2024年06月21日夏至図のホロスコープリーディング!秋分までの流れを徹底分析!
いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。
「四至のホロスコープリーディング」にようこそ!
今回の記事は、夏至図のホロスコープ・リーディングの解説をさせていただきます。
夏至は、太陽が黄経90度の地点に昇り、昼の長さが最も長くなるとともに、
太陽エネルギーが地表に直角に降り注ぐタイミングです。
夏至は陽のエネルギーが最大化するタイミングで、
月が太陽光を完全に吸収・反射する満月のように、
最大化した瞬間に、陰のエネルギーが増していくタイミングでもあります。
ホロスコープ上では、夏至は、太陽が蟹座にイングレスするタイミングで、
12サインを4分割した際に、2つ目のサイクルに太陽が運行するタイミング、という言い方ができます。
四至図は、春分から夏至、夏至から秋分、秋分から冬至、冬至から秋分というように、
約3ヶ月毎のテーマを表すホロスコープと言われています。
今回は、夏至図のホロスコープ・リーディングをお届けし、
次の秋分までの約3ヶ月を過ごす上で、体験することになるテーマについて解説したいと思います。
今回も是非、最後までお付き合いください!
また、以下の記事で、蟹座を徹底解説していますので、
振り返りや参考のために覗いてみてくださいね!
二十四節気と夏至、太陽黄経
太陽の黄道上の動きを、黄経15毎に24等分する季節の読み方を「二十四節気」と呼びます。
12サインに照応させた時、
サインの0度(1度)を「節気」、ピークの15度を「中気」とされています。
更に二十四節気の各一気を約5日毎に三等分し、
1年を七十二に分ける季節の読み方を、「七十二候」と呼びます。
今回は、二十四節気のみを取り上げます。
占星術は、東洋占術と西洋占術によって呼び方や解釈が異なりますが、
自然の流れを基にしていますので、
焦点を当てるポイントを融合させることで、
より広い視点で事実把握と解釈の深堀りをすることができます。
「四至」は、春分・夏至・秋分・冬至の4つのポイントで、
活動宮である牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座のサインに対応しています。
また、「四立」は、立春・立夏・立秋・立冬の4つのポイントで、
不動(固定)宮である水瓶座・牡牛座・獅子座・蠍座のサインに対応しています。
夏至点は、太陽が蟹座0度に入った時のタイミングで、太陽黄経90度となり、
太陽黄経270度の冬至とは対極ですので、陽の気が最も高くなります。
言ってみれば、10ハウスに太陽が昇るようなものです。
蟹座は女性サイン・水エレメントであるため、
最も陽の気が強くなると聞くと不思議な感じがしますが、
地軸とサインの角度、太陽の高度によって、
地上に蓄えられる太陽のエネルギー値が最大となり、
そのエネルギーを内側に溜め込むことで、
陽の気が復活する冬至までエネルギーを活用する、と考えると納得がいきます。
蟹座というサインは、甲羅の中で変容をする、心の動きを象徴します。
また、蟹座のルーラーである月は、
地球の衛星であることによって、太陽の光を成り立たせるための影・受容体として働き、
蟹座を通して、陽のエネルギーを表面から内面(深部)へと届け、心の滋養とします。
物質世界は、時間と空間によって成り立ち、物事の起こり・成長過程・結果のプロセスにおいて、
必ず時間の経過・タイムラグが生じます。
夏至のタイミングで降り注いだ太陽のエネルギーは、地表に熱を与え、
徐々に深く熱が伝わり、季節が秋へと移っていくとともに、熱が大気中へと放出されます。
そのため、太陽のエネルギーが最も降り注ぐタイミングと、
私たちの肌感覚としての夏の暑さには、
およそ2ヶ月ほどのタイムラグが生じると言われています。
旧暦(太陰太陽暦)と太陽暦を比べますと、1ヶ月のズレが生じていることで、
自然の流れと、時間の経過、そして、認識の3つにズレが生じますが、
二十四節気の流れと月の暦が自然の流れを表していますので
、西洋占星術を扱う際には、二十四節気を理解することが重要です。
以下の画像は、12サインと二十四節気、太陽黄経を照応させたものです。
ホロスコープで読むべき優先順位とは?
夏至図は、ネイタルチャートと同じく、影響力が強い天体と、
その天体のエネルギーが注がれる事象(ハウス)、
そして、そのエネルギーの性質(サイン)が示されます。
ホロスコープを段階的に読む上で、優先的に読むべき項目の順序は、以下の9つの通りです。
- ASCのサインとチャートルーラー(ASCのサインルーラー)
- 太陽のハウス(牡羊座は固定)
- 月のハウスとサイン
- ノード軸のサインとハウス
- 月と太陽以外の8つの天体のハウス・サイン
- 10天体の品格 / 品位
- MCのサインとハウス
- 複数の天体が集まっているハウスとサイン
- ハード・アスペクト&複合アスペクト
ASCのサインとチャートルーラー
ホールサイン・ハウスシステムの場合、
東の地平線=1ハウスであるとともに、ASCには個別のサインの度数が表示されます。
「1ハウスカスプ=東の地平線」はプラシーダス方式でも変わりません。
1ハウスに降りて来るサインのエネルギーと、そのサインのルーラーにより、
1ハウスに関わる天体が決まりますので、1ハウスのカスプと重なるサインは大変重要です。
これは、春分点が牡羊座に入り、1年の流れを決める、という考え方と似ています。
また、ASCのサインルーラーは、そのホロスコープの代表的な天体と考えられ、
太陽と月とともに、重要視すべき天体です。
具体的に言えば、チャートルーラーが位置するハウスとサイン、
また、その他の天体とのアスペクトに注目します。
夏至から秋分までの約3ヶ月の間、どのような意識が強調されるかが示されます。
太陽のハウス
夏至点は、太陽が蟹座0度に入りますから、サインは固定です。
ですが、ハウスはその年によって変わりますし、ハウスシステムによっても変わります。
牡羊座を1ハウスに固定したホロスコープは「ソーラーサイン・ハウスシステム」と呼ばれ、
(太陽の)12星座占いで使われるホロスコープですが、
夏至から秋分までの流れを見る際は採用できません。
ソーラーサイン・ハウスシステムで、蟹座の太陽を1ハウスに固定することは、
蟹座の太陽からの目線となり、
夏至図全体ではなく、蟹座の太陽の性質を見ることになるからです。
ですが、夏至図の全体の流れを見て、その他の天体との繋がりを分析する、という見方もできますので、
採用してはいけない、ということではありませんが、
蟹座の太陽をお持ちの方以外が使おうとすることはまずないでしょう。
ただ、鑑定の場合に、蟹座の太陽をお持ちの方で、
その年の夏至点のタイミングで、
プログレスやソーラーアークのホロスコープで、特徴的な転機が現れる場合には、補足的に用いることはできます。
月のハウスとサイン
四至のホロスコープや、新月・満月のホロスコープに限らず、
あらゆるホロスコープにおいて、月は最も重要な天体です。
月は、心や無意識、安らぎを求める欲求を象徴しますが、
前提として、「受容体」としての立ち位置を取っています。
言い換えれば、「起こってくる現象や事象の影響を受け止める器」です。
そのため、月が位置するサインは、
現実に対応する姿勢やスタンス、その年に流れるエネルギーに対する反射神経を表すと言えます。
また、月が位置するハウスは、実際に体験することになるテーマや体験を表します。
ノード軸のサインとハウス
ドラゴンヘッドとドラゴンテイル(ノード軸)は、約1年半でサインを移動します。
(ホールサイン・ハウスシステムの場合は、サインとハウスの両方です。)
ノード軸が位置するサインとハウスは、
「挑戦と障害、「過去と未来」や「人生の方向性と執着」が表されます。
月と太陽以外の8つの天体のハウス・サイン
ASC、月と太陽、ノード軸のサインとハウスの次に、
他の10天体のハウスとサインを確認します。
月と太陽とコンジャンクションしている場合を除き、8つの天体がどの場所(ハウス)で、
どのようなエネルギー・意識(サイン)を持って月と太陽と繋がっているか、
また、全体の流れにどのような影響を与えるか、を見ます。
個人天体である水星・金星・火星は、内的・個人的な影響を持ち、
社会天体である木星と土星は、社会的・流行的な流れを持ち、
トランスサタニアンである天王星・海王星・冥王星は、
世代的・物質性を超越した働きをもたらす、といった違いがあります。
月の遠地点であるリリス、小惑星リリス、月の近地点であるペリジー、
小惑星カイロン/キロンや、四大小惑星であるセレス/ケレス・パラス・ジュノー・ベスタ、
その他の小惑星は、最初のリーディングの段階では採用せず、
まず10天体とノード軸のみでの占断をお勧めします。
天体の品格/品位
天体とサインには相性があります。
天体が特定のサインに位置する時、
その天体の機能性や性質が増幅されることもあれば、軽減されることもあります。
これは、単なる吉凶ではなく、
影響力の強弱を意味するとともに、どの場所(ハウス)が強調されているか、
という判断に大きく影響を与える要素です。
ただ、品格 / 品位が強い・弱いからといって、その天体が独裁的な影響力を持ったり、
天体が持つ性能が失われる、といった結論にはなりません。
ホロスコープ・リーディングをする際は、天体と天体との繋がりによって、
どのような出来事が暗示されるのか、その出来事によって得られる体験を、
どういった意識として捉えるかを見る、総合的な視点が必要です。
ホロスコープの全体像を見る上で、1つひとつの要素を拾いつつ、
数ある要素を統合することで、全体の流れを見ることが重要となります。
MCのサインとハウス
MCは、ホロスコープに示される目標や流れの行き先を表します。
本講座上では、MCを「目的地」という意味合いにおいて、
「最善のセルフイメージ」という風に表現をしています。
言い換えれば、流れに沿って辿り着くことになるゴール地点と言えます。
MCは9ハウス~11ハウスの間を移動する場合と、「10ハウスのカスプ=MC」とする場合があります。
ホロスコープを見る際は、
ASCのサインの意識をその年の動機・初動のエネルギーと見なし、
MCのサインの意識を繁栄・発展のために目印となるエネルギーと考えます。
MCのサインは、結果として発揮することになるエネルギーを、
MCのハウスは、そのエネルギーが活用される場所や状況、分野を示します。
MCが主要な天体とコンジャンクションしている場合(カルミネート天体)や、
重要なアスペクトを形成している場合は、特に注目すべき感受点といえます。
複数の天体が集まっているサインとハウス(コンジャンクション/グランドコンジャンクション)
複数の天体が1つのサイン・ハウスに集合している場合、
そのサインとハウスが強調されている、ということです。
2つ以上の天体が1つのサイン・ハウスに集まっている状態を、コンジャンクションと呼びます。
3天体以上の天体が集まりますと、
グランドコンジャンクション、または、オーバーロードと呼び、
天体集合が度数5度以内の場合は、ステリウムと呼ばれ、
四至のホロスコープで天体集合が生じていれば、
天体集合が強調されている分野と意識、エネルギーが強く働くことが示されます。
アスペクト
ホロスコープ上の天体の分布は、大きく分けて、以下の3通りあります。
- 天体があるサインとハウスで孤立している場合(シングルトン)
- 2つの天体が集合している場合(コンジャンクション)
- 3つの天体以上が集合している場合(グランドコンジャンクション)
上記の3つのパターンが混ざり合い、ホロスコープ上では様々なアスペクトが形成されます。
その中でもコンジャンクションやグランドコンジャンクションは一番に目を引きますが、
次にハード・アスペクトと複合アスペクト、そしてソフトアスペクト、
補助的にマイナー・アスペクトという順番でアスペクトの意味を解釈していきます。
アスペクトの意味は、天体の意図がどのように現実に反映されるか、という問題提起であるとともに、
象徴として、どのようなエネルギー・意識が育まれるのか、ということを意味しています。
特に、夏至図で形成されるアスペクトは、時間が経つほどに、
実際にその影響力や象徴を体感・実感するほどの重要な意味を持ちます。
アスペクトは、複数の天体の繋がりから形成されますので、
単独の天体の意図ではなく、複数の分野と意識が合わさることで、現実化するエネルギーと意識の象徴です。
2024年の夏至図のメッセージ
2024年の夏至図を徹底解説する前に、
結論として、夏至図の総合的なリーディングの要約を、以下のような表現でお伝えします。
- 安らぎと心地良さを育てるために、どんな感情でも感じよう
- 感情は感じ切ることで、置き去りにされた感情によって成長と発展を阻まれることはない
- 太陽が最も高く昇り、陽のエネルギーが極限まで高まった瞬間から、徐々に陰のエネルギーが強まるため、
太陽意識が強調する「安らぎの獲得」と「慈しみの眼差し」によって、今後の流れを見守る意識が重要 - まずは自分の心と向き合って、余裕があったら、他者の心に触れて共感の体験を積み重ねよう
- 理想も現実も否定せずに、身動きが取れない状況だからこそ、
自分の内面にある「純粋欲求」を発掘しよう - 無暗に「他者の真実(価値観・思い込み)」や「救済を謳う言葉」に惑わされず、
自分自身と和解し、自分の心を抱きしめよう - 今を生きることが、未来を迎えるための挑戦であり、
今訪れている体験が最善の体験であると捉えて、
「どんな未来を体験したいか?」という意識で心を照らそう
それでは、夏至図のホロスコープを詳しく解説していきますので、
是非ピンと来た言葉やフレーズが無いか探しながら読み進めてくださいね!
2024年の夏至図のホロスコープリーディング:ホールサイン・ハウスシステム
先ほどお伝えした9つの項目に沿って、夏至から秋分までの約3ヶ月間に、
どのような分野や意識が強調されているかを解説したいと思います。
毎月の新月・満月のホロスコープ・リーディングと同様に、
ホールサイン・ハウスシステムとプラシーダス方式の新月図の解説をさせていただきます。
本講座内では、ホールサイン・ハウスシステムは地球目線(現実性重視)とし、
プラシーダス方式は人間目線(観念重視)といった表現・占断でリーディングを行っています。
これは、ハウスとサインのどちらに重要性を置くか、という点と、
ハウスシステムの違いによって、天体のサインとハウスの位置関係の違いが生まれることで、
両者の間の差・ギャップから気づきを得るためです。
どちらのハウスシステムを採用するにせよ、どちらの方が現実を暗示するリーディングとなるか、
また、個人的な経験に則したものかを知ることが出来るのは、後を振り返ってみてからしか分かりません。
ですが、慣れ親しんだハウスシステムのホロスコープ以外のホロスコープからのメッセージを保留的に受け取って、
後の振り返りに活用し、ホロスコープ・リーディングの経験値とすることが重要です。
夏至図のホロスコープ
ASCのサインとチャートルーラー
夏至図では、蟹座が1ハウスに重なり、月がチャートルーラーです。
ASCが蟹座17度で、ピークの15度を過ぎていることから、
夏至からの約3ヶ月間は、
内向的・内省的な意識が強まり、感情・情緒の取り扱いに焦点が当たります。
蟹座は活動宮のサインであることで、
感情・情緒を持て余すことで感情的になり、排他的になる性質を持ちますが、
自分と他者、社会のムードとして、感情・情緒の働きや構造に理解を示すことが重要となるでしょう。
太陽のハウスとサイン
ホールサイン・ハウスシステムでの夏至図は、
太陽が東の地平線に沈んだタイミングが、蟹座イングレスのタイミングです。
そのため、太陽は蟹座を介して月の意図を受け取ります。
ASCとコンジャンクションする太陽は、蟹座の意識に光を当てますので、
内省・内観を強調するとともに、
対向の7ハウス@山羊座の意識を意識させられる状況・経験が訪れることを示します。
蟹座の太陽は、山羊座03度に位置するパート・オブ・フォーチュンと向かい合っているため、
自分の感情・情緒をしっかりと味わった上で、他者の同じ状況であることを知り、
思いやりの気持ちや気遣い、共感を持とうとする姿勢が重要となるでしょう。
月のハウスとサイン
月は6ハウス@射手座15度に位置し、シングルトンの状態にあり、
アヴァージョンのハウスに位置する同士である
射手座のルーラーである木星と向かい合っています。
射手座の月は、義務や使命感、正義感、就労、健康管理、献身性などの意識を
蟹座を介して太陽に投影します。
6ハウスはアヴァージョンのハウスですので、
夏至図からの約3ヶ月間は、
不自由さを感じながらも、不利な状況に対処することを求められ、
好奇心や野心が抑圧されることを示します。
ノード軸のサインとハウス
ドラゴンヘッドは10ハウス@牡羊座12度に位置しています。
牡羊座のルーラーである火星は、
11ハウス@牡牛座に位置し、ドラゴンヘッドに影響を与えます。
火星は牡牛座でデトリメントの品格/品位を持つため、
伸び伸びと動き、成果を出せる状態ではありませんが、
その状態であっても、出来ることに着手し続けるからこそ、
不要な要素や足かせとなっている要素を取り除こうする意識が強まります。
牡羊座のドラゴンヘッドは、ASCとスクエア(90度)の角度を持つため、
私たちの意識は、目に見える成果を出すため、
または、人生の方向性に向かうためには、
葛藤を体験し、痛みを超えて、勇気を出すことが必要であることを示します。
また、ドラゴンテイルは4ハウス@天秤座12度に位置しています。
ドラゴンテイルはドラゴンテイルと対極軸を作りますので、
ドラゴンテイルもASCとはスクエア(90度)の角度を持ち、
ASCを頂点とした、ノード軸を底辺とするTスクエアが形成されます。
蟹座のASCがTスクエアの頂点であることの意味は、
4ハウスと10ハウスの対立と補完の関係に対する、
自我意識(1ハウス)の緊張と疑いの意識を表し、
感情と情緒をどのように活かすべきか、という迷いや戸惑いを持つ場面が多いことを示します。
ドラゴヘッドが10ハウス、ドラゴンテイルが4ハウスにそれぞれ位置することで、
目指すべき方向性は、軋みや痛みを感じながら、意志や情熱を生み出していくことにあり、
その成長を支え、また、足を引っ張るが如く、
過去の心理パターンを繰り返そうとする意識の綱引きの状態から、
丁度いい立ち位置を見つけ出すことが重要となるでしょう。
月と太陽以外の8つの天体のハウス・サイン
①水星と金星は、1ハウス@蟹座でコンジャンクションし、
太陽にコンバストされています(太陽から8.5度以内)。
水星と金星は、太陽を補佐する両輪のような役割を担い、
感情をどのように扱い、どのように表現するか、という立場にあります。
特に、金星は水星よりも太陽に近いため、
理性よりも感情が優位になり、感性・感覚が内向的になり過ぎる傾向があることを示します。
②火星と天王星は、11ハウス@牡牛座でコンジャンクションしています。
現代占星術では、天王星は牡牛座でフォール(下降)となり、
牡牛座でデトリメントとなる火星とともに、
博愛的な活動や慈善事業、小規模のコミュニティにおける活動力(火星)と変革の意識(天王星)の働きは鈍くなります。
蟹座が1ハウスと重なることで、感情的な共感を得るために時間がかかり、
押し売りや押し付けのアプローチは不利になることを示しています。
③木星は、アヴァージョンの12ハウス@双子座でシングルトンの状態にあります。
木星は約1年をかけて1つのサインを運行し
、先月から双子座を運行し始めた木星は、
夏至図において、最も不明瞭な体験や状況を示す12ハウスに位置していることから、
双子座の象意と相まって、情報や関係性の混乱や停滞が助長される風潮を示します。
双子座のルーラーは水星であり、1ハウスの水星が蟹座で太陽の意識を支えていることから、
木星のマレフィック(凶意)的な働きによって、
無暗に社会や他者からの情報や干渉が、私たちに不安や恐れをもたらすことを暗示します。
木星は、双子座でデトリメントの品格/品位となり
、アヴァージョンの12ハウスに位置することで、吉意よりも凶意としての遠心力が働き、
やったらやりっぱなしや、大風呂敷を広げたまま収拾がつかないなどの象意を表しますので、
自制心を持ち、地に足をつける意識が重要です。
④土星と海王星は、9ハウス@魚座に位置しています。
海王星が魚座29度にしていることで、
理想と現実のギャップに対する不安定さを強め、この働きを土星が抑える配置と言えます。
9ハウスは「真理」や「智恵」を象徴しますが、
現実を軽視し、非物質的・精神的な概念や観念を追い求めることや、
非現実的な事柄を妄信・過信することで、
余計に情緒が不安定になりやすいことを示しています。
⑤冥王星は、8ハウス@水瓶座に位置し、シングルトンの状態です。
8ハウスもアヴァージョンのハウスですし、冥王星は逆行中ですので、
精神的な葛藤や自分ではどうにもできない状況を耐え忍ぶことが求められます。
水瓶座のルーラーである土星は、堅実であるために智恵を得ることを促すものの、
天王星は自由や解放を求め、衝動的になりやすい状態にありますので、
水瓶座で逆行中の冥王星が8ハウスに位置していることで、
納得するか否かに関わらず、
冥王星の強制力によって、私たちは苦痛や葛藤を受け入れざるを得ないことを示しています。
地平線でホロスコープを二分した際、火星を除いて、
個人天体である太陽・月・水星・金星は北半球に位置しています。
特に、月は拘束的な場所(ハウス)に位置していますので、心を乱される場面に遭遇しやすく、
1ハウス@蟹座の太陽・水星・金星は、
自分の内面を保つことに心血を注ぐことになることを示しています。
10天体の品格/品位
- 月 @射手座:無し
- 水 星@蟹 座:無し
- 金 星@蟹 座:無し
- 太 陽@蟹 座:無し
- 火 星@牡牛 座:デトリメント(弱体)
- 木 星@双子 座:デトリメント(弱体)
- 土 星@魚 座:無し
- 天王星@牡牛座:フォール(下降)
- 海王星@魚 座:イグザルテーション(高揚)
- 冥王星@水瓶座:イグザルテーション(高揚):逆行中
MCのサインとハウス
MCは、10ハウス@牡羊座02度に位置しています。
牡羊座というサインを形容するとすれば、「純粋性」や「情熱」、「意志」です。
始まりのサインである牡羊座の意識とエネルギーは、
外部からの影響や干渉、刷り込みを排した、「生まれたままの純粋欲求」であると言えます。
私たちはどうしても、過去の経験則を基に物事を捉え、判断し、そして、様々な解釈を下します。
これは私たちの脳や心、自我意識に搭載されたプログラムの初期設定と言えます。
ですが、この初期設定が稼働するままに現実を捉え、行動を無意識に決めてしまうと、
「今」ではなく「過去」に意識が向いてしまいます。
また、「未来」という未だ訪れていない状況に対して、過度の期待や恐怖を抱くこともまた、
「今」という身体感覚と感情を伴った状況から遊離してしまいます。
MC自体が「未来性」や「目標」、「ゴール地点」を意味しますので、
現状で純粋欲求が分からない、または、自分の本願・真の欲求が分からないというのは、至極自然です。
だからこそ、蟹座のASCと太陽は、
「今のリアルで、生ものの感情・情緒」を味わうことを重要とし、
射手座の月が拘束的・呪縛的な状況においても、
好奇心や冒険心、探求心を失わないことが重要であることを伝えています。
総括しますと、牡羊座のMCは、「自分の欲求に出会うこと(辿り着くこと)」を象徴し、
完璧でも完全でもなくてもいいので、ほんの小さな前進であっても、
本音や本性を覆い隠してきた、これまでの刷り込みや信念、価値観などをつぶさに、
丁寧に見ていくことが、牡羊座のドラゴンヘッドとMCが照らす方向性と言えるでしょう。
このような視点を取り入れることで、現状に積み上がり、散見される問題や葛藤は、
私たちに不要な障害物を取り除くキッカケになり得る、という意識が生まれます。
これもまた、牡羊座のMCが象徴する「新たな意識の芽生え」でもありますので、
現実を否定・拒絶し、自分と他者の感情・情緒に無関心になるのではなく、
その時々に遭遇する体験によって与えられる気づきを受け取る勇気を持つことが重要です。
複数の天体が集まっているハウスとサイン
- 1ハウス@蟹 座:太陽・金星・水星
- 9ハウス@魚 座:土星・海王星
- 11ハウス@牡牛座:火星・木星
1ハウスは、太陽によって蟹座の意識が強調され、
自我意識が感情・情緒を大切にし、
保守的・内省的となる自我意識を水星と金星が支える、という配置です。
9ハウスは、土星と海王星の相反する働きとして、
「境界線の有無」と「現実性と非現実性」のコントラストを強調しています。
ですが、海王星は魚座のルーラーであるため、
個人の無意識だけではなく、集合的無意識からの影響が強く、
現実離れした空想や妄想、精神探求に惹かれやすくなる傾向が強くなります。
土星はそういった傾向を否定するのではなく、実になる体験に落とし込むように働きかけます。
そういう意味では、山羊座を介して投影される土星の意図は、
他者(7ハウス)の感情・情緒に理解を示すことを念頭に、
実際的・現実的なアプローチで、心に安らぎをもたらそうとする物事に触れることが重要と言えるでしょう。
11ハウスでコンジャンクションする火星と天王星は、ともに品格/品位が弱い状態にあります。
牡牛座は、物質性と身体性、物の価値と物質欲、
生来的な能力や才能、頑固さやマイペースさ、五感の感覚などを象徴するサインです。
私たちは、左脳優位であろうと、右脳優位であろうと、
日々の生活の基となるものは身体ですので、身体に意識を向けることを軽視してしまうと、
年齢に関わらず、人生を楽しむことができなくなってしまいます。
牡牛座の火星は、思った通りに物事が進まないことで、
不活性の状態となり、衝動的になる傾向が高まり、
牡牛座の天王星は、制約・制限を取り払い、自分の意志を貫くために、協調性を崩す性質を持ちます。
11ハウスは、「自分だけではなく、誰もが喜ぶこと」を象徴とするハウスですが、
弱者の救済としての慈善事業や慈善活動、熱狂や自由さだけではなく、
自立心と尊敬が伴う、地に足の着いた意識や感覚を育てる場所です。
そのため、外向的な性質を持つ火星と天王星の働きを、
自分本位の考えや行動にのみ適用させてしまうと、後々責任や批判などを受け取ることになります。
複数の天体が1つのハウス・サインに集まることで、その場所の意識が強調されますが、
天体の品格/品位によって、また、その他の天体とのアスペクトによって、
私たちが認識しておくべき影響や傾向が異なります。
「どうにかしなければならない」という切迫的に解決を望む意識ではなく、
「どうしたら望ましい方向に進むだろう?」という肯定的な意識が重要です。
なぜなら、「問題を作り出しているのは、事実(現実)を問題視する(私たちの)意識だから」に他なりません。
そういう意味では、今回の夏至図の、6ハウス@射手座の月は、
周りを見ながら、上手く立ち回ろうとする意識は、
自分と他者のどちらの心も守ろうとする望ましいスタンスを表していると言えるでしょう。
アスペクト&複合アスペクト
コンジャンクションは原則的にアスペクトには含まれませんので、
その他のアスペクトについて言及したいと思います。
ASCとノード軸のTスクエア
感受点同士のアスペクトは、天体の影響力が体感や出来事を伴うものとは異なり、
意識やエネルギーの流れに影響を与える要素として考えます。
ASCを自我意識とした時、4ハウスと10ハウスを結ぶノード軸は、
公私のペルソナ(人格)の対極性として捉えることができます。
蟹座のASCが持つことになる感情・情緒は、公私を行ったり来たりする中で、
内面に生じる多面的なセルフイメージをどのように扱うべきか、
という迷いや葛藤をTスクエアは示しています。
こうした場合、自分の視野だけでは発展的な(一時的な)答えを出すのは難しいため、
対向の7ハウス@山羊座に焦点を当てます。
パート・オブ・フォーチュンが太陽とオポジションを形成しているように、
自我を否定することなく、かといって、自意識過剰にならないために、他者の心に触れることで、
被害妄想や被害者意識にならずに済みます。
ですから、感情・情緒を脚色することなく、感じたままを伝え合う機会を設けることが重要です。
そうすることで、自分の中にあるセルフイメージだけで自己評価をすることなく、
また、自分自身に対して甘過ぎず、かといって、厳しすぎない在り方を模索することができます。
蟹座をはじめ、私たちが心から求めているものは、華美な成功や名誉ではなく、
「今生きていて嬉しい」という安心感です。
夏至からの3ヶ月間は、陽のエネルギーが徐々に弱まっていきますので、
是非、心を通わせることができる人との対話を大切にしてください。
月と木星のオポジション(180度)
月と木星のオポジションは、度数が10度も違うため、
取り上げるべきかどうかと言いますと、取り上げるべきではないのですが、
月が射手座に位置しているため、補足的に取り上げます。
天体はホロスコープ上を反時計回り(左回り)に回り、
天体同士のアスペクトは、前から後ろよりも、後方から前方へのアプローチの方が優位となります。
ただ、オポジションの場合は、ホロスコープを二分する形になりますので、
今回の月と木星のオポジションは、
月が射手座に位置していることもあって、双方向のアプローチが機能すると言えます。
加えて、木星は双子座でデトリメントの品格/品位の状態にあることと、
月と木星がアヴァージョンのハウスに位置することで、
このアスペクトは、内向的・潜在的な働きを持ちます。
月の立場としては、射手座を介して、木星のサポートを得ようとしていますが、
木星は霧の中で強風が巻き起こっているような状態であるため、
なかなか状況の見通しがつかないことを暗示しています。
対して、木星は月(心)が囚われの状態であることは分かるものの、実際的な援助ができない状態です。
そのため、月と木星のオポジションは、
嵐は必ず過ぎ去ることを忘れることなく、足元の環境を整えて、
風向きが変わるタイミングに気づけるように、
心身の状態を保とうとする姿勢が重要であることを伝えています。
就労・義務や健康、精神性などについて、
「正しい情報」や「正義感」に振り回されて疲弊しないことが重要です。
月と土星のスクエア(90度)
月と土星は、6ハウスと9ハウス・射手座と魚座の不調和の関係性にあります。
不調和といっても、否定し合っているわけではなく、相性的に反りが合わないという具合です。
これは、集団性(6ハウス)と個性(9ハウス)と、火と水のエレメントの違いによって生まれます。
月と土星は、ともに「時間」を司りますが、月は土星に逆らうことができません。
月と土星のスクエア(90度)のアスペクトは、
まるで、土に埋まった状態から、空を漂う気球を見上げるかのような状況です。
月は現実に根ざした体験をする中で、感情・情緒を味わう一方で、
魚座でドミサイルの品格/品位を持つ海王星の働きを整える役割として土星が働いていますが、
それは月を実際的な救済のエネルギーではありません。
「情熱」や「意志」は、自らの内面で生まれなければ、
自分を奮い立たせる力に転換させることができないからです。
ですが、自分が今出来ないからといって、憧れや目標を見聞きすることで傷つきたくない、
というのは自分自身に失礼になります。
人生は常に、結果は後からついてきますので、
どんな状況であっても、自分だけの希望(明るい展望)を持ち続けることが重要です。
太陽と冥王星のインコンジャンクト/クインカンクス(150度)
蟹座と水瓶座は、何1つ共通項が無い関係性です。
そのため、中心点である太陽と、外縁部である冥王星が共通項を持たないこのアスペクトは、
「予想外の状況」に遭遇することを暗示します。
蟹座は活動宮のサイン、水瓶座は不動(固定)宮のサインですが、
水瓶座が重なる8ハウスは土星がハウスルーラーですので、逃げることができません。
ここに冥王星が位置しているわけですので、
自我意識が認識・想定していない葛藤が待っていて、
その体験により変容を迎えることが暗示されているのです。
水サインが1ハウスと重なる場合は特に、恐怖心や猜疑心が強まります。
太陽と冥王星のインコンジャンクト/クインカンクス(150度)は、
事前準備や警戒心よりも、どのような状況でもやり遂げられる、
という自己信頼をもたらすアスペクトですので、
何も起こっていないうちから恐怖心を強めるようなことは逆効果です。
楽しい時は楽しく過ごし、耐え忍ぶ時は踏ん張る。
そうは言っても、やっぱり楽しく過ごしたいものですが、
向かってくる現実を避けることはできませんので、肯定的な意識で望むことが重要です。
太陽&金星と火星のセクスタイル(60度)
火星からの太陽と金星へのアプローチとして、「未来志向」で物事を捉え、一喜一憂せずに、
今持っている力を使うことが重要である、というのが、このアスペクトのメッセージです。
火星はマレフィック(凶星)天体と呼ばれますが、
火星を悪者にして、忌み嫌っているだけでは、現実創造はできませんし、
自分の欲求や欲望を否定していては、「私を生きる意味」がありません。
火星がもたらす衝動を受け取って、心が震える体験を探すことが重要です。
太陽とMCのスクエア(90度)
ASCとMCは、ICとDSCは元々スクエア(90度)の関係性にありますが、
ホールサイン・ハウスシステムの場合、ASCは1ハウス内を動きますし、
MCは9~11ハウスの間を動きます。
そのため1ハウスカスプと10ハウスカスプではなく、
ASC(自我意識)とMC(未来のセルフイメージ)として捉えた時、
概念的・精神的な働きかけが生まれる、と考えることができます。
本講座内では、「時間は未来からやって来る」という概念を幾度かお伝えしていますが、
ホロスコープ・リーディングは、
そもそも、「全体意識から低次のこの意識を眺める」ような側面があります。
そのため、MCからASCへのアプローチとして、
感情・情緒を作業的に扱うのではなく、丁寧に味わって、
食べ残しがないようにすることで、心にスペースができて、
これから体験したいことへの欲求が生まれることを示しています。
火星と冥王星のスクエア(90度)
火星と冥王星は両天体とも、蠍座のルーラーです。
8ハウスと11ハウス・水瓶座と牡牛座は、
内と外の違い、風(流動性)と土(固着性)の違いによって、
火星と冥王星の関係性は反りが合いません。
とはいえ、冥王星から火星へのアプローチとして、
内側から湧き上がってくるエネルギーを活用することで、
公的な活動ができる、という順序があります。
冥王星は水瓶座でイグザルテーション(高揚)、
火星は牡牛座でデトリメント(弱体)という品格/品位の高低差がありますので、
ASCが蟹座に位置し、土星が魚座に位置していることと相まって、
内的・精神的な体験が重要であることが強調されています。
また、8ハウスも冥王星も、「隠されたもの」や「金銭」を象徴しますので、
牡牛座に位置する火星とスクエア(90度)のアスペクトを形成することで、
国家や社会が大きな資金を動かすものの、
公平に分配されないという暗示とも解釈することができます。
現在逆行中の冥王星は、火星のハイ・オクターヴの天体で、
火星以上にマレフィック性(凶意)が強い天体です。
8ハウスはアヴァージョンのハウスで、カルマ(業)に関わる場所ですので、
予想できない出来事で、避けられない状況が降って湧くことも考えられます。
冥王星とMCのセクスタイル(60度)
先ほど、逆行中の冥王星が、マレフィック性(凶意)が強い、という表現をしましたが、
MCとセクスタイル(60度)のアスペクトを形成していることで、
「膿み出し」をした結果、望ましい結果に繋がる、という風に読むことができます。
ただ、渦中にいる間は、そのようなことが耳に入らず、心にも響きにくいものですが、
「現実というドラマに熱中し過ぎないこと」が重要です。
どんなに大変な状況であっても、命が取られる場合を除いては、生き抜くことができます。
特に、天王星が牡牛座を運行中で、冥王星が再び山羊座に戻り、
11月20日から水瓶座を運行し始め、
土星と海王星が牡羊座に移っていく近い未来の流れにおいて
、「私だけが安全でいたい」や「私だけは変わりたくない」という願いは、
逆に自分自身を窮地に陥らせることになります。
痛みを喜びに変える、というようなマゾヒスティックな意識で人生を過ごす必要はありませんが、
大変な状況を「怪我の功名」として、後から笑えるように、
その都度、大変な状況を生き抜く意志を強め、
「私を生きることを全うする意識」によって、生命力の美しさと輝きが増す、ということを忘れないでください。
冥王星と木星のトライン(120度)
冥王星も木星も、アヴァージョンのハウスに位置していますし、
木星は社会天体、冥王星はトランスサタニアンですので、
自己都合でどうにかできるものではありません。
冥王星から木星へのアプローチは、「他者が居てくれるから」という「お陰様の精神」が、
孤独や拘束的状況を過剰に悲観視せずに済む、という風に解釈することができます。
誰から誰まで、「私のために悪役を買って出てくれている」と思い込む必要はありませんが、
少なくとも、「何かしらの影響の一端を担っている」という事実は変わりません。
ASCが蟹座に位置していることもあって、
相対する人や対立する人もまた、恐怖心や緊張状態が強いことで、
自分と同じく、心細いのかもしれません。
そういった時は、損得勘定や下心を脇に置いて、
「お互いに通じ合える機会」を活用する方が望ましいはずです。
8ハウスは「見えない敵」という象意もありますので、
頼りにしていた人に不信感を持つことになるかもしれませんし、
逆に敵視していた人が味方になってくれる場合もあります。
木星は双子座でデトリメントの品格/品位を持ちますので、
「棚からぼた餅」を期待することはできませんし、
自ら情報や繋がりを持とうと奮闘しても空振りに終わることも暗示されます。
そのため、痛みを軽減させようと、鎮痛剤をオーバードーズするかのように、
むやみやたらに情報や概念に踊らされないことが重要です。
土星とカイロン/キロンのセミセクスタイル(30度)
土星とトランスサタニアンの間には、目に見えない領域が広がっていて、
小惑星カイロン/キロンが橋渡しの役割を担う、と言われています。
土星までの世界構築は、成果主義・資本主義などがクローズアップされるとともに、
中央集権主義・覇道主義として、「個を集団に吸収する」という歴史を確立させました。
カイロン/キロンの公転周期は約50年で、
中年の危機と2回目のサターン・リターン(土星回帰)の間に、
カイロン/キロン・リターンがあることから、
壮年期における、自己経験を他者のために役立てることによって、
コンプレックスや苦手意識に取り組んだ経験を活かすことができる、という人生の展開が用意されています。
ですから、消したい過去や特定の人に対する憎悪、
そして、自分自身に対する否定的な記憶と感情などは、
その時々は触れることも思い出したくもないものですが、
後々、他者を癒すための材料として活用し、
その結果、自分自身をも癒すことができる、という予想外の展開も用意されていますので、
心に余裕ができた時から、
過去の自分自身を受け入れ、許し、肯定できる自分を迎え入れる意識を育てることが重要です。
セミセクスタイル(30度)のアスペクト自体は、
トライン(120度)の半分である
セクスタイル(60度)のそのまた半分の角度であることで、それほど好意的な影響は無く、
それ以上に、隣り合うサイン同士は反発・否定し合うため、
一般的に認識されている解釈はあまり参考になりません。
そのため、土星とカイロン/キロンの約30度の角度は、
9ハウス(個性)と10ハウス(集団性・社会性)のコントラストを強調させますので、
土星が魚座を運行する間、理想をいかに実現するかによって、
牡羊座のカイロン/キロンが象徴する、「他者の意志を引き出す影響力」に差が出る、と読むことができます。
理想と現実は否定し合うものではなく、
繋がり合っていることを前提として、
理想を現実の邪魔とせず、また、現実も理想を打ち消すものではない、という意識を持つことが重要です。
土星&海王星と天王星のセクスタイル(60度)
土星と海王星は、9ハウスに位置し、天王星は11ハウスに位置しています。
これら2つの場所に共通することは、個性を重んじることですが、
9ハウスの意識は自分自身にだけ向けられているのに対して、
11ハウスは他者の個性をも尊重する意識を表します。
そのため、土星と海王星による理想の実現化の発展の先に、
自分を含めた多くの人のための「納得」や「安らぎ」がもたらされることを暗示していると言えるでしょう。
ただ、天王星は牡牛座でフォール(下降)の品格/品位を持つことで、
逆境を肯定的に捉えることができるのは先延ばしとなるため、
遠い未来への期待よりも、現状を把握し、
少しでも多くの喜びを見つけることの方が重要ですし、
まずは、自分自身が自立し、自分にとっての喜びを追求する対象に取り組むことが先決です。
ノード軸に対する月の調停(メディエーション)のアスペクト
今回の夏至図では、月がノード軸に対して、調停のアスペクトを形成しています。
月は、ドラゴンヘッドに対してトライン(120度)、
ドラゴンテイルに対しては、セクスタイル(60度)のアスペクトを形成していることで、
調停(メディエーション)のアスペクトが成立します。
月は身動きが取れない状況(6ハウス)で、
4ハウスのドラゴンテイルは慣れ親しんだ環境や価値観を表し、
10ハウスのドラゴンヘッドは、未だ実現していない成果や、勇気を出して取り組むべき方向性を表します。
アスペクトの強さは、セクスタイル(60度)よりもトライン(120度)の方が強く、
月は後方に位置するドラゴンテイルよりも、前方に位置するドラゴンヘッドの方がアプローチがしやすい反面、
希望や願望だけでは実現できないハードルも持ち合わせてはいますが、
未来から現状を捉えることで、自分には、現在の自分を肯定・受容する選択肢がある、ということを示しています。
「選択肢がある」という認識が無ければ、選ぶことさえもできません。
身動きが取れない状態や停滞している場合、
私たちはどうしても不満や不安を抱いてしまいますが、
「物事は水面下で進んでいる」という視点が、未来志向であり、
現状と現在の自分の状況を受け入れ、許すことに繋がります。ができます。
これこそが、「調停(メディエーション)のアスペクトの解釈であり、
月(心)にとって、自給自足で安らぎを得ることができる思考法です。
*
冥王星が山羊座に位置している場合、海王星を頂点とした、
天王星と冥王星とのミニトライン(小三角)が形成されるのですが、
現在逆行中の冥王星が一時的に山羊座にまで戻る
09月02日~11月20日までの約2ヶ月半の間に、
冥王星の水瓶座時代の前の、最後のトランスサタニアンによるミニトライン(小三角)が形成されます。
また、次にトランスサタニアンによってミニトライン(小三角)が形成されるのは、
海王星が魚座から牡羊座にサイン移動し、
天王星が牡牛座から双子座に移動した後になりますので、3年後以降になります。
トランスサタニアンの3天体がサイン移動をした後のミニトラインは、
今後の時代の流れに大きな影響を与えるはずです。
2024年夏至図:心を健やかにする選択と純粋欲求の発掘が最善の未来を迎える!
今回は、夏至図のホロスコープ・リーディングの解説をお届けしました。
日本では、四至のタイミングが季節と合致してはいますが、
私たちの身体感覚や実生活とは若干のズレがあるため、
占星術や東洋思想をあまり知らない場合、ピンと来ないかもしれません。
ですが、物事の原理は理に適っているからこそ、後世まで受け継がれています。
太陽の蟹座イングレス、イコール、夏至点は、
これから陽の気が陰っていくとともに、物事は時間差で成果が出るため、
何かを実現するためには、動機が最も重要であることを教えてくれます。
各季節にそれぞれの旬の食物が育つように、
私たちも、その時々の季節(四至図)によって、
主体的に体験できることと、体験が与えられることが異なります。
今回の夏至図のホロスコープでは、受容的な状況や身動きが取りづらい状態だからこその意識の捉え方が重要であり、感情・情緒の扱い方、いかに心を抑圧せず、あらゆる感情・情緒を肯定するかが強調されています。
本講座で繰り返しお伝えしていることですが、
私たちは「生かされている存在」であり、「0から1を創ること」ができた試しがありません。
また、私たちの自我意識や身体は、私たちのオリジナルではなく、
必ず先祖や両親、周囲の人々の影響や教育、刷り込みや干渉によって形成されています。
ですので、私たちが日常的に脊髄反射で感情的・衝動的になることもまた自然ですが、
出生状況の違いや生まれ持った能力や才能、人生の計画が異なったとしても、
「自分の人生を生きる主体性」においては、
誰もが生老病死、四苦八苦、栄枯盛衰というプロセスを辿ることは変わりません。
そして、私たちは誰もが心を持っているからこそ、心を通わせることができます。
自分を満たすために奪うことも、誰かを満たすために奪われることを許すこともなく、
対等で、同じ生かされている者同士で、
心を通わせることがいかに重要かということを、どんな時も忘れてはいけないのですね。
ASCが蟹座、月がチャートルーラーである夏至図は、
「心」との向き合い方と、心によって未来を創造することができる、私たちの可能性とともに、
私たちがそれぞれ内面に持っている「純粋欲求」によって、
「未来を迎え入れる=未来へと自分自身を導くこと」が、
秋分までの約3ヶ月間の間で重要となる意識となるでしょう。
もちろん、この意識はどんな時も重要ですが、
今の私たちに訪れる現実が強調するテーマですので、
是非、今回迎える夏至のタイミングを活用して、
心を潤すために、感情・情緒を十分に味わって、
意識を過去と未来へと転送させることなく、
身体と心を重ねて、「今の私(あなた)」を感じる時間を増やしていってくださいね!
今回も、最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます!
それでは、また、次の記事でお会いしましょう!
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