「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
ホロスコープを読み解く上で、① 星座、② 天体、③ ハウスの3つは特に重要です。
占星術において、主要な天体はこれまで解説してきた10天体ですが、他にもホロスコープに関係がある星たちがあります。
それは「小惑星」です!
太陽系に存在する星たちは、小さな存在であろうと、それぞれの役割を果たすことで、太陽系全体のシステムに貢献しています。
小惑星とは、名前から予想がつく通り、規模や質量が小さな星のことです。
占星術で影響力を持つ考えられている小惑星はいくつかありますが、この講座では6つの小惑星をピックアップしました!
人生や時代を変えるほどの影響力が無いにしても、小惑星には特定のテーマや分野が割り当てられています。
10天体・星座・ハウスに小惑星を加えると、よりホロスコープを深く読み解くことができますので、10天体の解説の延長で解説させていただきます。
今回の講座は、小惑星の第5弾目となる「リリス(リリト)」です。
どうぞ最後までお付き合いくださいね!
小惑星とは
小惑星とは、惑星と呼ぶには小さい天体を指し、別名、太陽系小天体とも呼ばれます。
小惑星が発見されたのは、天王星の発見後の1800年以降。
また小惑星という言葉が使われ始めたのは、1853年で、海王星が発見された1846年の後です。
天体の種類を大まかに分けると、惑星、準惑星、小惑星の3つ。
天文学では、天体の質量や大きさ、軌道の周期などが確認されてはじめて、正式に登録され、小惑星番号がつけられます。
最初は火星と木星の間に、他の惑星が存在するかどうかの探索が行われていましたが、惑星よりも小さい天体が次々に見つかることで、惑星の定義が細かく決められました。
小惑星に登録されている天体の数は、32万を超え、仮登録されている天体を合わせると、約60万近い小惑星の軌道が確認されているようです。
面白いことに、イザナギやイザナミ、アマテラスといった、古事記に登場する神様の名前が登録されている小惑星もあります。
虫を発見すると、発見者が自由に名前をつけることができるそうですが、それは星も同じようで、認知度はさておきとして、世界的に認定されていることは事実です。
宇宙では、大きな天体が小さな天体を捕らえることで、それぞれの軌道が定まります。
小惑星は大きな惑星に捕らえられ、従わされている子分のような存在でしょうか。
占星術における小惑星
占星術では、どんな小惑星も取り入れているわけではありません。
その理由は3つあります。
- 10天体に比べて影響力が小さい
- 現実の体験に反映されにくく、心や精神の中で理解する必要がある
- 歴史が浅く、データが少ない
占星術を活用する人の中でも、小惑星を採用しない人もいます。
ですが占星術は科学と同じく、発展していくものですので、時代の流れとともに、小惑星が発見され、注目されることにも意味はあるはずです。
この講座では、天体と星座、ハウスの3つの主要ポイントを抑えた上で、より広く・深い視点を持っていただけるように、6つの小惑星に絞りました。
6つの小惑星は、①ケレス / セレス 、② パラス、③ ジュノー、④ベスタ 、⑤リリス 、⑥ カイロン / キロンで、発見された順番に解説させていただきます!
リリス(リリト)の基本情報
小惑星リリスは、別名「リリト」と呼ばれます。
占星術では「リリス」と呼ばれますので、この講座ではリリス(リリト)という風に表記させていただきますね。
小惑星リリス(リリト)は、四大小惑星と同じ火星と木星の間に軌道を持ち、火星の外側の軌道を回る小惑星です。
四大小惑星の講座では、「性的エネルギー」が、私たちの「生命力」や「生命エネルギー」である、と説明しました。
また性的エネルギー・生命エネルギーは、私たちの「創造性」(新たに創り出す原動力)であり、自分自身を知り、認めることで、この創造性生まれるとお伝えしてきましたね。
そしてこの物質世界は、常に二元性の原理・働きによって成り立っています。
それを分かりやすく表現するものが、男性性のエネルギー(+)と女性性のエネルギー(-)です。
男性性やプラス、陽のエネルギーとは、「外側に向かう働き」で、女性性やマイナス、陰のエネルギーは「内側に向かう働き」と捉えると分かりやすいでしょう。
小惑星リリス(リリト)は、これら2つの働き・エネルギーが分離する前の「原始的なエネルギー状態」です。
二元性とは「分かれること」を意味します。
分かれることがない状態とは、つまり、「何も失っていない」や「何も奪われていない」という表現にもなるでしょう。
以下が小惑星リリス(リリト)の基本情報です。
- リリス(リリト)は、1927年に発見された小惑星である
- リリス(リリト)は、火星と木星の間の軌道の小惑星帯に存在し、火星の外側の回る小惑星である。
- リリス(リリト)の公転周期は、約4.3年
- リリス(リリト)は、1つの星座を約132日 (約半年) かけて運行する
- リリス(リリト)に、「純粋性」や「完全性」、「統合された性的エネルギー」を表す
- リリス(リリト)は、二元性(物質性)の前の「本質の自己」が投影された天体である
- リリス(リリト)は、「抑圧されることがない状態」や「何も失われていない自己」を想起させるものの、現実味を感じることができない天体である。
小惑星リリス(リリト)は、現代の占星術ではあまり研究・及されることが少ない天体です。
その理由は、二元性の働きによって分化する前の、「根源の私」や「原初の私」、「純粋な私」とイメージは、全くもって想像がつかないから。
例えるなら、私たちが母胎から生まれる前の自分を想像してください、と言われたら困るのと同じです。
ですから小惑星リリス(リリト)を考える時、深い納得感や合点がつきにくく、また小惑星リリス(リリト)からの影響を実感することが難しいでしょう。
ではなぜ、その掴みにくく、あまり言及されない小惑星リリス(リリト)をこの講座で取り上げるのか。
その理由は、私たちが自身に与えられている、性的エネルギーや独創性の「輪郭」をうっすらとでも掴むことで、自分自身を認められる可能性があるからです。
「二元性の原理が適用される前の私」は、必ずしも見つけなければいけないとか、目指すべき姿、取り戻すべき要素ではありません。
なぜなら私たちは既に二元性の世界に生きていますから、物質世界での体験を十分に味わうしかないからです。
この世に生まれて来たことを心の底から喜び、自分という存在と自分の人生を祝福することが道理。
時間を巻き戻すことはできませんし、その必要もありません。
小惑星リリス(リリト)は、「私たちの生命が始まる前に抱いた純粋性が投影された天体」です。
その姿は物質的ではないため、不明瞭で、不可解なものですから、深追いをしても満足のいく答えは見つからないでしょう。
ただ宇宙は星々を使って、私たちに「励ましや懐かしさとしてのヒント」を与えてくれています。
小惑星リリス(リリト)は、既に遠くて、見つけることは敵わない「始まりの世界」を垣間見させてくれる天体。
あなたは小惑星リリス(リリト)を知ることによって、「純粋性」を知り、生命エネルギーの供給源のヒントを得ることができるでしょう。
光と闇が分かれる前の世界
この世は二元性の世界で、あらゆるものが対立・相互補完の関係性を必要とする世界です。
裏を返せば、背中合わせの状態を持たないものは存在しない、ということ。
では、私たちが生きる物質世界(二元性の世界) を生み出す世界とは、一体どんな世界なのでしょうか?
確証をもって語ることはできませんが、宗教から言葉を借りますと、「空」や「無」という言葉が「すべてを生み出す世界」といういえるでしょう。
また昨今見聞きすることが増えてきた言葉で、「ワンネス」や「覚醒体験」、「一瞥(いちべつ)体験」という言葉があります。
「私たちは大いなる源から生まれ、またその源に戻っていく」や、「私たちは宇宙という海の雫である」という表現も共通するものがありますね。
小惑星リリス(リリト)は、そういった世界の中で存在していた個の存在と表現できるでしょう。
ただすべての存在は繋がってはいますが、「個としての存在・意識」はないのか?、という疑問が生じます。
小惑星リリス(リリト)が表す「原初の私」や、ワンネスの世界は、二元性の原理では捉えることができません。
その答えは、私たちが肉体を離れる時に見つかるでしょう。
ですがその不可解な世界観を垣間見ることができる表現があります。
それは「有るようで無い」という表現です。
言い方を変えると「個であって全体である」となり、矛盾が矛盾でなくなりますね。
月の講座の解説でもお伝えしましたが、私たちは根源的に「母胎回帰」という欲求があり、性別に関わらず、父親よりも母親との感情の繋がりが強まる傾向があります。
当然ながら私たちは母親の身体から生まれ、母親という役割に「包容性」や「寛容性」、「慈愛」や「故郷」という感情や感覚を覚えるからです。
女性性は「陰」や「マイナス」、「引く」や「受け取る」役割を担う働きで、男性性は「陽」や「プラス」、「押す」や「押し出す」役割が与えられています。
性の働きには優劣は全くなく、「ただそうである」という原因と結果、またその法則・原理があるだけです。
小惑星リリス(リリト)は、「性の働きが分かれる前の私」であり、「全体と繋がっている私」を表します。
「全体性」や「空」、「無」という二元性の世界を生み出す世界では、私たちはありのままの個であったのでしょう。
一般的に小惑星リリス(リリト)や、感受点としてのリリスは、「女性性」のみをフォーカスされています。
この講座では、一般的な性の概念が連想されないように、統合された性のエネルギーを「純粋性」と表現しました。
原初の世界では、「あなたは私、私はあなた(同一性の私たち)」ではなく、「私は私、あなたはあなたで、私もあなたも全体」であったのです。
深淵なる生命の根源の世界は、繋がり合いながらも、個の意志が成り立つ世界。
それは物質世界と鏡合わせの世界であり、「何者にも支配されない私とあなた」の世界といえるでしょう。
リリスを冠する3つの感受点
現代の占星術では、小惑星リリス(リリト)の他に、リリスという言葉がつく「感受点」があります。
「感受点」とは、実際には存在しない、計算によって出された、「意味のあるポイント」です。
この小惑星リリス(リリト)の講座の後に、代表的な感受点を順次解説させていただきます。
解説予定の感受点は、以下の通りです。
- アセンダント(ASC/AS)・MC・ディセンダント(DSC/DS)・IC
- ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル
- バーテックス・アンチバーテックス
- パート・オブ・スピリット・パート・オブ・フォーチューン
上記に挙げた感受点の他に、リリスという名前がつく感受点が2つあります。
- ブラックムーン・リリス(月の遠地点)
:正位置(トゥルー)の感受点ダークムーン・リリス
:平均位置(ミーン)の感受点ダークムーン・リリス - ダークムーン・リリス(地球と月の遠地点の中間点)
これらは実在する天体ではないので、今回の講座では省略させていただき、小惑星リリス(リリト)とは区別して別途解説させていただきます。
この西洋占星術講座では、神話や魔術的な言葉や表現を敢えて省いて解説しています。
その理由としましては、宗教的な概念の影響を極力抑えるためです。
ですがここで、リリスについて少しだけ補足説明させていただきます。
西洋で興った占星術は、複数の宗教の概念が盛り込まれ、私たちには馴染みのない概念が多くものです。
特にユダヤ教・キリスト教の概念に影響された占星術は、「唯一神」や「原罪」、「虐げられた女性像」などを前提にしています。
またニューエイジ思想やスピリチュアル思想は、既存の宗教からアイディアを得て、宗教とは違う概念を形成し、そういった概念が占星術に影響を与えていることも確かです。
この講座では、宗教色やカルト色が強調されないように、言葉と表現を選んで解説させていただいています。
ユダヤ教やキリスト教に詳しくなくても、あなたも「アダムとイヴ(エヴァ)の失楽園(エデンからの追放)」を少しでも見聞きしたことがあるでしょう。
リリスはアダム(最初の男性)の最初の妻で、イヴ(エヴァ)はアダムの肋骨から造られましたが、リリスはアダムと同様に神によって造られました。
アダムと同様に造られたリリスは、アダムと同等の権利を主張します。
ですが神は、リリスの意思を汲み取ることはありませんでした。
幾度となく主張を繰り返すも、リリスの意思は尊重されなかったため、リリスは自らの意思でアダムの元を去りました。
リリスは堕天使(悪魔・ルシファーの配下)と交わり、悪の世界に身を投じ、リリスは「悪の象徴」や「男性を汚す存在」として位置付けられています。
そういった経緯があってか、イヴ(エヴァ)はアダムの肋骨から造られ、男性優位の概念が生まれたのかもしれません。
これは簡易的な解釈で、リリスの概念や存在を曲解するため、また聖書を曲解することを意図したものではありません。
ここでは、リリスという存在や概念を捉えることは難しい、という旨をご理解いただくために解説させていただきました。
男性性と女性性はセットであり、どちらにも優劣はありません。
また「LGBT-Q」に見られるように、同性愛や両性愛だけでなく、X(トランス)ジェンダーやパンセクシュアルなど、性の本質は多様性をはらんでいることが分かります。
そういった意味でも、出来る限りホロスコープリーディングに支障が出ないように、宗教的・神話的な表現は控えていることをご了承ください。
そして人との相性を見る際、特に恋愛や結婚についても、現実からかけ離れ過ぎた概念や表現も控える予定です。
小惑星リリス(リリト)から話が逸れましたが、感受点のリリスについては、後の感受点の講座で解説させていただきますので、楽しみにしていてくださいね!
【12星座別】リリス(リリト)の意味
あなたのホロスコープでは、リリス(リリト)はどの星座にありますか?
天体と同じように、小惑星も必ずどこかの星座に位置し、小惑星のエネルギーや象意が星座を通して現れます。
公転周期の長い天体ほど、その影響力は強いとされていますが、恐れることも焦る必要もありません。
小惑星がどの星座にあり、10天体とのつながり方を知ることで、あなたはホロスコープをより深く読み解くことができます。
小惑星と星座の関係は、あなたの人生を通してどこかに必ず見つけることができるでしょう。
私たちは「なぜだか分からないこと」を明かしていくことで、自分を知り、自分像をより明確にすることができます。
また同時に、分からないことは分からないからこそ意味がある、ということも知っておく必要があるでしょう。
リリス(リリト)は、この物質世界で簡単に実感し、掴める意識ではありません。
ですがあなたのホロスコープには、リリス(リリト)を通して、あなたの純粋なエネルギーの在り方が描かれているでしょう。
それでは、リリス(リリト)の星座の意味を見ていきましょう!
リリス(リリト) × 牡羊座
あなたの「情熱」が何の影響も受けない時、あなたは自身が「創造者」であると思えるでしょう。
牡羊座のリリス(リリト)は、自分自身を抑える必要が無く、また自分自身が存在することは当たり前であると捉えています。
それは「高慢」や「不遜」という態度や在り方ではなく、「私は望まれて生きている」という意識です。
牡羊座のリリス(リリト)は、「あなたがご自分を生きることを追求すること」が最も重要であると伝えています。
「何の制約・制限もなかったら?」という問いかけは、必ずしもあなたの心を明るくしないかもしれません。
ですが「純粋な自分像」を自分自身に問いかけ続けることは、現実を生きる上であなたを奮い立たせ、励まし、慰め続けるでしょう。
その肯定的で情熱的な生き様は、あなたがご自分を愛し、またご自分を愛するように他者や世界(現実)を捉えることを可能にするのです。
リリス(リリト) × 牡牛座
あなたは無限の豊かさを与えられるに相応しい存在です。
それはそれは、満たされ、他者に分け与えるくらいに恵まれた状態。
牡牛座のリリス(リリト)は、「生かされていること」が「恵まれていること」である事実を認める重要性を伝えています。
真の満足感は、「何もない状態」です。
ですが何もない状態は無限の豊かさがある世界。
この世は「制限」と「制約」の世界ですから、真逆の体験をしているように感じられますし、それが現実です。
だからこそ、牡牛座のリリス(リリト)は、自分自身に与えることを喜び、他者に与えることを喜び、遂には「何も無いこと」を喜べる境地に向かいます。
時に手に入れ、時に失い、時に分かち合う。
牡牛座のリリス(リリト)は、物質的な豊かさと恩恵は、誰にでも与えられていることを知っているのです。
リリス(リリト) × 双子座
言葉は心を作り、他者との繋がりを結び、遂には世界をも成り立たせているのが現実です。
双子座のリリス(リリト)は、言葉によって物事が成り立っていること、また言葉を使うことで現実が動くことを訴えています。
言葉が無かったら、文明も概念も生まれなかったでしょう。
人との間で生まれる喜びも阻害されていたことでしょう。
双子座のリリス(リリト)は、言葉は創造性を持ち、感情を表現することができる喜びを伝えています。
自己表現の喜び、好奇心を追求する喜び、他者と理解し合う喜びが、あなたを成長させていくでしょう。
あなたの欲求は、決してわがままでも利己的でもありません。
あなたの言葉は希望にも光にもなります。
それがあなたが本来持っている確信であり、生命に宿っている意志です。
リリス(リリト) × 蟹座
あなたが自分以外の存在を大切に思い、接したいと思うのは、他者を愛することが、ご自分を含めた全体性(世界)を愛することだと知っているからです。
受容性と連帯感を大事にし、心の交流によって活力を見出すということは、他者に安らぎや癒しを見出すことでもあります。
あなたが存在することで安らぐ人がいることで、あなたは喜ぶでしょう。
他者の幸せを喜ぶことができるのは、心が満たされている証拠です。
本来は繋がっていた感覚は、この世界では敢えて切り離されています。
その「敢えて」という理由を、あなたは感情を労わることによって思い出し、他者を愛することで自分を愛し、また世の中にエネルギーを還元しているのです。
心こそ、私たちがこの世界で満たすべきもの。
蟹座のリリス(リリト)は、感情がコロコロ変わることを認め、それでも心をどのような感情も認める大切さを訴えています。
余計なジャッジや価値観を次々に見つけることによって、あなたは自分自身も他者の感情を癒すことができるでしょう。
それがあなたの本質・存在から滲み出る「優しさ」です。
リリス(リリト) × 獅子座
あなたの信念が「自分のためがみんなのためになる」が当たり前である時、言葉と行動が一致していることから、あなたは誰もが認める存在です。
あなたの選択・行動、そして意志が、大きな希望の光になることを、あなたは信じることができます。
獅子座のリリス(リリト)は、誰もが輝き、誰もが他者のために自己表現をし、意志を燃やすことができると信じているのです。
もちろんその真実を知らない人や、信じられない人がいます。
獅子座のリリス(リリト)は、強引なまでに、自分の意志の炎で辺りを照らすでしょう。
それはそれは明るく、眩しく、また熱い訴えです。
その訴えは、目に見える形で表現されるだけでなく、記憶にも心にも残る響きとなるでしょう。
進み続けることは、信じ続けることです。
自分を信じることは、他者を信じ、他者が自分を信じることを促します。
分離が約束されたこの世界で、他者と繋がることは本当に嬉しいことです。
そのことを獅子座のリリス(リリト)は、自分の背中で体現し、是非とも他者にも同じ体験をして欲しいと願っているのでしょう。
リリス(リリト) × 乙女座
整っている状態は、あらゆるエネルギーが適切に働き、その状態は働きかけ続けることによって保たれます。
ですが誰も働きかける人がいなければ、そのような清浄な状態や環境は生まれません。
その活動を買って出るのが、乙女座のリリス(リリト)。
乙女座のリリス(リリト)は、「変化し続けることが循環を生む」という原理を知り、またそのことを他者に教える役目を全うし、またその役目に誇りを感じているのです。
日々を丁寧に生きるとは、目の前の現実を認め、自分にできることを淡々と、しかし確信を持って成し遂げること。
それは献身的ともいえますし、誠実ともいえるでしょう。
「
誰か」はあなたであり、みんなです。
それを知らない人にとって、あなたは真面目な人かもしれません。
最初はそのような印象でも構わない、と前を向き続けることができるからこそ、あなたは世界から求められるのです。
豊かな世界は、与えることを与えるとも思わず、働きかける意志がそのまま現実となる世界。
あなたの繊細さと誠実さによって、「実践こそ現実を創る」という真理が表現されているのです。
リリス(リリト) × 天秤座
「自分を愛するように他者と接する」という誠実さが、他者との繋がりを成就させ、あなたを自己肯定と他者貢献に導きます。
天秤座のリリス(リリト)は、決してその誠実さを相手に求めることはなく、他者にもその誠実さがあることを確信しているのです。
天秤は正義や公平性を連想させますが、それ以上に美しさを表します。
黄金比のような美しさは、一部をエコヒイキしたり、排除したりすることなく、真心を平等に分け与えるものです。
天秤座のリリス(リリト)の志は、分け隔てなく恵みを与える真理を表現し、その真理を他者の心に明け渡すことができます。
あなたが触れる人は、その真理を感じ、自身の中に美しさを見出すでしょう。
最初はあなたに頼りたいという気持ちが芽生えたとしても、その気持ちがやがて自立に向かうことをあなたは知っています。
誠実さは「独り占め」とは無縁の、どこまでも波紋を広げていくでしょう。
あなたは自分自身を大切に扱う喜びを、他者が教えてくれることも知っています。
だからこそあなたは誠実さを諦めないのです。
リリス(リリト) × 蠍座
果てしない内省と内観の時間と空間と、他者との深い結びつきを交互に体験することは、扉を自由自在に開け閉めできる強さを表します。
蠍座のリリス(リリト)は、深い愛情を確信し、それを分かち合うことに喜びを知っているからこそ、嘘偽りの無い関係性を実現するのです。
その関係性に選ばれた人は、大変幸運で、1人では味わうことができない喜びと、自己変容を体験するでしょう。
他者を触発し、感化できる才能と能力は、忍耐力と強い確信によって実現されます。
自分自身の成長が、他者の成長と連動し、心が通い合う時に爆発的な創造性が生まれることをあなたは知っているのです。
蠍座のリリス(リリト)の切実な愛の表現は、深く、そして激しい波を起こすでしょう。
ですが渦中にいる間、まるで時間が止まったように感じるはず。
それは誰もが無限のエネルギーを内に秘め、そのエネルギーが生まれる体験は物理次元を超越するからです。
あなたが成就するエネルギーの創造と感情の昇華は、他者が自身を葛藤と苦悩から救い出す力を与えるでしょう。
それはあなたが自身に望み、体験した上で得た真理の働きであり、あなたの働きを「愛」と呼び、惜しみなく愛を表現していくのです。
リリス(リリト) × 射手座
終わりのない真理探究は、あなた1人が担っているわけではありませんが、あなたは他者を感化することによって、世界に真実が明らかにされることを加速させます。
射手座のリリス(リリト)は、世界に準備されている気づきを探し出し、世に広めることに喜びを感じ、その喜びは広く大きな炎となって、世の中を照らすでしょう。
身体があるのは、物質性を味わうためであり、心があるのは、精神性を養うためです。
そのどちらの喜びも知っているあなたは、自分自身の生き様を通して、相対する性質がもたらす恩恵を躊躇なく味わうことができます。
時間と空間があることで、あなたは真実の在りかを探し当てることができ、あなた自身が動くことで、その真実はあなたに向かって近づいて来るでしょう。
原因と結果は引き合うということは、意志と行動が現実を創るということです。
あなたが先人の足跡を辿ってきたように、誰かがあなたの足跡を辿るでしょう。
あなたの冒険心は、誰かの探究心に火を点けます。
あなたの世界を体験するという喜びは、絶え間なく喜びを増やしていくのです。
ですからあなたは決して、歩みと意志を止めてはいけません。
リリス(リリト) × 山羊座
循環や還元が働くためには、回路や導線が必要です。
物質世界ではそれを「仕組み」や「システム」によって実現されています。
成果や報酬は、エネルギーが巡るための基礎と土台、そしてルールに則って運ばれてくるものです。
山羊座のリリス(リリト)は、成果以上に、実が成るプロセスを見届けることに喜びを感じ、そのプロセスに関わる人々を見守ることに使命を感じるでしょう。
それは「教育」や「監督」といった立場であり、決して支配的な欲求が喜びとなるわけではありません。
物質世界は、精神性によって生まれ、また保たれています。
山羊座のリリス(リリト)は、地球が大宇宙から祝福されている惑星であること、また宇宙の中で楽園の星であることを理解し、その栄光が実現し続けることを願っているのです。
その願望は、二元性の原理を適切に捉え、また働かせるための知恵となり、次世代へと継承されていくでしょう。
あなたの継続的な献身は、物質世界の完成を実現させました。
ですからあなたはあなた自身を認め、またあなたを認めてくれる人を大いに愛してあげてください。
リリス(リリト) × 水瓶座
呼吸が始った時から、あなたは理想と自由が体験することを楽しみにしていました。
その体験は障害や挑戦があることによって、あなたは志を供にする仲間と環境を探すことになります。
それは決して反抗や反乱の動機ではなく、「再構築」という創造なのです。
水瓶座のリリス(リリト)は、「変化」と「変革」のために思想を生み出し、新しい価値観を世に生み出します。
1つの可能性が生まれる時、新しい可能性の発芽が連鎖的に起こっていくでしょう。
あなたは特別に勇気を出して行動するわけではないかもしれません。
ですがあなたのその柔軟で、且つ、一貫性のある歩みは尊敬され、多くの人を目覚めさせるでしょう。
水瓶座のリリス(リリト)は、人々のそれぞれの意志が共存する世界を望み、またその世界の実現を体験するために生まれました。
そしてあなたは体験のプロセスが長い道のりになることも、なかなか事態が進展せず、何度も行ったり来たりすることも知っています。
なぜなら二元性の原理は、一瞬で生まれ変わるようにはデザインされていないからです。
むしろ着実に変化を重ね、みんなで「世界の生まれ変わり」を見届けることで、真の喜びを感じることができます。
あなたが掲げる理想と志は、誰もが内に秘め、だけれども認めることを躊躇していたものです。
だからこそあなたは、声を上げることを止めないでください。
リリス(リリト) × 魚座
この世の最大の喜びは、肉体を持ちながら精神の豊穣を実現することです。
それは物質的な執着を体験し終え、感情によって人生と世界を愛することに成し遂げられます。
そしてその幸福は、決して独りきりで成し遂げることはできないことを、あなたは知っていたのです。
魚座のリリス(リリト)は、「分かるけれど解らない」精神世界の働きを受け止め、その実感を共有する役目を与えられています。
与えられることは、決して縛られることでも、強要されていることでもありません。
魚座のリリス(リリト)は、心身の健全さをもって、「すべてを生み出す世界」と繋がるだけでなく、多くの人にそのエッセンスを分け与えることを喜びとしています。
元々すべての生命が存在する世界から、この地にエネルギーが供給されている、これが真実です。
この真実への信頼は、あなたと関わるすべての人に安らぎと癒しを与えます。
物質世界にもたらされた時間と空間は、「制限と制約」という面を持つ一方で、「恩恵を受け取る経験」を可能にする環境です。
壁や境界線を超えるための献身や努力は、魔法よりも強力な幸福感をもたらすでしょう。
ですからあなたは、他者と繋がり、目に見えない働きを共有することを諦めないでください。
あなたの意識を通して、他者と世界に絶え間ない精妙なエネルギーが流れるのですから。
リリス(リリト)とハウス
ハウスについての解説は、ハウス別の講座で行いますが、軽くリリス(リリト)が入るハウスについても触れておきます。
すべての天体は、あなたの心・魂・意識の要素です。
ハウスは、あなたの人生や時間の流れ、成長段階のテーマを表します。
リリス(リリト)が入るハウスに着目することで、「本質的な願望」や「制約や制限から解き放たれた願望」、「純粋性」などを知ることができるでしょう。
リリス(リリト)の影響力は実感しにくく、リリス(リリト)が表す象意がストレートに人生に反映されることも少ないかもしれません。
ですがリリス(リリト)が入るハウスは、あなたの精神の成熟を促すメッセージを与えてくれるでしょう。
あなたがこの世に生まれる前に抱いた願望は、時にあなたを励まし、慰め、そして安らぎを与えてくれるかもしれません。
やはり大切になることは、日々の暮らしを丁寧に生きることです。
人生は日々の積み重ねであり、精神性の成熟は、心を認め、自分という存在を認め続けることで達成されていくのですから。
その点天体や小惑星が入るハウスは、特に参考になります。
ハウスに関する詳細は、後の講座で詳しく解説しますので、楽しみにしていてくださいね!
リリス(リリト)が位置する星座の度数
ホロスコープは12分割して、12つの星座とハウスが配分されているということは、これまでの講座でお伝えしましたね。
また360度の円を12分割し、それぞれの星座には更に30度の部屋があり、あなたのリリス(リリト)が位置する度数によって、「あなたのリリス(リリト)」の特徴が分かります。
ちなみに1つの星座の度数は、0度~29.99度の間で、30度は次の星座の0度となります。
また1つの星座は、1~9度、10~19度、20~29度の3つの区分けで考えられます。
違う考え方として、5度毎にグループ分けをして、更に細分化する解説もあります。
物事は細分化することで、より深く、また明確に特徴を掴むことができますが、最初のうちは3グループに分けるところから始めてみましょう!
サビアンシンボル
サビアンシンボルとは、星座の度数の1つひとつに、意味やメッセージがあるというものです。
サビアンシンボルについては、また後の講座で解説していきますが、あなたのリリス(リリト)が位置する星座の度数をまずチェックしてください。
そして、リリス(リリト)の度数に+1度足したサビアンシンボルのメッセージを読んだり、その度数のサビアンシンボルの解説の中からビビッと来た言葉や表現を選びましょう。
サビアンシンボルに限らず、天体が位置する度数の前後1度、合計3度を合わせて見ると「流れ」が掴みやすくなります。
サビアンシンボルは、度数自体に関するメッセージですから、あなたのリリス(リリト)と、リリス(リリト)が位置する星座とハウスと絡めると、より多くの情報や閃きが沸いて来るはずです。
とはいえ、現代占星術ではホロスコープリーディングの際に活用されますから、10天体とともに、小惑星のサビアンシンボルもチェックしておいてくださいね!
この世は未完全の私を体験するためだった
今回は小惑星のリリス(リリト)を解説させていただきました。
今までで最も抽象的で、且つ、実感が沸きにくい内容であったかと思います。
それほどリリス(リリト)は、私たちを創造する大元の世界と、私たちが生きている物質世界は、全く違う世界観であることを伝えているのでしょう。
リリス(リリト)はホロスコープリーディングにおいて、さほど重要視されない小惑星(天体)です。
その理由は一重に、掴みどころがなく、また私たちの顕在意識を超越しているからに他なりません。
あなたがリリス(リリト)を知っても、最初は何も納得したり、気づきが得られないかもしれませんが、本来知り得ないこともあります。
それは知ってはいけない、ということでも、この世で体験することができない、ということでもありません。
ただリリス(リリト)が表す純粋性が、この二元性の世界にそのまま表現されなかったり、実現されないからです。
そして、だからといってリリス(リリト)が伝える願望が無駄である、ということでもありません。
私たちは、永い宇宙の創造活動の中に存在し、生きています。
あなたがこの世界に降り立つ前に抱いていた願望は、永い月日を必要とするでしょう。
時間と空間、重力と引力といった分離が働く力を生み出す世界は、この世界とは全く違う原理で成り立っています。
私たちは「結果や終わりの瞬間」以上に、そのプロセスを体験するために生きている、といっても過言ではありません。
リリス(リリト)は、「いつかは叶うけれど、今ではない」という不可解な答えを秘めているのです。
あなたがホロスコープの中のリリス(リリト)を解釈する時、即現実に落とし込む必要はないかもしれません。
リリス(リリト)からのメッセージを「心の拠りどころ」として、現実を安心して生きてください。
そして今のあなたの内面から生まれる「純粋な願望」を大切にしてください。
それこそ、「自分自身を認めること」であり、「自分自身を大切にすること」です。
あなたがご自身を認め、大切にすることは、イコール、他者を含めた宇宙を愛することになるのですから。
それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次の小惑星別「カイロン / キロン」の講座でお会いしましょう!
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