初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
復習になりますが、ホロスコープは、「特定の瞬間の宇宙の時空間」を切り取り、平面に描写したものです。
これを「魂のブループリント(青写真)」と読んだり、宇宙からのメッセージと受け取ることができます。
ホロスコープを読み解く上で重要となるものは、これまで解説してきました、惑星 / 小惑星・星座とハウスです。
今回の講座は、「第10ハウス(室)」です。
第10ハウス(室)は、「社会性の頂点」や「社会生活の豊かさ」を表します。
とはいえ、この「頂点」という高みは、主体的に動くことで獲得されるため、個人で達成することができる「限界」という解釈をすることも可能です。
第10ハウス(室)は、MCのハウスカスプでもあるため、「最も日の光を浴びる環境・条件」を体験することになります。
第10ハウス(室)のナチュラルサインは山羊座で、山羊座の支配星は、物質性の完成を促す土星。
土星は、物質世界の原理が「原因と結果」であり、原因を起こす主体性と、過程(プロセス)を大切にすること、そして収穫を得ることを促します。
そのため第10ハウス(室)に表される「結果」は、人生で待ち受ける「挑戦」に立ち向かい、希望を諦めずに努力と内省を続けた末の、「中期的なゴール地点」といえるでしょう。
なぜ「中期」なのかといいますと、第10ハウス(室)は、人生の最終地点ではなく、個人の自己実現と自己表現が実を結ぶものの、更なる可能性が残されているからです。
それが次の第11ハウス(室)の段階で、他者貢献や献身、同志との繋がり、後継者を得ることなどに繋がっていきます。
天体・感受点と星座は、精神的な面が強いため、想像力や直感力を働かせることにより、納得感や実感が沸いてくるでしょう。
それに対してハウスは、物質的・現実的な側面が強調されるため、過去からの実際的な経験や環境が大きな判断材料になります。
第10ハウス(室)は、ホロスコープの頂点にあることから、「対外性」や「社会性」はもちろん、「現実性」や「再現性」、「父性」や「男性性」が強調される段階です。
私たちは誰もが社会的な存在ですし、時間の経過は平等に訪れます。
第10ハウス(室)に限らず、あらゆるハウス(室)や他者は、決してあなたに「自業自得」を強制はしません。
「自業自得」は、「自らの意志」と「自らの行い」に気づき、最善の生き方を模索する際に必要となる、自分自身にだけ向けることができる自律の心です。
そういう意味では、第10ハウス(室)とMCは、個人の生き方が集約され、現実に反映される結果といえるでしょう。
時間には限りがありますが、人生はあらゆる可能性に満ち溢れていますので、自分を認めることによって、いくらでも軌道修正は可能です。
ホロスコープは、「360度の可能性」を表し、360通りの可能性は「度数」に表されます。
この可能性にさえ、二元性が働き、精神性(星座)と物質性(ハウス)に分けられ、それら2つの可能性の空間を、天体が動き、現実と内面に変化をもたらす、と考えられるでしょう。
第10ハウス(室)は、社会的な評価や信用を強調しますが、同時に内面性や精神性の成熟にもスポットライトが当たります。
第10ハウス(室)は、第7ハウス(室)の結果であり、第7ハウス(室)は第4ハウス(室)の結果です。
そして第10ハウス(室)と第4ハウス(室)は、MCとIC、内面性と外面性や、社会と家庭という対極の関係でもあります。
第10ハウス(室)は、「与える立場」に登り詰め、「人生の手応え」としての充実感を与えてくれる段階です。
この「手応え」は、決して感傷的な、自己満足に留まることなく、物質的な豊かさや反映、評価を伴います。
ですから第10ハウス(室)を読み解くことは、現実に実現することができる内なる可能性と、自分自身への期待を見つけることになるでしょう。
第10ハウス(室)は、MCの講座と併せて読み進めることをおススメします。
ハウスは12の空間がありますので、順次1つひとつのハウスの特徴と重要性をお伝えさせていただきたいと思います。
それでは、今回も最後までお付き合いくださいね!
人生の目的地は、原因によって導かれる
第10ハウス(室)は、主体性・動機を持ち、行動を起こし、継続することの重要性を教えるハウスです。
アングルのハウスである、第1・4・7・10ハウス(室)の成長段階は、点星点と重なり、「物質性」に対する在り方を象徴しています。
自我に従い、心を見つめ、自己を認識し、そして社会で自らの能力・才能、創造性を発揮し、人生に具体的な意志を実現すること。
これらの流れは、私たちが必ず通る道(段階)です。
アングルのハウスはそれぞれ、火・水・風・土のエレメントをそれぞれ持ち、最終的な着地点として、第10ハウス(室)は土の「定着」や「固定」という働きを発揮されます。
この西洋占星術講座のテーマである、「自分を認めること」は、すべての成長段階にも当てはまりますが、第10ハウス(室)では特に重要となるでしょう。
なぜなら「自分を認めること」は、物質性と精神性の両面にアプローチするだけでなく、自己主観と自己客観を超え、他者や社会からの要求を受け止める器を育てるからです。
第10ハウス(室)は「自己実現」や「天職」、「人生のピーク」を象徴するといわれるハウス。
この象意は、「どれだけ自分自身と人生を肯定的に捉えることができているか?」や「今、どのような意志を持つべきか?」という重大な問いかけでもあります。
人生は思い通りにならないことや、自分1人ではどうにもならないことに満ちていますが、これらの事実は本来、問題ではありません。
問題となるのは、「だから諦める」や「だから誰かに任せる」という、主体性の喪失や放棄です。
人生のピーク・頂点が、社会的な評価やステータス、信用を得ることであってもいいですし、物質的な豊かさを放棄し、自然と共存する生き方の確立でも問題はありません。
重要なことは、先ほど「自業自得」という言葉を出しましたが、「自分の意志において、「責任」と「自由」を実現する、という主体性を持つことです。
人に囲まれる人生を歩む人もあれば、孤独な状況や生き方を選ぶ人もいます。
どのような形・状況においても、「誰が選んだ生き方なのか」という動機や原因、始まりを認めるかで、主観の在り方が様変わりするはずです。
第10ハウス(室)は、最も社会的なプレッシャーがかかり、対外的な責任や義務、評価やフィードバックにさらされることで、成長が促されます。
だからこそ「意志」や「原点」を見失わないことが重要ですし、また自己主観と自己客観に固執しないことも重要です。
第10ハウス(室)の成長段階は、自分自身への限界の挑戦であるとともに、家庭や心を守り、葛藤と成長を同時に体験させるでしょう。
土星の強制力は、原点を忘れず努力を積み重ねることを求める同時に、その過程(プロセス)において、多くの気づきを得ることを促します。
ホロスコープの頂点に位置するということは、始まり・原点と過程(プロセス)を再認識し、自己信頼と自己理解、そして自己肯定が重要である証です。
自分の意志(始まり)を信じることは、宇宙の恩恵を迎えるために大変重要で、どのような経験を与えられようと、最善の解釈・概念を導き出そうとする心がけが運命を左右します。
この「運命」は、主体性を発揮するか、それとも他者依存や被害者意識で、創造性を奪われるか、という「二者択一」の道。
その選択をするのは、私たちであり、自分の人生のおける「当事者意識」こそが、自業自得を自分に突き付けながらも、諦めない成熟した器を育てるのです。
第10ハウス(室)とは
第10ハウス(室)の定義は、「社会的な外見」です。
第1ハウス(室)は「生まれたままの姿」や「自我」を、第7ハウス(室)は「特別な他者に見せる姿」や「自己」を、第4ハウス(室)は「わがままで自由な姿」や「心」を表します。
アセンダント(ASC/AC)とディセンダント(DSC/DC)が「自我」と「自己」の軸であるように、ICとMCは「精神性」と「物質性」の軸です。
第10ハウス(室)は、これまでの経験を経て、「鎧」や「城」、そして「武器」を持ち、自分自身の目的を実現できることを表しています。
ですから第10ハウス(室)は、「天職」や「ライフワーク」、「自己実現」、「肩書・キャリア」という象意を持つのです。
「社会的な顔・外見」は、他者に対して信用を与え、選択肢や判断基準、概念といった「価値」を創造する機能を持っています。
具体的な例として、クレジットカードの発行には、勤続年数や収入の証明が必要です。
これは「社会的な信用」によって、社会的な立ち場が確約されるということであり、それまでの社会生活の結果ということでもあります。
「世の中はお金で回っている」という事実を認めることは、「お金という価値創造が機能している」ということです。
牡牛座・乙女座・山羊座の3つの星座と、土のエレメントが強調される第2・6・10ハウス(室)は、それぞれ物質的な価値と立場を重視します。
ですから第10ハウス(室)は、「相対的価値」である貨幣や不動産、自営や家業、所有や消費といった事柄をテーマにするのです。
第10ハウス(室)が象徴する「社会的な外見・姿」は、私たちを個性だけではなく、集団的・社会的な存在としての役割を見出させてくれます。
先ほど「世の中はお金で回っている」という表現を挙げましたが、言い方を変えると、「お金を生む創造エネルギーが循環している」となるでしょうか。
第10ハウス(室)は決して、欲望を満たし、独裁的な影響力を持ち、個人の利益を追究するだけの段階ではありません。
「自分は何者で、何を成し遂げることができるのか」という、人生の命題を突き詰める中で立ち止まる中間点が、第10ハウス(室)なのです。
ですから第10ハウス(室)の象意を、仕事や物質的な豊かさだけに限定することは、大変もったいないことといえます。
なぜなら第10ハウス(室)は、「個人が目指すことができる頂点」であると同時に、「個人が迎える限界」。
更なる可能性は、他者との協調と協栄に見出すことができるからです。
第10ハウス(室)の段階に至ると、自分の人生を俯瞰することができるだけでなく、他者に影響を与え、導くことができるまでに、精神的な成熟が訪れているもの。
人生のピーク・頂点とは、180度までの視野を、360度まえに広げることができる境地なのかもしれません。
だからこそ「社会的な外見・顔」は、自分自身に厳しくあることもできますし、大切な人を守るために頑張ることを促すのでしょう。
そして「人生の手応え」は、「太陽の獲得」と連動しています。
「自分自身と人生を認める」喜びと苦しみを味わった後、今度は、他者が自身を肯定する手助けをすることができ、そのことに時間とエネルギーを使うことになるでしょう。
それが他者に対する「創造性の発揮」であり、「他者を活かす」という生命の役割です。
第10ハウス(室)から見出される要素は「自分事」であると同時に、他者にとっての「可能性」や「希望」となることを覚えておいてください。
第10ハウス(室)のポイント
以下に、第10ハウス(室)のポイントをまとめました。
- 第10ハウス(室)は、MCをハウスカスプとする
- 第10ハウス(室)は、「自己実現」を促すハウスである
- 第10ハウス(室)は、「社会的な信用」と「社会的な影響」を持つことを促す
- 第10ハウス(室)は、アンギュラーハウス(アングル)である
- 第10ハウス(室)の星座は、最も自然な在り方や言動のパターンとなって表れる
- 第10ハウス(室)の星座の支配星(カスプルーラー)が位置する、星座とハウスと「間接的」に流れを持つ
- 第10ハウス(室)は、「社会的信用」を得て、他者に対する価値提供の手段を持ち、社会に居場所を見出させるハウスである
- 第10ハウス(室)に位置する天体は、自己実現と社会的立場に追い風を吹かせるように働く
第10ハウス(室)が象徴するもので、共通することは、「社会の中で自分の可能性を見出すこと」です。
これまでの経験と成長は、自分自身を肯定するためでもありましたが、「他者からの肯定」を得るためでもあります。
これは「わがまま」や「個人的な望み」ではなく、「社会的な評価」として与えられるものです。
そのため第10ハウス(室)では、ルールや常識、固定概念・固定観念、また他者や集団の他者、組織との関わりと折り合いが重要になるといえます。
第10ハウス(室)での学びは、「会社に出勤する」や「自営業に励む」ということに終始しません。
「社会的責任と信用」は、「人生観と個性の発揮」を促すとともに、自尊心や自己受容を追い立て、「人生の責任」が自分だけではないことを悟らせるでしょう。
家庭や配偶者・パートナーの有無に関わらず、社会的な影響力や立ち場を持つということは、他者に対する責任が生まれるということです。
責任が果たされる場面では、「価値創造」という豊かさと喜びも生まれますので、「自己肯定」がいかに重要がご理解いただけるでしょう。
12ハウスは、① 物質的な成長の流れと、② 人生において強調される役割、そして ③ 精神的な成熟の3つの側面を持っています。
第10ハウス(室)は、「人生の展望」に向かって足元を見定めると同時に、様々な視野と可能性にオープン・敏感になるように促します。
山登りは登るだけが目的ではないように、ちゃんと下ることも目的です。
第9ハウス(室)が「向上の道」であったなら、第10ハウス(室)は「向下の道」を意識させます。
なぜなら土星が象徴するように、「人生における大きな転機」は限られていて、個人の活躍や影響力は必ず衰退の時を迎えるからです。
また第10ハウス(室)のナチュラルサインである山羊座と、支配星である土星は、「歴史」や「伝統」を重んじます。
自分自身が継承する立場であれ、継承される立場であれ、そこには「意志」と「生命」の連鎖が生まれるもの。
第10ハウス(室)は、個人の力で登り詰める頂点であると同時に、自分以外の者に更なる発展と反映を託すことを学ばせるのです。
自分が成長し続けることも喜び、他者の成長を見守り、見届けることもまた喜びである、ということですね。
第10ハウス(室)が象徴するもの
第10ハウス(室)が象徴するものを、以下にまとめました。
- 社会的な役割・立場・地位
- 自己実現と社会からのプレッシャー
- 社会的責任・信用
- 名誉・不名誉
- 名声・悪評
- 評価・評判に耐えること
- 重要な決定・決断
- 市場価値
- ブランディング・ブランド力
- 安定と発展、そして衰退
- 権力・権威
- 天職・ライフワーク
- 個人の才が最も発揮されるタイミング・環境
- 父・父性
- 世間的な活躍・評判
- 自律
- 常識・固定概念・固定観念との折り合い
- 野心・野望
- 独立・起業・自営
- 人生の手応え、人生の充実感・達成感・満足感
第10ハウス(室)を読み解く要素
第10ハウス(室)を読み解く際に重要な項目を、以下にまとめました。
- 第10ハウス(室)の星座
- 第10ハウス(室)・MCの星座の支配星(カスプルーラー)とその状況
- 第10ハウス(室)・MCの(星座の)度数
- 第10ハウス(室)・MCの(星座の)サビアンシンボル
- 第10ハウス(室)に位置する天体・感受点
- 第10ハウス(室)に位置する天体・感受点とその他の天体・感受点のアスペクト
- 第10ハウス(室)のナチュラルハウスである山羊座の状況
- 土星の状況
- MCに最も近い天体は、カルミネートの天体であり、社会的な成功に影響を与える
ハウスに支配星は存在しない
太陽系10天体は、それぞれ支配する星座がありますが、ハウスに対してはどうか?という疑問はありませんか?
結論から言いますと、天体はハウスを支配しません。
その理由は、星座が精神性(在り方)を、ハウスが物質性(生き方)を役割として与えられていて、天体は精神性を表す星座にのみ、直接的な支配を及ぼすからです。
後の講座で、「品格(ディグニティ)」について解説しますが、天体と星座の関係性と、天体とハウスの関係性はイコールにはなりません。
一般的な間違いとして、太陽系10天体は、それぞれ居心地の良いハウスがあり、それが天体がハウスに対する支配、と解釈されることが要因といわれています。
「誤訳」と「解釈の間違い」が相まって、占星術の本質が歪むということもあり得るでしょう。
ですがこの西洋占星術講座は、伝統(古典)占星術にこだわり、現代占星術を否定する、というスタンスではなく、占星術の正当な流れだけをお伝えしていきます。
天体が強い影響力を持つことは確かですが、天体はハウスを支配しない、ということだけをお伝えさせていただきますね。
また「心理占星学」の立場では、第4ハウス(室)を父、第10ハウス(室)を母と関連付けますが、この講座では言及を控えています。
その理由として、占星術の応用は、原理と基礎を踏んでから扱うべきである、と考えるからです。
ただ天体と星座の支配関係は揺るぎませんので、今後のリーディングのためにも、以下の関係性は徐々に覚えていってください。
【ハウスとナチュラルサイン】
- 第1ハウス(室)のナチュラルサイン = 牡羊座:支配星 = 火星
- 第2ハウス(室)のナチュラルサイン = 牡牛座:支配星 = 金星
- 第3ハウス(室)のナチュラルサイン = 双子座:支配星 = 水星
- 第4ハウス(室)のナチュラルサイン = 蟹 座:支配星 = 月
- 第5ハウス(室)のナチュラルサイン = 獅子座:支配星 = 太陽
- 第6ハウス(室)のナチュラルサイン = 乙女座:支配星 = 水星
- 第7ハウス(室)のナチュラルサイン = 天秤座:支配星 = 金星
- 第8ハウス(室)のナチュラルサイン = 蠍 座:支配星 = 冥王星
- 第9ハウス(室)のナチュラルサイン = 射手座:支配星 = 木星
- 第10ハウス(室)のナチュラルサイン = 山羊座:支配星 = 土星
- 第11ハウス(室)のナチュラルサイン = 水瓶座:支配星 = 天王星
- 第12ハウス(室)のナチュラルサイン = 魚 座:支配星 = 海王星
天職と運命の概念について
ホロスコープを学ぶ際、「金運」や「恋愛運(結婚運)」、「天職」といったキーワードが動機となることが多いです。
これは自然なことですし、誰もが気になることですから、罪悪感や恥ずかしさを持つ必要はありません。
ただ念頭に置いていただきたいことは、「運命論」や「天からの導き」といったことに過剰に反応し、「主体性が持つ力(可能性)」を手放してはいけない、ということです。
占星術は精神性や精神世界を扱いますから、「他力」や「大いなる導き」に対して心をオープンにすることを促します。
ですがこれは決して、「自分が非力である」や「自分の運命は決まっている」という発想を肯定することではありません。
確かに土星は「試練」や「鍛錬」、「苦手意識」を与えますが、その真意は、「人生を自らの力で歩むこと」にあります。
また土星は、人生(寿命)には限りがあることを教える星です。
どのような境遇や役割を与えられたとしても、自身のできる範囲でやるべきことを見出し、熱意と冷静さの両方を持ち併せ、「苦難」を「達成」に転換させるのも土星の働き。
「運命」や「宿命」を肯定的に捉えると、家系や先祖から引き継いだ「環境」を起点として、その家々のパターンや習慣性が与えられることは確かです。
この西洋占星術講座では、「自分を認めること」によって、「自分の人生を尊重すること」に繋がるとお伝えしてきました。
更に加えるなら、「自分を認めること」は、「先祖を認めること」にもなります。
ですから「自分自身を認めること」の大義は、「運命を自ら創ること」と捉えることもできるでしょう。
生まれる前に敷かれたレールは、未来や次の時代を決定し、確定させるものではありません。
また「天職」は、「天・宇宙が与える生業(なりわい)」という意味ですから、私たちの嗜好と合致しないこともあります。
ある人は家業を受け継ぎ、次世代に渡す役割かもしれませんし、ある人は新しい価値観を生むことが役割かもしれません。
どのような場合であっても、突然豊かさや幸運が訪れ、誰もが羨むような仕事や天啓は与えられることはない、ということを知る必要があります。
ですがこれは「夢」や「目標」を持ってはいけない、ということではありません。
自分自身と現実、環境に向き合うことをせず、もっと言えば、踏み出す勇気や続ける努力をせずに、成長や発展を望んでも仕方が無い、ということです。
そしてそれは、「主体性」と「太陽の獲得」の諦めでもあります。
そのような意識や在り方を、土星は最も嫌い、逆に借金取りのように追い立てるはずです。
第10ハウス(室)は、過去の経験をどのように活かし、自分の人生を肯定するために、社会生活を営むことを促します。
個人と社会(集団)が直結しているように、社会生活と私生活もまた直結し、日々の営みと在り方、そして信念(価値観)が、私たちの社会的な姿に表れるでしょう。
天職やライフワークは、「精神を注ぐこと」が肝であって、「好き」や「ワクワク」といった個人的な嗜好が重要視されるものではありません。
本来的な「仕事」の意味は、「人の役に立つこと」や「他者・社会に仕えること」であり、成熟した精神性の尺度では、「神事」と呼ぶこともできるでしょう。
どのような仕事であっても、物理的な疲労や精神的な受難はつきもの。
第10ハウス(室)が提起する「天から与えられる才」とは、「人を喜ばせる自分自身を見出す環境・手段」を見つけ、その働きを享受する、ということです。
第10ハウス(室)・山羊座・土星は、私たちが最も認めたくない「現実性」を突き付けますが、それによって、かえって私たちは堅実的に豊かさと喜びを迎えることができます。
ですから他者に依存した豊かさや安心感は、いつか無くなる恐怖心を抱かせるのです。
第10ハウス(室)が象徴する「人生の頂点」とは、自らが「源泉」となって豊かさを創造できる自分になることを示しています。
そのような境地に辿り着くためには、やはり「自分と人生、そして現実を認めること」に行き着くのです。
この世に生まれた恩を返すこと
第10ハウス(室)は「父」や「父性」という、「外側に打ち出す力(男性性)」を発揮させます。
この意識は、火星が象徴する自己主張が、社会性を意識して制御される形で発揮される、と捉えてください。
第4ハウス(室)は「母」や「母性」という、「外側から与えられる力を受け入れる」に心身を委ね、無意識の状態に促します。
どちらのハウス(室)も、「生かされている事実」に対する反応であり、働きかけです。
第10ハウス(室)の場合は、より自発的・主体的に、自分自身の存在意義を見出そうとする意識が強まりますし、他者や社会からも「無言の圧力」によって求められます。
第10ハウス(室)は、生存欲求に加えて、自己顕示欲や承認欲求を自覚し、また表現する段階ではありますが、究極をいえば、「生きている証」に行き着くはずです。
月の年齢領域に根付いた価値観は、その後の人生経験によって強化されることもあれば、矯正されることもあるでしょう。
重要なことは、私たちが人生を生きながら、世の中には色んな価値観があるだけでなく、可能性も潜在的な価値があることに気づくことです。
そういった気づきを、ただの「綺麗事」として片づけてしまっては、大変もったいないといえます。
「他者比較」や「外的な刺激」さえも、ただの印象や「刺激」や「プレッシャー(圧力)」という見え方にしか過ぎません。
「自分が持っていないもの」は、はたして、「損」や「哀しみ」、「屈辱」、「怒り」の原因にするしかないのでしょうか?
そのような心境に陥ることも確かにありますが、そこでくすぶり、「思い込みの絶望」にすがっても、誰も助けてはくれないのが現実です。
私たちが先人の成功法則や、他者の人生経験に耳を傾ける時、「ハッピーエンド」や「順風満帆な人生」だけに意識を向けることはありません。
なぜなら私たちの心は常に、「希望」と「可能性」を欲しているからです。
肉体がいつか滅ぶように、私たちは人生の頂点から下りる時が訪れます。
始まりと終わりが背中合わせであるように、私たちは先代の生命を受け継いでいますし、形や手段は違えど、私たちも次の時代に席を譲らなければいけません。
「人生の手応え」を得られるまで、それはそれは苦難と困難、試行錯誤の連続で、報われる時なんて訪れるはずがない、と思ってしまいます。
ですがその境地さえも超え、自分自身の可能性を信じることができ、且つ、他者の助けに感謝し、大いなる働きと導きを甘んじて受け入れる時、執着と恐怖は消え去るでしょう。
「生かされている」という感覚は、決して捻り出すようにして口にする「ありがとう」ではなく、苦しい時にこそ見出される、言葉も出ないほどの感謝の念です。
第10ハウス(室)は、私たちに生きることの素晴らしさと困難を受け止め、次世代に意志を引き継ぐ心を育てます。
大昔の人類が無意識にそうであったように、私たちは明確な意志を持って、新しい時代を迎えるために、物質的な喜びを味わい、他者と社会に還元していくことが重要です。
第10ハウス(室)のテーマ
第10ハウス(室)のテーマは、「発展と守ること」です。
「攻撃は最大の防御」という言葉があるように、第10ハウス(室)は「主体性」の発揮を促します。
発展への意志と希望が無ければ、同じ場所で仕事をする意欲が削がれますし、守るべき家族を養うこともできません。
特に土星は、「現実性」や「堅実性」、また「義務」や「責任」を強いる天体ですから、「攻め」と「守り」を両立させることを促します。
ハウス(室)が進むにつれ、「抱えるもの」や「守るべきもの」が増えると同時に、「捨てるもの」や「諦めるもの」も増えていくものです。
1つ前の世代までは、「家庭を省みない、仕事に没頭する父親」が一般的な父親像であり、常識的に求められる男性像(大黒柱)だったかもしれません。
それが良いか悪いか、喜ばしいか哀しいかは、本人と家族にしか分かりませんが、そのような時代の流れがあったことは確かです。
現代もまた、「今、自分にできること」と「家族・他者・社会に求められること」の板挟みに遭うことからは逃れられません。
だからこそ私たちにとって、「発展する」という希望を意志に変え、可能性を追い続けることが大切なのです。
以下に、第10ハウス(室)のテーマうち、特に強調され、自覚されるべき要素を以下にまとめました。
- 自分に求められることに応え、結果を出し、信用を得ること
- 意志を曲げず、主張することを恐れないこと
- 可能性を信じ、苦境や逆境を克服しようとすること
- 現実が求めることに意味・意義を見出そうとすること
- 対外的な役割・社会的な役割だけが、自分を定義しないという意識を持つこと
- 他者が集う場所に役割を見出すこと
- 働くことは「時間の代償」ではないという意識を持つこと
- 自己実現は他者貢献に繋がっていること
- 栄枯盛衰に従い、継承すべき現実を受け入れること
- 太陽の獲得を意識し、主体性を発揮するとともに、客観性との両立を計ること
第10ハウス(室)は、自己実現や天職といった「人生の命題」が表れる、大きな節目の段階です。
自分自身に創造性と感受性を見出すことができる、ということは、他者に支えられていることにも繋がります。
第7ハウス(室)から始まった「社会性の目覚め」は、ただ社会や組織に従うためではなく、「社会性で繋がる個人同士の繋がり」に行き着くでしょう。
なぜならどのようなことも、「最小単位の集まり」であり、たった1人の変化や成長は、必ず全体に影響するからです。
「個人としての自覚」と「集団の一員としての自覚」は、社会生活と私生活を営む私たちを刺激し、器量と度量を広げるように促します。
第10ハウス(室)における「成長」・「発展」は、一個人としての成功であるとともに、他者への存在定義です。
第9ハウス(室)の探究は、個人的な利益の追究を超え、他者への影響力へと変容します。
今回の講座では、「自分の成功は分配される」ということを強している理由は、一重に、「自己肯定」が「他者肯定」に繋がるからに他なりません。
あなたがご自分の成功を信じ、達成した暁には、誰かの力になりたい、という欲求が生まれるはずです。
それは、「富を持つ者の特権」という西洋哲学的な概念・価値観ではなく、豊かさや喜びを享受した者に自然と生まれる、「真心」といえるでしょう。
「欲を持つこと」は決して悪いことではありませんし、責められるべきことでもありません。
現に第10ハウス(室)は、「野心」や「野望」を持つ成長過程です。
「経験に勝るものは無い」という言葉があるように、私たちは自立心と野心、また自律と節制によって、豊かさを健全に喜ぶことができるのですから。
第10ハウス(室)と第4ハウス(室)が示すもの
ハウスシステムの講座で、ポラリティについて解説しました。
ハウスシステムにおけるポラリティとは、「それぞれ対向のハウスが共通のテーマを持つ」ということです。
第10ハウス(室)は第4ハウス(室)とともに、「役割」や「立場」をテーマに掲げています。
第4ハウス(室)は「心の休まる場所」や「緊張や支配から解放される時間と空間」、「家庭」を表すことから、役割や立ち場とは無縁と思われるでしょうか?
ですが家庭や親族という、「血縁」との関係性でこそ、役割や立ち場から逃れることはできません。
対する第10ハウス(室)は、「信用を得るための仕事」や「対外的な責任を果たす環境」、「仕事」を象徴します。
外で活躍することは、働くことに限らず、関わる人と相対する機会や場面は、至るところに見受けられますので、「社会的な姿・顔」を捨てることは容易ではありません。
第10ハウス(室)と第4ハウス(室)の軸は、最も「内と外」のギャップを感じさせ、また葛藤を経験させます。
これは月(心)と土星(現実)が向かい合うような、緊張と補完の関係です。
物質世界は、常に制約・制限、またはルール(責任)と自由(報酬)で成り立っています。
第10ハウス(室)は、対外的・社会的な役割・立ち場を全うすることで、個人としての成功や信用を得ることで、プライベートも充実させることを促す段階。
私たちはどこまでいっても、「自分」から逃れられないように、「役割」や「立場」からも逃れることができません。
これを「足枷」や「呪縛」と捉えるか、「関係性を持つことができる」や「常に可能性が潜んでいる」と捉えるかは、私たち次第。
ですが「縁や運、チャンスは人を通して訪れる」という体験をしていれば、関係性を切る選択は取り辛くなります。
だからこそあなたに与えられ、または、あなたが望む「役割」と「立場」は、責任だけでなく、豊かさと喜び、そして自由に繋がることを覚えておいてください。
現実に向き合うことは、精神性を高める上で、最も崇高な態度です。
現実を認められる人ほど、社会的な影響力を持った時、他者に対して厳しく、また寛容に接することができます。
この意識こそ、第10ハウス(室)とMCが天に最も近く、日の光を浴びることの意義であり、「天の意志」に報いる生き方・在り方ではないでしょうか?
第10ハウス(室)に天体が無い場合は?
第10ハウス(室)に主要10天体が無い場合は、第10ハウス(室)のハウスカスプの星座と、その星座の支配星(カスプルーラー)を探し、その影響力を見てみましょう。
以下に、第10ハウス(室)の状況を見るためのポイントをまとめました。
- 第10ハウス(室)・MCの星座
- 第10ハウス(室・MC)のカスプルーラーの星座
- 第10ハウス(室)・MCのカスプルーラーのハウス
- 第10ハウス(室)・MCのカスプルーラーとその他の天体・感受点のアスペクト
- 第10ハウス(室に位置する天体・感受点
- 第10ハウス(室)に最も近い(カルミネートの)天体の度数とサビアンシンボル
- 第10ハウス(室)・MCの度数とサビアンシンボル
「間接的な影響力」を探ることで、天体が入っていないハウスが持つ、テーマ性や影響力を見出すことができます。
天体は星座を支配し、ハウスにはナチュラルサインがありますので、これら3つは必ずどこかに関連性を見出すことができるはずです。
「天体が無い」ということは、「強調されない」という意味とともに、「間接的な影響を知ることが促されている」ということ。
ホロスコープリーディングをする上で、こういった点と点を繋げることが重要になっていくでしょう。
ホロスコープという円環内では、「バケツリレーが行われている」という表現がされます。
12ハウスの講座の後に、更に詳しいホロスコープリーディングの内容をお伝えする予定ですので、楽しみにしていてくださいね!
【星座別】第10ハウス(室)の特徴
12ハウスはアセンダント(ASC/AC)を起点に、「物質的な流れ」を起こしながら、星座という「精神的な流れ」を背景にしています。
第10ハウス(室)のテーマと学びは、「社会的な役割・責任を果たすこと」と「物質的な成功を収めること」です。
第10ハウス(室)は言うなれば、「天の意志」を引き継ぐ段階を表しています。
第10ハウス(室)は物質性の頂点ですから、天の意志から授かった能力や才能を活かし、仕事として表現することを促される、と捉えてください。
自分自身の欲求や野心の実現を、独り占めしたり、独り善がりになることで、栄枯盛衰のタイミングは早まるかもしれません。
第10ハウス(室)・MCを健全に読み解くためには、「自分の成功を通して、何を豊かにすることができるか?」という視点です。
その視点の在り方を表すのが、星座の精神性であり、表現方法といえます。
ハウスを「現場」という物質的な時間・空間とすると、星座は「素質」という精神的な要素といえるでしょう。
そこに天体が入ることで、物質性の舞台である現実で、物質・精神の両面での成長と変化が生まれます。
第10ハウス(室)・MCにおける星座は、人生の充実度はもちろんのこと、「人生を祝福する現象や環境」の象徴としても捉えることできるでしょう。
アセンダント(ASC/AC)が生まれついての欲求の表現であるなら、MCは成熟した欲求の実現です。
第10ハウス(室)に重なる星座によって、「自己実現」と「社会的責任」の果たし方とともに、「到達すべき(したい)成熟した精神性」の傾向や表現方法が変わります。
それぞれの星座とハウスの組み合わせを参考にして、あなたの「可能性」と「発展」の象徴を見出してくださいね!!
第10ハウス(室) × 牡羊座
第10ハウス(室)と牡羊座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは火星
- 牡羊座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「野心の実現」を重要視させる
- 前の星座(魚座)が第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である牡羊座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである牡羊座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、牡羊座の象意が強調される
牡羊座は星座の始まりの星座であり、「自我意識の目覚め」を表す星座です。
また牡羊座は、第1段階目の火星座であり、男性星座、活動宮の星座。
第10ハウス(室)に牡羊座が重なることで、「創造」と「競争」、「裁量」がキーワードになります。
牡羊座は「純粋さ」を象徴する星座であり、火星から闘争心や競争心を与えられるため、主体的に現実を創造することが、物質的な成功のための大きな鍵です。
第10ハウス(室)の牡羊座、また火星が、「自らの力を行使する」ことを意識させ、自分自身の能力と才能によって結果を出すことを生き甲斐とさせます。
火星は「活動力」や「熱意」のエネルギーを供給する天体ですから、明確な目的を果たすためなら努力を惜しみません。
第10ハウス(室)・MCが象徴する社会性は、まさに競争社会であるとともに、常に評価を受ける立場を表します。
そのため第10ハウス(室)の牡羊座は、他者の真似をすることを嫌い、自分自身の持てる限りの力を出し、上昇志向によって自己実現を果たすのです。
牡羊座と火星にとって、最も良い環境は、可能性を踏みにじられない環境。
自分のアイディアを具現化しやすい居場所を築くことがテーマであり、他者と社会に善い影響力を持つために重要な要素といえます。
第10ハウス(室)・山羊座・土星は、「制限の中で経験を積む」という学びをさせるため、第10ハウス(室)の牡羊座は、自立・独立・自営などの環境が向いているでしょう。
第10ハウス(室)の牡羊座の能力・才能が発揮されるためには、過干渉や束縛から解放されつつ、刺激的なライバルやお手本と関わりを持っている時です。
牡羊座・火星は、無意識に引っ張られてしまうと、勝気さや短気で失敗をしてしまう恐れがありますので、自制心を学び、謙虚さを持つことで、成功と達成感が約束されるはずです。
以下が、第10ハウス(室)が牡羊座の場合のキーワードです。
- 野心のために一直線になる
- 迷いを持たない
- 独立精神
- 自立心
- 自分のアイディア(創造性)を受け入れてもらいたいという強い願望
- 粗っぽい自己表現・自己アピール
- 勢い
- 邪魔者を排除する
- 純粋性
- 動いた後に考える
- 突発的な思い付き
- 行き当たりばったり
- とりあえずやってみたい
- 新しい風を起こす
- 風来坊
- 結果を出す、勝つことで達成感を得る
- 時間を惜しまない
- 好き嫌いが激しい
- 野性的な閃き
- 人の欲求を掴むのが上手
- 営業トークが上手
- 瞬発力
- 企画力
- 開発・デザイン
- 他者に自由に泳がせてもらいたいというわがままを持つ
- 自分を見守り、意見をする実力者のサポートによって大成する暗示
- トラブルで嫌気が差しやすい
- 頭部:目的意識が明確であれば、迷わず走り続けられる
- 認められるためには成果を出す、その当たり前が楽しい
第10ハウス(室) × 牡牛座
第10ハウス(室)と牡牛座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは金星
- 牡牛座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「安定と豊かさ」を実現することを促す
- 前の星座(牡羊座)が第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である牡牛座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである牡牛座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、牡牛座の象意が強調される
牡牛座の2番目の星座であり、「所有」と「執着」を知る星座です。
また牡牛座は、第1段階目の土星座であり、女性星座、不動(固着)宮の星座。
第10ハウス(室)に牡牛座が重なることで、「物質的な豊かさ」に対する執着が強まるだけでなく、堅実的な努力を惜しみません。
第10ハウス(室)・山羊座と牡牛座の関係性は、土のエレメントで親和性があり、継続力や評価、安定的な社会生活と私生活を強く意識させます。
第10ハウス(室)の牡牛座は、実力と継続性、そして信用によって豊かさが得られることをよく知っていますため、社会的な立場や地位を得ることにはあまり苦労はしません。
第10ハウス(室)の牡牛座、また金星が、「物質的な豊かさ」と「精神的な安らぎ」をセットに考えさせ、組織の中で大いに活躍し、自分のポジションを確立します。
第10ハウス(室)における金星は、感性を表現し、評価されることで喜びを感じますので、資格や技術を持つことで、専門職でも活躍することができるでしょう。
牡牛座は「経済」や「所有」、「不動産」を象徴する星座ですから、金融や不動産、証券などの、お金の流れに携わることにも向いています。
牡牛座が大切にする価値とは、日常生活に直結する物質的な豊かさですので、第10ハウス(室)の牡牛座は、日々の働きと暮らしの両面で充実感を得ることが大切です。
美容や料理、ファッションに関しても、並々ならぬ実力を発揮し、評価を得られるはずです。
第10ハウス(室)の牡牛座は、自分自身の「才」を活かすことが、社会における資産価値の増大に繋がることに気づくことで、ますます豊かさを築くことができるでしょう。
以下が、第10ハウス(室)が牡牛座の場合のキーワードです。
- 経済力
- 物質への純粋な執着
- 安定力・安定を求めるための努力
- 実利主義
- 現実主義
- 堅実
- 自分のペースを尊重されることを望む
- 自分の居場所・ポジションを確立する(ことが大切)
- 技能・資格によって発展する
- 美的センス
- 研究職・専門職
- 美容
- 料理
- 安定的な収入
- 資産価値への興味・投資
- 銀行・証券
- 不動産・金融
- 社会的な豊かさは成功の証
- 実力で登り詰める
- 土着
- 地域密着型
- 心身が満足するまで努力ができる
- 口:自分の豊かさを築くためには、泥臭い努力を積み重ねるのは当然である
- 日常を充実させることと、人生を豊かに生きることは両立させるべきである
第10ハウス(室) × 双子座
第10ハウス(室)と双子座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは水星
- 双子座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「可能性と選択肢」・「情報・言葉」を重要視させる
- 前の星座(牡牛座)が第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である双子座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである双子座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、双子座の象意が強調される
双子座の3番目の星座であり、「言葉」と「対話」を楽しむ星座です。
また双子座は、第1段階目の風星座であり、男性星座、柔軟宮の星座。
第10ハウス(室)に双子座が重なることで、「情報」と「言葉」を重要視し、様々な「やり取り」を上手にこなすことで、自分だけのポジションを築くことを促されるでしょう。
双子座は「コミュニケーション」や「移動」、「通信」などを司る星座ですから、対面での仕事はもちろんのこと、情報処理や情報収集、事務職にも向いています。
第10ハウス(室)の双子座、また水星にとって、「選択肢」を多く持つこと、「情報」を駆使すること、「対話力」を活かすことなどが重要です。
仕事がある場所には、必ず人間がいますし、集団や組織も個人の集まり。
第10ハウス(室)の双子座は、他者との交渉事に向いているだけでなく、現代が情報化社会であることで、情報を活用することで成功します。
3つの風星座は、風通しの良い環境を求めますので、変化が乏しく、コミュニケーションが無く、身動きが取りにくい場所には向きません。
第10ハウス(室)の双子座は、組織の中で優秀さをアピールすることもできますし、個人でも活躍することができます。
第10ハウス(室)の双子座にとって重要なことは、「刺激」や「臨機応変」、「適応能力」です。
第10ハウス(室)の双子座は、主体的に動くことだけでなく、他者に可能性と選択肢を与えられると、「やり甲斐」や「刺激」、「発展性」を見出すことができます。
ただ風星座は、移動を象徴する星座です。
第10ハウス(室)の双子座も例外ではなく、納得ができる環境に巡り会うまで、もしくは自身で築くまで、複数回の転職が暗示されます。
ですが社会では常に「情報」が求められますので、対話力とともに、好奇心と挑戦心を活かして、充実感が得られる仕事と居場所を求め続けることが大切です。
以下が、第10ハウス(室)が双子座の場合のキーワードです。
- コミュニケーション
- 対話力
- 交渉力
- 選択肢を与えること
- 可能性を模索すること
- 試行錯誤
- 社会の構造を知り、上手く世渡りをする
- 言葉を扱う職種
- マスコミ
- 広報
- 執筆
- 物販
- 通信業
- 臨機応援
- 順応・適応
- 刺激
- 変化
- 風通しのよさ
- 情報化・機械化
- 柔軟さ
- 報連相を大切にする
- 言葉によって可能性を見つける
- 変化に敏感
- 情報通
- コンサルティング
- 主体的にアピールする重要性
- 首・耳・喉:存在を知ってもらうこと、認めてもらうことが生きる原動力になる
- 人は言葉によって動くことからこそ、言葉によって成功できることを確信している
第10ハウス(室) × 蟹座
第10ハウス(室)と蟹座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは月
- 蟹座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「感情の繋がり」を重要視させる
- 前の星座(双子座)が第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である蟹座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである蟹座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、蟹座の象意が強調される
蟹座は4番目の星座であり、「感情の重要性」と「他者の心」を知る星座です。
また蟹座は、第1段階目の水星座であり、女性星座、活動宮の星座。
第10ハウス(室)に蟹座が重なることで、最も葛藤を得やすいものの、社会で求められるニーズに対して敏感に反応することができます。
第10ハウス(室)は山羊座と対応していますから、対向の蟹座が重なることは、相対する要素を明確に認識し、社会活動で活かす、ということです。
蟹座は「心の充足感」を象徴する星座ですので、社会活動においては、「帰属意識」や「人間関係」をより善くするために活動するでしょう。
第10ハウス(室)の蟹座、また月が、集団や組織が個人の集まりであることを意識させ、「絆」や「チームワーク」を保つ・回復する役割を買って出ることを促します。
また蟹座は「保護」や「育み」を大切にする星座ですから、人の成長を見守り、促す役割にも適正があるといえるでしょう。
月は心を表し、社会生活であろうと、人間心理の構造は変わらないことを、第10ハウス(室)の蟹座は知っているのです。
そのため第10ハウス(室)の蟹座は、人間関係に癒しを与える存在になると同時に、他者の心の疲労を癒す仕事に従事することも多いでしょう。
人間の悩みの約8割が人間関係ですから、蟹座が醸し出す寛容性や受容性は、仕事や社会生活でこそ求められます。
第10ハウス(室)は、自己実現や社会的な成功を表すハウス(室)ですが、だからこそ、心の平穏を持つために、「誰かに心の負担を託すことができる存在」が重要なのです。
蟹座と重なるハウス(室)は、母性的な存在感や母親的な役割が強調される傾向があります。
女性の社会進出や、LGBT-Q…などの社会問題は、蟹座的な優しさと温もり、懐の深さを求めるはずです。
太陽の獲得は、対外的な活動だけに限定されませんが、社会活動の充実度によって、物質的な豊かさとともに、精神的な成熟も比例します。
女性は家庭における太陽になることもできれば、社会で活動し、自身の太陽を発揮させることもできるのです。
対する男性は、心を鬼にして、プライベートを犠牲にせずとも、社会活動や自己実現で太陽の獲得をすることもできます。
第10ハウス(室)・MCは、私たちに物質的な在り方を問うとともに、自分自身の太陽の獲得を促す機会を与えてくれると考えると、やはり自分の能力・才能を発揮すべきなのです。
以下が、第10ハウス(室)が蟹座の場合のキーワードです。
- 感情の訴えを受け止める
- 度量
- 優しさを行動に表す
- 職場での癒しの存在
- 母性的・母親的な職業・振る舞い
- 保護
- 養育
- 絆
- 精神的な安らぎ
- 持ちつ持たれつ・支え合い
- 補完関係
- 帰属意識
- チームワーク
- 保育士
- 看護師
- 料理師
- インテリアに関わる業務
- 家庭的な環境を求める
- 信用によって信頼を得る
- 約束を大切にする
- 人に慕われることが評価に繋がる
- 胸:信頼こそが日々を丁寧に生きるために最も必要な他愛である
- 人と人を結びつけ、調和的な関係性を目撃することが何よりの喜びとなる
第10ハウス(室) × 獅子座
第10ハウス(室)と獅子座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは太陽
- 獅子座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「喜びの追求」を促す
- 前の星座(蟹座)が第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である獅子座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである獅子座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、獅子座の象意が強調される
獅子座は5番目の星座であり、「影響力」と「自己肯定」を司る星座です。
また獅子座は、第2段階目の火星座であり、男性星座、不動(固着)宮の星座。
第10ハウス(室)に獅子座が重なることで、社会生活で「人生の喜び」を見出すことを促すでしょう。
獅子座は「喜び」や「楽しみ」を大切にする星座であるとともに、太陽のエネルギーを後ろ盾に、自分の能力・才能を発揮することに努力を惜しみません。
第10ハウス(室)の獅子座、また太陽が、リーダーシップを発揮し、影響力を持つことに喜びを感じるよう促します。
火の星座は、「熱意」と「意志」によって動き、主体的に動くことによって、他者に影響を与えることが生き甲斐です。
そのため第10ハウス(室)の獅子座は、「自分が望むこと」を具現化することで、他者と社会に大きな貢献をします。
「楽しみ」や「喜び」は人によって異なりますが、獅子座の望みは一貫して、「自分の人生を楽しむこと」です。
エンターテイメントや芸能活動、レジャー関係の職種や、広報や通信といった、「感動体験」を伝える職種も適正といえます。
第10ハウス(室)・MCは、最も日の光を浴びる地点であるとともに、社会生活と私生活の双方で、主体的に動き、選択を持つことができる立場に立つことが重要といえるでしょう。
第10ハウス(室)の獅子座は、「人の期待に応えること」に喜びを感じますから、実力と評価を得ることに対して貪欲に、且つ、やり甲斐を持って社会活動を楽しみます。
社会生活は責任や義務、ルールを守るだけでなく、「価値の創造」が伴わなければ、ただの労働になりますので、「楽しみ」や「喜び」をベースにする視点は非常に大切なのです。
以下が、第10ハウス(室)が獅子座の場合のキーワードです。
- 社会活動の喜び
- 実績と信頼の構築
- 意志の行使
- 実現力
- リーダーシップ
- 人の期待に応えること
- 影響力を持つこと
- 注目を浴びることの喜び
- エンターテイメント
- 感動体験
- 感動と喜びの機会の提供
- アミューズメント
- 自己アピール
- 牽引
- 自己表現と自己実現の両立
- 華やかな社会生活と私生活
- 自己顕示欲を満たし、社会貢献を果たす
- バイタリティー
- 独立精神
- 起業
- 根拠の無い自信と実績による自信
- 目・背中:自分の喜びが誰かの喜びになることを何よりの成功体験
- 主体性によって、人生の喜びの度合いが大きく変わることを認めて成功する
第10ハウス(室) × 乙女座
第10ハウス(室)と乙女座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは水星
- 乙女座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「秩序を保つこと」を重要視させる
- 前の星座(獅子座)が、第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である乙女座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである乙女座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、乙女座の象意が強調される
乙女座は6番目の星座であり、「堅実性」と「繊細さ」の星座です。
また乙女座は、第2段階目の土星座であり、女性星座、柔軟宮の星座。
第10ハウス(室)に乙女座が重なることで、「義務」と「責任」、そして「成果」を守ることを促されるでしょう。
乙女座も土星座で、過程(プロセス)を最も大切にし、環境の整備や経過観察、危機管理能をきっちりとこなします。
第10ハウス(室)の乙女座、また水星が、秩序と安定性を重視させ、組織内でよく働き、秘書や管理業務など、堅実性と実直さで高く評価されるでしょう。
また乙女座は「献身さ」や「配慮」を重んじるため、「自分の成果」が会社や社会、他者のためになっていることが重要です。
そのため与えられた役割をこなすことはもちろん、求められる以上の仕事をしようと、自分に高いハードルを課す傾向があります。
牡牛座と動揺に、資格や技能を身につけ、専門職で活躍し、他者と協調関係を築くことによって、社会的地位やポジションを確立するでしょう。
「求められることには必ず応えたい」という、純粋でひたむきな思いが、第10ハウス(室)の乙女座の社会生活を営むための原動力です。
土星座は成果を意識しますので、実績や成果が目に見えて分かり、役割を与えられる環境にて、能力・才能を発揮します。
第10ハウス(室)の乙女座は、社会に秩序をもたらす役割を見出すことで、自己実現と他者・社会貢献が成就する、といえるでしょう。
以下が、第10ハウス(室)が乙女座の場合のキーワードです。
- 堅実さ
- 実直さ
- 成果主義
- 現実主義
- 危機管理能力
- 責任感
- 査定
- 分析能力
- デスクワーク
- 安定と秩序
- 責任・責務
- ルール
- 公務員・総合職
- 医療・病院
- 管理業務
- 警備業務
- 秘書
- 献身
- 成果報酬を求める
- オーバーワーク
- 慢性疲労
- 自律
- 神経質
- 環境整備
- 腹部・胃腸:人の期待に応えることは、支えることであり、献身である
- 求められる喜びを、継続することによって更なる喜びに繋げるべきである
第10ハウス(室) × 天秤座
第10ハウス(室)と天秤座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは金星
- 天秤座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「調和をもたらすこと」を重要視させる
- 前の星座(乙女座)が、第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である天秤座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである天秤座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、天秤座の象意が強調される
天秤座の7番目の星座であり、「客観性」と「バランス」を体験する星座です。
また天秤座は、第2段階目の風星座であり、男性星座、活動宮の星座。
第10ハウス(室)に天秤座が重なることで、「普遍的な喜び」や「社会的な評価」に関して敏感になります。
天秤座は自らの感性を表現し、普遍的に受け入れられ、認められることで、自分自身の存在意義や立ち位置、ポジションを獲得し、達成感を得られるでしょう。
天秤とは、正義や調和の他、客観性や普遍性、大衆性を表します。
「誰もが認めるもの」に価値を置く天秤座は、自分自身の社会活動の成果を、他者の判断に委ね、結果を甘んじて受け入れるのです。
この在り方は決して「無責任」ではなく、主体的に客観性を取り込み、「代弁者」や「橋渡し」の役割を果たそうとする、天秤座的な在り方。
「流行」は時代の流れであり、手段が持つ無意識の投影でもあります。
天秤座は、そのような「流れ」を汲み取ることを得意とし、価値と評価が合致することに、時間とお金、労力とエネルギーを注ぐのです。
第10ハウス(室)の天秤座、また金星が、「誰もが楽しめるもの」を見出すことを促し、自分自身も他者と喜びを分かち合おうとするでしょう。
金星が象徴する愛や喜びは、流れが循環するような調和的な「分かち合い」です。
そのため第10ハウス(室)の天秤座は、自己客観を意識し、他者から「見られる意識」によって、社会的な豊かさと価値を築きます。
金星は他者との関わりに喜びを感じさせますので、第10ハウス(室)の天秤座の活躍の場は、常に他者との繋がりや集団の中にあるといえるでしょう。
以下が、第10ハウス(室)が天秤座の場合のキーワードです。
- バランス
- 客観性
- 美意識
- 普遍性
- 大衆性
- 時代性
- 流行
- 人気・評価を得ること
- 印象を大事にする
- 調和を重んじる
- 他者に見られる意識
- センス
- ファッション
- 芸術
- 教養
- 華道・茶道
- 美容
- 接客業
- コミュニケーションが発展の鍵
- 愛情表現
- フィードバックを期待する
- 相手を引き立てる・立てること
- マナー
- 上品さ
- 器用さ
- 腰・ウェスト:時代は流動的であるからこそ、常に自分を磨くことを忘れない
- 評価されることは求められることであり、見られることは成長することである
第10ハウス(室) × 蠍座
第10ハウス(室)と蠍座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは冥王星
- 蠍座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「信念を貫くこと」を促す
- 前の星座(天秤座)が、第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である蠍座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである蠍座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、蠍座の象意が強調される
蠍座は8番目の星座であり、「秘密」と「変容」を重要視する星座です。
また蠍座は、第2段階目の水星座であり、女性星座、不動(固着)宮の星座。
第10ハウス(室)に蠍座が重なることで、「没入感」や「集中力」、「極めること」がキーワードになります。
蠍座は神出鬼没な性質を持つ星座で、内省的・創造的な活動をする間は表に顔を出さず、外交的な時は、精力的に動き回る極端な星座です。
蠍座は、真理と心理に携わる職種や環境に限らず、人からのニーズが生まれるところで、能力と才能を発揮します。
第10ハウス(室)の蠍座、また冥王星が、「根源的な欲求」に応えることを促し、「密度の高い体験」や「変容を促す体験」を提供することで、評価と名声を得るでしょう。
水星座である蠍座は、第10ハウス(室)・山羊座の「固定」や「定着」といった性質と親和性があります。
なぜなら水と土のエレメントは補完関係だからです。
蠍座は、他者の感情の解放や昇華を促し、自らも多くの体験を通して、苦難や苦手意識、逆境を耐え忍びます。
蠍座は、オンとオフの切り替えが得意な方ではないため、確実に集中できる環境が必要です。
第10ハウス(室)の蠍座にとって重要なことは、他者のニーズや成果のために「徹底的にやり遂げること」であり、言い換えるなら、自分を追い込むことかもしれません。
中途半端を嫌う蠍座ですから、仕事内容や姿勢は高く評価され、何より深い洞察力と直観力によって導き出される言葉や助言は、他者にとって大きな発見となることが多いはずです。
そのため第10ハウス(室)・MCが蠍座と重なることで、社会生活や社会的な活動は、研究的・探究的で、一挙に集中して取り組む分野で成功するといえるでしょう。
感情は誰もが持つ「不可解さ」と「不安定さ」の象徴であり、私たちは変化・変容から逃れることはできません。
そういった「厄介な自分」と向き合う際に、蠍座は優しく、そして逞しく、他者を導くことに喜びと充実感を覚え、結果的に豊かさがついてくるでしょう。
以下が、第10ハウス(室)が蠍座の場合のキーワードです。
- 秘密
- 胸の内に秘められた欲求
- 抑圧された願望
- 執着を認め、追究する強さ
- 忍耐力
- 真理
- 直観
- 内省
- 洞察
- 集中
- 極端さ
- ギャップ
- 本質
- 極めること
- 貫くこと
- ブレない信念
- 変容
- 犠牲を厭(いと)わない
- 時間をかけること
- 葛藤を乗り越えること
- カウンセリング
- 鑑定
- 占い
- 研究職
- 感情の昇華
- 生殖器:誰もが持つ根源的な欲求を引きずり出し、認めることに力を発揮する
- 感情を認めることは痛みを伴うが、必ず生まれ変わることができると確信する
第10ハウス(室) × 射手座
第10ハウス(室)と射手座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは木星
- 射手座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「発展と挑戦の追究と実現」を促す
- 前の星座(蠍座)が、第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である射手座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである射手座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、射手座の象意が強調される
射手座は9番目の星座であり、「挑戦」と「探究」の星座です。
また射手座は、第3段階目の火星座であり、男性星座、柔軟宮の星座。
第10ウス(室)に射手座が重なることで、「社会的な活躍」に並々ならぬ関心を持ち、あらゆることに挑戦する意識が強まるでしょう。
火星座である射手座は、できる限り多くの未知に触れ、自身を成長させることに強い関心を持ちます。
その関心は幼い頃から発揮され、常に躍動的で、躍進的な生き方が促されてきたはずです。
第10ハウス(室)の射手座、また木星が、「可能性」を見出すことを促します。
自分の行動範囲や許容範囲を超えることは恐怖などではなく、むしろ、可能性しか感じない、というのが第10ハウス(室)の射手座の意識。
また木星は社会天体で、「永続的な発展」を象徴する天体ですから、「人生そのものが冒険」であり、自分の意志次第で社会的な成功を得られることに、何よりの生き甲斐を感じます。
射手座は「文武両道」の星座で、考えることも動くことも得意ですから、肉体的な仕事も、頭脳を使う仕事も得意で、両立することもできるでしょう。
そして射手座・木星は、海外や異文化などを象徴しますから、常にコンフォートゾーンを広げ、新しい価値観と刺激、情報を取り入れるポジションに向いています。
自分の好奇心と喜びの追究が、直接的・間接的に他者を感化することを知ることで、第10ハウス(室)の射手座は、ますます挑戦的な人生を送るでしょう。
社会的な成功は、この「自己と他者の喜びの一致」の体験によって、幸福度が高められる、といっても過言ではありません。
第10ハウス(室)の射手座は、目に映るものだけでなく、この世を成り立たせる真理や原理などにも意識を注ぎますから、精神世界を扱う仕事にも向いているといえます。
ただ射手座は大風呂敷を広げ過ぎて、収拾がつかなくなるところが注意です。
そのため単独で自由に動く時と、他者と協力する時を両立できる環境によって、安定と発展の両方が約束されるでしょう。
以下が、第10ハウス(室)が射手座の場合のキーワードです。
- 挑戦
- 冒険
- 楽観性
- 希望的観測
- 発展・成長・進化
- 際限なく広がる夢
- 野心と行動
- 身体と心の活性
- 可能性
- 発見
- 知識欲
- 知恵を探し当てる
- 教育・教職
- 導きを得ること、導く立場になること
- スポーツ
- 海外勤務・海外出張
- 海外生活
- 輸入
- 翻訳・通訳
- 自由な環境
- 熱意を伝えられる人を傍に置く
- 広い視野
- 他者の向上心を育てること
- 経験の数は幸福の数
- 大腿部:実地の体験に勝る感動と挑戦は存在しない
- 何事も蓋を開けて見なければ分からない
第10ハウス(室) × 山羊座
第10ハウス(室)にとって、山羊座はナチュラルサイン。
第10ハウス(室)と山羊座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- 第10ハウス(室)と山羊座は、物質・精神両面で同一の方向性と室を持つ
- カスプルーラーは土星
- 山羊的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「野心の実現と繁栄」を促す
- 前の星座(射手座)が、第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である山羊座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである山羊座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、山羊座の象意が強調される
山羊座の10番目の星座であり、物質性の極みを体験し、実利の循環を司る星座です。
また山羊座は第3段階目の土星座であり、女性星座、活動宮の星座。
第10ハウス(室)に山羊座が重なることで、最も現実主義、且つ、成果主義の意識が強まります。
山羊座は第10のナチュラルサインであるため、「日の目を浴びること」が「社会的な地位を確立すること」となるのです。
山羊座は土星座の最終段階であり、物質的な豊かさの繁栄と循環に多大なるエネルギーを注ぎます。
山羊座は「社会的な私」の側面が著しく強まり、野心と確固たる意志を実現するため、様々な計画を練り、長期間の下積みの経験を耐え忍ぶでしょう。
第10ハウス(室)の山羊座、また土星が、「社会的な責任」を果たすことの重要性を認識させ、自分自身だけでなく、他者を教育する際には、厳しさを発揮させます。
山羊座・土星の哲学は、人生を生きるこということは、現実から逃げないことであり、自分の役割を全うすること、です。
それは時に、感情を押し殺すことであったり、自分の利益を見送ること、裏切りや自己犠牲さえも受け入れることに発展します。
第10ハウス(室)の山羊座にとって、世界を生きる真の喜びは、長きに渡る苦難が報われ、自分自身の人生を肯定することにある、いえるでしょう。
ただ山羊座・土星は、「支配力」や「権力」を持ち、個人よりも集団を優先せざるを得ないため、日々の自身の心の豊かさを軽視する傾向があります。
物質的な豊かさを追究し、永続的な繁栄を望んだ末に、健康は害され、精神はボロボロといった状態にならないよう、自己管理と自己受容を怠らないことが非常に大切です。
とはいえ、第10ハウス(室)の山羊座は、最も現実的、且つ、豊かさの実現の力と才が与えられています。
それは日々の積み重ねを怠らず、成長と繁栄の過程(プロセス)に喜びを見出させる、山羊座・土星からのギフトなのかもしれません。
以下が、第10ハウス(室)が山羊座の場合のキーワードです。
- 成果主義
- 現実主義
- 社会に対する責務
- 責任感
- 圧倒的な忍耐力
- 計画性
- 出世欲
- 野心
- 物質的な成功への強い執着
- 支配欲
- 権力
- 権威
- 地位にこだわる
- 報われるまで諦めない
- 裏切り・不正を許さない
- 父性の発揮
- 厳しさが愛情表現
- 継続性
- 積み重ね
- 無駄を嫌う
- 会社経営
- 起業
- 有力者とのコネクション
- 公務員
- 農業
- 経理
- 自営業
- 経営者
- 実業家
- 厳しい労働環境
- 忍耐の末の忍耐
- 骨・膝:苦境に立たされることさえも自己実現を成り立たせる要素である
- 自分の成果は社会に還元され、次の世代の糧となることを信じて疑わない
第10ハウス(室) × 水瓶座
第10ハウス(室)と水瓶座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは天王星
- 水瓶座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「個性の発揮と理想の追求」を促す
- 前の星座(山羊座)が、第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である水瓶座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである水瓶座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、水瓶座の象意が強調される
水瓶座の11番目の星座であり、「疑い」と「理想」を活動力とする星座です。
また水瓶座は、第3段階目の風星座であり、男性星座、不動(固着)宮の星座。
第10ハウス(室)に水瓶座が重なることで、「独創性の発揮」により、新たな可能性を模索し、社会に対して新しい価値観を送り出す意識が強まります。
第10ハウス(室)と水瓶座の組み合わせは、相反するものではありますが、第10ハウス(室)がテーマですから、水瓶座的な自由な発想が発揮される、と解釈してください。
自由と個性の尊重を望む水瓶座は、これまでの発展を肯定しつつ、従属的な意識や社会の在り方に疑問を持ちます。
実際に目に見える活動に対して、信念や価値観を改め、新しい価値観と可能性を模索し、体現するのが第10ハウス(室)の水瓶座なのです。
第10ハウス(室)の水瓶座、また天王星が、「自由な発想」や「常識からの脱却」を促しますので、「先見の明」と「個性の発揮」を重要視することになるでしょう。
人類の歴史は、まだ水瓶座が持つ精神性に手をかけようとしている段階で、どうしても他者からの影響に敏感になり、保守的になる傾向が強いといえます。
ですが物質世界では、物事の変化と価値観の刷新には時間がかかるだけでなく、時代や集団的無意識の変容は、個人個人の気づきと意識進化によって達成されるものです。
だからこそ第10ハウス(室)の水瓶座は、自分の足元から理想と自由を確保し、長い歴史を持つ「固定化(支配下)されたシステム」に少しずつ切り込んでいきます。
第10ハウス(室)の水瓶座は、考え方や働き方はもちろん、柔軟な立場と精神性が発揮できる場所で活躍することができるでしょう。
ただ水瓶座の自己表現・自己実現は大衆的・従来的ではないため、すぐに評価されなかったり、相手にされなかったりします。
そのため試行錯誤が必要となりますが、個人プレーを貫くのではなく、時折志を供にできる同志とのチームプレーが、野心と理想の成就を達成させるはずです。
以下が、第10ハウス(室)が水瓶座の場合のキーワードです。
- 枠から外れようとする意志
- 固定概念・既成観念を疑う
- 主体性と独創性の発揮
- 個性の尊重
- 他者を支配せず、他者からの支配を許さない
- 発明
- 革命
- 変革
- 突然の変化
- 多面的な解釈
- 先見の明
- 柔軟性と頑固さのギャップ
- 斬新な発想
- 奇抜なアイディア
- 試行錯誤
- 実験と軌道修正
- 管理業務
- インターネット
- 通信業
- ベンチャー企業
- IT起業
- NPO法人
- 社会貢献と個人の社会的満足感の追求
- 潜在的な問題の炙り出し
- インパクト
- 奇をてらわないことがかえって目立つ
- 個性の発揮という天才性
- 独自の視点
- 短気
- 塗り替える
- 更新・アップデート
- テクノロジー・技術革新を取り入れる
- 踝(くるぶし):現実を理性的に受け止めるからこそ、現実を否定する勇気が重要
- 社会と個人が直結している事実を認め、自分の個性を認めて発揮することが重要
第10ハウス(室) × 魚座
第10ハウス(室)と魚座の組み合わせから分かることは、以下の通りです。
- カスプルーラーは海王星
- 魚座的な価値観と行動原理、精神性が反映され、第10ハウス(室)は「他者が必要とする安らぎの提供」を重要視させる
- 前の星座(水瓶座)が、第10ハウス(室)のハウスカスプである場合、インターセプトの星座(狭在星座)である魚座の象意は軽減される
- 第10ハウス(室)のハウスカスプである魚座が広域星座で、次の第11ハウス(室)にまたがっている場合、魚座の象意が強調される
魚座の12番目(最後)の星座であり、「境界線の無い世界」や「真理の世界」に最も近い星座です。
また魚座は、第3段階目の水星座であり、女性星座、柔軟宮の星座。
第10ハウス(室)に魚座が重なることで、物質的な豊かさと精神的な安らぎが対立すると同時に、爆発的な他者・社会貢献の可能性が秘められています。
魚座は最も物質性から離れている星座ですが、物質的な成功や豊かさは、必ず感情的な満足や充足感に辿り着くもの。
魚座は共感性や受容性、感受性を発揮することで、他者の心に癒しを与えることができる力を与えられています。
第10ハウス(室)の魚座、また海王星が、「人を生かすこと」に対する欲求を強めるでしょう。
その欲求は、私たちが他者に求めても仕方が無い、というような、虚しさや孤独、消えない心の痛みを和らげる「癒し」となります。
水星座は感情や心にある痛みに敏感で、魚座は最も精力的に癒しの行為に適正があるといえるでしょう。
そのため「自己犠牲」や「献身的な行い」によって、他者に貢献することを望みます。
ですが支配星である海王星は、妄想的・盲目的な意識を誘発するため、「救済を与える喜び」に快感を覚え、現実性を失う時、他者からの信頼も失う恐れがあります。
私たちの最大の学びは、現実性をもって精神性を高めることで、それはつまり、現実を妄想ではなく意志によって生きること、です。
第10ハウス(室)の魚座は、他者の協力と支えを得て、癒しの力を発揮できる環境を持つことで、長期的な活躍と物質的な豊かさが約束されるでしょう。
以下が、第10ハウス(室)が魚座の場合のキーワードです。
- 精神性を高める
- 無償の献身
- 無条件に相手を受け入れること
- ボランティア精神
- 経済感覚に疎い
- 損得勘定を持たない
- 野心よりも真心を重要視する
- 感謝される時に努力が報われる
- 社会福祉
- ボランティア活動
- カウンセラー
- ヒーラー
- 占い師
- 芸術家
- 直感
- 変性意識
- 酔い・アルコール
- 痛みを忘れること・忘れさせること
- 妄想・幻想
- 逃避的な行為・環境
- 奉仕
- 献身
- 自己犠牲と自己欺瞞
- 他者の心の解放
- 自分自身を受け皿にする
- 心を磨くこと
- 足先:目に見えないからこそ丁寧に扱い、心に寄り添うことが重要である
- 心に癒しと安らぎを見出すことが、物質的な豊かさを味わうために必要である
第10ハウスのテーマ性の強弱
第10ハウス(室)のテーマ性がどれくらい強調されているか、については、以下の要素を参考にしてください。
第10ハウス(室)の支配星が位置する場所が、ホロスコープのどの半球にあり、その天体がどのような意識を発揮するのか、ということが重要になります。
- 南半球:第7~12ハウス(室):社会的な自己実現・公の意識
- 北半球:第1~6ハウス(室):個人的な自己表現・個人(私)の意識
- 東半球:第10~3ハウス(室):自分の行動に選択権・決定権を持つ・内的な意識
- 西半球:第4~9ハウス(室):他者との繋がり・他者に評価される意識
各ハウスの支配星は、チャートルーラーや上昇星と比べて影響力は高くはありませんが、それぞれのハウスに置ける影響力は大きいと判断されます。
① ハウスの支配星の天体の状況
第10ハウス(室)の星座の支配星は、ハウスに直接的な影響を与えます。
ホロスコープ全体に、ハウス(室)の星座の支配星がどのテーマ(ハウス)で、どういった環境や条件(星座)で影響を与えるか、ということを意識してください。
② ハウスの支配星の位置する場所
もし第10ハウス(室)の星座の支配星が、第10ハウス(室)に位置していれば、それだけ第10ハウス(室)のテーマが強調されるでしょう。
そうでない場合は、そのハウスのテーマ性が、その星座の特徴が強調されることになります。
③ ハウスのナチュラルサインとの関係性
ハウスにはそれぞれ12つのナチュラルサインがあります。
先ほど「バケツリレー」という表現でお伝えしたように、間接的な力の流れを見るために、ハウスとナチュラルサインを見比べてみましょう。
ハウス自体が強調されていなくても、そのハウスのナチュラルサインが位置するハウスと、その星座に位置する10天体や感受点から、影響力を見出すことができます。
【感受点別】第10ハウス(室)の影響力
ハウスに入る天体は、影響の差はありますが、確実にそのハウスのテーマを強調する存在です。
今回は10天体と3つの感受点に限定して、第10ハウス(室)との関係性を解説させていただきます。
第10ハウス(室)はアングルのハウスですから、主体性の発揮が、社会的な成功と自己実現、他者からの評価を得るためには重要です。
第10ハウス(室)では、「世に出す成果」と「評価されること」がセットですから、主体性の追求とともに、他者・社会からのフィードバックを受け入れる必要があります。
第10ハウス(室)に入る天体・感受点は、「能力の発揮」と「野心(願望)の実現」に関して、強い影響力を与えるでしょう。
特にMCに最も近い天体は、「カルミネートの天体」で、社会活動に関して最も強い影響力と傾向が表されます。
4つのアングルのハウスは点星点と重なっていますから、それだけ主体性と客体性の発揮が重視されるのです。
第10ハウス(室)・MCは、主体性が鍛えられ、客観性が磨かれている地点ですから、あなたの創造性がどのように発揮されるかを見出してください。
それでは、第10ハウス(室)に入る天体・感受点が持つ影響力を見ていきましょう!
*10天体の順序は、年齢領域の順番で解説しています。
第10ハウス(室) × 月
第10ハウス(室)の月は、「大衆から受け入れられること」を重要視します。
月は、心や感情の移り変わりの他、「大衆性」を象徴する天体です。
月にとって第10ハウス(室)は、内面性の向こう岸、つまり、物質性の投影の場。
ですから第10ハウス(室)の月は、社会活動の評価や成果が内面の充実に直結します。
第10ハウス(室)の月は、社会に出て、他者の評価に晒されることに対して、恐怖と期待のどちらの感情も抱きますが、無意識の力は絶大です。
どういうことかといいますと、第10ハウス(室)に月が位置することは、太陽が最も昇る位置に君臨することですから、大衆から愛されることを望む、ということになります。
太陽と月は「ライツ」と呼ばれ、二元性の象徴の天体です。
月の役割は、太陽の獲得に至るまでの「保護」と、心の安らぎを与えること、そして心を通して潜在意識と繋げることにあります。
本来なら月(心)は、社会生活において日陰の存在になるものですが、第10ハウス(室)・MCに近いことで、個人的な願望が前面に出るのです。
また月は「母」を表す天体でもありますから、父性を象徴する第10ハウス(室)では、母や母方の家系の影響を強く受けて、職業・職種を選ぶ暗示もあります。
繰り返しになりますが、月は心を表すため、「移り変わり」という面では、ライフワークに辿り着くまで複数回の転職を経験するかもしれません。
人の心を感化する仕事やサービスを通じて、親しみや信頼を得ることで、人気者になることを夢見る、それが第10ハウス(室)の月といえるでしょう。
具体的には、保育や調理関係、サービス業や接客業、心理学やカウンセリングといった職種が適正があります。
第10ハウス(室)の月にとって重要なことは、「他者の心の充足感を満たすこと」です。
「目には目を、歯には歯を」の逆パターンではないですが、「自分にしてもらいたいこと」を他者に提供することで、第10ハウス(室)の月の成功と豊かさは約束されます。
なぜなら第10ハウス(室)の月が持つ、「愛されること」や「受け入れられること」は、誰もが持つ根源的な欲求だからです。
自分自身を慈しむように、他者に優しさを与えること、それこそが自己実現の要であり、他者貢献の大事な鍵といえるでしょう。
第10ハウス(室) × 水星
第10ハウス(室)の水星は、「変化と発展」を重要視します。
水星は知性の星であり、言葉や情報、対話やコミュニケーション、分析や情報処理、言語化や執筆などの能力を与える天体です。
また水星は「移動」や「通信」を司る天体ですから、第10ハウス(室)の水星の社会生活は変化に富んだものになるでしょう。
それは近距離・中距離の単身赴任や出張、人脈の伝手での転職、人生のステージアップにおける転職などに表れます。
水星は理想のために自由を求めるというよりは、自分自身で意志決定をするための自由を求めさせますので、必ずしも破天荒な生き方をするわけではありません。
お手本となる人が身近に居れば、その方から多くを学ぼうとするでしょうし、複数のメンターを持ち、依存先を1つに絞らないこともあるでしょう。
水星と風のエレメントが強い場合は、複数の収入源を確保し、忙しく社会生活を送る人もいるはずです。
言葉や情報を扱う仕事なら、デスクワークであろうと、個人事業主・経営者であろうと、成功と発展が望まれるのが第10ハウス(室)の水星。
第10ハウス(室)の水星は、人が居るところに運とチャンス、そして発展と可能性があることを確信し、常に情報を集め、時代の流れに乗ることを意識するはずです。
先ほど「移動」や「転職」の暗示がある、とお伝えしましたが、長期的に見ると同時に、MCの象意から、流れに任せることも最善の選択であることも多いといえるでしょう。
第10ハウス(室)の水星にとって重要なことは、「変化と縁に敏感であること」です。
水星は理性を発揮する最大の理由は、「好奇心を満たすこと」ですから、好奇心が野心や自己実現の要となることも多いはず。
好奇心を満たすことは、年齢を重ねても純粋さを保っているということでもありますので、自己探求を続けながら、社会生活を楽しむことが最も大切な生き方ではないでしょうか?
第10ハウス(室) × 金星
第10ハウス(室)の金星は、「感性を活かすこと」を重要視します。
金星は「喜び」や「楽しみ」を象徴する天体ですから、仕事や社会生活においても、積極的に楽しむ時間を強く求めるでしょう。
そのため第10ハウス(室)の金星は、自分自身が好きなことを追求し、自分の感性を表現し、評価されることを望みます。
「ベネフィック(吉星)」である金星は、人との縁をもたらし、人からの助言や助け舟、後ろ盾によって社会的なチャンスを掴むことも少なくありません。
また金星は女性性の象徴の星でもありますので、女性受けする商売やサービス、芸術や美容、健康といった職種に適正があります。
桑手、第10ハウス(室)の金星は、女性からの支援や支持を受けやすい暗示がありますので、女性に対してオープンで、寛容であることが大切です。
第10ハウス(室)・MCが表す「社会性の頂点」は、どのような職種や表現であろうと制限はしません。
むしろ、個人が持つ才を十二分に発揮することを求めます。
この西洋占星術では、「自分自身を認めること」をテーマにしていますが、言葉を変えるなら、「自分を活かすこと」にもなりますね。
自己実現が「自分を活かすこと」であるなら、他者貢献は「他者を活かすこと」です。
第10ハウス(室)の金星は、「華やかさ」と「評価を得ること」を大切にします。
そのためファッション業界や芸能、エンターテイメント、芸術に携わることで、個性と感性を活かすことができるでしょう。
第10ハウス(室)の金星にとって重要なことは、「自分自身をオープンに見えること」です。
金星が支配する牡牛座は「豊かさ」や「富」を象徴し、一方天秤座は「美意識」や「客観性」を象徴します。
金星が持つ豊かさと美意識は、大衆を惹きつける魅力を持ち、喜びを分かち合う意識を育てますので、自分自身をオープンに見えることが社会的成功の鍵となるのです。
第10ハウス(室) × 太陽
第10ハウス(室)の太陽は、「社会的地位を築くこと」を重要視します。
太陽は「主体性」の星であるとともに、「自己実現」の星でもありますので、第10ハウス(室)・MCに近い太陽は、出生欲や野心を必ず実現させるでしょう。
また第10ハウス(室)が「父性」を表すように、太陽も「父」を象徴しますので、第10ハウス(室)の太陽は、精力的に社会的な成功を収めるために努力をします。
太陽が位置するハウス(室)は、最も活性化されるとともに、人生の学びとなるだけに、第10ハウス(室)の太陽は、社会的成功を何よりも優先するでしょう。
太陽が天頂(MC)に近いということは、それだけ影になる部分も大きいということ。
そのため第10ハウス(室)の太陽は、私生活をおざなりになったり、家庭よりも仕事を優先する暗示があります。
人生において、私たちは「太陽の獲得」を目指していますから、土星の影響力が最も大きい第10ハウス(室)では、主体性の発揮と責任感を果たすことが必要不可欠です。
第10ハウス(室)の太陽の場合、社会的成功は、太陽期(26~35歳)での努力によって、結果が大きく変わります。
太陽は「自己主張」や「自己実現」、「自己肯定」を促しますが、それだけに自分本位の生き方やわがままを追求してしまうと、信用や発展を得られなくなるでしょう。
これこそが、天頂(MC)に近い太陽が気をつけるべき意識であり、「他者を照らすため」に必要な意識です。
太陽が第10ハウス(室)に位置することで、出世運や対人運、仕事運は良く、自らの意志を貫き、行動を起こし続けることで、成功に近づいていくでしょう。
世間一般で太陽星座が重要視されるように、第10ハウス(室)に重なる星座によって、太陽の社会的成功の傾向が決まりますので、再度太陽星座をチェックしてください。
第10ハウス(室)の月のように、第10ハウス(室)の太陽は、父親と父方の家系の影響を受ける暗示があり、加えて、男性からのサポートの暗示もあります。
第10ハウス(室)の太陽にとって重要なことは、「他者や世の中(社会)に必要とされている自信を持つこと」です。
太陽は最も生命力を持ち、人を動かす影響力を持つ天体ですから、ホロスコープの天頂に位置しているだけでも、そのバイタリティーの凄さが分かります。
太陽は自尊心や自信だけでなく、「肯定する力」を与えますので、あなた自身が「認められる存在」になることを意識し、またその意識によって他者を照らすことが大切です。
第10ハウス(室) × 火星
第10ハウス(室)の火星は、「自分の限界に挑戦すること」を重要視します。
火星は「目的を必ず果たす」星であり、野心に加えて闘争心や競争心の強さが、社会生活を営む原動力です。
また火星は「行動力」を象徴する天体ですから、自分を活かし、アピールすることに一切の迷いを持ちません。
その結果、一心不乱に仕事に打ち込んだり、自分を売り込むことで、大きな成功を収める暗示があります。
ただ第10ハウス(室)は、同じ「マラフィック(凶星)」である土星の支配下にある場所です。
そのため火星の本能が暴走すると、敵を増やしたり、社会的な損失を生みやすいともいえます。
第10ハウス(室)の火星は、「実力主義」であることから、手段を選ばず、人を押しのけることに罪悪感を抱きません。
そのためある程度の自由が利く職場に身を置いたり、自営業・経営者として成功を収めることが望ましいといえるでしょう。
また火星は牡羊座を支配することから、「瞬発性」や「創造性」のエネルギーを持ち、企画力や営業に向いています。
社会ではあらゆる競争がありますから、どこに出向いても、営業力と負けん気で能力と才能を発揮することができるのが、第10ハウス(室)の火星です。
繰り返しになりますが、火星が位置するハウスは、対人関係でのトラブルが暗示されます。
火星の本能は、客観性や社会的ルールで縛り付けられるものではありませんから、自ら環境を整え、他者と丁度良い距離を保つことが大切といえるでしょう。
第10ハウス(室)の火星にとって重要なことは、「自分の望みとマッチするニーズを探すこと」です。
第10ハウス(室)の火星は、シンプルに表現するなら「猪突猛進」で、社会的な地位や成功を果たしても、それを喜んでくれる人がいない、となると虚しさに襲われてしまいます。
自分の成功が結果的に「他者のため」にもなればいいので、それよりも、一緒に成功を喜んでくれる人を大切にすることが大切です。
そのためには、「協調性も社会的な成功の要素の1つである」という意識を持つことが、健全で、最も困難でありながら、第10ハウス(室)の火星を救ってくれるでしょう。
なぜなら第10ハウス(室)・MCは、人生の頂点・ピークを表すとともに、それ以後、身体の衰えが出始めた時に、他者との繋がりが非常に大事になるからです。
第10ハウス(室) × 木星
第10ハウス(室)の木星は、「発展と挑戦」を重要視します。
木星は社会天体で、物事を発展させるとともに、人々の意識を拡大・拡張する働きを持つ天体です。
その働きは、善悪の区別が無いため、無意識や他者に流されてしまうと、後々後悔を覚えるだけでなく、大きな損失になることもあります。
第10ハウス(室)の木星は、太陽と動揺に、出世運や仕事運、対人運、社会活動における縁に恵まれ、何をしても、どこにいってもそれなりの成功が約束されているでしょう。
ただ太陽と違い、木星は主体性を緩め、過剰な楽観主義に陥ることで、自身の目的を見誤る恐れがあることは念押しさせていただきたいところです。
第10ハウス(室)の木星は、社会的な成功に導かれるようにして、「自力」と「他力」を織り交ぜるような意識を持つかもしれません。
「運が良いこと」は、必ずしも努力で得られるものではなく、まさに「星回り」に依存します。
ですから恩恵は有り難く受け入れることで、より能力と才能、個性を発揮することができるでしょう。
第10ハウス(室)の木星は、教育関係や公務員、政治家などに適正がありますが、明確な目的があれば、どのような職種でも成功と繁栄が約束されているといえます。
木星にとって第10ハウス(室)は、本来的には土星の支配下にあるため、運任せや行き当たりばったりで、人生を送らないことが大切です。
第10ハウス(室)の木星にとって重要なことは、「健全な甘え方を知ること」といえるでしょう。
先ほどお伝えしたように、木星は善悪の区別なく、物事を拡大・拡張、発展・繁栄させる天体です。
そのため、「自分は人生に甘やかされている」というような心境や意識が強まる時、土星からの圧力がかかるかもしれません。
何より自分自身に甘いことは、中途半端な成果にしか辿り着かなかったり、深い満足感や達成感を得られないことにも繋がります。
そして「他者の苦労を知ること」によって、自身の甘えや自由気ままさを省みることは、他者への優しさにも反映されますので、自律と献身の視点を持つことが重要です。
だからといって、自分自身を幸せにすることに対して、決して罪悪感を持つ必要はありません。
第10ハウス(室)の木星は、星回りの恩恵を受けること自体が、他者・社会に豊かさを還元することに繋がるのですから。
第10ハウス(室) × 土星
第10ハウス(室)の土星は、「忍耐の末の社会的成功の達成」を学びとします。
土星にとって第10ハウス(室)は、最も土星の象意が強く反映されますが、それは好意的な影響とは言い難いです。
火星が「マラフィック(凶星)」と呼ばれるように、土星が位置するハウスは、トラブルや苦難、苦境、苦手意識などの克服が大きなテーマとなります。
土星は私たちに、「人生を充実させる」ために、現実的な学びを要求するとともに、他者や社会への責任を果たすことを求める天体です。
人1人の人生(寿命)が、1度の土星回帰(リターン)、つまり30年前後であった時代があったように、土星の影響力は大変大きく圧し掛かります。
現代では土星回帰(サターン・リターン)は、最大3回体験することになりますが、自分の人生に責任を持つことは、決して苦しみだけを味わうことにはなりません。
不必要な苦しみや無駄な苦労ではなく、自分の人生を生きることに関して、土星は何かしらの犠牲を払うことを要求します。
それは「自我の甘え」であったり、「執着による成長・発展の放棄」であったりと、金づちで殴られるかのような現象を、土星は起こすのです。
第10ハウス(室)の土星は、人生をより善く生きるためには、(短期的な視点では)我慢と犠牲を耐え忍ぶ必要があることを教えます。
木星と動揺に、土星の影響力と強制力は人によって異なりますが、第10ハウス(室)・MCに関していえば、必ず収穫・成果を得るために、修行的な体験が与えられるのです。
第10ハウス(室)・山羊座・土星は、責任を全うすることを学びとし、また、無意識的に喜びを感じますので、お堅い職業や責任が伴う仕事が適正があります。
また教育関係や公務員、管理職、政治家、そして自営業や経営者にも向いているでしょう。
第10ハウス(室)の土星が気をつけるべき点は、状況・環境による精神的な苦痛を耐えることを強いられるため、被害者意識を持つ恐れがあります。
更には、高い地位に登り詰める過程(プロセス)やその後に、転落する暗示もあるため、自身の心身の状態とともに、関係者との対話も密に取ることが大事です。
土星は「継承」や「伝統」といった象意もありますので、第10ハウス(室)の土星は、親からの影響をダイレクトに受け、社会活動において実現する暗示もあります。
第10ハウス(室)の土星にとって重要なことは、「時間をかけること」と「過程(プロセス)を楽しむこと」です。
土星の影響を強く受ける人にとって、これら2つの意識は、もしかしたら受け入れ難いかもしれません。
ですが道のりが長いほど、自分自身を客観視し、流れに身を任せることも大切です。
第10ハウス(室)の土星ほど、「人生は持久戦であること」を身を持って実感する人はいないでしょう。
だからこそ肯定的な意識で、自分の人生を捉えるためには、適度な楽観性と寛容性を受け入れ、他者に心を開くことが大変重要です。
第10ハウス(室)・山羊座・土星は、理性と社会生活、他者からの評価を優先しがちですので、より一層、心のメンテナンスや息抜きが必要となるはずですから。
第10ハウス(室) × 天王星
第10ハウス(室)の天王星は、「独創性の追求」を重要視します。
トランスサタニアンである天王星は、「現状打破」や「急激な変化」をもたらす天体です。
水瓶座の象意と同様に、天王星が位置するハウス(室)は、現状維持や固定化、定着などに対して揺さぶりをかけます。
そのため第10ハウス(室)の天王星は、社会的なポジションの確立や成功に関しては、一般的な道筋を辿らないことが多いでしょう。
これまでは土星が人の一生を象徴していましたが、現代は天王星の影響が大きくなりつつあります。
2018年に天王星が土星座である牡牛座に入座して移行、物質的な価値と人の概念・価値観は変容を余儀なくされました。
占星術もまた新しい価値観を取り入れ、時代に対応しているように、私たちの社会的な成功の定義も移り変わることは必至です。
第10ハウス(室)の天王星は、従属意識と集団意識の脱却を促されるため、時間をかけて、独自の働き方と個性の発揮を模索することが強いられます。
これは土星の影響が強く表れる第10ハウス(室)と、天王星の摩擦ともいえるでしょう。
第10ハウス(室)の天王星は、転職を重ねたり、突然の人生の流れの変化に伴い、居場所を変えざるを得なくなる暗示があります。
天王星がもたらす変化は、善悪や損得勘定、個人の都合に沿うことが無いため、コントロールできない状況に対して、肯定的な視点を養う必要があるでしょう。
天王星は独創性と個性を尊重を促しますから、第10ハウス(室)の天王星は、組織よりも自営や独立、起業、実業家に向いています。
社会的な評価を得たり、多くの人の支持を得るためには、論理や理性だけでなく、感情に訴えかけることが大切です。
天王星と水瓶座は、世代の変わり目にこそ注目されますが、発展途上においては、あまり評価と理解を得られない暗示があります。
ですがそういった「風潮」や「常識」さえも深刻に受け取らないところが、天王星・水瓶座らしさといえるでしょう。
そのため電気機器や科学技術といった分野は、常に革新していますので、独創性と創造性が発揮できるはずです。
また天王星と水瓶座は、宇宙に携わる分野にも適正がありますから、航空関係にも適正があります。
第10ハウス(室)の天王星にとって重要なことは、「物質的な価値に囚われないこと」です。
ここでいう「価値」とは、世代的に定着した価値観で、常識や固定概念、集団的無意識に紐づけされ、「支配欲を刺激される思考」ともいえます。
天王星が望む独創性とは、大衆を操作・誘導することではなく、豊かさの分配と還元を促す能動的な働きかけです。
天王星と水瓶座は、どうしたって従来の帰属意識からは外れてしまいますので、開き直りつつ、横並びの関係性を追求することが、健全で自由な方向性といえます。
個性を尊重することは、決して集団を否定することにはなりません。
これまでの個人に植え付けられた従属意識や、社会の支配構造を解体するためには、時間をかけて、個人個人が独立心を育てるしか無い、それが天王星が出す答えです。
自分の人生に責任を持つことは、歴史を繰り返すことでも、他者の言いなりになることもなく、誰もが自分の独創性と主体性を発揮することに、喜びを見出すことなのですから。
第10ハウス(室) × 海王星
第10ハウス(室)の海王星は、「活躍できる術を持つこと」を重要視します。
海王星は「曖昧さ」や「不明瞭さ」、「変性意識」といった象意を持つ天体です。
象意の字面を見るだけでも、物質的な発展とは路線が違うことが分かります。
そのため第10ハウス(室)の海王星は、組織で出世をしたり、個人で収入を得るには、現実性や具体性に欠ける、と言わざるを得ません。
第10ハウス(室)の海王星は、「物質」ではなく、「心」や「感性」、「感覚」に訴えかけるものを仕事にすることで評価と信頼を獲得します。
具体的には、芸術や音楽、クリエイティブな作業、宗教やスピリチュアリズム、ヒーリングや占い、水商売やアルコールを扱う仕事などです。
海王星の象意には「麻酔」がありますので、医療に適正がある場合もあります。
第10ハウス(室)の海王星は、仕事で大成する、といった野望や野心を持たない傾向が強いです。
そのため趣味を仕事にしたり、夢を追いかける手段や、自己表現の一環としての仕事に精を出すでしょう。
第10ハウス(室)の海王星にとって重要なことは、「夢を形にしようとすること」です。
「しようとする」というのは、明確性や具体性を持とうと努力する、という意味で、現実を受け入れることを受け入れる、という少し変わった表現になります。
海王星と魚座は、非現実を楽しむ時間を大切にするというよりか、意識が精神性の方に引っ張られる、と捉えると分かりやすいかもしれません。
それは月と魚座の関係性よりも、遥かにコントロールが利きにくいため、自分自身の自己表現の術と環境を探す方が、自分らしい社会性の発揮の仕方を実現できるはずです。
夢は概念や価値観、感覚のままでは、誰の得にも感動にもなりません。
内面にある夢や、直感、インスピレーションを形にしようとすることで、自分らしさはもちろん、精神世界からの導きを得やすくなるでしょう。
そういった自然体であるとする姿勢が、結果的に、豊かさと人との縁を引き寄せることになります。
第10ハウス(室) × 冥王星
第10ハウス(室)の冥王星は、「徹底的に利益を追求すること」を重要視します。
冥王星は「根源的な欲求」や「死生観」、「破壊と再生」といった強制力を超えた働きを持つ天体です。
冥王星が示す「利益」とは、人の真似事や中途半端な満足感ではなく、「高みに登り詰める」という意味合いを持ちます。
そのため第10ハウス(室)の冥王星は、圧倒的な支配欲と権力の執着心を持ち、人の上に立つだけでなく、影響力を持つことに強烈な願望を持つ、といっても過言ではありません。
冥王星が位置するハウス(室)は、アップダウンが激しく、犠牲やトラウマ、他人には理解されない価値観をもたらす暗示があります。
第10ハウス(室)の冥王星は、流行り廃りが無い、人が根源的に求める分野、つまり、日常に根差したビジネスで成功を収めるといえるでしょう。
冥王星は、蠍座と同様に、「生と死」や「性」、「死後の世界」などに意識を向かわせます。
そのため特殊な職種や職業において、一目置かれ、絶大な信頼を得るでしょう。
ただ冥王星と蠍座は、好き嫌いがハッキリとしていて、排他的・極端であるため、人を選んだり、本音を躊躇なく言い放つため、人と対立することも少なくありません。
第10ハウス(室)の冥王星は、独立・起業、もしくは、部分的な提携が向いています。
人間関係は、近しいからこそこじれますので、ある程度の距離間と間合いを持つことで、第10ハウス(室)の冥王星は、いかんなく能力と才能を発揮できるでしょう。
第10ハウス(室)の冥王星にとって重要なことは、「不必要な破壊を生まないこと」です。
冥王星は太陽系の「長」や「取締役」のような天体で、目的のためや自身を正当化するためなら、あらゆる手段と決断を下します。
ですがその決断が衝動的であればあるほど、自らを破滅に導いてしまう恐れがあるため、不要な対立と破壊は避けるが吉です。
野望を持つことや執着を持つことは、決して悪いことでも、責められるべきことでもありません。
ただ自身の能力と才能は、自分自身や他者を傷つけるために使うべきではない、ということを肝に銘じる必要があります。
第10ハウス(室)・MCは、自分自身を活かすことが自己実現であり、他者・社会貢献の前提であることを教えているのです。
第10ハウス(室) × ドラゴンヘッド
第10ハウス(室)のドラゴンヘッドは、「責任を果たして自由を謳歌すること」がテーマです。
ドラゴンヘッドは、人生の方向性を意味し、また人生の全体の流れが向かう学びを表します。
第10ハウス(室)のドラゴンヘッドは、「自分自身に責任を課すこと」が、人生を有意義にすることに気づくことが、命題的な学びです。
ドラゴンヘッドが位置するハウスは、「人生の重要な指針」であり、「学び」と「気づき」、そして「思いもしない出会い」が用意されています。
第10ハウス(室)の象意は、「社会的な成功」や「自己実現」、「豊かさの創造」です。
これらは主体性を持ち、自らの意志に従い、現実的な行動を試行錯誤することで実現します。
裏を返せば、第10ハウス(室)にドラゴンヘッドが位置することは、現実に立ち向かうことを余儀なくされている、といえるでしょう。
第10ハウス(室)のドラゴンヘッドは、第10ハウス(室)や山羊座の意識に取り込まれるようなものですから、プライベートの時間や家庭を省みることも大切な学びになります。
第10ハウス(室)のドラゴンヘッドにとって重要なことは、人生から豊かさを引き出すためには、野心や野望という、「内面に秘められている純粋な願望を見出すこと」です。
原因の無いところに結果は訪れませんから、人生に責任を持ち、社会さえも自分の責任である、というような大きな意識を育てること。
また「自分事」という意識が、他者に刺激を与える影響力を持ち、自らの望みに他者を巻き込んで、喜びと豊かさを循環させる流れを起こすことができるはずです。
ドラゴンヘッドは、物質世界で精神性が向かう方向性ですから、内面に輝く意志を見つけ、磨き、世に放つことによって、人生が豊かになっていくことでしょう。
第10ハウス(室) × バーテックス
バーテックスは「世界(人生)との約束」であり、自分という存在に与えられた役割や性質を発揮する、というある種、「義務に対する誠実さ」を問う感受点です。
第10ハウス(室)のバーテックスは、「社会に豊かさを還元すること」を学びとします。
これは言い換えれば、社会に役立つために与えられ、また、自己実現をするために与えられた能力と才能を発揮すること、です。
そのため第10ハウス(室)のバーテックスは、欲を持つこと、物質的な豊かさを生み出すこと、そして他者や社会に対する影響力を持つ役割が与えられている、といえます。
バーテックスは、「望んでいなけれど、役割が向こうからやって来る」ように、自らが歩みを進めるようなイメージです。
ですから社会や現実から求められるままに、物質的な価値と豊かさを生み出す過程(プロセス)を体験し、楽しむことが、第10ハウス(室)のバーテックスの責任といえます。
バーテックスが第10ハウス(室)に位置し、MCに近いことは、他者や社会から評価を受ける体験を通して、自己を省みることが学びである、と解釈することもできるでしょう。
世界との約束は、役割・責任であるとともに、強制力や無理強いされる感覚を超えると、意外と適正に合っていたり、願望実現の手出すけになることもあります。
社会的な成功を収めること、信用と信頼の両方を獲得すること、そして自己実現と他者貢献を叶える力を養うこと。
これらはすべて、バーテックスにより促され、また鍛えられるということを頭の隅に置いておいていただければ幸いです。
物質世界は良くも悪くも、制約・制限の世界で、不自由や強制力を体験することによって、達成感と自由を味わうことができるのですから。
第10ハウス(室) × パート・オブ・フォーチュン
パート・オブ・フォーチュンは、自分自身と、他者・世界との豊かさの交差点、または幸運の鍵のようなものであり、可能性の在りかです。
第10ハウス(室)のパート・オブ・フォーチュンは、「事業の才」や「社会的地位が約束されていること」がポイント。
第10ハウス(室)は、ホロスコープの天頂に位置するハウスであるため、運だけで登り詰めることはできません。
ですがパート・オブ・フォーチュンは「幸運の在りか」であるため、社会的な成功を目指す過程(プロセス)に、縁とチャンスが用意されていることを暗示しています。
第10ハウス(室)のパート・オブ・フォーチュンは、貴重な社会経験を積む場面をセッティングされたり、有力者との縁に恵まれたりするでしょう。
第10ハウス(室)と山羊座は、単なる他者との関わりではなく、実益やベネフィットが絡む人脈を活用することを重要視します。
感受点がもたらす象意は、「導き」や「流れ」の感覚を与えるため、「運命」や「宿命」といった認識になりやすいものです。
例に漏れず、第10ハウス(室)のパート・オブ・フォーチュンは、目上の人や成功者からの引き立てを得ることで、発展と成功のチャンスに恵まれる暗示があります。
運と星回りは、人生が与えるギフトであり、活用・駆使することを要求されるものです。
むしろ自分の人生を肯定するには、後ろめたさや罪悪感を感じさせるものさえも肯定する必要があります。
第10ハウス(室)が象徴する「人生の成功」は、お膳立てや恩恵を有り難く享受することを含めた、自分らしい人生を明確に知ることといえるでしょう。
第10ハウス(室)のパート・オブ・フォーチュンが持つ「事業運」や「社会運」は、持つべくして授けられた、社会貢献のための前祝いなのかもしれません。
ですから与えられた人生を受け入れるように、ご自分に巡って来る運や縁は、余すところなく活用させていただき、感謝と恩は必ず社会に還元することが大切です。
【まとめ】第10ハウス(室)は可能性と限界を教える!
今回は第10ハウス(室)について解説させていただきました。
第10ハウス(室)は、「社会活動の頂点」であると同時に、「主体性の限界」を表します。
第10ハウス(室)のナチュラルサインである山羊座の支配星、土星は主体性の発揮によって「価値観を現実化すること」を要求する天体です。
また土星は「時間」を司り、私たちには寿命というタイムリミットがあるだけでなく、「成すべきタイミング」があることを教えます。
今回の講座では、第10ハウス(室)・MCは、「最も日の光を浴びる地点」であるものの、すぐそこに衰退が待っている、という表現をしましたね。
第10ハウス(室)と山羊座は、物質的な豊かさが常に「循環していること」を教えています。
私たちがいくら独自に働こうと、それを請け負い、評価してくれる人・集団がいなければ、仕事は成立しません。
評価する存在(客体)がいてくれるからこそ、私たちは学ぶことも、教えることも、そして豊かさを分かち合うことができます。
第10ハウス(室)と山羊座は、主体性の発揮により、社会に切り込み、活躍する姿勢と段階を象徴していますが、これは「個人の可能性」の話です。
次の第11ハウス(室)では、支配欲や自己実現にこだわらない意志が見出されることによって、更なる発展が生まれていきます。
12ハウスの流れがそうであるように、物事は段階的に進んでいきますし、私たちも必ず順序を踏むことが、現実を受け入れることでもあるのです。
第10ハウス(室)は、内面の野心を知るだけでなく、現実的に具現化し、他者・社会に評価されること一連の過程(プロセス)の学びを体験させます。
第9ハウス(室)の経験の追究と蓄積は、社会的な信用を得て、個人の影響力に発展する、という布石だった、ということですね。
第10ハウス(室)と山羊座、そして土星は、現実を生きることで得られる喜びが、更に時が熟した際に、「人生の満足感(手応え)」として心に刻まれることを暗示しています。
この西洋占星術講座で、繰り返し持ち出している表現は、「人生で挑戦しなかったことが最大の悔いになる」というものです。
自我に気づき、他者を意識することで自己認識を持ち、更に社会的な意識が生まれ、そして物質性を失おうとも、心の充足感が失われない精神性が養われる。
これが12ハウスの大きな流れです。
第10ハウス(室)・MCは、物質的な成功や発展とともに、物質的な執着と自己探求の頂点でもあります。
執着や野心を持つことは、後悔しない人生を送り、他者・社会貢献をするために必ず経験すべきことです。
この言葉をもって、第10ハウス(室)の講座を締めくくらせていただきます。
後悔や罪悪感、自己否定といった幻想に足をすくわれることなく、内面にある純粋な願望を実現することをご自分に許してください。
あなたの純粋な願望は、形や色を変えることはあっても、意志や願いは変わることはないのですから。
ホロスコープリーディングは、時間をかければかけるほど、多くの気づきとヒントを与えてくれますので、是非このまま講座を読み進めてくださいね!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それでは、次回の「第11ハウス(室)」の講座でお会いしましょう!
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