「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
復習になりますが、ホロスコープは、「特定の瞬間の宇宙の時空間」を切り取り、平面に描写したものです。
これを「魂のブループリント(青写真)」と読んだり、宇宙からのメッセージと受け取ることができます。
ホロスコープを読み解く上で重要となるものは、これまで解説してきました、惑星 / 小惑星・サインとハウスです。
ハウスの解説をする前に、「感受点」を説明させていただきます。
今回の講座は「仮想点ダークムーン・リリス」です。
前回の講座では、月の遠地点である、感受点ブラックムーン・リリスを「闇」、「満たされない月(心)」と解説しました。
実際の月を「白き月」、感受点ブラックムーン・リリスを「黒き月」という対比をお伝えできたかと思います。
また月は「多重構造」を持つ天体である、ともお伝えしましたね。
今回解説させていただく仮想点ダークムーン・リリスは、『真の陰の力(太陰)』や『超越的な創造エネルギーの在り処』を意味します。
このような表現になる理由は、本記事を読んでいただくと分かるかと思いますが、つまるところ、『物質的な呪縛から解放された力』は、実社会とは無縁のエネルギーだからです。
そのため、ダークムーン・リリスは、「幽霊の月」と呼ばれます。
感受点の中で、仮想点ダークムーン・リリスは最も不可解で、且つ、要領を得ないポイントかもしれません。
「仮想」と呼ぶくらいですから、『実体が無い』わけですが、目に見える物だけが力や働きを持つわけではないということを、私たちは知っています。
そこで、目に見える白き月は、月が持っている複合的な機能の表層部分であり、月の遠地点であるブラックムーン・リリスは『裏の部分』を司り、そして、ダークムーン・リリスに『隠れた部分』を表しているのではないか、というのが本記事の主題です。
月は地球の衛星であるとともに、物質世界の中に精神性をもたらす最も身近な天体です。
仮想点ダークムーン・リリスは、『第2の月』と想定される感受点ですが、観測できないがゆえに、『実体を伴わない月の側面』を表すと考えられます。
「想定」や「憶測」とは、目に見える形で観測はできないけれど、影響があると思われる際に使われる言葉です。
月は、『心』や『感情・情緒』、『安らぎを求める本能』の他、『深層心理』や『無意識』、『トラウマ』や『本能的な恐怖心』、そして、『時間』と『死』を司る天体です。
そのため、本講座では、『月の機能は複合的である』と表現しています。
月は、現在の地球にとっての衛星であり、地球に住むあらゆる生命と生態系に影響を与えています。
それは、『目に見える働き』であるわけですが、それと同時に、『目に見えない働き』も確実に作用しています。
『正負の法則』や『鏡の法則』、さらには、『不確定性原理の破れ』といった概念があるため、星の王子さまではないですが、『大切なことは目に見えない』のが自然の摂理ではないでしょうか?
その目に見えないけれど、確実に存在する(月の)働きを担っているのが、ダークムーン・リリスです。
本記事では、ブラックムーン・リリスが月のアンチテーゼ(反作用・反発・反逆)であるのに対して、仮想点ダークムーン・リリスは、『物質世界の呪縛・拘束を受けない創造性の力の在り処』と定義します。
ダークムーン・リリスは、私たちに与えられている『見えざる力』であり、その力は、社会通念や常識、両親・家庭環境、身近なコミュニティの影響に縛られている状態では発揮されない力と言えるでしょう。
今回の記事を通して、月が象徴する心の奥深さを知っていただくとともに、『これまでの常識』や、押し付けられ、また、信じ込んでいる『セルフイメージ』から自由になることで、『ありのままのあなた(私)』を認めるための気づきを見つけていただけると幸いです。
それでは今回も、最後までお付き合いください!
ダークムーン・リリスの解釈の間違いについてのお詫び
ダークムーン・リリスの解説記事に入る前に、ダークムーン・リリスの解釈が間違っていたことについてお詫びを申し上げます。
訂正前の記事は、2021年09月15日に公開され、記事の訂正に至るまでに、3年半以上もの年月が経っています。
これまで本記事を読み、占星術の学びの参考にしていただいたすべての読者様に、間違った情報をお伝えしていたことに対し、深くお詫び申し上げます。
何を間違えていたかといいますと、2点あります。
まず1つ目は、ダークムーン・リリスの位置、2つ目は、ダークムーン・リリスの解釈そのものです。
そのため、本記事はダークムーン・リリスの解釈を改め、記事の全編を執筆し直した内容をお届けしています。
以前の記事に、『ダークムーン・リリスは、地球と月の遠地点(ブラックムーンリリス)の中間に位置する感受点』と記述していましたが、誤りでした。
正しくは、ダークムーン・リリスは、『月の軌道とは異なる軌道を持つ、物質的な形を伴わない“第2の月”』です。
ブラックムーンリリスは、月と地球の関係から、地球から最も遠い場所(月の遠地点)を表し、地球と月の遠地点の中間には、何も見出されません。
また、以前の記事には、ダークムーン・リリスの意味・象意として、『葛藤』や『矛盾』を挙げていましたが、解釈を改めてさせていただきます。
正しくは、ダークムーン・リリスは、自覚されない『真の陰の力(太陰)』や『超越的な創造エネルギーの在り処』です。
ダークムーン・リリスは、ブラックムーンリリスと合わせて理解することで、月が持つ複合的な機能についての理解が深まり、自然の摂理や大宇宙の理に沿って生き、本講座が推奨する『自己理解』・『自己信頼』・『自己肯定』を深め、与えられた生命(人生)を送るための、『セルフイメージのアップデート(刷新)』進のではないかと思います。
感受点とは
感受点とは、ホロスコープ上に示される重要な位置(ポイント) です。
感受点に、以下のようなものを意味します。
- 太陽系10天体・小惑星
- 点星点(アセンダント・MC・ディセンダント・IC) / ハウスカスプ
- 計算上のポイント
ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル、バーテックス・アンチバーテックス、
パート・オブ・フォーチューン、パート・オブ・スピリット、
ダークムーンリリス、
トゥルーブラックムーンリリス・ミーンブラックムーンリリス etc
感受点は、「時間と空間を指定することで移動し、また特定されるポイント」ということです。
ダークムーン・リリスは、ブラックムーンリリスが月の位置に影響・左右されるのとは異なり、『第2の月(衛星)』としての位置づけられます。
そのため、ダークムーン・リリスは、感受点の如く動く、不確実的な存在といえるでしょう。
ホロスコープを構成するあらゆる要素は、時間が経てばそれぞれ動きます。
これは私たちの日常と全く同じですし、至極当たり前の現象ですね。
実は、太陽系10天体や小惑星も感受点です。
惑星や小惑星の講座で感受点という言葉を使わなかった理由は、ホロスコープのシステムに関わる用語によって混乱したり、難しさを感じていただきたくなかったから。
今回解説させていただく「仮想点ダークムーン・リリス」は、「最も隠された力」を意味します。
『隠されている』ということは、『物質的に目に見えない状態』を通り越した、言葉通り、『物質的に存在はしない』ということです。
本講座の番外編として、『エヴァンゲリオンから黒き月を考察!』という記事があります。
その記事では、新劇場版シン・エヴァンゲリオン(エヴァンゲリオン3.0+1.0)に描かれる『エヴァンゲリオン・イマジナリー』という『虚構によって現実世界を書き換える』という内容に触れています。
物語の中で、『エヴァンゲリオン・イマジナリーは、人間に知覚することができない』とされていますが、これは、『物質的な形を持たない』と表現してもいいかもしれません。
ブラックムーン・リリスは計算上、座標(居場所)に当たりを付けることができます。
なぜなら、月と地球の関係において、ブラックムーン・リリスは、地球から最も離れた月の軌道の場所だからです。
そのため、『安らぎを求める』白き月と、『抑圧を解放しようとする』黒き月(ブラックムーン・リリス)は、ニコイチ、表裏一体といえます。
更に言えば、『現実を体験するすべての事柄において、実体を持つものは、痛みや苦しみをもたらす』といえます。
少し不思議な表現になりますが、形を伴って生まれることは、ある意味、痛みや苦しみの体験が始まりです。
四苦八苦や諸行無常という言葉があるように、私たちは物質性を手に入れては、朽ちていく姿を見送る体験を数えきれないほど積み重ねてきました。
仮想点ダークムーン・リリスは、逆に、「地球のルールから解放された非物質領域のエネルギー」を象徴しているといえます。
これは、土星以降のトランスサタニアンの天体が、肉眼では見えず、古典占星術において、現在も重視されていないことと似ているかもしれません。
この世に生まれて来たことは、肯定的に見れば名誉かもしれませんし、否定的に捉えるなら、苦行と言えなくもありません。
私たちに宿っている心は、物質性と精神性を繋ぐ世界です。
物質的な時間と空間に触れている限り、あらゆる感情が生まれ、私たちは感情の扱いに苦労しますし、人生をかけて心を磨いていきます。
天体としての月(白き月)は、現実に反応する心を意味し、月の遠地点の月(黒き月)は、個人の心の領域の底(闇)です。
月は太陽の光を受け止め、吸収し、闇の世界にエネルギーを送り込む触媒としての機能を持っています。
そうした外からの影響と関係し、影響を受けながら、『従属的な自分』を打ち消そうとする衝動が、ブラックムーン・リリスの働きです。
トランジットのブラックムーン・リリスが、ネイタルチャートの個人天体、特に月に接触する時に、『反逆』や『反発』の衝動が生まれやすいのはそのためです。
それに対し、仮想点ダークムーン・リリスは、『現実(=物質世界)』のルールからかけ離れた、潜象的な力を象徴します。
人類は古来から『イデア論』や『霊主体従』といった概念を持っているように、潜象とは、文字通り、『潜んでいる世界』であり、現象界(物質世界)を生み出す大元の世界です。
そういった非物質領域へのアクセスポイントを象徴しているのが、『霊的な月の側面』とも呼べるダークムーン・リリスの存在です。
ですから仮想点ダークムーン・リリスは、「幻」や「幽霊」という風に表現することができるでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスは、ドラゴンヘッド / テイルのような、計算上のポイントで、実在する惑星ではないばかりか、当事者である本人でさえ、その存在を知らされることがありません。
顕在意識では自覚することができないだけで、その見えざる力を見出そうとすることはできます。
ただ、それは特定の条件や状態が必要かもしれません。
なぜなら、心を象徴する(白き)月を筆頭に、私たちの心は常に揺れ動くからです。
占いの業界だけでなく、実社会で経済を回すマーケティングの業界であっても、購買意欲は理性ではなく、消費者の心をいかに動かすか、ということに注力されています。
その心に、形はあるでしょうか?
いくら唯物論的・科学的に物事を捉えようとし、統計を取ろうと、非物質的な作用や影響を完全に否定することはでいません。
あなたにとって感情とは、どのような存在でしょうか?
目に見えず、かといって、無視することができない感情。
感情を幽霊と呼ぶ人がいても、それほどおかしくはないのかもしれません。
仮想点ダークムーン・リリスは、別名「ゴーストムーン」と呼ばれています。
本記事では、『霊的な月』と表現したいと思います。
人によって概念は異なるとは思いますが、強いて言えば、霊は個体(個別)の魂を超えた領域にあり、魂は心を宿木とし、心は肉体を器としているとすれば、霊的な月であるダークムーン・リリスは、物質的・俗世的な価値基準で計ることはできない、と考える方が健全かもしれません。
霊的な月が、唯物的観念に縛られない特異点であるとすれば、物質性から解放され、地球の摂理に縛られない状態・境地である時に、私たちは仮想点ダークムーン・リリスが象徴する『創造エネルギー(太陰の力)』を知り、また、発揮できるのかもしれません。
占星術において、月は最も身近でありながら、生涯をかけて謎に包まれた天体です。
私たちを地球に繋ぎ止める役目を果たすとともに、物質世界に私たちを閉じ込め、心の複雑さを体験させもします。
私たちは肉体が衰えても、心は相変わらず衰えることはありません。
そして私たちは闇の世界から生まれ、光の世界を体験し、再度闇の世界へと戻っていくことが定められています。
一般的に「闇」は、恐れられるべき対象ですが、すべてを生み出す根源の世界です。
仮想点ダークムーン・リリスは、物質次元に繋がれた私たちが、様々な受難を体験しながらも、絶えず『真の自由』を求める願望に応える力の在り処と呼べるかもしれません。
ただ、その力は、私たちが思うような、自己都合的・現世利益的な範疇で発揮されるものではないでしょう。
例えば、彫刻や研磨といった行為・作業は、表面を削るだけでなく、もったいないと思える部分であっても、『完全形』や『完全美』にとっては不要な部分は全て削ぎ落します。
『歩留まり』は、料理の上でも、仕入れた材料の総量のうち、使えない部分は破棄されます。
つまり、『必要なこと(部分)』は、表面だけで分からないだけでなく、それをどのように活かすことができるのかは、使ってみなければ分からない、ということです。
人生に合わせてみれば、『体験』によって生じる『内なる変化』に価値があり、その副産物として、また、その出来事の象徴として、物質が証となり、その物質そのものの価値だけでなく、『経験値』にこそ価値があるということが往々にしてあります。
そういった具合に、私たちが持つことになり、また、当たり前に抱いている価値観は、常識や外部からの影響によって刷り込まれた概念・観念であり、それらが、『純粋な意識』を濁し、『純粋欲求』を分からなくさせているとすれば、これまでの経験がすべて役に立つわけではない場合も大いにあり得ます。
今回の記事の内容に合わせるとすれば、外部刺激によって引き起こされる感情や情動が、白き月とブラックムーン・リリスという作用・反作用のワンセットで表され、ダークムーン・リリスは、そうした二元性の働きとは違う次元で働きかける力、ということになります。
あなたはこの『表と裏の月の側面』だけでなく、更に奥へと闇への理解を進めることで、物質次元に縛られないダークムーン・リリスが象徴する、あなたに通う創造エネルギーの働きを知り、遂には、三位一体の月として、闇の力を統合することができるでしょう。
占星術では、自然現象や法則性に「何らかの意味」を見出し、名前や象徴を見出し、物質世界と精神世界の交わりを解明しようとする学問です。
この西洋占星術講座では、天体別解説を月から始めさせていただきました。
月の講座でお伝えしたように、月は私たちの心や深層心理、幼少期の世界観(価値観)を司り、私たちは一生をかけて月と向き合い続けていきます。
月は謎多き天体(衛星)で、太陽とともに地球に住む私たちに、日常的な影響を与え、私たちが自分の感情と向き合う時、必ず月の影響を知る必要が出てくるはずです。
これまで太陽系10天体と5つの小惑星や、感受点について解説してきましたが、ここにきて再度月の世界に戻ってきました。
なぜ仮想点ダークムーン・リリスを、月や小惑星・リリスと別に解説したのか、といいますと、「月の多重構造」を段階的に知っていただくためです。
月は地球の衛星で、私たちに豊かさと飢え、願望と欠乏の両方を映し出してくれる天体。
これまで様々な天体と感受点を解説してきましたが、月をコントロールすることは、実質不可能といえます。
月は「心」の表れであり、深層心理や潜在意識の世界、またその奥の精神世界や黄泉の世界に通じる領域。
私たちは地球(地)に根差し、生涯をかけて、太陽の自分を育てながら、月を満たし続けていきます。
もし私たちが幼少の頃の、「与えられる世界」に留まることを選び続けるとすれば、本来の月の願望は満たされることはないでしょう。
月は時間の止まった世界です。
そして、地球と月の間に作用する『引力』とは切り離された、霊的な月(ダークムーン・リリス)が、第2の月(衛星)として、密かに存在しています。
先ほど、感情が幽霊と呼んでもおかしくはない、とお伝えしましたが、どのような感情も認められることを望んでいることを知ってください。
認めることは、存在を受け入れ、付き合い続けていくことを決める、ということです。
私たちは、肉体と心から逃げることができません。
太陽系の星々が太陽を中心に周るように、また月が地球の周りを周るように、心は私たちの生命(魂)に付き添う存在です。
ですから、心と上手く付き合うためには、心の中に生まれる感情も、心の奥底にある闇も、そして、知覚・認識できないような、幻や幽霊のような要素も認めていくことが大変重要にです。
仮想点ダークムーン・リリスは、あなたが地球に生まれ、生きていく中で抱え、縛られ、操られてしまうような危うい受動的な月の側面ではなく、本来の純粋な創造エネルギーを象徴しています。
普段の私たちにとっての『非常識』や『異常識』には、現実を歪め、突破口を切り開く気づきや発見があります。
霊的な月は、守護霊のように、あなたの過去と現状、そして、これからの道に、新たな可能性や導きとなる力となり得ます。
『求めよ、さらば与えられん』という言葉がありますが、同時に、『あらゆる魔を振り払う在り方』も必要です。
偽善や幻想は、時に甘く、逃避的に救いとはなりますが、決して、本質的な喜びとはなり得ません。
大衆心理としての受容性の(白き)月に誘導されることもなく、また、その反動・反作用としての反逆性の(黒き)月に振り回されることもない、真理と純粋性を追求し続ける中に、きっと、あなただけの霊的な月・ダークムーン・リリスを見出すことができるでしょう。
月の解説の締め括りとして、仮想点ダークムーン・リリスを持ってきた理由は、光と闇の対極性を知っていただいてた上で、月の統合の難しさと奥深さへと理解を進めることが健全だと判断したからです。
心の宿主であるあなた自身が対極性を知り、また、陰陽の太極を紐解き、神聖な力の在り処としての、霊的な月の存在さえも気づいた瞬間から、あなたには、潜象界・非物質領域からの導きが舞い降りて来る余地が生まれることでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスの出し方
仮想点ダークムーン・リリスを出すには、下記のサイトで、オプションを選択する必要があります。
一般的なホロスコープリーディングでは、あまり採用されない感受点ですが、自分自身を認めるために、知っておいて損はありません。
ホロスコープの作成方法
*仮想点ダークムーン・リリスの出し方のみの説明です*
- Astrodient.comで【出生データによる、さらなるチャート選択】をクリックする
- チャートタイプを【出生図】に指定する
- 生年月日・出生時間・出生場所を入力する
- ページ最下部の【その他のオブジェクト】をクリックし、
オプション選択を開く - 選択肢【他のホロスコープ感受点と「仮定」惑星のリスト】をクリックする
- オプション【Other hypothetical bodies:】の中の
【h58 Waldemath Black Moon】にチェックを入れる - 【クリックしてチャートを表示する】を押してホロスコープを作成する
Astrodienst.comは、最も使い勝手がいい占星術サイトです。
その他のオプションを選択することで、小惑星や感受点、龍頭図のチャートの作成まですることができます。
注意点としては、データ保存は4件までしかできないことです。
鑑定で使用する際には、登録をアップグレードすることをおススメしますが、個人のリーディングであれば、登録内容を編集するだけで事足りるかと思います。
第2の月:月は元々2つ存在した!?
ダークムーン・リリスの解釈は大変難しいのですが、まずはじめに、月は2つあったのではないか?という仮説をご紹介したいと思います。
なぜなら、幽霊の月、または、霊的な月であるダークムーン・リリスが形・実体を持たないのは、月が生成される起源に由来するのでないか、と考えられるからです。
*これはあくまでも筆者が立てた仮説です。*
また、ジオ・セントリック占星術の世界観は、天動説の世界です。
これは筆者が常々発信していることなのですが、人は自分の主観の外に出ることができません。
主観の外に出るためには、他者が必要です。
それを太陽と月の関係でいえば、陰陽の関係性として、『未来』と『過去』や、『男性』と『女性』になるわけですね。
月は地球の衛星であるため、ジオ・セントリック占星術では、月は太陽とともに『ライツ』や『ルミナリー(ズ)』と呼ばれ、最重要視される天体です。
現在でも、月の起源は確定していませんが、複数の起源説が存在します。
火星ほどの大きさの惑星が地球に衝突した際に、現在の月が生成されたのではないかという『ジャイアント・インパクト説』が有力視されています。
ここまでは私たちがよく知っている話ですが、2011年に、『月は2つあった』という新しい仮説が立てられました(カルフォルニア大学・惑星科学者による提唱)。
ジャイアント・インパクトが起きた際、惑星の衝突によって散らばった惑星の破片が、2つの月のような衛星が生成され、やがてこれら2つの物体は衛星となり、やがて衛星同士がゆっくりと近づくことで1つの衛星となり、現在の月となった、というのが新しい仮説の主な主張です。
仮説の真偽は定かではありませんし、確定のしようもないのですが、筆者がこの仮説を聞いた時、『まるで月が幽霊になった』と感じました。
そこで、突拍子もない仮説ではありますが、地球の周りを公転していたもう1つの月(のような存在)が陰となって、月と連動し続け、ダークムーン・リリスという『虚構』の存在であったならどうだろうか?と筆者は考え至りました。
実際のところ、この仮説は筆者がふと思いついたアイディアに過ぎません。
ただ、『何かがあった痕跡』は、目には見えないけれど、宇宙にはエネルギーとして残っていて、太陽系のシステムの中に陰のエネルギーとして補完されているとしたら、地球と月との関係において、誰もが『太陰』という特異的なエネルギーを持っていてもおかしくないのではないか、と思うのです。
有名な『太極図』ですが、輪の中で2つの勾玉が繋がっている図というのは、元々は日本由来のものだ、という話があります。
勾玉自体が日本に起源を持っていますので、大陸の方では勾玉の形でなくてもよかったのかもしれませんし、勾玉と同等の形であったとしても、勾玉の概念が無かったのかもしれません。
太極図では、太陽と太陰の2つのエネルギーが白と黒で表され、それぞれの中には空洞・玉が保持されています。
光の中に闇が存在するとともに、闇の中にも光が存在し、すべては摂理に沿って流転している、というのが、太極図が示す自然(大宇宙)の理です。
太陽はもちろん、太極の陽を象徴し、月は、太極の陰を象徴します。
太極図を占星術の世界観に落とし込んだ場合、太極の陽(太陽)には、陽と陰が存在し、対極の陰(太陰)にも、陽と陰が存在すると考えられます。
その場合、ヘリオ・セントリック占星術の太陽が陽中陽、ジオ・セントリック占星術の太陽が陽中陰と考えられるかもしれません。
ただ、これは、天動説・ジオ・セントリック占星術の世界観から見た場合の理屈です。
また、ヘリオ・セントリック占星術では、月は採用されませんので、この仮説は破綻してしまっているかもしれません。
こういった思考実験をすることで、月とリリスについて深く考えながら、月が持つ陰のエネルギーにも、陽と陰があるならば、ブラックムーン・リリスが陰中陰、ダークムーン・リリスが陰中陰(太陰)であったならどうだろうか、とも考えました。
元々2つあったかもしれない月のうち、1つは物質世界から姿を消し、非物質領域にて月と繋がっていて、『本当に隠れた存在』として、複合的な機能を持つ月の最も深遠なエネルギーを司る存在がダークムーン・リリスであったとしたら、私たちは『目に見えない領域の深遠さ』について探求が必要ではないでしょうか?
ヌーソロジーにおける太陽と月
再び、別の角度から占星術や月について考えてみたいと思います。
ヌーソロジーとは、様々な学問に接触し、私たちの従来の知覚・認識を反転させる知性と精神性の学問と表現したらいいでしょうか。
ヌーソロジー創始者の半田広宣氏は、『空間認識を変える』や『人間の意識は素粒子である』、『人が見ている太陽系は地球次元の太陽である』など、これまでの概念を覆すような発想・思考体系を発信されています。
そもそも、半田氏がヌーソロジーを始めたのは、冥王星に属する“オコツト”という存在とのチャネリングから始まり、人類が築き、発展させてきた文明と認識を発展させるような叡智を与えられたそうです。
半田氏自身、憑依が起きたのか、精神疾患なのか、オコツトの存在を随分と怪しんだそうなのですが、オコツトとの禅問答のような交流を続けていく中で、『真理とは何か?』を追求する上で、人間の知覚・認識は、真実・実相を見ていないことに徐々に気づいていったようなのです。
ヌーソロジーと半田氏についてのこれ以上の言及は控えますが、半田氏は次のような表現をされています。
” 太陽と月、ヌーソロジーでは身体の前と後ろを、人間の外面と内面というように、別個の空間として見るので、太陽と月もそれぞれ2通りの意味を持つことになります。霊的太陽と物質的太陽。そして、霊的月と物質的月。”
この世は物質社会ですが、物質のみで構成されているわけではない、ということが分かりますね。
先ほど、太陽の陽がヘリオ・セントリックの太陽、太陽の陰がジオ・セントリックの太陽という風に表現しました。
これはあくまで考え方でしかないのですが、私たちの脳や認識は、常に自分を中心としています。
つまり、天動説の世界観であり、ジオ・セントリック占星術の世界観です。
それを、半田氏は、空間認識を反転させよう、と仰っているわけです。
ジオ・セントリックのホロスコープにて、太陽と火星がオポジション(180度)を形成している場合、それは同時に、ヘリオ・セントリックのホロスコープでは、太陽と火星はコンジャンクション(0度)しています。
この反転の世界観は、何も、物理的・科学的な知覚・認識ではない、というのが今回半田氏とヌーソロジーの世界観を拝借した理由です。
物質が存在するには、霊的な存在が必然であるということですが、物質を見る目では、霊的な存在は見ることができないがために、唯物論的な意識が強まるのは自然といえば自然といえるかもしれません。
ただ、唯心論的な意識に傾倒し、物質性を軽視し、カルトや幻想に走るのもまた、偏りが生じてしまいます。
このような対極が強まることで、他者と対立が生じてしまうのは、ブラックムーン・リリスのような排他的な衝動が強まり、その他の天体と連携して、実際的な行動に移ってしまうかもしれません。
ですが、そのような物理的・世俗的な事柄から解放された、霊的な意識が私たちにあるとすれば、競争や対立に疲弊するよりも、また、『光と闇』や『善と悪』のような終わりの無い苦しみに自ら身を投じるよりも、私たちには『体験したいこと』や『実現したいこと』があるのではないでしょうか?
どんな人にも心はあり、闇があり、闇の中にも光と闇があります。
闇の中の闇は、『虚構』や『虚空』のように、一見『無:何もない』ように見えて、ブラックホールのようにエネルギーが凝縮されている特異点のようなものだとしたら、形を生み出す大元の力の存在がどこから来るのか?ということを考えずにはいられなくなります。
虚構は自己(霊)の領域
心は宇宙空間のように、限界がありません。
物質世界を生きる私たちにとって、心はまさに精神世界です。
私たちが意識できる心の領域は、顕在意識が感知できる範囲という風に表現することができますが、感情は心の奥底にまで沈むことができます。
喜びや楽しさといった快の感情の質量は軽く、揮発(きはつ)するように存念を残しません。
ですが、苦しみや哀しみ、憎しみといった不快な感情の質量は重く、染みや痣のように残ることが多いものです。
先ほど、快の感情は揮発する、と表現しましたが、明るさや軽さが消えてしまうということではありません。
心の世界では、快の感情も不快な感情も保存されますが、私たちは暗さやネガティブさの方を記憶しやすい、というだけです。
そういう意味では、不快な感情は私たちの心にとって「重荷」や「足枷」になる場合が多いわけですが、更に厄介な状態があります。
それが「存在」が不確実にも関わらず、確実に影響を与えているものが存在する、ということです。
この存在は、二元性の原理が働く世界で生きる私たちにとって、大変不可解であるだけでなく、その働きや力をどこから紐解けばいいか分からないという意味で、大変厄介なのです。
仮想点ダークムーン・リリスは、白き月に対する黒き月のように、『作用に対する反作用』といった関係性の上に成り立つ感受点ではありません。
それどころか、第2の月の存在・軌道というように、私たちが日常的に持っている感覚や感性とは違うベクトルや作用を持つのです。
そのため、いつもしていることと逆のことをすればいい、というような発想では、霊的な月を見出すことはできません。
気晴らしや趣味、非日常を味わうことを「息抜き」という風に呼ぶこともできますが、「現実逃避」と言い換えることもできます。
これはゲームや芸術、スポーツ、食、あらゆる事柄に当てはまるでしょう。
そこで私たちが物事の良い面と悪い面の両方を知っていて、どちらを選んでも犠牲やリスクがある場合、私たちは逃げ出したくなる心境になります。
そういった場合にある選択肢は、取捨選択をするか、見て見ぬふりをするか、責任転嫁をするか、など様々です。
仮想点ダークムーン・リリスの場合は、ある意味、『これまで築いてきた自我』という自分のセルフイメージから離れた時に、その輪郭が見えて来るのかもしれません。
なぜなら、自我意識とは、外部から輸入された要素の集合体だからです。
月は内面を表すだけでなく、大衆意識や人類の意識の原型(アーキタイプ)を象徴します。
『サイキック』や『心理』に関与する概念・言葉として、『心・魂・精神』を意味する『プシュケ / サイキ (Psyhe)』があります。
サイコロジー(Psychology)の語源として、心や魂、精神が重視されるわけですが、本来的に私たちを生かしているものとして、『存在論』や『存在的な力』が重要とされます。
感情や情緒がくだらない、価値を持たない、ということではなく、外部からの刺激や影響から生まれたものの中に、どれだけ能動的・主体的なもの、つまり、『創造的な価値』があるか、という答えは、私たちが外部との接触や関係性を一時的に断つ必要があります。
占星術でいえば、トランジットの天体の働きかけ(トリガー)に意識を持っていかれることなく、ネイタルチャートの要素に集中する、となるでしょうか。
感情や心に当てはめるとすれば、痛みや傷、トラウマを抱え続けるということは、自我意識が形成されることとなった要素や要因に意識を向け続ける、つまり、自分ではないものの外部要因に意識を当て、エネルギーを注ぐ、という側面があります。
そのため、私たちが『影』や『闇』に対して、『不快感』や『嫌悪感』を動機にして、『解消』や『解放』を求めようとしても、システムとしてのループから離脱することはできません。
地球に生まれ、現実を生き、人生を創造していく中で、動機や原因からの延長線をいくら走り、違う道を進もうとしても、想定内の出来事に行き着くだけです。
そうした時に、違う角度や景色を得るためには、本質的な部分に意識を向ける必要があります。
それが、『知らざる自分の力』であり、自我意識がフォーカスを当てて来なかった領域です。
ハッキリと答えを出せない、または、自分でも認識していないことは数えきれないほどありますよね。
そうした『自我理解』を進めていく上で、占星術の叡智は役に立つどころか、『外部に反応し、維持する自我意識の働き』から離れるためのヒントを与えてくれます。
表面上、本講座では『自己理解が大切』と表現していますが、自己に至る前に、私たちが自我意識の構造を知る必要があります。
哲学的・哲理的な話になるため、大変ややこしいのですが、マクロコスモス(大宇宙=真理の領域)に働くのが『自己(本質の光)』であり、ミクロコスモス(小宇宙=物理次元)に働くのが、私たちが常時意識し、顕在意識として駆動している『自我(本質の陰)』です。
本記事に当てはめた場合、ダークムーン・リリスは自己の領域で働き、白き月と黒き月(ブラックムーン・リリス)は、自我・物質次元の領域で働く、となるでしょうか。
心は移ろいやすく、理性や思考、知識がいつもいつも通用するとは限りません。
人類がいくら哲学・哲理を追求しても、真理の世界をそのまま表現することは難しいでしょう。
ただ、私たちが体験する『内なる体験(個人の真理)』については、大衆的・画一的な概念や表現は役に立たないことがあります。
心の表面にまで、怒りや反抗心(ブラックムーン・リリス)が迫り上がる時、私たちは解放・解消のために、妄想や空想、幻想に救いを求めてしまいます。
それはまるで、心の中で衝突事故が起こったように、我慢や忍耐が限界を迎え、自分を自分で無くしてしまわないと危うい状態です。
ですが、そのような状態を一時的に実現したとしても、元の状態に戻るようにこの世は成り立っていますので、必ず反動が訪れます。
そのようなシーソーゲームに疲れ、本質的な自分の在り方を知るだけでなく、体現しようとする場合、私たちは『これまでの自分』や『作られた自分』という自我の正体を知り、その枠組みから自由になる必要があります。
そういった場合に、月と土星による闇の演出(人生脚本)を知り、トランスサタニアンとカイロン/キロン、そして、ダークムーン・リリスの力へと理解を進めることが推奨されます。
仮想点ダークムーン・リリスは、普段は意識できないけれども、本質的には繋がっている霊的な月(陰)の力を象徴します。
誰にも、また、あなたにさえもまだ見出されていない、霊的な力があなたに備わっていて、その力は、あなたが自我のシステムを掻い潜ろうと真理へと手を伸ばした時に起動し始めるでしょう。
表現を変えますと、『月の引力から自由になろうとする主体性の意識』が、あなたをこの世的な呪縛から解放する力として、真の陰の力(闇の力)が目を覚ますのでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスは、誰の人生にも関与し、太陽や月、そして地球とともに生きている限り存在し続けます。
ですから、仮想点ダークムーン・リリスは、唯物的な意識では見出すことができない、精神に直結した月の側面なのです。
霊的な月
月は心の象徴であるとともに、「幻想」の象徴です。
幻想とは、心の中に生まれる気持ち(感情)ですが、更に言葉を付け加えるなら、「現実とはかけ離れた気持ち(感情)」といえるでしょう。
確かに精神世界は物質世界を生み、私たちの現実を支えています。
ですが、私たちは現実(人生)を生き切ることでしか、精神世界に還ることはできません。
この「一方通行な旅路」を見守っている天体の代表例が、月です。
月は物質世界を見守りながら、私たちを個人の心から無限の精神世界へ誘う、「霊的な扉」といえるでしょう。
タロットカードでは、月は「精神世界(未知)への恐怖を受け入れる象徴」として描かれています。
私たちの人生は、日々を生き、物質性を体験しながら、精神世界への恐怖を克服する物語といえるでしょう。
なぜなら、私たちは月の世界より生まれ、太陽の輝きを獲得し、その輝きを他者や社会に還元した後に、肉体(物質性)を脱ぎ、再度闇の世界へと還っていくからです。
月は、私たちの魂を土星、海王星、そして、冥王星に橋渡しをする役割を持っています。
不思議な表現になりますが、私たちは肉体をまとって生まれ、生きているだけで元々霊的な存在なのです。
霊的な存在が肉体をまとい、物質性を色濃く体験していく中で、私たちの心に繋がる霊的な月があることを私たちは知りません。
それこそが、仮想点ダークムーン・リリスであり、自我の領域ではなく、自己の領域に拠点を持つ霊的な月です。
自我の領域において、月は防衛反応や本能的性質を司るとともに、無意識や霊的な受信機としての機能も持っていますが、物質領域において、霊的な能力はオカルティック・ルナティックとして毛嫌いされることが多いものです。
逆に、類まれなる能力や才覚があったとしても、主体的に扱い、コントロールすることができず、他人に利用されたり、他人を利用するために使ったりと、『霊性』という観点から見ると、霊的な力は非常に危ういものです。
当事者にしか分からない苦しみというのは、何も俗世的なものに限らず、霊的なものも含まれます。
有名なものでいえば、沖縄のカミダーリですが、西洋では、『スピリチュアル・エマージェンシー』と呼ばれる、自我の危機とは異なる、霊性の危機を体験する人は少なくありません。
もし、そのような体験に月が関わっているとしたら、それが太陰のどちらの力なのか?ということを突き詰める必要があります。
ブラックムーン・リリスが陰中陽である、ということは、月の遠地点が物理的に割り出せる座標であり、白き月が被っている被害や支配の投影であるからですが、その闇の原因を割り出すことはできます。
ですが、ダークムーン・リリスの場合、霊的な月のエネルギーとして、陰中陰(太陰)ということですから、過去や現在の体験の中に、これしかない!という原因を割り出すことは難しいもしれません。
ただ、少なくとも言えることは、ダークムーン・リリスが『自己』の領域に拠点を持ち、その太陰の陰がホロスコープに示されるのならば、自我意識から解放された状態の『無心』や『無我』の状態・境地の際に、ダークムーン・リリスのエネルギーがどこからともなく舞い降りるのかもしれません。
もし、邪まな心や打算的・恣意的な意図があった場合、すぐに、ブラックムーン・リリスに舵を切られてしまうのかもしれません。
仮想点ダークムーン・リリスが示すもの
仮想点ダークムーン・リリスは、「真の陰の力(太陰)」や「超越的な創造エネルギーの在り処」を示します。
仮想点ダークムーン・リリスは、俗世的・現世利益的な物差しで利用することは叶わない、と考えた方が自然かもしれません。
なぜなら、自我意識は、私たちが外部から『役割』や『演者』としての要素の集積体・結晶体である側面があるからです。
もちろん、自我意識は害悪ではありませんし、自我意識という器を使って、魂は現象界の体験を積み重ね、それを霊へと還元しているわけですので、自我意識は重要な存在であることには変わりません。
ただ、白き月と黒き月との関係のように、必ず『正と負』があり、自分の存在の危うさについて常に怯えていたり、安らぎを求めている時点で、自我意識は私たちの本質(自己)ではありません。
霊的な自分とは何か?を考える上で、人類はアニミズムや自然崇拝、そして、宗教やオカルト、シャーマニズムを通して、『見えざる力』について探求をし、それは占星術にも受け継がれています。
仮想点ダークムーン・リリスは一般的に、凶暴性や攻撃性、破滅衝動として説明されることが多いようです。
ただ、仮想点ダークムーン・リリスは、『物質的な月』ではなく、また、自我意識の存在を許容しつつも、干渉しない自由で、且つ、霊的なエネルギーを象徴しますので、白き月と黒き月の対極性を見極めるとともに、太陽と月の陰陽の関係を念頭に置きながら、霊的な月と連動して、霊的な太陽にも意識を向ける必要があります。
ここで、改めてこれまで解説した月とリリスを見比べてみましょう。
- 天体としての月:幼少期に育った価値観、深層心理、日常的な感情
- 小惑星・リリス(リリト):純粋な性的エネルギー
- 感受点ブラックムーン・リリス:心の闇
- 仮想点ダークムーン・リリス:真の陰の力(太陰)・超越的な創造エネルギーの在り処
月は、現実を生きる心で、最も身近な存在である一方、小惑星・リリス(リリト)は、火星と土星の間にある、理想的な心や目指すべき心が投影された天体といえるでしょう。
それに対して、感受点ブラックムーン・リリスは、白き月が被る被害や支配が投影される闇を象徴し、仮想点ダークムーン・リリスは、物質世界や地球のルールからは解放された、自己・霊の領域のエネルギーです。
心の在り方に正解や良し悪しはありませんが、仮想点ダークムーン・リリスは、『非物質領域に存在し、自我意識がコントロールができない、隠された力』を表している月(霊)といえます。
仮想点ダークムーン・リリスを知ることは、現実(物質世界)が、霊的・精神性の働きによって成り立っていることを知ることになると同時に、自我と自己はメビウスの輪のように繋がっていて、私たちが不純なエネルギーやマインドを純化・昇華していくことで、聖なるエネルギー(霊性)が高まることを体験することでしょう。
ヌーソロジーに触れた項で、私たちの従来の空間認識を反転させることが重要である、ということをお伝えしました。
ヌーソロジーでは、これを『虚数空間』や『エーテル空間』という風に表現されていますが、仮想点ダークムーン・リリスはまさに、そのような非物質次元の『虚のエネルギー』を司る存在といえるでしょう。
あらゆる要素は、それぞれの在り方や存在の仕方、働き、役目があります。
ですから、仮想点ダークムーン・リリスは、幻や幽霊のような存在というような、物質という対称に対する存在としてではなく、本来的な創造エネルギーとして捉え、私たちの自己と繋がることで顕現する力と考えた方が、月の複合的な機能と私の存在的価値について理解が深まることでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスが持つ意味や象徴を、表現を変えて以下にまとめました。
- 仮想点ダークムーン・リリスは、地球とは異なる軌道を持つとされる、第2の月
- 仮想点ダークムーン・リリスは、1918年に占い師・セファリエルが取り上げた
- 仮想点ダークムーン・リリスは、ゴーストムーンと呼ばれる仮想の感受点である
- 仮想点ダークムーン・リリスは、1つのサインに約10日間滞在し、119~171日サイクルで動くとされる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、影軌点・φ(ファイ)・空集合と呼ばれる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、雲に似た赤いダストのような存在であるとされる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、ホロスコープ上で【Walde】や【φ】で表示される
- 仮想点ダークムーン・リリスは、非物質性・霊性を象徴する
- 仮想点ダークムーン・リリスは、自我が持つ意識から、自己のベクトルへと向かう本質的・霊的な力を授ける存在
繰り返しになりますが、仮想点ダークムーン・リリスは、白き月と黒き月の対極性からは解放された、自己が持つ神聖なエネルギーの源泉です。
また、私たちは誰もが『受容的な存在』です。
私たちの身体は、どこの部位に関しても、自分の所有物ではありません。
両親をはじめとした、先祖の遺伝子の集合体・結晶体が肉体であり、肉体という器に魂が一時的に乗り込み、霊(自己・本質)の意図を実現しようとしています。
物質世界では、自然の成り行きとして、形を持つ者は必ず終わり(寿命)を迎えます。
この摂理は、悲しみと祝福のどちらの側面を持ちますが、物質的な価値観を超越した時に、ただ『必然』の段階が訪れるだけ、という解釈になります。
これを冷淡である、とか、厭世的である、という評価は、私たちが物質的な価値に比重を置き、自我の経験則を重んじている証拠かもしれません。
仮想点ダークムーン・リリスを知ることは、物質性をまといながら生きる私たちが、霊的な存在であることの裏付けと表現することができます。
目に見えないけれど、確実に影響を持つ存在に対して、疑いや興味、親和性や信頼に相対する意識を持つことは自然なことです。
この世で最も不可解な存在は、もしかしたら私たち自身かもしれません。
鏡で自分の姿を見ることはできますが、他者の立場や目線で自分自身を確認することはできませんし、心という厄介で、尊い世界(宇宙空間)を与えられているのですから。
仮想点ダークムーン・リリスは、幽体離脱をした時に、自分自身を客観視するような視点として見た場合、地球での人生・日常が、なんて制限と不自由に満ちているのか、ということを示しているのかもしれません。
そもそも、月は引力によって、地球上に住まう生命体に影響を与えます。
引き合うとは、自分と異なる者・物が対立・補完関係や、鏡像関係、依存関係、はたまた、共存関係になり得る可能性を示しますが、どちらかの意識が変われば、また引き合う対象は変わるでしょう。
そのような不安定で、刹那的な要素を持ち併せ、常に変化をしているのが私たちです。
不安定があるからこそ、安定が分かるわけですが、その二項対立の構造を見下ろしている大局があり、その視座が霊的な太陽と月である、としたら、白き月が本来的に求めている安らぎとは、『永遠性』であり、霊的な月の力なのかもしれません。
仮想点ダークムーン・リリスは、第2の月として、また、霊的な月として、あなたの心を見眺めています。
見守っているわけでも、見捨てているわけでもなく、ただ、あなたの存在を許容し、あなたの意識が自己へと向かうタイミングを見計らっているとしたら、ダークムーン・リリスが持つエネルギーに興味が湧いてきませんか?
その眼差しに気づいてあげること、それだけで仮想点ダークムーン・リリスの存在は肯定されるのです。
仮想点ダークムーン・リリスの5つの要素
これまで長々と説明を続けてきましたが、仮想点ダークムーン・リリスを理解する上で、やるべきことはそれほど多くはありません。
仮想点ダークムーン・リリスの重要性を知るための5つの要素を、以下にまとめました。
- 仮想点ダークムーン・リリスのサイン
- 仮想点ダークムーン・リリスに近い惑星や小惑星
- 仮想点ダークムーン・リリスとアスペクトを取っている惑星や小惑星
- 仮想点ダークムーン・リリスのハウス
- 仮想点ダークムーン・リリスのサビアンシンボル
仮想点ダークムーン・リリスは、感受点の中で最も認識することが難しい感受点です。
サインは傾向や特徴を、ハウスはテーマや環境を表し、サビアンシンボルは直観的なヒントや気づきを教えてくれます。
仮想点ダークムーン・リリスを深く知るために最も重要な要素は、他の惑星や小惑星とのアスペクトです。
アスペクトについての解説は、ハウスの講座の後に解説予定ですので、楽しみにしておいてくださいね!
現段階では、仮想点ダークムーン・リリスが持つ霊性が、どういった傾向があるかを掴んでください。
仮想点ダークムーン・リリスは、感受点ブラックムーン・リリスと同様に、満ち欠けすることのないため、決まった傾向や反応、条件を伴って表れます。
月の世界は、物質的な束縛から解放された自由な世界です。
とはいえ、仮想点ダークムーン・リリスは、物質性と肉体性が混在する私たちの心からは解放された霊的・創造的なエネルギーを象徴します。
今回の講座では、心を単なる感情の器ではなく、「宇宙空間」や「無限の空間」、「精神世界」と表現しています。
あらゆる惑星や小惑星のように、目を閉じても開いても、私たちが望もうと望むまいと、心は常に働き続けるからです。
現象界を観測する宇宙空間(ミクロコスモス)を観測する心と繋がる、霊的な特異点として、仮想点ダークムーン・リリスは大宇宙(マイクロコスモス)からエネルギーを供給する可能性があると考えられます。
それでも、私たちが物質次元で生かされ、白き月と黒き月によって心の成熟を体験できているのは、私たちが大宇宙によって存在を許され、自己の領域との繋がりを保たれている証として、物理的には認識できないものの、霊性によって創造エネルギーを開く源泉として、ダークムーン・リリスが存在しているのでしょう。
大宇宙が科学的(物理的)に掌握されることがないように、私たち自身も、物質的な尺度において、心(月)を操作することなどできないのでしょう。
ですが、私たちが太陽の輝きを獲得するためには、闇や影をも受け入れる必要があります。
あなたがご自分の心を認めることは、精神世界を受け入れることと同じです。
あなたがこれまでその存在を知らず、隠されていた霊的月・仮想点ダークムーン・リリスを、どうかあなたの人生に迎え入れてあげてください。
そして、仮想点ダークムーン・リリスは、あなたがこの世で生き、心(月)を通して精神世界と繋がっていることの証でもあることを知ってください。
心にあらゆる感情が存在するとともに、様々な可能性や希望を宿す素晴らしい世界です。
ですから、恐れも安らぎも、すべてが豊かさや幸せの一部であることを、少しずつ認めていってくださいね!
肯定は受容と同義ですが、主体的な肯定と受動的な受容は異なります。
ダークムーン・リリスは、主体的な肯定(受容)によって、自我意識が自己の力や大宇宙の理を受け入れる逞しさへと導いてくれる月の隠された力なのです。
女性性が重要視される理由
女性性と男性性は、対立するものではなく、調和と統合のためにあります。
ただ、これら2つの要素は、質や働き、役割、方向性が異なっているだけです。
シンプルに表現するなら、女性性は受け取ることや包み込むことであり、受容性を表します。
それに対して男性性は、流れを創ることや動かすことであり、主体性の象徴です。
身体的な性別は、男性性と女性性の表れではなく、物質的な役割であり、二元性・極性の表れ。
性別に関わらず、私たちには心という器が与えられ、他者を通して男性性と女性性の調和と統合を実現する使命を与えられています。
心の働きを表すと、男性性が「動」の働きを、女性性は「静」の働きとなるでしょうか。
ということは、女性性を認めたり、発揮するということは、内面世界や精神世界を認めるということになります。
肉体を持って現実を生きている以上、物質的な執着と豊かさを否定する必要はありません。
むしろ、物質的な感覚を持ちながら、精神的な感覚を磨いていくことが、両性の調和と統合の実現になります。
男性にとって受容性が、女性にとっては主体性が、大きな課題や試練となるかもしれません。
占星術では、男性は太陽や火星、女性は月や金星の働きが強調される、という原理と解釈があります。
ですが、これまで何度もお伝えしてきたように、私たちは性別に関わらず、すべての天体とサイン、ハウスの影響を受けますし、物質的な価値観ばかりを優先させるべきではありません。
心や魂には性別がありません。霊(本質)ならば尚更です。
だからこそ、私たちは性的なエネルギーや働きを、他者から与えられ、他者に与えることによって、両性の調和と統合を学んでいきます。
女性性を解放することは、多様性や自由を尊重することです。
そして、男性性と女性性の統合は、他者との交流によって自我統合と、相手の自我統合が促され、自我を超越し、自我を受容する自己・霊性との繋がりを高めます。
占星術に限らず、シャーマニズムやあらゆる歴史から、人類は共通した意識進化の体験を積み重ねてきました。
特に、人間の誕生のプロセスにおいて、最初は誰もが肉体的には女性として肉体が形成され、徐々に性が別れていく、という事実があります。
また、男性にはない、子供を産むという偉業は女性にしかできず、誰もが女性から生まれます。
それほどに、女性が持つ力は偉大なのです。
世の中には、子を産む・持つことができない人も多くいらっしゃいますし、望む妊娠・出産を体験されている方、また、現代でも奴隷が完全に無くなっているわけではないため、人権を持つことができない方も残念ながらいらっしゃいますので、一概に、『出産=祝福』という表現はできません。
ただ、そこまでして、女性が持つ力を封じ込め、ねじ伏せなければ、男性が平常心を保てない背景があったとしたら、人類の歴史は、本来の性エネルギーの運用をすることができてこなかった、という見方ができます。
『好きな人に嫌がらせをする』というレベルではない、『本来力を持つ者を虐げる』という所業は、誰に言われるまでも無く、1日も早く取り払われた方がいいはずです。
ですが、それができない、できないと思える世界と私たち人類の心の成熟と意識進化には、首をかしげたくなるほどに時間が必要のようです。
「物質文明と精神文明が交互に繰り返される」という説があるように、現代を生きる私たちは、精神文明を体験するために、女性性を肯定する時に来ているのかもしれません。
それは心の表も裏も、そして曖昧な幻想も認め、現実に精神性という真理を見出すことといえるでしょう。
その際に占星術を活用し、心と人生を認めていくことで、あなたはご自分の心に宿っている「女性性を認めていくこと」ができるはずです。
本性と意志
仮想点ダークムーン・リリスは、霊的な月であり、物質的・唯物的に捉えることができない『純粋な意識』です。
純粋な意識は、霊的な太陽と霊的な月に分かれ、明暗が統合された光という風に表現したらいいでしょうか。
私たちが内面と向き合い、自我意識を『他人』として捉える時、白き月と黒き月の対立が『自作自演』のように思えます。
月は『幻想』の側面がありますが、その幻想を見ているのは誰でしょうか?
その幻想を抱くことになった理由は誰でしょうか?
少なくとも、何も知らない赤子が凶暴性や破壊衝動などを抱くことはありません。
外部からの刺激や支配的な影響をスポンジのように受け取り、自我形成が進んでいく中で、『オリジナル』という意味での個性は全体の何割を占めるでしょうか?
私たちは誰もが生かされている存在で、私たち自身を含めて、目に映るすべてのものが「借りもの」です。
また私たちには先祖があり、肉体的にも精神的にも継承している要素を多く持っています。
ですから、私たちは自分だけの感情や心を見出すために、あらゆる体験をし、人生を生きているといえるでしょう。
つまるところ、私たちは人生を歩むにつれ、『作られた自分』を解体し、再構築しながら、自我意識を脱ぎ、自己へと還っていくフェーズを進めていくのです。
私たちの本性は、形を持たない霊的な存在であり、その形を持つ前の力が『陰の力』、そして、その力を象徴するのが月であり、最も神聖なエネルギーを司るのが、ダークムーン・リリスなのです。
形を持たないものに形を与える時、物質世界の制約・制限が与えられます。
そこで生まれるものが、白き月が抱く『願望』と、それが叶わないことによる、黒き月の「思い通りにならないこと」に対する怒りです。
それら2つの月を高次から見下ろしているのが霊的な月であり、2つの月の対立さえも許している慈愛のエネルギーなのです。
達観した視点になりますが、哀しみや苦しみさえも、生きる糧です。
仮想点ダークムーン・リリスは、「あなた(私)」という自己の存在によって、自我意識が現実で不自由さを味わうことさえも、『体験=喜び』に転換しようとする時、あなたにその霊的な力として、創造エネルギーを与えるでしょう。
仮想点ダークムーン・リリスは、自我意識からすれば、幽霊のような月であり、存在など認めたくない存在になり得ます。
心(月)において、感情はグラデーションであり、心は無限に広がる空間であり、そして、二元性・対極性の世界は、葛藤や矛盾を受け入れてこそ、対極性を学ぶことができます。
『できます』と表現したのは、それが、『選択』だからです。
いつも通りの選択をするならば、『再現』や『想定内の結果』が実現します。
ですが、これまでの経験則や自我意識の信念から自由になろうとし、月に仕込まれている本能的・従属的なプログラムの呪縛を徐々に外していくうちに、『別の可能性』を選ぶことができるようになります。
これはある意味、『支配からの解放』であり、『自我意識の解体』です。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスは、現実を生きる上で、取捨選択をする手前の心の在り方でもある、と表現することができます。
何を選び、何を捨てるのか。
何を望み、何を実現させるのか。
自我は意思を持って選択をし、自己は意志によって魂に『体験』を促します。
耳障りが悪い表現にはなりますが、ほとんどの場合、自我意識は意志を持続することができません。
なぜなら、自我意識が意志を司るには荷が重く、それよりもまず、意思を持って、理性と感情の調和をしなければならないからです。
仮想点ダークムーン・リリスは、私たちが持つ陰陽の循環の中で右往左往する月・エネルギーではなく、その循環自体を支える存在です。
心や精神世界から見れば、この物質世界こそが「仮想世界」です。
最近では、量子力学やスピリチュアリズムが流行していますが、自我認識や世界の認識が従来の世界観や尺度のままであったなら、仮想世界の中に仮想世界を作り上げ、『次元を超える』ような代物ではなく、角度や高さを変えただけの認識でしかありません。
『分からないことを、あたかも分かったように思い込む』というのは、あと200年は続く魚座の時代における、人類が共通して持つ意識の在り方なのかもしれません。
(現在の春分点は魚座に位置し、約220年後に水瓶座に移動することで、『水瓶座の時代』が到来するといわれています。)
霊的な資質を持ちながら、この物質世界を生きていること自体が、もしかしたら矛盾しているのかもしれませんが、あらゆるものが大宇宙という1つの生命の中の細胞だとしたら、どうでしょうか?
はたまた、あらゆるものが物体として成り立っている背景に、3次元以上の要素が目に見えないだけで重なり、その存在を成り立たせ、生かし、動かしているとしたらどうでしょうか?
仮想点ダークムーン・リリスは、現実(地球)と心(月)の双方を見渡しながら、私たちの意識進化の行く末を眺めつつ、私たちが自己へと意識を開いたなら、惜しみなく慈愛のエネルギーを与えてくれる存在です。
月は最も身近な存在でありながら、最も不可解な天体です。
その不可解さには、『闇の中に存在する見えない闇』というような、霊的な要素が含まれているとしたら、私たちはもっと、非物質的な存在としての自分を知る必要があるといえるでしょう。
【サイン・ハウス別】あなたの創造エネルギーを知る鍵
この西洋占星術講座、並びに、本記事では、仮想点ダークムーン・リリスを『真の陰の力(太陰)』や『超越的な創造エネルギーの在り処』と表現しています。
仮想点ダークムーン・リリスを知ることは、存在しているけれど、唯物的には知覚・認識できない意識やエネルギーを人生の引き入れる第一歩となります。
仮想点ダークムーン・リリスは、対象の影ではなく、また、自我意識と心の範疇外の超越的なエネルギーです。
この超越的なエネルギーは、現象界に働きかける潜象界に属する、いわば、霊性・神聖なる力であり、私たちの霊(魂の根源)の源泉といえるものです。
仮想点ダークムーン・リリスは、『虚構』や『非物質性』を象徴しますので、他の天体や感受点のように、サインとそのサインルーラー、サビアンシンボル、そして他の感受点とのアスペクトによって解き明かすことができるのかは未知数です。
なぜなら、ダークムーン・リリスは、白き月の軌道とは別に軌道を持つ『第2の月』であり、また、霊的な働きを象徴するため、物質次元のおける感覚や概念で表現できるかは不明だからです。
そうだとしても、『分からないものを理解しようとする』という私たちの意思・選択・行動が、創造エネルギーに繋がる鍵となるはずです。
本記事では、ダークムーン・リリスがどのようなエネルギーを象徴し、私たちがそのエネルギーに繋がるためのヒントを模索したいと思います。
そのため、以下のサイン別・ハウス別のダークムーン・リリスの解説は、あくまで判断材料として活用していただけると幸いです。
サイン別・仮想点ダークムーン・リリスのエネルギーの資質
仮想点ダークムーン・リリスは、『第2の月』、または、『霊的な月』を象徴するため、白き月のように、物質次元におけるルールに馴染まないエネルギーであると考えられます。
そのため、通常の天体や感受点の性質や傾向のように、当たりを付けることは難しいため、本記事では、サインが持つエネルギーによって開かれるダークムーン・リリスのエネルギーを言語化するに留めたいと思います。
なぜならば、教科書的な解釈は、逆に、あなたのダークムーン・リリスのエネルギーを曇らせてしまう恐れがあるからです。
とはいえ、仮想点ダークムーン・リリスは、地球の衛星という立場ですので、白き月とともに、私たちの意識と関わりがあることは変わりません。
以下の12サインとダークムーン・リリスの組み合わせを読んでいただくことで、あなたに通う創造エネルギーが開く1つのキッカケになれば幸いです。
また、直観的なメッセージとして、『ダークムーン・リリスからの問い』を添えましたので、あなたの自我を通して、自己からの気づきを得る手がかりとしていただければ幸いです。
仮想点ダークムーン・リリス x 牡羊座
牡羊座の区分は、活動宮・男性サイン・火のエレメントで、12サインの始まりのサインです。
牡羊座が持つ区分は、上昇性・外向性・活動性などの性質を表し、これらの性質は、牡羊座を象徴する『純粋な欲求の実行』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが牡羊座に位置する場合、自我が『己を求める絶え間ない衝動』に降参し、一切の制約・制限を外そうとする純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
誰に対しても、また、自我としての自分に対しても、一切の遠慮も配慮も不要だとしたら、あなたはあなたの人生で何を体験したいですか?
仮想点ダークムーン・リリス x 牡牛座
牡牛座の区分は、固定宮・女性サイン・土のエレメントで、12サインの2番目のサインです。
牡牛座が持つ区分は、固定性・内向性・凝縮性などの性質を表し、これらの性質は、牡牛座を象徴する『純粋な価値の享受』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが牡牛座に位置する場合、自我が『物質性を味わうことの喜び』に感嘆し、目の前の出来事以外の事柄を遮断し、今この瞬間を味わおうとする純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
この世に生まれ、肉体を与えられ、体験をするための対象としての物質や他者との交流の中で、あなたが味わいたい体感が約束されているとしたら、それはどのような感動でしょうか?
仮想点ダークムーン・リリス x 双子座
双子座の区分は、柔軟宮・男性サイン・風のエレメントで、12サインの3番目のサインです。
双子座が持つ区分は、調整性・発展性・拡散性などの性質を表し、これらの性質は、双子座を象徴する『純粋な知性の行使』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが双子座に位置する場合、自我は『指向性を試すことの喜び』に注力し、目の前に広がる世界との接点を増やそうとし、自己への手がかりを探そうとする純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
物事は常に変化し、あらゆるものは変質していることが摂理であり、その流れに委ねるように世界との接点を見つけることが最善であるとしたら、あなたの内面に蠢く衝動の正体を知りたくはありませんか?
仮想点ダークムーン・リリス x 蟹座
蟹座の区分は、活動宮・女性サイン・水のエレメントで、活動宮が再び巡ってくる、12サインの4番目のサインです。
蟹座が持つ区分は、活動性・保護性・受容性などの性質を表し、蟹座が持つ『純粋な情感の共感』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが蟹座に位置する場合、自我が『育成性を味わうことの安らぎ』に没入し、敵味方の分別を不要とする二元性を超えた内面の至福を追い求める純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
能動的な包容の意識は、あらゆる存在を許容するだけでなく、祝福し、見守る慈しみの力を持ちます。
その意識を自我という『他人』に向けることは、それほど難しいことではないとしたら、あなたは今日からご自分の存在を愛しいと思えるとは思いませんか?
仮想点ダークムーン・リリス x 獅子座
獅子座の区分は、固定宮・男性サイン・火のエレメントで、火のサインの2段階目を司る、12サインの5番目のサインです。
獅子座が持つ区分は、持続・存在感・影響力などの性質を表し、獅子座を象徴する『純粋な生命力の発揮』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが獅子座に位置する場合、自我が『存在性を味わうことの喜び』に圧倒され、自身を生かしている大いなる力に畏敬の念を向ける純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
あなたが輝くためには、あなたを生かし、活かそうとする働きを認める必要があります。
あなたが受容的な存在であり、天意に則って生きていることを認めることができるなら、あなたの生命力はより輝きを放ち、その輝きによって照らされる新芽の存在が見えて来るでしょう。
その新芽とは、未来であり、可能性であり、あなたの光を活かしてくれる存在です。
そのためには、あなたはご自分に対して、何を抱く必要があると思いますか?
仮想点ダークムーン・リリス x 乙女座
乙女座の区分は、柔軟宮・女性サイン・土のエレメントで、土のサインの2段階目を司る、12サインの6番目・12サインの前半の終わりのサインです。
乙女座が持つ区分は 調整・具体性・内省などの性質を表し、乙女座を象徴する『純粋な献身性の発揮』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが乙女座に位置する場合、自我が『全体性と繋がっていることの安らぎ』を渇望し、自らの存在意義を証明する徒労を止め、ただ自らの生命の役割を全うすることの喜びを求める純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
自らを傷つけ、損ない、見失う限り、あなたが尊ぶ喜びは遠のくばかりです。
あなたが最も労り、慰め、尊ぶべき存在は、他人である自我です。
自我を丁重に扱いながらも、同化せず、振り回されることがなくなることで、あなたには他者に貢献するための力が与えられるでしょう。
その前に、あなたはご自分をどのように扱い、ご自身に対してどのように振舞い、自分という存在をどのように有効活用していますか?
仮想点ダークムーン・リリス x 天秤座
天秤座の区分は、活動宮・男性サイン・風のエレメントで、風のサインの2段階目を司る、12サインの7番目・12サインの後半の始まりのサインです。
天秤座が持つ区分は、関係性・客観性・公正性などの性質を表し、天秤座を象徴する『純粋な均衡の実現』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが天秤座に位置する場合、自我が『二元性を超越することの喜び』を確信し、自力と非力の両方に対する過剰な期待と願望を捨てる純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
正義や断罪は二元性の原理における争いの種ですが、自我に善悪を規定することができないとしたら、あなたにできることは、冷静に眺め、見守ることです。
もし、あなたがご自身に対して向けている矛も楯も、他者に対して向けている矛も楯も何の役にも立たないとしたら、あなたはそれらを捨て去る勇気がありますか?
仮想点ダークムーン・リリス x 蠍座
蠍座の区分は、固定宮・女性サイン・水のエレメントで、水のサインの2段階目を司る、12サインの8番目のサインです。
蠍座が持つ区分は、凝縮性・粘着性・などの性質を表し、蠍座を象徴する『純粋な変容力の発揮』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが蠍座に位置する場合、自我が『秘された力による喪失と再生の喜び』を恐れるとともに、強烈に渇望し、内面に宿る冷静と情熱の正反対のエネルギーを最善のための行使しようとする純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
あなたがご自分に隠された力があると直観し、その力を行使する機会を待っているとして、その機会がやって来ないとしたら、あなたはご自分に失望するでしょうか?
あなたが存在を許されているのは、隠された力の在り処を延々と探し回り、また、その力を発揮するための対象としての他者を利用するためではありません。
あなたから創造エネルギーの力が隠されているのは、あなたがご自身の正体を未だ知らず、また、他者の正体を見破ろうと躍起になっているからです。
それならば、あなたに授けられた洞察力を使って、このカラクリをどのように解きますか?
仮想点ダークムーン・リリス x 射手座
射手座の区分は、柔軟宮・男性サイン・火のエレメントで、火のサインの3段階目を司る、12サインの9番目のサインです。
射手座が持つ区分は、発展性・理想性・道徳性などの性質を表し、射手座を象徴する『純粋な二重性の体現』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが射手座に位置する場合、自我が『現実に理想を落とし込むことの喜び』を諦めず、肉体と精神の双方に敬意を持ち、『世界こそが自分である真理』を追い求める純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
半人半獣とは、どっちつかずの存在ですが、同時に、双方の架け橋となり得る存在でもあります。
あなたはこの世界を愛すると同時に、この世界を否定していて、その相反する意識を相殺するためには、知識よりも、また、智慧よりも、叡智が必要です。
その叡智は、あなたがご自分の存在を過小評価も過大評価もせず、ただあるがままに見つめることから始まります。
あなたの存在こそが真理であるならば、世界はきっとあなたの真理を映してくれるはずですが、あなたは内面で胎動する情熱と冷静を相殺する勇気がありますか?
仮想点ダークムーン・リリス x 山羊座
山羊座の区分は、活動宮・女性サイン・土のエレメントで、土のサインの3段階目を司る、12サインの10番目のサインです。
山羊座が持つ区分は、実現性・現実性・持続性などの性質を表し、山羊座を象徴する『純粋な現実創造の実現』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが山羊座に位置する場合、自我が『持続する価値の継承と繁栄』に身も心も捧げ、無心で全体性が成り立ち、駆動するための必要な要素を組み合わせ、積み重ねる純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
あなたは戦っているようで守っています。
あなたは築いているようで受け継いでいます。
あなたが全体の中で何を実現し、何を体現しようとしているか、という完全性と完成形を知る必要があります。
そのためには、足元を崩し、覆し、内面と外面をひっくり返す必要がありますが、あなたはその勇気がありますか?
仮想点ダークムーン・リリス x 水瓶座
水瓶座の区分は、固定宮・男性サイン・風のエレメントで、風のサインの3段階目を司る、12サインの11番目のサインです。
水瓶座が持つ区分は、集団性・客観性・神秘性などの性質を表し、水瓶座を象徴する『純粋な価値観の変質』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが水瓶座に位置する場合、自我が『真理を体現することの喜び』を渇望し、低次的・動物的な衝動を抑え、全体性の流れに応えようとする純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
集団に属することは、個我を均一化することでしょうか?
理想を実現することは、過去を否定することでしょうか?
高次的な理性は、思考と感情を調停しますが、低次的な理性は、思考を優性に、感情を劣勢と見なします。
思考も感情も、自我意識の副産物であるとしたら、あなたが今固執しているものは、創造的な叡智でしょうか?それとも副次的な副産物でしょうか?
この問いは、あなたを通して世界に流れる知性の水です。
あなたはこの水を世界へと運ぶことができますか?
仮想点ダークムーン・リリス x 魚座
魚座の区分は、柔軟宮・女性サイン・水のエレメントで、水のサインの3段階目を司る、12サインの最後のサインです。
魚座が持つ区分は、受容性・柔軟性・非物質性などの性質を表し、魚座を象徴する『純粋な霊性の発現』を成り立たせていると考えられます。
仮想点ダークムーン・リリスが魚座に位置する場合、自我が『全体意識からの恩寵による喜び』を渇望し、生きながらにして、肉体に霊的な作用を受け入れ、その作用を他者や周囲へと拡張しようとする純粋な意識の状態の時に、あなたに気づきや導きを与えるでしょう。
【ダークムーン・リリスからの問い】
この世は『偏り』が遍在することによって、違いや個性が生まれることができています。
あなたの精神性や霊性は、物質性や世俗性を嫌悪し、否定し、拒絶するためにあるわけではありません。
また、非物質的な力が持つ浸透性は、あなたの目に映る誰かを匿い、癒し、従属するための才覚でもありません。
境界線を失い、個我を失うことは至福である反面、役目を果たせない限りは単なる現実逃避にしかなりません。
全てを還すとは、悲願ではありますが、あらゆる一切への執着との別れでもあります。
あなたの内面に、羨望や渇望によって魂が曇っているとしたら、その曇りをどのようにして解消されますか?
ハウス別・仮想点ダークムーン・リリスのエネルギーが発揮される分野
ホロスコープは、天体が天のサインと地のハウスの時空を通ることで、天体の配置やその他の天体との関係性によって生まれる意識・働き・力を示します。
ハウスは、現実や事実を示しますが、今回はダークムーン・リリスのエネルギーが反映されやすい分野について言及させていただきます。
仮想点ダークムーン・リリス x1ハウス
アンギュラー・ハウスである1ハウスは、主観の領域・私的な領域・『生命』のハウスです。
1ハウスは、自我意識にとっての本拠地であり、自分の存在を認識するためのあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが1ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される在り処は、『自我の存在と行い』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、1ハウスの場合は、7ハウスとセットに考えます。
加えて、1・7ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x2ハウス
サクシデント・ハウスである2ハウスは、主観の領域・私的な領域・『物質』のハウスです。
2ハウスは、1ハウスに準ずるハウスであるため、アヴァージョンのハウスにはカウントされません。
2ハウスは、自我意識にとっての所有の場所であり、自我意識が肉体・遺伝を通して授けられた能力に関わるあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが2ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『物質性や価値を活用する能力』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、2ハウスの場合は、8ハウスとセットに考えます。
加えて、2・8ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x3ハウス
カデント・ハウスである3ハウスは、主観の領域・私的な領域・『関係』のハウスです。
古典的には、3ハウスは月がジョイとなる場所で、『女神の部屋』と呼ばれ、神や真理に関連する場所と考えられています。
3ハウスは、自我意識にとって『精神性』に関わる場所であり、自我意識が自己に対する理解を深めるための事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが3ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『知識を知恵に転換し、叡智を受け取る器となる経験』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、3ハウスの場合は、9ハウスとセットに考えます。
加えて、3・9ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x4ハウス
アンギュラー・ハウスである4ハウスは、客観の領域・私的な領域・『終末』のハウスです。
4ハウスは、自我意識にとっての出生の起源の場所であり、自我意識に託されたエネルギーを知るためのあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが4ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『安らぎとルーツ』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、4ハウスの場合は、10ハウスとセットに考えます。
加えて、4・10ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x5ハウス
サクシデント・ハウスである5ハウスは、客観の領域・私的な領域・生命のハウスです。
5ハウスは、自我意識にとっての創造と喜びの場所、であり、自我意識が源泉たる自己から創造エネルギーを得るためのあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが5ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『創造エネルギーの発露』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、5ハウスの場合は、11ハウスとセットに考えます。
加えて、5・11ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x6ハウス
カデント・ハウスである6ハウスは、客観の領域・私的な領域・物質のハウスです。
また、古典的には、6ハウスはアヴァージョンのハウスでもあります。
アヴァージョンは、『嫌悪』を意味し、6・8・12ハウスは、マレフィック的なハウスという位置づけがされます。
その理由は、アヴァージョンのハウスがASCを見ることができないためです。
6ハウスは、自我意識にとっての義務や厄介事の場所であり、自我が利他の心を知り、受難を克服するためのあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが6ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『報われない出来事・宿命に対する忍耐力』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、6ハウスの場合は、12ハウスとセットに考えます。
加えて、6・12ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x7ハウス
アンギュラー・ハウスである7ハウスは、客観の領域・公的な領域・『関係』のハウスです。
7ハウスは、自我意識にとって他者の場所、であり、自我意識が他者と関係性を築き、学びを得るためのあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが7ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『他者との信用関係』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、7ハウスの場合は、1ハウスとセットに考えます。
加えて、7・1ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x8ハウス
サクシデント・ハウスである8ハウスは、客観の領域・公的な領域・『終末』のハウスです。
また、古典的には、8ハウスはアヴァージョンのハウスでもあります。
アヴァージョンは、『嫌悪』を意味し、6・8・12ハウスは、マレフィック的なハウスという位置づけがされます。
その理由は、アヴァージョンのハウスがASCを見ることができないためです。
8ハウスは、自我意識にとっての死の場所であり、自我意識が個我の執着を喪失するためのあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが8ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『死の体験』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、8ハウスの場合は、2ハウスとセットに考えます。
加えて、8・2ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x9ハウス
カデント・ハウスである6ハウスは、客観の領域・公的な領域・『生命』のハウスです。
古典的には、9ハウスは太陽がジョイとなる場所で、『真理/神の部屋』と呼ばれ、信仰や宗教に関連する場所と考えられています。
9ハウスは、自我意識にとって高等教育の場所であり、自我意識が真理へと至るためのあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが9ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『精神性の向上の追求』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、9ハウスの場合は、3ハウスとセットに考えます。
加えて、9・3ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x10ハウス
アンギュラー・ハウスである10ハウスは、主観の領域・公的な領域・『物質』のハウスです。
10ハウスは、自我意識にとっての成果の場所であり、自我意識が担う社会的役割や評価に関するあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが10ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『現実創造・成果』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、10ハウスの場合は、4ハウスとセットに考えます。
加えて、10・4ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x11ハウス
サクシデント・ハウスである11ハウスは、主観の領域・公的な領域・『関係』のハウスです。
11ハウスは、自我意識にとっての幸運の場所であり、同志(親友)を得ることや共同体に属すること、社会に対する従属から解放されるあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが11ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『夢や理想の実現』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、11ハウスの場合は、5ハウスとセットに考えます。
加えて、11・5ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
仮想点ダークムーン・リリス x12ハウス
サクシデント・ハウスである12ハウスは、主観の領域・公的な領域・『終末』のハウスです。
また、古典的には、12ハウスはアヴァージョンのハウスでも、12ハウスの中で最も不運なハウスと考えられていました。
アヴァージョンは、『嫌悪』を意味し、6・8・12ハウスは、マレフィック的なハウスという位置づけがされています。
その理由は、アヴァージョンのハウスがASCを見ることができないためです。
12ハウスは、自我意識にとって牢獄の場所であり、自我意識が孤独や孤立を通して、個我を脱ぎ捨てる受難のあらゆる事柄を象徴します。
そのため、仮想点ダークムーン・リリスが12ハウスに位置する場合、サインとの兼ね合いもありますが、創造エネルギーが発揮される分野は、『自我否定』を通して表現・発揮されるといえます。
また、ハウスとサインは、真向いのハウスとサインと対極性を持ちますので、12ハウスの場合は、6ハウスとセットに考えます。
加えて、12・6ハウスと重なるサインと、それぞれのサインルーラーから、客観的にダークムーン・リリスの働きについて考えることも重要です。
【まとめ】霊的な月によって補完される月の力
今回は感受点の第10弾として、仮想点ダークムーン・リリスについて解説させていただきました。
仮想点ダークムーン・リリスは、感受点の中で最も不可解で、掴みにくい感受点ではなかったでしょうか?
最後に、仮想点ダークムーン・リリスの重要事項を以下にまとめました。
- 仮想点ダークムーン・リリスは、月とは異なる軌道を持つ、第2の月
- 仮想点ダークムーン・リリスは、ゴーストムーンと呼ばれる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、1つのサインに約10日間滞在する
- 仮想点ダークムーン・リリスは、119~171日サイクルで動くとされる
- 仮想点ダークムーン・リリスは、ホロスコープ上で【Walde】や【φ】で表示される
- 仮想点ダークムーン・リリスは、真の陰の力(太陰)を司る
- 仮想点ダークムーン・リリスは、非物質性・霊性・創造エネルギーを象徴する
- 仮想点ダークムーン・リリスは、自我超越・無心・無我の状態・境地・意識転換の際にそのエネルギーを供給する
心は、私たちの自我の器であり、『人間体験』の経験が蓄えられ、あらゆる感情を受け止める宇宙空間です。
また、月は心の物質的な象徴として存在し、複数の役割を別々の感受点に分けました。
それがこれまで解説しました、白き月、小惑星・リリス(リリト)、黒き月(感受点ブラックムーン・リリス)、そして仮想点ダークムーン・リリスです。
*小惑星リリス(リリト)は、月の軌道と象意とは異なる役割ですが、火星と木星の間に存在するという意味においては、個人天体までの次元のエネルギーが、社会天体以降までの次元へと反映させる上で、『創造的な行いを追求する』という意味で、月の扱い方と関連があるといえるでしょう。*
月は、表と裏だけでなく、『奥』があり、奥とは非物質領域・霊性を象徴し、月を統合するということは、白き月と黒き月(ブラックムーン・リリス)、そして、異なる次元に存在するダークムーン・リリスの三位一体を意味します。
これは、『しなければならない』ことではなく、『選択』であり、『意思によって意志を発掘する』というような、流れに委ねつつ、純粋な意識を築いていくことによって成就する、どこまでいっても孤独で、だけれど、神聖な自己存在への畏敬の方向性です。
その上で、重要となることは、自我意識が月によって守られ、育まれ、今も月の受容性によって生かされている、ということです。
心を知り、感情を認めていくことは、自分事であり、一生ものの課題に他なりません。
そして、私たちが物質世界で体験するあらゆる物事は、自我意識というフィルターを通して評価・判断・認識されます。
この自我のフィルターを綺麗にしていくことが、日本でいうところの『御魂磨き』に相当するのではないかと思われますが、肝心な部分として、自我意識という個我は、私たちの本質ではなく、外部からの刺激・影響によって生まれた意識であることを受け入れる必要があります。
月の世界から生まれた私たちは、物理的な豊かさや喜び、貧しさや哀しみを体験し、感情によって精神世界に貢献しています。
感情は無駄に生まれるわけではなく、この世に無限に存在する生命のように、必ず役目や役割、存在意義を宿していることを忘れてはいけません。
ですから、感情を見て見ぬ振りしたり、放棄したり、すぐに手放そうとすることは得策とは言えません。
少し突拍子もない表現になりますが、悪感情や暴力的な性のエネルギー(支配的な力)は、宇宙や地球、惑星を汚すといわれます。
悪想念は自分自身を汚すだけでなく、自分を成り立たせるあらゆる物事に作用する、と考えると、私たちは常に自分の在り方について見つめ続けなければなりません。
表面的に月にアプローチすることは、心という精神世界の奥深さを軽んじることになります。
それは、天に唾を吐くような行為とも言えるかもしれません。
ただ、そのような時期があってこそ、私たちは心を大切にすることができます。
一時的に月の魔力や凶暴性に引き込まれたり、月の闇や葛藤、矛盾に飲み込まれることもあるでしょう。
ですが、私たちは常に「今、この瞬間」という現実に舞い戻り、太陽の輝きをもたらすべく、現実に向き合い続けなければなりません。
それは言い換えれば、自分自身の心と対峙し続ける、ということです。
あなたには占星術・ホロスコープという、大変頼りになる味方がいます。
なぜなら、占星術・ホロスコープは、あなたという小宇宙、心という精神世界の奥深さを教えてくれ、人生を肯定する手助けをしてくれるからです。
納得や手応えを感じるまでに、是非時間をかけてください。
また、心の中に立つ、小さな波紋に意識を傾けてください。
あなたはご自分を認め、人生を肯定し、成長という過程(プロセス)を信頼することで、心に揺るぎない安らぎと自信を生み出すことができます。
あなたは常に地球の上に生きているように、ホロスコープの中央には地球が位置していますから、現実という舞台で、主人公としての役割を果たし続けてください。
そうすることで、同時に、太陽を中心とし、地球も太陽を輝かせる惑星として輝き、マクロコスモスとミクロコスモスが連動して、大宇宙への貢献が実現します。
人生の主人公として最も大切なことは、自分の心に素直であることです。
そして、その素直さは、自我意識を清め、自己からの祝福を受け取るための神聖で、純粋な境地を自我に体験させてあげるための大事な行いです。、
心に素直であることは、仮想点ダークムーン・リリスが示す、霊性を物質世界に反映させ、あなたが本来持っている存在定な輝きを高めることに繋がっていくのですから。
仮想点ダークムーン・リリスを含め、月の役割は大変奥深く、生涯をかけて私たちの心の成長を見守ってくれています。
それだけ心というものが、自由で、私たちの個性が投影される器で、大切に扱い、時間をかけて知る必要があるということですね。
これからも引き続き、ホロスコープを深読みしながら、現実を生きるあなたを認めていってくださいね!
それでは、今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
次の感受点別「アラビックパーツ」でお会いしましょう!
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