愛する犬の死は飼い主にとってとても辛いものです。どんなに頑張っても普通に考えたら先に逝ってしまうとは分かっていてもショックですよね。
犬に限らず、動物が死んだあとは多くの場合で死後硬直が始まります。
この死後硬直をした後に、まるで生き返ったかのように死んだ愛犬が動くことがありびっくりする飼い主もいるんだとか…。
果たして、本当に死後硬直後に生き返ることはあるのでしょうか?
今回は、犬が死後硬直後生き返ることはあるのか?また、犬が死んだらやるべきこと、ペットロスの乗り越え方などまで深掘りしていきたいと思います。
ぜひ参考にしてくださいね!
犬が死後硬直後生き返ることはある?動いた?
犬が死ぬと、2〜3時間ほどで死後硬直が始まります。これは筋肉が固まってくことで起こる現象ですが、死後半日から1日が最も硬直が強くなるようです。
この硬直は初めて見るひとには、少々「怖い…」と感じることも…。
普通に動いていた首や脚が一切動かなくなり固まるのですから、そう感じるのも無理はありません。
ただ、硬直はずっとしているわけではありません。硬直が一通り進みピークを迎えると、だんだんと硬直がまた溶け始めていきます。
体液が流れ出てくるのは一般的には硬直が溶け始めてからです。
また、筋肉が緩むことで硬直時とは脚や顔の位置が変わることがあります。
少し曲がったり顔が下がったり、これは筋肉が緩んだことによる自然な現象ですが、この筋肉の緩みによって動いたことで「生き返った!」と思ってしまうのでしょう。
飼い主にとっては、死んだはずの愛犬が生き返ったのかも?と感じることはこの上ない喜びです。
しかし、死後硬直後に生き返ることは生物学的にはあり得ません。
動いた!と思っても、愛犬が死んでいく過程で自然な経過を辿っている証拠ですので、愛犬が安心して虹の橋に行けるように見守ってあげましょう。
犬が死んだらなにをする?死後硬直前にした方がいいことも解説!
愛犬が死んだら誰でも悲しみに暮れてぽっかりと穴が空いたような気持ちになってしまうのではないでしょうか?
悲しい気持ちは分かりますが、火葬までの間になるべく愛犬の姿が崩れないようにしっかりとケアをしてあげる必要があります。
ここでは犬が死んだら何をするべきなのか?また死後硬直前にした方が良いことを解説します。
①体を綺麗に拭く
犬が死んだら、まず体を綺麗に拭いてあげましょう。顔まわりは特に汚れやすいです。
また、死亡時には便が漏れてしまうこともあります。死後も清潔に遺体を保てるようにペーパーなどで拭き取り綺麗にしてあげましょう。
お風呂嫌いでなかなかお風呂にゆっくり入れられてあげれなかったのであれば、全身を暖かいタオルで拭いてあげ最後のケアをしてあげてください。
ブラシで毛並みを整えてあげるのもよいでしょう。
②鼻や肛門に脱脂綿を詰める
犬が死んだら、鼻や肛門に脱脂綿を詰めてあげるようにしましょう。
死んだ後は筋肉の緩みによって体液が流れ出ることがあります。体液は鼻や肛門の穴から漏れ出てきます。
体外に漏れ出てこないように奥深く脱脂綿を詰めてあげるときれいな状態で保つことができますよ。
動物病院で亡くなった場合には、既に脱脂綿を詰めてくれている場合もあります。
素人が詰めると詰め方が甘く体液が漏れ出ることがあるので、もし動物病院の方にお願いできるのであればお願いしてみても良いかもしれません。
③脚や顔などの位置を整えてあげる
犬が死んだ後は、2〜3時間後に死後硬直が始まります。
死後硬直が始まってしまうと関節が曲がらなくなりますので、硬直が始まる前に顔や足の位置を定めてあげるようにしましょう。
またよくあるのが脚がぴんと伸びたまま硬直してしまい棺などに入らなくなってしまうケース。
このようなトラブルを避けるためにも硬直が始まる前に足を折り曲げてあげるとスムーズに棺に入れることができますよ!
④目や口を閉じてあげる
犬が死んだ後は目や口が開いたままになっていることがよくあります。
もちろんそのままでも問題はありませんが、安らかな顔にしてあげるために硬直が始まる前に目や口を閉じてあげるようにしましょう。
口は閉じても徐々に開いてきてしまうこともあるため、口の付け根を紐で縛ってあげると開かなくなります。
できるだけいつものかわいいお顔で火葬まで過ごせるようにケアをしてあげましょう。
⑤ドライアイスで冷やす
犬が死んだ後はドライアイスで体を冷やす必要があります。生き物は死んでしまうと、死亡した瞬間から少しずつ腐敗が始まっていきます。
その腐敗によって、体内にはガスが溜まり原型が変わってきたり、キツイ匂いがしてきたりします。
主に冷やすのは内臓の部分と頭です。特にお腹周りは内臓が多く集まっていますのでしっかりと冷やしてあげるようにしましょう。
保冷剤などでも対応はできますが、体の大きい犬であれば保冷剤では冷やしきれずに腐敗を遅らすことが難しく、2日ほど経つとだんだんと匂いが出てきてしまうことも。
保冷剤よりもドライアイスを利用することが望ましいです。
専門の業者に依頼をすると、すぐにドライアイスを手配してくれる場合もあるようなので調べてみてください。
ドライアイアイスを使用する場合は十分に取り扱いに注意してくださいね。
③お花などを供えてあげる
犬が死んだ後はお店がやっている時間であればお花を購入し犬の周りを可愛く飾ってあげてはいかがでしょうか?
特にお花を供えることは特別しなくてはいけないことではありませんが、これまで頑張って生き抜いてくれた意見に敬意を示したり供養の意味でもお花を供えてあげるとよいでしょう。
お花の種類は特にこれでなければいけないことはありません。愛犬のイメージで供えるお花を選ぶとよいのでは?
また、ドッグフードやおやつを頭のほうに置いてあげるのもよいですね。
④葬儀屋に電話する
犬が死んだ後は犬を火葬する葬儀屋を手配する必要があります。
犬の火葬は、主にいずれかの方法で行うことができます。
- 死の火葬場
- 民間のペット霊園
ただし、市の火葬場で頼む場合と民間のペット霊園に頼む場合では少々内容が異なります。
市の火葬はあくまでも火葬と拾骨のみのケースが多く、特別メモリアルグッズなどを作ることができません。その分費用はとても安く済む場合が多いです。
一方で民間のペット霊園であれば骨壷カバーや骨壷自体のデザイン、また犬の手形をとってくれたり様々なメモリアルグッズを購入することができます。
もちろんその分費用はかかってきますが、長年共に生活をしてきた愛犬の思い出を最大限に残すにはおすすめですよ。
⑤会わせたいひとに連絡する
犬が死んだ後は犬のことを可愛がってくれた人がいたり仲良くしていた犬がいる場合には連絡をとって顔を見に来てもらうと愛犬も喜ぶかもしれません。
犬が死んでから火葬までは最低でも1日は空いていることが多いです。
愛犬も最後に大好きだった人たちに会えたら嬉しいのではないでしょうか?
犬の死後硬直は必ず起こる?
犬の死後硬直は必ず起こるのでしょうか?答えはNOです。
なかには、犬が死んだ後何時間経っても硬直せずに柔らかいままのこともあるのです。
死後硬直するものだと思っていると、「本当に愛犬は死んでいるのだろうか?」と不思議に感じてくるかもしれませんね。
とはいえ、多くの場合には死後硬直はすると思って良いでしょう。
犬の仮死状態に注意!
犬の仮死状態ってご存知ですか?
犬の仮死状態とは、呼吸や脈拍が限りなく少ない状況ではあるが対処次第では蘇生が可能な状態のことです。
死亡とは、完全に呼吸や脈拍が停止してしまった状態ですから仮死状態とは全く状況が違うことがわかりますね。
死後硬直をしない場合もあることから、死んでいるのか仮死状態なのか見た目だけでは見分けがつかないことがあるので、念のため愛犬が動かなくなったら動物病院で診てもらうのをおすすめします。
犬が死んだら…ペットロスを乗り越えるには?
長い間共に暮らしていた愛犬が死んだら誰だって辛いですよね。
なかには重度のペットロスになり日常生活がままならなくなる人もいます。
ここではペットロスを乗り越えるためにおすすめの対処法を紹介します。
①思い切り泣く
愛犬をなくしたらとにかく泣きたいときには思いっきり泣くようにしましょう。
感情を我慢しているのは良くありません。
泣きたいときには泣き、笑いたいときに笑う、自分の感情に素直になることで気持ちが整理されていき、だんだんと愛犬との楽しかった思い出を思い出せるようになってきます。
②気持ちを共有できるひとに話す
愛犬が死んでしまったら家族や友人など気持ちを共有できる人に悲しい気持ちや辛い気持ちを話してみるようにしましょう。
人と話すだけでも気持ちがすっきりすることもあります。
自分ひとりで抱え込んでいるとどんどん深い悲しみに落ちていき、ますます立ち直れなくなる…なんてことも珍しくありません。
しかし、話す相手は慎重に選ぶべき。
なかにはペットロスに理解がない人もいるので、相談する相手、話す相手は慎重に見極めるようにしましょう。
③愛犬のグッズを作る
愛犬を亡くし辛いのであれば、愛犬のグッズを作ってみましょう。
写真入りペンダントの作成や愛犬のイラストを描いてくれたり、愛犬にそっくりなぬいぐるみをオーダーできたり…ネットではさまざまなグッズを購入することができます。
ペットメモリアルに力を入れているお店などもありますので、ぜひ作成してみてはいかがでしょうか?
肌身離さず持つことで愛犬といつも一緒にいられる気持ちになり癒されるかもしれません。
④祭壇を飾りお世話する
愛犬が亡くなり火葬が終わった後は、骨壷を自宅に持ち帰っている人がほとんどだと思います。
自宅のいつも見える場所に愛犬の祭壇を作り、そこで愛犬のお世話をしてみてはいかがでしょうか?
例えば、
- 毎日ドッグフードを置いてあげる
- お水を入れてあげる
- 花を生ける
- 骨壷に向かって話しかける
など、できるだけこれまでと変わらない日常を過ごせるように、愛犬との時間を作るようにしてみてはいかがですか?
姿は見えなくてもきっと寄り添ってくれるはずですよ!
⑤新しい犬を迎える
愛犬をなくしてペットロスがひどいのであれば新しい犬を迎えることもひとつの手です。
中には、「愛犬が死んだばかりで新しい犬を迎えるなんてありえない…」なんて思う人もいるでしょう。
しかし、新しい犬によって悲しみが癒されペットロスから抜け出す人は実際にいます。
「新しい犬を飼うなんて、前の子に申し訳ない」と思ってはいませんか?
愛犬は、あなたの幸せを願っています。
新しい犬を迎えたからといって亡くなった愛犬を忘れることにはなりません。
新しい犬のお世話をしているうちにだんだんと悲しみが薄れていき、笑顔になれる日が増えていくはず。
亡くなった愛犬との思い出も笑顔で思い出せるようになるのでは?
飼い主が幸せになることを亡くなった愛犬も願っているでしょう。
⑥時間に身を任せる
愛犬をなくしてペットロスに陥っているのであれば、とにかく時間に身を任せることも必要です。
大切な愛犬をなくしたのですから悲しくて辛い気持ちになるのは当然のことです。
私も愛犬を亡くしてから1年ぐらいは涙することが多く、とても辛い日々を過ごしていました。
しかし1年を過ぎた頃からだんだんと泣く回数が減り、愛犬を笑顔で思い出せるようになってきたのです。
もちろん何年たっても思い出して泣く事はありますが、最初の頃の苦しい悲しみは時間が解決してくれます。
焦らずに自分のペースで心が回復するのを待ってみてはいかがでしょうか?
少しずつであっても、段々と前に進んでいることを実感できる時がくるはずです。
まとめ
今回は、犬死後硬直後生き返る事はあるのか?そして死後硬直前にしてあげられる事や犬が死んだ後にするべきこと、またペットロスの乗り越え方について解説しました。
犬の死後硬直後は一時的に筋肉の緩みにより足や顔の位置が動くことがあります。
この愛犬の様子から「生き返った!」と飼い主であれば思ってしまうのも無理はありません。
しかし、現実的には死後硬直後に生き返る事はあり得ません。
そのため死後硬直後に愛犬が動いたとしてもそれは体内で起こる自然な変化によって起きていることだと理解するようにしましょう。
一喜一憂してさらに悲しみが深くならないよう、覚えておきましょうね!
ぜひ参考にしてください。
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