておく必要はありませんので、自分や残された家族の感覚を優先させてください。
【ジャンル別】遺品が持つ意味をスピリチュアル的に解説
遺品、形見などと一言でいっても故人が大切にしていた物、思い入れがある物は千差万別です。
ここでは遺品が持っている意味をスピリチュアルの側面からジャンルごとに分けて紹介していきます。遺品の中でどうしても捨てられない物や気になる物がある人は参考にしてみてください。
亡くなった人の衣類は「自身の波動を左右するもの」
衣服は基本的に運気を左右するものであると言われています。風水学では身に着ける衣服の色などで開運を目指すこともあります。
ですから亡くなった人の衣服は残された人達の運気や波動に影響を与えるものとなります。
故人が大切にしていた衣類などは遺品整理などで判断に困る物だと思いますが、自身で手に取ってみてプラスのパワーや故人の温かい感情などが伝わってくるものは形見分けとし、反対にマイナスの気や深い悲しみに包まれるようであれば処分した方がよいでしょう。
場合によっては非常に大きなマイナスの気を帯びている衣類というものもありますので、よほど気になるようであればお焚き上げなどの方法で対処するべきです。
亡くなった人の靴は「故人のエネルギーを感じるもの」
風水学上、靴は大地を踏みしめ、大地からのエネルギーを吸収し体内に取り込むための重要なアイテムであると考えられています。
ですから亡くなった人の靴には故人のエネルギーが滞留しており、残された人達がパワーを感じ取りやすいものとなります。
靴の場合は大地のエネルギーと持ち主のエネルギーが混在していますので、衣類ほど周囲の波動などに影響を及ぼすことはないと考えられています。
亡くなった人の指輪は「想いの依り代」
指輪などの故人が常に身に着けていたアクセサリー類は、常時身体に接触していたため当人の波動やエネルギーの影響を受けやすく、持ち主から離れた後もエネルギーが滞留していると考えられています。
滞留しているエネルギーの波動に引き寄せられるように現世に断片的に残った故人の想いや霊魂は集まってきます。
故人と生前から想いを伝え合い、互いが大切な人であると認識していた場合は、想いの依り代となった品には強大なプラスのエネルギーが集まり、守護の力を発揮するものとなります。
故人が大切にし、常に身に着けていた物があればそれは故人の想いが宿った品だと思い大切に扱ってください。
しかし、故人が生前に強い負の感情を抱いており、悲運の最期を遂げてしまった場合は想いの依り代となるアクセサリー類には大きな負のエネルギーが集まってしまう恐れがあります。
遺品を身に着けてから違和感を感じることがあれば、無理に所有しておく必要はありませんので、気になる方は処分を検討してください。
また、アクセサリー類であれば研磨に出したり、リメイクを施すことによって滞留しているエネルギーをリセットすることもできるので、廃棄はしたくないとお考えの方は試してみてください。
遺品供養・お焚き上げの必要性
形見分けなどで誰の手にも渡らなかった品々は処分することになりますが、この処分方法にも実は正しい手順があり、故人の想いが詰まった物は遺品供養を行ってお焚き上げなどの方法で処理するべきです。
風水学では遺品は陰の気を宿すものと考えられていますので、無理して身近に置いておくと波動の低下を招いてしまいますし、適当な方法で廃棄してしまうと故人の想いを踏みにじる行為となりますので、運気が大幅に低下してしまいます。
遺品供養はもちろん、故人を偲ぶ気持ちということもありますが、残された人々の心にも区切りをつける意味合いも大きく含まれていますので、可能な限り正しい手順で遺品の整理を行ってください。
関連記事「みんなのお焚き上げ|ご先祖様の遺品整理。スピリチュアルや風水からみた遺品の扱い方~捨てるべきモノ、残すべきモノ~」
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では亡くなった人の物を使うことについてスピリチュアルの観点からお話してきました。
遺品や形見と言われる物ですが、大切な人の死は必ず誰にでも訪れることですので、遺品の取り扱い方というものは身近な話になるのではないでしょうか。
故人が生前大切にしていた品々には、残された人を想う故人の優しさが詰まったエネルギーに満ちた物となります。
形見分けの品として受け取るのであれば、故人の想いも受け継ぎ大切に扱ってください。また処分するのであれば、正しい手順を踏んで故人を偲ぶ気持ちを忘れないよう注意してください。
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