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サターン・リターン(土星回帰)を徹底解説!:人生に喜びと責任を持つための壮絶な葛藤とは?!

「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!

いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

今回は、「サターン・リターン(土星回帰)」についての解説記事です。

本講座では、太陽と月のリターン(回帰)についての解説記事を公開していますが、

次に重要となるリターン(回帰)は、サターン・リターンです。

すべての天体にリターン(回帰)のタイミングはあるのですが、

重要度の高さを目を向けますと、

火星や木星よりも、土星の方に目を向けざるを得ません。

この記事を読んでくださる方は、既に1回目のサターン・リターン、

もしくは、2回目のサターン・リターンを経験されていると思います。

サターン・リターンは、「人生の成人式」と呼ばれることがあるのですが、

これは、土星が「教師」「監督官」として、

厳しい眼差しで、私たちの成長を見守っている(監視している)からと考えられているからです。

実際の土星が監視しているわけではありませんが、

占星術的・概念的に、土星の役割は、

私たちが自分の人生に喜びと責任を持ち、

現実創造のための意志力と実現力を養うこと

半ば強制的に経験させることにあります。

もちろん、これは人間の意識の中でのみで生まれ、採用される概念ですが、

自然の摂理・法則としては、実に理に適っています。

社会天体である木星と土星は、

個人の人生に対し、外側から圧力をかけたり、転機をもたらしたりします。

土星は地球から最も遠い天体で、太陽の光が届きづらい「冷たい星」であり、

マレフィック天体(凶星)と考えられていました。

現代でも、人生をより善く生きるためには、

土星や山羊座の働きや象意、影響力は欠かすことはできませんし、

トランスサタニアンや小惑星カイロン/キロン、

その他の小惑星の重要性なども台頭してきている中、

意識が拡大・進化し続ける人類史において、

また、地球で生きる私たちにとって、

地に足をつけることの重要性を土星は教えてくれます。

土星のリターンは、「長期的な視野での教え」であり、

今回解説するサターン・リターンは、

私たちが自分自身の人生に通っている

「本質的な目的意識」を成し遂げるための壁や試練、転換期、臨界点です。

辛いことや怖いこと、痛いことは避けたいものですが、

それらを自分の人生から排除することはできません。

むしろ、「やり残し」や「後回し」は、後に大きなツケを払う結果になります。

土星は、一貫して、

「目の前に巡ってくる現実を受け入れ、力に変えること」を教える天体です。

土星に認められるためには、

現実に応え、人生を全うする意志が必要になりますが、

占星術では、「真に自分と向き合う」という命題を土星を通して学ぶことができます。

決めつけや憶測による人生プランではなく、

原理に則った、内省と内観を伴った自己対話のために、

また、過去の自分への理解と現状把握、

そして、今後の人生の流れを肯定するために、サターン・リターンについて知ってください。

それでは今回も是非、最後までお付き合いくださいね!

以下のリンクは、「進行(プログレス)の月」と「ルナ・リターン(月回帰)」についての解説記事です。

月と土星はともに、「時間」を司る天体であるとともに、

「心」や「魂」、「霊魂」に関わる天体であり、

そして、人生のサイクルを示す天体でもあります。

サターン・リターン(土星回帰)を理解する上で、

ルナ・リターン(月回帰)は重要ですので、是非チェックしてください!

土星は、時間・有限性・物質性を司る

土星は、物質次元・物質世界を統べる天体であり、山羊座と水瓶座のルーラーです。

人間の身体部位では、山羊座は骨格や歯、皮膚や肌に対応し、

水瓶座は血液やリンパなどの体内を巡る要素や踝に対応しています。

そのため、山羊座は「枠」や「土台」、「構造」などを象徴し、

水瓶座は「吸収性」と「反動性」、「流動性」などを象徴すると言えます。

現代占星術では、水瓶座のルーラーは天王星であるとしますが、

本講座では、水瓶座は土星と天王星の2つのルーラーを持ち、

物質的・五感的・現象的な影響は、土星が司り、

突発的・転機的・変質的な影響は、天王星が司るとしています。

「土の時代」は、

木星と土星のグレート・コンジャンクションが起こるサインのエレメント(属性)によって強調される

概念と現象、社会構造の在り方を象徴しますが、

土の性質や山羊座、土星は、物質性を司ります。

物質世界では、形有るものはやがて形を失いますので、

物質性は「有限性」や「時間性」と結び付きます。

本記事では、サターン・リターンについての解説ですが、

まず、土星の根本的な働きを知ることが重要です。

私たちに人生と社会、自然界にとって、

土星は長期的・俯瞰的な視点においての時間とサイクルを司ります。

月が内面世界を司る一方、土星は外面世界を司りますが、

マクロコスモス(大宇宙)とミクロコスモス(小宇宙)が相似形であることを考えると、

私たちの内面にも土星の働きがあって然るべきです。

「内的なリズム」と言えば、

ネイタルチャートを基にした、プログレスとソーラー・アークのサイクルですが、

天体のリターン(回帰)も含まれます。

月が短期的・日常的なリズムとサイクルを示す天体であるならば、

土星は、長期的・普遍的なリズムとサイクルを示す天体です。

サターン・リターンは、土星の公転周期である約29年毎に訪れます。

太陽の周期で捉えますと、出生前から数えますと、

約30回目の人生経験に相当します。

昔は、現代よりも寿命が短かったために、

昔の人は、1回目か2回目のサターン・リターンの影響を強く意識するだけでなく、

土星がマレフィック天体(凶星)であるがために、強い恐怖心を抱きました。

現代でも、土星の働きの原理は変わりませんが、

土星を単に「災厄をもたらす対象」としてではなく、

「限りある人生」をより善く生きる上で、

具体性と明確性、そして、堅実性を以つことによって

「人生の手応え」を感じるために発破をかけてくれる、

頼りになる存在として認識することができます。

土星は月とは異なり、

ただ「人生は刹那的である」という悲観的な意識をもたらすのではなく、

「生を受けたからには、天命(寿命)を全うすること」を促します。

この意識は、軽薄な能天気さや形骸化した理想、

はたまた、幻想や夢想で現実を否定・拒絶する在り方にプレッシャーを与え、

「現実を生きることの喜び」へと導きます。

「身体は資本」という言葉は、まるで土星が私たちを諭す時に使い、

「時は金なり」という言葉も、意識や解釈次第で、生き方と在り方が変わり、

人生に無駄などないことを認めることが重要です。

「人生100年時代」という言葉が一人歩きしていますが、

これは概念的な言葉遊びではなく、占星術においても、

トランスサタニアンの天体の働きが現実に影響を与えることが明確になっていますので、

「風の時代」という概念によって、

地に足のつかない不安定な生き方と在り方に陥らないように、

今一度、土星の働きや象意を掴み、

誰でもない私たちが「自分の人生を生きること」に真剣に向き合うことが重要です。

深刻さは、思い癖や悩み癖、思い癖などは、思い込みを強め、被害者意識を育てますので、

深刻さではなく、真剣さや本気さ、意志を持ち、

意図を実現させようとする意識が重要になります。

そこで、自分にしか分からない「生きている実感」や「人生の手応え」を知るために、

サターン・リターンは、俯瞰的な視点と現状把握をすることで、

心に安心感と人生に対する健全な期待(喜び)を持つことができますので、

自分事として、土星からのメッセージを受け取りましょう!

以下のリンクは、「月」と「土星」についての解説記事です。

是非チェックしてくださいね!

サターン・リターン(土星回帰)とは?

土星の公転周期は、約29年で、進行(プログレス)の月と共鳴します。

また、土星は約2年半をかけて1つのサインを運行するため、

トランジットの月が約2日半で1つのサインを運行するリズムとも共鳴します。

サターン・リターンは、

トランジットの土星が、ネイタルの土星のサインの度数に返ってくるタイミングです。

本講座では、太陽のソーラー・リターン(太陽回帰)と

ルナ・リターン(月回帰)についての解説記事を公開していますが、

土星のサターン・リターンは、進行(プログレス)の月と新月と同様に、

人生の長期的な流れと自我意識の成長、

そして、現実的・物質的・精神的な繁栄と成長の物差しになります。

土星は、山羊座と水瓶座のルーラーであり、

物質世界や物質文明を統べる役割と働きを持ちます。

土星の役割と働きを私たちの人生に適用する時、

私たちは、自立・自律、堅実性・計画性、現実性・社会性といった、

集団生活や社会生活を営む上で欠かせない、

「生きる力」と「物事を実現する力」を育むための経験を、土星から与えられます。

私たちは、人生で最大3回サターン・リターンを経験します。

ネイタルチャートの土星の状況によって、タイミングは少しズレますが、

1回目のサターン・リターンは、29歳前後で起こり、

2回目は、58前後で起こり、3回目は84歳前後で起こります。

生きとし生けるものは、

養育・養護される時期、自立し、自活する時期、共同生活をする時期、

子孫や他者を養育・養護する時期を経て、再び養護・介護される立場を体験します。

養護や介護をされる立場を経験することなく、天命・寿命を全うする場合や、

事故や病気で時間をかけずに身体の機能を失い、魂・意識の世界に還る人もいますが、

大多数の人は、年齢とともに、体力と気力を失っていく定めを負っています。

サターン・リターンを迎える時期は、

「社会的な役割・立場」や「社会からのプレッシャー」に対して、

「内的な成長・変容」を強制的に体験させられるタイミングです。

人は、出来れば楽な状態や心地良い状態を望みますが、

快楽や脱力は、対極の不快と緊張とワンセットですので、

人生と日常生活には、必ず痛みや葛藤を経験することがつきもので、

土星は後者の、「痛みや葛藤の対峙」を経験させる役割を担います。

土星が持つ「強制力」は、

ただ、苦しみや痛みを体験させられるという悲観的な側面だけでなく、

「実のある人生」にするために、物事をただ見聞きして知っている状態ではなく、

実際に自分自身で体験し、忍耐と受容の経験を積み重ねることで、

「現実創造を行う力」を養う側面があります。

1回目のサターン・リターンは、

太陽期(24~34歳)の中盤に訪れ、自分が人生で成すべきことを真剣に考える時期となります。

社会的・現実的な転機として、

進学や就職、結婚や引っ越し、相続など、

社会との関わりを前提とした出来事に対して、

自分の社会的な立ち位置を痛感し、内省と内観を強いられます。

土星は、「枠組み」や「骨組み」、「土台」といった、

全体の構造や仕組みに影響力を持つと同時に、

「有限性」や「カルマ」、「導き」といった、精神的・潜象的な影響・働きを持ちます。

本講座では、

人が「成人」を迎えるのは、火星期(35~45歳)である、という表現をしていますが、

1回目のサターン・リターンは、

人として、自分の足で立つ時期のための修練・忍耐の時期と言えます。

そうなりますと、2回目のサターン・リターンは「2度目の成人(式)」を迎える時期になります。

これもまた、言い得て妙なもので、

孔子の言葉に「六十にして耳順う(60歳になってようやく人の言葉を聞き入れるようになる)」がありますが、

60年もの年月を経ることで、

私たちはやっと、自我意識によって全体意識と分離し、

他者や社会と隔絶した人生であることを悟ります。

もちろん、孔子が生きた(と云われている)時代と現代では、

学問や生き方、社会との関わり方は異なりますが、

いつの時代も、人は生老病死・四苦八苦・栄枯盛衰といった、

自然の摂理から逃れることができず、

むしろ、理(ことわり)を受け入れ、我欲や欲望を捨て去ることによって、

「安らぎ」という誰もが求める心の在り方に到達することは変わりません。

2回目のサターン・リターンは、人生の折り返し地点を過ぎ、

社会的な経験を積み、自分自身の至らないところはもちろんですが、

自分を世のため人のために活かすために、今の自分に出来ること、

すなわち天命に取り組むべきタイミングが訪れたことを悟るタイミングです。

そして、3回目のサターン・リターンは、

老年期(65歳以上)の過ごし方として、次の世代に継承すべきことを明け渡すとともに、

「生まれてきてよかった」という朗らかな気持ち

「生きていることへの底知れぬ感謝の念」を抱きながら

存在するだけで人を慰め、癒し、そして、励ますような、

まるで仏や菩薩のような意識とエネルギーを発する時期と言えます。

この頃になると、土星は忍耐や受容の体験を送り込むことはなくなり、

それまでの人生の振り返りと、

経験を通して得たあらゆる記憶や思い出を噛み締めながら、

「ただ、生きていることの喜び」を感じることが許される時期です。

このように、人生に3度訪れる土星からの直接的・強制的な働きかけは、

それぞれの年齢によって異なります。

後述します、ネイタルチャートの土星とノード軸の関係性・配置によっては、

1回目と2回目のサターン・リターンのどちらの時期で

厳しい体験が待っているかが二分されると云われていますが、

一般的に、「自分の人生に喜びと責任の両方を請け負うこと」が、

土星の回帰(リターン)による実際的・現実的な働きかけと言えます。

そこで、「時間」に関して、

土星がどのような流れ・サイクルを持つのかを見ていきたいと思います。

土星の7年サイクル

私たちは、「始まり」や「終わり」という言葉を日常的に使いますが、

概念的な言葉と実際の出来事には、少しズレがあります。

例えば、私たちは、01月01日を元旦・ニューイヤーとする概念を持っていますが、

自然界にはこの概念は無関係です。

完全に無関係ではないのですが、

もし、陽のエネルギー(太陽の生命力)を祝うのでしたら、

本来は、前年の12月21日頃の冬至点にすべきかもしれません。

そもそも、「時間」は相対的なものであり、

「物事の変化」を計るために、「時間の概念」や「時間の計測法」、

そして、「時間の共通認識」を持たせていることを思えば、

私たちが無意識的に採用・活用している「時間」は、本当は曖昧で、実体が無いのです。

このような「実体」と「概念」、

そして、「現実的な経験」を結び付ける働きを持っているのが、土星です。

少し話が逸れましたが、「時間」と言った際に、

「この瞬間からすべてが始まる・変わる・終わる」といったことは無い、という認識が必要で、

特に、月と土星は、「物事の進行・変化・経過」は「グラデーション」であることを教えます。

グラデーションは、「漸次(ぜんじ)的移行」という意味を持つ言葉で、

「徐々に変化する・変質する」という解釈で用いられる言葉です。

ホロスコープ上では、天体がサイン移動する際に、

前のサインの終盤の意識とエネルギーが、次のサインへ移っていく際

段階的な変化や影響を持つ、という風に理解することができます。

さて、土星の公転周期は約29年ですが、

ホロスコープ上の土星の運行を分解しますと、

厳密に言えば、四分割しますと、約7年が1つのサイクルになります。

視覚的に分かるように、以下に画像を用意しました。

仮に、ネイタルチャートの土星が、1ハウス@牡羊座にあるととします。

そうしますと、土星のサイクルが分かります。

  • 出生から約7年後:スクエア(90度):4ハウス@蟹座
  • 出生から約14.5年後:ハーフ・リターン/オポジション(180度):7ハウス@天秤座
  • 出生から約21年後:スクエア(90度):10ハウス@山羊座
  • 出生から約29年後:リターン/コンジャンクション:1ハウス@牡羊座

そのため、サターン・リターンだけに注目するのではなく、

約7年のサイクルで、規模や影響力の代表の差はあれ、

何かしらの現実的な変化や転機が訪れる、ということを覚えておいてください。

7という数字は、「神秘数」と呼ばれ、「コントロールできない働き」を連想させます。

占星術では、7は海王星の数字です。

ホロスコープは円環・球体の形を持ちますが、7では割り切ることができません。

また、新月や満月のように、「特定の瞬間」は刹那的に過ぎてしまい、

物事が常に変わり続けているのは不変の真理です。

ネイタルチャートの土星の位置から、

7年後、14.5年後、21年後、そして、リターンである29年後という風に、

土星からの導きを辿っていくと、想定外の現実に直面するのもまた、

人生の成り行きという必然が成せる業と言えるでしょう。

それ以外に、7の倍数となる年齢で、土星からの影響が強くなります。

7歳、14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳、56歳、63歳、70歳、77歳、84歳、91歳、98歳、105歳という風に、

約7年の周期で、土星の影響が強くなる年回りが巡ってきます。

  • 7歳は、月の年齢領域が終わり、水星の年齢領域に移行するタイミング
  • 14歳前後は、金星の年齢領域が始まるタイミング
  • 28~29歳は、サターン・リターン(土星回帰)のタイミング
  • 35歳前後は、太陽期から火星期の年齢領域が始まるタイミング
  • 45歳前後は、火星期から木星期の年れ領域が始まるタイミング
  • 59歳は、土星期の年齢領域が既に始まっている
  • 73歳は、天王星の年齢領域が既に始まっている
  • 87歳以降は、火星の年齢領域が既に始まっている

このように、土星の約7年のサイクルは

冥王星を除いた9つの天体の年齢領域に関係があることが分かります。

もちろん、年単位の誤差はありますが、

土星が「時間」を司る理由が垣間見えたのではないでしょうか?

占星術に出会ったあなたは、

月と土星が「時間」を司っていることを知ることで、

人生の長期的な流れを把握する際に、サターン・リターンから、

変化や転機、忍耐のおおよその時期とテーマが分かるようになります。

サターン・リターンに限らず、

トランジットの土星の(サインの)位置・度数と、

ご自身のネイタルの土星とを照らし合わせ、リターンとハーフ・リターン、

そして、クワドラント・リターンの時期を把握することは、

人生に明確な要素をもたらすことになりますので、

是非、土星の運行がどのような影響を与えているのかを知ってください。

天体の年齢領域と人生の壮年期における心の成熟度

10天体の年齢領域は、以下の通りです。

  •  月 :0~7歳
  • 水 星:7~15歳
  • 金 星:15~24歳
  • 太 陽:24~34歳
  • 火 星:35~45歳
  • 木 星:45~57歳
  • 土 星:57~70歳
  • 天王星:70~84歳
  • 海王星:84歳~
  • 冥王星:死後

昔に比べ、現代人の寿命は伸び、

昭和や平成の時代の日本からは人の意識も変わってきていますが、

「定年」や「年金」といった社会的概念と年齢が結び付けられるため、

壮年期(40~64歳)のうち、土星の年齢領域は、老年期(65歳以上)に当てはめられる傾向があります。

ですが、本来的には、

土星の年齢領域は、「現役から退かなければならない」という外圧や思い込みではなく、

その時の自分の状態に応じた、能力や才能の発揮、社会貢献の手段や方法、環境を変えることで、

無理がなく、また、重宝される人材として、自分の人生を謳歌することができる年齢です。

体力や気力が衰えることを遅らせることはできても、完全に防ぎ、逃れることはできません。

「身の丈に合った生き方」とは、自分自身の人生と未来を諦めるためではなく、

自分と周囲に不調和が生じない生き方へと移行する方が、自然な在り方を目指し

実際に、自分の望むペースと自分の内的なリズムとサイクルに合わせて生きる「選択」を意味します

1回目のサターン・リターンは、太陽期の中盤で起こりますが、

この期間においての土星の働きかけは、

「社会に適応すること」「自分の目的意識を明確にすること」がテーマになります。

一方で、2回目のサターン・リターンは、

現状で不要な要素を限りなく減らすことで、負担や負荷を取り除きながら、

重要度や優先度が高い物事に取り組みながら、

次世代との関わり方を工夫し、何らかの継承を行うフェーズです。

3回目のサターン・リターンは、

海王星の年齢領域に相当しますので、

社会的・現実的に何かを成し遂げなければならないということではなく、

「存在しているだけで価値がある自分」や「生きているだけで貢献している自分」といった、

私たちの本質的な存在価値や存在意義を追究・探求し終えた段階です。

そのため、最後のサターン・リターンは、自らの人生の集大成を見届けながら

何を成して、何を成さなかったか、という内省と内観の方向に意識が向きやすくなります

時間は相対的ですので、年齢を重ねれば重ねるほど、時間の経過に鈍感になりやすくなりますが、

それ以上に、84歳以降は、顕在意識と潜在意識の境目が薄くなるとともに、自我意識の強さも弱まっていきます。

老年期を生きる人がすべて「賢者」になるわけではありませんが、

その人のこれまでの選択と意識の持ち方によって、土星は相応の現実を与えます。

土星は、物質世界では、目的意識や動機という種を撒き(植えて)、

自然の摂理と時間の経過に沿って、労力や手間をかけながらも、

過剰な期待や執着を持たず、目の前の現実を淡々と受け入れることの重要性を教えます。

1つの種を撒いても(植えても)、すぐにはその種は芽を出しません。

また、現実や自然界は、人間の都合を融通したりもしません。

だからこそ、私たちが歩み寄ること、つまり、法則に従うことが重要なのです。

この概念を受け入れられない場合、

土星を「厳しい(だけの)星」や「試練(を与えるだけ)の星」という印象を持ってしまうのかもしれません。

ですが、土星は、私たちが自分の人生に真剣に向き合い、

改心し、一念発起する時には、必ずサポートをしてくれる天体です。

サターン・リターン(土星回帰)の特徴とは?

サターン・リターンの特徴は、以下の7つです。

  1. サターン・リターンは、「自我意識の崩壊と再生」をもたらす
  2. サターン・リターンは、合計3回の衝撃をもたらす
  3. サターン・リターンの1回目の衝撃は、トランジットの土星がネイタルの土星に近づく際のコンジャンクション(合)となる場合で、最も影響力を持つ
  4. サターン・リターンの2回目の衝撃は、トランジットの土星が逆行し、ネイタルの土星から離れる際に起こる
  5. サターン・リターンの3回目の衝撃は、トランジットの土星が逆行から順行に転じ、再びネイタルの土星に近づく際に起こる
  6. トランジットの土星がネイタルの土星に近づく場合と、離れる場合では、近づく場合の方が影響力が強い
  7. サターン・リターンは、トランジットの土星がネイタルの土星のサインを抜けるまで、大きな影響を持つ

①の「自我意識の崩壊と再生」は、8ハウスの象意に通じるものがあります。

特に、1回目のサターン・リターンは、

アイデンティティ・クライシス(自我の危機)という風に表現されることがあります。

ネイタルチャートの天体の配置により、この影響が強まる場合と、弱まる場合があります。

特に、月と海王星がアヴァージョンのハウスである8ハウスと12ハウスに位置する場合に、

土星とコンジャンクション(合)となる場合や、

スクエア(90度)とオポジション(180度)のアスペクトを形成する場合は、

激しい内的葛藤が生じることが予想されます。

②~⑦の特徴は、土星に限らず、

トランジットの天体がネイタルの天体との接触(コンジャンクション)の特徴です。

トランジットの天体がネイタルの天体に接近することを、

アプライ(apply)やアプローチ(approach)と言い、

逆に離れていくこと(離反すること)を、セパレート(seperate)と言います。

サターン・リターンは、他の天体と違って、

顕在意識や深層心理、無意識にまで影響を与えるため、公私問わず、実生活に多大な影響を与えます。

サターン・リターンは、「人生の土台を築くため」に、

それまでに培った経験則や概念、価値観を一旦手放す転機を与えるため、

自我意識と心にとっては脅威となるのです。

土星は厳しさを先に、褒美を後に取っておく

人生の起こるあらゆる事柄には、

私たちにとっての重要な気づきや導きが必ず潜んでいますが、

私たちは、偏見や偏った思想、思い込み(信念)や価値観、影響を受けた概念と観念によって、

近視眼的に現実(世界)を眺める傾向が強く、

また、脊髄反射的に人・物・出来事に対応してしまいます。

その代表例が、自分自身です。

そのため、サターン・リターンは、

自分自身の人生に与えられた「道」を知る機会として、

社会的なプレッシャーや葛藤を体験することで、

苦しみや痛み、恐怖心や不安に塗れながら、

我意識を一旦崩壊させるような出来事がもたらされる時期と言えます。

土星は、12ハウスの中で、8ハウスと12ハウスに関連を持ちます(ハウスルーラー)。

サターン・リターンは、8ハウスの象意に極めて近く

「従来の自分像」や「従来の生き方」が通用しなくなることで、

強制的に生き方や在り方を見つめ直し、

今度は自分自身で「世に生まれ直す体験」をするのです。

これは、1回目のサターン・リターンを迎える時の精神状態です。

一方で2回目のサターン・リターンは、

1回目のサターン・リターンよりも、「守るべきもの」や「影響を与える対象」が増え、

自分自身のことだけを考えられない状況や立場であることが多くなります。

また、2回目のサターン・リターンは、

土星の年齢領域が始まる頃とタイミングが重なりますが、

今度は、「他者を導く立場」や「指導者の役割」を担うことで、

自分自身の人生に充実感と自信、

そして、「愛(エネルギー)の循環」を体験することになります。

「自業自得」という言葉がありますが、

これは悲観的なニュアンスで解釈されることの方が多いのですが、

ポジティヴもネガティヴも無く、

ただ、自分の発した言葉や行い、他者や社会との関わりの中で生まれる縁起が、回り回って持ち主に返って来るという、

普遍的な法則を意味します。

そういう意味では、土星に応えるという意識に限らず、

あらゆる場面において、「自分が発したものを後々受け取ることになる」という自然の摂理が、

秘密でも奥義でもなく、重力のように、当たり前に舞瞬起こっていることを、私たちは肝に銘じる必要があります。

その上で、「自責思考」を「創造志向」として捉えたなら、

私たちは人生で起こるあらゆる出来事とともに、

自分の内面で生まれるあらゆる思考や感情を客観視し、主

体的に何を現実に投影させるかを選ぶことによって、人生の喜びを獲得することができます。

これが、本講座で表現している、

土星の要請に応えることで得られる「人生の手応え」であり、「太陽の獲得」です。

土星は、長期的な視点で物事を捉えることと、自分と自分の人生を信頼すること、

そして、誰もが同じ気持ちで生きているのだから、

支え合い、認め合い、見守り合うことで調和が生まれることを教えます。

土星の私たちへの働きかけを、登山や航海に例えるとしたら、

途中は苦しいけれど、ゴールに辿り着けば、自分の行いや過去の自分を労いたくなるような、

感動と安堵、そして、達成感が得られる一連の流れになるでしょうか。

努力は必ずしも報われることはありませんし、不要な我慢は自滅を招きます。

そのため、現状把握と全体像を知り、現状で出来ることに邁進することを積み重ねることが重要ですし、

この普遍的・現実的な視座を受け入れて生きることこそが、

土星からの厳しくも、慈しみの導きが込められた教えと言えるでしょう。

ですから、一喜一憂することや、自分や周囲に対して身勝手な期待や執着を持つこと、

そして、条件反射的に物事を切り捨ててず、

深い洞察力と冷静な眼差しで、自分自身と世界(人生)を観ることを大切にしていきましょう。

これは誰にとっても、人生を生きる上で、普遍的な人生の歩み方なのですから。

ハウス別のサターン・リターンの意味・影響

それでは次に、非常に関心が高いと思われる、

ハウス別・サイン別のサターン・リターンの意味と影響についての解説をさせていただきます。

細かい解説ではなく、概要をお伝えするに留まりますが、

ハウスを「テーマ」、サインを「意識」として、

サターン・リターンがもたらす意味と影響をお伝えさせていただきます。

それでは是非、ネイタルチャートを確認しながら、サターン・リターンの意味と影響を知ってくださいね!

ハウス別:サターン・リターンの意味と影響

1ハウスで起こるサターン・リターン

1ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、

「自己の確立」や「自立」に対する葛藤を経験することです。

葛藤や受難を受け入れることで、必ず現実創造のための経験値に変えることができます。

古典的には、1ハウスのハウスルーラーは土星ですので、

余計に、「意識」を持つことに責任感を強く持つとされています。

自我意識は変化を恐れ、排他的な振る舞いを生みますが、物事は常に変化し続けますので、

強い葛藤を経験し、変化を受け入れることによって、他者や現実を受け入れる度量が身に付くため、

変化を恐れないことが重要なテーマとなります。

そして、1ハウスが象徴する自我意識は、

太陽の意識を阻害するためではなく、また、月を傷つけるためにあるわけでも、

世界との分離を深めるためにあるわけではなく、

逆に、世界と健全な関係性を築くために存在します。

そのため、世界や現実、人生から求められる成長・変容を受け入れて、

「より善い自分になること」に可能性と発展性を見出すことで、

広い視野を獲得することが非常に重要なのです。

2ハウスで起こるサターン・リターン

2ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、

「自分に与えられた能力と才能を明確にすること」です。

2ハウスは物質を象徴するハウスですが、土星によって引き出されるテーマで2ハウスを捉えた場合、現実創造のために「いかに自分を活かすか」ということに意識的に取り組む必要があります。

自分の能力や才能を明確にすることは、両親や家系、先祖との繋がりを知り、または、思い出し、「自分という存在の尊さ」を学び、自分自身に敬意を払うとともに、自分を通して表現されるべい価値を追究していくことが重要です。

物質的な豊かさは、現実的な戦略よりも、意識の在り方や潜在的な特性の方が重要であり、自己理解を深めることが何より重要であり、課題であることを、2ハウスで起こるサターン・リターンは教えます。

3ハウスで起こるサターン・リターン

3ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「学ぶことに対する苦手意識を払拭すること」です。

3ハウスの象意に、「初等教育」というものがありますが、表現を変えますと、「基礎を学ぶ(姿勢)」となります。

あらゆる物事において、「基礎」や「土台」を後回しにしてしまうと、後々軌道修正が難しくなります。

また、3ハウスは「知性」や「知的欲求」、「知的好奇心」を高める環境を示し、苦手意識やコンプレックスを象徴する土星が位置することで、「無知」や「無関心」といった態度と生き方は、不足感や不活性さを助長することになるため、与えられた環境と学びをしっかりと受け入れることが重要です。

そして、最初は嫌々取り組んでいたことさえも、時間をかけることで、血となり肉となり、あなたの人生を豊かにする資源となることを忘れないでください。

4ハウスで起こるサターン・リターン

4ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「家庭や家族、先祖との関わりを整えること」です。

「整える」という表現をしましたが、実際的には、家庭内や家族間、家系内の葛藤や対立を目の当たりにし、自分のルーツや自分を産み育てた人々や環境に苦手意識や否定的な思考・感情を抱えながら生きることになるため、整理整頓や断捨離といった簡単な規模で完了するテーマではありません。

特に、4ハウスは父親や父性を象徴しますので、男性優位の空気感や高圧的な親に育てられた記憶と感情によって、拒否反応が出てしまうことが想定されます。

家庭や家族には、そのコミュニティ独自の集合意識と集合的無意識が形成されるため、一度家を出て、関わりが気迫になったとしても、目に見えない血筋・血統といった「流れ」によって、呼び戻されたり、金銭や不動産などの相続などの清算に関わらざるを得ないケースもあります。

4ハウスはホロスコープの最下部に位置するとともに、深層心理を象徴しますので、土星による働きかけから逃れられないということは、家庭や家族、先祖、血縁関係に関しての葛藤や痛み、受難から逃げず、人生の大半の時間を投じながら、徐々に解決していくことが求められます。

5ハウスで起こるサターン・リターン

5ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「自己信頼」です。

5ハウスは、娯楽や恋愛、子ども、ギャンブルなどを象徴する場所ですが、原理的には、「創造性の源泉の在り処」を意味します。

土星が5ハウスに位置する場合、また、サターン・リターンを迎える場合、「自分自身の存在に対する意識」について、強い圧力が掛かります。

この圧力は、自我意識が低く見積もっている自己像を改めるためにあり、「自分を楽しませること」や「自分を喜ばせること」の体験の中に、創造性が発露することを示しているからです。

5ハウスのハウスルーラーは金星で、ジョイとなる天体も金星なのですが、ベネフィック天体(吉星)とは真逆の、マレフィック天体(凶星)である土星が位置する時、自分を律する意識が元々強いため、長い時間をかけて、「自分の求める喜び」を発掘することから始め、その体験を積み重ねながら、自分を満たす方法や環境、そして、その時の感覚を獲得することが重要になります。

6ハウスで起こるサターン・リターン

6ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「健康管理」です。

6ハウスはアヴァージョンのハウスであり、不自由さを感じる状況や、責任や義務がつきまとう場所です。

そのため、土星が6ハウスに位置する時、余計に心身の緊張が高まり、切迫感や強迫観念を抱き、力を抜き、リラックスすることに罪悪感と苦手意識を持つ傾向があります。

また6ハウスは、健康の他に、就労や介護、病院といった、ストレスと疲労を生じさせる物事も象徴しますので、過剰な献身性が自己犠牲の精神となり、心身のバランスを崩してしまう危険性を示しています。

ですから、土星が6ハウスに位置し、サターン・リターンを迎える場合は、状況把握と自分のキャパシティの把握が重要となるとともに、頼れる人やサービス、団体といった、「自分を助けるための手段や方法、環境」を用意しておくことが重要です。

「身体は資本」とは言いますが、「心は生きるための受容体」でもありますので、心身ともに健康体であることと、健全な働き方・生き方・在り方を実現することが、あなたの人生を盤石なものにするために、最も重要な課題と言えます。

7ハウスで起こるサターン・リターン

7ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「健全なパートナーシップを築くこと」です。

7ハウスは月がハウスルーラーで、1ハウスと対極のハウスであり、他者の自我意識とともに、自分の自我意識を受け入れるべき他者とその意識を表します。

土星が7ハウスに位置する場合、「信用を築くこと」において、どれだけ相手に誠実さを見せることができるか、が重要となります。

それは、言葉や机上の空論ではなく、行動・実践によって、自分の誠意を他者に受け取ってもらうことを指します。

また、「受け入れること」は「受け入れられること」とワンセットで、パートナーシップや信用関係は対等であることが求められ、土星はどちらの立場も経験し、他者に対する恐怖心や不信を払拭することを求めます。

そして、その意識の変容は、仕事でも、プライベートでも同様に重要ですから、他者を受け入れることと、他者から受け入れられること、すなわち、対人関係に対する苦手意識やコンプレックス、引け目や自己不信を、他者とともに解消していくことが必要になるのです。

8ハウスで起こるサターン・リターン

8ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「人生観を大きく変えること」です。

8ハウスは、2ハウスと対極軸を築き、どちらのハウスも、物質性や金銭を象徴します。

2ハウスが、「自分で動かせる資産」であるのに対し、8ハウスは、「自分では動かせない資産」を意味します。

人生観を大きく変えることは、強制的・状況的に精神的な変容を強いられ、その要請を受け入れることによって、他者への期待や執着が解消され、「自分ではどうにもできない事柄」に対して降参し、従来の自我意識では耐えられないような事柄を前にしても、動じない強い精神力を持つことが重要になります。

また、8ハウスは夢や神秘性、オカルティズム、性エネルギーなどの象意を持つとともに、8ハウスはアヴァージョンのハウスでもありますので、「目に見えない力・働き」に対して理解を示し、根源的な不安や恐れを客観視することに時間を投資することで、不可抗力的な人生の流れ(宿命)に対して、肯定的な視座を獲得することができるでしょう。

そして、8ハウスは土星がハウスルーラーであるため、「縁起」や「カルマ(業)」といった、特別で、且つ、特殊な繋がりにのみ生まれる、宿命的な出来事を受け入れることで、自我意識の喪失と再生のプロセスが進みます。

自我意識は「自分で無くなること」を強く恐れますが、そもそも、自我意識は周囲や環境によって形成される、本質的ではない「仮の意識」であることを悟り、内的葛藤や紛争を経て、生まれ変わることが、8ハウスで起こるサターン・リターンの本質的なテーマです。

9ハウスで起こるサターン・リターン

9ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「広い視野と真理探求への野心」です。

「野心」というと、仰々しいのですが、9ハウスは「向学心」や「探求心」を引き出す場所であるため、土星が9ハウスに位置し、サターン・リターンが起こる場合、自分よりも物理的・精神的に遠い物事に関心を向け、実際にフィールドワークをすることで、人生観や生き方はもちろん、「世界」や「人生」に対する観方や解釈、価値観が変わります。

この世には、様々なアイディアが溢れ返っていますが、純粋なオリジナルのものは、1%にも満たないでしょう。

なぜなら、人は意識を共有し、歴史から学び、常に他者や外界からの影響を受け、所有欲から物事を独占し、表面定な様相は変わったとしても、本質は先人のアイディアや概念の焼き回しか、オマージュであることが多いからです。

このことに善悪はありませんが、土星が9ハウスに位置する時、崇高な思想や哲学、価値観において、広い視野と深い洞察力を獲得し、養い、何より、精神性を高めるプロセスに重きを起きます。

私たちは目に見える形を求め、すぐに結果を急ぎ過ぎる傾向がありますが、9ハウスは「終わりなき探求」を象徴しますので、土星の象意である「長期的な取り組み」と「誠実さ」によって、自分と世界との間を成り立たせている原理・原則・法則・真理を知り、人生を歩むための智恵に変えることが重要になります。

そして、土星は「指導者」、9ハウスは「高等教育」を象徴しますので、「伝統師」や「教育者」とまではいかなくても、誰かの成長に貢献するための知識と智恵を獲得し、実際に「他者に教える経験」を積み重ねるタイミングが後々訪れることを暗示します。

10ハウスで起こるサターン・リターン

10ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「自己実現の転換」です。

10ハウスは「天職:自分の意志に適う仕事」を意味し、社会的な評価を受け、成果を上げる体験を象徴しますが、仕事は自己実現の手段であり、目的ではありません。

また、10ハウスは「最も陽の目を浴びる場所」であるため、土星が10ハウスに位置することで、俯瞰して人生や物事を捉え、誠実な生き方を貫くよう働きかけます。

サターン・リターン前の生き方と在り方、そして、働き方には大きな変化が訪れます。

その原因は、外圧や環境からの要請、人生からの挑戦によって起こり、自我意識が持つ目的意識と社会活動を軌道修正する必要が出てきます。

10ハウスは、母親や母性を象徴し、自分が持てる力を惜しみなく捧げ、慈しみの境地で世界と向き合うことが重要になります。

それはまるで、太陽がヒイキや差別をすることなく、360方位にあまねく光を届けるように、誠実さと謙虚さ、そして、人を思いやる気持ちで、人を導くような価値観を獲得することが、10ハウスで起こるサターン・リターンの象徴です。

10ハウスは「権威性」や「影響力」なども表しますが、それらに見合う忍耐と長期的な積み重ねが求められます。

そういう意味では、我欲や承認欲求といった、本能的・低次的な意識を捨て去る必要があるといえるでしょう。

土星の象意には、「指導者」や「導き者」といった人格者としての素養がありますので、それまでの生き方や評価に対する執着から離れ、「人生において最も達成すべきことは何か?」という命題に真っ向から挑む姿勢が重要です。

11ハウスで起こるサターン・リターン

11ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「真の友人の見極め」や「柔軟な在り方」です。

11ハウスの象意には、「友人愛」や「博愛」、「理想」などがありますが、土星が11ハウスに位置することで、あなたの人生に最も必要な要素であり、苦手としている要素として、「親愛なる他者との関係性」が挙げられます。

これは、あなたが冷たい人であるとか、人脈に恵まれていない、ということではなく、心の底から認め合うことができる特別な友人、親友と呼べる人との絆は、特別な縁起・縁によって生まれ、その友人との出会いのためには、固定概念や思い込みが障害となる、ということを意味しています。

人は誰でも、人を信じることが簡単ではありませんし、一方的に信頼を寄せても、相手から信頼が返ってくる保証はありません。

ですが、11ハウスでサターン・リターンを迎えるということは、社会的に自立すると同じように、他者に対して精神的な自立した精神性と、他者に心を開き、対等な関係性を築くことに取り組むべきであることを示しています。

11ハウスは、10ハウスよりも風通しが良く、様々な個性を持った人との出会いを象徴しますので、頭を柔らかくして、心をオープンにし、外見で人間性を決めつけることは御法度です。

そして、11ハウスが象徴する「友人(親友)」とは、損得勘定や利害などを脇に置いて、互いが尊重し合う関係性を示しますので、依存心や下心で関係性を汚さないことが重要になります。

12ハウスで起こるサターン・リターン

12ハウスで起こるサターン・リターンのテーマは、「心を鎮静させること」です。

12ハウスはアヴァージョンのハウスのうち、最も深く、暗い場所であり、土星がジョイの状態になる場所です。

土星の役割として、「物質世界の完成・維持」がありますが、非物質的な事柄において、精神性を高め、誠実さを貫き、客観的に自分を捉えることを要求する働きがあります。

古典的な概念に、人の魂は12ハウスから肉体に受肉し、8ハウスから出ていく、という考え方がありますが、この概念の是非は問わず、アヴァージョンの8ハウスと12ハウスは、必ず、葛藤や痛み、孤独がつきまとい、どちらのハウスも土星がハウスルーラーですので、重たく、深い世界観を象徴します。

非物質世界、いわゆる、精神世界や無意識の領域は、無秩序で、地に足がつかない感覚があるため、12ハウスに位置する土星は、現実に意識をアンカリングすることを求めます。

そのために必要なことは、「心を落ち着かせること」であり、あらゆる外的刺激や影響に動じない、「凛とした姿勢」で日々を過ごすことです。

心は無意識の領域と繋がっていると同時に、身体とも繋がっています。

そのため、心が不安定・不穏な状態である時間が多くなればなるほどに、現実も不安定になります。

12ハウスでサターン・リターンが起こる時、精神性を高め、心の成熟が求められますが、最も暗い場所で、まるで修道院に居る状態の意識を地上に根差すためには、心を律する必要があるのです。

サイン別:サターン・リターンの意味と影響

サイン別のサターン・リターンでは、

1~3回目のそれぞれのサインの意識の違いについて解説させていただきます。

牡羊座で起こるサターン・リターン

牡羊座で起こるサターン・リターンの意識は、

「自由の渇望」についての葛藤を経験します。

まず、土星は、牡羊座でフォール(下降)の品格/品位を持つため、土星の強制力がやや鈍ります。

牡羊座は火星の意識が反映されるサインですので、

「純粋性」と「衝動性」を社会の枠組みに収めるためには、

経験と自我意識の喪失と再構築が必須です。

1回目のサターン・リターンでは、

内面的なセルフイメージと社会からの扱いにギャップがあることを自覚し、

その窮屈さや束縛感から逃れようとする意識が強まります。

そのため、土星は「自由」を求め、行使しようとする際は、「責任」を負うことを経験させます。

また、牡羊座は単独で行動することを望み、競争心や闘争心が強いため、

他者や周囲との調和を学ぶことに抵抗を感じます。

1回目のサターン・リターンでは、

他責思考をどれだけ鎮め、内省し、改心することができるかで、

太陽期から火星期へと人生が進んだ後の、自己充足感と自己実現のための意欲に差が出ます。

土星の品格/品位の状態には良し悪しはありませんが、

サターン・リターンによる(サインの)意識の変容に関しては、

土星の働き(強制力)が鈍ることで、自我意識の変容のスピードが失速し、

改心や内省の重要性を腑に落とすためには、強い葛藤や衝撃が必要になるでしょう。

2回目のサターン・リターンは、社会経験を積み、

自分の強みも弱みも受け入れることができる時期に訪れます。

そのため、自分の器量と度量を把握し、周囲との協調関係を持ちながらも、

独自の思想や行動力を発揮することが重要になります。

その際、人生における重要な決断を下し、人生の目的を実現するためにリスクを負い、

内的自由と社会的成果の両立を達成した先に、求め続けた自由を掴むことができるでしょう。

2回目のサターン・リターンは、

自由と責任が両輪となって現実創造を成就させることを、体験的に悟る時期です。

人は、年齢を重ねるほどに、精神的な充足感や安心感を求めるようになりますが、

牡羊座の意識は、2回目のサターン・リターンの頃であっても、情熱や意欲に陰りは言えません。

ただ、3回目のサターン・リターンでは、さすがに身体的な衰えが出てきますので、

実働によって得られる「自由の体感」の機会は限られます。

人生のうちで起こるサターン・リターンは、

まるで、登山を上り下りするように、渇望から限界、そして、喪失の順序を辿ります。

牡羊座は始まりのサインではありますが、限りなく終わりに近いサインでもあります。

これは牡羊座に限ったことではありませんが、

人は物質性・身体性の喪失感がトリガーとなって、

「本当に大切なモノ(コト)」が何かを悟ります。

牡羊座の場合、「自由」は「不自由さ」の対極ではなく、

また、世界や社会が私たちを拘束しているのではなく、

私たちの自我意識が被害者意識となり、自ら「囚われの意識」を生むことで、

二元性の対立構造の中で、制約・制限を不自由であると誤認していたことを悟るのです。

人生や現実は、「法則」や「秩序」、そして、「調和」によって自動的・自然的に調整されます。

牡羊座が経験するサターン・リターンは、

自我意識がこの世界に、情熱や意欲、個としての存在としての喜びを体験しようとする「愛の創造」のために、

「私」という器を使って、痛みや葛藤、苦悩、ネガティヴで重い感情を味わうのです。

牡牛座で起こるサターン・リターン

牡牛座で起こるサターン・リターンの意識は、

「現実的な営み(経済力と安心感」についての葛藤を経験します。

牡牛座は、「居心地の良さ」を求めるサインですが、

その根本的な意識は、「安心感を得ること」にあります。

大昔では、食料が生存のためには欠かせない要素でしたが、

現代では、経済力や財力が、生存本能を刺激し、恐怖心や不安を生み出す根源になっています。

そのため、牡牛座でサターン・リターンが起こる場合は

、「いかに現実的な営みを安定させるか」についての葛藤・苦悩を抱えることになるのです。

1回目のサターン・リターンでは、

社会的な経験を徐々に積んできたものの、

社会から求められることに対応していくだけでは、

安心と安定、そして、豊かな暮らしを送ることができないのではないか、という苦悩に苛まれます。

この苦悩は、牡牛座の意識が、生存欲求に強く刺激されるために生まれます。

加えて、「自分が豊かさを築くことなんてできるのだろうか?」という純粋な疑念によって、

自我意識が揺らぐため、どうにかして経済力を得なければいけない、という切迫感や焦燥感を抱きます。

この経験には善悪はありませんし、

そのような意識が生まれたのは宿命的な流れを辿っている証拠である反面、

その意識を証明しなくてもいい、という側面があることも事実です。

ただ、そのことが分かるのは、実際に経験した者だけですので、

自分と自分の人生に対して実現させたことは、自分で味わうことがお約束。

土星は、牡牛座の意識に対して、

「安心」と「安定」は、「不足感」や「欠乏意識」の意識があるからこそ生まれ、

本質的な豊かさは、これらの対極の意識と体験を経て、

自分の能力と才能を発掘し、活用することでしか得られないことを教えます。

2回目のサターン・リターンでは、1回目の強い葛藤と苦悩の経験を経て、

自分の能力と才能によって価値創造をすることの重要性を腑に落としているため、

潤沢な資産を築いている時期です。

その資産をどのように運用していくか、ということが、

2回目のサターン・リターンで体験することになる課題と言えるでしょう。

なぜなら、壮年期~老年期にかけて、自己理解と世界に対する理解を深め、

人生に対して肯定的な意識を持っている人は、自分本位で生きることに飽きて、

いかに周囲や次世代の人との関わりの中で生まれる喜びに触れることができるか、ということに意識を向けるからです。

2回目のサターン・リターンでは、

自ら生み出す収入や資産の他、遺産を受け取る場合もありますが、

人は常に「持っていること」と「持っていないこと」の両方の意識を持っていますので、

資産を受け継ぐことは、一概に素晴らしいこととは言えません。

3回目のサターン・リターンでは、

老年期における暮らし方と経済の回し方などに関しての決断と準備が主な関心事となります。

あらゆるものは循環し、自分が生かされてきたことを実感する時、

人は「次は自分の番だ」と予感し、物質的にも、精神的にも、

自分の手元にある正と負の資産の分配について考えを巡らせるからです。

それは、目先の利益や安心感ではなく、

自分を含めた、全体の豊かさの流れを受け入れている証拠と言えます。

牡牛座の意識は、サターン・リターンによって、

「いかに自分が安心できるか」という消極的な意識から、

「いかに安らぎを創造できるか」という肯定的な意識に転換されるのです。

双子座で起こるサターン・リターン

双子座で起こるサターン・リターンの意識は、

「対話」についての葛藤を経験します。

双子座に土星が位置する場合、

言葉を覚えるのが遅かったり、言葉選びの間違いから口論になったり、言葉で傷つけられたりと、

他者との繋がりに対して苦手意識が生まれやすくなります。

これは、お互いに必要な経験をするために、

他者の無意識に成長に必要な種を撒き、

自分の言動によって、その種を開花させ、学びを得る、

という二元性の原理の働きによるものです。

土星は、二元性(物質次元の理)を象徴する天体ですので、

自分にとっては他者を悪役という演者に、

他者にとって自分を悪役という演者に仕立て上げる、という凝った演出を仕込みます。

これを一般的に「カルマ(業)の法則」や「鏡の法則」と呼びます。

1回目のサターン・リターンでは、

双子座の意識は、他者との関係性を築くことに抵抗感や苦手意識があることに気づき、

その根本は何であるかに関係なく、

実際に他者と対話をすることで生まれる価値に気づくことが重要になります。

なぜなら、双子座が求める「繋がり」や「発展」は、

人を介して運ばれて来ることを悟らなければ、双子座の意識が成熟することはなく、

太陽や月にエネルギーを還元することができないからです。

特に、1回目のサターン・リターンの時期は、

自分本位な言動によって、周囲との関係性に不調和を生みやすく、

「犯人捜し」や「原因探し」によって、問題を生み続けている構造を理解するに至りません。

もし私たちに心が無ければ、

人はどのような振る舞い方をしても、言葉の選び方をしても、

罰せられることも責められることもないのですが、

私たちには理性(知性)も心も、そして、意識も持っています。

ですので、双子座の意識は、

「自己理解」とともに、「他者に対する理解」を自覚する上で、

個性を肯定・評価される前に、

自分がどんな意識を以って他者に接し、この世界で生きているのか、

ということに気づく必要があるのです。

2回目のサターン・リターンでは、

成熟した双子座の意識によって、

「人に教えること」や「人を導くこと」に力を注ぐことが重要となります。

なぜなら、土星が位置するサインは、

「指導者」や「導き手」としての意識へと自我意識を変容させるからです。

「言霊」という概念と働きがありますが、

それは言葉を器に、意識から発せられるエネルギーを発動させる原理を指します。

双子座の象意である「言葉」や「対話(コミュニケーション)」は、

相互関係における、エネルギーの交流をする際に、

自分がどのような意識状態であるかで、

選ぶ・発する言葉も態度も変わり、そして、他者への影響が変わることを示します。

3回目のサターン・リターンでは、

土星の象意である「積み重ねること」の表現として、

他者との健全な関わり合いや厚い絆を持つことが重要となります。

数と質が両立されるのが理想ですが、

その時々に互いが必要としているエネルギーや、与えることができるエネルギーが異なりますので、

その時々の出来る限りの誠意を見せるのみです。

土星は、人生の後半に、「人生が充実であること」を体験させるために強制力を働かせます。

3回目のサターン・リターンでは、

人生で時間と労量をかけてきた事柄に関しての「自らの行い(業・カルマ)」の回収がされますが、

1回目と2回目のサターン・リターンを経て、

改心と創造性の発露を腑に落としている場合、

自分が歩んでいた人生にどれだけの「創造価値」や「影響力」、

そして、「他者との関わり」があったかを振り返ることになるでしょう。

蟹座で起こるサターン・リターン

蟹座で起こるサターン・リターンの意識は、

「受容性」についての葛藤を経験します。

まず、土星は、蟹座でデトリメント(弱体)の品格/品位を持つため、土星の働きが弱まります。

蟹座のルーラーは月であり、月と土星はともに、「心の闇」に関わりがある天体です。

土星は外郭、月は内部にそれぞれ対応し、

土星の強制力は、自我意識や心の内部に入ることで、本来的な強制力が鈍ります。

鈍るのであって、緩和されるわけではありません。

蟹座は「情愛」や「絆」を大切にする意識で、

家庭や家族、先祖との関わりと絆について、強い関心と欲求を持ちます。

これが「依存心」や「同調圧力」に転じる時、自分と相手は束縛的なエネルギーで繋がれます。

このエネルギーは、端から見れば「重いエネルギー」なのですが、

特定の場面や状況においては、結束力となり得ますので、一概に害悪であるとは言えません。

1回目のサターン・リターンでは、

「自分と家族の一体化」の状態から、自立を促されることで、

疎外感や失望感を味わうことで、意識変化が起こりやすくなります。

逆に、家族や家庭との関係性が希薄だった場合に、

太陽期の中盤になって、実家に戻ったり、家族との関わりに向き合うことになったり、

介護や家の管理などを任されることになったりと、

自分の人生のルーツに立ち返ることで、

家族や家庭、先祖を含めての自己理解を進めることになる場合もあります。

重要なことは、役割や立場、出来事そのものを受け入れることです。

言葉で言うよりも、実際に経験をすることは何倍も何十倍も大変なのですが、

自分に与えられた役割や人生を生きることができるのは、自分自身だけですので、

どんなに逃げようと、口実を考えようと、

目の前に用意され、受容すべき現実が存在することは変わりません。

そのため、自分自身が一体何者で、愛情や絆とともに、

強い期待や執着心、依存心などを感じながら、

どのような振る舞いや生き方をしていくべきか、といったことに

葛藤・苦悩を抱きながら、それまでの生き方を転換させざるを得なくなるのです。

2回目のサターン・リターンでは、

「受け取る立場」から「与える立場」へと、

または、「手を出す役割」から「見守る立場」へと、

自分の在り方や周囲への関わり方を深く見つめ直すことが促されます。

どのような動機・意図があるにしろ、行動と結果によって、人の印象は変わります。

では、何をすべきかと言いますと、「自分で自分に安らぎを与えること」が重要です。

安らぎは、自給自足で生み出すことができますが、

それができるのは、他者や物からエネルギーを奪おうとする意識ではなく、

何を持たずとも、あらゆる概念と観念を外して、

まるで瞑想状態のように、意識を鎮め、身体の緊張を解き、心を静かに見つめ、

周囲にどれほどの恩恵があるかに気づくことで、

安らぎが至るところにあることを感じることができます。

3回目のサターン・リターンでは、

「周囲から大切にされる体験」と「変化を受け入れること」が重要となります。

蟹座は、牡牛座以上に「安らぎ」や「住まい」に関して、強い関心・執着を持ちます。

老年期は、どんな生涯を送ってきた人であっても、他者の手を借りることになります。

それは再び、赤ちゃんのようにお世話をされる体験を意味しますが、

人は生老病死という宿命に沿って生きていますので、

自分の状態と周囲からのサポートを受け入れることが重要です。

土星と月、また、山羊座と蟹座は、

本質的に「大切なもの(人)を守ること」のためのそれぞれの役割を果たします。

物事は変化し続け、季節は巡り続け、

人の一生も起承転結をつけながら、その時々の状態を受け入れることは、至極自然なことです。

物質的・肉体的な衰えや喪失は、

私たちにとって耐えがたい苦しみや哀しみを与えますが、

それは執着や囚われの解放であるとともに、愛情や絆を認識する転機にもなります。

私たちは誰でも、どのような人生のステージにいても、

「根源的な安らぎ」を求めながら生きています。

その時々によって意識が向かう対象は異なりますが、

私たちは蟹座を通して、また、土星の働きかけを通して、

「安らぎを体感(体験)するため」に、

喜びと葛藤という対極を体験していることを、深く味わうことが重要です。

獅子座で起こるサターン・リターン

獅子座で起こるサターン・リターンの意識は、

「自己信頼」についての葛藤を経験します。

まず、土星は、獅子座でデトリメント(弱体)の品格/品位を持つため、土星の働きが弱まります。

これは、古典的な解釈・概念で、土星が水瓶座のルーラーであることで、

真正面の獅子座に位置する時、土星の強制力が弱まるためです。

獅子座は、「自己信頼」や「自己肯定」をテーマとし、

「自愛」によって「創造性の源泉と繋がること」を強調するサインであるとともに、

「自分の人生を生きる実感」をもたらします。

土星が獅子座に位置する時、

後天的に自分自身と自分の人生に自信と肯定的な意識を持つために、

敢えて、「自己不信」や「欠乏意識」を体験させます。

蟹座の項で、「人は何を持たずとも、

自給自足で安らぎを感じることができる」ということをお伝えしましたが、

獅子座の場合は、「誰に認められなくても、自分が自分自身を認めることで、創造生を発揮することができる」

という自我意識の変容が必要になります。

そのため、1回目のサターン・リターンでは、

自分の選択・決断に自信が持てない状況を体験することになります。

このような体験は、

「認められたい対象は、自分自身だった」という気づきを与えるためにあります。

自分自身を受け入れ、認めることができる人は、

自分の人生を受け入れることができるようになるだけでなく、

他者を受け入れる度量を育てるとともに、

他者に対する影響力を高めていくことができます。

自己肯定(自己受容)は、

自己不信の体験を経て、自己信頼となり、自愛によって培われるもので、

自分以外の人を頼ることはできません。

そして、他者を頼り続ける限り、創造性は発露されず、

常に誰かに照らされていないといけなくなり、内なる太陽の顕現は先延ばしになります。

2回目のサターン・リターンでは、

土星期が始まると同時に、それまでの半生を振り返り、

自分の役割や立場、影響力と、人生の流れを鑑みて、

これまでと同じ生き方や在り方を貫くのか、

それとも別の道を選んだり、他者を応援する側に回るかなど、

その後の人生の生き方を考える時期になります。

太陽期を既に終えてしまっていても、

太陽の影響力は、人生を通して発揮され続けます。

ただ、身体的な理由や状況によって、常に前線に立つことを止め、

臨機応変に、瞬発的に自分の能力や才能を使う、

という器用さを活かすことができるようになります。

そして、3回目のサターン・リターンでは、

他者や社会に対する影響や貢献、実績はもちろんですが、

自分が自分自身を誇りに思える人生を送ったかどうか、ということに意識が向かいます。

時間に可逆性はなく、時間を巻き戻すことはできませんので

、常に「今の私に何ができるか?」ということを考えながら、老年期を過ごすことになるわけですが、

3回目のサターン・リターンでは、他者の内なる太陽を引き上げる意識が重要です。

生命の連鎖性は、途中で誰かが抜けた途端に、継承・繁栄が止まってしまいます。

もちろん、抜けたポジションに他の誰かが入る、ということも考えられますが、

主体的な選択かどうかによって、「自分がもたらす影響」という観点において、

納得しないままに事を終えてしまうと、後悔の念が残ります。

人が一生を終える時、「やらなかった後悔」が最も強い執着になると言います。

先ほどお伝えしたように、時間に可逆性はありませんので、

反省や後悔をしても、事実を覆すことも、

過去の出来事に対する記憶や感情、事実を消すことはできません。

ただ、改心することで、今の選択を変えることができます。

獅子座のサターン・リターンは、

自分の人生に対する自由と責任を両立する上で、

自己信頼によって自己肯定を達成することが必要不可欠であることを教えるのです。

乙女座で起こるサターン・リターン

乙女座で起こるサターン・リターンの意識は、

「健全な生活の実現」についての葛藤を経験します。

土サインである牡牛座・乙女座・山羊座に土星が位置する時、

土星が持つ統制力はスムーズに働きます。

乙女座に土星が位置する時、

就労や健康、生活習慣の不健全さを正すことを促されるのですが、

この働きが真に向けられる意識は、「献身さ」や「正義感」、「自己の扱い方」です。

乙女座は、牡牛座と山羊座と同様に、

誠実さや真面目さ、繊細さなどの性質を持ちますが、

それらに加えて、他者に対する気遣いや貢献、献身などに関する強い関心と価値観を持ちます。

その意識によって、過労や神経症、神経衰弱などを生じる恐れがあることを

体験的に学ぶことで、

他者に現実的・建設的な配慮と対策案を提示し、導くことが、

乙女座のサターン・リターンで自覚する能力や技術となるのです。

そのため、1回目のサターン・リターンでは、

自分の生活習慣や働き方を真剣に考える機会(苦境)を得て、

「自分を労わること」の重要性を学びます。

「三方善し」という言葉がありますが、

他者の良い思いをさせるだけさせておいて、

自分は自己犠牲の精神で不満足な状態にさせておくならば、

全体で考えた時に不調和が起こります。

自分のキャパシティを踏まえ、

他者の主体性を奪ってしまわないことも、土星が教える「優しさ」です。

2回目のサターン・リターンでは、

無理ができなくなってきたことを受け入れ、実際に健全な暮らしを実践することを促されます。

なぜなら、他者に影響を与える当人が不健康で、

不健全な意識で日々を過ごしていても説得力が無いからです。

そして、3回目のサターン・リターンでは、

それまでの人生の過ごし方で築かれた心身の状態で、

他者の心の拠り所になったり、アドバイザーとなったりと、

現実に直結した支援を間接的に行いながら、穏やかな生活を過ごすことを促されます。

乙女座は、純粋に生命の営みを全うすることを重要視し、

自分だけではなく、関係を持つすべての人に献身性を示します。

この素晴らしい献身性は、

自分自身を労わることの重要性を知り、

周囲との調和の関係性を築くことができてこそ発揮され、

徐々に周囲に「健やかに生きるための秘訣」と、

「助け合いながら生きることの喜び」を伝えていくことになるのです。

天秤座で起こるサターン・リターン

天秤座で起こるサターン・リターンの意識は、

「パートナーシップ」についての葛藤を経験します。

天秤座は、「喜びを分け合う」という意味で、

他者との調和的な関係(パートナーシップ)に強い意識を向けさせるサインです。

天秤座のルーラーは金星で、牡牛座とは異なり、

物ではなく人に対する期待や執着だけでなく、

自己認識やセルフイメージに関して、客観的な視点で捉え、

普遍的な価値基準や常識に沿い、敵を増やさないように努める意識を与えます。

そのため1回目のサターン・リターンでは、

ライフパートナーとなる他者を迎える・探す・見つけることに意欲的になります。

本講座では、「特別な他者」や「出会う人はもれなくソウルメイト」という表現をしていますが、

人にはそれぞれ優先度や重要度があり、

パートナーとなる他者は、社会的な信用を得るための契約者ではなく、

人生を通して苦楽を共有する経験のために求める人物であると考えられます。

パートナーを持つということは、初めて家族や家庭以外の他者を人生に引き込むことであり、

新しい縁起・カルマ・創造が生まれることを意味します。

そのため、陽の部分も陰の部分を、

互いに見せ合い、認め合い、修正し合うといった、創意工夫によって、

互いが持つ性質(凸と凹を)を擦り合わせることで、

喜怒哀楽を余すところなく味わうことができます。

続いて、2回目のサターン・リターンでは、

既に築かれたパートナーシップの見直しや再構築の時期を迎えます。

壮年期は、過去の振り返りとともに、過去の清算が進みますので、

互いに言えなかった本音を伝え合ったり、今後の人生の歩み方をじっくりと話し合うことで、

より善い関係性を育むことができる可能性や転機を有効活用すべき時です。

3回目のサターン・リターンでは、

生老病死のうち、最も哀しみが深い「喪失」の体験ですが、

パートナーとの離縁や死別、介護などで、それまでの関係性が急変する時期を迎えます。

究極的な受容は、大切な人を失う経験を時間をかけて受け入れることです。

また、それは自分自身の寿命に対しても同様で、

意識がハッキリとしているうちに、死から目を背けるのではなく、

しっかりとパートナーと一緒に現実と内面を見つめることの重要性を、土星は教えます。

今回は、パートナーシップについて解説しましたが、

ビジネスパートナーとの関係性についても、

契約の内容の修正や契約終了、パートナーが変わるなど、

「関わる他者」がもたらす大きな変化を受け入れ、

重要な選択・決断を求められることが暗示されるのが、天秤座でのサターン・リターンです。

土星は、有限性(時間)を象徴しますので、

タイムリミットが訪れたなら、「ダメなものはダメ」と、現実を直視するように促します。

特に、個人事業や自営業の場合、提携する相手方の関係性を見直すとともに、

必然的に価値観のアップデートが必要になります。

蠍座で起こるサターン・リターン

蠍座で起こるサターン・リターンの意識は、

「自己変容」についての葛藤を経験します。

蠍座と土星の組み合わせは、

火星と土星、もしくは冥王星と土星の組み合わせ、という風にも捉えることができます。

これら3つの天体は、すべてマレフィック天体(凶星)で、

火星と冥王星はともに、内面に莫大なエネルギーを溜め込み、衝動的に噴出するか、

もしくは、狙って放出するかという、極端さと影響力の強さを持ちます。

そのため、蠍座で起こるサターン・リターンは、

内外問わずに、変容のエネルギーを放出し、周囲を巻き込むことが場合があります。

1回目のサターン・リターンでは、

不明確な衝動や不活性のエネルギーが内面で高まり、

心がそのエネルギーに引っ張られ、不安定な状態になり、

この状態を解消するために、それまでとは違う分野・技術・思想・活動に傾倒し始めます。

蠍座が持つ莫大なエネルギーは、

自分でも把握し切れず、コントロールできないところがあり、

自分だけの禁忌(タブー)や地雷を刺激されないように、

ポーカーフェイスを装い、他者のマインドを見通しても、

自分は心を閉ざす性質を持ちます。

そのため、信頼できる人がいれば、心の内を明かしますが、

そうでない場合は、誰にも苦悩を打ち明けないまま、

内的葛藤や紛争を生き抜くことになります。

同じ水サインの蟹座や魚座とは異なり、

「同情」や「同調」ではなく、「融合」や「一体感」を重視するため、

真に理解を示すことができる相手でない限り、

蠍座の意識は、相手を自分のエネルギーで傷つけてしまわないか、ということを恐れ、

他者への影響を最小限に留めようとします。

土星はこの意識を否定するどころか、

忍耐を以って自己変容を遂げるよう支援します。

また、2回目のサターン・リターンでは、

自己変容を昇華した人にとっては、

自分の専門分野や専門的な能力を発揮し、活躍する場所を広げていき、

継承者に値する物の教育に専念する時期を迎えますが、

自己変容が不完全のままにした人にとっては、

内面で腐敗したエネルギーを浄化・清浄化することに労力を費やすことになります。

感情やエネルギーは、然るべき時には停滞する必要がありますが、

そうではない場合、不純物の濃度が高まっていくことで、

内面に穢れ(けがれ)とも呼べるような、負のエネルギーが塊となり、心に不調和をもたらします。

そういった負のエネルギーは、正のエネルギーと同様に、

無意識的に外へ放出され、他者や周囲に影響を与えますので、

内面の状態を知る際には、内観や内省も大切ですが、

周囲の状況や出会う人、現在進行形で起こっている事象の傾向などを洞察することも大切です。

2回目のサターン・リターンは、

「他者貢献・社会貢献=自己実現」という方程式を実現しやすい年齢ですので、

これまでの学びを追求し続けるとともに、次世代の育成にエネルギーを注ぐことになります。

そして、3回目のサターン・リターンでは、

「死」がどんどん近づいて来ている現実と感覚を受け入れ、

「生」の感覚を大切に味わうことが重要になります。

蠍座と、土星の蠍座でのサターン・リターンは、

8ハウスの「死」と「自我意識の喪失と再生」のテーマと完全にリンクします。

土星の働きが蠍座を通して経験されるということは、

「死」を自分事・普遍的な摂理として捉え、また、受け入れ、

実際に大切な人を看取る経験や、

自分自身の人生の回顧と肉体からの脱却について、深く洞察するとともに、

物質的な物事に対する執着を解放していくことで、

内面に蓄積され続けてきたエネルギーを放出させながら、

人生と世界との調和を感じる時間をより多く持つことが重要となるのです。

射手で起こるサターン・リターン

射手座で起こるサターン・リターンの意識は、

「自己追究」についての葛藤を経験します。

射手座のルーラーは木星で、木星と土星はともに社会天体であるがゆえに、

「人の上に立つ者の人格」を教える天体です。

そのため、土星が射手座に位置する時、

「自分自身が自分にとっての師」となり、より善い現実創造を体験する意識が生まれます。

1回目のサターン・リターンでは、

それまでの自我意識が握りしめてきた(囚われてきた)あらゆる概念や観念に限界や疑問を感じ、

視界と視野を広げる目標や指針を強く求めるようになります。

それは、自己卑下のためではなく、

自分に与えられた役割や役目を追究するためであり、

生涯を懸けて、自分自身を高める分野や活動に身を投じようとする、強い意識です。

私たちは誰もが、何かしらの「思い込み(信念)」や「教育(洗脳)」を受け入れて育っていますし、

現在進行形で、採用し続けている概念や観念を内面に抱えています(掴んでいます)。

国や地域によって、それぞれ文化・風習が異なり、

その場には特有のエネルギーや集合的無意識があり、

そこに暮らす人を守るとともに、縛っています。

こういった世界の実情を直観し、もっと自分自身に興味を持ち、

世界から智恵を受け取ろうとする意識が、土星の働きによって生まれるのです、

2回目のサターン・リターンでは、壮年期において、

更に心が成熟するとともに、「本質的な在り方」を追求するようになります。

木星と土星は、「人に教えること」に責任感と喜びを感じさせる天体ですが、

それは、無学者や無知なるものに知識を手渡すのではなく、

人生経験や見聞などを含めて、机上の学習ではなく、

「記憶に残る影響力と智恵」を差し出すことに意義があります。

人によっては、ある時期に巡り合った師によって、教育者や研究者を志す人もいるでしょうし、

現状に行き詰った人に方向転換の機会やキッカケを与える人もいるでしょう。

2回目のサターン・リターンは、

他者への施しを通して、自分自身に本質的な在り方や意識の整え方を学ばせる機会を得る時期です。

そして、3回目のサターン・リターンは、

それまでに蓄積された体験や智恵を自分のものだけにするのではなく、

周囲や次世代の人々に明け渡していくことで、

もっと探求をしたかったいう思いを託しながら、

外面の世界を冒険することを止め、内面の世界の探求に没頭していきます。

もちろん、内面を見つめながらも、

日常生活にある、他者や環境との関わりを楽しみ、

高尚な教えや表現ではなく、もっとシンプルで、伝わりやすい言葉で、

自分の思いを表現していくことを改めて噛み締め、

長年「探し求めていた真実」が、

内面にも、自分の生きる場所の至るところにも遍在していることに気づきます。

これは、内と外の両方に意識を向け、

頭や心だけでなく、身体も使ったからこそ、

限界を受け入れ、我欲や執着、後悔などを解放した時に訪れる悟りであり、

「自己追究」が「自己超越」に転換される感覚と言えるでしょう。

この感覚は、激しい躍動感や臨場感、高揚感ではなく、

静かな、だけれど、底の知れない感動を伴った至福の境地であり、

土星が導いてきた学びの到達点にある安らぎ(慈しみ)の心です。

山羊座で起こるサターン・リターン

山羊座で起こるサターン・リターンの意識は、

「自己証明」についての葛藤を経験します。

まず、土星は、山羊座でドミサイル(定座/盛)の品格/品位を持つため、土星の働きが強まります。

土星と山羊座は、物質世界の統治と維持のために、

綿密な計画と実際的な行動を促し、

結果・成果まで忍耐と意志を貫くことを学ばせます(体験させます)。

山羊座の土星によるサターン・リターンは、

ある種、「選ばれた者の役割」を全うするために体験すべき

「現実の壁」と「自分の不甲斐なさ(実力不足)」を痛感させます。

何の不安要素も障害も無く、自分の思った通りに事が運ぶことはほとんどありません。

誰もが思い描いたことを試すものの、

跳ね返され、拒絶され、結果的に軌道修正を余儀なくされる体験をし、

その体験を転機として、本来的に自分に求められている物事が何かを模索し始めます。

1回目のサターン・リターンは、

人が経験し得るあらゆるライフイベントを経験しようとし、

短期的な目的を1つひとつ叶えていくものの、

社会には圧倒的な実力者や優位に立つ者たちがいて、

物質的な豊かさと精神的な安らぎを得るにはどうしたらいいのか、と葛藤します。

蟹座と山羊座は、

根底に「守るべきもののために身を挺(てい)して生きること」を自然とやってのける性質を持ちます。

山羊座の土星は、「立派な人」や「評価・名誉を得るに値する人」といった、

レッテルや肩書きと、実際の功績が両立することを求めます。

そのため、1回目のサターン・リターンに抱く葛藤や苦悩は、

自我意識の枠を強制的に広げ、人が見ていようと見ていまいと、

その時々に考え得るあらゆる行動を取るバイタリティを発揮します。

人によっては、失敗や挫折が転機となって、

目上の人からの助け舟があったり、師と仰ぎ、敬愛する人との出会いがあったりすることで、

表層的な目的意識が打ち砕かれた後に、人生の再構築が行われる時期となるでしょう。

「人生に失敗は無い」と云われますし、

「挑戦し続ける限り成功している」とも云います。

山羊座でのサターン・リターンは、

実現するまで挑戦し続けることは、生き続けることであり、成功し続けていることを意味し、

長期的なスパンで人生と日常を俯瞰して捉えることを教えます。

2回目のサターン・リターンは、

それまでに積み上げてきたキャリアや人生プランの進捗状況を振り返り、

「犠牲」や「拒絶」によって体験しなかった事柄に意識を向ける時期です。

「不要な苦労」は不必要ですし、

「過剰な効率重視」の生き方は、逆に遠回りになり、チャンスを逃すことにもなります。

壮年期からの生き方は、じっくりと丁寧に物事を進めることは変わりませんが、

加えて、意識を全方位に開くとともに、

あらゆる可能性が必然のタイミングで働くように、

人・モノ・金・情報・場所などを最善の形で配置・分配することが重要と言えます。

なぜなら、物事は流れに沿って変化・発展をし、

そこに我欲や所有欲は障害となるため、流れを加速させるか、ま

たは、停滞を解消するかといった視座の高い判断と意思決定が、より善い環境や関係性を生むからです。

3回目のサターン・リターンは、

循環の流れとしての「栄枯盛衰」と、

個人の流れとしての「盛者必衰」を受け入れる時期です。

自分が築いてきた成果は、知識や技術と同じで、

必ず誰かの援助があってこそ達成できたように、

今度は自分が、誰かのための助け舟を出す立場を担うために、

玉座から降りることもまた、自分自身と社会のためになります。

季節や植物のように、勢いや活力があるうちは伸び伸びと育つことが仕事で、

その後は枯れて、養分になることが摂理であり、仕事です。

物質性を象徴する土星と山羊座は、

物事の移り変わりを受け入れることを最後の課題とし、

誠実に生きてきた自分に対して、やっと素直に褒め讃えることができるのでしょう。

水瓶座で起こるサターン・リターン

水瓶座で起こるサターン・リターンの意識は、

「自己変革」についての葛藤を経験します。

まず、土星は、水瓶座でドミサイル(定座/盛)の品格/品位を持つため、土星の働きが強まります。

水瓶座は、物質性と精神性の両立を意識し、

社会的な責任を果たしながらも、

信用実績だけではなく、信頼実績を積み重ねることを促すサインです。

そのため、水瓶座でのサターン・リターンは、

求められることに応えるだけではなく、新しい創造価値を作り、

自分の特性と他者の特性に敬意を払いながら、

社会活動と調和的な生き方の実現のために、

既成概念や自分の中にある限界を破る意識が生まれるとともに、内的な葛藤を体験します。

1回目のサターン・リターンは、

型にはまることを社会から求められる一方で、

型から逃れたい欲求が内面で生まれることによって、

堅実的な方法で、且つ、自分にしか実現できない自己実現は何か、を考え始めます。

水瓶座はよく、「天才性」や「非凡性」といった言葉で語られますが、

これらは水瓶座の専売特許ではありません。

水瓶座は、土星と天王星の2つの天体からエネルギーを供給されることで、

アンビバレント(相反する)状態や状況から、

創造性を発揮する性質が顕著に表れるからです。

そのため、太陽期の中盤から後半にかけて、

または、火星期移行において、

社会という実体が無いけれど、確実に影響力を持つ権威的・集団的な圧力を掻い潜りながら、

達成すべき志を明確にすべく、様々な分野や情報、人脈に触れ、自己改革を進めていきます。

また、2回目のサターン・リターンでは、

過去に志した目的や目標、理想に対し、どれだけの成果や変化を実現できたかを振り返る時期になります。

振り返るだけでなく、次なる発展と、次世代との関わりと継承を進めながら、

今の自分にとっての重要な関心事にエネルギーを投じていくことが重要です。

それは、社会活動であれ、エンターテイメントであれ、新たな活動であれ、

コミュニティを立ち上げるにしろ、年齢や性別、国籍を問わず、新たに仲間や同志を募るにしろ、

その時の時代と内的欲求に準じた選択と決断、そして、行動を起こすことになるでしょう。

そして、3回目のサターン・リターンは、

「友人愛」や「博愛の精神」を最も重視し、自分の経験を出来る限りシェアする時期です。

世代の違いも価値観の違いも、生きる時代と場所を共にしている限り、

対話と学びを深めることができます。

水瓶座の土星は、一人ではできないことを、他者やコミュニティと連携し、

共に理想や目標に向かっていくことの大変さと喜びを噛み締め、

規模の大小に関わらず、「歴史」や「記憶」、「思い出」を作りながら、

人との出会いと別れを受け入れ、今の自分を祝福することを求めます。

誰か一人の天才や奇才が世界を変えることはありません。

誰もが自分の中に天才性を持つだけでなく、

悪魔性や天使性、神性や仏性、何より、創造性を宿していることを思い出す。

その感覚を分かち合い、認め合い、尊重し合うことが、

水瓶座の意識にある現実創造の目的であり、

水瓶座のサターン・リターンは、友人とともに、この感覚に共感・共鳴することに、強い喜びを感じるのです。

魚座で起こるサターン・リターン

魚座で起こるサターン・リターンの意識は、

「現実を生きること」についての葛藤を経験します。

古典的には、魚座のルーラーは木星と海王星で、

現代占星術では、海王星が前面に押し出される傾向がありますが、

木星の象意である「大らかさ」や「善意」、「献身性」は、

魚座の意識を成り立たせる重要な要素であることは事実です。

水サインの中でも、魚座は、非現実性に最も高い親和性を持ち、

明確な方法や手段、目的意識を持たない場合、

空想的・妄想的・逃避的な考えに傾倒してしまいます。

ネイタルチャートの配置にも依りますが、

魚座自体の意識や象意は、潜象的・非現実的な意識を象徴します。

そのため、魚座でのサターン・リターンは、

「現実を生きること」や「生きている実感」に対して、逃避や拒絶といった、

否定的・悲観的な感覚や感情、境地を体験し、

現実と健全な関わりを持つことができない体験をもたらします。

1回目のサターン・リターンでは、

現実に幻滅することや、自分を支えてきた思想や信仰、精神性が揺らぎ、

強い動揺と自信の喪失を体験することになるでしょう。

これは、現実もサターン・リターンを迎える本人も良くも悪くもなく、

ただ、内面の世界と現実の世界には、埋められない差があることを目の当たりにしてしまう、

という発見と絶望を意味します。

とはいえ、肉体を持って生きている限り、私たちは物質的な世界で、

物質的な価値によって生かされていることを否定することはできません。

魚座の意識が揺らぐ場合、

対極のサインである乙女座の意識である、現状と全体像の把握、

そして、自分の役割を果たし、肉体と精神の調和を計ることを意識することが重要です。

いくらスピリチュアリティ(精神性)が高くても、

身体が不健全で、まともに他者と会話ができなかったり、

現実的に喜びを感じられる手段を持っていなければ、厭世的な生き方をするしか生きる道はありません。

そのため、現実も自分自身も否定せず、「信じ込む」という思考と選択を手放し、

「今を生きるために必要な事柄」に集中することが重要です。

2回目のサターン・リターンでは、

自我意識の喪失と再構築の経験後に培ってきた経験を振り返り、

健全な精神世界の探求や真理探求を志し、

内面世界での現実と理想の調和だけでなく、現実世界で生きることの喜びを追求することが促されます。

そこで、「スピリチュアルリーダー」や「グル」、「伝道師」などの著名人との関わりや出会いが訪れることもありますが、

「他者の真実」を「自分の真実」として置き換えないことが重要です。

あくまで、「自分の真実」や「独自の真理の解釈」は、自分自身が決めるべきことで、

社会的な洗脳と同様に、

集団化し、宗教化したスピリチュアリティの影響に対しては、境界線を引く必要があります。

特に、魚座と海王星は、

「境界線を超える性質」や「境界線を外す(融かす)性質」を持つとともに、

共感や同調によって、強いエネルギーに感化され、外圧に負け込んでしまう場合があるからです。

そして、3回目のサターン・リターンでは、

「清濁併せ呑む」という意識を超えて、

あらゆる物事を肯定し、受容する母性的・慈愛的な境地で、人生と世界、自分と他者を眺め、

粛々と、丁寧に、淡々と、今日という日を生きることを祝福し、喜びを噛み締めることが促されます。

それは、意図して体現できる在り方ではなく、

期待も損得も置き去って、

五感を通して感じられる現実世界をありのままに感じる、

厳かで穏やかな心を自分の中に見つけることによって、

概念や観念、羨望や渇望ではない、本質的・本来的な内なる光を見出すことが許されます。

この場合、「許す」のは、私たち自身で、自分以外の誰かに許しを乞う必要はありません。

外面の世界と内面の世界は通じ合っていますが、

私たちが意識を添えるべきは、いつの時も内面の中心であり、

内面にある聖域の中心を感覚的に見つけることを、魚座の土星は促します。

ネイタルチャートの土星以外の、他の9つ天体のハウス・サインの配置もありますので、

上記に挙げたハウス別・サイン別の意味や象徴を、そのまま採用することはできない場合があります。

今回は、サターン・リターンのみに焦点を当てての解説ですので、

ネイタルチャートの読み込む際の参考にしていただければ幸いです。

また、トランジットの土星は、約2年半でサイン移動をします。

そのため、サターン・リターンの影響は、

前後1年を合わせて、おおよそ3年に渡って影響があると考えられます。

ネイタルの土星のサインの度数が初期であっても、終盤にあっても、影響を受けることには変わりはありません。

ただ、トランジットの土星に対して、

太陽や木星、金星が調和的な角度を取っている場合、影響の昇華が早まることもありますので、

実質的な影響の質や期間は、ネイタルチャートの天体の配置に依ります。

巷には、書籍や講座、インターネットの情報で、

一般的な解釈からテキスト的な知識が無数に存在します。

ですが、最後は、あなたの直観・感覚によって、

あなたが納得し、満足する解釈・視点・表現が、

あなたのホロスコープ・リーディングの精度を上げる、ということを覚えておいてくださいね!

土星は月を見守り、太陽の成長を見届け、月を迎えに来る

出生の前後から幼少期の期間は、月の年齢領域に相当するのは広く知られていますが、

本講座では、寿命を迎える頃に、再び月(無意識)が優位となり、

土星とともに、意識・魂を海王星が司る集合無意識へと送り出す、という概念をお伝えしています。

つまり、私たちの物質的な人生の始まりと終わりは、月と土星が司る、ということです。

また、太陽を「育てていく天体」という表現をしている理由は、

私たちが「オリジナルの目的意識」を見出すのは、人生の半ばになってから、だからです。

特に、火星期において、内面にあるエネルギーを外へ放出する過程で、

「動いた分だけ自分の正体を発見する時期」が訪れます。

人生の初期段階はもちろんのこと、心の成熟が未発達である場合や、自分自身に無関心である間は、

年齢に関係なく、「内なる太陽の発現」は成就しません。

表現を変えますと、

「自分自身を喜ばせること」も「自分自身の人生に責任を持つこと」も全うしない限り、

内なるの太陽は、自分自身に肯定されないことで、

外面の世界に輝きを発することができず、

この状態は、土星からの要請を拒否していることを意味します。

「年齢は記号」という表現がありますが、こういった表現ができるのは、

当人が「内なる太陽の発現」に成功している場合が多いでしょう。

なぜなら、生まれた環境や個人の性格、先天的に与えられた役割などの

宿命などを受け入れてからが、真の人生がスタートするため、

常識や社会通念といった偏った概念や観念と、

個人的な否定的な思考や感情で我を見失っている間は、

自分を活かし、自分を愛し、自分を尊ぶことができないため、時

間が消費されていくことを止める気力が湧かないからです。

月は、「か弱い心」の象徴であるとともに、「傷を請け負う器」でもあります。

また、土星は、苦手意識やコンプレックス、トラウマ、心に巣食う闇などをもたらす天体ですが、

実は、土星は月と連携して、複雑な心の構造を成り立たせています。

幼少期は、周囲の大人に反抗することは許されず、

嫌悪や憎悪を抱きながらも、必然的に周囲からの影響を吸収してしまいます。

もちろん、肯定的な影響も吸収しますが、この世は「重力」によって成り立っています。

月と土星はともに、「重力」と「時間」を司りますので、

人生の初期段階で起こった出来事の伏線回収は、人生の半ば~後半にかけて行われるため、

早い段階で自分自身と自分の人生に見切りをつけるべきではありません。

なぜなら、土星の年齢領域は57歳以降から始まり

本当の意味で、「自分を活かす体験」をすることが許されるからです。

また、人は「感情・情動で動く生き物」ですから、

何歳になっても、心の在り方1つで、自滅の道に進む可能性があります。

そのため、土星は月(心)を見守り続けますし、私たちが内面に立ち返るまで忍耐強く待ち続けます。

ですから、宿命としての与えられた環境や自分の個性を明らかに見るとともに、

現実という運命は、意識の在り方と心の在り方によって、選択の余地があることに気づき、

自分自身を理解し、信頼し、そして、肯定することが、誰の人生にとっても最重要事項と言えます。

土星は、「実現の星」や「試練の星」、「カルマの星」と呼ばれますが、

これらの言葉で形容される理由は、土星が太陽系の「監督官」のような働きをするためです。

状況によって、「見られる立場」としての心境は、監視されているように感じてしまいますが、

後々、見守られていたことを実感することもあります。

土星は、サターン・リターンを1つの大きく、分かりやすい目印(転機)として、

「自分のために生きること」が、「世界のためになる」ということを教える天体です。

本講座では、繰り返し、

「バタフライ効果(エフェクト)」や、

「ミクロコスモスとマクロコスモスの連動性・相似性」という表現をお伝えしています。

あなたがこの世に生まれた理由は、あなたが望まれたからですし、

今もあなたが生かされている理由は

あなたが生きていることで生まれるエネルギーが、大宇宙に必要だからです。

土星は、物質文明や社会構造の枠組みやルールだけではなく、

精神性や魂、意識の成長・進化のために、人類が持つ共通認識と集団意識に関与しています。

また、月と海王星と連携することで、

個人の無意識と集団的無意識との繋がりを成り立たせていますので、

私たちにとっての土星は、父性の権化のような存在と言えるのです。

自分の人生を見定める勇気と誇りを持つことが重要

現在では、昔に比べて、

「自由自在に人生を選ぶことができる」や、

「私たちは創造主である」といった表現を見聞きする機会や場面が多くなってきました。

ですが、そういった表現ができることと、その表現を体現することは別のことです。

また、「私はあなた・あなたは私」という概念・観念は、

物質世界が分離を体験するための世界であるため、

二元性の原理を超越していない状態では、ただの空想・空論になってしまいます。

すべての人が「1つの源」から生まれ、

敢えて、個の存在として分離しているのが実情であるならば、

「個としての私(あなた)」を悲観視する必要も、否定する必要もありませんし、

自分を生きる(体験できる)間は、自分の意識と心の在り方に集中することが最重要課題です。

また、それが全体への貢献にもなります。

調子の良い時も悪い時も、楽天的な概念・観念を適用・採用できるほど、

私たちの心は未だ成熟し切っていません。

辛い時や苦境に立たされている時ほど、私たちは藁をもすがりたくなり、

外側へと意識を向け、自分自身には力が無い、と思い込みます

そのため、「与えられた人生=自分の魂が体験することを望んだシナリオ」であるならば、

誰かの成功法則や個人的な哲学・思想を引き入れるよりも、

自らの内面と向き合い、対話を重ねることの方が重要です。

これは、スピリチュアリズムを否定しているわけではありませんが、

現実逃避の方便として、高次的・神秘的な領域を引きずり下ろすことでは、

私たちの人生は好転するどころか、

自分を見失ってしまう恐れに対して、警鐘を鳴らす意味でお伝えしています。

歴史が繰り返すのは争いだけではなく、思想も同様です。

スピリチュアリズムや末法思想が流行り、持て囃されるのは、

国と国民が不安定な状況を体験し、

集団意識と集団的無意識に歪みが生じることで、

私たちの心に、「魔法」や「特効薬(秘薬)」、

「抜け道」が無いかを模索したくなる気持ちが生まれるからに他なりません。

とはいえ、限りなく奇跡に近いような現象や体験が存在することも確かです。

冥王星の水瓶座時代が始まる現代に生きる私たちは、

歴史を振り返りながら、自分自身の心を含め、

人の心が持つ性能や構造を知るとともに、

不確実で、不明瞭な思想や情報、概念に対しては、

深い洞察力を以て本質を見抜かなければいけません。

占星術の立場は、人が歩む人生には、自由意志の100%を現実化させることはできず、

かと言って、天体の影響の奴隷になってはいけない、という堅実なスタンスを貫いています。

このスタンスを否定し、拒絶する声ももちろんあるはずですが、

占星術はメジャーな意見をヒイキすることはなく、

原理をただ示し、その解釈を占断者に委ねます。

そこで、自分の人生の変遷を辿り、天体が伝える未来の人生を観る時、

月と土星が力になってくれることを強調したいと思います。

月と土星で人生のサイクルを知ることができる

繰り返しになりますが、月と土星は「時間」を司ります。

月は、心や無意識を象徴しますが、

太陽によって生まれる「変化の経過」を「光と影」によって、

地球上で「時間の概念と観念」をもたらします。

また、土星は、大きな規模・範囲の時間の概念と観念を管理・監督し、

私たちに、長期的な視野と現実創造のための鍛錬と忍耐を育てることを要求します。

進行(プログレス)の新月のサイクルと、進行の月のフェーズに加え、

土星のサイクルを掛け合わせることで、「私だけの人生の歩み」を知ることができます

なぜなら、約2年半毎にハウスとサインを変える進行(プログレス)の月と、

約7年周期のネイタルの土星とトランジットの土星の関係性は、

内的リズムと外的リズムの2つの判断材料を提供してくれるからです。

そういう意味では、誰もが固有の現実創造に取り組んでいますから、

有名人や著名人を持て囃したり、他者比較をすることで、

自分自身と自分の人生には価値が無い、と自暴自棄になる必要はありません。

それどころか、「自分の人生を生きる覚悟」と「自分の人生に喜びを見出す意志」によって、

私たちの月は満たされ、私たちの土星は微笑んでくれます。

是非、あなただけの人生のサイクルを知って、現状把握をした際には、一喜一憂したりせず、

過去に起こった出来事と、現在進行形で体験している出来事の両方に対して、

「今後、どのような伏線が回収できるだろうか?」という展望を持ってください。

あなたの宿命を肯定する意志と、運命を主体的に選ぶ意志が、

あなたの人生を包括的に豊かにし、

充実感と達成感で人生を全うするための経験値が蓄えられていくのですから。

サターン・リターン(土星回帰)とノード軸

月と土星は、私たちの人生のサイクルに多大な影響を持つことをお伝えしました。

ということは、土星は、月の感受点である、

ドラゴンヘッドとドラゴンテイル(ノード軸)との関係性にも

何かしらの意味があるのではないか、と考えてしまいますよね。

ドラゴンヘッドとドラゴンテイルには、優劣や善悪はありません。

ただ、ドラゴンヘッドは、「向かうべき方向性」や「挑戦すべきテーマ」、「未来」を表し、

ドラゴンテイルは「心地良さを感じる環境やテーマ」や「現状維持機能」、「過去」を表すとともに、

重力の働きで例えるなら、

ドラゴンヘッドは天、ドラゴンテイルは地のように、対極的な象意を持っています。

ノード軸は、太陽の軌道である黄道と月の軌道である白道の交点で、

月が昇っていく・北上し始める地点がドラゴンヘッド(昇交点)、

月が降りていく・南下し始める地点がドラゴンテイル(降交点)です。

土星は、幼少期に厳しい体験や苦手意識を与えることで、

過去に成長の糧となる錨(いかり)を降ろし、

自己認識や自己像を社会に出て破壊し、再構築することで、

人生が発展することを教える天体です。

そのため、ノード軸でホロスコープを二分する時、土星がどちらの感受点に近いかによって、

サターン・リターンで体験する社会的・身体的・精神的葛藤の質が変わります。

今回は、ネイタルの土星が、

ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルと同じハウス・サインにある場合について言及します。

ノード軸は、約19年で12サイン(ホロスコープ)を一巡します。

ネイタルチャートのノード軸に、トランジットのノード軸が重なることを、

ノード・リターン(ノード回帰)と呼びます。

ノード軸は、順行と逆行を繰り返し、

ホロスコープを時計回り(反時計回りに周り、約1年半でサインを移動します。

土星の約7年の周期を念頭に置いて、

トランジットの土星が、

ネイタルの土星とコンジャンクション(合)・オポジション(180度)・スクエア(90度)の配置を持つタイミングと、

土星の周期とその他の天体の年齢領域が重なります。

それに加えて、21歳頃に1度目のノード・リターンが、

中年の危機(30代後半~40代前半)を迎える38歳頃に、2回目のノード・リターンを迎え、

3回目のノード・リターンは、土星の年齢領域が始まる57歳頃に迎えることになります。

ノード・リターンは、年齢を重ねる毎に、人生の集大成を築くための意識を高め、

火星期以降から自覚し、実現しようとする「目的意識」をより明確にします。

そのため、ネイタルの土星とノード軸の関係性は、人生が進むにつれて、非常に重要と言えるのです。

土星がドラゴンヘッドに近い位置にある場合、

人生の前半において、苦難や苦境を体験するものの、

未熟な自分を見つめることから逃げなければ、

人生の後半(特に、2回目のサターン・リターン以降)で、

必然的な流れにおいて、与えられた能力と才能、

そして、人格を最大限に発揮できることが予想されます。

ただ、土星からの影響が無効化されるわけでも、

社会的な枠組みから外れ、自分本位で生きることが許されるというわけではありません。

あくまで、周囲や社会と協調関係を結びながら、

自分自身の判断と裁量で、自分の特性が引き出される機会に恵まれるようになっていくだけで、

例外的な立場が手に入るわけではないのです。

逆に、土星がドラゴンテイルに近い位置にある場合、

人生全般を通して、石橋を叩いて渡り、再構築を繰り返しながら、

また、前進するスピードを緩めながらも、着実な変化を起こします。

ドラゴンテイルは「過去」や「執着」、「障害」なども象徴し、

土星は「継承」という象意を持ちますので、

「縁」や「しがらみ」といった、

自分だけの都合ではない物事との決別や改善には、それ相応の時間が必要になります。

その他、ノード軸に対し、土星がスクエア(90度)のアスペクトを形成する場合、

「主導権」や「選択権」に手を伸ばすかどうか、

それとも、手を引っ込めるか、という葛藤に苛まれます。

なぜなら、私たちは繰り返したくない(再現したくない)過去に対しても、未知の未来に対しても、

ネガティヴな思考と感情が自動的に湧き出てしまうにも関わらず、

絶対的・効率的な方法や手段を模索したくなり、決断に迷うからです。

ドラゴンヘッドとドラゴンテイルが位置するサインのルーラーと、

土星の関係性・アスペクトを考慮すると、より深い気づきが得られるでしょう。

伝統占星術(古典占星術)では、ノード軸はあまり重視されず、カルマは土星が司るとされています。

一方で、現代占星術では、ノード軸はもちろんのこと、

小惑星カイロン/キロンとトランスサタニアンの影響も視野に入れますので、解釈の幅が広がります。

本記事では、土星の影響や働きに絞って解説をしていますが、

土星が月の感受点であるノード軸と近い場合には、

「意識の進化」に対して、

ホロスコープの持ち主の人生に最適な進み具合に対して、

「強制力」や「重力」を働かせ、

「思い通りにいかない現実を受け入れること」を与える、という解釈に留めたいと思います。

土星は「人生の紆余曲折」のすべてが最善であることを教える!

今回は、サターン・リターン(土星回帰)について解説させていただきました!

太陽の働きによって、地球に「変化」がもたらされるとともに、

月と土星が司る「時間」と「重力」は、

私たちに「有限性」や「物質性」を体験することを可能にしています。

サターン・リターンは、

誰もが通ること(体験すること)になる、「自分の器の再構築」の時期であり、

戻ることの無い時間と過去への後悔、未来への恐怖心、現状に対する不安だけでなく、

確かに体験してきた、喜びの経験を含めた経験のすべてを棚卸する時期や状況をもたらします。

人によって、または、ホロスコープによって、

サターン・リターンがもたらす葛藤や受難、苦境の質は当然異なりますが、

「自分を生きる(体験する)」ということは、「世界を生きる(体験する)」ということです。

そのため、社会的な構造やルールから逃れることはできませんし、

土星がもたらす物質性・有限性の働き・理(ことわり)によって、「制約」や「制限」、「枠」が生まれ、

「不自由さ」や「苦しみ」を体験することによって、

私たちは人生の特定の時と場所、そして、特定の出来事をトリガーにすることで、

人生に仕込まれた「意識変革」に着手し、人生の再構築を実現することが可能になります。

様々な事柄を表現する時、「私たちには選択権があること」を思い出していただくために、

「可能になる」や「〇〇できる」という表現をしています。

ただ物事や事実を並べるよりも、

それらを選び、どのように解釈するかは、私たち次第であることが分かると、

土星の要求に応える意識を育てようという思考が働きます。

また、物事には必ず、日向と日陰の側面がありますが、

陰の部分の体験の方がインパクトがあり、受容し、昇華するために多くの時間を要します。

これは、楽しい時間が早く過ぎ、辛い時間が長く感じるように、

時間は相対的な概念であることが分かります。

そして、悲観的な思考やネガティヴな感情は、快楽とは正反対のベクトルを持ち、

「質量が重い」ために、私たちは長い時間をかけて、

内面(心)に根付く闇へと意識の光を当て、じっくりと味わうことで、

自己対話と世界との対話が完了させることができます。

今回の記事を要約しますと、以下の5つにまとめることができます。

  • 土星の公転周期は約29年であり、土星は約7年周期のサイクルを持つ
  • サターン・リターンは、「自我意識と人生(現実)の再構築」のために起こり、
    人生に喜びと責任を持ち、「人生の手応え」を獲得するための経験となる

  • 1回目のサターン・リターンは、
    自己認識や自己像が傷つけられ、アイデンティティ・クライシス(自我の危機)を経験することで、
    真に人生を生きるための目的意識を明確にすることを促され、
    社会との調和の重要性に気づく機会となる
  • 2回目のサターン・リターンは、立場が変わり、守るべきものが増えることで、
    自分だけではなく、周囲との関係性と今後の生き方・在り方に影響を与える
  • 土星の4つのリターンのタイミングとともに、
    進行(プログレス)の月と連動させて、
    人生の流れと現状を把握することが、本質的な人生と自分自身の理解を深める

あなたがネイタルチャートを多角的に観るほどに、あなたのご自身との対話は深まっていきますので、

是非、進行の月(プログレスの月)とサターン・リターンをセットで、

あなたの人生のサイクルを知ってください。

今回は、サターン・リターンの全貌について解説させていただきましたが、

次の記事では、トランスサタニアンの3天体と、小惑星カイロン/キロンを取り上げ、

中年期~壮年期~老年期にかけて体験することになる、

人生の集大成についての解説をさせていただきますので、楽しみにしていてくださいね!

今回も最後まで読んでいただいて、誠にありがとうございます!

それでは、「中年の危機、小惑星カイロン/キロンと2回目のサターン・リターンが人生の本質的な喜びをもたらす!」の記事でお会いしましょう!

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