不動明王という名前に聞き覚えのある方はたくさんいると思います。しかし、それってどんな仏様? と訊かれて、しっかりと説明できる人は少ないのではないでしょうか。
すごい仏様といったイメージがありますが、世の中には、そんな不動明王につかれている人が存在するそうです。
今回は、そんな不動明王がついているとはどういうことか? 一般の人にはついてくれるのか? そうした疑問にお答えいたします。
不動明王とは
不動明王
神仏に興味のない方でも、一度は耳にしたことのある神様ではないでしょうか?
不動明王は仏像や仏画などにおいて、怒りの形相で描かれることの多い仏様です。
眉を吊り上げ、固く口を結んで、鋭い眼光で睨みつけてくる姿は、とても恐ろしい印象を覚えます。しかし、決して、私たちを罰しようとしているわけではありません。
怒りの形相はどんな悪人でも仏道に導くという心の決意をあらわしているもので、救い出そうとしてくれているのです。不動明王は穏やかな表情を浮かべる大日如来の化身ともいわれていて、とても慈悲深い仏様なのです。
不動明王は怒りの形相を浮かべ、炎を背負っている姿が印象的です。右手には剣を、左手には羂索(けんさく)と呼ばれる縄を持っています。
特に日本では、別称として「お不動さん」や「不動尊」などと呼ばれて親しまれている仏様です。
炎・剣・羂索に込められた意味
背中の炎は「迦楼羅焔(かるらえん)」と呼ばれます。この炎は煩悩や執着、因縁などの苦しみを焼き尽くしてくれるとされています。
剣は大日如来の智慧(ちえ)の鋭さをあらわし、煩悩などを断ち切る役目を果たします。邪悪なものを退ける力もあり、悪霊退散などのご利益を賜ることもできます。
羂索は煩悩を縛り、悪の心を改心させる捕縛用の縄のことです。
もっと詳しく知りたい方は
詳しくは、下記のリンクに書いてありますので、不動明王についてもっと詳しく知りたい方はご参照ください。
不動明王がついているとは?
不動明王がついているとは?
不動明王がつくと、どのような役割を果たしてくれるのでしょうか?
不動明王は、その人を守護し、導いてくれる存在です。ちょうど、守護霊や指導霊などといった霊が、イメージしやすいと思います。不動明王がつくと、その霊の仏様バージョンというわけです。
その剣で正しき道を進むうえでの壁となるものを打ち砕き、悪しき道へと誘う煩悩などを断ち切ってくれます。そうして、背中で燃える炎で焼き尽くして、正しい道へと導いてくれるのです。
不動明王は守護神?
不動明王は、守護神と言っても差し支えないでしょう。
元はインド神話に登場するシヴァ神の別名ともされており、神様であるとも考えられます。そのような不動明王に守護される方は、神様に守護されていると言っても過言ではありません。
不動明王がつくことはあるの?
不動明王がつくことはあるの?
結論から言いますと、まず、一般の人に対して不動明王がつくことはありません。一般の人にも不動明王がついていることもあるそうですが、本当に稀なことのようです。
考えてもみてください。不動明王はれっきとした仏様です。
そのような上位の存在が、普段から神仏に縁がなかったり、感謝の気持ちを持っていない相手についてくれるでしょうか?
神様に祈るのは年末年始の一度きり。しかも、祈っている神様のお名前も知らず祈っている人も多いのではないでしょうか?
そのような相手に、全国から祈りを捧げられる不動明王が、特別に見守ってくれることはないのです。
不動明王はどんな人についている?
不動明王がついている方として、厳しい修行を成し遂げた信心深い人が、仏様に守護されることはあるそうです。
ごく稀に、一般の人にもついていることもあるそうですが、不動明王との何かしらの縁のある人なのでしょう。
普段から熱心に祈りを捧げていたり、ご先祖様が徳を積んでいたりすると、見守ってくれていることがあるかもしれません。
しかし、自分には不動明王はついていていないのだと悲観することはありません。不動明王につかれることは難しくとも、ご利益を得る方法は存在します。
不動明王のご利益を得る方法
真言を唱える
真言を唱えることで、不動明王のご利益を得ることができます。
古来より、言葉には魂が宿り、言霊になると言われています。真言を唱えることは、言葉の力によって神様や仏様に救いを願う気持ちを届けようとするものです。
不動明王の真言は、その効果が高いとされて、これまで多くの人々に唱えられてきました。
上記のリンクでも紹介されていますが、不動明王の真言は〝ノウマク サマンダ バサラ ダン カン〟です。
これは日本語に訳されたものであるそうで、真言には他にも様々な唱え方があります。ここでは軽い紹介にとどめさせていただきます。
詳しい意味などを知りたい方は、上記のリンク先の『不動明王のお力を借りるには?』という項目をご参照ください。
護摩供(ごまく)
護摩供とは不動明王に直接、お願いをする方法です。
主に真言宗・天台宗などの密教のお寺で行われている祈祷法のことを指しています。
不動明王の護摩供は「護摩木」と呼ばれる木札を用います。この護摩木に名前や住所などとともに、願い事を書き、不動明王の炎で燃やすという祈祷法です。
この祈祷は、直接、不動明王に願いを届けることのできる方法で、どうしても届けたい願いなどがある場合に行うとよいでしょう。
不動明王の写真を持つ・待ち受けに
不動明王の写真を待ち受け画面にすることも、間接的ではありますが、ご利益を得る方法と言えます。
これは不動明王からご利益を得るというよりは、怒りの形相を浮かべる不動明王のご尊顔を待ち受けにして、いつでも見られるようにすることで、自分を律することができる、という効果があります。自分を強く律したい、誰かに見守っていて欲しいと願う人に合っているかもしれません。
不動明王から得られるのご利益10個
では、不動明王に祈ることで得られるご利益についてご紹介しましょう。
1. 煩悩退散
煩悩とは、人の心を悪の道へと誘うものを指しており、煩悩は全部で108あるとされています。
手にした剣で煩悩などを断ち切り、悪しき心を背中の炎で焼き尽くすとされています。そのため、誘惑に負けず、何かを成し遂げようとする場合には賜りたいご利益です。
2. 厄除け・悪霊退散
不動明王の剣は邪悪なものを打ち砕き、悪しき道へと誘う煩悩を断ち切るとされています。
人に災いをもたらすとされている悪霊などを退けてくれる。これが転じて、厄除け・悪霊退散になったとされています。
3. 除災招福
文字通り、災いを除き、福を招くことです。もっと簡単に言ってしまえば、悪いことを追い払って、よいことを連れてきてくれることです。
1つ前の項目でご説明した通り、不動明王は厄除け・悪霊退散のご利益のある仏さまです。
人が悪の道に引き込まれないよう、その繋がりを断ち切り、無理やりにでも救い出してくれることから、このようなご利益があるとされています。
4. 身上安全
不動明王は仏道を修行する人たちを守護してくれるとされています。そのため、不動明王に祈り、仏道の道へと足を踏み入れた人にも守護を与え自身の身の安全を見守ってくれます。
5. 立身出世
煩悩を断ち切ることは、迷いを断ち切ることにつながります。
それは祈る人へと前へと進む力を授け、仕事などで成功を収めることにつながることから、立身出世のご利益があるとされています。
6. 戦勝
戦国時代において、不動明王に祈願することで勝利をおさめた武将が多く存在します。
そのことから転じて、戦で勝利を手にすることができると信じられ、戦勝のご利益があるとされるようになりました。
7 .商売繁盛
意外なことに、不動明王には商売に対してもご利益があるとされています。商売繁盛と聞くと、恵比須様のほうが有名なのではないでしょうか。
不動明王は、煩悩などの悪しき道へと誘うものを断ち切ることから、商売の悩みを断ち切り、福を招いてくれるとされています。
8. 学業成就
不動明王の名前の中にある『明』の字は、サンスクリット語で知識や学問を意味しています。
そのため、勉強や仕事に対する技術を高めたいと願うときに祈願するとご利益を賜ることができます。
9. 健康祈願・病気平癒
不動明王を祀る寺の中には、健康や病気治癒に効果があるとされることもあります。
10. 国家安泰
鎌倉時代、元寇が日本へと攻めてきたとき、不動明王に元寇を退けてもらうこと祈願したそうです。
その結果、元寇は突然の嵐などによって撤退し、日本は元寇の危機を乗り切りました。このことから、国家安泰のご利益があるともされています。
不動明王がついているのか診断するには?
不動明王が一般の人につくことは、めずらしいことであると説明しました。しかし、不動明王に限らず、あなたを守護してくれる存在がいないというわけではありません。
もしかしたら、あなたを見守てくれている存在がいるかもしれません。
もし、あなた自身が何かに守られている、そう感じて感謝の気持ちを伝えたいと思ったり、どんな存在が見守ってくれているのかを知りたいと思ったときは、専門家に相談してはいかがでしょうか?
コロナの感染拡大で出かけることが難しい現状です。そんな現在では、電話占いがおすすめです。遠隔でいつでもみてもらえますよ。一度、お気軽に相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ
さて、今回は不動明王がつくとはどういうことか、そして、ついていなくともご利益を得る方法をご紹介しました。
不動明王がつくことはめったなことではありません。しかし、ご利益を得ることはできます。
何よりも、感謝を忘れずにいることが大切です。
常日頃から、色々なものに感謝し、少しだけ人に優しくしてみることで、もしかしたら、不動明王があなたを見守ってくれるかもしれません。
この記事が、少しでもお役に立てたのなら、幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント
ありがとうございます。
28日は、お不動さまの日。
優しい御加護に感謝しています。
ありがとうございます。
慈悲の明光に、近づけますように。