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伝統占星術における天体の働きとエレメント(元素)とは?

伝統占星術における天体の働きとエレメント(元素)とは?

「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!


前回は、伝統占星術におけるハウスの重要性についてお伝えさせていただきました。

本講座のタイトルは、「深楽しい西洋占星術」としていますが、

現代占星術では語られない、古典占星術・伝統占星術・正統占星術のエッセンスを盛り込むことで、

占星術への理解がより高まるよう講座内容を設計しています。


*以後、伝統占星術という言葉で統一させていただきます。*

前回の講座では、伝統占星術は星座よりもハウスを重要視し、

また伝統占星術は、天体とハウスの組み合わせによる象意が明確であることをお伝えしました。

これまでの講座では、非物質的な側面にフォーカスを当ててきましたが、

伝統占星術の教えに触れることで、より実感や確証を得やすい内容になり、

占星術がより実践的に使えるようになるのではないかと思います。

今回の講座の内容は、天体とエレメントの原則やルールについてです。

伝統占星術は、ハッキリとしたルールや定義があるため、迷わずに学べるという利点がありますが、複雑・多彩なルールや解釈に困惑や戸惑いを覚えることもあるかもしれません。

また本講座では、神話的な要素を除き、フラットに占星術に触れられるようにデザインしてきましたが、その方針は今後も変わりません。

伝統占星術は、スピリチュアリズムと距離を取っている側面がありますので、本講座と親和性が高いといえるかもしれません。

風の時代を迎えたからといって、伝統的・古典的な概念が不要となるわけではありませんので、「温故知新」のスタンスで、今まで知らなかった占星術のエッセンスを吸収してくだされば幸いです。

それでは、今回も是非最後までお付き合いください!

伝統占星術における天体(惑星)の定義

まずはじめに、伝統占星術における天体の扱いについてです。

  • 月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星の7天体のみを取り扱う
  • 惑星とルーラーシップにこだわる
  • 天王星・海王星・冥王星、リリス、小惑星、バーテックスなどは取り扱わない(重要視しない)

    *トランスサタニアンや小惑星に注意を払う時は、特定の天体や重要な感受点の約1度以内にある場合に限られる*
  • すべての(7つの)天体は、個人を表す

    *天体の年齢領域や働きの規模・範囲などにより、特定の天体が一切働かない期間などは存在しない*
  • アスペクトよりも、天体とハウスの組み合わせや、天体のルーラーシップによりが重要視される

伝統占星術では、天体は階層を持つと考えられています。

宇宙探査や宇宙ステーションが存在しなかった時代、人類に出来たことは、地上から天空を見上げ、観測することだけでした。

占星術が誕生してから現代に至るまで、ホロスコープは天動説に則っているように思われても仕方ない部分があります。

ですが実際のところは、地球や太陽、月だけでなく、太陽系のシステムがすべて運行し、「全方位」に可能性があることを教えるものが、占星術であり、ホロスコープです。

ただ留意すべき点は、あらゆるものは必然的なバランスを取り合う関係にあり、その関係性によって枠組みや役割が明確に配分されている、ということです。

そしてジオセントリック占星術は、地球を他の天体からの影響を受ける器(肉体)として考え、月~土星の7つの層に覆われていると考えます。

それが太陽よりも遠い天体(惑星)が強い影響力を持つ、という概念の始まりです。

天体が持つ要素

占星術では、天体は3つの要素から構成されるとし、それが天体の記号に表されています。

  1. 心:【)・(】
  2. 魂:【〇】
  3. 物質:【+】

こういった知識を講座の最初に持ってきてしまうと、とっつきにくくなってしまうため、伝統占星術の教えとともに触れさせていただきます。

月【☽】

月は、2つの「)」が組み合わさっている天体です。

月のシンボルマークである三日月は、満月に向かって満ちていく物質的な月と、舞瞬移りゆく心の精神的な月を表しています。

三日月は、新月と上弦の月の間、月齢(月相)3の状態を指しますが、「物事の成就」や「幸運」といった概念を持つシンボルです。

物質性と精神性の2つの心が積み重なることで何ができるのか?ということですが、それは太陽が象徴する魂「〇」です。

ただ月は、心のようにコロコロと表情を変えることを象徴するため、満ち欠けを繰り返しながら、永遠の刹那を体験させる人類の性を伝える天体といえるでしょう。

*月は、心のナチュラルルーラーと呼ばれます。*

水星【☿】

水星は、心「)」・魂「〇」・物質「+」のすべての要素を持ち合わせる天体です。

物質性を土台に、魂があり、2つの心が乗っている水星は、3つの要素がそれぞれ持つ力と働きを理解・表現しようとする思考や動きを表現しています。

太陽と月、金星は火星、木星と土星はセットで考えられますが、水星だけは中立的な働きと象徴を持ちます。

伝統占星術では、水星は他の星に成り代わることができる特性を持つ、とされています。

その反面、「自分が無い」という側面もあるようです。

それは知識や情報を吸収し、感化・影響されることで、受け身・受容的になり過ぎ、他者依存や思考停止の傾向に陥ることを暗示しています。

水星は、吉星でも凶星でもない中立的な星ですが、逆に外部からの影響や自身の在り方1つで、吉星にも凶星にもなれる、という側面を持つのです。

太陽と月以外のすべて(7つ)の天体は逆行しますが、最も頻繁に逆行をする天体は水星で、その数年間に3度順行と逆行を繰り返します。

逆行は、「見せかけの天体の動き」ですが、観測できる(される)物の動きは、単なる錯覚ではなく、事象の流れや作用と呼応し、水星は個人の判断や決定と、世の中の流れに対して、「最善のための停滞」を教える天体です。

占星術では、太陽と月が非常に重要ですが、水星ほど自由で、且つ、柔軟な働きを見せる天体は無く、3つの要素を兼ね備えている面を踏まえても、物質世界を生きる上で、水星は「幸運を手繰り寄せる天体」といえるでしょう。

金星【♀】

金星の記号は、魂「〇」と物質「+」がセットとなり、魂が優位となって、物質を支配している構図を表します。

金星は火星とセットで考えられると、対極性が理解しやすい天体です。

金星と火星は、心「)」を持ちません。

心とは、個人の心や感情の動きであり、個人の真理を意味します。

また金星が象徴とする「感性」や「感受性」と、「心」や「感情」、「情緒」は似ているように思われますが、実際は違うものです。

心は現実や外部刺激に対する純粋な反応や、本能的な欲求で、言葉による明確な表現ができない個人的なもの。

一方で、感性や感受性といったものは、対外的に表現されるものを指します。

それは客観的な評価や印象といったように、普遍的な価値基準が絡み、個人の所有や心とは距離があるものといえるでしょう。

金星が持つ象意は、魂と物質があまりにかけ離れ、心を介さずに、両極を繋ぎ合わせようとすると無理が出る、という意味合いがあるのです。

伝統占星術では、そういった金星と火星の働きは「持続しづらい」としています。

そこに善悪の判断や基準はありませんが、事実として、持続しようという欲求が湧きづらい、ということです。

金星は「吉星(ベネフィック)」と定義されますが、木星よりもその作用は小さいとされます。

その作用の差は、規模にありますが、金星は受容性を象徴し、個人の快楽や楽しみを追求させるため、広がりが無いためです。

ただ個人間の密接な関りにおいて、金星は想定以上の喜びをもたらすことは間違いありません。

太陽【☉】

太陽は、「天国」や「永遠性」、「霊魂」の象徴とされます。

円環「〇」は、完結や循環、全体性を表しますので、太陽が象徴とする上記の象意は、私たちという生命(存在)の本質を具現化したものといえるでしょう。

〇の中に点が打たれている太陽の記号は、全体性や完全性の中に個人が存在していることを表すとともに、真実を求める種として、私たちが生かされていることも表されています。

大宇宙と私たちは、相似的な関係性を持ちます。

その関係性は、「上なる如く、下もまた然り」という真理に基づいています。

地球の外に、私たち以外の生命体が存在しているのか否かが重要なのではなく、私たちという地球人が、大宇宙に対して占星術という概念を生み出し、活用することで、大宇宙からの影響や働きを表現している、ということが重要です。

その重要性は、私たちの人生は、霊魂や精神世界より始まり、一時的に物質世界を体験し、再度非物質世界に還っていくという動かぬ真理に終始します。

太陽は、一切中心点がズレないわけではありませんが、太陽系の中心点として、あらゆる生命にエネルギーを与える存在です。

太陽は自然界の働きの象徴であるとともに、魂が示す道しるべを歩む個人の使命と生命の輝きを象徴します。

*太陽は、魂のナチュラルルーラーとされます。*

本講座では、太陽を「本質」とすると同時に、「育てていく星」と定義しています。

魂は物質的ではないため、私たちは魂が望む人生を再現・体現するために一生を費やしますが、人生のどの場面や瞬間を切り取っても、私たちが生きる証は、いつも輝いているはずなのです。

全体性や完全性の中で生きているからこそ、私たちは常に希望を持ち、且つ、安心感を持ちながら、あらゆる困難や受難と対峙し、その度に自分自身を知り、世界を知っていける存在であることを、本講座を通してお伝えしたいと思っています。

火星【♂】

火星は、金星とセットで考えるべき天体です。

火星のシンボルマークは、矢を射る形であり、男性性という外面的な働きの象徴で、目的や対象に向かうエネルギーのベクトルを象徴します。

物質的・外見的な資質に限っていえば、火星のマークは男性の生殖器を形どったものといえますが、火星の働きは男性のみに作用するわけではありません。

火星のシンボルマークは、元々金星のマークと同様、魂「〇」に物質「+」が乗る形だった、という説があります。

金星とは正反対に、魂が物質で支配している状態を持つ火星のシンボルマークは、「力による支配」を象徴しています。

そのため火星の主な象意には、攻撃性や衝動性などがあり、そこには争いと自己の欲望・欲求が関連付けられるのです。

また火星は、「信念」を象徴する天体でもあります。

ただその信念は、金星の項でお伝えしたように、持続的ではないため、一過性・衝動性によるものである場合が多く、絶対的な信念や価値観、意志を意味するわけではありません。

そして火星は、土星と同様に「凶星(マレフィック)」とみなされます。

火星は、土星ほどの強制力や拘束力は持たない代わりに、不完全で、不安定な影響力をもたらします。

これは、状況の改善や好転のチャンスや余地があることを示しますので、火星の働きに対して過剰な恐怖心を抱く必要はありません。

ただ火星は、過度に主体性を重んじるが故に、対立構造を生んだり、勝ち負けの状況や条件を呼び込みやすい天体といえます。

木星【♃】

木星のシンボルマークは、少し分かりにくいですが、心「)」を上に、物質「+」が下に位置し、「心が物質を支配している状態」を表します。

木星と土星はセットで考えるべき天体です。

木星には「善意」という象意がありますから、「心や道徳、倫理にしたがって物質を利用する」という意味合いが込められています。

木星は、幸運の星・「吉星(ベネフィック)」と呼ばれる天体です。

木星は12年をかけて12星座を巡り、太陽の一回りの成長を振り返させると同時に、未来に対して肯定的な展望を与える天体でもあります。

また木星には「拡大」や「拡張」といった象意があり、「存在感を感じさせ、誰もが認める物」に関連するとされます。

そういった働きは、高度な学問や信仰、研究などに紐づけられ、「教え」を広めるという意味では、教師や指導者も木星が司る役割です。

木星が象徴する「恵み」や「恩恵」は、広く行き渡ることを望む、宇宙の意志と呼応する大きな流れとなって、私たちの生活と人生に影響を与えます。

世代的・歴史的な価値観はさておきとし、私たちの幸せや喜びは、必ず自分自身を土台に築かれます。

「コップの水」理論ではないですが、私たちが自分以外の他者に施しを与えられる状態であることが、人助けや他者貢献の前提となります。

コップから溢れるほどの水にある時だけに手を差し伸べる、という意味ではありませんが、私たちは誰もが自分自身の人生を生きています。

木星は、自分自身を活かし、他者を活かすために向上心を高め続け、自分を満たしてから他者を満たすことで、私たちの善意は長期的・持続的に広がっていくことを教える天体です。

土星【♄】

土星は、木星とセットで考えるべき天体です。

土星のシンボルマークは、物質「+」が上に、心「)」が上にあります。

土星は「物質主義」や「権利主義」のみを象徴するわけではありませんが、肉体という物質性をまとっている身としては、物質的な恩恵を得て生きていることには変わりありません。

金銭や所有を無しに、人類の歴史は築かれることはありませんでしたし、現在でも同様です。

物質世界において、私たちは欲求に突き動かされ、また他者から誘導される場面が無数にあります。

また私たちはどのように育てられ、どのような価値観を与えられたかで、立ち振る舞いや生き方、人格が形成されますが、私たちの人生にもたらされる困難や受難は、土星が示し、長期的な忍耐を要求します。

土星は火星と違い、大変強い強制力・拘束力を持ちますので、一時しのぎや見て見ぬふりを許しません。

ですから土星は「最凶(マレフィック)」と見なされ、恐れられ、敬遠される天体とされてきました。

伝統占星術では、土星は「物質と非物質の境界線」という位置づけがされる天体です。

伝統占星術の世界観は、土星が太陽系を統治する、とされてきました。

現代占星術では、その働きや象徴は冥王星に置き換わり、また水瓶座の支配星や11ハウスに関連する天体は天王星に置き換わっています。

繰り返しになりますが、伝統占星術では、トランスサタニアンは余程のことがない場合以外に扱いません。

このことを時代や歴史、精神性の違い、と判断することもできますが、実際に、「明確な枠」や「揺るぎないルール」としてホロスコープを検証する際に、実際的・現実的な視座を与えてくれる、と考えることもできます。

属性の細分化

伝統占星術では、天体にも属性があるとしています。

その属性は、単なる四元素のエレメントではありません。

天体の属性に触れる前に、まず星座(サイン)が持つエレメント(元素)についての説明が必要になります。

占星術では、「火地風水」のエレメント(元素)によってこの世が成り立っていると定義します。

これまでの講座で説明してきたように、12星座は4つのエレメントに分けられます(四区分)。

  1. 火星座:牡羊座・獅子座・射手座
  2. 地星座:牡牛座・乙女座・山羊座
  3. 風星座:双子座・天秤座・水瓶座
  4. 水星座:蟹 座・蠍 座・魚 座

これらの四区分は更に細分化することができます。

ホロスコープを2分割しますと、南半球は光に照らされる領域を、北半球は陰に潜る領域に分かれます。

太陽は熱を発し、月は熱を冷ますように、あらゆるものは対極的な作用によって成り立っています。

エレメント(属性)は、以下2つの複合的な作用によって成り立ちます。

  • 寒熱=Hot&Cold
  • 乾湿=Dry&Moist

そこで、四大エレメントを細分化しますと、以下のようになります。

  1. 火のエレメント(元素)=Hot&Dry
  2. 地のエレメント(元素)=Cold&Dry
  3. 風のエレメント(元素)=Hot&Moist
  4. 水のエレメント(元素)=Cold&Moist

火のエレメント(元素)は、上昇するエネルギーを象徴します。

また火は、水が沸騰することで、蒸気になりますので、炎が揺れるように、拡散する働きを持ちます。

地のエレメント(元素)は、冷やされることで脆くなる働きを持ちます。

またあらゆるものは水分を失うと、結合できなくなりますので、バラバラにならないために、絶えず水分や湿気を必要とします。

これを現実的な作用や活動に当てはめますと、行動を絶えず行うことで、変化が起こり、持続的・発展的な流れが起こる、ということです。

風のエレメント(属性)は、熱によって結合する働きを持ちます。

身体機能は、必要最低限の温度(体温)を必要とし、様々な細胞の働きは熱によって促されますし、人間関係においても、熱意(熱気)によって他者を感化し、冷静さ(湿気)によって、論理性や客観性が高まり、円滑なコミュニケーションを図ることができます。

水のエレメント(元素)は、冷まされることで結合する働きを持ちます。

冷たさと湿気による結合は、浸透性と粘着性を持ちますが、イメージとしては拡散された水蒸気が冷やされ水滴になる、という流動性と固着性を併せ持つのです。

この働きは、共感や同情などの、心理的・精神的な交流・コミュニケーションに多く見られ、表面だけでなく、内的にも大きな変化と影響を与えることを意味します。

寒熱乾湿を成り立たせる核とエーテルの働き

四大エレメント(元素)が成り立つためには、寒熱乾湿の作用(働き)だけでは不十分です。

寒さと乾き・湿り気、熱と渇き・湿り気を取り持つ要素(接着剤)と、その働きを可能にする大元の働き(核)によって、これらの働きは結合(融合)を果たします。

少し神秘学的な話になりますが、核を「第一質料・プリマ・マテリア」、接着剤をエーテルやプネウマと呼びます。

火地風水の四大エレメント(元素)と寒熱乾湿の働きや作用は、私たちが取り扱うことができるものですが、核や接着剤を意図的に扱うことはできません。

私たち人間は、自然界の物を人工的に生成することはできるものの、丸っきり同じ天然のものを生み出すことはできないのと同じです。

原理的には、核は、単体では新たな変化や創造を起こすことはできませんが、元素的な働き(寒熱乾湿)に作用し、接着剤によってエレメント(元素)を作り出す、という流れです。

このような概念は、神秘性や精神性に訴えかける側面がありますが、実際のところ私たちは何の働きによって生命活動を許されているのか、という命題に対する答えを見出すことができていません。

また私たちは、肺以外の内臓を意図的に、または自在に動かすことができないことから、私たちは多くのことに関して主導権を持っていないことが分かります。

占星術は、天文学的な側面とともに、神秘学や霊性な側面の両面にアプローチし、長い歴史によって培われた検証と考察により、実際的・実利的な理解と解釈を与えてくれる学問です。

占星術を単なる「占い」とするか、学問から転用された占いの源泉とするか、は受け手次第ですが、占星術を自己分析や自己理解、自己肯定に留まらず、世界をありのままに捉えるための高度な智慧とすることによって、人生観が深まることは確かです。

天体が持つ属性

前回の講座で、伝統占星術は天体自体にオーヴを設ける、という内容をお伝えしました。

四大エレメントの成り立ちを説明した上で、天体が持つ属性だけでなく、伝統占星術における天体が持つ原理的な働きをご紹介します。

  • 約27.3日でホロスコープを一周する
  • イングレスの期間=約2.5日
  • 逆行はしない
  • 属性:Cold&Moist
  • 夜の天体
  • 女性天体
  • 【オーヴ】12度
  • 【対応する身体部位】頭・肺・末梢神経・男性の左目・女性の右眼

月は、多くのものを表しますが、その根本には、「柔らかく、水っぽいもの」という気質があります。

心の動きはもちろん、国の規模では国民、子供、心の移り変わりという意味における大衆性や人気、成長の早いものなど、様々です。

伝統占星術では、月は太陽との角度によって、力の強弱が異なるとされています。

月が太陽によって力を得る角度は、120度(トライン)の時に限定されるようです。

また新月を過ぎた月齢(月相)の月が、太陽と120度の角度になる状態が、月が最も良い状態と考えられます。

そして月は、「ボイド」が強く作用する天体です。

ボイドとは、「空白」を意味する言葉ですが、占星術におけるボイドは、天体が他の天体と一切のアスペクト(関係性・繋がり)を持たない状態を指します。

他の天体もボイドの期間はあるのですが、月のように頻繁ではなく、その作用が明確に影響するわけではないため、ボイドは月に限定して適用されることが多いです。

ボイドの期間・タイミングでは、重大な決断や選択をしないことが重要である、とされます。

その理由は、ボイドタイム中に始めたことや決心したことは、上手く進まないとされるからです。

これを言い換えますと、ボイドタイムは「現状維持が望ましい」ということになります。

魂の器である月が宙ぶらりんの状態の時に、新たな変化を起こそうとしても力が入らないため、少し時間を空けることが推奨されます。

ボイドタイムは時期に終わり、すぐに他の天体とのアスペクトを持つようになるため、占星術を日常的に活用される方でしたら、新月や満月のタイミングや、天体の逆行期間と同じように、ボイドタイムをメモされるといいかもしれません。

水星

  • 約88日でホロスコープを一周する
  • イングレスの期間(星座の運行期間)=約19日
  • 【逆行】1年に3回・期間:約19~24日間
  • 属性:Cold&Dry
  • 昼夜無し
  • 基本的に男性天体
  • 【オーヴ】7度
  • 【対応する身体部位】頭・肺・末梢神経

水星は、中立的な立場を持つ天体であるため、男性天体とアスペクトを持つ時や、男性星座の星座(サイン)に位置する時は、男性格の性質を発揮し、またその逆の場合もあります。

また水星は、太陽との位置関係によって、昼夜の性質も異なるとされます。

月と太陽以外の5つの天体は逆行をし、水星は最も逆行の回数が多い天体です。

水星が持つ中立的な立場は、言い換えれば「染まりやすい」「どっちつかず」という立ち位置になります。

この性質は、月の満ち欠けを想起させますが、月はCold&Moistのエレメント(元素)の組み合わせであるのに対し、水星はCold&Dryの組み合わせで、月よりも粘着性が無く、むしろ通気性に富んでいます。

水星が、風星座である双子座と地星座である乙女座の異なるエレメント(元素)を支配する理由が、今回ご紹介したエレメントの細分化によって分かりましたね。

月は形そのものを変えるのに対し、水星は、性質を変化させるという意味合いや、複製するという意味合いを持ちます。

これは初等教育や仕事における、吸収(インプット)や表現、貢献(アウトプット)において見られる性質といえるでしょう。

占星術において、水星は言葉を操り、言葉という情報によって思考し、外部環境(他者や世界)と意思疎通を図る上で、知性や頭脳を象徴します。

ですが注意すべき点は、外部環境や状況によって、一貫性を貫けるかどうかは、本人や状況次第となる、ということです。

人間という生き物は、「見たいものを見る」ように生き、脳もまたそのように機能しているため、人はそれぞれの世界(現実)を生きています。

そのため「共通認識」や「共通概念」を持ちながらも、過剰に他者や外部環境に左右されないように、人は知らないうちに影響を受けていることを自覚することが重要です。

その傾向はホロスコープにおいて、水星の状態に表されますので、天体の強弱を知ることが先決といえます。

金星

  • 約224.5日でホロスコープを一周する
  • イングレスの期間(星座の運行期間)=約25日
  • 【逆行】1.6年に1回・期間:約43日間
  • 属性:Cold&Moist
  • 夜の天体
  • 女性天体
  • 【オーヴ】7度
  • 【対応する身体部位】泌尿器・喉・女性器

金星は、現代占星術と同様に、伝統占星術においても、「美」や「喜び(楽しみ)」を象徴する星と定義されます。

私たちの脳は、現象を快と不快を二分し、不快感やリスクを出来る限り避けるように働いていますが、快楽や娯楽を追求し過ぎると破滅の道を歩むことになるのは言うまでもありません。

食習慣であれ、趣味であれ、人間関係(パートナーシップ)であれ、自制と自律が失われた心は野生でしかなく、心許ない結果を引き起こしかねないからです。

金星は、「明けの明星」や「宵の明星」と呼ばれ、夜明け前と日没後に最も輝きを放つ星であり、その輝きは、地球からでも肉眼で捉えることができます。

面白いことに、新月の夜の金星は、太陽に取って代わる輝きを示すことから、悪魔的な側面を持つとされ、「甘い誘惑」に注意すべきであることを、身をもって知らしめる(体験させる)側面があります。

金星は吉星(ベネフィック)ですが、木星が大吉星であることに比べると、金星は小吉星と位置づけられます。

金星は水の属性(Cold&Moist)が強く、月よりも更に水気を含むものを表すとされ、心、すなわち「純粋性」に訴えかける物事に敏感に反応する性質を持ちます。

それらは衣食住や職業、娯楽、ペットに反映され、人生をデザインするという意味合いで、金星は個人の趣味嗜好に分かりやすく影響を与える天体といえるでしょう。

太陽

  • 365日でホロスコープを一周する
  • イングレスの期間(星座の運行期間)=約30日
  • 逆行はしない
  • 属性:Hot&Dry
  • 昼の天体
  • 男性天体
  • 【オーヴ】15度
  • 【対応する身体部位】眼(男性は右眼・女性は左眼)・頭・脳・心臓・中枢神経

太陽は、太陽系の中枢を担う天体で、どの文化においても「王様」の立場(役割)を与えられる天体です。

太陽はスピードを変えず、毎日星座の度数を約1度ずつすすみ、毎年同じ日に姿を表す一貫性の働きを持つため、「意志」の象徴として捉えられます。

太陽と月は逆行しない天体であるため、太陽は王、月は女王の座に君臨するに相応しいのです。

太陽は熱を与え、月は熱を冷ます対極的な関係性を持ちますが、太陽は近づく者(天体)に焼けどをさせる一方で、月は他の天体からの影響を一身に受ける受容的な役回りを担っています。

伝統占星術では、太陽に近づき過ぎる天体は、コンバストの状態となり、本来の力を発揮することができなくなる、としています。

コンバストとは、「燃え尽きる」という意味の単語ですが、他の天体がコンバストの状態になるためには条件があります。

まず他の天体が、太陽と8.5度以内でのコンジャンクション(合)であることが前提です。

少し込み入った話になりますが、太陽が自身が獅子座に位置する時(定座)や、牡羊座に位置する時(イグザルテーション)の状態などでは、太陽は他の天体をコンバストの状態にすることはないとされます。

太陽が最も力を持つ状態にある時、危機回避のための攻撃性を発揮する必要がないからです。

そして「カジミ」と呼ばれる、太陽とコンジャンクション(合)する他の天体が、太陽と17分以内(1度以下)にある時、その天体は太陽と同じ椅子に座っているということになり、通常以上の力を発揮するといわれます。

台風の目(中心)と、嵐が吹き荒れる外側では風景や影響に差があるように、太陽の支配力と影響力は、条件によって差が出るのです。

天体の位置は、半球やハウスを含め、個人を表す要素を指し示すため、太陽の位置や状態は非常に重要です。

太陽はあらゆる生命に、あまねくエネルギーを与える存在であり、あなたの中の太陽が何に対してエネルギーを与え、何に対して意志を燃やし、何に対する役割を担うよう働くか、ということをホロスコープから読み取ってください。

*アスペクトやディグニティについては、後の講座で詳しく解説させていただきます。*

火星

  • 約687日(約1.8年)でホロスコープを一周する
  • イングレスの期間(星座の運行期間)=約43日
  • 【逆行】2.1年に1回・期間:約80日間
  • 属性:Hot&Dry
  • 夜の天体
  • 男性天体
  • 【オーヴ】8度
  • 【対応する身体部位】左耳・胆嚢・流血・男性器

火星は、短時間でエネルギーに変わるものを象徴し、瞬発性や衝動性を表すとともに、その際に発揮される集中力と行動力を司る天体です。

火星は、土星とともに苦痛や望ましくない作用を与える凶星(マレフィック)と見なされますが、作用自体に良し悪しはありません。

火星がもたらす攻撃性や変化は、刃物のように喩えられるとともに、芳しくない状況を断ち切る力も同時に兼ね備えています。

火星は熱っぽさと渇きを兼ね備えた天体であるため、「分解」「中和」などの作用によって、不和を解消させるよう働きます。

火星が「行動量の星」と呼ばれ、また現実に変化を起こすとされる所以は、これら2つの作用によって引き起こされるといえます。

身体と心は一心同体ですが、現実的なアプローチとして、肉体改善や運動が精神の状態を改善させるように、火星の作用を肯定的に捉え、状況に合わせて判断や行動を変えることで、火星が持つ凶暴性ともいえる力は、幾らかコントロールすることができるでしょう。

先ほど火星は刃物に喩えられる、と書きましたが、刃物を扱う者が作法やマナーを心得ていれば、素晴らしい調理を提供することができます。

火星は痛みをもって、体験的な自信をもたらす天体ですから、自分自身を深く知る上で、周囲の反応や意見を取り入れることで、思考と行動パターンを自覚することができ、望ましい結果(目標)に向かって内在する力を発揮することが重要です。

木星

  • 約11.9年でホロスコープを一周する
  • イングレスの期間(星座の運行期間)=約1年
  • 【逆行】1.1年に1回・期間:約120日間
  • 属性:Hot&Moist
  • 昼の天体
  • 男性天体
  • 【オーヴ】9度
  • 【対応する身体部位】肺・肝臓・軟骨・血液・精子

木星は「拡大」や「大きなもの」を象徴する天体です。

そこには若年の指導や、真理の伝道なども含まれます。

その根本には、木星がHot&Moistの性質を兼ね備え、「恵みの雨」のように自然界の恩恵をもたらす働きがあります。

また木星は、私たちの人生における実質的な財産を象徴します。

金星は「美」や「喜び(楽しみ)」を象徴しますが、それらはお金や豊かな暮らし、贅沢とイコールではありません。

金星が内的・個人的な喜びを表す一方で、木星は、普遍的な需要と欲求を表す物質的な豊かさを表します。

木星は全方位に拡大・拡張をもたらしますので、物質的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさを追求することも促しますので、木星の影響力がある象意(ハウス)において、私たちはそれぞれの状況に合わせて恩恵が与えられるはずです。

木星は、土星と対比される天体ですが、それは吉星(ベネフィック)と凶星(マレフィック)の対極だけでなく、天体の働きとして、土星は収縮や固定の作用がある一方で、木星は拡張や柔軟性の働きを持ちます。

それらの違いは、土星の拘束力や強制力、束縛や制限と、土星の寛容さや朗らかさ、楽観性や善意性といった対比としても捉えられます。

木星は成長と繁栄を司る天体であるため、肉体的・精神的な成長とともに、子孫繁栄にも関与し、「湿り気を持った熱」(意志と心)が世代を超えて受け継がれていくと考えることができるでしょう。

木星は見境なく規模や範囲を広げる傾向があり、その前提となる動機は、純粋で、誠実さにありますので、土星と合わせて、自己探求や真理探究、成長・発展の可能性を図ることが重要です。

大風呂敷を広げた結果、何も得られないという結果は、骨折り損のくたびれ儲けでしかありません。

善意や誠実さを実らせるためには、際限の無い冒険だけではなく、計画性とともに、実地的な経験が必要不可欠だからです。

土星

  • 約29.5年でホロスコープを一周する
  • イングレスの期間(星座の運行期間)=約2.4年
  • 【逆行】1年に1回・期間:約140日間
  • 属性:Cold&Dry
  • 昼の天体
  • 男性天体
  • 【オーヴ】9度
  • 【対応する身体部位】右耳・骨・歯・脾臓・膀胱・皮膚

伝統占星術において、土星は太陽から最も離れた、肉眼で確認できる天体です。

太陽から離れた天体ほど、太陽のエネルギー(熱)が届きづらい(量が少ない)ことがポイントとなります。

*トランスサタニアンや四大小惑星などを採用しないため、土星が太陽系の監督者の立場を担います。*

土星が持つ瑞々しさは、渇きによって発散され、その働きは、「断ち切る作用」として発揮されます。

土星は、火星とともに凶星(マレフィック)であり、孤独や悲しみといった陰の側面を体験させる天体と定義され、またその作用は長期的なものや、克服することが無い場合、同じ経験が繰り返し引き起こされることを暗示します。

土星は7天体の中で最も公転周期が長いため、「古いもの・重いもの・固いもの」を象徴します。

土星は、月とともに時間と死を司る天体です。

現代占星術では、海王星と冥王星が死後の世界や冥界を司りますが、伝統占星術において、土星が物質世界と精神世界の境界の門番の役割を担っています。

土星の象意に、「枠組み」や「構造」、「檻」などが挙げられる理由は、この「境界」の役割にあるのです。

土星が対応する身体部位は、骨格や骨の他に、皮膚が挙げられます。

皮膚は身体を覆い、あらゆる外的な刺激をブロックします。

土星が持つ制限や枠組み、仕組みなどの働きや象意は、自他を分ける境界の働きと、自己を守る保守的な働きのためです。

その働きは非常に強力であるため、保護的に働く一方で、束縛的・拘束的な側面があるため、土星が位置するハウスは大変重要といえます。

特に土星がアングルに近い場合や、土星の山羊座と水瓶座に位置する時、土星が持つ影響力は強まります(エッセンシャル・ディグニティ)

土星は、時間をかけること、また時間がかかる長期的な営みを象徴します。

土星の影響力に対して、私たちが考え、行動すべきことは、「今できることを積み重ねること」であり、無暗に恐怖や不安を抱き、足元をグラつかせ、狼狽することではありません。

土星はこの世の豊かさ(恩恵)を成就させるために、試練や苦難を与えますが、そういった現実や現象は、私たちが憎いからではなく、体験こそが最も尊い財産となり、その経験値と財産によって、更なる豊かさと喜びを実現させることができるからです。

土星がもたらす影響にたじろいでばかりいると、土星が持つ「腐敗」だけが進んでしまいますので、土星は最後にはご褒美を与えてくれることを念頭に、肯定的に土星を捉えることが重要といえるでしょう。

伝統占星術における天体の働きは現実的である

今回は、伝統占星術で定義される天体の働きと、その働きの根拠となる要素を解説させていただきました。

おさらいになりますが、7つの天体は、寒熱と乾湿から1つずつ特性が組み合わされ、それらの特性の組み合わせが、天体の働きと作用を決定づけます。

今回の内容で、現代占星術では見られない要素が見受けられたのではないでしょうか?

伝統占星術では、天体は社会に対するルーラーシップを持ち、それはアブー・マシャールと呼ばれる概念があります。

  1.  月:変化・旅行
  2. 水星:測量・文書
  3. 金星:慣習・結婚
  4. 太陽:支配
  5. 火星:破壊・戦争
  6. 木星:法律
  7. 土星:宗教・王朝

これらは天体の社会的視点で、上位の天体は長期的な発展と、新しい時代を開く出来事を意味するといわれます。

太陽を中心に、月・水星・金星、土星・木星・火星が二分されていることが分かります。

天体が持つ原理的な働きが、個人の人生に働きかけると同時に、社会に対する内的な欲求としても繁栄され、集合的無意識の視点から、時代の流れや世代間の歴史を形作る土台となり得る視点といえるでしょう。

トランスサタニアンを除外した伝統占星術の概念は、実際的な社会や現実の構造が明確に示されていることが分かります。

*現代占星術やトラスサタニアンの存在・働きを否定しているわけではなく、伝統占星術には活用できる価値があることをお伝えしています。*

私たちはたった今、グレート・ミューテーションにより、風の時代の入口を前にしている段階です。

これまでの土の時代は、土星が築いてきた世界の統治と繁栄によって成り立ってきました。

「温故知新」の意識を持ち、新時代の流れを受け入れるためには、私たちは確固たる意志を持つ必要があります。

その意志は、情報が錯乱し、面と向かって本音を聞き合う関係性が失われた現代において、再度地道に自己分析を行うとともに、心が通じ合う者との絆によって、客観性と柔軟性を持つことで生まれていきます。

今回の講座で、土のエレメント(属性)は、Cold&Dryによって成り立つことが分かりましたが、風のエレメント(属性)を発揮していくためには、冷静さと瑞々しさを保ち、現実に直面し続ける現実的な観点が重要となるでしょう。

私たちはどこまでいっても物質的な恩恵の上で生かされています。

占星術は、自然の摂理を教えてくれるとともに、大宇宙の意志が私たち個人に託され、その意図がホロスコープに表わされていることを教えてくれます。

次回は、伝統占星術における天体の性質と星座(サイン)の定義について解説させていただきます。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

それでは、次回の講座でお会いしましょう!

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