犬悪いことしたらケージは絶対にNGな理由
犬が悪いことをしたときには、多くの飼い主さんがしかると思いますが、「悪いことをしたときには罰としてケージに入れている…」なんてことをしているら飼い主さんもいるのではないでしょうか?
気持ちはわかりますが、罰としてケージに入れることは、絶対にNGです。
そこで今回は、犬が悪いことをしたときにケージに入れてはいけない理由と、罰を与えるときの正しい対処法を紹介します。
犬との生活の中で間違ったことをし続けていると、犬との生活に支障が出始めることもあるので、注意してください!
犬が悪いことをしてもケージに入れてはいけない理由
犬が悪いことをしたとき、罰としてケージにいれてしまうという飼い主さんもいると思います。
しかし、その行動は〝しかる〟という意味では良くありません。
まず、犬にとってケージとは何のためにあるものなのかを整理し理解する必要があります。
ケージは主に以下の6つの理由から必要と考えられています。
- 犬が安心して眠れる寝床として必要
- 生活リズムを整えるため
- 身を隠せる場所として必要
- 飼い主さんとの主従関係を築くため
- 留守番時の誤飲や事故防止
- 災害の時にケージ(クレート)で落ち着いていられるようにするため
上記の6つの理由により、犬との生活にはケージやクレートは必須アイテムですが、あくまでも犬自身がケージやクレートに良い場所という認識を持ってもらわなければ、自ら入ることも難しくなります。
犬が悪いことをしたときに、罰としてケージを利用してしまうと、ケージが嫌な場所となってしまい入ること自体嫌がるようになる恐れがあるのです。
入ることさえできなくなってしまったら、犬が安心して過ごせる場所がなくなってしまいます。
また、困るのは犬だけではありません。ケージをお仕置き場所にしていて、結果入れなくなってしまうと、
- 一緒におでかけするときに不便
- 来客時に大人しくできない
など、飼い主にとってもデメリットがあります。
ケージはしかるためのお仕置き部屋としてあるのではありません。
犬の安全や安らぎを確保するためにあるものですので、しかるときにはケージには閉じ込めないようにしましょう。
犬が悪いことをしたらケージに入れていいシチュエーションはある?
犬が悪いことをした時には、ケージに閉じ込めることは絶対にNGと説明しましたが、時と場合により一時的にケージを利用したほうがよいケースもあります。
ただし、適切な使い方をすることが大前提。
ここでは、悪いことをしたらケージに入れていいシチュエーションを解説します。
①多頭飼いで喧嘩に発展しそうなとき
たとえば、あなたのお家に犬が複数いた場合には犬同士で遊んでいるうちに大喧嘩に発展してしまうこともあるかもしれません。
犬同士普段はとても仲良くしていても、遊びがヒートアップして火がついてしまうことも…。
このタイミングで飼い主であるあなたの一声で制御できるのであればそれに越した事はありませんが、興奮状態にある犬を制御するのはそう簡単なことではありません。
犬たちにとってあなたが絶対的なリーダーになっているなら言うことを聞くでしょう。
しかし、そうでないのであれば喧嘩をしている2頭をすぐさま引き離すようにし、できればお互いをケージに戻します。
だんだんと興奮が冷め、冷静さを取り戻してきたら片方ずつ静かにケージから出してください。
犬同士の本気の喧嘩は、どちらか一方が怪我をしてしまう危険性や、体格差がある場合には最悪の場合噛まれた場所が致命傷になり死に至るケースもあります。
そのため、犬の命に危険を生じそうになったときには、迷わずにケージを利用して2人を引き離すようにしましょう。
②子供に危害を加えそうな時
犬と子供を一緒に飼育している家庭は増えてきますよね。
しかし、犬と子供が一緒に生活するときには適切な飼い方ができていないと犬にとっては多大なストレスになっていることがあります。
子供は力の加減がわからず耳を引っ張ったりしっぽを引っ張ったり、また近くで大きな声を急にあげたり急に触ったり…犬にとってはびっくりする行動ばかり起こすことが多いです。
このようなときには、犬に明確な攻撃性はなくてもとっさの反応でかみついてしまうことも絶対にないとは言い切れません。
どんなに小さな犬でも、かみついてしまえば、かみつかれた場所によっては子供にとっては致命的になりかねません。
近年、子供が犬にかまれて命を落とす悲しいニュースをたびたび見かけることがありますが、子供と犬を近づけるときには細心の注意を払う必要があるでしょう。
万が一、子供に危害を与えそうになったときには、犬をケージに戻しお互いの安全を確保してください。
このような状況が頻繁に起こるのであれば、一方的に犬を怒るのではなくまずは飼育環境を見直すことも大切でしょう。
子供が犬との関わり方がわかるまでは、見ていない時は安易に近づけないなどの対策が必要です。
③主従関係を示すとき
飼い主さんとの主従関係が崩れ犬が優位に立とうとしている場合には、ケージを利用して人間の優位性を示す場合もあります。
犬は飼い主さんの許可がなければケージからは出られない…という状況を敢えて作り出すことで人間よりもあなたは下の立場にいるのだと言うことをわからせることができます。
ただし、長時間ケージに閉じ込めてしまうのは良くありません。
どんな場合でもケージを利用するときには、ずっと閉じ込めっぱなしにならないように注意をしてください。
④来客に飛びついたりしてしまうとき
自宅にお客さんが来たときに喜びのあまり犬が飛びつく光景はよく目にしますが、あれは本来であればやってはいけない行動です。
すべての人が犬が好きと言うわけではないので、人によっては犬に飛びつかれると言うのはとても恐怖を感じるもの。
いくらダメと言っても治らないときには、物理的に来客の安全を守るためにケージに入れるのは基本的には問題はありません。
ただ、ケージに入っていられるのであればの話ですが、もともとケージに入っていられるようにトレーニングをしていない場合には、楽しかった状況のなか「自分だけケージに入れられた」と言う不満から吠えたてたり脱走しようと試みたりする場合も。
どんな時でもケージにおとなしく入っていられるように日ごろからのトレーニングはとても大切なことがわかりますよね。
犬が悪いことをしたらどう対処すればいい?正しい対処法を伝授!
犬が悪いことをしたらゲージに入れてしまうことは絶対にNGな行動ですが、では犬が悪いことをしたらどう叱るのがいいの?なんて疑問に思いますよね?
正しい叱り方ができるようになると犬との信頼関係も築きやすくなり、犬と生活をするのがとても楽になりますよ。
ここでは犬が悪いことをしたときにできる、ケージを使わない正しい対処法を伝授します。
①一貫性を持ちきぜんとした態度で叱る
犬が悪いことをしたら大前提にきぜんとした態度で叱ることが大事です。
しかる言葉やしかる態度がその日その日でコロコロと変わっていませんか?
例えば、昨日はしかるときにはダメと言ったのに今日はコラという言葉を使うなど、一貫性のない叱り方は良くありません。
犬にとっては何がダメで何がいいのかがさっぱりわからないので、まずは怒る態度に一貫性を持つようにしましょう。
まず飼い主の態度にメリハリをつけることが、犬が悪いことをしたときにしっかりと叱れる飼い主になるためのカギです!
また、あなたに家族がいるのであれば叱るときの態度や言動は全員が同じように統一する必要があります。
家族間で叱るときの態度が異なってしまうと、犬はどっちが正しいのか、何が正しいのかがわからず、混乱してしまうので注意が必要です。
②音を出して叱る
犬が悪いことをしたら大きい音を出して叱る方法もあります。
ただしこの方法はタイミングとやり方がとても大事。
タイミングや方法を間違えてしまうと、逆に恐怖を与えてしまうほか、全く意味のないしつけ方法になってしまう恐れがあります。
具体的な方法としては以下の通りです。
- 犬が悪いことをする
- 犬が悪いことをしたその瞬間に大きな音を立てる
大きな音を鳴らすときには、素手で壁を叩いてもいいしペットボトルで床を叩いても構いません。
(犬の体に当たる事は絶対にしないでください)
ただし、この方法には2つの注意ポイントがあります。
1つ目は、犬が悪いことをした瞬間に音を立てなきゃいけないこと。
2つ目は、あなたが大きな音を出したと言うことを犬にバレてはいけない。
この上記の2つのポイントをしっかり覚えるようにしましょう。
まず1つ目の注意点ですが、犬は基本的に過去のことを叱られたり褒められたりしてもさっぱり理解ができません。
そのため、叱りたい行動をしたタイミングと怒るタイミングがずれてしまうことを防がなければなりません。
具体的には、
- 吠えたら大きな嫌な音がした
- 唸ったら大きな音がしてびっくりした
というように、嫌な音は自分の行動によって引き起こされたと認識させる必要があります。
そうでないとその後に起きた出来事はなぜ起きたのかが理解ができないません。
2つ目は、あなたが大きな音を立てたと言うことを犬にバレてはいけないということ。
例えば、犬がワンと吠えたときに、あなたがペットボトルで床をバンッとやったとします。
愛犬が見てる前であなたが大きな音を立ててしまうと、あなた=怖い存在と言う認識になってしまい、あなたに対して萎縮するようになってしまいます。
そのため、必ず愛犬が見てないところで音を立てるようにしましょう。
③叱るときの言葉を覚えさせる
犬が悪いことをしたときには叱るときの言葉を決めておくことが大切です。
犬は人間の言葉を本当の意味で理解することができません。
そのため行動と言葉を結びつけ、その行動が悪いことなのか良いことなのかを覚えさせる必要があるのです。
その時に有効なのが褒める時と叱る時の言葉を決めることです。
その言葉の意味自体は理解はできなくても、その言葉はダメな時に出てくるんだと学習していきます。
繰り返し教えていくと、犬は「いけない」と言っただけで、その行動がだめなことだと理解し飼い主の言うことを聞くようになりますよ。
④悪戯をできない環境を整える
悪戯をしてしまうことが多いのであれば、悪戯をそもそもできない環境を整えましょう。
まず、犬は猫のように高いところに飛び乗ることはしません。
犬の届く場所に、舐められて困るものや壊されて困るものは置かないようにしましょう。
また、コードなどをかじってしまう…ということであれば、コードを隠せるようなものも販売されていますので活用しましょう。
まず、叱らなければいけない状況が、人間側の努力でどうにかなるものであれば見直す必要があります。
どうしても対処に困るならプロの力を借りるのもおすすめ!
どんなことを試しても、悪いことをする…。このように、自分だけではどうにもならないこともあります。
そんな時には、プロのトレーナーさんの力を借りることをおすすめします。
プロのトレーナーさんは、問題行動の改善に加え、正しい叱り方も教えてくれます。
犬種や年齢によっても、適切な叱り方は異なりますので、プロに間に入ってもらうのはとても有効ですよ。
犬のトレーニングには、通うタイプ、預けるタイプ、出張してくれるタイプのものがあります。
どれもメリットデメリットはありますが、家での問題行動と対処法を教えてほしいのであれば、断然出張型をおすすめします。
日頃の愛犬の様子から適切な叱り方と、ケージの使い方について一緒に考えてくれますのでおすすめですよ。
まとめ
今回は、犬が悪いことをしたときにケージに入れてはいけない理由と、正しい対処法を解説しました。
犬は、学習能力の高い動物です。
そのため、日頃の積み重ねによって良いことも悪いことも吸収していきます。
ケージに対して、1度でも嫌なイメージを持ってしまうと、トレーニングをし直すのは簡単ではありません。
そのため、罰としてケージを利用するのはやめましょう。
適切な叱り方や対処法を学び、愛犬との生活をより良いものにしてください。
ぜひ参考にしてくださいね!
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