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日食と月食を徹底解説!太陽と月の生まれ変わりとは?!

日食と月食を徹底解説!太陽と月の生まれ変わりとは?!

「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!

いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

今回の記事では、「日食」と「月食」について解説させていただきます。

また、今回の記事から、月に関するカテゴリーを設け、
占星術の根幹を担う月への理解を深める記事を続々執筆していく予定です。

2024年03月25日の天秤座満月は部分月食(半影月食)だったので、
日食と月食について部分的に解説させていただきましたが、
もう少し、太陽と月、地球の関係性と、ノード軸と月の満ち欠けについて解説させていただこうと思います。

と言いますのも、2024年04月09日に牡羊座新月を迎えますが、
この新月は皆既日食でもありますので、大変パワフルな新月(日食)ですので、
2024年の春分図と併せて重要な流れ・影響といえますし、
現在進行形で天体の運行の影響を体感がしながら、
ホロスコープ・リーディングの理解に役立ち、
自然の摂理・リズムと併せて、自己実現・現実創造に役立てていただけると感じました。

牡羊座新月の記事も執筆予定ですので、楽しみにしてくださいね!

日食と月食とは何か?

日食や月食を簡単に表現するなら、
毎月巡ってくる新月と満月の影響力をスケールアップしたものです。

宇宙を1つの球体(天球)とし、地球を中心とした時、
太陽の軌道(黄道)と月の軌道(白道)があり、2つの軌道が交わる場所が2つあります。

この2つの交点付近で新月が起これば日食、満月が起これば月食が起こります

新月と満月、日食と月食も、地球から見た際の現象であり、
ジオ・セントリック占星術におけるホロスコープにおける解釈では、
地球にエネルギーが注がれる、という主体的、且つ、受容的な影響の受け取り方を意味します。

日食は、地球から見て、太陽が月の影によって隠されることから、
「太陽(生命力の象徴)が生まれ変わる」とし、

月食は、地球の影によって月が隠れることから、
「月(欲望の象徴)が切り替わる」と定義することができます。

太陽は「本質」や「未来」、「目的意識」や「生命力」を表し、
月は「受容」や「過去」、「不変性・普遍性」と「移り変わり」、そして、「大衆性」を表します。

太陽が象徴する、目的意識や意志、活力となる物事は人によって異なりますが、
月が象徴する、感情や情動のパターン、過去(幼少期)に獲得したあらゆる原体験と、
その体験によって形成された価値観、トラウマ、コンプレックスなどの仕組みは、
誰の心・無意識にも共通しています。

そのため、私たちは「共感」や「共振」、「同調」や「共鳴」し、
異なる人格・自我意識を持った者同士で関係性を持ちながらも、
いくらかの共通する認識や同調できる部分を持つことで、心の交流を計ることができます。

そういったパターンや構造は、心理学やマーケティングなどで大いに活用され、
大衆意識と購買行動、カウンセリングや自己理解などに役立っています。

これらを更に内面的・精神的に突き詰めたものが、占星術です。

日食が月食よりもパワフルだとされるのは、太陽が生まれ変わることで、
「死と再生」により、新しい流れや方向転換が現象化するからではないかと考えられています。

太陽と月は比べようがありませんが、対比関係を例えますと、
エネルギーの供給面から言えば、太陽が生産者・提供者であれば、月は消費者・受給者です。

新月は、【太陽・月・地球】の並びで、月が太陽の光を反射しない時で、
暦としては、月に光が蓄えられていない、真っ新な状態を示します。


満月は、【太陽・地球・月】の並びで起こり、
月が反射する太陽の光(光量)が最大となる時
で、
暦としては、新月~新月のサイクルの中間地点のタイミングを示します。

日食は、「日蝕」とも書き、太陽が食べられる(食われる)様子から、
不吉な現象の兆しや、王族や国家の権力の失墜を想起されたりと、
古代では忌み嫌われ、自然界や神々に貢物をしたり、儀式をすることで、不運を回避しようとした歴史がありました。

なぜなら、太陽は太陽系の主(長)であり、生命エネルギーの源ですから、
太陽が陰ることで、根源的な恐怖心が生まれるからです。

対して、月は、女神や母性の他、死や喪失、欠損といった様々な要素を象徴します。

太陽系では、太陽のみが恒星で、その他の天体はすべて太陽の光を受けとります。

言い方を変えれば、地球も月のように太陽の光を反射するのです。

そして、「月が食われる」と書く月食は、満月であり、
太陽と月が地球を挟んで一直線に並ぶ時、
太陽の光によって地球は月側に影を作ります。

地球の影によって月が隠れる現象を月食と呼び、
月が地球の影に隠れる部分の違いによって、月食の度合いが変わります。

日食と月食の影響とは?

占星術では、地球を現場として、
月と太陽によって「変化」と「時間」を生じさせ
水星と金星が太陽に近い内惑星、火星以降の天体が外惑星として存在し、
様々な現象化を起こしながら、創造活動を進めていく
、と考えます。

日食と月食は、太陽・月・地球の三位一体の関係の中で起こり、
月の満ち欠けによって、「変化のプロセス」「サイクル」が可視化(現象化)されるとともに、
内面にも影響をもたらします。

先ほども書きましたように、地球は現象が起こる現場です。

太陽を中心点とする太陽系は、天の川銀河の端に位置し、
その中で、太陽系は宇宙の中心とされているブラックホールの回転(スピン)に呼応して、
宇宙は進んでいる(循環の輪を辿っている)と考えられています。

大きな回転の中に、中くらいの回転があり、その中に小さな回転がある、
というマトリョーシカのような構造で、宇宙空間は拡大を続けています。

月は時間を司り、月の満ち欠けによって、時間の移り変わりを示します。

また、月は、内面の世界における不変性や、過去、無意識を象徴し、
そして、死を象徴します。

太陽は生命力を司り、地球に光を届けることで、事象という「変化」を起こします。

変化が起こると、時間による前後が生じ、過去と未来という幅が生じます。

太陽から発せられた光は、地球に届くまでに、約8分19秒かかる、と言われています。

地球から日食や月食が観測される時、
未来(太陽)からのエネルギーが過去(地球)に注がれる、という見方をすれば、
「変化を定められた今」をどのように生きるか、という現象と潜在的な働きの2つの側面から、
私たちは現実(世界)との向き直ることを促されます。

新月は、月の満ち欠けのスタートですから、日食は「始まりのエネルギー」を表します。

そのエネルギーを受けて、時間差を経て、私たちは内面的に変容しながら、
各々の人生(現実)に対する現象化と自己実現に手を付ける、という運びになります。

また、満月は、新月から始まったサイクルのピークの地点ですから、
月食は「喪失のエネルギー」を象徴します。

その喪失は、「内在化し、定着したパターンの解放」と表現することができます。

つまり、月(心)が生まれ変わり、
現実に対する振る舞いを変える機会を得る
、ということです。

本講座では、月は私たちの人生の始まりと日常、そして終わりのすべての時間に関わり、
特に、深層心理や個人の無意識の領域を司り、
その中には、表層的な感情や深層的なトラウマやコンプレックス、闇などが内包されるため、
複合的な役割・働きを持つ、としています。

月が位置するハウスとサインは、「何も持たずに生まれた者(私たち)」が、
生まれることの恐怖と喜び、生きることの恐怖と喜び、
そして、死に行くことの恐怖と喜び(安心)という相反する意識が根付きます。

月食は、地球の影によって隠される月を意味しますので、
生まれる際に植え付けられた(与えられた)闇や恐怖、不安とともに、
安心や喜び、安らぎの両側面という、自分だけの価値観を解放し、
自分を縛る囚われの意識を手放す働き
があるといえるでしょう。

日食と月食には、2種類ある

日食と月食は、昇交点 or 降交点付近で起こります。

ということは、昇交点(ドラゴンヘッド)付近で起こる日食と月食があれば、
降交点(ドラゴンテイル)付近で起こる日食と月食もある、ということです。

日食は、日食に近づくにつれて、地球から見た時に、太陽が月によって欠けて(食われて)いき、そ
の後、太陽が元の姿を取り戻すことから、「生まれ変わり」を意味します。

何が生まれ変わるのかについては、規模によって変わりますが、
ノード軸を伴った新月・満月は、「人生の目的」や「人生の方向性」に影響を与えます。


個人に対する影響としては、「これからの生き方」という意味で、
意識的・主体的に選択・決断をする意欲が高まり、
現状を変えようとするエネルギーを生み出すことで、周波数や意識レベルが変わり、
日食前とは別人のような意識を手に入れる、という表現ができます。

対して、月食は、月食に近づくにつれて、地球によって月が欠けて(食われて)いき、
その後、元の月の姿に戻ることから、
内在化した意識のデトックスや刷新が促され、
生活習慣や体質の変化、世間に向ける眼差しが変わり、
「今をどのように過ごすか」という自己対話における変容が訪れる、といえます。

太陽は外向性と未来性を象徴し、月は内面性と過去生を象徴し、
地球は人類(私たち)が「今」を体感し、また、「変化」を体験し、
そして、人類(私たち)の意識が集合する場所です。

日食と月食は、ドラゴンヘッド側で起これば、
現象化や意識化、未来性についての変化・変容が促され、
逆に、ドラゴンテイル側で起これば、
内面性や普遍性、自分自身の現状とそれを構成・維持する要素について考え直す機会となります。

つまるところ、太陽は「未来」という意識(現状)の外を表し、
月は「過去」という意識(現状)の中を表します。

そのため、日食と月食がノード軸のどちら側に起こるかで、
私たちは外面の世界における現象化と、
内面の世界における調和の確保に対する意識のベクトルが変わる、
ということになります。

ドラゴンヘッド(昇交点)とドラゴンテイル(降交点)が意味するものとは?

ノード軸は、太陽の軌道である黄道と、月の軌道である白道が交わる2つの交点です。

その交点から月が昇っていく場所を昇交点(ドラゴンヘッド)と言い、
逆に、月が降っていく地点を降交点(ドラゴンテイル)と呼びます。

*2024.04.09.牡羊座新月・皆既日食のホロスコープ*

占星術上では、月の巡りや満ち欠けは、感情や情動のみを表すのではなく、
「時間」と「時の経過」を表します。

ドラゴンヘッドは、別名、ノース・ノード(North Node)と呼ばれ、
ドラゴンテイルは、別名、サウス・ノード(South Node)と呼ばれます。

ノードは「節点」や「交点」を意味する用語で、
ホロスコープに当てはめるなら、「方向転換する際」という表現が相応しいかもしれません。

2つの感受点を月が上昇・下降することで、
意識やエネルギーの方向性が変わるからです。

北へ向かっていく月は、未来へ向かう意識、
南へ向かっていく月は過去に対する意識を示すのです。

  • ドラゴンヘッド・昇交点・ノース・ノード
    :人生の行くべき方向
    :未来、未来の自分
    :社会と結び付く自分の在りたい姿
  • ドラゴンテイル・昇交点・サウス・ノード
    :前進を阻む意識・無意識、感情・情動、環境、エネルギー
    :過去、過去の自分像、過去に形成され、固定化した意識・無意識
    :個人の枠に留まり、また、その枠を守ろうとする意識・無意識

ノード軸は、12サインを縦断する形でホロスコープ上を回ります。

太陽の周りを回る(公転する)地球に対して、月は地球の衛星として軌道を持つことで、

ノード軸が発生しています。

  • ノード軸は、約19年を1サイクルとし、1つのサインを約1年半かけて運行する
  • ノード軸は、順行と逆行を頻繁に繰り返しながら進む
  • ノード軸には、真位置(トゥルー値)と平均値(ミーン)の2つがあり、
    どちらを採用するかでサインの度数が変わる

    ⇒ ノード軸をどちらの値にするかは、感受点リリスにも影響する
  • ノード軸とコンジャンクションとなる天体やアスペクトを形成する天体によって、
    ドラゴンヘッドとドラゴンテイルのエネルギーが変わる
  • ノード軸が位置するサインとハウス、サインルーラーとの関係性、アングルとの位置関係・アスペクトが重要となる

ネイタルチャートよって、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルが逆行している場合もあるようです。

天体が反時計回り(左回り)に回るのに対し、ノード軸はホロスコープ上を、時計回り(右回り)に回ります。

ノード軸が逆行している時に、天体の運行の向きと同じになるわけですが、
特にネイタルチャートにおいて、ノード軸が逆行している場合は、
ドラゴンヘッドのサインやハウス、そして、方向性・意識を過剰に追い求めたり、
ドラゴンテイルのサインやハウス、そして、執着や過去の出来事に対する記憶や感情を押しとどめると、
逆に苦しくなる、と思われます。

人が持つ生きる目標や夢が違うように、人生の展開するスピードも異なります。

前向きな人が全体性に貢献していることも、
後ろ向きな人が全体性に貢献していることも等価値であり、
すべての人が常に全速力で前進する、ということはあり得ません。

私たちは、目の前の出来事や事象に身構え、
過去の経験・記憶から対処すべき方法を引き出して、予測を立てたり、
逆に、過去の出来事を再現するかのように考え、そして、そのような行動に出ます。

そういった場合、私たちが内面で無意識に作動している現実への解釈は、
「きっと〇〇のはずだ」や「〇〇になったらどうしよう」という反射的なマインドの場合が多いです。

人生は、また、世界は、常に最善の方向に向かっています。

これは単なる綺麗事ではなく、様々な要素やシナリオが折り重なり、
非常にスローなペースで進んでいるため、
渦中で四苦八苦している私たちには到底受け入れられない事実です。

ノード軸は、こういった事実と内的真理の矛盾を二極に分けて解釈する際に活用しますと、
「深刻になり過ぎている意識や事柄」という意味で、
ドラゴンヘッドは「生き急ぐことで今をぞんざいに扱うエネルギー」になり得ますし、
ドラゴンテイルは「古き良きを妄信し、今を否定するエネルギー」になり得ます。

これらを反転させることは、今というこの時間と場所において可能な現実創造です。

ドラゴンヘッドとドラゴンテイル付近で起こる日食と月食は、
前向きと後ろ向き、という直線的な視野ではなく、
立体的な人生観や視座で、現状と人生に対するヴィジョンやイメージ、そしてセルフイメージの刷新を促します。

太陽の軌道である黄道と、月の軌道である白道は、2つの地点で重なります。

その地点を、占星術では昇交点(ドラゴンヘッド)と降交点(ドラゴンテイル)と呼びます。

ドラゴンヘッドとドラゴンテイルは常に対となっていて、2つ合わせてノード軸と呼ばれ、
天体とは逆の方向で、ホロスコープ上を時計回り(右回り)に回ります。

ドラゴンヘッドは、黄道と白道の交点を月が昇る地点で、
ドラゴンテイルは、逆に月が黄道と白道の交点を降りる地点です。

ドラゴンヘッドとドラゴンテイルは、
天体や実際に観測できる場所ではなく、感受点・仮想ポイントです。

感受点であるノード軸は、天体が軌道上を動くのではなく、
軌道に定められた「座標」のような地点(交点)で、
ホロスコープを二分するように線を引き、サインを巡ります。

ドラゴンヘッドとドラゴンテイルの吉凶・働き

伝統占星術(古典占星術)では、
ドラゴンヘッドは、天体で言えば、ベネフィック(吉星)、
ドラゴンテイルは、マレフィック(凶星)と考えられていました。

インド占星術では、どちらも凶意を持つ感受点とされています。

一般的には、ベネフィック天体は、金星と木星のみ、
マレフィック天体は、火星と土星のみと考えられています。

占星術におけるベネフィックとマレフィックの分類は、以下の通りです。

  • ベネフィック天体:太陽・月・金星・木星
  • マレフィック天体:火星・土星・天王星・海王星・冥王星
  • 水星はどちらにも転化し得る

特徴としては、ベネフィック天体に太陽と月があり、
マレフィック天体には、現象化に関わる外惑星とトランスサタニアンが分類されている点です。

ただ、ベネフィック天体であっても、
時と場合、状況、天体の品格 / 品位、人生の一時的な流れによって、
マレフィック天体のような振る舞いをする時があります。

そのケースに最も当てはまる天体は、月です。

金星と木星も、快楽主義や楽天主義が過剰になった場合には、
収拾がつかないことになりかねませんが、
月(心)を満たすことも、守ることもできず、
外部からの影響に対して無防備で、野ざらしになり続け、
被支配的な意識が強力に働き、創造性の発露が塞がれてしまった場合には、
月はマレフィック天体のように、「破滅」や「喪失」に対する衝動が強まります

ドラゴンヘッドは、どちらかと言えば、ベネフィックの分類に入り、
ドラゴンテイルはマレフィックの分類に入るとされています。

「過去はダメ、未来が素晴らしい」ということではなく、
人生が始まったのなら、成長・変容を経て、「最善の自分を更新し続ける」という意味で、
現状維持ではなく、変化・変容を選択し、
人生のシナリオを体験していくことが、魂の設定した人生脚本だと考えらえています。

こうした概念・価値観も、1つの視点ではありますが、
逆に、誰かの現状や過去、はたまた、未来をも否定してしまう可能性がありますので、
絶対的な指標とは言えませんが、宇宙や太陽系でさえも、日々、舞瞬、進み続けています。

ドラゴンヘッドは、「本質に還る」という意味と、
「自己実現を成就する」という意味のダブルミーニングで、
人生の方向性や挑戦すべき事柄・テーマを表します。

ドラゴンテイルは、「原点」や「故郷」、「過去」や「同じパターン」という意味があり、
自分の家やルーツ、過去から築いてきた価値観などの、
親しみのある環境や間隔を表し、現状維持や休養を選ばせるものの、
時に、成長や変容を阻む意識・エネルギーとしても捉えられます。

月と地球の関係、月の役割と働き

地球に住まう私たちにとって、
月は、①時間の経過、②重力の発生、③太陽光の反射などの役割を果たすことで、
太陽系システムの中で、地球が生命体が生存・繁栄することを促しています。

月がどのような経過を経て、現在の位置で地球の衛星となったのか、
という根本的な理由は明確にはなっていませんが、
事実として、月が存在しなければ、
地球は現在のように生命が住まう環境にはなっていないことは確かです。

太陽系に限らず、広大な宇宙の中で、地球が稀有な存在たらしめている理由は、
地球上に豊富な水があることと、水が循環していることです。

月が心や感情、気分、といった内面性に影響を与えるのは、
電気エネルギーが水を媒介するからであり、
地球上の生物に多分の水分が通っているからです。

月が心と水、無意識と集合的無意識という流動的な働きと時間に関与していることで、
私たちは、物質世界の根底の原理である二元性に意識と無意識を合わせざるを得なくなっています。



原理には、善悪が存在する余地は無く、
「あるがままの世界」を成立させるにために存在する働きでしかありません。

月と地球は互いを引っ張り合うことで、現在の位置関係が保たれていますが、
非常にゆっくりなペース(速さ)ではありますが、
月と地球は互いを遠ざけている側面もあります。

月の満ち欠けは、今日という日が永遠に巡って来ないことや、
誰のホロスコープも唯一無二の天体の配置であることや、
月のサインが「変わらない世界観」や「守るべき闇」といった内面性を象徴し、
私たちが人生を歩む上で、月とドラゴンテイルは不変性を表し、
太陽とドラゴンヘッドは未来性(変異性)を表します。

月が潜在的に示すことは、「満たされるべき要素」です。

見方を変えれば、「自分を癒す要素」でもあります。

出産の際に、赤ちゃんは「バース・トラウマ(Birth Trauma)」を経験すると言われています。

実際に、へその緒で首が締まったり、逆子(逆児)の状態で出産を経験することで、
苦しい記憶を保持する場合もあるようです。

年齢の差はあれど、何かを生み出すためには、変化が必要となります。

月の世界は「変わる必要が無い状態」であり、「恐怖を感じない、安らぎの象徴」です。

「形を得て人間になる」ということは、
「物質的な存在となる」ということであり、
「有限性(寿命)を持つ」ということでもあります。

そのため、月は本質的に「死への恐怖」「死への回帰」という意識を備えています。

この意識は、普段は無意識の領域に留まっていますが、外的な刺激によって、
瞬時に(顕在)意識にまで上り、感情や情動を生み出します。

月の働きは、顕在意識が、無意識や集団的無意識、超意識に内包されていることを示します。



また、月は「安らぎ」を求めていますので、月サインが持つ性質を活用しながら、
無意識の状態を健やかに保つことが重要です。

「人は無意識に支配されている」という言葉は、
「私たちが月に支配されている」という意味にも変換できますが、
本質的には、月を満たすことで、安心の感情を得ながら、
「変化」を受け入れることで、太陽(未来性)を実現していく

という表現が適切かと思われます。

太陽は、あまねく光を届ける存在で、
地球上に変化を生じさせるエネルギーをもたらしますが、
月は、過去や闇という「自分を成り立たせる要素」を補完する働きによって、
変化に対する防衛反応を起こし、私たちを過度な危険と変化から守っています。

ノード軸は、太陽と月、光と闇、変化と不変という極性が交わり、
循環するサイクルの中で、心(月)の中で形成された自我意識が、
外面世界を観測し、どのように自分自身を変容させていくかの道標になります。

ホロスコープ上に引かれるノード軸は、
常に「自分自身を見つめる意識」であり、
「他者を通して自分自身と向き合う心」であり、
他者に対しても、同じ原理が働いていることを示すのです。

日食と月食が起こる条件

日食と月食は起こる条件は、新月と満月が、昇交点と降交点の近くで起こる時です。

  • 日食は、【太陽・月・地球】の位置関係で並ぶ新月の時、
    昇交点か降交点のいずれかに18.50度以内の位置で起こる
  • 月食は、【太陽・地球・月】の位置関係で並ぶ満月の時、
    昇交点か降交点のいずれかに12.25度以内の位置で起こる
  • 日食と月食は、季節に限定されない
  • 日食と月食は年に2~3回起こる
  • 日食・月食のどちらかが1回多い場合がある

新月と日食、満月と月食が起こる時は、上記に挙げた条件を満たす時ですが、
月のサインと昇交点・降交点のサインが異なる場合があります。

サインの終盤の度数で新月・満月が起こっても、
月が次のサインの初期度数に位置する場合があるからです。

日食と月食の種類

日食と月食は、太陽と月とノード軸の距離によって起こります。

そのため、日食は18.50度以内、月食は12.50度以内の範囲に、
太陽と月がどれほど近いかによって、日食と月食の「食(影)」の部分の大きさが変わります。

  • 皆既日食( Total Solar Eclipse)
    :月が地球に近い場合、月の本影は地球に届き、
     本影が当たる場所で皆既日食、半影が当たる場所では部分食が観測される
  • 金環日食(Annular Solar Eclipse)
    :月が地球に遠い場合、月の本影は地球にまで届かず、
     本影の延長線上の場所では金環食、半影が当たる場所では部分食が観測される
  • 部分日食(Partial Solar Eclipse)
    :月の本影が南北のいずれかにズレて、半影しか地球に届かない場合、
     部分食のみが観測される


太陽は、月の400倍の大きさであり、太陽が月から400倍の遠くの位置にあることで、
金環日食と皆既日食の両方が観測される
、と言われています。

これは意図的に仕組まれた、とも言えますし、
それこそが、神秘性(神)の働きだ、とも捉えることができます。

太陽が月に食われる様子は、
見方を変えますと、国家が大衆によって生まれ変わる、
もしくは、普遍的な心や欲望が、理想を実現させるために
破壊と再生を経て生まれ変わる、という表現をすることができます。

絶対的な存在・象徴である太陽が陰る時、
大きな変容を起こすエネルギーが天から地上に降り注ぐ、
と考えられてきたのが日食です。

日食は一時的な現象ではありますが、
単なる肉眼で見える変化の過程ではなく、
必ず「前と後」のエネルギー・意識の変化が起こり、
それがタイムラグを経て、私たちの日常や社会で起こる影響となっていきます。

  • 半影月食(Penumbral Lunar Eclipse)
    :月が地球の半影に入ることで、半影月食が観測される
  • 部分月食(Partial Lunar Eclipse)
    :月が地球の本影に入ることで、部分月蝕が観測される
  • 皆既月食(Total Lunar Eclipse)
    :月全体が地球の本影に入ることで、皆既日食が観測される


太陽系を照らす太陽は、
そのシステムに存在しているあらゆる天体に光を届けて、
その光を受け取っている天体は、光を受け取った時点で、影を作ります。

月食は、月に地球の影が届くことで、月に地球の影が覆い被さる状態を指します。

そのため、占星術上の解釈では、
月が欠けることで、内在化し、固定化した常識や価値観、習慣などが、
地球の影という事象に対する意識によって炙り出され、
デトックスや解放、刷新の必要性を感じる
、という見方がされます。

月食は、日食ほどの影響が無いと言われますが、
月ほど身近な心境や感覚をもたらす天体はありませんので、
潜在的に抱えていた問題、
もしくは、問題だと捉えていた意識を形成する要素に光を当て、
まるで「心を洗い流す」かのように、日常を整える意識が強まるタイミングや流れが、
月食によって自覚されるのではないかと思われます。

日食・月食が影響力を持つ期間

占星術に限らず、あらゆる事象はグラデーションのように移り変わっています

そのため、新月・満月、日食・月食が起こったタイミングから、
部屋の明かりがパッと付いたり、消えたりするように、
分かりやすく、瞬時に物事が変わる、ということはありません。

その代わり、いくらかの時差を経て、
「そういえば」や「確かに」と振り返って分かる変化があったり、
「ふとした」瞬間や感覚を感じる時もあり、物事が静かに移り変わっていることを感じるものです。

  • 日食と月食の影響は、約半年間続くと考えられている
  • 月食よりも日食の方が、影響力が強いと考えられている

その時に起こる日食と月食の条件によって、影響する期間も変わると思われます。

例えば、

  • 日食・月食が、新月・満月のサインの度数と0度でコンジャンクション、
    または、オポジションを形成している
  • 日食・月食が起こるサインに、サイン・ルーラーがコンジャンクションしている
  • 太陽と月のいずれ一方に、天体集合(グランド・コンジャンクション)が起きている
    etc

日食は約3年半の影響力を持つ、と唱える説があったり、
月食は約3ヶ月ほどの影響力しかない、という説もあります。

この辺は、観測できる場所や、ホロスコープ上の条件もありますので、
一概には断言することはできません。

ただ、個人のネイタルチャートとトランジットチャートの二重円でリーディングした際には、
特定の日食・月食が、ネイタルのASCやノード軸、
太陽や月、土星などの重要な天体と感受点と何らかの関係性・アスペクトを持っている場合には、
個人が受ける影響が強まる、という側面があります。

日食と月食の個人のネイタルチャートへの影響は、
ケースバイケースですが、必ず実感を伴い、
過去の出来事と照らし合わせることができますので、
分析する価値のあるテーマであることは確かです。

日食・月食の影響がもたらす場所

日食や月食に限らず、出生時間と場所によって示されるホロスコープは、
「観測する座標」を起点とします。

また、日食や月食が肉眼で観測できる場所と、そうでない場所があります。

日食と月食は、個人への影響とともに、国家や大陸への影響の2つの側面を持ちます。

地球には地軸があり、月には白道の軌道があっての、太陽との関係性により、
新月と満月、また、日食と月食の影響が変わるわけですが、
国や地域という場所・空間に降り注ぐエネルギーが、
大きな規模(国・大陸・州)から、小さな規模(個人)へとトップダウン形式で移行していく場合もあるでしょうし、
個人にダイレクトにエネルギーが降り注ぎ、変性意識を呼び起こす、ということもあり得ます。

占星術は、天体の運行やその他の天体との位置関係という物理現象と、
概念的な天体の影響力や複数の天体の意図(光)の結びとを掛け合わせることで、
現象に意味付けをしたり、解釈をしたり、
また、内的・感覚的な動きを自然現象と照応させる1つの学問であり、
そして、世界の成り立ちや働きに関する解釈方法の1つです。

新月と満月と違い、日食と月食は、
観測できる場所にそのエネルギーが強力に降り注ぐとされ、
観測されない場所は、その影響がいくらか軽減される、と解釈されています。

自然災害や社会情勢において、活発に動きを見せる分野や働きは、
日食や月食のシーズンを機に、表面化する、という見方がされるのは自然です。


ですが、予測を立てること以上に、
どのような流れでそのようになったのか、という経緯や要因、背景を知りながら、
どのように天体の影響がトリガーとなり得るのか
、ということが
占星術において、非常に価値のあるテーマです。

日食と月食のサイクル

新月と満月は毎月巡ってきます。

では、日食と月食はどうかといいますと、約半年のサイクルで起こります。

新月・満月は約2週間の間隔で起こり、
ノード軸付近で起こる新月・満月は、日食と月食となり、半年の間隔で起こります。

そして、日食と月食はセットで続けて起こりますので、
日食と月食が起こる季節は「食のシーズン」と呼ばれたりもします。

ある時に日食が起こり、約2週間後も、
太陽は2つの交点のいずれか付近に位置するため、日食に続いて月食が起こるのです。

当たり前のことですが、私たちが生まれる前も、当たり前のように日食と月食が起こっていました。

そこで、私たちの出生に最も影響力を持つ日食と月食を知る、というのも
ホロスコープ・リーディングの1つの要素です。

ネイタルチャートを作成する際、
オポションで「出生前日食(先行日食)」「出世前月蝕(先行月食)」を選択することができます。

*Astrodienstでのホロスコープ作成の場合*

あなたの出生前の前に起きた、最も影響力のある新月と満月を見ることで、
あなたの人生に見えないテーマ性と課題を見出すことができます。

(出生前の日食と月食については、また別の記事で詳しく解説させていただきます。)

トランジットでの月の満ち欠けは、約29.5日で、月は、約2日半でサインを移動します。

約半年の間隔で日食・月食が起こり、
四至のエネルギーの転換とは別に、1年を二分するような影響力がもたらされます。

ただし、日食と月食は季節に限定されませんので、
ノード軸の運行に沿って、日食と月食の影響の変遷は独自的な流れを作る、と考えべきかもしれません。

その年の春分に、日食と月食が直接的に関係性する時もあれば、
既に日食と月食が起こった後に春分が訪れて、エネルギーの転換を起こしながら、
1つの物事やテーマへの取り組みを加速させるなど、様々なパターンが考えられます。

日食と月食は「生まれ変わり」を現象化・潜在化させる力!

今回は、日食と月食について、物理現象と占星術の2つの観点から解説させていただきました。

日食と月食は、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルが位置するサインの度数に依存します。

そのため、日食・月食を伴った新月・満月の前から、日食と月食の影響が感じられる場合もあります。

日食は、太陽のエネルギーが切り替わり、
月食は、月が持つ潜在的・無意識的な働きが表面化、
もしくは、解消する働きを持つ
、というのが、本記事の結論です。

それでは、今回の記事のまとめです。

  • 日食は、ドラゴンヘッド or ドラゴンテイル付近に太陽と月がコンジャンクションする新月の時に起こる
  • 月食は、ドラゴンヘッドとドラゴンテイル付近に太陽と月が地球を挟んでオポジションを形成する満月の時に起こる
  • 日食と月食は半年の間隔で、年に2回起こり、時に、どちらかが3回起こる
  • 日食は月食よりも影響力が大きい
  • ノード軸はサインの対極性を表し、日食と月食が起こる時、そのサインの意識とエネルギーが強調される
  • 日食と月食のどちらに対しても、「今」に対する未来 or 過去への自己対話と現実創造に対する意識に変化が起こる

日食や月食は、占星術に詳しくない人にとっても、
珍しい天体ショーとして親しまれています。

占いという観点でなくても、
私たちは意識的にも無意識的にも、
季節の移り変わりや、時代の流れの変わり目を感じ、
その感覚と自然現象を結び付けることにあまり抵抗を感じません。

そこで、占星術的な観点で、
日食と月食、または、月の満ち欠けについて分析し、
自分のネイタルチャートのリーディングとともに、
世界情勢や身近にある問題のホロスコープを作成し、
日食と月食がどのような影響を持つのか、ということをしていくと、
自分だけの感覚が育ち、
宇宙のリズムをなんとなく内的に掴むことができますので、
年に2回は確実に訪れる日食と月食のホロスコープと睨めっこして、
ホロスコープに描かれて来る要素をピックアップしながら、
浮かんでくる言葉や感じる感覚を大切にしていただければと思います!

今回から、月に関するカテゴリーを設け、様々な話題やテーマを扱っていきます。

太陽はもちろん重要ですが、月ほど、他の天体からの影響を受容する天体はありませんし、
私たちが日常的に関わっている天体は、地球の衛星として働く月以外にはありません。

今後も月に関する記事を執筆し、皆様の生活と人生、
そして、占星術の理解にお役立てできるように努めていきますので、
是非、今後の記事を楽しみにしていてくださいね!

今回も最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます!

次の「月のプログレスの月」の記事でお会いしましょう!

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