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最もシンプルでパワフルな未来予測法「プロフェクション」の解説!太陽回帰図と併用すれば効果抜群!

「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!

いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

今回は、伝統占星術(古典占星術)のテクニックである

「プロフェクション」についての解説記事です。

前回の講座では、

太陽回帰(ソーラー・リターン)について解説させていただきました。

トランジットの太陽がネイタルチャートの太陽の度数に巡ってくる時、

太陽の成熟度を「時間」によって測ることができます。

太陽回帰図(ソーラー・リターン・チャート)を活用することによって、

「ネイタルの太陽という原点から、現状の流れを把握する」という意味で、

未来予測をする、もしくは、1年の運勢や流れを知ることができます。

ソーラー・リターンは、太陽の視点から見る「現実の流れ」ですが、

本講座で何度もお伝えしていますように、

太陽は「育てていく」天体です。

マクロコスモス(大宇宙)と相似的な存在である私たちは、

ミクロコスモス(小宇宙)と言えます。

私たちが外面の世界に見る太陽は、

単なる核融合反応で熱エネルギーを放出する塊ではなく、

私たちの生命意志の象徴です。

そのため、ソーラー・リターンでは、

太陽の成熟とともに未来から訪れる現実(未来)を読む、ということが可能になります。

実は、ソーラー・リターンとともに、

もう1つ、1年の運勢や流れを知る方法があります。

それは、「プロフェクション」という伝統占星術(古典占星術)のテクニックです。

プロフェクションはシンプル、且つ、

的確な占断の材料を与えてくれるテクニックでありながら、

現代ではそれほど重要とされていません。

伝統占星術(古典占星術)が古臭く、説教臭く、

押しつけがましいと感じられるか、

それとも、現代占星術の発展とともに、

窮屈さや時代錯誤の感覚を与えるように感じられるかは、

受け手次第ですが、

実際に、霊能力や超能力を必要とせず、

原理に従った占断をする古典的なテクニックは、

とっつきにくいかもしれません。

よく「原理」や「本質」という言葉を見聞きしますが、

言葉が与える印象と、本来的な働きに乖離がある場合、

再現性や具体性が伴わないことが少なくありません。

その点、伝統占星術(古典占星術)は、

不明瞭で不安定な感性ではなく、

ルールや規則性を重んじることで、

「答えられるべき占断」を提供することができるという面で、

非常に現実的、且つ、有益な提案・指南を与えます。

プロフェクションは、予測法の1つで、

初心者であっても理解しやすいテクニックです。

プロフェクションも、太陽回帰図と同様に、

ネイタルチャートを基にしますので、

個人の1年の運勢や流れ、運命を掴むという点において、

「自分だからこそ分かる事実と感覚を伴ったリーディング」を行うことができます。

是非、ソーラー・リターンとともに、プロフェクションを活用して、

毎年の運勢や流れ、人生の通過点の1つの運命を掴むテクニックを習得してください。

それでは今回も、是非最後まで楽しんでお付き合いくださいね!

1つの通過点としての運命=時間

プロフェクションは「未来予測」のテクニックではあるのですが、

ネイタルチャートを単に「(出生の)過去」を捉えてしまいますと、

「運命」の解釈を掴めなくなります。

私たちが「運命」という言葉を使う時、深層心理の奥底にまで、

「押し付けられる感覚」や「理不尽さ」を抱いているように思います。

では、本来的な運命とは、一体どのようなことを意味するのでしょうか?

本講座では、単に「運命」という言葉を使うのではなく、

「創造的運命」という表現を使用しています。

「受動意識仮説」や「決定論」などの概念によって、

私たちは「運命に抗うことができない」という意識が強くなりがちです。

筆者が本講座で記事を執筆するにあたり、重視していることは、

「創造意志」は「個人の欲望や思惑」を満たすとは限らない

という俯瞰的な視点です。

時として人生は、私たちに非力さや絶望を味合わせると同時に、

「私という小我」の小宇宙での経験値は、大宇宙に還元されることを教えます。

教える、というよりも、

体験を通して悟らせる、という表現が相応しいかもしれません。

そして、経験や感情に優劣や序列は無く、

ただ、事実(現実)に対する私たちの意識の捉え方が、

「生きている実感」や「手応え」、

「感動」の体験の仕方を変える、ということに気づくことが重要です。

気づいたら何をすべきか?と条件反射的に考えてしまいますが、

実のところ、私たちが思っているような「すべきこと」というものはありません。

否応なしに現実は次々に物事を運んできて、

私たちはただ受け入れるだけです。

そういう意味では、本講座における「運命」とは、

意識の捉え方や心の在り方は別にして、

「必要だから運ばれて来ること」

というシンプルな表現で定義することができます。

「望んでいないのに!」や

「誰がそんなことを決めるんだ!」という感情や感覚が沸き立つことも承知の上ですが、

そういった思いを受け止めた上で、

「これまでの人生で、
 自分が望むことや決めることだけを受け取ることができた試しがあったでしょうか?」

という現実を直視するような言葉を、

敢えてお伝えしなければいけません。

私たちは常に、

「〇〇しないと大変なことになる」や、

「〇〇すべきに決まっている」という

実体のない圧力や刺激に追い立てられています

占星術に携わろうとする時、

「こんな現実を回避するためには?」や、

「もっと素晴らしく、豊かな人生を送るための方法とは?」

という思いになることが数えきれないほどあると思います。

そういった誰もが抱く考えや想いをすべて内包するものは、

単なる説法や慰め、はたまた、洗脳や忘却ではありません。

本講座では、「肯定=受容」

もしくは、「全肯定=全受容」という言葉で、

意識という光で、

心の内面を照らし、最善の解釈で自分自身を捉える、

ということを表現しています。

つまるところ、

「避けることができない現実を避けること」や、

「本当は望んでもいないことを望むこと」といった、

心の曇りを拭い去るためには、

「諦めること」が重要です

諦めることは、

「自分の非力さを痛感する」という結果ではなく、

「明らかに観る」という選択を意味します。

諦観の境地から観る現実(事象)に対する反応は、

現実は単なる事実であり

必然的に生まれたものであり

巡ってきたのだから受け取る

というしなやかで、凛とした在り方です。

話を運命に戻しますが、

毎年太陽がネイタルの場所(原点)に還ることで、

1年という時間の中で、

数えきれないほどの現実(経験)を受け取ってきたことを振り返ることができますし、

逆に、これから訪れるであろう現実に対して、肯定的に臨むこともできます。

そのため、本記事では、

ソーラー・リターンとプロフェクションによって

読み取ることができる1年の運勢や流れを、

「人生から運ばれて来る1つの通過点=運命」であり、

それは同時に、「時間」そのものである、という表現をしています。

占星術と運命は、切っても切れない間柄であるため、

プロフェクションの解説に入る前に、

運命を過剰に恐れる必要はなく、

だからこそ、人生を思い通りにしようとする我欲が

事実(現実)を脚色し、苦悩や痛みを引き起こしてしまう

という私たちの意識の創造力の働きについて語らせていただきました。

とはいえ、実際に現実を受け入れることで、

困難や受難、苦悩や葛藤を体験することになり、

過去に経験したことがあることであっても、

私たちは常に頭を悩ませ、心が痛みます。

運命を読み解くことは、

決して苦悩や痛みを取り去ることではなく、

現実を体験する上で、

「どのような意識で体験することができるのか」という選択肢を持ち、

どのような状況であっても必ず終わりが訪れることを知り、

安心感を取り戻すことを可能にするためにあります。

これまでの講座で何度もお伝えしてきましたが、

私たちが色んな快の体験や感動、刺激を求めながらも、

最終的・究極的に心の底から求めているものは、

「安心」や「安らぎ」なのです。

1年の運勢や流れを知ることで得られるものは、

緊張感や警戒心、期待やワクワク感でしょうか?

根本的には、1年という時間の中で、

状況や勢いの差はあれど、

「物事が動く」という事実を知ることで、

無意識的にも意識的にも、安心感が生まれることを感じるはずです。

自分1人の占断では、

自分の人生に対する安心感を抱きにくいのは、

私たちが自分自身に対する

「常習化された偏見と裁き癖」があるからです。

だからこそ、私たちは占星術を通して、

広い視野と深い洞察力、

そして、心に安らぎをもたらす叡智を授かろうとするのですね。

あなたが人生に対して抱いている考えや想いを緩め、

フラットな心の状態で現実や人生と向き直ろうとする時、

あなたはきっと、

「どんな運命も必要だからこそ起こり、必然なのだから受け取ろう」

という気持ちになれるはずです。

前置きが長くなりましたが、

プロフェクションの解説をさせていただきます。

尚、本記事は主に、

ホールサイン・ハウスシステムのホロスコープでの解説をしていきますが、

適宜、プラシーダスなどのハウスシステムに関して、

補足説明程度の言及に留めることを予めご了承ください。

プロフェクションとは?

プロフェクションとは、「前進」という意味の言葉です。

「アドヴァンスメント(advancement):前進」の派生語と言われています。

プロフェクションは、「1年毎のテーマ」を表します。

ホロスコープには12ハウスの部屋(ハウス)があり、

人は、年齢に見合ったテーマを経験する、というのが、

プロフェクションの前提にあります。

では、何が「テーマ」を教えてくれるのか、と言いますと、

ハウスとサイン・ルーラーです。

厳密に言えば、

年齢に対応するハウスに位置する天体、

「タイム・ロード(Time Lord)」がその年のテーマを教えてくれます

占星術において、天体はサインを支配するため、

「支配星(ルーラー)」と呼ばれますが、

違う名称として、「ロード」と呼ばれることがあります。

プロフェクションにおけるロードとは、「監督星」を意味し、

1年のテーマを示す天体です。

これらが何を示すかと言いますと、

天体はサインを支配するとともに、「時間を支配する」、ということです。

私たちが当たり前に使っているカレンダーに、その答えがあります。

カルディアン・オーダーとカレンダー

過去に、伝統占星術(古典占星術)の解説記事で、

カルディアン・オーダーについて言及したことがあります。

古典的な占星術の概念やルールについてご興味がある場合は、

是非、以下の記事を覗いてみてくださいね。

カルディアン・オーダーとは、7天体の影響力と働きを示すものです。

また、占星術には、太陽から遠い天体ほど、

公転周期が長くなるとともに、影響力が強まる、という概念があります。

地球から見た、天体との物理的な距離は、以下のようになります。

  • 地球
  • 水星
  • 金星
  • 太陽
  • 火星
  • 木星
  • 土星

そこで、「時間=変化」を作り出す存在はどの天体かと言いますと、

太陽系の主(中心点)である、太陽です。

そうしますと、太陽から見た天体の関係性は以下のようになります。

  • 水星
  • 金星
  • 太陽
  • 火星
  • 木星
  • 土星

太陽を中心に据えた時、両脇に3天体が従えているように見えます。

これを視覚化しますと、以下の画像ような天体の位置関係になります。

占星術で太陽が最重要視される理由は、

太陽が「時間の創造者」だからです。

トランスサタニアンの3天体が除外されている理由は、

「トランスサタニアン」が「土星外天体」という意味を持つとともに、

「時空間を超越した働きを持つ天体」という意味を持つため、

地球に流れている時間の概念に当てはまらないからです。

カレンダーには、大きく分けて、

日曜日始まりのものと、月曜日始まりのものとに分かれます。

日曜日は太陽が監督者で、月曜日は月が監督者です。

「始まり」の捉え方の違いは、暦の使い方の違いでもあります。

太陽暦を重んじる西洋では、太陽を始まりとし、

太陰暦(または、太陰太陽暦)に慣れ親しんでいる東洋では、月を始まりとする、

と表現してしまいますと角が立つのですが、

太陽と月の捉え方と現実への落とし込み方によって、

国の文化や国民の価値観は大きく変わります。

そのため、「西洋」と「東洋」という大別した言葉によって、

人の意識の柔軟さや、現実創造の仕方や、

影響の及ぼし方の違いが示されるのです。

  • 月曜日:月
  • 火曜日:火星
  • 水曜日:水星
  • 木曜日:木星
  • 金曜日:金星
  • 土曜日:土星
  • 日曜日:太陽

サイン・ルーラー「所有者」

タイム・ロード「監督者」と考えますと、

伝統占星術(古典占星術)において、天体が最も影響力を持つ、

と考えられたことが分かります。

話をプロフェクションに戻しますと、

ハウスと重なるサイン・ルーラーがタイム・ロードとなり、

タイム・ロードが在室するハウスによって、

その年のテーマが分かる、ということです。

そこで、ハウスと年齢について解説したいと思います。

プロフェクションと年齢

プロフェクションは、0歳を1ハウスに当てはめ、

2ハウス以降、順々に年齢を当てはめることで、

未来予測をしたい年齢の年の運勢や流れを読み解く

というテクニックです。

大変簡単ではあるのですが、

具体性が伴う占断を行うことができますので侮れないのが、

プロフェクションの特徴です。

ソーラー・リターンとともに、

プロフェクションはネイタルチャートが基となるため、

ハウスとサインの組み合わせは固定で、

サイン・ルーラーとハウスの関係性も永続的に続きます。

プロフェクションにおける、年齢とハウスの対応は以下の通りです。

ホロスコープ・ハウスに対応させると、以下の画像の通りになります。

プロフェクションで分かることとは?

プロフェクションで分かることは、

①年運、②月運、③日運の3つです。

年運は、ソーラー・リターンのように、

1年の運勢や流れを見ることができ、

月運は、12ハウスをカレンダーに見立て、

月毎の運勢や流れを見ることができ、

そして、日運は、24時間を30度で割り、

時間帯で運勢や流れを見る、というものです。

占星術には、「プラネタリー・アワー」といって、

天体と時間帯を対応させる考え方がありますが、

本記事では、年運をメインに解説させていただきます。

先ほど挙げた画像にあるように、

年齢に対応したハウスがその年のテーマとなります。

また、ハウスと重なっているサインのルーラーが、

タイム・ロードとなります。

タイム・ロード

プロフェクションは、ネイタルチャートをそのまま利用し、

年齢に対応するハウスから、その年のタイム・ロードを割り出します。

ホールサイン・ハウスシステムでは、

1ハウス(上昇宮)に重なるサインのルーラーが、タイム・ロードです。

プラシーダス方式では、

1ハウス・カスプ(東の地平線)に重なっているサインのルーラーが、タイム・ロードです。

プラシーダス方式のホロスコープの場合、

12ハウスと1ハウスのサインが共有されている場合がほとんどです。

この場合、12ハウスは11ハウスとサインを共有することになりますので、

タイム・ロードが被ることはありません。

プロフェクションを利用するためには、ハウスが重要となりますので、

出生日だけでなく、出生時間が必要となるのは、

1ハウスと重なるサインとタイム・ロードを確定させるためなのです。

伝統占星術(古典占星術)では、

年運におけるタイム・ロードの天体を、

「ロード・オブ・ザイヤー(Lord of the year)」と呼び、

簡略化して、「Loy」と呼称する場合があります。

サイン・ルーラーとサイン・アヴァージョンのハウス

本講座で、特に伝統占星術(古典占星術)やホールサイン・ハウスシステムでは、

ハウスが強調される、ということをお伝えしてきました。

これは、サインは取るに足らない、ということではなく、

占断をする上で、サインよりもハウスの方が現実性と具体性があり、

天体の意図はハウスに反映される、

という前提に則ってリーディングをする必要がある、ということです。

東の地平線を起点として、

ASCのサインが決まり、天体のハウスが決まります。

特に、アヴァージョンのハウスである、

6・8・12ハウス(2ハウスは除外)では、

すべての天体の働きが鈍り、停滞や弱体化が起こる場所です。

そのため、1年のテーマを示すハウスとサイン、

また、サインとタイム・ロード(サイン・ルーラー)との関係性を見る際に、

アヴァージョンであるかどうかが非常に重要になります。

伝統占星術(古典占星術)では、

トランスサタニアンの3天体は扱わないため、

7天体が12サインを支配(・守護)します。

太陽と月以外の5天体は、2つのサインをルールしますが、

ホロスコープ上では、サイン・ルーラーは、

自分のサイン(オウン・サイン)のうち、

一方を見ることはできても、もう一方を見ることができません。

以下の画像は、サインの位置関係を示したものです。

上記の画像は、東の地平線を強調し、

太陽(獅子座)と月(蟹座)を除いた、

同じルーラーを持つ2つのサインの関係性(角度)を視覚化したものです。

2ハウスはアヴァージョンのハウスではありますが、

1ハウス(上昇宮)・ASCに次ぐ場所であることで、

あまり悲観的な現象や出来事をもたらさないため、

本講座では2ハウスをアヴァージョンのハウスから除外しています。

アヴァージョンのハウスが「太陽の光が届かない場所」を意味し、

そこにサインを当てはめますと、

以下のような関係性(角度)により、

タイム・ロードが同時に2つのサインを見ることができないということが分かります。

  • 水星:双子座 –   90度 – 乙女座
  • 金星:牡牛座 – 150度 – 天秤座
  • 火星:牡羊座 – 210度 – 蠍 座
  • 木星:射手座 –   90度 – 魚 座
  • 土星:山羊座 –   30度 – 水瓶座

上記に挙げたサインのうち、

どちらかのサインがアヴァージョンに位置し、

サイン・ルーラーから見えない場合の例を出しますと、以下のようになります。

  • 双子座が9ハウスと重なっている時、乙女座は6ハウスと重なり、
    水星には双子座は見えますが、乙女座は見えない場所にあります。
  • 牡牛座が5ハウスと重なっている時、天秤座は12ハウスと重なり、
    金星には牡牛座は見えますが、天秤座は見えない場所にあります。
  • 牡羊座が1ハウスと重なっている時、蠍座は8ハウスと重なり、
    火星には牡羊座は見えますが、蠍座は見えない場所にあります。
  • 射手座が3ハウスと重なっている時、魚座は6ハウスと重なり、
    木星には射手座は見えますが、魚座は見えない場所にあります。
  • 山羊座が7ハウスと重なっている時、水瓶座は8ハウスと重なり、
    土星には山羊座は見えますが、水瓶座は見えない場所にあります。

ここでご理解いただきたいことは、

天体とサインの関係は、東の地平線により、

一方は見えて、もう一方は見えないとともに、

アヴァージョンのハウスに重なるサインにタイム・ロードが位置している年は、

低迷や混乱、後退、迷いなどが生じやすい年になりやすい、ということです。

プロフェクションの特徴

プロフェクションは、ホロスコープの仕組みとして、

天体の働きと、ハウスとサインの象意の理解ができていれば、

最も簡単な予測法と言えます。

プロフェクションの特徴を、以下にまとめました。

  1. プロフェクション・プロフェクトは、「前進」を意味する
  2. プロフェクションは、天体の場所(ハウス)によって年運を導き出す予測法である
  3. 年運とは、「意識」や「魂」がハウスを移ることで、
    ハウスの象意や天体に遭遇することで体験する物事の運勢や流れを意味する
  4. プロフェクションには、出生時間が必要となる
  5. プロフェクションは、ネイタルチャートをそのまま使用するため、
    ネイタルチャートの天体の状態を詳しく理解することが必要となる
  6. プロフェクションは、トランスサタニアンの3天体は扱わない
  7. プロフェクションは、インターセプトやダブルハウスを考慮に入れない
  8. プロフェクションは、年運・月運・日運を占断できるが、
    最も的確な占断が見込めるのは年運である
  9. 年運に対応するハウスがテーマを表し、
    そのハウスと重なるサイン・ルーラーがタイム・ロードとなる
    (タイム・ロードは、ジョイ・オブ・ザ・イヤーやハウス・ルーラーとも呼ばれる)
  10. タイム・ロードの状態は、テーマや問題のせいしつや傾向を表す
  11. プロフェクションは、1年毎にテーマが変わり、
    年運(その年のテーマ)を管理するタイム・ロードの働きを提示する
  12. 12年でテーマが一巡する
  13. 0歳を1ハウスに宛がうため、年運を見る場合は、年齢に1年を足す必要がある
  14. 年運は、タイム・ロードが「有利な場所」か「不利な場所」に位置するかによって大きな差が生まれる
  15. 年運がアンギュラー・ハウスに位置する年は、勢いのある年となる
  16. 年運が位置するハウスがアンギュラー・ハウスであっても、
    在室する天体によって勢いの質が変わる
    ⇒ 金星・木星(ベネフィック天体)と火星・土星(マレフィック天体)の影響
  17. 年運がアヴァージョンのハウスに位置する年は、減退・減衰を暗示する
  18. タイム・ロードの品格 / 品位が高く、
    ベネフィック天体と調和的なアスペクトを形成している時、
    意図が実現しやすく、望ましい結果が見込める年となる
  19. タイム・ロードの品格 / 品位が低く、
    マレフィック天体と不調和のアスペクトを形成している時、
    思い通りにいかない状況や、意図しないトラブルが生じる可能性を暗示する
  20. プロフェクションは、ソーラー・リターンと同期する
  21. プロフェクションによるタイム・ロードは、
    プログレスとソーラーアークのホロスコープにおいても影響力を持つ

ソーラー・リターン・チャートとの併用

繰り返しになりますが、

プロフェクションはネイタルチャートを基に占断を導く予測法です。

そのため、ネイタルの太陽をトランジットの太陽と照合するソーラー・リターンよりも、

「体内リズム」に準じた予測法であるため、

より自覚・体感が得やすく、

且つ、的確な年運を示すテクニックと言えます。

ですが、プロフェクションの場合、

タイム・ロードに特化した占断を行うことはできますが、

他のトランジットの時間経過を具体的には示してくれません。

そのため、プロフェクションと同様に、

ネイタルチャートを基に未来予測を行う

太陽回帰図と一緒に占断を行うことで、

総合的な年運を導き出すことができます。

前回の講座で、令和元年のホロスコープと、

令和六年の太陽回帰図について解説させていただきましたので、

引き続き、今回も令和元年のホロスコープを使って、

令和六年のプロフェクション(年運)を解説させていただきたいと思います。

令和六年のプロフェクション

それでは、プロフェクションのテクニックを使って

令和六年の年運をリーディングしていきたいと思います。

まずは、令和元年のホロスコープを掲載させていただきます。

令和元年(2019年05月01日)のホロスコープ

また、プロフェクションが分かりやすいように、

令和六年のプロフェクションを強調したホロスコープも掲載させていただきます。

それでは、プロフェクションの重要項目に沿って、

令和六年の年運を解説していきます。

まずは、令和元年のホロスコープから、

令和十一年までのプロフェクション(年運)のハウスとサイン、

そして、トラム・ロードをまとめたいと思います。

令和十一年までのプロフェクション

令和六年の年運のリーディング

令和六年は、7ハウス@蟹座に対応していますので、

令和六年のタイム・ロードは月です。

7ハウスにはドラゴンヘッドが位置し、

蟹座のルーラーである月は、

3ハウス@魚座に位置しています。

プロフェクションの月運を見る際、

「1ヶ月につき02度30分プロフェクトする」という概念があります。

この概念に倣いますと、

蟹座20度のドラゴンヘッドに位置する時期は、2025年01月~02月頃です。

時期は、以下のように割り出します。

  • 2024年05月~06月:蟹座00度~02度30分
  • 2024年06月~07月:蟹座02度30分~05度
  • 2024年07月~08月:蟹座05度~07度30分
  • 2024年08月~09月:蟹座07度30分~10度
  • 2024年09月~10月:蟹座10度~12度30分
  • 2024年10月~11月:蟹座12度30分~15度
  • 2024年11月~12月:蟹座15度~17度30分
  • 2024年12月~2025年01月:蟹座17度30分~20度
  • 2025年01月~02月:蟹座20度~22度30分
  • 2025年02月~03月:蟹座22度30分~25度
  • 2025年03月~04月:蟹座25度~27度30分
  • 2025年04月~05月:蟹座27度30分~30度

魚座の月と蟹座のドラゴンヘッドは、

それぞれのサインの20度に位置し、

トライン(120度)のアスペクトを形成しているため、

令和六年の日本は、3ハウスの月と7ハウスの象意から、

「外交」がテーマとなると言えます。

山羊座がASCであることもあり、

長期的で、粘り強い交渉力を発揮する星回りであると言えます。

2025年01月~02月の時期は、

プロフェクションには適用されませんが、

トランジットの天王星の影響があると思われます。

牡牛座を運行中の天王星は、

2024年09月02日~2025年01月31日の間逆行し、

その後、順行に転じます。

令和元年のホロスコープでは、

天王星は5ハウス@牡牛座に位置し、太陽とコンジャンクションしていますね。

令和元年のホロスコープでは、

5ハウスが国家の拠り所と言えますので、

「主権を取り戻す」ような出来事や発展を遂げる過程で、

令和六年は諸外国に対して、あらゆる影響を受け止め、

昇華する受容性を発揮することが暗示されています。

「主権を取り戻す」というと、

「世界での経済大国に返り咲く」というようなイメージが湧きますが、

令和元年の太陽は、「無限の創造性」を生み出す5ハウスに位置していますので、

「自国の、もしくは、自国民が再生を遂げる」という表現の方が相応しいかもしれません。

また、タイム・ロードである月は、魚座に位置しています。

太陽回帰図、または、トランジットの魚座には、

土星と海王星が位置しています。

令和元年のチャートルーラーである土星と月は、

セクスタイル(60度)のアスペクトを形成し、

海王星とは2度離れてのコンジャンクションをしています。

これらから分かることは、

「境界線=国境」と「精神性」に対して、

日本特有の価値観と歴史、そして、日本語によって、

世界へ価値を発信していく、ということです。

占星術には直接的には関係はありませんが、

日本には「言霊」や「言靈」という

非物質的・潜象的な働きを重んじる文化・価値観・精神性が根付いています。

別講座で、「言霊学(ことたまがく)」について触れ、

原日本の精神性についての解説をしたいと考えていますが、

必然のタイミングが訪れた際には、

占星術の叡智を別の角度から表現・解説する予定ですので、

楽しみにしていてくださいね。

話は逸れましたが、

令和六年のプロフェクションは、月がタイム・ロードとなり、

国民が自国についての歴史やルーツに対する理解を深めることで、

諸外国に対する毅然とした態度を取り、

「望ましい在り方」を提言していくことが重要です。

せっかくですので、令和六年の太陽回帰図から、

月の状態や役割、立場などを見てみたいと思います。

令和六年の太陽回帰図

令和六年の太陽回帰図では、

月は9ハウス@山羊座に位置しています。

令和元年のホロスコープでは、

月は3ハウス(女神の部屋)でジョイの状態にあります。

これまでの講座で、日本が持つ特有の性質として、

「あらゆるものを受容する立場」という表現をしてきました。

その立場を担う天体は、月です。

もちろん、太陽が持つ影響力や生命力は重要です。

ですが、太陽の輝きを成り立たせるものは、

闇であり、陰の気であり、月です。

これは、地球に住まう私たち人類視点での解釈ではありますが、

そもそも、私たちが観測しなければ、

「太陽系の理が人類にどのような影響を与えるか?」

といったことを考える存在はいません。

そのため、令和元年のホロスコープで、月がジョイの状態であることは、

私たち日本国民にとっても、外国にとっても喜ばしいことと言えます。

だからと言って、日本が外国の犠牲になる必要がある、

という観点や立場を取る必要はありません。

そのための「対話」や「交渉」であり、

「相互理解」のための努力が試される、国の違いがあります。

前回の講座でも解説しましたが、

月を頂点とした、ノード軸に対してのTスクエア(90度)・を形成しています。

9ハウスのルーラーは太陽であり、

「神の部屋」と呼ばれます。

*ハウスルーラーはタイム・ロードとは異なる概念であることに注意してください。*

先ほどのプロフェクションでは、

7ハウス@蟹座20度にドラゴンヘッドが位置し、

令和六年の太陽回帰図の月とは、

セクスタイル(60度)のアスペクトを形成する、と想定することができます。

また、令和六年の太陽回帰図では、7ハウスは蠍座と重なり、

蠍座のルーラーである火星は、11ハウスに位置しています。

面白いことに、火星は魚座に位置し、

土星と海王星とコンジャンクションしています。

今年2024年05月01日のトランジットの天空図ですので、

身に覚えがあるホロスコープだと思いますが、

この後、火星はオウン・サインである牡羊座に移っていく流れにあります。

また、「希望」や「自由」、「理想」を象意に持つ

11ハウスに位置していることで、

令和六年のプロフェクション(年運)は、

「実現すべき理想」のために、言葉を紡ぎ、

他国(他者)を尊重し、自国についての理解を深めながら、

世界とともに、日本国に与えられている役割を見出していくことが求められていると言えるでしょう。

天体をプロフェクトさせる

未来予測法は、

ネイタルチャートの天体を反時計回り(左回り)に動かすことで、予測を行います。

これは、「天体をプロフェクト(前進)させている」

という風に表現することができます。

プロフェクトで年運を読み解く際、

天体を動かすことで、その年以降の年運を導き出すことができるとされています。

本記事では、1年の年運を予測する方法についての解説ですので、

これ以上の解説は控えますが、

今後、伝統占星術(古典占星術)のテクニックの解説を

再びお届けできればと考えています。

ホロスコープ・リーディングの全体像と明確な指針

今回は、古典的なテクニックとして、

プロフェクションの解説をさせていただきましたが、

改めて、ホロスコープ・リーディングにはどのようなテクニックがあり、

どのように学ぶべきか、という全体像と指針をお伝えしたいと思います。

まず、占星術には大まかに分けて、4つのリーディング方法があります。

  1. ネイタルチャートのリーディング
  2. ホラリーチャートのリーディング
  3. イレクショナルチャート(時期選定)のリーディング
  4. マンデンチャートのリーディング

1のネイタルチャートに関するリーディングは、

回帰図、プログレス、ソーラーアーク、プロフェクション、トランジットをすべて含み、

ホロスコープの持ち主の人生が続く限り占断可能です。

また、ネイタルチャートのリーディングには、

出生前の受胎チャートやハーフサム、フィルダリアなどがありますが、

これらはネイタルチャートの理解が進んでから手を出した方が無難です。

2のホラリーチャートのリーディングは、

占断する日時と場所でホロスコープを作成し、

明確な目的(質問)に対する占断を下します。

ホラリーチャートのリーディングの有効期限は、大体3か月ほどです。

3のイレクショナルチャートは、

「行動に適した時期を選ぶ」ために使われます。

ネイタルチャートとホラリーチャートの理解が深ければ、

イレクショナルチャートは不要である、という意見もありますが、

特定の目的や重要な案件に対して、

補足的な占断を得たい場合には有益であると言えます。

4のマンデンチャートは、

前回と今回の講座で扱った令和元年のホロスコープのように、

国家の運勢の占断のために使われます。

国家の運勢と言うと、

財政や災害対策、外交などを見る際に活用されますが、

個人が占断をする際は、

仕事や職場の環境などに応用することができますが、

一般的には、予測や研究の域を出ない、という特徴があります。

その他、ジオ・セントリック占星術ではなく、

ヘリオ・セントリック占星術のリーディングや、

現代占星術では使われていない、

インド占星術で使われる「サイデリアル星座帯」によるホロスコープ・リーディング、

レクティフィケーション(出生時間の割り出し)などがあります。

本講座では、上記に挙げた4つのリーディング方法を主に解説します。

これら4つのリーディング方法の中で、

特に理解を深めるべきは、

①ネイタルチャートのリーディングと②ホラリーチャートのリーディングです。

ですので、まずは、ネイタルチャートのリーディングのために、

占星術の概念や基礎知識、ルールなどに慣れ、

そこから世界情勢やトランジットの天体などの影響などを見ていくと

迷いを極力増やさなくて済みます。

本講座では、すぐに実践するためではなく、

着実に理解を深めていくための講座記事を公開しています。

今後、ホラリーチャートのリーディングに関しても解説をしていきますので、

楽しみにしていてくださいね!

プロフェクションはダイレクトに年運を示す予測法!

今回は、古典的な未来予測のテクニックである、

プロフェクションについて解説させていただきました!

ソーラー・リターンとともに、年運を占いたい時には、

プロフェクションは最も簡単、且つ、的確な占断を導き出すことができますので、

トランジットやプログレス、ソーラーアークなどの予測法の前に、

プロフェクションでリーディングを行ってみてください。

また、前回と今回の講座では、私たち日本人にとって重要な、

令和元年のホロスコープを使い、令和六年の年運を占い、

どのような運命が日本に巡ってくるのかを解説させていただきました。

占星術の業界では、生年月日が分かる人であれば、

大体のあたりをつけてホロスコープを作成することができますから、

有名人や芸能人などの占断をすることが当たり前になっています。

昨今では、Youtubeやブログで、

注目人物のホロスコープ・リーディングやチャネリングなどが散見されますが、

本講座では、無暗に他者の人生に対するレッテル貼りや、

無意識的な刷り込みを回避すべく、

公人や著名人を勝手に占断することは控えています。

「自分がされたら嫌なことはしない」という受容的な姿勢だけでなく、

「本当に人の役に立つこととは何か?」という道徳心や精神性を高めようとする意志が、

人に喜ばれる占断を導き出すための重要なファクターになります。

これは、あなたがご自分をリーディングする際も同様です。

ネットリテラシーを高めるとともに、

占星術という叡智を活用し、

「どのような人生を体験できるのか?」

という俯瞰的な視点を育めるように、

今後も西洋占星術講座では、

あなたの太陽の成熟の助けとなるような講座をお届けしていきます。

今回も最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます!

それでは、次回の「ソーラーサイン・ハウスシステムと1年の運勢」の解説記事でお会いしましょう!

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