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ソーラー・リターン(太陽回帰)の徹底解説!太陽回帰図は1年の縮図!?

「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!

いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

今回は、「ソーラー・リターン(太陽回帰)」についての解説記事です。

前回は、ルナ・リターンについて解説させていただきました。

太陽は、月の存在があることで、

地球に「時間の経過」をもたらすことができています。

これは、自然の摂理ですが、

占星術的に見ると、「内的宇宙(小宇宙:ミクロコスモス)」における

「心の成熟」を成立させている、と捉えることができます。

ルナ・リターンが年13回起こるのに対し、

ソーラー(サン)・リターン(太陽回帰)は年に1度しか起こりません。

太陽が黄道を1年かけて一巡するように、

太陽はホロスコープ上を1年で一巡します。

太陽の進行は、生命力の成長・進化の速度である、という見方をする時、

太陽系・地球上において、太陽はやはり象徴的な存在です。

今回は、ソーラー(サン)・リターン(太陽回帰)のホロスコープが、

ホロスコープ・リーディングにおいて、どのように活用できるか、について解説させていただきます。

春分図が1年の流れを決めるように、

太陽回帰図は、ネイタルチャートを起点として、その年の流れを教えてくれます。

今回も是非、最後までお付き合いくださいね!

ルナ・リターン(月回帰)の記事と合わせて読んでいただくと、

時間の経過と心の成熟、

そして、ホロスコープの活用法が分かりますので、是非、チェックしてくださいね!

ルナ・リターンとソーラー・リターンの違いとは?

太陽回帰は「サン・リターン」とも呼ばれますが、

本記事や本講座では、ソーラー・リターンの呼び方で統一させていただきます。

また、太陽回帰図は「ソーラー・リターンチャート」と呼ばれますが、

今回は「太陽回帰図」の呼び方で統一していきます。

ルナ・リターンと同様に、ソーラー・リターンも、

起点となるホロスコープの太陽から、

どのような経験・人生の流れが訪れるか、ということを示してくれます。

ルナ・リターン「振り返り」だとすれば、

逆に、ソーラー・リターン「展望」を意味します。

月は「過去」を意味するため、「フィードバック」

太陽は「未来」を意味するため、「フィードフォワード」を表します。

フィードバック(feedback)は聞き慣れた言葉ですが、

フィードフォワード(feedfoward)は聞き慣れない言葉ですね。

フィード(feed)は「餌をやる」という意味の動詞で、

backは「後ろ」、forwardは「前」をそれぞれ意味します。

月は、同じサイクルや状態を繰り返す「再現性」や「安定性」を求め、

太陽は、常に変化をすることで成熟していく「可能性」や「変異性」を象徴します。

リターン(回帰)において、月は過去(後ろ)へ意識を引っ張り、

太陽は未来(前)へ意識を押し出すのです。

A・B・Cの連続した物事があった場合、

BのフィードバックはCのフィードフォワードであり、

Aのフィードフォワードは、Bのフィードバックとなります。

「連続した物事」と表現しましたが、

実際には、意識は瞬間、瞬間を体験しているため、

事実に連続性があるのではなく、

私たちの認識が物事に連続性を与えているだけです。

そのため、「時間」は時空間の認識の手段であって、

本質そのものではありません。

また、月(過去)と太陽(未来)は、常

に「今」という座標で観測されますので、

フィードバックとフィードフォワードは表裏一体と言えます。

私たちが過去(月)に意識を向ける時も、

未来(太陽)に意識を向ける時も、

「今」という瞬間の時空間が無ければ成立しません。

そのため、「今」が無ければ、過去も未来も存在できませんし、

意識状態によって、現在の座標において、

過去をどのようにも解釈できますし、

未来をいかようにも創造することもできます。

今回の太陽回帰図の解説では、

「未来志向」という言葉がキーワードとなります。

未来志向を別の表現にしますと、

「創造志向」「純粋志向」となるでしょうか。

話がややこしくなりましたが、

月が過去を振り返らせようとする重力的な働き(フィードバック)をすると同時に

太陽は未来へと意識を向けさせようとする生命の力の働きを持っている、ということです。

これは、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルの象意と似ていますね。

「光があるところには影が生まれる」というのは、

プラス(正)の働きが生まれる瞬間、マイナス(負)の働きが生まれるという、

二元性の原理が働くということです。

実際には、月と太陽は互いを打ち消し合っているわけではありませんが、

原理的に、相反する働きを象徴し、摂理・法というものは、

全体の循環のために働くことを示しています。

繰り返しになりますが、

ルナ・リターンは「振り返り」をすることで、「心の成熟」を促し、

ソーラー・リターンは「展望」を持たせることで、

「意識の拡大」をもたらします。

太陽回帰図は端的に1年の運勢や流れを表すチャート?!

太陽回帰図は、トランジットの太陽の太陽がネ、

イタルのサインに巡ってくるタイミングを表したホロスコープです。

簡単に言えば、

特定の年の誕生日から次の誕生日の前日までの

1年の流れを表すホロスコープです。

そのため、太陽回帰図は、

ホロスコープの持ち主が経験することになる1年の運勢や流れを端的に表すため、

「1年の縮図」という風に表現がされます。

一般的に知られている「太陽星座占い」は、

太陽のサインをASCに固定する、ソーラーサイン・ハウスシステムで、

出生時間が分からない場合にも用いられるハウスシステムのホロスコープを用います。

ですが、太陽回帰図は、

ネイタルチャートを基に作られるホロスコープで、

太陽のハウスが判明している場合に作るため、

個人の1年の運勢や流れを的確に表すのです。

太陽は、ホロスコープを約1年で一周しますが、

タイミングにより2・3日ズレることがあります。

サイトで「太陽回帰図」を選択すればいいだけなので問題はありません。

ただ、太陽がホロスコープ上を1日で約1度進むこと、

太陽暦(グレゴリオ暦)の1年は、

365.2422日と、365日よりも約5時間50分ほど長いこと、

4年毎に1年が366日となる閏年(うるうどし)がある、

ということは頭に入れておいた方がいいかもしれません。

閏年は、暦と実際の季節がかけ離れてしまうことを防ぐために、

日にちの調整のために設けられます。

話を太陽回帰図に戻しますと、

太陽回帰は、トランジットの太陽がネイタルに対して、

どのような状態にあるかを見るホロスコープです。

そのため、個人のネイタルチャートから算出された太陽回帰図は、

ホロスコープの持ち主だけの1年の運勢や流れを教えてくれますので、

利用価値が高いホロスコープと言えるです。

太陽のホロスコープの種類

先ほど、ソーラーサイン・ハウスシステムについて触れましたが、

占断する目的によって、使用するホロスコープが異なることを簡単に説明したいと思います。

  1. ネイタルチャート:出生時の天空図
    ⇒ ハウスシステムによって、
      ハウスの幅やハウスとサインの組み合わせが異なる
  2. ソーラーサイン・ハウスシステム
    :太陽のサインをASC(1ハウス)に固定するホロスコープ
    ⇒太陽が位置するサインの度数0度を東の地平線(1ハウス・カスプ)に固定する
  3. ソーラー・システム
    :太陽のサインの度数を東の地平線(1ハウス・カスプ)に固定する
  4. プログレス・チャート(1日1年法)
    :1年を1日に換算し、占断したい年のホロスコープを出す場合は、
     出生日に日数を足して作成する
    ⇒ プログレスチャートでは、太陽は1年で1度進む
  5. ソーラー・アークチャート
    :プログレス・チャートと同じ要領で、1日を1年に換算し、
      占断したい年のホロスコープを作成する
    ⇒ 全天体の運行スピードを太陽と同じスピードに設定する
  6. トランジット・チャート
    :ネイタルチャートと重ねた二重円と、
     占断したい日の日時と場所でホロスコープを出す場合に分けられる
  7.  太陽回帰図
    :ネイタルチャートを起点として、
      トランジットの太陽との位置関係により、その年の運勢や流れを表す

ハウスシステムは、好みや慣れによって異なる上、解釈も変わります。

プラシーダス方式のホロスコープに慣れている場合、

ホールサイン・ハウスシステムは読みにくいかもしれませんし、

ホールサイン・ハウスシステムに慣れている場合は、

プラシーダス方式のホロスコープは難しく感じられるかもしれません。

「完璧なハウスシステムは無い」と言われていますので、

体感が伴い、納得できるハウスシステムを活用すること、

また、馴染みは無いけれど、

複数のハウスシステムの概要を知っておくことで、占断の幅が広がります。

ソーラー・システムとソーラーサイン・ハウスシステムの違いは、

ネイタルの太陽のサインの度数をそのまま1ハウス・カスプに持ってくるか(ソーラー・サイン)

それとも、ネイタルの太陽のサインのカスプ(0度)を1ハウス・カスプにするか、の違いです。

ソーラー・システムの場合は、

プラシーダス方式のように、12ハウスと1ハウスのサインが同じになります。

ソーラーサイン・ハウスシステムは、

プラシーダス方式であっても、ホールサイン・ハウスシステムであっても、

「1ハウス・カスプ=太陽のサイン・カスプ」です。

プログレス・チャートとソーラー・アークチャートは、

ネイタルチャートを起点とした、「体内リズム」を表し、

トランジット・チャートは「外界のリズム」をそれぞれ表します。

太陽回帰図は、トランジットの太陽を活用し、

ネイタルの太陽との関係性を算出するホロスコープですので、

「体内リズムから見る、外界のリズム」という感覚で、

現行の天体に視点を向けるホロスコープと言えます。

お伝えしたかったことはシンプルで、

「トランジットの太陽」の状態がどういったものかを、

ネイタルの太陽から見て判断・解釈するものが、太陽回帰図である、ということです。

「太陽回帰」という名前から分かるように、

ネイタルチャートと太陽回帰図の太陽のサインの度数は必ず一致します。

それでは、Astrodienstのサイトでの、太陽回帰図の作成の仕方を簡単にご紹介します。

太陽回帰図の作成の仕方

本講座がホロスコープ作成のために使用しているのは、「Astrodienst」です。

  1. メニューボタン(ハンバーガーボタン)をクリック:【≡】
  2. 出生データによるいろんなチャートをクリック
  3. セクション・円形チャートのチャートタイプで
    「太陽回帰図」or 「出生図と太陽回帰図」を選択
  4. 「クリックしてチャートを表示」をクリック

3の「太陽回帰図」or「出生図と太陽回帰図の二重円」という選択は、

太陽回帰図だけを見るのか、

それとも、ネイタルチャートと重ねるのか、という選択を意味します。

二重円や三重円のホロスコープを作成し、リーディングする場合は、

サインを起点として天体の関係性を見ます。

つまり、サインを中心に多重円のホロスコープが作成されるため、

それぞれのホロスコープのハウスはバラバラになる、ということです。

単純に特定の日時のホロスコープだけを見る場合と、

ネイタルチャートと重ねてホロスコープを見る場合に分けることで、

リーディングをしやすくすることができます。

本講座では、

よく「太陽の〇〇座イングレス」や「〇〇座新月・満月」のホロスコープを出して解説をしています。

これは、ホラリー的観点で、特定の日時のホロスコープから、

トランジットの天体の意図やエネルギーを読み取ることで、

未来予測だけでなく、体感を伴った占星術の理解を得ようとする試み・姿勢が重要だと考えているからです。

ネイタルチャートを作成する際、

生年月日と出生場所、そして、出生時間が必要です。

ネイタルチャート自体が、生まれた時間と場所、

つまり、あなたの魂が肉体を授かった時のホロスコープですので、

太陽回帰図を作成する際は、出生地を変えずに、リーディングをすることをお勧めします。

出生地と現住所が同じ場合もあれば、違う場合もあります。

「人生の転機」となる場所については、

「アストロ・マップ」を活用することで、思い付きや導きによって、

人生の流れで出向くことになる場所や、

想定外の転機や出会いがもたらされる場所が分かります。

アストロ・マップの活用方法については、

また別の記事で解説させていただきますので、楽しみにしていてくださいね!

太陽回帰図は、ネイタルチャートを前提にしていますので、あ

なたがご自身の1年の運勢や流れを知りたい時は、

非常に頼りになるホロスコープですので、

是非、太陽回帰図を出してみてください!

太陽回帰図で分かること

太陽回帰図は、

誕生日から次の誕生日の前日までの1年の運勢や流れを表す、

とお伝えしましたが、

具体的にどういったことが分かるのか、について説明していきます。

太陽回帰(ソーラー・リターン)はその名の如く、

太陽が戻ってくることを意味するとともに、

新たな太陽の旅の始まりでもあります。

以下に、太陽回帰図に示される1年の運勢・流れにおいて、

重要ポイントを9つにまとめました。

  1. 1年を通して、どんな体験ができるか、他者・世間・社会とどのように関わるか
    :ASCのサイン・ルーラー
  2. 1年の重要なテーマ・分野
    :太陽が位置するハウス
    ⇒ ①アンギュラー・ハウス:積極的に動く時期
      ②サクシデント・ハウス:状況を守り固める時期
        ③カデント・ハウス:変化・適応の時期
  3. 1年を通して「安らぎ」や「くつろぎ」を感じられる状況・環境・手段、
    感情が揺れ動く状況、感情パターン、気を付けるべき事象・出来事・影響
    :月のサイン・ハウス・月が他の天体から受けるアスペクト
  4. 1年の収穫・目標・ゴール
    :MCのサイン・ハウス
  5. 1年の成果(10ハウス)とそのために必要な力・エネルギー・意識
    :MCのサイン・ルーラー、カルミネート天体
  6. 重要な(強調される)天体とその働き・影響
    :4つのアングル05度以内に位置する天体
  7. 重要な体験・状況
    :太陽が位置するハウス、土星が位置するハウス、冥王星が位置するハウス
     3天体以上が集合するハウス
    ⇒ 南・北・東・東のどの半球が強調されているか
  8. 強いエネルギー(サイン)の影響
    :主要天体が形成するアスペクト
    ⇒ コンジャンクション、オポジション、トライン、スクエア、セクスタイル
  9. ネイタルチャートと共通のテーマ・状況・障害
    :ネイタルチャートと同じ天体の配置・アスペクト・サインの天体集合・ハウスの強調

太陽回帰図は、太陽に焦点を当て、

太陽(本質)を成熟させるための1年の計画・シナリオを表すホロスコープです。

上記に挙げた9項目は、分かりやすく強調されるテーマや課題を表しますが、

根底にはネイタルチャートの理解が重要となります。

太陽回帰図から重要なメッセージを受け取ることで、

ネイタルチャートの理解、つまり、「自己理解」が進みます。

太陽回帰図は、過去の振り返りとしても使えますし、未来予測としても使えます。

何より、ソーラーサイン・ハウスシステムのホロスコープが、

「太陽の視点(太陽のサイン=ASC)」ではなく、

全体の流れの中で、自分がどのような運命を経験するのか、

ということを示してくれますので、

個別の占断が必要な場合には、大変有益な気づきを与えてくれるのです。

それでは、具体的に、太陽回帰図で重要となる項目を見ていきたいと思います。

太陽回帰図で重要な項目

太陽回帰図は、太陽を主軸において、1年の流れを掴む際に重宝されます。

まずは、太陽回帰図単体でのホロスコープに関して、

以下に太陽回帰図で重要な項目をピックアップしました。

  1. ASCのサインとサイン・ルーラーのサインとハウス
  2. 太陽のサインとハウス・アスペクト
  3. 月のサインとハウス・アスペクト
  4. 土星のサインとハウス
  5. 冥王星のサインとハウス
  6. MCのサインとハウス、サイン・ルーラー、カルミネート天体の有無
  7. ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト
  8. MCと天体のアスペクト   
  9. MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

*本講座では、天体同士のアスペクトは、5度以内の場合に採用し、
 天体と感受点のアスペクトは、3度以内の場合に採用します。*

上記に挙げた、

太陽回帰図を見る際の重要ポイント9つを簡単に説明したいと思います。

  1. ASCのサイン
    :1年の傾向・特徴・特色・雰囲気
    ASCのサイン・ルーラーのサイン・ハウス
    :1年の流れ・運勢を掴むエネルギー・キッカケ
  2. 太陽のサインとハウス・アスペクト
    :1年のテーマ・分野を表すエネルギー・場所
  3. 月のサインとハウス・アスペクト
    :1年を通して「安心感」や「強い影響」を示すエネルギー・場所
  4. 土星のサインとハウス
    :1年を通して直面することとなる「課題」や「忍耐」を表す
  5. 冥王星のサインとハウス
    :1年を通して「価値観の変容」を促す
  6. ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト
    :意識の成長・変容・成熟のための推進・停滞のエネルギーを見出す
  7. MCのサインとハウス、サイン・ルーラーのサインとハウス、カルミネート天体の有無
  8. MCと天体のアスペクト
    :目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す
  9. MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト
    :目標を実現するために必要な意識・エネルギーを見出す

太陽のホロスコープの種類の項で、

複数のホロスコープを重ねる場合は、

サインでホロスコープを重ねるため、ハウスの位置が異なる、という説明をしました。

そのため、上記に挙げた9項目を

ネイタルチャートと重ねる二重円や三重円のホロスコープを見る際は、

太陽と月、ASCのサイン・ルーラー、

MCとMCのサイン・ルーラーが位置するハウスを見る必要があります。

ネイタルチャートと(太陽回帰の)ホロスコープの天体の分布によって、

特定のサインとハウスに天体が集合していたり、

ASCのサイン・ハウスに、ASCのサイン・ルーラーが位置していたり、

MCのサイン・ハウスに、MCのサイン・ルーラーが位置していたり、

天体が他の天体とアスペクトを持たなかったりと、様々なケースが考えられます。

あらゆる状況を想定して解説することは不可能ではありますが、

上記に挙げた9つの重要項目に沿って太陽回帰図をリーディングし、

「1年の運勢・流れ」という運命を紐解いていってください。

特にASC、太陽と月は重要ですので、

アングルの重要性とともに、

太陽と月のサインとハウスについて補足説明をしたいと思います。

太陽回帰図のアングル上の天体

太陽と月のハウスを解説する前に、

アングルについて簡単に触れたいと思います。

太陽回帰図に限らず、あらゆるホロスコープでは、

天体がアングル上(1・4・7・10ハウスのカスプ)に重なっている(度数が同じ)、

もしくは、5度以内にある場合、

その天体はアンギュラー・ハウスの意味を強調します。

言い方を変えますと、

天体の働きは、アンギュラー・ハウスの分野・経験によって自覚・認識されます。

  1. ASC(1ハウス・カスプ):アイデンティティ・主観(自己主観)
  2. DSC(7ハウス・カスプ):他者・他者の主観・(自分の)自己客観
  3. IC(4ハウス・カスプ):深層心理・居場所・内面の見直し・安心の獲得
  4. 10ハウス・カスプ:社会的な立場・仕事の成果・経験の集大成

10ハウスとMCを一致させていない理由は、

本講座ではホールサイン・ハウスシステムを採用しているからです。

10ハウス・カスプと、MCの感受点がイコールでないのは、

物理的な空間(10ハウス)と内的・意識的目標(MC)が異なる(一致しない)ためです。

ICは「天底」ですが、MCは「天頂」ではない、というところがポイントです。

サインの区分

補足になりますが、12ハウスは3つのグループに分けられます。

  1. アンギュラー・ハウス(1・4・7・10ハウス)
    :物事や成長、変化を生み出す意識を与える
    ⇒ 天体は積極的に物事を進展させようと働く
  2. サクシデント・ハウス(2・5・8・11ハウス)
    :物事を安定・継続させる意識を与える
    ⇒ 天体は状況・足元を固めるために働く
  3. カデント(ケーデント)・ハウス(3・6・9・12ハウス)
    :他者のために力を使い、発展のための順応の意識を与える
    ⇒ 天体は現状維持を打破し、応用と発展のために働く

本記事では、太陽・月・土星・冥王星の4天体が、

どのハウスのグループに位置しているか、を確認することを強調しています。

月と土星、太陽と冥王星は、表裏一体の関係です。

他にも、ハウスのグループの種類はありますが、

詳しくは、以下の記事で、ハウスの基礎知識を解説していますので、

復習として読んでくださいね!

太陽回帰図の太陽のハウス

太陽回帰図に限らず、ホロスコープ上で太陽が位置するハウスは、

「目的意識を発揮する場所」

または、「目的意識が引き出される場所」を表します。

以下に、太陽回帰図において、

太陽が表す目的意識を12ハウス別に簡単に説明させていただきます。

太陽回帰図の太陽@1ハウス

太陽回帰図の太陽が1ハウスに位置している場合、

「自己発見」と「アイデンティティのアップデート」がメインテーマになります。

ネイタルの太陽のハウスと異なる場合は特に、

その年を通して、「新しい自分を体験すること」が目的意識となり、

その意識に導かれて、新たな活動へと乗り出す勇気が引き出されることを暗示します。

太陽回帰図の太陽@2ハウス

太陽回帰図の太陽が2ハウスに位置している場合、

「自己価値を高めること」や「能力を発揮すること」がメインテーマになります。

2ハウスは「所有」や「財産」、「収入」などを表しますが、

根本には、「自らの力で動かせる物質的な資産」という意味があります。

そのため、太陽回帰の際に太陽が2ハウスに位置している場合、

「自分の能力を自覚し、発揮すること」が目的意識となり、

能力・才能を発揮することができる物事に意識を向けることで、

豊かさを築くとともに、自分自身に対する安心感と自信が生まれます。

太陽回帰図の太陽@3ハウス

太陽回帰図の太陽が3ハウスに位置している場合、

「知的活動」や「繋がりを増やすこと」がメインテーマになります。

3ハウスの象意は「初等教育」や

「知的活動」、「情報伝達」、「意思疎通」などであるため、

3ハウスの太陽は、外部・世界と関わりを持つ上で、

知性の向上と、好奇心を満たすことを目的意識とします。

また、3ハウスは「近隣」や「近場」といった

狭い・近い規模・距離での活動を示しますので、

太陽回帰の際、太陽が3ハウスに位置していることで、

「足元を固めること」と同時に、

「人や場所、情報との繋がりを持つこと」によって、

活躍の機会を増やすことで、

その1年の充実度が高まることを暗示します。

太陽回帰図の太陽@4ハウス

太陽回帰図の太陽が4ハウスに位置している場合、

「安心する環境」や「心身の安息」を確保することが、

その年のメインテーマになります。

4ハウスは、ホロスコープの最も深い場所ですので、

内省的・閉鎖的・内向的になることや、

環境や状況の整理だけでなく、心身ともに落ち着かせることが、

その年の目的意識となるのです。

4ハウスは、家庭や家系、先祖との繋がりなども表しますので、

社会活動をセーブせざるを得ない状況や、

家族との絆や愛情を持つべきタイミングとして、太

陽回帰の太陽が意識を向けると捉えることができます。

人間の根本心理として、

「安心」を感じられることがどれだけ有難いか、ということに気づき、

「休める時に休み、動ける時に動く」というように、

「積極的に休養・休息を確保すること」が、

変化・成長と同じだけ価値があることを再認識することが重要です。

太陽回帰図の太陽@5ハウス

太陽回帰図の太陽が5ハウスに位置している場合、

「自愛」と「創造性を高めること」がその年のメインテーマになります。

「自愛」とは、「自己愛」とは異なり、

理屈や条件付け、損得勘定で物事に取り組むのではなく、

理由や外部からの意見に流されることなく、

「純粋欲求」から物事に集中し、

自分を喜ばせる・楽しませる意識や態度、

生き方や在り方、物事への取り組む姿勢などを意味します。

また、自愛によって、自分を喜ばせる・楽しませることによって、

内面から生命エネルギーが生まれ、

自己表現や創造意欲が湧き、

自分を満たすことではじめて、他者を喜ばせることができます。

ですから、「創造性を高めること」とは、

自分を自分で満たすプロセスにおいて、

自然と生命エネルギーが高まる、ということを意味します。

太陽回帰の際に、太陽が5ハウスに位置している場合、

自分の純粋欲求を発掘し、

その欲求を自分のために叶えることが、その年の目的意識となるのです。

太陽回帰図の太陽@6ハウス

太陽回帰図の太陽が6ハウスに位置している場合、

「義務」や「役割」を全うすることや、

「資本である身体の調整」、「他者貢献」がその年のメインテーマになります。

6ハウスは、8・12ハウスとともに、アヴァージョンのハウスであるため、

自主的・能動的に実現したい物事というよりは、

必要性や需要のために取り組む、という状況や条件を示します。

6ハウスは一般的に「労働」と「健康」が強調される傾向にありますが、

本質的には、「役割を全うする」という義務と拘束力を示します。

そのため、太陽回帰の太陽が6ハウスに位置する場合は、

自分のためというよりは、役割を全うするために、調整や準備、ルーティンの見直し、

健康管理などに気を配ることなどが、その1年で重要となる目的意識となります。

太陽回帰図の太陽@7ハウス

太陽回帰図の太陽が7ハウスに位置している場合、

「信用関係を築くこと」が、その年の重要なメインテーマとなります。

「対人関係」や「人間関係」ではなく、

「信用関係」と表現した理由は、

人と人との繋がりは、状況や場面によって、

「目の前の人」だけが重要なのではなく、

「その人の背後にある繋がりやその人から受け取ることになる影響」が重要だからです。

そのため、結婚や仕事における契約を成立させるためには、

「誠実さ」や「慎重さ」が重要となり、

「他者に対する信用を築くこと」が、

太陽回帰図の太陽にとっての重要な目的意識となります。

太陽回帰図の太陽@8ハウス

太陽回帰図の太陽が8ハウスに位置している場合、

「変容」と「受容」が、その年のメインテーマになります。

6ハウスと同じく、8ハウスはアヴァージョンのハウスであり、

8ハウスのルーラーが土星であることで、

「避けることができない(受け入れざるを得ない)出来事・体験」を表すのが8ハウスです。

そのため、太陽回帰の太陽が8ハウスに位置する際、

外部や近親者との関係性、状況の要請に応える形で、

「自我意識の変容・喪失・再生」という風に、

人生(現実)の流れを受容することが、

その年の重要な目的意識となります。

8ハウスは、2ハウスとは正反対に、

「自分の力や裁量の外にある資産」を表します。

7ハウスが「社会的契約の成就」のための経験であるとすれば、

8ハウスは「社会的契約の持続」を意味するため、

結婚や仕事上の契約の見直し、解消として、

転職や離職、別居や離婚などが当てはまる他、

借金の返済や資金繰りに関する計画を練り直すことに

時間と労力を投じることなどを暗示します。

太陽回帰図の太陽@9ハウス

太陽が9ハウスに位置する場合、「ジョイの状態」になり、

太陽の目的意識の実現のために物事が進みやすくなる、という解釈がされます。

太陽回帰図の太陽が9ハウスに位置している場合、

「追求」と「統合」がその年のメインテーマになります。

追求と統合が何を意味するのかと言いますと、

正反対の3ハウスが、足元を照らし、

その場所から繋がりを増やしていく体験を象徴するのに対し、

9ハウスでは、外部に影響・依存する生き方・在り方から、

自らの意志に叶う物事を深く理解し、自

分の中で明確な思想体系や研究対象を駆使して、

世界と自分の内面との繋がりを深めていくことに重きが置かれます。

そのため、高等教育や専門技術、哲学、宗教、異文化、海外などといった、

幅広い知恵や知識に触れ、自分自身の概念体系を広げ、

深めることに、時間とエネルギーを投じることが、その1年の目的意識となり、

内なる太陽(生命力)を極限まで高め

、「生きている実感」が感じられる瞬間に恵まれることを暗示します。

太陽回帰図の太陽@10ハウス

太陽回帰図の太陽が10ハウスに位置している場合は、

「成果を出すこと」や「収穫を得ること」が、その年のメインテーマになります。

表現を変えますと、

その時々の活動の短期的・中期的・長期的な計画・活動の「集大成」を築くことです。

当然のことながら、毎年毎年、ビッグプロジェクトを立ち上げ、

軌道に乗せ、成果を上げる、

というような人生を生きている人は多くないと思います。

ただ、太陽回帰図が示す「成果」や「収穫」とは、

仰々しいものだけでなく、小さな規模であっても、

気にかけていたものや取り組んできたものに発展・飛躍が起こったり、

停滞していた状況が進展するだけでも、

ホロスコープの持ち主の人生・日常においては、立派な成果・収穫です。

また、10ハウスのルーラーは火星であり、

ホロスコープの頂点に位置するハウスでですので、

「最も視野が広い位置」を意味し、

自分自身の能力と可能性、意欲と行動力を試すことで自信をつけ、

その様子・プロセスと結果を認められることで、創造性(生命力)が高まります。

そのため、太陽回帰図の太陽が10ハウスに位置していることで、

自分の人生にとっての大切なものに気づいたり、

天職や使命、社会からの要請・需要に応える方法などに出会うなど、

内面的な成長・発展を示す場合もあります。

つまるところ、10ハウスの太陽の目的意識とは、

「自分の人生における重要な事柄」に対して明確な行動ができることを意味するのです。

太陽回帰図の太陽@11ハウス

太陽回帰図の太陽が11ハウスに位置している場合、

「理想」や「他者・コミュニティとの連携」が、その年のメインテーマになります。

11ハウスは、10ハウスまでに築かれた社会性と、

磨かれた個性の両側面を活かし、

社会からの要請・要求だけでなく、

自分の人生を盛り上げる特定の分野への熱意によって、

自分を満たすための成果だけでなく、

社会貢献を明確な形・手段で実現する意識をもたらす場所です。

11ハウスのルーラーは太陽であり、

木星がジョイとなる場所であることから、

10ハウスで社会的な役割を担った後に、自立し、

他者と健全な関係性を築く道徳心や倫理観を築くことで、

「支配」や「規律」による関係性や成果ではない、

社会ルールに則りながらも、

各々の理想を実現しようとすることに、

太陽回帰の太陽は目的意識を掲げるのです。

太陽回帰図の太陽@12ハウス

太陽回帰図の太陽が12ハウスに位置している場合、

「鎮静」や「内省」、「準備」などが、その年のメインテーマになります。

プログレスの月のフェーズが12ハウスにある時と同様に、

12ハウスは新たなサイクルに向けての、内省や振り返りを促す場所です。

6・8ハウスと同様に、12ハウスはアヴァージョンのハウスですが、

12ハウスは最も無意識の領域でエネルギーの転換が進む体験を与えますので、

外的刺激や影響から距離を置いて、自分の内面と向き合う時間を確保し、

次の1年のための準備・調整を行うことに、その年の目的意識が向かいます。

プログレスの月に関して、

以下の記事で詳しく解説していますので、是非参考にしてください!

太陽回帰図の月のハウス

太陽回帰図において、月が位置するハウスは、

「安心が感じられる場所」や「くつろげる環境」

その年に最も受けることになる「感情」を示します。

月は、他の天体からの影響や刺激を受け取る器のような役割を担います。

そのため、太陽回帰図では、その年に強調される「感情」を示します。

以下に、太陽回帰図において、

月が表す安心感や感情を12ハウス別に簡単に説明させていただきます。

太陽回帰図の月@1ハウス

太陽回帰図の月が1ハウスに位置している場合、

自我意識(エゴ)が刺激されることを暗示しています。

逆説的になりますが、

自分自身の生き方や在り方、内面に意識を向け、

外界からの刺激や影響を真に受けないことで、

自分自身を落ち着かせることが学びとなります。

また、自分の主張や気持ちに対して、自

分自身が正直であることはもちろん、

自分を尊重してくれる人との時間を大切にすることが重要です

太陽回帰図の月@2ハウス

太陽回帰図の月が2ハウスに位置している場合、

物欲や金銭に対して不安定な気持ちが生じやすいことを暗示しています。

月は「移ろいやすい心」を象徴しますが、

太陽回帰図の月(心)は、

「充足感」と「不足感」という両極端のベクトルのうち、

どちらの意識を向け続けるかによって、

その年の内面の在り方に差が生まれます。

そのため、2ハウスの月が巡ってくる年は、

「不安定さ」や「不満感」に意識を引っ張られないように、

現状にある豊かさに感謝の気持ちを、真に自覚することが重要です。

太陽回帰図の月@3ハウス

太陽回帰図の月が3ハウスに位置している場合、

好奇心と行動の加減・塩梅を保つことが重要であることを暗示しています。

3ハウスは、知的活動や知的好奇心を伸ばす体験を表し、

月は3ハウスでジョイの状態になり、

その時の気分や勢いで意思決定ができてしまうため、

太陽回帰の月が3ハウスに位置する時は、

情報過多・活動過多にならないように注意が必要です。

心(月)は本質的に「安心感」を求めるため、

目的が定まっていない場合や、期待通りに成果が出ない場合は、

落胆や後悔で自分を責めてしまったり、独り善がりになってしまうからです。

そのため、適度な刺激や行動範囲を決めて、

心がすり減らないように工夫することが重要です。

太陽回帰図の月@4ハウス

太陽回帰図の月が4ハウスに位置する場合、

馴染みのある環境や安心感が感じられる時間を確保することが重要になります。

月にとって、

ホロスコープの下部に位置する4ハウスは、安心と安定の場所です。

4ハウスのルーラーが太陽であるため、

私たちの心と無意識は、

自分にとっての居心地のいい空間で過ごすことで、エネルギーが充填されます。

太陽回帰の月が4ハウスに位置する時、

自堕落に過ごす環境や気を遣わなくていい状態を得やすいため、

家族や近親者への配慮を欠かさないように、

自立と自律、節制の意識が必要です。

甘えることは、時として、相手の主体性を引き出すことにもなりますが、

過剰な期待や要求によって、

相手のエネルギーを奪ってしまわないように注意が必要であり、

「相手への扱いは、後々自分の他者からの扱われ方」として経験することにもなります。

太陽回帰の月は、4ハウスに位置することで、

その年は「内面を整えること」と「基盤・地盤を固めること」を主軸として、

「自分を満たす」ということに、時間とエネルギーを投資することが重要です。

太陽回帰図の月@5ハウス

太陽回帰図の月が5ハウスに位置している場合、

「自分にとっての喜び」に触れ、

充足感と満足感を得ることで、安心感を得ることが重要となります。

5ハウスは金星がルーラーで、

趣味や娯楽、創造的な活動、芸術、子どもや子育て、恋愛、ギャンブルなど、

「快楽」や「喜び」にまつわる体験を表します。

太陽回帰の月は、1年を通して、

自分にとっての喜びを追求することや、

休息と創造性の発露に身も心も委ねることによって、

自分との関係性に調和が生まれます。

金星が関わる5ハウスと12ハウスは、

過剰に快楽を追求してしまうと、

現実的な感覚が損なわれてしまう危険性もはらんでいますし、

身体も心も楽な状態を好み、維持・再現しようと働きますので、

適度な範囲で、自分の責任の範囲内で、

自分自身を満たし、喜ばせるようとする、客観的な視座も必要となります。

太陽回帰図の月@6ハウス

太陽回帰図の月が6ハウスに位置する場合、

立場や状況、自分の扱われ方によって、

心身が害される恐れがあることを暗示しています。

太陽回帰図の太陽の6ハウスでも言及しましたが、

6・8・12ハウスは、アヴァージョンのハウスで、

太陽の光が届きにくい場所であるため、

拘束的・強制的な力を受容せざるを得ない状況・環境を表します。

一般的には、6ハウスは「仕事」や「健康」がクローズアップされますが、

本質的には、自分の時間と労力を「捧げる」という経験を表しますので、

外部からの影響や要求に応えるだけでなく、

その要求に耐えられる身体作り・心作り、

または、意識の持ち方の工夫などが重要となります。

6ハウスと12ハウスは、病院や閉鎖病棟なども象徴しますので、

許容範囲を超えて、不健全な自己犠牲の心や被支配意識によって、

心身の健康を損なわないことが課題となります。

また、自分だけではなく、

家族や近親者の看病や介護に意識やエネルギー、

心を向けざるを得ない場合もありますので、ネ

イタルの月の状態を考慮して、

周囲には、自分にできることとできないことを明確に伝えることが非常に重要です。

太陽回帰図の月@7ハウス

太陽回帰図の月が7ハウスに位置している場合、

心(月)は他者との関係性に「安らぎ」を求めます。

プログレスの太陽と新月のフェーズ、

トランジットの太陽の位置によって状況の深刻度は変わりますが、

太陽回帰の月が表す1年の心理的欲求は、

太陽回帰の太陽へのエネルギーの転換のために、新たな関係性を求めるのです。

ネイタルの月の状態により、

相手との関係性の築き方や接し方、パワーバランスなどが変わりますが、

7ハウスは1ハウスにとって「他者の領域」を表しますので、

過剰な期待や要求で、結果的に自分自身を傷つけないよう注意が必要です。

7ハウスは「信用」や「契約」を表す場所でもある一方、

「味方」と「敵」が簡単に入れ替わってしまうこともありますので、

感情的・衝動的に他者に寄りかかり、

他者の言動や振る舞いに左右されて、

自分のための時間やエネルギー、金銭、気持ちを消費しないことが非常に重要です。

太陽回帰図の月@8ハウス

太陽回帰図の月が8ハウスに位置している場合、

「配偶者・パートナーの金銭・所有物」や「性」、

「価値観の変容」によって受ける影響を暗示しています。

8ハウスは2ハウスと対極の体験をもたらし、

8ハウスは「自分の裁量では動かせない金銭や資産、所有物」を表します。

また、パートナーシップにおいて、

精神的な葛藤や奮闘をもたらす場所でもあるため、

心身共に疲弊して無気力になってしまわないように、

外部に相談できる人や専門家を求められるように工夫が必要です。

5ハウスも性を表しますが、

この場合は、恋愛やロマンスなどの範疇で、

8ハウスが表す性は、カルマティックな働きを内包しているため、

立場や状況が異なります。

これは、8ハウスのルーラーが土星であり、

親密な他者との深刻な体験を共有することで、

自我意識を一旦消失させる、という働きが8ハウスに通っているからです。

そのため、太陽回帰の月は、

自分自身を保とうとする心の防衛反応が破られることを恐怖するとともに、

パートナーとの信頼関係を深めることで、

自我意識の再生を体験することに対して、

心の準備が必要であることを暗示しています。

太陽回帰図の月@9ハウス

太陽回帰図の月が9ハウスに位置していることで、

心がオープンになり、広い視野で物事に触れたくなる心境になりやすくなります。

9ハウスは、現状よりも遠い場所を表し、

物理的な場所だけでなく、

異文化や思想、価値観の他、高等教育や専門教育、

特定の分野の研究、精神世界などに感化される出来事、宗教や哲学など、

自分の殻を破るために必要と思われる素材や遠縁、導きなどを表す場所です。

太陽回帰の月が9ハウスに位置することで、

自分の心の器を更に広く、深くさせる物事に興味を向けて、

実際に行動範囲を広げることができることを暗示しています。

9ハウスは「個人の学び」や「喜びの探求」のピークの場所でもあり、

自分の身1つで、または、自分の決意や覚悟だけで、

人は自由に、色んな形で世界と関わることができることを、月(心)に体験させます。

太陽回帰の月は、9ハウスにおいて、

「自分が自分のためにすべきこと」という使命的な活動や感覚を楽しみ、

「自分を体験する」という人生の醍醐味を味わう可能性に心を開き、

感受性を豊かに生きることの重要性を掴みます。

太陽回帰図の月@10ハウス

太陽回帰図の月が10ハウスに位置していることで、

「注目」や「認知」されることが多く、

それだけ、周囲や社会からの刺激や影響を受けることを暗示しています。

元々、10ハウスの月は「大衆心理」を象徴しますので、

太陽回帰の月が10ハウスに位置することで、

「需要に応える」というスタンスに自然となりやすく、

外向的になる傾向が強まる1年になりやすいと言えます。

また、10ハウスは「自分の能力・才能を発揮することで成り立つ仕事」と、

その仕事に対する「評価」を表すとともに、

「存在が認知される」ことで、

目上の人、実力者、指導者との関わり・繋がりも増えます。

そのため、社会への露出と対人関係が広くなることで、

神経と情緒が刺激されることになりますので、

しっかりとした休息・休養を確保することが重要です。

太陽回帰の月が10ハウスという「日の当たる場所」にある場合であっても、

ネイタルの月の状態によっては、

外界からの刺激・影響に弱い場合がありますので、自愛が非常に重要になります。

太陽回帰図の月@11ハウス

太陽回帰図の月が11ハウスに位置していることで、

理解と親しみを感じ合える人との繋がりを求める1年になることが暗示されます。

11ハウスが示す「友人」や「理想」、「自由」は、

心からの理解と尊敬の上に成り立つ関係性と発展性を意味します。

そのため、太陽回帰の月が11ハウスに位置することで、

他者や集団に対して、相互補助・相互理解を求める心が強まり、

その心に反する、もしくは、害する従来の友人・知人との関係を解消する、

という気持ちが生まれる傾向が高まります。

「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉がありますが、

11ハウスの象意に合わせて表現を変えますと、

「愛の切れ目が縁の切れ目」となるでしょうか。

11ハウスにおける愛とは「隣人愛」であり、「博愛」です。

11ハウスのルーラーが太陽であることで、

太陽回帰の月は、大きな愛で包まれることで感じられる愛に感化されて、

新しい人生のステージへと心を開くことでしょう。

太陽回帰図の月@12ハウス

太陽回帰図の月が12ハウスに位置していることで、

「調整」や「充電」、「統合」といった自分と向き合い、

新たなサイクルに備えて、静かに時間を過ごすことが、

心にとって必要な1年になることが暗示されます。

6ハウスと同様に、12ハウスは「隔離された場所」や「隠された場所」といった象意を持ち、

アヴァージョンのハウスであることで、「人目に付かない状態」を表す場所です。

12ハウスのルーラーは土星であるため、

次のサイクルに動き出す前に、必要な準備を入念に行うように促される月は、

自分の内的世界・価値観・無意識に集中し、

自己理解を深めることを課題とし、実際に静かな時間を求めるようになります。

ただ、5ハウスと同様に、金星がジョイとなる場所でもありますので、

「楽な状態」を突き詰めすぎることで、

現実逃避・逃避行動によって、自分自身を害してしまわないように、

健全な生活習慣を意識することが重要です。

文章だけで説明しただけでは分かりにくいと思いますので、

実際の例題を用いて解説したいと思います。

本記事では、令和元年のホロスコープを用いて、太陽回帰図を解説していきます!

太陽回帰図では、重要天体が位置するハウスが重要です。

以下の記事で、ハウスについて詳しく解説していますので、是非参考にしてください。

カルミネート天体の影響

マンデンの観点でホロスコープをリーディングする際、

ASC、太陽、月の三大要素が重要ですが、

「着地点」や「収穫」、「目標」として、MCも重要になります。

MCは、①「10ハウスのカスプ」の場合と、

②「9~11ハウスの間を動く感受点」の2通りの見方があります。

本講座では、ホールサイン・ハウスシステムを採用していますので、

②の感受点としてのMCについての解説をさせていただいています。

また、MCの5度以内に位置する天体は、「カルミネート天体」と呼ばれ、

目標のために向かって進む上で、強い促進力を与えてくれる天体です。

カルミネート(culminate))とは、

「最高点」や「クライマックス」、「最終結果」という意味です。

ホールサイン・ハウスシステムの場合、

MCは9~11ハウスの間を移動するため、

必ずしも10ハウスが示すような「仕事」や「成果」という

現実的な結果を表すわけではありません。

その代わり、MCが位置するサインの意識・エネルギーによって、

役割を全うするために必要な力・資質などを表し、

MCが位置するハウスによって、

その年の成果・収穫に対する役割や立場を表します。

「役割」とは、押し付けられる強制力とともに、

主体的に受け入れようとする受容性の

両側面を内包した「自然の成り行き」としてのお役目のようなものです。

カルミネート天体を見る際は、

「未来視点の展望・働き」として、MCのサインとハウスを捉え、

その天体の役割の反映は、

天体が支配・守護するサインで確認します。

そのサインがどのハウスと重なり、

天体が在室するか、ということも確認してください。

もちろん、カルミネート天体が位置するサインによる状態(品格 / 品位・ジョイ)を見て、

その天体の働き・影響力の強さもチェックします。

今回は、10天体別の太陽回帰図における、

カルミネートの影響力・働きについて触れたいと思います。

月のカルミネート

月が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「影響を受容する」という役回り・立場が巡ってくることを暗示します。

月は「受容性」と「心」、「無意識」を象徴する天体です。

MCは、天頂(10ハウス)付近に位置する感受点ですので、

月がカルミネート天体である場合、

「内面性に光が当たる」役割・立場が巡ってくることを示し、

その分だけ、他者や周囲、社会からの刺激や影響を

受け止める・受け入れる・反応する度合いが高くなることを表します。

また、MCが位置するサインのルーラーの働きにも関連しますので、

カルミネート天体はサイン・ルーラーとの関係性・アスペクトを確認することも必要です。

そして、月のオウン・サインである蟹座にも意識を向けることも重要です。

カルミネート天体としての月は、

その年の「影響を受ける」という役割・立場を全うできるように、

精神的な疲労に対する対処法を持っておくことや、

相談できる他者との繋がりを大切にすること、

そして、心を休める時間を確保することが大切になります。

トランジットの月は約2日半でサイン・ハウスを移動してしまいますが、

太陽回帰図のカルミネート天体としての月は、

1年という長い時間の役割・立場を示しますので、

外界からの影響や刺激、

他者との精神的・無意識的・エネルギー的な繋がりが継続的に続くことからです。

水星のカルミネート

水星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「順応力」や「対応力」が発揮されることを暗示します。

水星は、性別の区別の無い天体ですが、

外向性(男性性)と内向性(女性性)のどちらの働きもこなす器用な天体です。

また、水星は、双子座と乙女座のルーラーで、

理性(風)と具体性(土)の両方に意識を向け、知性と柔軟性を駆使して、

物事に取り組む能力を与える天体でもあります。

水星がカルミネート天体である場合、

双子座と乙女座の状態も確認してください。

水星をシンプルに表すならば、「好奇心」と「理性」ですが、

カルミネート天体としての水星は、

目標や成果に対する現実的な働きとして、「点と点を繋ぎ合わせる」ように、

物事を整理して、柔軟に対応する力を発揮することが重要と言えます。

水星は月の次に運行スピードが速いため、

反射神経が求められる、ということでもありますので、

ミスを恐れずに、思考錯誤を繰り返す勇気と喜びを感じる1年になりそうです。

金星のカルミネート

金星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「喜びを受け取る」ということが大きな指針となります。

本講座では、よく、

「受け取ることは、相手の主体性(与えること)を成り立たせること」という表現を使います。

金星は、月と同様に受容性の天体です。

金星は「愛と喜び」や「美」を象徴する、と言われますが、

本質的には、「自分にとっての喜びを味わうため」の働きをします。

そのため、太陽回帰図で金星がカルミネート天体である場合、

「自分の好み・志向・感性に合う出会い」に遭遇する機会が多いことを暗示します。

角度を変えますと、

「自分を喜ばせる」という基準で物事を進めることで、

喜ばしい状況・転機に出会う、となります。

ただ、ベネフィック(吉星)天体である金星と木星の場合、

快楽主義や放任主義が度を過ぎることで、

我を忘れてしまって、後々苦労する、という恐れがありますので、

自分自身を客観視したり、

他者からの意見や助言を受け入れる大らかさを持つことが重要です。

カルミネート天体としての金星の意図・働きは、牡牛座と天秤座に表れますので、

これら2つのサインの状態を確認することも忘れないでください。

金星は火星とセットで考えられ、

「恋愛」や「ロマンス」などが注目されますが、

その他、「人気」や「金銭」なども象徴しますので、

太陽回帰図で金星がカルミネートの状態にある場合、

「自分にとっての喜ばしい状態とは?」というシミュレーションをすることで、

明るい展望を実現させるスピードが加速します。

金星がMC(最善のセルフイメージ・最高の状態)に近いことで、

賑やかさや華やかさだけでなく、

「喜びの中に自分が居る」という喜ばしい展望が待っていると捉えてもいいですし、

足元の現実に対して、

丁寧に向き合っていたら必ず報われるように、

自分の意識を開拓することができる、と捉えてもいいでしょう。

太陽のカルミネート

太陽が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「主体性が発揮され、影響力が高まる」ことを暗示します。

太陽回帰図は、その年の太陽が、

ネイタルの太陽と同じサインの度数に巡ってくるタイミングのホロスコープですから、

「生まれ変わり」や「アップデート」、「グレードアップ」のように、成長や成熟を表します。

太陽は「生命力」を象徴するとともに、

「自らの意志によって現実創造をする姿」の象徴でもあります。

太陽がホロスコープを一巡し、「最も自分らしい意識」に還ることで、

また、1年というサイクルを完了させ、

新たなサイクルをスタートさせることで、

確実に、前年よりも経験値を獲得しています。

加えて、太陽がカルミネート天体である場合、

9ハウスにおいてはジョイとなり、

10ハウスにおいては火星によって存在感が引き出され、

11ハウスにおいては木星によって影響力を拡散されますので、

どのハウスにおいても、

「存在としての価値」や「本質的な価値」が自然と滲み出ることは容易に想像できます。

人は、何をしなくても年齢を重ねていきますが、

日々、必ず何かしらの変化をしています。

人生は、「自分自身を生きる覚悟と責任」を持てば持つほどに、主体性が発揮されます。

主体性が発揮されることで、自然と、周囲から注目され、

他者を感化し、影響し、説得する「自信=影響力」が増すのです。

当然、何もしなければ、自信がつくこともないわけですから、

太陽回帰図で太陽がカルミネート天体である場合は、

勇気を出して行動し、どんな小さくて、成功体験を積み重ねることで、

内面から自信が溢れるようになり、人目を引くようになります。

太陽がカルミネート天体で、

しかも、太陽回帰図で存在感を放つ位置で輝くということは、

「自分に対する信頼」が高まる機会に恵まれるとともに、

他者や周囲を感化するほどの生命力が発揮できる1年になることを表しています。

火星のカルミネート

火星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「やる気(諸刃の剣)」と「トラブルに注意すること」が暗示されます。

火星と土星、トランスサタニアンの3天体は、マレフィック(凶星)と見なされます。

特に火星が強調される配置(品格 / 品位)やカルミネートの状態の際、

自分自身の言動や振る舞いを制御する必要性が高まります。

なぜなら、火星は「争い」や「刃物」を象徴する天体で、

衝動性が高まることで、タイミング悪く、トラブルを生じさせる力を持つからです。

ただ、火星は内面に蓄積されたエネルギーを放出することで、

現実を動かし、変化をもたらす天体でもありますので、決して、害悪ではありません。

後先考えずに、その場の空気や雰囲気、

自分と他者の立場を振り払ってまで

その時の衝動や感情に任まかせて、

横暴な言動や振る舞いをしないように注意する必要がある、ということです。

こういう場合に、「星の巡り」としてのタイミングが、凶意を強めるか、

それとも、主体性を高めるかの両極端に振れてしまうため、

太陽回帰図で火星がカルミネート天体である場合は特に、

「自分を省みること」と「独断専行で動かないこと」、

そして、「状況判断を怠らないこと」が重要になります。

カルミネート天体としての火星の意図は、

火星のサインである牡羊座と蠍座に反映されますので、

これら2つのサインの状態もチェックしてくださいね。

木星のカルミネート

木星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「収穫」や「転機」、「発展」が見込まれることを暗示します。

木星は、金星と同様にベネフィック(吉星)天体ですが、

社会天体であるため、金星以上に影響力が強い天体です。

太陽回帰図でカルミネート天体となる木星は、

「発展」と「拡大」、そして、「収穫」を象徴し、

それまでの歩み・成長の成果を得ることができることを表します。

木星は射手座と魚座のルーラーで、

両方のサインの特徴として、「大らかさ」が挙げられます。

射手座は「楽観主義」、魚座は「浮世離れ」といった言葉で形容されるように、

木星がカルミネート天体であることで、

のんびりと構えて、物事の移り変わりや進展を眺められる1年になることを示すのです。

ただ、金星と同様に、自制を利かせることなく、

何でも許容してしまったり、他者や周囲に乗せられて、

あれやこれやと大風呂敷を広げてしまうと、収拾がつかなくなりますので、

自分の意に沿わないことは断る決断・選択も必要になります。

コンフォートゾーンを抜けるためには、

自分の価値観の外にある選択が必要になることもありますが、

「騙されること」や「利用されること」といった場合を見抜く洞察力も重要です。

こういったことを頭に入れながらも、

太陽回帰図で木星がカルミネートの状態にある場合は、

マレフィック天体とは違い、

自滅するような出来事に遭遇することは少ないと言えますので、

巡ってくるご縁や転機を快く迎え入れることで、

成果・収穫を得ると同時に、新たな発展のチャンスにも恵まれるでしょう。

土星のカルミネート

土星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「忍耐」と「責任」が高まることを暗示します。

土星は、木星が「拡大」の働きを持つならば、

その反対の、「収縮」の働きを持ちます。

表現を変えるならば、「具体化」や「固定化」、「浸透化」といったように、

現実に即した働きを求めるのが土星です。

サターン・リターン(土星回帰)に見られるように、

土星は、人生で達成すべきことを受け入れ、応えるように求めます。

そのため、太陽回帰図で土星がカルミネートの天体である場合は、

土星が位置するハウスにも依りますが、

自分自身の役割や立場は当然ですが、

他者や周囲に対する責任を全うする負担が増え、

忍耐強く1年を過ごすことが求められるでしょう。

土星は、一見「停滞」や「拘束」といった状況や感覚、心境を与えますが、

水面下では必ず物事が進展していますので、

土星の働きを忌み嫌う必要はありません。

むしろ、現実逃避をしようとすればするほど、土星は凶意を強めます。

土星は「厳しい教師」と形容されますが、

厳しい教えから得られるものは多いですし、

盤石な人生を築くための経験と成長の機会を与えてくれますので、

忍耐と責任と引き換えに、自由と達成感、自信、

そして、他者や周囲からの評価と応援が得られる、ということを忘れないでください。

土星は、山羊座と水瓶座のルーラーですので、

カルミネート天体としての土星の意図は、

これら2つのサインに反映されますので、

山羊座と水瓶座の状態もチェックしてくださいね。

天王星のカルミネート

天王星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「急激な変化」が訪れることを暗示します。

トランスサタニアンのうち、天王星は現実にダイレクトに働きかける天体です。

また、天王星は「予期せぬ変化」をもたらすため、

火星と土星以上に、コントロールや想定を外れた影響を与えるため、

マレフィック(凶星)天体と見なされます。

天王星がもたらす変化は、「意図しない変化」や「意外な変化」として、

仕事や心身の健康状態、住居、経済状況、人間関係など、様々な分野で起こる可能性があります。

太陽回帰図でカルミネート天体となる天王星が位置するハウスにより、

影響の矛先は異なりますが、

特に、天王星とアスペクトを形成する天体のハウスには、

強い変化がもたらされるとされています。

人は変化を嫌う生き物です。

もっと改善できる、とは思っていても、

不快さや面倒さに時間と労力を割いていても、

「変わることで得られるメリット」よりも、

「変わらないことで得ているメリット」の方を優先してしまうのは自然です。

だからこそ、天王星は「揺り動かし」として、

最も変えたくない・変わりたくない(手を加えたくない)部分を刺激します。

天王星は、土星以上にインパクトが強い出来事や変化をもたらしますが、

衝撃を受け入れた後は、その道を進みながら、

「変化が起きた理由」という人生のシナリオ・伏線を後に回収することになりますので、

天王星がもたらす変化に対しては、

「降参」ではないですが、受容するに限ります。

人は「衝撃」を受けることで、感動しますし、

「見えなかったことが見えること」だってあります。

太陽回帰図で天王星がカルミネート天体である場合は、

慎重になりながら、常に発展や軌道修正のチャンスが無いか、

ということを模索する1年になるでしょう。

海王星のカルミネート

海王星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「不安定さ」や「不明瞭さ」で見通しが付かない1年になることを暗示します。

海王星は、月と金星と同様に女性天体ですが、

これらの天体が持つ「内的働きとしての受容性」とは違い、

「集合的無意識との繋がり」と連動した、範囲・規模の広い受容性です。

そのため、「強制的な受容性」とも言えるような、

終わりの見えない不安定さや不透明さ、不明瞭さを抱え、

1年を通して、見通しや先行きが見えない感覚で過ごすことになります。

ただ、海王星が象徴する「集合的無意識」や「無意識の繋がり」は、

これまで当たり前に使っていた価値観や信念(思い込み)が通用しないことで、

新しい感覚や感性が芽生えるキッカケや転機をもたらすことが場合があります。

こういった不安定な状況が続く場合は、

不安や恐怖心を払拭させるために、忙しく動き回るよりも、

内観や内省に時間を割いたり、意図を発したら、落ち着いた状態をキープし、

時間をかけて手元に巡ってくる転機や出会い、チャンスを受け取るような、

柔和な在り方で日々を過ごす方が望ましいと言えます。

「暖簾に腕押し」という言葉がありますし、

武術では、「身体的な緊張を解いて、意識を丹田に集中させる脱力の状態」が

無敵の状態と言われています。

「自らが動くべき時は、ちゃんと知らせが訪れる」という意識で、

焦りや不安から動かず、

その時・その場所にある豊かさを味わうことに意識を向けることが重要です。

太陽回帰図でのカルミネート天体としての海王星の意図の反映を見る際は、

魚座の状態・状況を確認してください。

また、海王星が他の天体と形成するアスペクトによって、

不安や恐怖心、焦りの原因が判明する場合がありますので、

海王星が意図を渡す天体のハウスは必ず確認が必要です。

冥王星のカルミネート

冥王星が太陽回帰図でカルミネート天体である場合、

その年は、「俯瞰した視点」と「洞察力」の発揮が求められることを暗示します。

冥王星は「根本的な価値の変容」や「極端性」、

「死と再生」といった言葉で表現されます。

本講座では、太陽と冥王星は、

トーラスの関係性(円環的な表と裏の繋がり)という風に表現しています。

「始まりと終わりは同じ」という言葉があるように、

太陽は中心点であるのに対して、

冥王星は太陽系の最遠部に軌道を持つ天体です。

時期によって、海王星の方が冥王星よりも、太陽から離れる場合がありますが、

原理的には冥王星が最遠部に位置し、

太陽系を外部から守る天体と言えます。

また、冥王星は「支配欲」や「強い影響力」を象徴する天体でもあります。

そのため、太陽回帰図で冥王星がカルミネート天体である場合、

ハウスにも依りますが、

「自分の思い通りにしたい」という欲望で、

反感を買ったり、周囲から敬遠されないように、

自分自身を客観視することが必要です。

ただ、冥王星がMCに近く、特に10ハウスに位置している場合は、

嫌でも存在感や潜在能力が発揮され、注目される配置ですので、

客観視に加えて、全体を見通す洞察力を発揮する必要があります。

太陽が生まれ変わるタイミングで、冥王星がカルミネート天体であることは、

太陽の成熟度を引き上げる、という側面があるとともに、

他者への強い影響も当然出て来るはずです。

木星と土星とともに、冥王星は「人を導く役割」を与える天体でもあります。

そのため、「他者の精神性を鍛える」という意味で、

人を指導したり、導いたりと、目先のことばかりに囚われていては、

冥王星の働きを受け止めることができません。

とは言っても、冥王星もマレフィック(凶星)天体ですので、

自分の意図や思惑から外れた状況や出来事が舞い込むことも暗示されます。

そういった場合に、

いかに主体性と柔軟性を発揮するか、ということが問われるとともに、

冥王星からの要求に応えることによって、

太陽(本質)を輝かせることになるでしょう。

どの天体がカルミネート天体であっても言えることですが、

「巡ってきた現実」を「ギフト」と捉えるか、

それとも、「問題」と捉えるかは、私たち次第です。

すべての天体は、必要な現実を体験させるための影響力を振いますが、

すぐにその真意は掴めないことが多いですので、

時間をかけて、一喜一憂せずに、

「最善とは何か?」や「現実が教えようとしていることは何か?」、

もしくは、「私が体験したいことは何か?」という肯定的、

且つ、成熟した精神性で、

自分自身と世界(人生)を捉えることが何よりも重要です。

カルミネート天体が無い場合は?

太陽回帰図でカルミネート天体が無い場合は、

1年が単調であったり、刺激がない、ということではないのですが、

「衝撃的な体験」は無く、平穏な1年が待っている、という捉え方をします。

太陽回帰図は、トランジットの太陽がネイタルの太陽のサインの度数に還るタイミングではありますが、

前後の年との兼ね合いがあります。

前年が多忙で、落ち着く暇がなく、

ようやく落ち着ける年になった、という場合もありますし、

逆に、今年からは想像できないほどに、翌年は忙しくなる、ということもあります。

カルミネート天体に限らず、

品格 / 品位やジョイを獲得や、

天体集合(グランド・コンジャンクション・ステリウム)などが無いホロスコープは、

大きな変化をもたらす影響力の出所が分かりにくいだけで、

ちゃんとその年、そのタイミングに必要な影響力や傾向を見つけることができます。

冥王星の項でもお伝えしましたが、

「巡ってきた現実」に優劣はなく、

どのような年も、前年とも翌年とも違う「ギフト」が巡ってきます。

カルミネート天体が無い場合は、

分かりやすい影響や困った出来事・状況が降りかからない一方で、

どんな流れになるのかを、太陽回帰図から探ってくださいね。

祝日について

例題に入る前に、祝日について少し触れたいと思います。

日本に住む私たちにとって、「令和」という元号は、

これからの時代を生きる上で、

また、ホロスコープ・リーディングをする上で非常に重要です。

「日本国」という表現をした際、

または、日本の歴史を紐解く際は、天皇家の存在や歴史を避けて通ることはできません。

令和という年号は、上皇陛下のご意向を政府が汲み取り、

04月末から05月頭の大型連休(ゴールデンウィーク)の期間に、

国民が休日を過ごす、落ち着いた期間であることから、

昭和の日(04月29日)の翌日に、

今上天皇の即位の日(改元の日)として定められました。

ちなみに、「昭和の日」は、昭和天皇のお誕生日でしたが、

皇位継承に伴い、平成に年号が変わった際に、

「天皇誕生日」から「昭和の日」へと名称が変わりました。

また、上皇陛下はご存命ですので、

現在の天皇陛下のお誕生日と同様に、

上皇陛下のお誕生日も祝日にしてしまうと、

「二重権威」が生じるかもしれないとのことで、

上皇陛下のお誕生日(12月23日)は祝日とはされず、平日のままとなっています。

国民の祝日には、3つのパターンがあることはご存じでしょうか?

  1. 日付が固定されている祝日
  2. 特定の月と曜日が指定されている祝日
  3. 具体的な日付ではなく、二十四節気(季節の巡り)に合わせた祝日

1の祝日は、先ほど取り上げた「昭和の日」や、

01月01日の「元日」や、02月11日の「建国記念の日」などの、

日付と祝日が合致している日です。

ちなみに、「建国記念日」ではなく、

「建国記念の日」という名称になっている理由は、

日本国の建国の日が明確ではないため、

建国されたこと自体を祝う趣旨を以って、「建国記念の日」とされています。

2の祝日は、具体的な日にちではなく、連休が組めるように設けられる祝日です。

具体的には、「成人の日(01月の第2月曜日)」や「海の日(07月の第3月曜日)」などです。

3の祝日は、まさに、「春分の日」や「秋分の日」といった、

占星術では欠かせない日付(祝日)です。

年代によって、馴染みのある祝日もあれば、

いつの間にか名称が変わっている祝日もありますよね。

せっかくなので、祝日・休日を表にまとめましたので、参考にしてください!

国家の方針を占断する際、マンデン占星術が用いられますが、

その際は、こういった年号や国の歴史的背景を知ることも学びの1つになりますので、

補足として説明させていただきました。

以下の表に、明治から令和までの元号の年数をまとめました。

令和元年の太陽回帰図:(2019年05月01日~2030年05月01日)

今回は、令和元年のホロスコープを題材に、

令和十二年までの11年分太陽回帰図をご用意しました。

国家に関するホロスコープは、「マンデン・ホロスコープ」と呼ばれます。

ネイタルチャートも、個人にとっての重要なホロスコープですので、

出生日から算出する太陽回帰図も、国家の(マンデンの)ホロスコープと同様に重要です。

今回は、令和元年のホロスコープの太陽回帰図を複数出し、

どのようなことが分かるのかを見ていきたいと思います。

令和元年(2029年05月01日)のホロスコープのリーディングと、

令和六年・2024年~2025年の流れを解説させていただきます。

その他の太陽回帰図は、令和二~五年分は9つの重要項目をご紹介し、

令和七~十二年の太陽回帰図はホロスコープのご紹介をさせていただきます。

それでは、令和元年のホロスコープ(ネイタルチャート)を見ていきましょう。

令和元年(2019年05月01日)

上記の画像は、年号が変わった2019年05月01日00:00時のホロスコープです。

まずは、太陽回帰図のリーディングのために、

重要項目で挙げた9つのポイントを確認します。

ASCのサインとサイン・ルーラーのサインとハウス

ASC:【1年の傾向・特徴・特色・雰囲気】

ASCサイン・ルーラー:【1年の流れ・運勢を掴むエネルギー・キッカケ】

・ASC@山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

・サイン/チャート・ルーラー – 土星:1ハウス

太陽のサインとハウス

1年のテーマ・分野を表すエネルギー・場所】

太陽:5ハウス@牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

月のサインとハウス

1年を通して「安心感」や「強い影響」を示すエネルギー・場所】

:3ハウス@魚座
:女性サイン・活動宮・水のエレメント

土星のサインとハウス

1年を通して直面することとなる「課題」や「忍耐」を表す

土星:1ハウス@山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

冥王星のサインとハウス

1年を通して「価値観の変容」を促す

冥王星:1ハウス@山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

【意識の成長・変容・成熟のための推進・停滞のエネルギーを見出す】

・ASCのサイン・ルーラー:土星

土星 – コンジャンクション – 冥王星
土星 – スクエア(90度) – 水星
土星 – セクスタイル(60度) – 月
土星 – インコンジャンクト/クインカンクス(150度) – 火星
土星 – セミセクスタイル(30度) – 木星

⇒ 土星は、太陽と月とアスペクトを持たない

MCのサインとハウス、サイン・ルーラー、カルミネート天体の有無

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

MC:11ハウス – 蠍座
:女性サイン・不動(固定)宮・水のエレメント

・MCのサイン・ルーラー:火星&冥王星

火 星:6ハウス@双子座
:男性サイン・柔軟宮・風のエレメント

冥王星:1ハウス@山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

・カルミネート天体無し

MCと天体のアスペクト 

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す
:MC – トライン(120度) – 海王星  

MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

目標を実現するために必要な意識・エネルギーを見出す

火星 – オポジション(180度) – 木星
火星 – スクエア(90度) – 月&海王星
火星 – セクスタイル(60度) – 金星
火星 – インコンジャンクト/クインカンクス – 土星&冥王星
火星 – セミセクスタイル(30度) – ドラゴンヘッド

冥王星 – コンジャンクション – 土星&ドラゴンテイル
冥王星 – オポジション(180度) – ドラゴンヘッド
冥王星 – スクエア(90度) – 金星
冥王星 – セクスタイル(60度) – 月
冥王星 – インコンジャンクト/クインカンクス(150度) – 火星
冥王星 – セミセクスタイル(30度) – 木星

令和元年のホロスコープのリーディング

誰にとっても重要ですので、

令和元年のホロスコープのリーディングをしていきたいと思います。

包括的な解説をしていきますので、

上記に挙げた9つの項目を振り返りながら、

ホロスコープ・リーディングの面白さや深さを感じ取っていただければ幸いです。

ASCが山羊座であることで、

令和元年・2019年05月01日からの日本は、

諸外国に対して、「忍耐力」や「堅実性」を見せていくことになりました。

1ハウスは「アイデンティティ」が生まれる場所であるとともに、

ASCはそのアイデンティティを基に形成される、他者・周囲からの印象を表します。

ASCのサイン・ルーラー、兼、チャートルーラーである土星が、

ドラゴンテイルとともに1ハウスに位置することで、

ドミサイルの品格 / 品位を獲得しています。

また、土星は冥王星とコンジャンクションしていることもあって、

「自国を立て直そうとする意識」が高いことが分かります。

土星と山羊座は、「伝統」や「継承」といった強い関心を示し、

実際的に物事を定着・維持する働きを表します。

ただ、土星も冥王星も逆行中での元号の改正でしたので、

山羊座ASCの象意も相まって、長期的な計画・流れで、

抜本的な意識の転換を起こしながら、自国を強くしていく、

という風に捉えるべきではないかと思われます。

太陽は5ハウス@牡牛座に位置し、天王星とコンジャンクションしています。

令和の年号を掲げることとなった日本国の本質(太陽)は、

牡牛座が持つ「自然との共生」によって生活を営み、

自然の摂理に沿って発展を着実に進めていくことが示されています。

牡牛座には天王星が運行していますので、

表現を変えますと、

「降りかかってくる変化・変容を飲み込む」

としても大げさではないでしょう。

5ハウスのルーラーと、牡牛座のルーラーはともに金星です。

また、2018年から天王星は牡牛座を運行し始め、

日本だけでなく、世界中で物質と紐づいていた価値が変わり、

「信用」と「価値」の関係性が揺らぎ続けています。

翌年の2020年12月22日には、

木星と土星によるグレート・コンジャンクション・グレート・ミューテーションが起こったわけですが、

日本国のこれからの流れは、単に土のエレメントによる再現ではなく、

「温故知新」を掲げ、あらゆるものを受容し、咀嚼し、世界へと還元するような、

懐の深く、受容性の高い国民性が築かれていく流れにあるように思われます。

もちろん、年号改正のホロスコープは、

日本国内だけの流れ・雰囲気を表しますので、そ

の年の春分図の流れや、諸外国とのリアルタイムの関係性、世界情勢の影響によって、

その流れや雰囲気は停滞・後退することもあるでしょう。

ただ、「始まり」や「動機」は、時間を経て、

やがて「成果」や「収穫」となり、共通認識となっていきます。

令和元年のホロスコープを見る限り、天体が北半球に集中し、

1・5ハウスに大きな力が集中し、3・4ハウスに受容性の高い天体が集中しています。

月は3ハウス@魚座に位置し、海王星とコンジャンクションしています。

加えて、パート・オブ・フォーチュンの近くに位置していることから、

国内外問わず、精神性・受容性の高い姿勢で対話をすることで、

集団意識や集団心理が柔和になり、

その在り方が、他者や他国の緊張を解すように思われます。

月が支配・守護する蟹座は、7ハウスと重なり、ドラゴンヘッドが位置しています。

柔和な在り方は、本講座で何度もお伝えしている「脱力」に通じるもので、

月と蟹座は「受容」や「同調」、「慈しみ」を表します。

令和の日本は、相手に慈しみによって接することが発展の方向性であるとともに、

慈しみの境地を貫くためには、忍耐が必要であることを伝えています。

1ハウス@山羊座の土星と冥王星がドラゴンテイルとコンジャンクションし、

ドラゴンヘッドとオポジション(180度)のアスペクトを形成していることから、

その歩みは簡単ではないことが分かります。

山羊座と蟹座は、「守りたいもの=安らぎ・安心」であることは共通していながら、

外向性と内向性の対極的な性質によって、

対立と補完の関係性を成立させるサイン同士です。

万国共通で、父親と母親のパワーバランスといったものがあると思いますが、

「性の別」と「価値」はイコールである、という錯覚や思い込みが、

性別感の争いを生み、存在や個性の否定へと繋がります。

蟹座は「愛国心」を表すサインでもありますので、

日本人のアイデンティティとしては、

忍耐力のある姿(土星・山羊座)を見せるとともに、

慣れ親しむことで、信用関係が築かれていき、

対話を重ねるうちに、当たり前になっている国に対する愛着と、

自国にたいする理解を深めることで、

日本は大らかで、逞しい国になっていくのでしょう。

「女性の台頭」や「女性の権利」が叫ばれ始めたのは、18世紀頃ではないかと言われています。

外国から見ると、日本人女性は優遇されている、守られている、という意見もありますが、

日本を外から見たり、他国の文化や価値観を知らなければ、そういった発想にはなりません。

国内では、やはり男性優位社会の風潮が強いように思われますが、

男性優位の時代を生き、次世代に影響力を持つ世代の人数・母数が多いだけで、

若い世代の男性は、実はステレオタイプの男性像に苦しんでいる、という側面もありますので、

概念と現実の乖離を知っていくこともまた必要なようです。

MCが蠍座のピーク度数(15度)に位置していることで、

1ハウスの冥王星とともに、

「粘り強さ」と「強い生命力」を発揮していくことが、

令和の日本の課題であり、目標であり、

世界に対する存在意義と、今後の影響力を培う源泉となっていくでしょう。

日本人は「無宗教」とよく言われますが、

原日本の精神のルーツは、やはり、アニミズムではないかと思われます。

概念的な信仰ではなく、自然の摂理の中に真理を見出し、

目に見える働きと目に見えない働きの両方に敬意を払う精神性は、

日本人のDNAに刻まれているはずです。

逆行中の木星が12ハウスに位置し、

射手座でドミサイルの品格 / 品位を獲得しています。

対向の6ハウス@双子座とオポジションを形成し、

木星は冥王星とセミセクスタイル(30度)、

火星は冥王星とインコンジャンクト/クインカンクス(150度)のアスペクトを形成しています。

本講座で繰り返しお伝えしているのですが、

ハウスの原理として、12ハウスから1ハウスに魂が昇り(もしくは、1ハウスに降り)、

2ハウスで肉体を獲得する、という流れを採用した場合、

木星がもたらす「真理の働き」の恩恵が、1ハウス@山羊座で受け取られ、

2ハウス@水瓶座で形になっていくとすれば、

1ハウスの土星と5ハウスの天王星の働きによって、木星の意図が成就する、という解釈ができます。

年々、「覚醒」や「目覚め」といった言葉を多く発せられるようになってきましたが、

昔はヒッピーブームやニュー・エイジが盛んになった1980年代頃と同様に、

現代人は常に「操作」や「洗脳」、「煽動」を受けていて、

一定の割合の人が「現実と思わせられている事実」に気づくことによって、

集団意識と集団的無意識が転換する、と考えられているようです。

量子力学の台頭と科学技術の発展と平行して、

スピリチュアリズムが再び注目を集めています。

ただ、注意したいこととして、

スピリチュアリズムや心理、真理探究の分野は、どこに落とし穴があるか分からず、

「目覚め」のための行動が、誰かのビジネスや思惑、支配によって誘導される恐れがあるため、

ネットリテラシーだけでなく、ビジネス、経済、歴史、民俗学、言語学、宗教学、哲学など、

これまでは触れてこなかった、または、馴染みの無かった分野に触れ、

知性と精神性を高めていくことが重要です。

話が少し逸れましたが、

山羊座にASCが位置し、逆行中の土星と冥王星が位置していることで、

「人類が築き、後世に残し、継承され続けてきた価値」に対して、

食わず嫌いや偏見で、現実を見て見ぬふりをすべきではない、

ということが突きつけられている、という風に解釈することもできます。

6ハウス@双子座の火星は、

ハイ・オクターヴの冥王星とインコンジャンクト/クインカンクス(150度)のアスペクトを形成し、

水星とはセクスタイル(60度)のアスペクトを形成しています。

土と風のエレメントは、親和性が低く、

山羊座のASCの意図が、双子座の火星にスムーズに伝わらないことで、

不活性が起こることが暗示されています。

ですが、牡牛座も当てはまりますが、

山羊座と土星の教訓として、「地道さ」や「着実さ」、そして、「誠実さ」は、

揺るぎない、盤石の状態を築きますので、

「すぐに芽が出ない」という現実を悲観視すべきではありません。

むしろ、これだけ北半球に天体が集まり、

蠍座のMCが「友人」や「理想」を表す11ハウスに位置しているのですから、

長期的に物事を捉え、結果やゴールまでのプロセスに、

「どれほどの恩恵が潜んでいるのか」を探そうとする肯定的な意識と態度が、

日本の未来と日本国民の意識を更なる豊かさへと導いていくはずです。

以下の「プログレスの月」の記事で、

アスペクトラインを抜いた場合の令和元年のホロスコープについて触れていますので、

プログレスの月のフェーズが気になる方は、是非チェックしてくださいね!

令和二年~五年のホロスコープは、

重要な9項目を列挙するだけに留め、

太陽回帰図の解説は、令和六年の太陽回帰図に限定して行いたいと思います。

令和二年(2020年05月01日~2021年04月30日)

ASCのサインとサイン・ルーラーのサインとハウス

ASC:【1年の傾向・特徴・特色・雰囲気】

ASCサイン・ルーラー:【1年の流れ・運勢を掴むエネルギー・キッカケ】

ASC:牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

・ASCサイン・ルーラー:金星

金星 – 2ハウス@双子座

太陽のサインとハウス・アスペクト

1年のテーマ・分野を表すエネルギー・場所】

太陽 – 1ハウス@牡牛座

:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

太陽 – コンジャンクション – 水星・天王星(・ASC)

太陽 – スクエア(90度) – MC・パート・オブ・フォーチュン

太陽 – セミセクスタイル(30度) – カイロン/キロン

月のサインとハウス・アスペクト

1年を通して「安心感」や「強い影響」を示すエネルギー・場所】

– 3ハウス@蟹座:ドミサイル
:女性サイン・活動宮・水のエレメント

– コンジャンクション – ドラゴンヘッド

– オポジション(180度) – 冥王星&木星

– セクスタイル(60度) – ASC

土星のサインとハウス

1年を通して直面することとなる「課題」や「忍耐」を表す

土星 – 10ハウス@水瓶座:ドミサイル
:男性サイン・不動(固定)宮・風のエレメント

冥王星のサインとハウス

1年を通して「価値観の変容」を促す

冥王星 – 9ハウス@山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

【意識の成長・変容・成熟のための推進・停滞のエネルギーを見出す】

・ASCのサイン・ルーラー:金星

金星 – トライン(120度) – 火星
金星 – スクエア(90度) – 海王星

MCのサインとハウス、サイン・ルーラー、カルミネート天体の有無

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MC – 10ハウス@水瓶座

・MCのサイン・ルーラー:土星&天王星

・カルミネート天体:土星

MCと天体のアスペクト 

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MC – スクエア(90度) – 水星・天王星・太陽
MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

目標を実現するために必要な意識・エネルギーを見出す

・MCのサイン・ルーラー:土星&天王星

土星 – コンジャンクション – 火星
土星 – スクエア(90度) – 水星
土星 – セミセクスタイル(30度) – ドラゴンテイル

天王星 – コンジャンクション – 水星&太陽
天王星 – スクエア(90度) – 土星&MC

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和二年のホロスコープの二重円です。

令和三年(2021年05月01日~2022年04月30日)

ASCのサインとサイン・ルーラーのサインとハウス

ASC:【1年の傾向・特徴・特色・雰囲気】

ASCサイン・ルーラー:【1年の流れ・運勢を掴むエネルギー・キッカケ】

・ASC:獅子座
:男性サイン・不動(固定)宮・火のエレメント

・ASCサイン・ルーラー:太陽

・太陽:10ハウス@牡牛座

太陽のサインとハウス・アスペクト

1年のテーマ・分野を表すエネルギー・場所】

太陽:10ハウス@牡牛座

:女性サイン・不動(固定)宮・土エレメント

太陽 – コンジャンクション – 天王星・金星・水星(・MC)

太陽 – スクエア(90度) – 土星

太陽 – セクスタイル(60度) – 火星

太陽 – セミセクスタイル(30度) – ドラゴンヘッド・カイロン/キロン

月のサインとハウス・アスペクト

1年を通して「安心感」や「強い影響」を示すエネルギー・場所】

:5ハウス@射手座
:男性サイン・柔軟宮・火のエレメント

– コンジャンクション – ドラゴンテイル

– スクエア(90度) – 海王星

– インコンジャンクト/クインカンクス – 金星

– セミセクスタイル(30度) – 冥王星

土星のサインとハウス

1年を通して直面することとなる「課題」や「忍耐」を表す

・土星:7ハウス@水瓶座@ドミサイル
:男性サイン・不動(固定)宮・風のエレメント

冥王星のサインとハウス

1年を通して「価値観の変容」を促す

冥王星:6ハウス@山羊座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

【意識の成長・変容・成熟のための推進・停滞のエネルギーを見出す】

・ASCのサイン・ルーラー:太陽

太陽 – コンジャンクション – 天王星・金星・水星(+MC)
太陽 – クインカンクス/インコンジャンクト – ドラゴンテイル
太陽 – セミセクスタイル(30度) – ドラゴンヘッド・カイロン/キロン

MCのサインとハウス、サイン・ルーラー、カルミネート天体の有無

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MC:10ハウス@牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

・MCのサイン・ルーラー:金星
金星:10ハウス@牡牛座:ドミサイル

・カルミネート天体:天王星

MCと天体のアスペクト 

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MCのサイン・ルーラー:金星

MC – コンジャンクション – 太陽・天王星・金星・水星
⇒ 天王星と牡牛座10度でタイトなコンジャンクション
MC – スクエア(90度) – 土星
MC – クインカンクス/インコンジャンクト – 月

MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

目標を実現するために必要な意識・エネルギーを見出す

・MCのサイン・ルーラー:金星

金星 – コンジャンクション – 太陽・天王星・水星(+MC)
金星 – スクエア(90度) – 土星
金星 – クインカンクス/インコンジャンクト – 月

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和三年のホロスコープの二重円です。

令和三年の太陽回帰図は、ネイタルチャート(令和元年)の太陽と同じ5ハウスに位置していることが分かります。

令和四年(2022年05月01日~2023年04月30日)

ASCのサインとサイン・ルーラーのサインとハウス

ASC:【1年の傾向・特徴・特色・雰囲気】

ASCサイン・ルーラー:【1年の流れ・運勢を掴むエネルギー・キッカケ】

・ASC:天秤座
:男性サイン・活動宮・風のエレメント

・ASCサイン・ルーラー:金星

金星:6ハウス@魚座
:女性サイン・柔軟宮・水のエレメント

太陽のサインとハウス・アスペクト

1年のテーマ・分野を表すエネルギー・場所】

太陽:8ハウス@牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

太陽と月はコンジャンクション(新月の直前の配置)

太陽 – コンジャンクション – 月・天王星・ドラゴンヘッド

太陽 – セクスタイル(60度) – 火星

太陽 – セミセクスタイル(30度) – カイロン/キロン

月のサインとハウス・アスペクト

1年を通して「安心感」や「強い影響」を示すエネルギー・場所】

:8ハウス@牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

太陽と月はコンジャンクション(新月の直前の配置)

– コンジャンクション – 太陽・天王星・ドラゴンヘッド

– スクエア(90度) – MC

– セミセクスタイル(30度) – 金星

土星のサインとハウス

1年を通して直面することとなる「課題」や「忍耐」を表す

土星:5ハウス@水瓶座
:男性サイン・不動(固定)宮・風のエレメント

冥王星のサインとハウス

1年を通して「価値観の変容」を促す

冥王星:4ハウス@山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

【意識の成長・変容・成熟のための推進・停滞のエネルギーを見出す】

・ASCのサイン・ルーラー:金星

金星 – コンジャンクション – 火星・海王星・木星
⇒ 金星と木星は魚座27度でタイトなコンジャンクション

金星 – セクスタイル(60度) – 冥王星

金星 – クインカンクス/インコンジャンクト(150度) – ASC

金星 – セミセクスタイル(30度) – 土星

MCのサインとハウス、サイン・ルーラー、カルミネート天体の有無

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MC:11ハウス@獅子座

MCのサイン・ルーラー:太陽

・カルミネート天体:無し

MCと天体のアスペクト 

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

MC – スクエア(90度)
MC – セクスタイル(60度) – 水星

MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

目標を実現するために必要な意識・エネルギーを見出す

・MCのサイン・ルーラー:太陽

太陽 – コンジャンクション – 月・天王星・ドラゴンヘッド
太陽 – スクエア(90度) – 火星

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和四年のホロスコープの二重円です。

令和五年(2023年05月01日~2024年04月30日)

ASCのサインとサイン・ルーラーのサインとハウス

ASC:【1年の傾向・特徴・特色・雰囲気】

ASCサイン・ルーラー:【1年の流れ・運勢を掴むエネルギー・キッカケ】

・ASC:山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

・ASCのサイン・ルーラー:土星
土星ハウス@魚座

太陽のサインとハウス・アスペクト

1年のテーマ・分野を表すエネルギー・場所】

太陽1ハウス@牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

太陽 – コンジャンクション – 水星・天王星・ドラゴンヘッド

太陽 – オポジション(180度) – ドラゴンテイル・MC

太陽 – トライン(120度) – 月(・ASC・パート・オブ・フォーチュン)

⇒ 太陽と月・ASCによって、風のグランド・トラインを見出すことができる
 (+パート・オブ・フォーチュン)

太陽 – セクスタイル(60度) – 土星

⇒ 太陽は、月と土星に対して、調停のアスペクトを形成する

月のサインとハウス・アスペクト

1年を通して「安心感」や「強い影響」を示すエネルギー・場所】

9ハウス@山羊座
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

– コンジャンクション – パート・オブ・フォーチュン

– オポジション(180度) – 土星

– トライン(120度) – 太陽・水星・ドラゴンヘッド

– セクスタイル(60度) – ドラゴンテイル・MC

はノード軸に対して、調停のアスペクトを形成する

土星のサインとハウス

1年を通して直面することとなる「課題」や「忍耐」を表す

土星:3ハウス@魚座
:女性サイン・柔軟宮・水のエレメント

冥王星のサインとハウス

1年を通して「価値観の変容」を促す

冥王星:2ハウス@水瓶座
:男性サイン・不動(固定)宮・風のエレメント

ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

【意識の成長・変容・成熟のための推進・停滞のエネルギーを見出す】

・ASCのサイン・ルーラー:土星

・土星 – コンジャンクション – 海王星
・土星 – オポジション(180度) – 月
・土星 – トライン(120度) – ドラゴンテイル&MC
・土星 – セクスタイル(60度) – ドラゴンヘッド
・土星 – セミセクスタイル(30度) – 冥王星

MCのサインとハウス、サイン・ルーラー、カルミネート天体の有無

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MC:蠍座

・MCのサイン・ルーラー:火星&冥王星

火星:7ハウス@蟹座
:女性サイン・活動宮・水のエレメント

冥王星:2ハウス@水瓶座
:男性サイン・不動(固定)宮・風のエレメント

MCと天体のアスペクト 

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MC – 11ハウス@蠍座

・MC – コンジャンクション – ドラゴンテイル
・MC – オポジション(180度) – ドラゴンヘッド
・MC – トライン(120度) – 土星

MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

目標を実現するために必要な意識・エネルギーを見出す

・MCのサイン・ルーラー:火星&冥王星

火星 – トライン(120度) – MC
火星 – スクエア(90度) – カイロン/キロン
火星 – セクスタイル(60度) – 天王星

冥王星 – スクエア(90度) – ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル(+MC)
⇒ 冥王星を頂点としたノード軸とのTスクエア
冥王星 – セミセクスタイル(30度) – 土星

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和五年のホロスコープの二重円です。

令和六年(2024年05月01日~2025年04月30日)

それでは、本題の太陽回帰図のリーディングをしていきたいと思います!

令和元年のホロスコープをもう一度掲載しますので、何度も見比べてくださいね。

令和元年のホロスコープ

令和六年の太陽回帰図

こちらが、令和六年の太陽回帰図です。

ASCのサインとサイン・ルーラーのサインとハウス

ASC:【1年の傾向・特徴・特色・雰囲気】

ASCサイン・ルーラー:【1年の流れ・運勢を掴むエネルギー・キッカケ】

・ASC:牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

・ASCのサイン・ルーラー:金星

金星:1ハウス@牡牛座:ドミサイル

太陽のサインとハウス・アスペクト

1年のテーマ・分野を表すエネルギー・場所】

太陽:1ハウス@牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

太陽 – コンジャンクション – 金星・天王星・木星(・ASC)

注)一般的に、太陽のオーヴは最大9度ほどですが、今回はオーヴを5度以内に留めています。

月のサインとハウス・アスペクト

1年を通して「安心感」や「強い影響」を示すエネルギー・場所】

月:9ハウス@山羊座:デトリメント(弱体)
:女性サイン・活動宮・土のエレメント

– コンジャンクション – パート・オブ・フォーチュン&MC

– トライン(120度) – ASC&天王星

– スクエア(90度) – ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル
を頂点とした、ノード軸を底辺とした(アッパー)Tスクエアを形成

– スクエア(90度) – 水星

– セクスタイル(60度) – 土星

土星のサインとハウス

1年を通して直面することとなる「課題」や「忍耐」を表す

土星:11ハウス@魚座
:女性サイン・柔軟宮・水のエレメント

冥王星のサインとハウス

1年を通して「価値観の変容」を促す

冥王星:10ハウス@水瓶座
:男性サイン・不動(固定)宮・風のエレメント

ASCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

【意識の成長・変容・成熟のための推進・停滞のエネルギーを見出す】

・ASCのサイン・ルーラー:金星:1ハウス@牡牛座:ドミサイル
⇒ 牡牛座0度=1ハウス・カスプ上に位置する:上昇星(ライジング・スター)

・金星 – コンジャンクション – 太陽・天王星・木星
・金星 – スクエア(90度) – 冥王星

MCのサインとハウス、サイン・ルーラー、カルミネート天体の有無

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MCのサイン・ルーラー:土星・天王星

土星:11ハウス@魚座
:女性サイン・柔軟宮・水のエレメント

天王星:1ハウス@牡牛座
:女性サイン・不動(固定)宮・土のエレメント

・カルミネート天体:無し

MCと天体のアスペクト 

目標を実現するために重要なテーマ・課題・障害を見出す

・MC:9ハウス@山羊座

・MC – コンジャンクション – 月(&パート・オブ・フォーチュン)
・MC – トライン(120度) – 木星
・MC – セクスタイル(60度) – 海王星&火星

MCのサイン・ルーラーと天体のアスペクト

目標を実現するために必要な意識・エネルギーを見出す

・MCのサインルーラー:土星:11ハウス@魚座

土星 – コンジャンクション – 海王星&火星
土星 – セクスタイル(60度) – 月
土星 – セミセクスタイル(30度) – ドラゴンヘッド・水星・カイロン/キロン
・土星 – インコンジャンクト/クインカンクス(150度) – ドラゴンテイル

令和六年の太陽回帰図のリーディング

太陽回帰図は、毎回天体の分布が変わりますので、

当然、ホロスコープの印象は変わって当然です。

ですが、重要な9項目に沿ってリーディングを進めていきますと、

今年2024年~2025年の1年間の、日本の流れを掴むことができますので、

是非、この部分は読み込んでくださいね!

今月01日の天空図ということもあって、馴染みのあるホロスコープですね。

今更になりますが、プログレスやソーラー・アークのホロスコープは別として、

ネイタルチャートから時間を進めた場合、トランジットの天空図を読むことになります。

令和六年の太陽回帰図は、

令和元年と同じく、太陽が牡牛座に位置しています。

牡牛座に金星・太陽・天王星・木星がグランド・コンジャンクションし、

牡牛座の意識・エネルギーが攪拌・拡張され、高まっていることが分かります。

令和元年のホロスコープでは、太陽は5ハウスに位置していました。

後述しますが、太陽回帰図の太陽のハウスの変遷は、

出生図の太陽の成長・成熟に関わります。

令和六年の太陽は、牡牛座のASCの意識(目線)で世界を眺めると同時に、

外界・諸外国へは、大らかさや頑固さ、マイペースさなどの印象を与えている、という見方になります。

9ハウス月は、山羊座に位置していることで、デトリメントの品格 / 品位を獲得しています。

マンデン・ホラリー占星術では、月は「国民」を表しますので、

今年の月は、諸外国からの影響に押し切られる状況や立場を表します。

外国を表さない場合であっても、

海外の文化や価値観、

または、不慣れな要素を受け入れることが余儀なくされる、という見方もできます。

一方で、月は木、星と天王星とトライン(120度)のアスペクトを形成していますので、

「遠回りの発展」を暗示しています。

牡牛座の太陽と木星は、ゆっくりなペースで、

着実な進歩を遂げる性質や可能性、意志を表しますので、

良い悪いではなく、2024年05月からの1年は、石橋を叩くように、

もしくは、しっかりと確認を積み重ねながら、

時代の変化に対応していくような雰囲気を示します。

この記事を書いているタイミングは、金星と木星が双子座に移る前ですので、

太陽を除いて、水星・金星・天王星・木星の4天体が牡牛座に集まっている状況なのですが、

金星と木星に続き、水星と火星も双子座に移っていく流れがあるのは分かりますが、

社会(国内)のムードがどれくらい急激に変わるのかは全く予想がつきません。

ドラゴンヘッドは12ハウス、ドラゴンテイルは6ハウスに位置し、

4度ほど度数はズレますが、月を頂点としたTスクエアが形成されています。

日付が変わる頃には、月は水瓶座に移り、

冥王星に接近し、コンジャンクションしていくのですが、

太陽回帰図の場合は、春分図のように、

前後の流れではなく、ホロスコープ自体が象徴となります。

2024年05月01日と言えば、金星が牡牛座に入ったばかりで、金星に続いて、

火星も牡羊座に移ろうとしている時期です。

この時期の社会のムードは、ゴールデンウィーク真っ只中だったこともあり、

麗らかさと解放感が漂っていた時期ではなかったでしょうか?

2024年05月の星の巡りの記事で振り返ってみてくださいね。

話を戻しますと、

国(太陽)と国民(月)は調和が取れていくことが示されていますが、

土星と海王星、火星が魚座を運行していることで、

不透明な現実と未来への展望があること、

12ハウス@牡羊座にドラゴンヘッドと水星が位置していることで、

明確な方向性が見えてこない、ということを暗示しています。

ライツ/ルミナリーズである太陽と月が土サインにしていることで、

見通しがつくには時間がかかることは自然のように思えます。

このホロスコープで最も重要なことは、

冥王星が逆行する前であり、10ハウス@水瓶座に位置している、ということです。

05月03日から逆行を始めることになる冥王星ですが、

このホロスコープでは、5度前ルールにより、

9ハウス@山羊座の意識・エネルギーを保持していますし、

MCと近い一方で、

金星に対してはスクエア(90度)のアスペクトを形成していることから、

牡牛座ASCの意識を叱咤激励しているように見えます。

何度も繰り返しますが、

「時間をかけること」によって、物事の結実は確かなものになります。

天王星が牡牛座を運行する2026年までの間、

牡牛座の意志・エネルギーは、私たちの日常にダイレクトに影響を与えます。

そういった状況を見越した上で、

もしくは、その状況に追い風・追い打ちをかける形で、

冥王星は逆行し、山羊座にまで戻り、

遂には、水瓶座での運行を本格的に開始します。

そのため、今年と来年以降の太陽回帰図の様相は、

大分違うものになるのではないかと思われます。

月が位置する山羊座は、11ハウス@魚座の土星の意図が反映されています。

また、9ハウス@山羊座には、

パート・オブ・フォーチュンとMCが位置していますので、

月(国民)が受け入れることになる影響は、

実際的に実りのある方向へと導いてくれることを表しています。

とはいえ、土星は魚座を運行し、無意識領域の調整を行っています。

徐々に海王星に接近し、「現実と理想(幻想)」が融合・統合されることで、

集合的無意識に変化が起き、

時間差で、私たちの日常に影響が出て来るはずです。

令和六年の太陽回帰図の全体像は、

「現状」と「将来への展望」という落差を見せるとともに、

9・10・11・12・1ハウスに天体が固まっていますので、

日本のムードとしては、

各々が内面にある意志や理想、目標をを明確にすることを課題としているように見えます。

なぜなら、6ハウス@天秤座にドラゴンテイルが位置し、

金星をルーラーに持つ1ハウス@牡牛座の意識を阻害し、

後戻りさせるようなエネルギーが生じやすいことを示しているからです。

月を頂点とした、ノード軸とのTスクエアは、

まさに、「これまで当たり前だった価値観や状況(ドラゴンテイル)」に対して、

「今後花開いていく可能性(ドラゴンヘッド)」の仲を取り持つ月は、

今はまだ、目の前のことにエネルギーや集中力を投下すべきである、

というメッセージを送っています。

木星の双子座イングレスと冥王星の水瓶座イングレスが、

2024年に起きる大惑星の移動ですが、

その前の平穏な空気感を伝える令和六年の太陽回帰図は、

「大激震」や「嵐」の前の静けさを伝えているのかもしれません。

9ハウス@山羊座のMCは、

国民1人ひとりが、自分自身を未来に導く好奇心に感化され、

時間をかけて形や実績にしていくように促しています。

これは決して、「偉大な発明者」や「莫大な富」への道を促しているわけではなく、

それぞれの人生・運命を生きる上で、

日本国の流れとしても、

今は地道に歩みを続けることが、今の天命である、という意味です。

太陽回帰図単体でリーディングするだけで、

沢山の情報やメッセージを掬い取ることができますね。

令和元年のホロスコープと見比べてみようという時は、

二重円のホロスコープでリーディングしてみると、

「原点回帰」の意識が強まりますので、トライしてみてくださいね。

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和六年のホロスコープの二重円です。

今回の記事では、令和元年のホロスコープのリーディングと、

令和六年(2024年~2025年)の太陽回帰についての解説だけに留め、

令和七年以降の太陽回帰図に関しては、ホロスコープの掲載のみとさせていただきます。

令和七年(2025年05月01日~2026年04月30日)

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和七年のホロスコープの二重円です。

令和八年(2026年05月01日~2027年04月30日)

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和八年のホロスコープの二重円です。

令和九年(2027年05月01日~2028年04月30日)

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和九年のホロスコープの二重円です。

令和十年(2028年05月01日~2029年04月30日)

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和十年のホロスコープの二重円です。

令和十一年(2029年05月01日~2030年04月30日)

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和十一年のホロスコープの二重円です。

令和十二年(2030年05月01日~2031年04月30日)

以下のホロスコープは、令和元年(出生図)と令和十二年のホロスコープの二重円です。

太陽回帰図のパターン

今回は、令和元年(2019年)を出生図とし、

令和十二年(2020年~2030年)までの太陽回帰図を12年分をご紹介しました。

複数年分の太陽回帰図を出した理由は、

太陽回帰図を作成していくと、

太陽のハウスの位置にパターンがあることが分かるためです。

一説では、太陽のハウスは、約10年毎に、

アンギュラー・ハウス ⇒ サクシデント・ハウス ⇒ カデント(ケーデント)ハウスの順に移っていくと言われています。

12ハウスが3つのグループに分けられますが、

最初のうちは、パッとどのグループを思いつかないかもしれません。

ですが、慣れていくとすぐに、

ハウスに備わっている性質が分かるようになりますので、

その都度確認するようにしてください。

複数年(10年以上)の太陽回帰図を出すことによって、

太陽回帰図の太陽が、ネイタルチャート(出生図)を基に、

特定の規則・パターンを持ってハウスを変えていることが分かるようになります。

令和元年の太陽回帰図の太陽は、以下のようにハウスを変えています。

  1. 令和元年:2019年:5ハウス:サクシデント・ハウス
  2. 令和二年:2020~2021年:1ハウス:アンギュラー・ハウス
  3. 令和三年:2021~2022年:10ハウス:アンギュラー・ハウス
  4. 令和四年:2022~2023年:8ハウス:サクシデント・ハウス
  5. 令和五年:2023~2024年:5ハウス:サクシデント・ハウス
  6. 令和六年:2024~2025年:1ハウス:アンギュラー・ハウス
  7. 令和七年:2025~2026年:10ハウス:アンギュラー・ハウス
  8. 令和八年:2026~2027年:8ハウス:サクシデント・ハウス
  9. 令和九年:2027~2028年:5ハウス:サクシデント・ハウス
  10. 令和十年:2028~2029年:2ハウス:サクシデント・ハウス
  11. 令和十一年:2029~2030年:11ハウス:サクシデント・ハウス
  12. 令和十二年:2030~2031年:8ハウス:サクシデント・ハウス

令和元年(2019年)からの12年の間、

太陽は、5ハウスを起点とし、1・2・5・7・8・10ハウスを点々とします。

ちなみに、令和十三年(2031~2032年)の太陽回帰図では、太陽は6ハウスに位置します。

12年が1つのサイクルというわけではありませんが、

初めて6ハウスに太陽が位置し、

カデント(ケーデント)・ハウスに太陽が位置することになります。

それまでの12年は、サクシデント・ハウスに太陽が位置することが多く、

次いで、アンギュラー・ハウスに位置することが多いことが分かります。

そして、元号が令和になってから13年後に初めて、

太陽はカデント(ケーデント)ハウスに移りますので、

浅い読みにはなりますが、

日本の国内の雰囲気・流れは、前進と後退を繰り返しながら、

発展のために、国民の集団意識と集合的無意識を徐々に変化させているように思います。

こういった流れを、ご自身のネイタルチャートの太陽回帰図から読み取って、

短期的な読みとして、1年の運勢や流れを予測したり、振り返ったりしてはいかがでしょうか?

令和七年以降の太陽回帰図については、

今後、再びリーディングを取り上げるかもしれませんので、

またその時が来ましたら、執筆させていただきますね!

太陽回帰図は太陽(本質)からの1年のメッセージ!

今回は、太陽回帰図について解説させていただきました!

実は、筆者は、ネイタルチャートの前年のホロスコープ(受胎ホロスコープ)から、

108歳までの太陽回帰図を印刷し、

現在進行形で自分のネイタルチャートの理解のために活用しています。

108歳というのは煩悩数、ということもありますが、

12✖9で出した数で、

次の講座で解説予定の「プロフェクション」の概念にも通じます。

そんなことまでしなくても、と筆者自身も思ったのですが、

振り返りにも、未来予測にも活用できますし、

何より、一生使えるテクニックなので、

読者の皆様にも、特定の時期の太陽回帰図を活用することをお勧めします!

自分だけにしか分からない経験や感覚を、

ネイタルチャートやプログレス・チャートやソーラー・アークチャートと並行して、

太陽回帰図を活用してみると、新たな発見があるはずです。

「自己理解」や「自己探求」に終わりはありませんので、

「楽しんでリーディングができて、解釈が深まるため」なら、

「これくらいは大したことではない!」という気持ちが、

占星術の理解を深めるのではないかと思います。

ソーラーサイン・ハウスシステムは、

太陽のサインを起点として、

同じエネルギーや意識、性質を持つ人が遭遇しやすい流れ(運勢)や、

受け取りやすい影響を示してくれますが、

やはり、個人の出生やバックグラウンド、感覚、経験値などを掬い上げようとするならば、

ネイタルチャートを起点とするホロスコープには敵いません。

これは、「他者比較」や「同調圧力」を否定しているわけではなく、

敢えて、自分を集団意識に組み込まなくていい、

というフラットで、内面に意識を向けた視点です。

ソーラーサイン・ハウスシステムのホロスコープは判断材料にも、気づきにもなりますから、

「物は使いよう」ということですね。

何を観たいか?」という動機は、

どのホロスコープをリーディングをする際にも大変重要です。

あなたが、ご自分の1年の運勢や流れを知りたいと思われるのでしたら、

1度、太陽回帰図を見てみてはいかがでしょうか?

あなただけの、あなたのための未来とともに、

現在と未来が示され、安心して今のご自分を見つめることができますよ!

是非、ネイタルチャートの掘り下げのために、

誕生日からの1年の流れや運勢を占断する醍醐味を体感していただくとともに、

誰かのホロスコープを読み解く際に、太陽回帰図を活用してくださいね!

今回も最後まで読んでいただいて、誠にありがとうございます!

それでは、次の講座「プロフェクション」の記事でお会いしましょう!

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