「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
ホロスコープを読み解く上で、① 星座、② 天体、③ ハウスの3つは特に重要です。
占星術において、天体は主要なキャラクターです。
今回も太陽系10天体について解説させていただきます!
太陽系に存在する星たちは、必ず自分の役割を持ち、今日も宇宙全体の創造活動に貢献しています。
もちろん宇宙全体の中には、あなたも入っていますし、あなたが関わっている人すべての人も一緒です。
個々の天体が持つ力は、宇宙の働きが成り立つために分配されています。
そしてどの天体がどのような力を発揮するのかは、あなたのホロスコープに詳しく描かれているのです。
それでは、ホロスコープを読み解き、あなたがご自分の魂の計画を知る上で大切な、あなたの天王星の役割を見ていきましょう。
今回は天体別の解説の第8弾となる、天王星の解説です。
どうぞ最後までお付き合いくださいね!
天王星の基本情報
天王星は、トランスサタニアンの3天体のトランスサタニアンの1つです。
「トランス」という言葉は、通常の意識状態ではない「変性意識」や「催眠状態」を表しますが、シンプルに表現するなら「コントロール不能」な状態や状況、条件を意味します。
古典占星術では、天体の存在は土星までしか発見されておらず、また「物質文明」の真っただ中にあったため、土星が人間の人生や文明の支配する天体であると考えていました。
ですがその後、科学技術の発達とともに、天王星以降の3天体が発見され、文明と意識が進化し、土星以降の天体は「トランス・サタンニアン」と呼ばれるようになったのです。
つまり「土星を超える天体」や「物質主義を超えた影響力を持つ天体」が、トランスサタニアンの3天体ということになります。
占星術がただの占いではない、といわれる理由は、時代時代における「変化」を解釈し、また膨大なデータによって分析されるからと言えるでしょう。
天王星が発見されたのは、1781年の18世紀。
当時はアメリカで独立革命が、フランスでは産業革命が起こっていたため、天王星の出現は、「革命」という言葉に集約されています。
「今の私たち」から見れば、昔の人々の生活や人生は「歴史」です。
ですが「未来の人間」から見た「今の私たち」もまた、「歴史の1ページ」。
私たちは「自分の人生という領域」を生きながら、社会や時代、世代や文明といった大きな枠組みの中にも収まっています。
天王星の出現は、「人間が新たな進化を果たすタイミング」のお知らせと呼べるでしょう。
私たちの誰もが「新たなことを知る」ことによって、「可能性」を認識し始めます。
「知らないことは存在しないことと同じ」というのは乱暴ですが、私たちが現状維持を続けたり、時代を逆行することは、宇宙の流れには反していることは確かでしょう。
占星術において天王星は、私たちに「脱・固定概念」や「脱・従属意識」の刺激を与え、土星までの文明から脱皮させようとします。
占星術の世界では「水瓶座の時代の到来」を数十年も前から注目されていましたが、占星術が市民権を得るまでには時間がかかりました。
ですが本格的に水瓶座・風の時代に切り替わった今、多くの人が内なる天王星の力に目覚め、新たな時代と文明社会、意識進化を遂げていくことでしょう。
前置きが長くなりましたが、天王星の解説をさせていただきます!
下記に、基本情報をまとめました。
- 天王星は木星、土星に次いで大きい惑星である
- 天王星は天王星型惑星である
- 天王星の自転軸は公転面から98度傾き、「横倒し」になった惑星である
- 天王星が地球に最も接近した際には、肉眼で確認することができる
- 天王星の公転周期は、約84年
- 天王星の自転周期は、約17時間
- 天王星は約7年で星座を移動する (=イングレス)
- 天王星はトランスサタニアンであり、
- 天王星を表すキーワードには、革命・変革・限界の突破・科学性・テクノロジー・現状の打開・自立・独立・論理・個人主義・反抗・解放・理想などがある
- 天王星のナチュラルサインは、水瓶座
- 天王星は老年期以降の年齢領域に対応し、人間の意識進化と時代の変革に関わる天体である
*天体は大きく分けて、① 個人天体、② 社会天体、③ トランスサタニアンに分かれ、天王星はトランスサタニアンの1つで、「時代を超えさせる力」を象徴する天体です。
天王星の年齢領域
占星術には、「年齢領域」または「年齢域」という考え方があります。
太陽系10天体すべてが、人生のステージ・成長段階に対応しているということです。
天王星の年齢領域は71~84歳です。
私たちの存在は、宇宙にとって「一部」ではありますが、「全体」ではありません。
また私たち人間が、地球上の人々全員と出会うこともありません。
物質世界では「是か非か」や「できることとできないこと」というような、「二元性」によって成り立っています。
二元性により、私たちは豊かにもなりますし、争いもおき、また自己矛盾や葛藤を抱くことになるため、一筋縄ではいきません。
ましてや他人や組織、時代からの圧力に従わされ続けることで、私たちの我慢や恐怖、不安は限界を迎え、やがてどこかの時点で反乱や反抗を起こすことでしょう。
私たちが思春期になると、親や家族からは「手に負えない」と見られ、自分自身でも「どうしていいか分からない状態」に陥りますよね?
また感情を全く表に出さない、負の感情を悟られないようにする、人に合わせてばかりしていると、堪忍袋の緒が切れた時、凄まじい形相になったり、暴れたりします。
思春期のコントロール不能の状態と、個人の感情の暴走は似て非なるものです。
天王星の「コントロール外の影響」は、後者のような「激変ぶり」に相当します。
なぜなら私たちは、決して「1人きりの存在」ではないからです。
私たちの誰もが両親を持ち、両家の血やDNAを受け継ぎ、生まれ持った環境とそこに生きる人々、地域や社会、国があります。
ですから私たちは誰もが、「次の時代への鍵」を与えられ、その鍵が使われる時が突如として訪れるのです。
それが人に害を与える事件になることもあれば、科学技術の発展であることもありますし、同時多発的に人気になる流行にもなるでしょう。
天王星に関して重要なことは、「理想の段階的な実現のための変革」というところです。
これまでの歴史や文明、人々の人生は、決して無駄ではありませんでしたでしょうし、今の私たちの人生も同じ。
「宇宙の視点」という風に、視点を大きく上げてみると、どのような人生も発展も等しく価値のあることなのです。
そういう意味では、私たちは個人個人で成長していますし、人類全体としても、確実に進化し続けていると考えられるでしょう。
実は現在、私たちは「天王星」に大きく刺激されています。
天王星は2018年に牡牛座に入り、物質主義や物質社会に大きな揺さぶりをかけているからです。
それに加え2020年末の木星と土星のグレート・コンジャンクション、そしてグレート・ミューテーション。
今は土を巻き上げ、誰もが自分自身と社会の在り方、あらゆる可能性を模索し、新しい時代と社会を作っている最中なのです。
情報やテクノロジーは、天王星の領分。
今の時代に生きる私たちは、「トランス・サタニアン(物質文明を超える人類)」になるための脱皮中である、と言っても大げさではないでしょう。
ですから私たちに求められ、またすべきことは、「理想の自分の実現」はもちろん、「自然と共存する文明社会」や、「人類のあるべき姿」といった意識も獲得していくことです。
天王星は数年も前から、私たちに揺さぶりをかけ、社会と時代が変わることを予告していたのですから。
トランスサタニアンの3天体は、体感や理性では掴みにくい影響力を持っていますが、天体のエネルギーとあなたの内面をつなげることが第一歩となります!
天王星が象徴するもの・キーワード
天王星の象徴
天王星の象徴を、以下の3つにまとめました。
- 変革・革命・限界の突破
- 独創性・自立・独立・個人主義・解放
- 科学・テクノロジー・IT
天王星が発見されてから、2021年で240年が経ちました。
科学で検証や分析が繰り返される理由は、「再現性」と「論理性」が重視されるからです。
占星術の歴史は3千年以上といわれていますから、天王星の研究はまだまだ始まったからといえます。
だからこそ水瓶座の時代が本格的に始まった現代は、天王星の影響をより強く感じていくことでしょう。
私たちは今後更に、インターネットを駆使し、物質に囚われない意識を育てていきます。
これは物質文明が強かった、土のエレメンツが主体の時代では成し得ることがなかったことです。
物事には順序や段階があるもので、天王星の本領はこれから発揮されていくと考える方が自然と言えるでしょう。
インターネットの基盤は、1960年代に出来上がっていたといわれています。
ですがインターネットの通信の安定性や国際化、一般使用への普及が整備されたのは、21世紀に入ってからです。
2,000年は「ミレニアム」と呼ばれたのは、「宗教が絶対的な影響力を持っていた時代」が終焉を迎えたからに他なりません。
「水瓶座の時代」が始まったのなら、その前の時代もあったはずなのです。
それが「魚座の時代」でした。
魚座とは「信じること」や「信仰」を象徴する星座。
人間の「文明のテーマ」が魚座的なものから、水瓶座的な流れへと2,000年から切り替わっていたのです。
2,000年から十数年の準備・移行期間経てから、物質的に分かる形で時代を変えたものが、インターネット。
天王星が発見された時代が、物質的な革命であったなら、現在起こっている革命は、「意識の革命」と言えるでしょう。
これから私たちの意識と実生活は、どのように変わっていくのか、恐ろしさと喜ばしさが入り交ざりますが、時間は進み続けます。
「新たな時代が幕を開ける」と言っても、私たちは変わらず肉体という「器」に乗って、宇宙の物語を紡いでいくことは変わりません。
ですから今置かれた状況のありのままを受け入れ、今後の人生を肯定的に見つめていきましょう!
それでは天王星が持つ役割・象徴を解説させていただきます
変革・革命・限界の突破
土星が物質文明を完成させたと同時に、私たちには「限界」や「支配される意識」が根付いたことも事実です。
私たち人類の文明と意識を通して、木星で拡大し、土星で収縮した宇宙の創造活動は、次に更なる発展を望みます。
その発展は言い換えると、「改革」になるでしょう。
築いたものすべてを破壊するのではなく、「作ったからこそ出来上がった綻びを乗り越えていく力と流れ」が、天王星の力。
土星は「安定」や「維持」にエネルギーを注ぎますが、そのシステムには「永遠性」はありません。
土星は「人の一生」という意味での時代を表しますが、天王星は「時代そのもの」や「時代の切り替わり」に相当します。
革命や変革、現状の打開は、問題があるからこそ起こり、その先にある「可能性」に意志エネルギーを向け、現実を変えていくもの。
天王星はトランスサタニアンとして、「限界」を超える力を象徴し、「必要悪」を乗り越える力を与える天体です。
それは私たちそれぞれに与えられた「希望」であり、「武器」であり、「選択」と呼べる力。
私たちの意識の中で芽生えたものには、すでにエネルギーが生まれ、思考や感情となり、次に行動、現実化が雪だるま式に起こります。
はじめは局所的に集中した革命のエネルギーは、次第に時代の流れとなって世界を変えていくでしょう。
あなたがこの時代に生きていることは、時代が変える天王星のエネルギーを受け止め、全体性に流すためでもあることを知っておいてくださいね。
独創性・自立・独立・個人主義・解放
「天才」という言葉は、明らかに能力や感性に秀でている人に使われる言葉ですよね?
ですが私たちにはそれぞれ、自分だけの「天才性」が備わっています。
「天が与えた能力」とは、なにも「人に認められること」ではありません。
天王星は、私たち1人ひとりに天才性があることを教える星です。
天才性は人気や認知度、社会的評価、利便性などに偏って捉えるべきではありません。
天王星が最も重視することは、「素直さ」です。
それは自分の人生に対してはもちろん、家族や恋人、配偶者といった親しい人々、仕事や地域、趣味などあらゆる関係性を持つ人に対するオープンさが、変化と刺激になります。
あなたの意識や思考、感情は決して、あなただけのものではありません。
私たちは本来、「群れること」でしか生き延びられなかった時代を経験し、その記憶は今でも私たちの中に存在しているのです。
「時代錯誤」という言葉があり、ジェネレーションギャップが起こっている状況でよく使われますね。
ですがこれは他人だけに使うべきなのでしょうか?
「物質に執着することを学ぶ時代」は既に終わりました。
物質による豊かさも喜びも、人類は経験し、DNAに留めることに成功し、時代は精神性を高める方向に舵を切ったのです。
土星までの天体たちだけの力だと、「規格外」や「自由」、「新世界」といった現実を創造することはできません。
ですから私たちは一旦、「分離」や「破壊」、「独立」という選択や道を選ぶことになります。
最初は生きるため、お金を稼ぐためであっても、時代は次第に意識進化や、地球との共存、銀河や大宇宙とのつながりが実現していくでしょう。
私たちを縛っていた「支配」は終わりを迎えました。
ですが私たちにはまだまだ、固定概念や固定観念が残っています。
それらを外すために、天王星は力を貸してくれるでしょう。
ですから天王星のエネルギーを知り、また受け入れ、自分自身の天才性と独立心を自覚してください。
「類は友を呼ぶ」の「友」は、同じ志や意識を持つ人を指します。
大げさなことでなくてもいい、有名にならなくてもいいんです。
ただ自分の中の限界や制限を超える意志を、少しずつ見出していきましょう。
この一歩が、「類友」と出会えるタイミングを早めるはずですから。
科学・テクノロジー
この講座では、何度も「二元性」という言葉が登場します。
理想を持つ人がいれば、絶望を求める人がいて、意識的にも世界は広がりを見せていき、そのスピードは加速していくでしょう。
ですが自分と違う人を納得させる必要はありません。
またあなたが他人から無理強いされても、従う必要もないのです。
それを立証し、信頼されるものが、科学であり、テクノロジー。
物質文明から生まれたものは、より物質への執着を生むのではないか?という疑問があるかもしれませんね。
ですが科学の発展の目的は、今と昔では大きく違います。
科学の存在意義の根本には、「この世を理解したい」という知的好奇心があるはずです。
昔は「支配」や「利権」への執着・欲望が強く、それこそが正義でした。
「歴史は繰り返す」と言われますが、長期的に見れば、そうではなくなります。
これからの時代は、「宇宙の仕組み」とともに、「宇宙の根源に還る」ということを実際的に研究し、少しずつ理解が進んでいくことでしょう。
私たちの時代に、どれくらいの科学の発展があり、精神文明との調和がとられるのか、現実を変えていくのか。
私たちは日々インターネットや電子機器、テクノロジーを使って、「新しい経験」や「新しい発見」を積み重ねています。
「未知」が「当たり前」に変わっていくのが歴史であり、生命が絶え間なく実現していく進化のプロセスです。
天王星は「時代」という間隔で、私たちに技術革新の追い風を吹かせるでしょう。
それは「より善い世界の実現」や「より善い科学の使い方」、そして「精神文明への新しいツール」として、私たちの意識にダウンロードされていくのです。
天王星に関するキーワード
補足として、天王星に関するキーワードをまとめました。
- 自立・独立
- 支配・依存からの脱却
- 突然の変化
- 主体的な変化への欲求
- 自由・自由への強い衝動
- 個性・オリジナリティ
- 科学・科学技術がもたらす意識進化
- 他者への影響力
- ネットワーク、コミュニティ
- 限界を突破する力と欲求
- 流行、時代の流れ
- 魔術・秘術・占星術・真理探究
- ルール・常識の改変
- 革命・変革
- 反抗・解放
- 論理性・公平性
- 個の意識
- 横の繋がり
etc
更に深掘りすると、以下のような表現ができます。
- 被害者意識の解放
- 主体性による現実化、未来創造
- 依存・支配から脱する意識の開花、タイミング
- 不可抗力による変化
- 外部からの早急な変化の促進
- 自由を妨げる要因を排除する強さ
- 自己肯定から生まれる自由意志
- 未来を善くするための発想・意志・行動
- 物質から精神への意識の移行
- 対立や奪い合いからではない、自由や理想のための影響力
- 個々の理想の尊重とつながり
- 大きな組織や力に屈しない個の集団と集団意識
- 不要な・時代錯誤のルール・枠組みの刷新
- 個を尊重するための行動・反抗・抵抗
- 集団や組織からの離脱
- 同調圧力からの脱却
- 予測不可能な現実と、それに立ち向かう力
etc
天王星が象徴する「革命」や「新時代の実現」は、実際に体験した「被支配の意識からの反動」という面もありますが、「時代に押される」側面もあります。
生まれた時にテレビもなかった世代と、生まれた時からスマートフォンがある世代では、理想や自由の定義は異なって当然です。
とはいえ「古いものは必ず淘汰される」というわけでもありません。
「古き良き」がすべてでも、「新しいものが優れている」ということでもなく、必要性や価値があるもの、「精神性を高める」ものが継承され続けていきます。
リバイバルは何度も繰り返されるのは、根本にある「価値」があるものが求められ、その表現方法や普及の仕方は、時代によって形を変えるもの。
私たちは地球の大地に足をつけつつ、目に見えないけれど、確実に心を豊かにするものを大切にしていくでしょう。
これから実現していく世界に必要なものは、「個性」であり、個性が公平に発揮される環境や社会です。
天王星は支配からあなたを解放するための知恵を与え、あなたは次の世代にその知恵をバトンタッチしていくでしょう。
トランスサタニアンたる天王星は、衝撃を伴って私たちの人生に影響を与えますが、そうでもしないと変わらないのが現実であり、私たちの意識であるということです。
限界が無いことを思い出すための変化
天王星が持つ「革命」や「天才性」が意味するところは、一重に「変化」をもたらすところにあります。
長い間鎖に繋がれたゾウは、鎖を外しても自由に動こうとしません。
狭い場所に閉じ込められたアリは、解放された後でも本来のジャンプ力を忘れてしまうといいます。
これら2つの例は、当事者の意志や意図を妨げる「外部からの干渉」によって起こる変化ですね。
ですが厄介なことは、ひとたび状況や条件に「慣れて」しまうと、本来の自分の能力を発揮できなくなることにあります。
そして「環境」や「状況」が、既に自分の意志や意図が発揮されないものであったとしたら、どうでしょうか?
人間の歴史は、常に欲望や欲求が言動力となり、発展と堕落の両方を築いてきました。
それは現代も同じことですが、そこには「猶予」があります。
私たちの寿命のように、宇宙には「サイクル」があり、その周期の切り替わりのタイミングで、大きな変化が起こるのです。
変化を体験し、新たな価値観の創造を受け入れ、慣れていくことで、この「猶予期間」は昇華されてきます。
その「外的」な変化や刺激を与えるのが天王星であり、天王星は「本来限界が無いこと」を私たちに教えるのです。
天王星が指す「天才性」とは、「自らを縛る限界から解き放ち、本来の意志を実現させること」と言えるでしょう。
なぜなら私たちは、物心がついた頃から、常に「外側の世界」に合わせて生きてきました。
これは良い悪いではありませんし、自然な成り行きです。
ですが既存の社会に合わせることは、先ほど例に出したゾウやアリのように、自らの本来の力を「封印する」ことにもなるでしょう。
天王星の公転周期は約84年で、私たちの「人生そのもの」という意味での時代を表します。
ですから昔の人々は、天王星がもたらす影響を見届けることなく、次の世代にバトンタッチしていました。
かくゆう私たちは、これから天王星のエネルギーをますます強く体感することになるでしょう。
2018年に天王星が牡牛座に入座し、次に2025年に双子座に移動します。
双子座は風星座ですので、ますます天王星の影響が高まっていきます。
天王星は1つの星座を約7年かけて運行するため、あと数年間は「物質の価値」や「物質社会の在り方」に大きな変化が起こるでしょう。
ここで注目すべきことは、私たちの中に根付いた「常識」や「限界」といった制限を取り外すことです。
天王星の影響は、個人レベルから社会レベルまで多岐に渡りますが、現在は世界中で天王星の影響を体験しています。
土星までのエネルギーは、日常や人生を生きる上で使い、それと同時にこれまでの生き方を「アップデート」していくことが、現在の私たちの生きる方向性と言えるでしょう。
そして多くの人が、これまでよりも一層「宇宙の真理」に意識を向け、妄想や幻想ではない、「体感を伴った意識進化」に労力と時間、精神エネルギーを傾けていくはず。
占星術は科学と同じく、常に進化をしていますし、私たち人間も同じです。
占星術を活用することで、私たちは「内なる自分」と対面し、本来の意志や願望を「思い出すこと」ができます。
人生の転機となる出来事だけに目を向けるのではなく、ホロスコープに示されている天王星のメッセージを受け取ってください。
天王星のメッセージは、星座とハウスを通して、また時代性と並行して受け取ることができます。
まずは天王星星座に触れていきましょう!
【12星座別】天王星の意味
あなたのホロスコープでは、天王星はどの星座にありますか?
天体は必ずどこかの星座に位置し、占星術では 天王星星座と呼びます。
多くの天体が1つの星座に集中していることもあれば、バラバラに散らばっていることもあるでしょう。
10天体がどの星座にあり、天体同士の繋がり方を知ることで、ホロスコープはあなたの魂の計画を教えてくれます。
天体と星座の関係は、あなたの顕在意識と潜在意識の両方に影響し、その影響力を自覚できるかどうかは、天体によって異なります。
それでは、天王星星座の意味を見ていきましょう!
天王星 × 牡羊座
牡羊座天王星は、「新しさ」や「斬新さ」を象徴します。
「同じ土俵では対立を解決することはできない」と言いますね。
なぜなら「二項対立」とは、互いが変化や譲歩を拒否しているからです。
ですが「新たな選択肢」を選べたらどうでしょうか?
とはいえ、救世主が現れたり、魔法が使えるようなことはありえません。
そこで牡羊座天王星には、「パイオニアとしての行動力」が与えられています。
この講座で「これまでの歴史は否定されるべきではない」という主張があるのは、歴史は塗り替えられるからに他なりません。
牡羊座天王星が持つ意志や情熱は、勝負や利益の独占ではなく、「新しい生き方の創造」のために使われます。
現実的な面で言えば、独立や新しい働き方、組織の作り方によって、小さな波紋を作る人のエネルギーが生まれるでしょう。
「戦い」や「勝負」と一言で言っても、「支配」や「搾取」が関与しない場合、牡羊座天王星は正々堂々勝気な性格を発揮します。
それは自己主張や自己表現、コミュニケーションの仕方、交渉事にも表れ、「斬新なアイディアや価値観」が伝わりやすくなり、支持を得やすくなります。
物事にはタイミングが必要ですが、最も重要なことは、主体性や意志から生まれる可能性です。
牡羊座天王星は、欲しくないことや嫌いなこと、自分を縛ることには目をくれません。
「自分がどうしたいか」という欲求を大事にすることで、天王星のエネルギーは活性化します。
最初はつまずいても、意見が通らなくても、時を経てみれば、その間にエネルギーが溜まっている、ということはよくあることです。
牡羊座天王星は、経験を積むほどに可能性を見出し、ひたむきに純粋にその可能性を実現しようと動きます。
あなたの天王星のエネルギーは、自分の意志に素直であること、また現実を受け止めた上で、「自分には何ができるか?」を自身に問い続けることで発揮されていくことでしょう。
天王星 × 牡牛座
牡牛座天王星は、現在最も天王星の影響を受けている星回りです。
牡牛座天王星が持つ影響は、「物質的な豊かさ」や「お金」、「収入」、「所有」などの、「この世的な豊かさと価値観」に変化を与えます。
牡牛座は12星座の中で、最も物質に安心感や執着を感じやすい星座。
天王星が牡牛座にエネルギーを供給する時、そこには「豊かさである方法の変化」がもたらされます。
シンプルに言えば、自分が持つ「個性」や「こだわり」は簡単には満たされない、となります。
牡牛座天王星は、自らの感性や体感を満たすために、新しい技術や生活様式を求めるでしょう。
とはいえ牡牛座天王星が持つ欲求は、自らが自覚しないことには、大衆性に飲み込まれてしまいます。
そのため自分が何を求め、また何を生み出したいのかを突き詰めることで、牡牛座天王星は、変化を起こすことができるのです。
牡牛座天王星は「安定」と「変化」という相対する欲求が備わっていますので、葛藤を抱きやすいでしょう。
ですが時代が変わることを「体感」し、自らのペースで順応しようとする時、「与える」ことに大きな喜びを得られます。
「豊かさの循環」は、与えたものが返ってくるだけでなく、「自分が価値を感じるものを与える」ことで、喜びは倍加していくもの。
まずはあなたがどのような変化を恐れ、それが本当に好ましくないのかを考えてみてください。
それは同時に、「好きだったものが飽きる」瞬間かもしれません。
牡牛座天王星は、変化によって新しい豊かさがもたらされることをを知れることで、本来の個性が発揮され、周りにも循環させることができるので、心配はないのです。
天王星 × 双子座
双子座天王星は、現在の牡牛座天王星の影響の次にやって来る変化です。
双子座天王星は「自分を含めた関係性」に変化をもたらす星回り。
自分の意志や欲求に素直であることで、次に必要なことは、「他者」がどのように対応してくれるかを汲み取ることです。
双子座天王星は、「伝え方」や「教え方」といった伝達手段はもちろんのこと、メディアやテクノロジーをいち早く駆使し、情報を取り入れることを得意とします。
これまでも今も、そしてこれからも、情報が持つは絶大ですが、情報を活用する人の影響も無視することはできません。
インターネットには様々な情報が蓄積され、その情報量は無限に増えていく一方。
インターネットはいわば、「仮想現実」とも言える空間です。
双子座天王星は、「情報の時空間」に囚われることなく、「実生活」で役に立つ情報はもちろんのこと、自身や他者の体験に価値を見出します。
風の時代は、「情報」や「テクノロジー」を何のために使うのか?という時代でもあります。
双子座天王星は、これまでの私たちの意識を変化させるために、あらゆる選択を精査することに喜びを感じ、またその変化を広めることを楽しめるでしょう。
そして情報の元には、「情報を生み出す元」があり、情報の先には、「情報を活かした結果」があります。
双子座天王星は、利便性や真新しさだけでなく、「何が人の役に立つのか」ということに意識を向けてください。
それは自分だけの興味関心という枠には留まらず、他者への影響力、文明社会の発展への貢献につながるのですから。
天王星 × 蟹座
蟹座天王星は「心のつながり方や形」といった、「実生活と精神状態の在り方」に変化をもたらします。
蟹座は元々、「狭い範囲で交流したい」や「身近な人との関係性」といった欲求を持っている星座。
そこに天王星のエネルギーが供給されることで、「様式」や「形式」に囚われなくなります。
蟹座天王星は、「感情のつながり」が感じられることをクリアすれば、「距離」や「時間」といったことにこだわりを持ちません。
逆に「近くにいることでもたらされる不利益」が解消される、という事実を知り、実際に行動に移すことができるのが蟹座天王星と言えます。
「風の時代では感情はないがしろにされるのか?」という疑問が頭をもたげるかもしれません。
それは完全に誤解ですし、その必要はありません。
これまでの私たちの感情の扱い方は、「保護」が根っこにありました。
そのため目立たないようにしたり、自分にとって大切なことは隠したり、自分を守るために矢面に立つ、というような行動はすべて、心を守るためにあったのです。
蟹座天王星は、これまでの時代背景を汲み取り、個性やコミュニティが害されないために、テクノロジーを使い、距離と時間を有効活用しようとします。
私たちの個性が発揮されない1番の原因は、「自己不信」です。
蟹座は特に「心に傷」があることで、自身に機会や可能性を無下にし、他者からの攻撃を回避する方にエネルギーを使ってしまいます。
ですがこれからの時代、天王星のエネルギーを駆使し、家族や友人、恋人やパートナーシップ、職場やコミュニティとの関わり方は様変わりするでしょう。
今まで絶対とされていた価値観は緩み、感情の緊張は少しずつ解れていきます。
蟹座天王星が自身の意志を発するためには、「自分を活かすための環境づくり」に意識を向けることが大切です。
私たちの感情は、強靭な精神力を獲得するよりも、環境作りを整える方がよっぽど早く守られ、また活かされるのですから。
天王星 × 獅子座
獅子座天王星は、「個性を活かす人を増やす」ために、自らが立ち上がる力を持ちます。
獅子座は自身の意志や情熱を発揮することで、「同じ目的を持つものを集めること」や「他者への感化」などの結果をもたらすため、強い影響力を持つ星回りです。
これまでの競争社会は、「誰もが同じ方向に行く流れ」でした。
すべての組織や団体で「個の存在」が軽視されたり、利用されるとは言えませんが、母数が多いことで一旦始まった流れは止まることを知りません。
ですがこれからの時代は、「小さな団体やコミュニティ」が増え、「自分にぴったりの人」が見つけやすくなっていきます。
その分かりやすい「火の元」となるのが、獅子座天王星です。
自己主張をするだけでなく、むしろ「役割としての代表」という役回りを引き受けるため、協力者との意思疎通に精を出します。
その時に獅子座天王星が大切にすることは、「オリジナリティ」です。
奇抜さや斬新さだけがあっても、見栄えはいいですが、中身が伴わなければすぐに風化してしまいます。
獅子座天王星が言うところの「個性」とは、「言動そのものが意志の表れ」で、「分かりやすい」というところがポイントになるでしょう。
仕組みや表現方法を工夫しても、分かりにくかったり、伝わらなかったり、逆に手間が増えてしまっては、本末転倒です。
「シンプル・イズ・ベスト」という表現は、「他に比較対象が無い」という状況を含めて、着飾るものが無いのが1番、という意味になります。
水瓶座時代以降は、「他人を蹴落とす」という意識が薄れていく代わりに、「自分の個性は何か?」が強まり、またそれを認め合う時代になっていくでしょう。
ですから獅子座天王星が持つシンプル、且つ強い情熱は、「曇りのない」個性を発揮し、多くの人を感化していくのです。
獅子座天王星にとっての鍵は、「いかにシンプルに個性を発揮できるか」ということになりますね。
天王星 × 乙女座
乙女座天王星は、「自由さ」と「仕組み」を両立させようとする星回りです。
乙女座は本来、自分のテリトリーやルーティン、ルールを守ることを「当たり前」にする星座。
ですが目的と手段が入れ替わる時、そこには多くの労力や時間の消費が伴います。
それが分かっていても、なかなか変えることができない、という状況を、天王星が打開するのです。
私たちはどんなに自由を切望したとしても、土台となるものが無ければ、ただの夢物語になってしまいますし、「管理能力」が必要無くなることはありません。
乙女座天王星は、環境作りや仕組み作りに興味を持ち、また自身がその快適さや自由さを体験することで、従来の働き方や動き方を変えようとするでしょう。
天王星には「科学技術の進歩」という象意があり、乙女座には「医学」や「薬学」の象意があります。
私たち人間は、肉体という物質に、精神という非物質が融合している稀有な存在です。
時代が進むにつれ、どちらともを活かせるようになっていくでしょうが、まずは「目に見える形」で検証が必要になります。
そこで乙女座天王星は、科学と精神の相互作用、生き方と在り方の調整に注力して、これまでの「閉塞感」や「融通の利かなさ」を解消していくでしょう。
乙女座天王星に必要なことは、「最適化すべきことは何か?」ということを突き止め、実際に行動に移していくことです。
変化を起こそうと思った瞬間に、私たちの意志は既に生まれています。
無駄や余白があることが分かった時、そこには可能性に反転させることができるのですから。
天王星 × 天秤座
天秤座天王星は、「固定観念の脱却」や「関係性の刷新」がキーワードになります。
天秤座は「客観性」を重視し、評価されることに対する意識が強い星座です。
そのため自我意識や自己の欲求が蔑ろにされることがあり、天秤座本来の「バランス感覚」が外側の世界に偏ってしまいます。
ですから天秤座天王星は、「意志に従うこと」が鍵となるのです。
天秤座からの6星座は、他者や社会とのつながりが強くなり、自身の在り方に強い影響を取り込み変化していきます。
特に天秤座天王星は、「外の世界への意識を囚われ」を見つめ、自分の内面に意識を戻すことを強く切望する星回り。
「美しさ」や「人とのつながり」といったものに憧れを抱きやすく、それらを実現しようとする天秤座が行う「自己改革」は、一種の分離といえるでしょう。
私たちの人生は、幼少期の月の時代から、「外から価値を引っ張ってくる」ことで成長し、また次に必要な価値を求めるプロセスを辿っています。
ですが人生のどこかのタイミングで、「自分だけのもの」や「個性」という「お手本の無い価値」を欲するようになるものです。
天秤座天王星の内面に最も必要なことは、「自分の当たり前」や「自分の中の客観性」を外すことにあります。
そして本来の客観性は、「自我」や「他者」の視点では獲得することはできません。
どちらかに偏っていても、「ありのままの現実」は見えてこない、というカラクリが、二元性の世界を複雑にしています。
私たちにできることは、「偏りを無くすこと」から着手し、限界を超えることです。
客観性に意識が向いていたのなら、内面に注力し、内面に囚われているのなら、客観性を持つことで、「調和」が生まれます。
「調和」は天秤座が目指す理想。
ですが本来の調和とは、二元性を包む全体性であり、還元のことを意味しています。
そのため天秤座天王星は、内面に意識を向けながら、客観性を否定しないことで、「自己改革」が進んでいくのです。
天秤座天王星のあなたは、「自分だけの価値」を探しながら、他者に客観性を持って接してください。
肯定的な生き方・在り方は、敵を作りませんし、天秤がどちらかに傾き過ぎることもありません。
人との関わり合いに調和を持たせようとする意識こそが、あなたの内面の探究を促します。
天秤座天王星にとって焦りは禁物ですから、少しずつ「自分を認めることは美しい」ということを体験していってくださいね。
天王星 × 蠍座
蠍座天王星は、「執着に飲まれないこと」や「他者の意志を汲み取ること」が重要になります。
蠍座は「内省」や「深い関係性」、「再生」といった象意を持つ星座で、感情のふり幅が最も強い星座です。
蠍座天王星は、「感情」をどのように使うことで、自分と他者を「救う」のか、を考えるべき星回りといえます。
なぜなら蠍座の意識は、「意識の持ち方」次第で、自分も相手も追い詰めてしまうからです。
確かに感情は私たちにとって、「生きる原動力」ですが、感情に振り回されているうちは、
自らを感情で縛ってしまうことになります。
蠍座の強い欲求は、「必要とされたい」というもの以上に、「同化したい」という一見非現実的な願望。
この願望は、叶えようとすることは可能ですし、瞬間的に達成することは可能です。
ですが私たちの意識や感情は、常に次なる達成や完成を求めてしまうもの。
蠍座天王星は、「自己変容」をもっと広い視点で行うことを促します。
私たちはエゴを取り払うことも、感情を消すこともできません。
だからこそ蠍座は葛藤しますが、そのことが絶対的に嫌っているわけではなく、むしろその「融通の無さ」をバネにし、躍進する気質を持っています。
意識のベクトルが「内面」へ向くことや、他者と深い関係性の実現は素晴らしいことです。
ですが他者の意志や理想を無下にすることは、理に反していますし、そのことを認めているのも蠍座。
そのため「他者が心地良いこと」に意識を向けながら、自身の感情を伝えることが大切になります。
蠍座は「秘めること」を得意としますが、伝えないことには理解されることはありません。
蠍座天王星の力は、他者への理解が鍵となり、「自分を楽にすること」で、苦境や葛藤から解放されるでしょう。
天王星 × 射手座
射手座天王星は、「広い視野」や「自由な発想」が成長・進化の鍵となります。
射手座は冒険家でありながら、哲学者でもある星座。
行動力も知性も併せ持っている射手座は、自分自身の好奇心を満たしながら、「精神的に満たされるもの」を探します。
天王星のエネルギーが射手座に流れる時、それは内的世界と外側世界の接点を見つけようとするでしょう。
それは学問であったり、精神探究であったり、スポーツであったりと、キッカケは様々。
天王星は、射手座の探究心を刺激し、実のある体感を覚えさせようとします。
本来射手座は楽観的で、熱意もあり、行動力もあるため、限界や制限が無いように思われるでしょう。
ですが宇宙の真理を探究しているだけでは、単に「内と外の通路」を彷徨っているだけになります。
外の世界に答えはあるようで、ヒントだけしか存在しません。
あくまで外側の世界から得たものを、内面で解釈し、「答えになるもの」を完成させることが大切です。
ですから射手座にとっての制限は、「外の世界に答えがあるはず」という前提であったり、願望といえるでしょう。
残酷な言い方になりますが、外側の世界をくまなく冒険しても、誰も答えを与えてはくれないのです。
射手座天王星は、獲得した「自分のものではなかった」技術や知性、精神性を濾過し、内側で熟成させ、落とし込むこと鍵になります。
時間がかかることを楽しみ、腰を落ち着けた状態で世界を「哲学する」時、答えが無いことが喜びに変わるでしょう。
ハンターにとって、「獲物が無いこと」こそが、悲しみなのであり、私たちは生きている限り内面で答えを探し続けるのですから。
天王星 × 山羊座
山羊座天王星は、「自己改革」と「他者とのつながりの見つめ直し」がキーワードになります。
山羊座は元々「組織づくり」や「体系化」といった、積み上げることや仕組み作り、枠組みづくりが得意な星座です。
山羊座のルーラーは土星ですから、天王星は土星が築いたものにメスを入れるため、「相性が悪い」と思われるかもしれません。
ですがこの講座で何度もお伝えしているように、「歴史は無駄ではありません」し、新しい時代は常に、以前の流れを汲み取るものです。
ということは、山羊座天王星は「新しいシステムの構築」や「新しい関係性」を目指して動きます。
山羊座によって物質文明は完成されますが、内なる感情や、親しい人の関係性に及んだシワ寄せを解消することが、人生や時代の命運を分けるといえるでしょう。
とはいえ山羊座天王星は、「できあいのもの」や「一瞬でできること」に心惹かれることはありません。
あくまで「中身」があり、「多くの人のために役に立つもの」を実現することこそが、山羊座天王星の改革であり、意志です。
山羊座天王星は、これまでの歴史を認めた上で、時代的に何が必要になるのかを知り、実際に作り上げることに喜びを感じるでしょう。
その上で得られる他者との関係性は、利己的な欲望に留まることはありません。
「もっと世の中を善くしたい」という願望は、自動的に「必要とされる最善の自分になりたい」という願望を生みます。
ですから山羊座天王星は、「風通しの良い」関係性や仕組み作りを目指すことが大切になります。
そして「愛される自分」を実現し、憎まれ役から降りることを自身に許すことも大切。
天王星のエネルギーは、「自分が作った限界を打ち破る」時にこそ発揮され、山羊座の「頑なさ」や「不器用さ」という制限も外していくからです。
天王星 × 水瓶座
水瓶座天王星は、天王星のエネルギーが最も素直に発揮され、「個性」を打ち出す星回りです。
水瓶座は、「天才性の星座」や「ユニークさの星座」と呼ばれる風の星座。
「多様性」や「個人主義」という言葉が注目されるようになったのは、それほど昔の話ではありません。
時代の流れと、現実的な流れがマッチした時、水瓶座が意味する「多様な生き方」が知られ、同時多発的に発揮されていくようになります。
私たちの認識は、「認知すること」や「観測すること」によって、理解されるシステムになっています。
ですが「知らないことは存在しないことと同じ」という理屈は、知らない人の世界の内だけに通用することです。
「井の中の蛙」は外の世界を知りませんが、それ以上に、外の世界に存在するものに刺激されることにって生まれる「新しい可能性」に気づくことができません。
水瓶座天王星は、楽観性を通り越した「オープンさ」を持ち、どのような多様性でも問題なく対応します。
それは自身が独自の視点や感性を持ち、「世界はいかようにも存在できる」という事実を知っているからです。
かといってそれを他者に押しつけるわけでもないのが、水瓶座天王星が注目される魅力といえます。
水瓶座天王星は、「個性の源であること」を「当たり前」であることを大事にし、その姿を見て惹かれる人を快く受け入れるでしょう。
水瓶座天王星の「個性の発揮」は、「同じ志」という渦によって作られた仲間内で、強力な嵐を生み出し、ゆくゆくはその影響力を育てていきます。
誰もが影響力を持つことが許される社会。
それは個性や多様性が許され、「誰もが生きていれば天才」という優しく、柔軟な世界といえるでしょう。
水瓶座天王星にとって大切なことは、「排他的にならないこと」や「批判的にならないこと」です。
既存の社会への反抗心がある分、ニヒリズムが効き過ぎると、誤解されたり、身構えられてしまいますから。
トランスサタニアンの影響力が強いこの時代、相手を攻撃したり、批判することではなく、個性を発揮することに時間と労力をかけるべきなのです。
天王星 × 魚座
魚座天王星は、「一体感」や「連帯感」を広く伝えようと動く星回りです。
魚座が持つ「直観力」や「気づき」といったものは、現実世界から完全に切り離すことはできません。
なぜなら物質世界や現実の大元は、魂や精神といった非物質の世界の「働き」だからです。
私たちを生かす「働き」は、「神聖さ」や「心地良さ」といったものだけではありません。
この世に「必要悪」や「対立」、「悪感情」が存在していることが証拠といえます。
魚座天王星は、「聖なる力」や「幻想」といったものに懐疑的であるというよりは、「現実的な意識の変化」にエネルギーを注ごうとするでしょう。
「物質の世界」に生かされている私たちが持つべき意識は、「物質に執着しない」というだけであって、「物質を否定すること」ではありません。
魚座天王星は、目に見えないことを「事実」として捉え、またそれを「共有すること」に重きを置いています。
ですからテクノロジーを使って、五感に訴えかける働きを捉えることもまた、魚座天王星的な「表現方法」です。
魚座天王星の意志は、この世を破壊することではなく、人々の認知や認識を広げ、深めることに向かって働きます。
そのために必要なことは、「現実を心地良く生きること」と同時に、「見えない世界への理解を深めること」の両輪です。
「地に足がつかない」という印象さえも、個性と捉えることもできれば、「時代が追いついていない」という捉え方もできるでしょう。
ですが既に天王星は魚座を通過し、牡羊座、牡牛座へと移ってきました。
魚座は星座の執着地点であると同時に、始発地点でもあります。
天王星の変革が「無意識の世界」から意志、物質への意識と移り変わり、今度は双子座の「知性」へとその影響を与えていくのが今の時代です。
天王星の影響のプロセスがどれほど進もうと、魚座天王星が持つ「魂の世界」や「精神性の進化」も止まることはないでしょう。
ですから魚座天王星は、他者や社会との「集団的な意識のつながり」を広めながら、自身の精神の探究を進めていくことも自然なことです。
魚座天王星は、「誰もが還る場所」と「命が始まる場所」への理解をいち早く感知しているだけなのですから。
天王星の影響力
天王星だけでなく、トランスサタニアンの3天体は、「時代的」な影響を与えます。
天王星の場合、目に見える時代の大変革とリンクしていますので、天王星の影響をチェックしておくことは大切なことです。
私たち日本人にとって、天王星の影響を肌で感じた経験があります。
それは2011年3月11日の東日本大震災。
天王星は2011年3月10日に牡羊座にあり、次の日に牡牛座に移りました。
自然の摂理と人間の利害関係は、一致しないことが多く、自然災害は「災厄」として捉えられるのが一般的です。
天体の影響が最も出やすいのは、大まかに挙げますと、① 星座に入る時と、② 次の星座に移る時、③ 他の天体とアスペクトを取る時の3つ。
これらは社会的な変化が表れやすい時です。
私たち個人のレベルでの天王星の影響は、進行中の天王星と、ネイタルチャートの太陽や天王星、感受点ではアセンダント、MCとアスペクトを持つ時に出やすいとされています。
トランスサタニアンの影響は、あくまで「コントロールできない力」という捉え方であり、「人生や社会を根本的に変える」を生み出すエネルギーです。
公転周期が長いトランスサタニアンの3天体は、その影響が出る時期を比較的に絞りやすいのですが、詳しくはアスペクトの講座で解説させていただきますね!
天王星が支配する星座に、他の天体はある?
少しテクニカルなことになりますが、今のうちにと他の天体の絡みを覚えておくと、後でホロスコープを読む解きにラクになります。
天王星のナチュラルサインは水瓶座でしたね。
あなたのホロスコープでは、水瓶座に天体は入っているでしょうか?
水瓶座は風星座であり、魚座で完結する星座の成長のプロセスの「移行のための変化をもたらす星座」と表現することができます。
風とは、情報や思考、選択、自己表現などを意味し、水瓶座は風星座の最終段階。
水瓶座に天体が入ることで、その天体は水瓶座的な働きをし、これからの時代を生きるために大いに活躍することでしょう。
占星術では、星座に天体があることで、その天体の働きが顕著に表れることから、その星座に着目します。
天体のエネルギーはあくまで、「星座を通して発揮される」ことを覚えておいてくださいね!
チャートルーラーとしての天王星
まずホロスコープで重要視されるのは、① 星座、② 天体、③ ハウスです。
ハウスについては天体別の解説後に解説していきますが、今回は天王星の解説ですので、チャートルーラーとしての天王星について少し触れておきますね。
チャートルーラーとは、アセンダントの星座の支配星のことを指します。
アセンダントとは、「東の地平線」で、星が上昇していく地点です。
ホロスコープでは、アセンダントが生まれ持った性格や性質を表すため、重要視されます。
そのアセンダントに位置する星座の支配星が、チャートルーラーとなり、ホロスコープで影響力の強い天体と考えられるのです。
以下に、チャートルーラーの一覧を挙げておきますね。
- アセンダントが牡羊座:チャートルーラーは、火星
- アセンダントが牡牛座:チャートルーラーは、金星
- アセンダントが双子座:チャートルーラーは、水星
- アセンダントが蟹座:チャートルーラーは、月
- アセンダントが獅子座:チャートルーラーは、太陽
- アセンダントが乙女座:チャートルーラーは、水星
- アセンダントが天秤座:チャートルーラーは、金星
- アセンダントが蠍座:チャートルーラーは、冥王星と火星
- アセンダントが射手座:チャートルーラーは、木星
- アセンダントが山羊座:チャートルーラーは、土星
- アセンダントが水瓶座:チャートルーラーは、天王星
- アセンダントが魚座:チャートルーラーは、海王星 (と木星)
天王星が支配する水瓶座がアセンダントにある場合、あなたのチャートルーラーは天王星になります。
意外と意識をしていない!ということもありますので、是非チェックしておいてくださいね!
天王星とハウス
ハウスについての解説は、ハウス別の講座で行いますが、軽く天王星が入るハウスについても触れておきます。
10天体すべては、あなたの心・魂・意識の要素です。
ハウスは、あなたの人生や時間の流れ、成長段階のテーマを表します。
天王星が入るハウスに着目することで「突発的な変化」や「斬新なアイディア」、「人生に大変化をもたらす選択」を知ることができるでしょう。
特定の天体が位置するハウスは、天体のエネルギーが供給され、人生を通して特に意識されるでしょう。
それに伴って起こる出来事や、乗り越えるべき癖やパターン、困難があるかもしれません。
特に天王星は「突発的な出来事」や「変革」を意味しますので、ハウスに天王星があることで、そのテーマを変化させることで、あなたの人生は深みを増していきます。
ですから大切なことは、「どのような変化も意味があって起こる」ということ。
時間をかけてでも、現実や人生、大変化を受け止めていきましょう。
土星までの天体と違って、トランスサタニアンの3天体は、私たちの人生の晩年から死後の年齢領域に対応しています。
土星までの6天体によって作られたシステムは、トランスサタニアンによって「改革」・「改変」されることで、時代は移り変わっていくのでしょう。
星座は「生き方」を表し、ハウスは「人生のテーマ」を意味します。
天王星とハウスの関係を掘り下げることで、天王星が位置するハウスを中心に、あなたの人生に大変化が起こす要素が用意されている、という風に捉えてください。
ハウスに関する詳細は、後の講座で詳しく解説しますので、楽しみにしていてくださいね!
天王星が位置する星座の度数
ホロスコープは12分割して、12つの星座とハウスが配分されているということは、これまでの講座でお伝えしましたね。
また360度の円を12分割し、それぞれの星座には更に30度の部屋があり、あなたの天王星が位置する度数によって、「あなたの天王星」の特徴が分かります。
ちなみに1つの星座の度数は、0度~29.99度の間で、30度は次の星座の0度となります。
また1つの星座は、1~9度、10~19度、20~29度の3つの区分けで考えられます。
違う考え方として、5度毎にグループ分けをして、更に細分化する解説もあります。
物事は細分化することで、より深く、また明確に特徴を掴むことができますが、最初のうちは3グループに分けるところから始めてみましょう!
サビアンシンボル
サビアンシンボルとは、星座の度数の1つひとつに、意味やメッセージがあるというものです。
サビアンシンボルについては、また後の講座で解説していきますが、あなたの天王星が位置する星座の度数をまずチェックしてください。
そして、天王星の度数に+1度足したサビアンシンボルのメッセージを読んだり、その度数のサビアンシンボルの解説の中からビビッと来た言葉や表現を選びましょう。
サビアンシンボルに限らず、天体が位置する度数の前後1度、合計3度を合わせて見ると「流れ」が掴みやすくなります。
サビアンシンボルは、度数自体に関するメッセージですから、あなたの天王星と、天王星が位置する星座とハウスと絡めると、より多くの情報や閃きが沸いて来るはずです。
とはいえ、現代占星術ではホロスコープリーディングの際に活用されますから、10天体のサビアンシンボルだけでもチェックしておいてくださいね!
天王星はあなたにショックを与える星!
今回はトランスサタニアン天体の1つである、天王星について解説させていただきました。
天王星は私たちに、この世は常に「循環のための変化」が起こっていることを教えてくれます。
私たちの日常は決して「小さな出来事の繰り返し」ではありません。
人生や歴史という視点や、文明や宇宙のサイクルという観点から見れば、今日1日も確かに歴史なのです。
同じことを繰り返し、山積みになっていくだけでは進歩がありません。
「人生に無駄なことは起こらない」ということは、ただ起こった現実を認め、そこから学び、変化を起こす一連の流れを指しています。
天王星は土星までの文明を否定するわけでも、ただ破壊するわけでもない、ということをご理解いただけたでしょうか?
私たちは確かに変化を嫌う生き物です。
ですがそれは「不可能」を意味するわけではなく、むしろ「痛み」や「軋み」といったものを伴って成長した先に、「見えなかった世界」が見えるということでもあります。
天王星は私たちに大きな規模でショックを与えるため、その衝撃を受け止め、慣れるには時間がかかるでしょう。
宇宙は私たちに、太陽系というシステムの中で成長・進化することを望んでいます。
それは段階的に進み、終わることのない学び。
そして大きな転換期には、私たちがこれまで体験したことのない「衝撃」がもたらされることは、至って自然なことなのです。
言葉や概念上では何とでも言えますが、ただどのような時代が訪れても、私たちは今日1日を大切に生きるしかありません。
その「大切に生きる方法」は、決して他人や社会が強要するものではなく、あくまで協調できるところは譲歩して、自分の意志を発動させることが肝となります。
天王星を発揮するということは、自分自身と現実に素直になること。
それは自分自身を大切にし、また挑戦し、変化を自ら起こしていく姿勢なのです。
それは周りの人との関わり方にも、現実や時代を受け止めることにもつながります。
天王星のエネルギーは特定の時期の影響だけでなく、人生や時代をかけて体感し、受け入れていくものだと捉えてくださいね。
このまま残りのトランスサタニアンの2天体も深く知っていきましょう!
それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次の天体別・海王星の講座でお会いしましょう!
コメント