「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
ホロスコープを読み解く上で、① 星座、② 天体、③ ハウスの3つは特に重要です。
占星術において、主要な天体はこれまで解説してきた10天体ですが、他にもホロスコープに関係がある星たちがあります。
それは「小惑星」です!
太陽系に存在する星たちは、小さな存在であろうと、それぞれの役割を果たすことで、太陽系全体のシステムに貢献しています。
小惑星とは、名前から予想がつく通り、規模や質量が小さな星のことです。
占星術で影響力を持つ考えられている小惑星はいくつかありますが、この講座では6つの小惑星をピックアップしました!
人生や時代を変えるほどの影響力が無いにしても、小惑星には特定のテーマや分野が割り当てられています。
10天体・星座・ハウスに小惑星を加えると、よりホロスコープを深く読み解くことができますので、10天体の解説の延長で解説させていただきます。
今回の講座は、小惑星の第6弾目となる「カイロン / キロン」です。
どうぞ最後までお付き合いくださいね!
小惑星とは
小惑星とは、惑星と呼ぶには小さい天体を指し、別名、太陽系小天体とも呼ばれます。
小惑星が発見されたのは、天王星の発見後の1800年以降。
また小惑星という言葉が使われ始めたのは、1853年で、海王星が発見された1846年の後です。
今回の講座の主役であるカイロン / キロンは、発見されたのが1977年ですから、まだ50年も経っていません。
天体の種類を大まかに分けると、惑星、準惑星、小惑星の3つ。
天文学では、天体の質量や大きさ、軌道の周期などが確認されてはじめて、正式に登録され、小惑星番号がつけられます。
最初は火星と木星の間に、他の惑星が存在するかどうかの探索が行われていましたが、惑星よりも小さい天体が次々に見つかることで、惑星の定義が細かく決められました。
小惑星に登録されている天体の数は、32万を超え、仮登録されている天体を合わせると、約60万近い小惑星の軌道が確認されているようです。
面白いことに、イザナギやイザナミ、アマテラスといった、古事記に登場する神様の名前が登録されている小惑星もあります。
虫を発見すると、発見者が自由に名前をつけることができるそうですが、それは星も同じようで、認知度はさておきとして、世界的に認定されていることは事実です。
宇宙では、大きな天体が小さな天体を捕らえることで、それぞれの軌道が定まります。
小惑星は大きな惑星に捕らえられ、従わされている子分のような存在でしょうか。
占星術における小惑星
占星術では、どんな小惑星も取り入れているわけではありません。
その理由は3つあります。
- 10天体に比べて影響力が小さい
- 現実の体験に反映されにくく、心や精神の中で理解する必要がある
- 歴史が浅く、データが少ない
占星術を活用する人の中でも、小惑星を採用しない人もいます。
ですが占星術は科学と同じく、発展していくものですので、時代の流れとともに、小惑星が発見され、注目されることにも意味はあるはずです。
カイロン / キロンはといいますと、内面を成長させ、自分自身を認め、許し、表現する際の重要な要素として、鑑定に取り入れられることが多いようです。
この講座では、天体と星座、ハウスの3つの主要ポイントを抑えた上で、より広く・深い視点を持っていただけるように、6つの小惑星に絞りました。
6つの小惑星は、①ケレス / セレス 、② パラス、③ ジュノー、④ベスタ 、⑤リリス 、⑥ カイロン / キロンで、発見された順番に解説させていただきます!
カイロン / キロンの基本情報
カイロン / キロンは、太陽系に軌道を持つ小惑星です。
英語表記でChironと書き、日本語ではカイロン・キロン・キローンと呼ばれています。
この講座では英語に準じた名称と、日本で親しまれているカイロン / キロンとさせていただきますね。
占星術においてカイロン / キロンは、単に小惑星とされていますが、天文学では彗星・小惑星遷移天体とされています。
(カイロン / キロンは、周期彗星と小惑星の2つのリストに正式登録されています。)
2020年に土の時代が終焉を迎えました。
「風の時代」や「水瓶座の時代」という言葉が多く取り上げられるようになりましたが、加えて「トランスサタニアンの影響」も強まることはあまり取り上げられることはありません。
従来の占星術やインド占星術では、土星までの7つの天体を用いて占術が行われました。
根本的な原理や作用は変わることはないとしても、時代の流れと人間の文明、意識進化は絶えず進んでいきます。
占星術は真理を取り扱う学問・占術ですから、新しい概念や事象を排除することなく、研究を重ねることで、新しい天体や星の影響を受け入れていくことが寛容といえるでしょう。
前書きが長くなりましたが、以下がカイロン / キロンの基本情報です。
- カイロン / キロンは、1977年に発見された小惑星である
- カイロン / キロンは、火星と木星の間の軌道の小惑星帯に存在する
- カイロン / キロンの内部は、地球と同じように鉄とニッケルの核を持つ天体である
- カイロン / キロンの自転周期は、約5.9時間
- カイロン / キロンの公転周期は、約50年
- カイロン / キロンは1つの星座に約2~8年かけて運行する
- カイロン / キロンには、「魂 / 心の傷」や「他者を癒すための試練」、「自分自身を許す」と表現される
- カイロン / キロンは、社会天体とトランスサタニアンを結ぶ存在である
- カイロン / キロンは、一生をかけて取り組む必要があり、自分自身を癒し、許し、認めることが、他者や社会のためになることを示す天体である
- カイロン / キロンは、無意識的・意識的に関わらず与えられた「傷」や「影」を表し、コンプレックスや恐怖心として内在する「焼き印」を象徴する
カイロン / キロンは「魂 (心) の傷」や「魂 (心) の癒し」、または「魂(心)の癒し手」と表現されます。
「魂」と「心」という言葉は、日常生活でも多く使われるようになりましたが、明確な定義を持って使われることは少ないのではないでしょうか?
魂と心のどちらが私たちの日常に近いかといいますと、心の方が親近感を覚えるはずです。
心や感情、情緒は目に見えませんし、自分さえも正確に判断することは難しいもの。
魂というと、もはや現実や日常からかけ離れた、いわゆる「高次元」という言葉が充てられる概念のようにも思えます。
「魂」や「心」という言葉を使わず、違う言葉を採用するとすれば、「耐えがたい障害」や「人生をかけて受け入れていく弱点」となるでしょうか。
私たちには得手不得手があり、好き嫌いもありますが、「どうしてもできないけれど、避けられない事」を深掘りすると、カイロン / キロンの概念を取り入れようと思えるでしょう。
なぜなら私たちは小宇宙であり、1人ひとりが世界を成り立たせる役目を与えられているからです。
その役目には、生まれることや生き続けることといったことの他に、「取り上げられ、培っていく要素」も含まれます。
その「先天的に取り上げられた要素」というものは、「月が表す影」や「土星が刺激する苦手意識」といったものです。
カイロン / キロンは、土星と天王星の間に軌道を持つことから、「常識的には考えられない宇宙からの働き」を持っていると考えられます。
四大小惑星は火星と木星の間に軌道を持ち、私たちの個と社会の意識に作用しましたが、カイロン / キロンの場合は、「物質と精神の橋渡し」に作用すると考えるのが自然です。
ですから私たち現代人は、土の時代に培った価値観や常識から離れ、「より高い精神性の自己を確立していく時代」を迎えているといえるでしょう。
これは決して昔の人々が低次元の意識で生きていた、ということではありません。
どのような時代にも、必要な条件や環境が与えられ、常に人類は進化し続けてきたことは紛れもない事実です。
あなたがホロスコープを通してご自分と向き合う時、あなたは心はもちろんのこと、霊的な領域に存在するとされる「魂」の息吹を感じていくでしょう。
そしてカイロン / キロンは、宇宙があなたから「敢えて取り上げた才能」として、影や強烈な苦手意識の意味を教えてくれます。
「良薬は口に苦し」という諺のように、必要だからこそ与えられたものであり、光明が備わっているからこそ、私たちは強く反応するのですから。
カイロン / キロンが象徴する「魂(心)の傷」の解釈
カイロン / キロンの「魂(心)の傷」の解釈
一言で「魂」や「傷」といっても、あなたは「自分事」として、どのように捉えるべきか悩まれるかもしれません。
この占星術講座では、「自分事が全体事」のように、「私とあなたは繋がっている」と表現してきました。
ですから今回のカイロン / キロンに関わる「魂の傷」や「心の傷」についても、「あなたの傷はみんなのためにある」ということを強調したいと思います。
「カイロン / キロンの魂(心)の傷」の象徴を、以下の3つにまとめました。
- 自分自身を受け入れるための「痣(あざ)」
- 葛藤の体験
- 仲介者という希望
一般的にカイロン / キロンは、「誰かを癒すために背負っている心の傷」や「自分の魂が求めている癒し」という風に表現されます。
また多くの場合、「前世」や「過去世」といった言葉が用いられることで、解釈がより複雑になってしまうでしょう。
この講座では一貫して、「現時点を起点」として、占星術を現実的に有効活用していただけるように解説させていただきますので、ご安心ください。
この占星術講座では、何度も「善悪の基準」を脇に置くことの重要性をお伝えしてきました。
明るさには明るい作用があり、暗さには暗い作用があり、そのどちらにも恩恵があります。
ですから月や土星の講座のように、カイロン / キロンもまた、肯定的な解釈を取り入れていただけると幸いです。
自分自身を受け入れるための「痣(あざ)」
カイロン / キロンは、あなたがこれまでの人生と現状に対峙し、「どうにもならない」と感じてしまう障害や苦手意識、また試練や学びというネガティブな面が強調されます。
生まれた時に身体に「痣(あざ)」を持つ人は少なくありません。
また体格や骨格、顔の造りや体質まで人それぞれです。
私たちに宿る精神もまたそれぞれで、「私を私たらしめる要素を個性」と捉えるならば、カイロン / キロンは「精神性の痣」と呼べるのではないでしょうか?
火傷や切り傷、外科手術をした後に、完全に傷跡が無くなるかどうかは、その時の負傷状況や処置対応によって異なるでしょう。
ところがカイロン / キロンが象徴する「精神性の痣」は先天的で、生まれ持った要素です。
「未完成だからこそ完全である」という表現があるように、私たちはどのような傷や痣を持っていたとしても、「生命という本質」が損なわれることがありません。
そもそも「持って生まれた要素」は誰にも変えることができませんし、上手く付き合い、受け入れていくしかありませんよね。
私たちの人生には沢山の「条件」や「環境」が用意されています。
そのうちの1つが、「自分自身を受け入れるための痣」です。
痣が存在することによって、私たちは否応なしに不快感やコンプレックスを抱いたり、「なぜこんなことが起こるのか」と、どこに矛先を向けていいか分からないことがあります。
私たちは自分という存在から逃げることはできませんし、他人に身体や心、精神性や意識を明け渡すことはできません。
では、残る選択肢は1つ。
それは、「認めること」です。
私たちはどんなに年を重ねても、場所を変えようとも、常に自分自身と向き合わされることになります。
ですから人生をより善く生きようとする時、自分自身を幸せにしようとする時、そして誰かのために貢献しようと思う時、自分の中にあるあらゆる要素を認めることが重要です。
カイロン / キロンが示す「精神性の痣」は、あなたに、逃げたくなる気持ちや被害者意識を想起させるかもしれません。
またその度に、あなたは自分自身を認めることなんてできない、と痣から目を背けてしまうかもしれません。
それでもあなたにとって、ご自身以上にあなたを認められる存在はいないのです。
あなたがご自身の中のカイロン / キロンを知ろうとする瞬間から、あなたはご自身を認めることで、あなたという存在の精神性を輝かせていくでしょう。
そしてあなたがご自身を輝かせることが、あなたが世界や他者から求められていることなのです。
葛藤の体験
私たちはできれば、苦しいことや辛いことは味わいたくありません。
ですがこの世界は二元性の原理から成り立っていますので、「望まぬこと」を避けて通ることはできません。
占星術では、「なぜだか分からないけれどできない、苦手、怖い」というものが、カイロン / キロンに表されます。
私たちは問題があると、すぐに改善・解消・解決を望みますが、カイロン / キロンの場合はそれが通用しません。
時間や物理法則、肉体や精神、思考や感情が与えられているように、私たちはカイロン / キロンを内面に抱き続けていきます。
先ほどカイロン / キロンを「精神性の痣」と表現したのは、「一生の付き合い」という意味を持たせるためでした。
「嫌だけれど抱え続けること」は、嫌でも意識させられますし、忘れることができません。
こういった状況を「葛藤」という言葉が最も相応しいといえるでしょう。
「光と影」や「陰と陽」という考え方がありますね。
「両者は互いを刺激し合い、交わることが無い、」というイメージを起こさせますが、更に理解を深める必要があります。
「光の中にいる時、私たち自身は影の自分を見て、影の中にいる時、私たちは光の自分を見る」
あなたがご自分の影の部分を強く意識しているとしても、ちゃんとあなたの光の部分は存在しています。
それはあなたがこの世に生かされていることや、あなたに関わる人々があなたと一緒に生きているからです。
私たちは本当に必要が無い、害であると判断する時、完全にその対象を排除するでしょう。
私たちは光と影の両方の側面を持っていますし、どちらにも善悪はなく、私たちがどちらに比重を置き、どのように捉えているか、というだけなのです。
それは太陽と月が日々昇って沈む自然現象や、私たちの心が喜怒哀楽によってコロコロと転がるようなもの。
生きとし生けるものの姿は、絶えず変化し続けるのが世の常です。
私たちが抱える「葛藤」は、私たちを追い詰め、また他者を嫌ったり憎んだりさせます。
あなたがご自身を受け入れることが人生に用意された大きな目的の1つだとしたら、他者を許すことも同時に必要となるでしょう。
だからこそ、私たちは自分の中にある「善悪の基準」や「正義」は絶対ではない、ということを確信する必要があります。
大宇宙はカイロン / キロンを「葛藤の種」として、私たちに与え、葛藤の中で二元性の原理を見出させようとしているのでしょう。
そして私たちが葛藤を十分味わい、その葛藤が無目的に与えられたものではないと、「降参」した時、私たちは葛藤から解放されるでしょう。
それは結果論であって、がむしゃらに癒そうとか、手放そうとして達成されるものではありません。
「降参」という言葉の通り、私たちが真に大宇宙や大自然に身も心も任せられる時というのは、「脱力」という至福の境地なのですから。
カイロン / キロンは「葛藤の種」ではありますが、その種が咲かせる花は、私たちを他者と世界との繋がりを与えてくれます。
それこそ時間がかかるものですが、「自分のための葛藤が誰かの光となる未来(可能性)」は、決してあなたを急がせたり焦らせたりはしないのです。
仲介者という希望
カイロン / キロンをストレートに解釈すると、「宇宙から与えられた空白」と表現できるかもしれません。
「空白」や「穴」をイメージすると、「欠陥」という言葉が浮かんではきませんか?
物理的に穴や空白があると、機能的にも見栄え的にも良くありません。
ところが大宇宙や精神性となると、話は変わります。
大宇宙には、ダークマターやダークエネルギーといった、電磁波では観測できないエネルギーが充満し、それらによって惑星をはじめとする星々は存在できているのです。
これはトランスサタニアン的(非物質的)な考え方ですから、物質的証拠や科学的証明無しには納得することは簡単ではないかもしれませんね。
「目に見えないけれど存在するもの」は絶大な力を持っています。
だからこそカイロン / キロンは、「癒し手」として表現されるのでしょう。
あなたがカイロン / キロンをご自身の中に見出し、味わい、昇華していった先に、カイロン / キロンは「仲介者」としてのあなたが現れていきます。
この講座では、少し表現を変えてカイロン / キロンを解説させていただいています。
なぜ「仲介者」なのかといいますと、私たちは他者の意思決定を横取りすることはできません。
私たちは他者の「意志」を奪うことはできません。
ですから私たちは他者に関与する、影響を与える、気づきを与える、という意味で、「現状と変化の仲介者」といえるのです。
現実的な例を出しますと、土地や物件の仲介業者や、心身の回復を促す医者や施術者がその例となるでしょうか。
有形・無形に関わらず、私たちが何か新しいものを手に入れようとする時、それを提供してくれる存在 (人・サービス) を経て手に入れますよね?
提供する側は資格だけでなく、実際の取引を体験し、実績を持っています。
提供する側と提供される側の間には、優劣も上下関係もありませんし、契約が成立する前も後も、それぞれの意思決定はそれぞれが保持しているものです。
少し回りくどい説明になりましたが、私たちがカイロン / キロンを十分に経験した後は、私たちは誰かがカイロン / キロンを昇華するお手伝いをすることができます。
私たちはいつだって誰かにヒントや気づきを与えることができますが、実際の変化や成長を直接与えることはできません。
そういった意味で、私たちは、同じ葛藤(カイロン / キロン)を持つ人の変化・成長の橋渡しの存在になることができるでしょう。
なぜそんなことが必要なのか、といいますと、この講座で何度もお伝えしている通り、私たちは根源的に「誰かの役に立ちたいから」です。
もちろんこの欲求は、自分自身が充足されていなければ生まれず、また実現できません。
ですから仲介者としてのカイロン / キロンの力が発揮されるまでには、時間がかかるでしょう。
大切なことは、あなたがご自身を認め、満たし、生命の輝きを見つけることです。
その境地は、一見何も無いように見える、「空白」という「無限の可能性」に辿り着くことで開かれていきます。
私たちが自分自身を「非力な存在」であると決めつけている、自我意識や価値基準からの囚われから脱却する時、私たちは多くのサポートを得られるでしょう。
それが先ほど例に出した、ダークマターやダークエネルギーといった、目に見えないエネルギーや働きです。
カイロン / キロンは、決して「攻略しよう」として昇華されるものではありません。
私たちはいつの時も、1人きりで大成することはできず、必ず誰かに支えてもらっています。
まずは自分自身を受け止め、結果的に誰かの力になれる自分になる、という心持ちで、人生のあらゆる経験を味わっていく、というスタンスが健全といえるでしょう。
癒しの捉え方
「献身」や「奉仕」、「癒し」という言葉を見聞きすると、社会奉仕やボランティア、施術、ヒーリング、カウンセリングといった言葉が連想されるかもしれません。
ホロスコープを見ることで、「社会への働きかけへの願望の強さ」を判断することはできます。
ですが前提として、「癒し」や「安らぎ」は無理やり起こすものでもなければ、強制されるものでもありません。
私たちがそれぞれ自分の精神性を育んでいく中で、時代も進み、人類全体の意識も変化していきます。
これまではカリスマ的な存在が脚光を浴び、どこか「天才的な人」や「特別な人」が癒し手とされ、信頼されてきました。
ですが宇宙の創造活動は変化を続け、土(物質文明)の時代や魚座(妄信)の要素が取り払われていくにつれ、多くの人が自分自身のカイロン / キロンを解放していくと考えられます。
私たちは人生を通して、常に社会規範や常識に刺激され、「等身大の私」や「あるがままの私」を抑圧される機会を体験するものです。
宇宙が私たち人類に求めることは、あらゆる経験を味わいながら、他者と共有し、次の次第に新しい創造性をもたらすこと。
カイロン / キロンが発見されたから、まだ50年も経っていませんし、風の時代は始まったばかりです。
生き急ぐことなく、他者比較によって生まれる妄想や憧れに取り込まれることなく、私たちは自分自身を認めることが、カイロン / キロンが発揮される世界を創っていきます。
人が死を迎える時、最も後悔するとされていることは、「挑戦しなかったこと」です。
私たちは様々な理由をつけて、恐怖心や不安に対峙することを回避し、挑戦したからこそもたらされる喜びを逃してしまうことも多いでしょう。
私たちは肉体を持って生きている存在です。
ですからまずは、私たちが自分自身の感情を認め、足元の日常(現実)を受け入れ、人生を1つ1つ進んでいくことが、精神性の成熟へと繋がります。
日常を大切にし、満足感を得ることなく、カイロン / キロンの痣は昇華されることはありませんし、誰かのための癒しを提供することもできません。
要するに、私たちは「存在としての自分自身を認める」必要があるのです。
どのような事情があるにしろ、私たちが生を受けたことは、宇宙に祝福されてきた証拠。
私たちは無理やり癒しを提供しようとしたり、自分の生命力を削っても、他者にとって真の喜びとは呼べないでしょう。
私たちは結果だけで良し悪しを決めつけ、またその結果が早く訪れることを願い、自分自身から目を逸らしては、悲観的になり、不平不満を口にしやすい傾向が強いものです。
カイロン / キロンは、都合の良い魔法のような、一瞬で起こる癒しとは正反対の性質を持ち、私たちに「人生をかけて自分を愛すること」を教えてくれる天体。
あなたがご自身を愛することができるようになれば、自然と「存在としてのあなた」が、他者を癒すことになるでしょう。
そして気がついたら、結果として、目に見える形として、あなたは誰かに癒しのキッカケを提供する時が訪れます。
カイロン / キロンは「痣」や「空白」という役割によって、あなたと他者を結ぶ力になり続けていくでしょう。
大切なことは、あなたがあなたを認めること、この1点です。
どんな感情が生まれようと、認めてあげてください。
誰を嫌いになり、憎もうと、あなた自身を認めてあげてください。
許せないという感情があっても、否定することなく、その感情を認めてあげてください。
カイロン / キロンは、あなたに「認める」という許しと癒しを教える天体です。
あなたは人生を通して、自分を愛すること、自分を認めること、自分を輝かせることに取り組んでいます。
ですからカイロン / キロンを受け止めるために、どんなに時間がかかってもいいのです。
認めることは無条件の愛
この講座には、「認める」という言葉が延々と登場します。
なぜこの講座でこの言葉が重要なのかといいますと、「認めること」が最も難しく、しかしシンプルだからです。
また「愛」という言葉を使用する際も、十分に注意を払っています。
その理由は、「愛」とは自覚するもので、決めつけたり、妄信するものではないから。
かの有名な物理学者のアインシュタインは晩年、「神」という概念を「宇宙を成り立たせる働きそものの」と表現しました。
科学者に無神論者が多い少ないかは、実際のところ分かりませんし、物質的な証明に私的な見解は介入することができません。
私たちが自分自身を認める時、それは膨大なエネルギーが生まれます。
「私はいつだって1人ぼっちではなかった」
「私は目に見えない力に生かされている」
「私は無条件に恵まれている」
こういった体感や感覚は個人的なもので、具体的にシェアすることができないものですが、強烈なインパクトをもって人生観や価値観を根底から覆してしまうでしょう。
あなたは「愛」という言葉から、どんな情景や経験、記憶や思い出を思い出しますか?
幼い頃の両親や家族との暮らしでしょうか?
愛するパートナーとの絆を実感した瞬間でしょうか?
人生のドン底の時に、誰かに助けられたことでしょうか?
私たちにはそれぞれ役割や立場もあれば、意志、思考や感情の「癖」があります。
ですがなぜ私たちは今日も生かされ、私たちの肉体は生きようとしているのでしょうか?
またどんなに傷ついても、長い時間を経て、立ち直ることができるのでしょうか?
それは私たちに生命力があり、生命力がどこかから供給されているからです。
これは宗教的・哲学的な概念や妄想ではなく、事実、あなたが今存在していることから結論を見出すことができます。
私たちは、自分の人生にしか責任を持つことはできません。
自分の子どもであっても、変わってあげることはできません。
「あなたがあなたであること」は「あなたがあなたであることが許されている」ということ。
いくら概念的・文学的・詩的に言葉を綴っても、「愛」という実感を正確に描写し、誰もが納得できないかもしれません。
ですが私たちは、自分自身を認めることによって、自分自身を無条件に愛することができます。
あなたが自分自身を認めることができた時、カイロン / キロンの空白から、愛というエネルギーが沸き起こり、あなたの存在や言動に癒しや安らぎを感じる人が増えていくでしょう。
あなたの感情も思考も、在り方も生き方も無限に存在し得ますし、存在することが許されている、そのことを自分自身で見つけていくことが、「自分を認めること」ということです。
カイロン / キロンは、私たちに癒されることを促すのではありません。
誰もが自分自身を認め、無条件に生かされ、愛される存在を自覚することが、カイロン / キロンが私たちにもたらす変容です。
私たちは小宇宙であり、大宇宙と相似形の関係にあります。
宇宙に生かされている私たちが、自分自身を認めることができない、というのは道理に合っていません。
「自愛」に気づいた瞬間から、カイロン / キロンやトランスサタニアンの扉を開き、「他愛」によってあなたは世界に希望を提供していくでしょう。
ですからあなたは、ご自分が存在することを無条件で認めてください。
人生丸ごとを使って、自分を認め、愛していってください。
それこそが口に出すことが憚 (はばか) られるような言葉、「愛」や「神」、そして「魂」からのメッセージといえるでしょう。
カイロン / キロンリターン
カイロン / キロンの公転周期は約50年です。
最近では「人生100年時代」という言葉が見聞きされるようになってきましたね。
ですが人類の精神性の観点から見ると、私たちはまだ発展途上といえるでしょう。
占星術においてのカイロン / キロンリターンは、人生に1度とされ、カイロン / キロンがもたらす転換期は、50歳前後となります。
人生に大きな「揺り動かし」を起こすといわれるリターンは、サターンリターン(土星回帰)です。
土星は地に足をつけ、自立し、社会生活を充実させた後に、「人生の充足感」を与える天体。
もちろん土星はプライベートや精神性でも大きな変化をもたらしますが、物質的な結果としても現れます。
反対にカイロン / キロンは、内面的・精神的な葛藤の経験を辿るプロセスを表しますから、「克服」という意味では非常に掴みにくいといえるでしょう。
50代前後というと、社会的責任を十分に果たし、信頼を得られるようになる年齢です。
物事に段取りがあるように、私たちが他者や社会に貢献するためには、内面的にも外面的にも成熟した「器」を培う必要がある、といえるでしょう。
私たちの人生は、年齢を重ねる毎に、身体的な機能は衰える代わりに、精神性が豊かになっていき、それまでの人生経験を活かすことができる、と考えられています。
カイロン / キロンのリターンを迎える時期とは、個人的な葛藤や痛み、コンプレックスを徐々に対外的に活かせるようになっていく時期です。
カイロン / キロンは、土星とトランスサタニアンの天体を結ぶ立ち位置ですから、精神性の成熟とともに、「公の私」や「全体性への働きかけ」の意識が芽生えさせます。
「山の登頂に辿り着いた者にしか見えない景色がある」というように、私たちは一歩ずつ自分自身の人生を歩むしかありません。
それは素晴らしいことであり、誰もが自分の人生という山を登り、時折他者と交流し、また登山に戻ります。
私たちは「個としての道」を歩んでいますが、決して1人きりではありません。
精神的な葛藤を認めていく中で、私たちはあらゆる情報や概念、観念、常識、価値観から解放されていきます。
この解放は、トランスサタニアンのエネルギーを受け止め、味わい、理解を進めるための準備段階となるでしょう。
ですから私たちは生きることも、年齢を重ねることも、あらゆる経験をすることも認めていけばいいのです。
認められるということは、存在を許す、ということでもあるのですから。
カイロン / キロンとトランスサタニアン
この講座で何度もお伝えしているように、カイロン / キロンが発見されてからまだ50年が経っていません。
カイロン / キロンが発見されたのは1977年10月18日で、当時カイロン / キロンは牡牛座を運行中でした。
人類が発見しなくても、天体や星々は元々宇宙に存在しますが、人は「観測者」として新たな事象を知ることで、天体が持つ影響力を自覚するようになります。
それは占星術に触れていない人にも同様です。
なぜなら私たちは無意識の領域で繋がり、新しい概念を共有しているからに他なりません。
言い換えるなら、天体が発見されることと、人類の文明と意識の成長・進化が同調している、となります。
カイロン / キロンが発見されてから、2020年で43年が経過し、カイロン / キロンが12星座を一巡するのは2026年です。
天王星・海王星・冥王星のトランスサタニアンの3天体と関連付けてみましょう。
天王星は2018年に牡牛座を運行し始め、物質的な価値観に大きな衝撃を与え始め、その影響は2025年まで続くと思われます。
海王星は1998年に水瓶座を運行し始め、2011年に魚座、2025年に牡羊座へと移動していき、2025年までに人々の意識に変容が起こるでしょう。
冥王星は2008年に山羊座を運行し始め、2024年に水瓶座を運行し始めることで、より一層物質と精神、生と死への理解や意識進化が深まっていくと思われます。
ここでお気づきかと思いますが、2024年~2025年は大変重要な年になると考えられますね。
カイロン / キロンは2018年から牡羊座を運行し始め、「自我意識」や「個としての意識」に向き合う人が増え、新しい世界創造への準備が始まったといえます。
またカイロン / キロンは、2026年に牡牛座に移動し、トランスサタニアンの影響を受けて、物質的な価値観や所有に関する変化を体験していくのかもしれません。
その学びは、天王星が牡牛座から双子座に移った後に起こるため、天体が連携しているといっても過言ではありません。
精神性を司り、魚座の支配星である海王星は、私たちの「意志」や「個の意識」に刺激を与えていく一方で、天王星と冥王星は、物質性に大きな影響を与えていきます。
2020年12月に水瓶座を運行し始めた土星は、2023年に魚座に移動し、2026年に牡羊座へと移動しますから、カイロン / キロンとの関わりが見えてきますね。
天体が持っているそれぞれのエネルギー(影響力)や象意、役割、軌道は、確実に私たちの人生に影響を与えます。
「風の時代」や「水瓶座の時代」という言葉だけに囚われることなく、もっと大きな視野で、「精神性の成熟」や「意識進化」の自覚や体感が重要になってくるでしょう。
時間は絶えず進んでいき、私たちも人生を歩んでいきます。
トランスサタニアンの影響力が目に見えて分かり、日常生活で実感する機会も増えてくるかもしれません。
ですがいつの時代であっても、どのような時代が訪れようとも、私たちは肯定的に生きるのみ。
ですから私たちは、カイロン / キロンという精神性の痣を抱えたまま、自分自身も現実も、他者も宇宙も認め続け、認めることを恐れる必要はないのです。
【12星座別】カイロン / キロンの意味
あなたのホロスコープでは、カイロン / キロンはどの星座にありますか?
天体と同じように、小惑星も必ずどこかの星座に位置し、小惑星のエネルギーや象意が星座を通して現れます。
カ
イロン / キロンは、4大小惑星よりも注目される天体です。
公転周期の長い天体ほど、その影響力は強いとされていますが、恐れることも焦る必要もありません。
小惑星がどの星座にあり、10天体とのつながり方を知ることで、あなたはホロスコープをより深く読み解くことができます。
小惑星と星座の関係は、あなたの人生を通してどこかに必ず見つけることができるでしょう。
私たちは「なぜだか分からないこと」を明かしていくことで、自分を知り、自分像をより明確にすることができます。
それでは、カイロン / キロンの星座の意味を見ていきましょう!
カイロン / キロン × 牡羊座
牡羊座は「自我意識」や「個としての意識」、いわゆる「素の私」を表す星座です。
牡羊座にカイロン / キロンがあることで、アイデンティティに不安を抱え、自信や自己信頼が足りない私があるように感じるかもしれません。
「自分らしさ」とは、自身の在り方や生き方に納得したり、満足を感じたりしている状態といえるでしょう。
ですが「アイデンティティが傷ついている自己」が内在していることで、あなたは人の前に出ることが怖かったり、自己主張をすることが苦手だったりする傾向が強まります。
牡羊座は「若さ」や「ありのままの自分」を表し、自身に対して疑問を持たない純粋性の星座です。
見方を変えるなら、「誰の色にも染まらない」ことでもあります。
牡羊座的なカイロン / キロンの「痣」は、自己の確立のためのお手本を求めるでしょう。
ですが私たちは、誰かに似せる、近づけることでは、「ありのままの自分」を実現することはできません。
「私は未完成だ」や「私は不完全だ」という思い込みを払拭するために、多くのエネルギーが必要になりますが、このプロセスは大変重要です。
なぜなら模索し、吟味し、挑戦することは、牡羊座にとって最も刺激的で、且つ、自らで答えを見つけようとする姿なのですから。
カイロン / キロンはすぐに昇華されることも、外から解決案を与えられることもありません。
ですが人生をかけて、ご自身を認めていくことが、あなたのカイロン / キロンとの対話であり、宇宙への恩返しになります。
あらゆる手を尽くし、時間も労力もかけた、それでも答えが見つからないと、天を仰ぐ時、あなたは全身全霊で、内的にも外的にも宇宙に身も心も委ねることができるでしょう。
カイロン / キロン × 牡牛座
牡牛座は「物質的な豊かさや価値」や「体感や身体的な満足感」を表す星座です。
人は生まれてから、あらゆる物を与えられることによって、満足感や価値観が養われます。
カイロン / キロンが牡牛座にあることによって、所有や身体的健康に不満足になる機会が与えられるかもしれません。
私たちはどんなものを失おうとも、身体と心があれば、何度でもやり直すことができます。
ですが先天的に物質的な満足を得ることができなかったり、健康面で悩みがあったり、またスキンシップによる喜びが得られないことは、後々の人生に大きな影響を与えるものです。
牡牛座は安定や安らぎの中に喜びを見出すため、カイロン / キロンは「物」や「器」に関する憧れとコンプレックスを持つ傾向が強いといえるでしょう。
これは牡牛座のカイロン / キロンに限らず、誰もが「失うこと」を経験し、認め、昇華しなければいけません。
ですから物心ついた時から、「物では満たされない」や「満たされることを知らない」という感覚は、ある意味、高い精神性を養うという意味では、素晴らしいことです。
確かに物質的な恩恵は、体験し、満足を得ることで、その物自体に感謝の念を感じますから、満たされることがないことで、感謝する喜びは希薄かもしれません。
「知っていること」と「実際に体験していること」には雲泥の差があるからです。
牡牛座のカイロン / キロンが宇宙から与えられていることは、物質や身体が持つ神秘性や本質を知ることにあります。
分からないからこそ知ろうとし、体感することは、牡牛座のカイロン / キロンを育てることになるでしょう。
精神性の痣は、何もあなたが一切の恩恵を与えられない、ということを意味するわけではありません。
あなたはこの世で生きる喜びが、一体どのようなものであり、人々を幸せにするのかを自問自答していきます。
それはあなた自身を満足させるための旅であり、周り回って、あなたを信頼する人々を安心と安らぎに導くでしょう。
それまでの忍耐や自己不信を和らげようとする努力は、決して無駄ではなく、むしろあなたの切実で健気な生き様は、宇宙貢献なのです。
ですからご自分の人生をどうか悲観することなく、与えられた人生や経験を認めてください。
認めることによってしか、あなたはご自分を満たすことができないのですから。
カイロン / キロン × 双子座
双子座は「コミュニケーション」や「選択」、「言葉」の星座です。
双子座にカイロン / キロンがあることで、他者との関係性に恐怖や不安、コンプレックスを持ちやすい傾向が強まります。
またあらゆる選択は、「意志」と「迷い」によって、その後にもたらされる結果が異なり、自身の選択に信頼が持てないことで、行動が制限されるでしょう。
「選ぶことが怖い」や「選ばれることが怖い」という意識は、自尊心を傷つけ、他者との間に深い溝を作りやすくなります。
人は常に過去の経験を判断材料にしていますから、選択が決まり切っていたり、視野が狭いことで、変化や恩恵を遠ざけることになるでしょう。
このような場合、カイロン / キロンを満たすことができるのは、コンフォートゾーンを出ることと、親しい人からの助言を受け入れることです。
カイロン / キロンは「納得できない」や「満足できない」という感情を引き起こしますが、実際に試すことで、その感情が妥当かどうかを得ることで、認識が変わります。
あなたはご自身の欲求や願望を認め、選ぶ意志を尊重してください。
多くの可能性や解釈、方法論を多方面から仕入れ、また人からの生の声(体験) を受け入れることで、内なる声に気づくことができます。
「どのような選択を選んでも、私は最善の結果を導き出す」という動機を持ち、最善の始まりは最善の結果を手繰り寄せることを忘れないでください。
「人生は選択の連続」といわれますが、内面では、「人生は自己信頼の継続」です。
あなたの言葉、あなたの声、あなたの選択は、必ず他者貢献に行き着きます。
それまでは何度でも迷い、迷うこともあなたの精神性を育んでいるのだと、ご自分を認めてくださいね。
カイロン / キロン × 蟹座
蟹座は「育み」や「身内」、「親しみ」を象意に持つ星座です。
蟹座は月をルーラーに持ちますから、プライベートな部分や家庭、深層心理において強い欲求や感情を持ちます。
蟹座にカイロン / キロンがあることで、生存欲求や感情的な成長、人との結びつきにコンプレックスや恐怖心、痛みを抱える傾向が強くなるでしょう。
「愛されることが怖い」や「愛することが怖い」という心理は、体験したことがないことに対する抵抗であることが多いです。
願ったものが目の前にあるにも関わらず、拒否をしてしまうことは悲劇でしかありません。
蟹座のカイロン / キロンは、最も欲しい感情が成就しない体験を重ねることで、自身の感情を無下に扱ったり、他人に期待しなくなる恐れがあります。
恐怖心から始まるあらゆる言動は、恐怖を連鎖させてしまいますから、蟹座のカイロン / キロンはそのことを自覚し、恐怖とは反対の感情を経験することが重要です。
恐怖とは反対の感情とは、優しさや安らぎ、幸せや労り、励ましなどの「信頼」や「無条件の愛」などに関わる感情。
どのような感情にも善悪はありませんが、質や役割、もたらす結果は異なります。
そこで重要となる視点は、「感情はあなたの本質ではない」ということです。
心は月に形容され、コロコロと表情を変える定めにありますし、それが自然の姿。
ですが一喜一憂したり、幻想や幻影に惑わされることで、感情は悪のレッテルを張られ、そのような感情を持っている人は毛嫌いされます。
ですから蟹座のカイロン / キロンは、「愛されるはずがない」という思い込みを外すために、無条件に他者を愛することが重要です。
この世は「与えたものが与えられる」という原理があり、蟹座のカイロン / キロンは、元々与えられなかったものを、自身が創り出すことで得られます。
蟹座のカイロン / キロンは、実は心理的に辛い経験が繰り返されるかもしれませんが、その分「愛されること」に対する精神性が純粋です。
そして何より、あなたが今も無条件で生かされていること、愛されていること、そしてご自身を認めていいことを知ってください。
蟹座のカイロン / キロンはご自身への愛を悟った時、それまで求めていた以上に、他者へと分け与えたくなるくらいに愛が溢れ出て来るのですから。
カイロン / キロン × 獅子座
獅子座は「表現すること」や「注目されること」、「与えること」を意味する星座です。
太陽を支配星に持つ獅子座は、本来は輝かしい生命力で溢れています。
これは決して、獅子座にカイロン / キロンがあることで、生命力が制限されたり、太陽としての自分が確立できない、ということではありません。
獅子座は他者を前に、自分自身を表現する星座ですが、獅子座のカイロン / キロンは、そこに疑問や躊躇を覚え、日陰に身を潜める傾向が強まります。
太陽はエコヒイキすることなく、生きとし生けるものすべてを照らし、万物の成長を促しますから、太陽が日陰の存在になることは誰の得にもなりません。
これは古事記でいう、天照大神の「天岩戸隠れ」に表現されています。
獅子座にカイロン / キロンを持つあなたは、他者から認められることによって、自己信頼を自分自身に許可できるようになっていくでしょう。
「自分には何も無い」という虚無感は、あなたの心を曇らせ、世界を反射することを止めてしまいます。
あなたには与えられた使命も役割も、生命力も才能も能力も備わっていて、それは宇宙から求められていることを知り、認めるためにあなたは奔走し続けてきたのです。
ですが「答えはいつも内側」にしかありません。
他者から沢山愛情やエネルギーを頂くことは、確かに幸せです。
獅子座のカイロン / キロンは、自分から他者に与えることの方が、何倍も何十倍も幸せであることを知っています。
実際には「知っていることを思い出す」という方が適切かもしれません。
あなたの独創性や個性は、あなた自身が認めることで輝き、その光を求める人があなたを見つけることができます。
あなたは本来人に認められるべきであり、認められるべきものを内に秘めています。
あなたの本質を覆うベールは、「自分を見せる体験」を積み重ねることによって取り払われていくでしょう。
最も明るい太陽でさえも、時に隠れてしまいますが、明けない夜はないのです。
あなたは認められることや選ばれること、またその逆も恐れる必要はありません。
あなたは人生を通して、ご自身と現実をよく理解していき、時が来れば、あなたの独創性は多くの人々に開かれていきます。
あなたがご自身の独創性を楽しめるようになれば、恐怖やコンプレックスは解消され、懐かしさでもって精神性の痣を見ることができるようになるでしょう。
カイロン / キロン × 乙女座
乙女座は「分析」や「義務」、そして「奉仕」を表す星座です。
乙女座は仕組みや導線を整え、選択や決断がしやすい環境や状況を作り、自身が活動しやすくするように時間と空間を使います。
それは乙女座が土星座であることと、「繊細さ」や「綿密さ」を司るからです。
ですが乙女座にカイロン / キロンがあることで、実労働や評価に対して強い恐怖心やコンプレックスを抱く傾向が強まります。
乙女座のカイロン / キロンは、仕事や他者との関わり、健康に関して自信を持つことができない要素を、宇宙から与えられて生まれることが多く、そのことを悲観しやすいのです。
私たちは自信や手応えを感じられないもの、意義を見出すことができないものに対して、退屈さを通り越して、無気力感や虚無感を感じてしまいます。
目の前にある物事を認め、それを発展させたり、誰かの役に立てたり、社会貢献にすることに疑いを持ってしまった途端、私たちは人前に出たり、仕事ができなくなるでしょう。
この世には精力的に働ける人もいれば、ほどほどに働く人がいます。
睡眠時間を削ってまで、生き甲斐に時間とエネルギーを費やせる人もいれば、世捨て人のように、自然と調和して生きることに人生を捧げる人もいるのです。
乙女座のカイロン / キロンは、社会的な面に縛られ、完璧主義になったり、会社やルール、仕事の評価などに強いプレッシャーやストレスを感じます。
そのうち自分には資格が無い、自分にはできないと自己不信を抱き、物事を精査することができなくなるのです。
物質世界での経験には、ある意味「賞味期限」や「消費期限」があります。
確かに世の中には沢山のルールがあり、意に沿わない状況も沢山ありますね。
ですがどのような時も、絶対的な安定や永続的な成功など存在し得ません。
乙女座のカイロン / キロンは、「不足感をベースに物事を捉え、他者や社会との繋がりを断絶する癖」を止めることが重要になります。
「こんなことをして何になる」という不足感は、せっかくあなたが生んだエネルギーを無に帰してしまうからです。
乙女座のカイロン / キロンは、物事を丁寧に扱い、「自分が関わることは必ず実になる」という概念を持つことで、あなたは虚無感に飲み込まれることはなくなるでしょう。
本来は繊細さを象徴する乙女座だからこそ、カイロン / キロンは自分自身のやるせなさを憂いてしまうのです。
あなたはご自身を満たし、認めることに意識のベクトルを向け、あなた自身が善いと判断することに時間とエネルギーを注いでください。
あなたの生命力から放たれるエネルギーは、あなたが無駄だと決めているもの中では輝きを鈍らせてしまいます。
それ以上に、あなたの心身の状態がすり減る一方ですから、ご自身を守り、育てる意味でも、ご自身が安らげる環境や選択をすることを、ご自身の許可してください。
ご自身を豊かにする選択は、恐怖心やコンプレックスさえも包み込み、本来のあなたの献身的なエネルギーを呼び覚ましていくからです。
それは来たるタイミングで、あなたが求めていた他者貢献や社会貢献に繋がるでしょう。
その時こそ、あなたの繊細さや献身力が発揮されていきます。
ですからご自身の中にある虚無感は、これ以上責める必要はないのです。
カイロン / キロン × 天秤座
天秤座は「客観性」や「公平性」、「対人関係」を象徴する星座です。
天秤座の意識は「全体性」や「社会性」に向いていることから、個の意識は外界の世界に開かれています。
またその他の天秤座の象意として、「バランス感覚」や「調和」があり、天秤座は自身の中で自我と社会性の釣り合い・折り合いをつけることを課題としている星座でもあります。
ですから他者や社会からの影響を受けやすく、自分特有の願望や感覚、自己主張が曖昧になることもあるのです。
天秤座のカイロン / キロンは、そういった「相対するもの」のバランスを保つことが難しい経験を多く重ねる傾向が強まります。
特に対人関係については、天秤座は自身の願望や欲求が叶えられない状況や場面を抱えることで、特定の他者と向き合うことに抵抗感を抱くことがあるでしょう。
天秤は元々「一対一の関係性」や「対等の関係性」を望み、実現するために、客観性を取り入れようと努力します。
ですがその努力を侵害し、邪魔する存在が頻繁に現れ、天秤座の意思決定が阻害されることで、徐々に天秤座はより内なる声を無視してしまうことになるのです。
蟹座と同じく、天秤座のカイロン / キロンに必要な経験は、最も望む経験をすることになるでしょう。
対等に関わってくれる人物は、必ずしも親しくある必要はありません。
主義主張や境界線を尊重する人物を探し、「他者を信頼することができる経験」があなたの心に充足感を与えるでしょう。
人間関係において、隙や弱みは可愛げがある印象を与えもしますが、天秤座のカイロン / キロンの場合は、必ず自己主張をする必要があります。
社会性や調和を重んじる人は、利用されたり、相手のペースに巻き込まれることが多いからです。
私たちは社会性を持った生き物ですし、人との繋がりによって成長しますし、何より孤独に生きるよりも、喜びが巡って来る機会が増えます。
天秤座のカイロン / キロンは、人に利用されることによって、自尊心が傷つきますが、仕返しをしようとはしません。
だ
からこそ天秤座のカイロン / キロンは、自分自身から対人関係において突破口を見つける必要があります。
先ほどもお伝えしたように、信頼される人を見極め、自己主張をし、思考も感情も健全に保つことが重要です。
12星座の物語において、天秤座は社会の中で生きる喜びを見出そうとする星座。
ですから一部の、あなたを利用する人をキッカケに、人とのご縁すべてが失望に繋がる、という発想は徐々に解消していく必要があります。
他者に心を開くことに疲れ、虚しさを感じても尚、あなたは他者との間で生まれる創造性に憧れるはずです。
その憧れは必ず成就しますから、どうか安請け合いや、ご自身を安売りせず、深いお付き合いをする人を妥協しないでください。
あなたの精神性は、人と人との間に調和をもたらす、「橋渡し」の役割を発揮します。
天秤座のカイロン / キロンは、年月をかけて、ご縁とご縁、喜びと喜びを結ぶ精神性を養っていくでしょう。
それは宇宙があなたに期待し、心待ちにしているシナリオです。
ですからどうかご自分と、人に失望することなく、本当の客観性でもって世界を見通してください。
カイロン / キロン × 蠍座
蠍座は「変容」や「深い洞察力」、「生 / 性」、「終わりと始まり」の星座です。
蠍座には2つの天体によって支配されています。
1つは「男性性」や「行動力」を象徴する火星(副支配星)で、もう1つは「大いなる変容」や「死と破壊」を司る冥王星。
蠍座の意識は内面と外面の両方に向いていますが、深い内省をし、自分の世界に閉じこもる時と、活発に行動する時があり、言動にギャップを感じさせます。
蠍座のカイロン / キロンは、「他者との親密な関係性」と「激しい自己変容」を経験する星座ですが、その両方を避ける傾向が強いといえるでしょう。
蠍座は水星座ですから、持つ感情の質や、他者との感情のやり取りの具合によって、思考と感情が左右される星座。
蠍座の感情が激しく時は、膨大なエネルギーが必要となり、心身ともに疲労感がもたらされますが、蠍座は強い忍耐力によって耐え忍びます。
ですが蠍座は、内心の動揺や変化を他者に悟られないようにし、孤独に感情の嵐に身を投じるのです。
ところが蠍座のカイロン / キロンは、この凄まじい嵐の中で引き起こされる感情を回避しようとします。
元々蠍座は「0か100か」という極端な価値観を持ち、実際の行動に行使しやすい星座。
その際に大事なものまで切り捨てたり、感情を爆発させることで、他者をとことん追い詰めることもあります。
そういった状況は、蠍座でなくても望まないものです。
心をはじめ、深層心理や潜在意識、精神世界には無限のエネルギーが眠っています。
感情を見出し、自意識を見失うと、私たちは平穏な日常からかけ離れてしまうのです。
それを蠍座のカイロン / キロンは恐れ、楽しいことや明るさだけにフォーカスを当てようとするでしょう。
本来であれば蠍座の意識は、「生と死」や「光と闇」の両方を抱きかかえるような姿勢です。
そのバランスが崩れることで、蠍座のカイロン / キロンは、本来の洞察力や親和性、受容性を失うでしょう。
そのようなことが起こらないようにするためには、「他者とともに恐れと向き合うこと」を試すことです。
それは信頼する人や実績と信頼のあるカウンセラーが好ましいでしょう。
蠍座は「強い生命力」や「蘇り」を象徴する星座でもありますが、自分自身に絶望している間は復活の兆しは期待できません。
ですから特別な他者を受け入れ、自分自身の恐れと向き合う必要があるのです。
蠍座は孤独を愛しながらも、孤独を分かち合いたいと願う星座。
それを局所的に行いながら、自身の感情と向き合い、徐々に自己信頼を高め、「恐れは愛に変わる経験」をすることが重要といえるでしょう。
カイロン / キロン × 射手座
射手座は「高度な学問」や「研究」、「宗教・哲学」などを象徴する星座です。
この講座では射手座を「文武両道」の星座と表現しています。
それは「自分らしさ」を追求・尊重しながらも、世界の成り立ちや歴史、新しい価値観も尊重するからです。
射手座のカイロン / キロンは、「信念を傷つけられたくない」という防衛的な態度を見せ、他者に深く踏み込まれることを避ける傾向があります。
思想や信念、哲学、価値観などは、本来ならどのような指摘や評価を受けても、傷つけられることがありません。
ですが射手座のカイロン / キロンは、信念が人格形成や深層心理にまで根付いているため、批判されることで、人格否定にまで発展してしまうのです。
射
手座は木星を支配星に持ち、本来は大らかで楽観的ですが、射手座にカイロン / キロンがあることで、持ち前の明るさや陽気が瞬時に影を潜めてしまう時があるでしょう。
そういう意味では、射手座のカイロン / キロンにとって、自らの思考や感情を傷つけられることは、「神聖なものを汚される」という境地に近いのかもしれません。
また「自分を傷つける他者は絶対悪である」という解釈は、受け入れられるものではありません。
射手座のカイロン / キロンは、排他的になり、絶対的な正義を探し、大義を振りかざすようになると手がつけられなくなります。
ですから射手座のカイロン / キロンは、自分自身の主張を尊重してもらうためにも、他者が持つ信念も尊重する必要があるのです。
真理や真実は、執着や争い、排除や支配の中には存在し得ません。
他者を受け入れることができない、自分自身が他者に受け入れられない、と思い込むことで、意固地になって真理探究を続けても、途方に暮れるでしょう。
そのような場合の結末は、「灯台下暗し」に終結するものです。
射手座のカイロン / キロンは、普段生きている場所、それも日常生活の中に真理や愛があることを知ることを望んでいます。
そしてそれらを掴むことは可能ですし、普段あなたと関わっている方との間に見出すことも可能です。
射手座のカイロン / キロンは、「本当は傷つけられていない」という経験をするために、日常生活を丁寧に生きることが重要といえるでしょう。
射手座の支配星である木星は、「幸運」を運ぶ星といわれるように、射手座のカイロン / キロンも、存在し、触れるだけで喜びを感じられる人なのですから。
カイロン / キロン × 山羊座
山羊座は「責任」や「物質的な成果」、「社会的な組織」を象徴する星座です。
山羊座は物質文明の発達に長らく貢献している星座で、多くの天体がエネルギーを供給することで、土(物質) のエレメントがこの地球で根付きました。
山羊座は社会性の星座であり、物質世界を安定させる働きを循環させることができる、「土台」ともいえる役割を担っています。
それは「影響力」や「支配力」という言葉を連想させるでしょう。
山羊座のカイロン / キロンは、自分自身の言動で他者に影響を与えることに、強い抵抗や恐怖心を持つ傾向があります。
山羊座の意識は、公・社会性の面がプライベートや家庭にまで強く反映され、それが信頼性を高めることにも成り得るでしょう。
ですが山羊座のカイロン / キロンの場合、自身が他者に影響力を持つことに疑問や躊躇いを感じ、自身の意思決定を抑える傾向があります。
私たちの言動は抑えている間は、他者の主張や感情を尊重しているように思えるかもしれませんが、実はそれは対等な関係性ではありません。
山羊座の支配星である土星は、自分の人生の舵取りをすることを意識させる天体です。
他者への影響力を持つ力を与えられている山羊座が、その影響力を押し留めることは、土星の意に反します。
そのため山羊座のカイロン / キロンは、自分自身の人生に消極的になり、他者の意見を優先することで難を逃れようとするのです。
こういった状況は、山羊座の本来の役割を逆転していますので、山羊座が持つ本来の輝きに陰りが生じます。
ですから山羊座のカイロン / キロンは、「自身の他者への影響が悪である」という価値観を解消する必要がある、といえるでしょう。
つまるところ、山羊座のカイロン / キロンに必要なことは、自身の選択・決定は他者に最善の影響をもたらす、という「動機」を持つことです。
誠実な始まり・動機は、誠実なプロセスをもたらし、結果的に自身の影響が受け入れられる経験をもたらします。
土星の影響により、山羊座のカイロン / キロンは、責任に対して強いプレッシャーを感じるかもしれませんが、そのプレッシャーはより善い現実を実現するために必要な材料です。
模範となる人物を見つけること、憧れの人物の人生観を取り入れること、また自身の主義主張・感情を他者に打ち明けることで、責任に対する強烈な不快感は和らぎます。
「誰もが自分の人生に責任を負っている」ということは、至極真っ当な意見ですが、その事を受け入れられない時に、人は従属意識や被害者意識を抱えてしまうもの。
山羊座のカイロン / キロンは、他者を信頼し、信頼する人に信頼される体験を通して、自身の影響力は決して害ではないことを学んでいくでしょう。
そして人との繋がりの中で、深い納得感や安らぎを得ることを自分に許可してください。
社会は人の集まりで構成され、物質は人を豊かにし、人が感情を使ってより善いエネルギーを増幅させることで、宇宙の創造活動に貢献することができるのですから。
カイロン / キロン × 水瓶座
水瓶座は「理想」や「独創性」、「同志との繋がり」を表す星座です。
水瓶座の支配星は天王星で、トランスサタニアンである天王星は、革新的なアイディアやテクノロジー、内なる天才性の開花などをもたらす天体。
他者から見ると、水瓶座の印象は、「自然体の自分=独創的な自分」という方程式が似合う星座といえるでしょう。
社会や手段からのプレッシャーや同調は、私たちの意志や感情を抑える場面が多いかもしれませんが、水瓶座は受け流し、自己主張をする星座だからです。
水瓶座は冷静でありながら、自身の理想や主義主張のためには情熱的に動く星座。
ですが水瓶座にカイロン / キロンがあることで、社会や集団、親しみの無い人から傷つけられることを極度に恐れる傾向が強まります。
12星座の物語は、1つ星座を移動する毎に、前の星座の性質を打ち消す(乗り越える)ような展開を見せ、水瓶座は、山羊座の社会的な呪縛から逃れようとする星座です。
ところが水瓶座のカイロン / キロンは、前へ進むこともできず、後ろへ後退することもできない、といった葛藤を抱えます。
それは理想や意志を実現する際の障害となり、他者との深い繋がりを断絶させる要因ともなり得るでしょう。
ですから水瓶座のカイロン / キロンは、信頼に足る仲間や同志と繋がりを持ち、時間をかけて自己主張ができるように慣れる必要があります。
水瓶座は蠍座とは違う角度で、自我意識を変容させたいと願う星座。
その変容の仕方は、孤独な作業ではなく、理解を示してくれる人と共通の意識の下で開花します。
つまるところ、水瓶座のカイロン / キロンは、自身を信頼するために、自身を信頼している人に感化されることが必要なのです。
潜在意識・無意識・集合的無意識・超意識などの、目に見えない次元で繋がりがある、というだけでは、水瓶座は納得できず、またそれを他者に勧めることができません。
だからこそ実際的な条件を用意し、自分にとっても相手にとってもより善い関係性が必要なのです。
これは「依存先」とも呼ぶこともできますし、「コミュニティ」や「共同体」と呼ぶこともできるでしょう。
水瓶座のカイロン / キロンは、1人きりで活動する時と、同志や仲間と集うこと、どちらも有効な手段です。
「できなかったことができるようになった」という変化・変貌の実体験は、何よりも人の心を動かします。
水瓶座のカイロン / キロンは、他者に実体験を伝え、その波紋を拡大させ、新時代の創造が個人の手にあることを呼びかけていくことでしょう。
カイロン / キロン × 魚座
魚座は「受容性」や「共感」、また「癒し」を象徴する星座です。
魚座こそ「献身」や「癒し」といったことに秀でている星座といえるでしょう。
海王星を支配星に持つ魚座は、人と深く繋がることを阻害する、思考や概念といった「境界線」から自由な星座です。
物質世界を否定することなく、ただ感情の充足感が大切である、と説く星座が魚座といえます。
魚座にカイロン / キロンがあることで、人との深い繋がりや共感、また他者への癒しの提供に恐怖心や抵抗感が生まれ、自身の存在意義を疑ってしまうこともあるでしょう。
人の感情には善悪がありませんが、生理的・精神的には「辛み」や「苦しみ」が生まれ、また特定の対象がいてもいなくても、その感情は自分自身で昇華しなければいけません。
「感情の癒し手」とも呼べる魚座は、他者の感情の変化に敏感に反応し、同調することで、その変容・変化に怯えてしまうのです。
「
好転反応」や「膿み出し」という現象・プロセスをご存じでしょうか?
例えば体内にウィルスや菌が入ることで、身体は抵抗し、適切にそれらを体外に排出しようと、高熱や痰、出来物や吹き出物、分泌液などが表れますね。
その際に急激な不調や、情緒不安定な状態が表れ、当事者はもちろんのこと、傍に居る人にも影響が及ぶこともあります。
感情の解消や昇華の場合、エネルギー的な拡散が起こり、その波長を受け取りやすいのが魚座です。
他者の感情やエネルギーに同調しにくい人にとっては、医療や葬儀といった、身体と精神、または魂の変容が起こる現場は、苦にならないかもしれません。
ですが魚座のカイロン / キロンの場合は、動揺したり、似たような状況が自身の中で起こることもあり、その実体験や予兆に恐怖を感じてしまうのでしょう。
魚座のカイロン / キロンにとって必要なことは、自分自身を労り、繊細な自分を受け入れるとともに、他者から同じように扱われることです。
義務や仕事、またボランティアや奉仕といえど、できないことはできませんし、意地を張って実行し、身を滅ぼす必要はありません。
それは興味のあることや、素質があること、以前はできたけれど現在はできなことも同様です。
できる時や、できるようになった時にすればいいことを、できない時に自身に強いることは止めましょう。
魚座のカイロン / キロンは、他者に深い癒しを与えることに憧れを抱くかもしれませんし、興味があるかもしれません。
ですが実際のあなたの力が必要とされる時は、あなた自身が自身を認め、また癒される体験をしてからです。
私たちは誰も、できないことに対して罪悪感を持つ必要はないのですから。
宇宙から見れば、私たちは1つの生命体である地球の一部で、誰もが繋がっています。
そして私たちは宇宙の視点を実感するために、人生をかけて精神性を高め、自身を認めることを学んでいるのです。
あなたが癒しを提供できない間、誰かが癒しを提供しているでしょう。
あなたが癒しを提供できるようになった時、誰かが癒しを提供するための準備をしているでしょう。
ですからどうか焦らず、ご自身を見つめ、他者と適切に繋がり、現実を受け入れてください。
魚座のカイロン / キロンに限らず、カイロンが位置するすべての星座は、「自分自身を認めていくプロセスが全体への貢献である」ということを、自分自身に教えてあげてください。
そうすれば「One for All, All for One」(1人はみんなのために、みんなは1人のために) というフレーズが、決して綺麗事ではないと気づくことができるでしょう。
カイロン / キロン とハウス
ハウスについての解説は、ハウス別の講座で行いますが、軽くカイロン / キロンが入るハウスについても触れておきます。
すべての天体は、あなたの心・魂・意識の要素です。
ハウスは、あなたの人生や時間の流れ、成長段階のテーマを表します。
カイロン / キロンが入るハウスに着目することで「自己信頼の欠如」や「本来の能力の封印」、「恐怖心やコンプレックス」などを知ることができるでしょう。
カイロン / キロンはホロスコープリーディングにおいて、人生の障害の原因や他者貢献の強み / 弱み、心や精神性において補われるべき分野などを見極める際に採用されます。
ですからカイロン / キロンが入るハウスは、太陽系10天体が入るハウスと同様に重要視してくださいね。
ハウスに関する詳細は、後の講座で詳しく解説しますので、楽しみにしていてくださいね!
カイロン / キロンが位置する星座の度数
ホロスコープは12分割して、12つの星座とハウスが配分されているということは、これまでの講座でお伝えしましたね。
また360度の円を12分割し、それぞれの星座には更に30度の部屋があり、あなたのカイロン / キロンが位置する度数によって、「あなたのカイロン / キロン」の特徴が分かります。
ちなみに1つの星座の度数は、0度~29.99度の間で、30度は次の星座の0度となります。
また1つの星座は、1~9度、10~19度、20~29度の3つの区分けで考えられます。
違う考え方として、5度毎にグループ分けをして、更に細分化する解説もあります。
物事は細分化することで、より深く、また明確に特徴を掴むことができますが、最初のうちは3グループに分けるところから始めてみましょう!
サビアンシンボル
サビアンシンボルとは、星座の度数の1つひとつに、意味やメッセージがあるというものです。
サビアンシンボルについては、また後の講座で解説していきますが、あなたのカイロン/ キロンが位置する星座の度数をまずチェックしてください。
そして、カイロン / キロンの度数に+1度足したサビアンシンボルのメッセージを読んだり、その度数のサビアンシンボルの解説の中からビビッと来た言葉や表現を選びましょう。
サビアンシンボルに限らず、天体が位置する度数の前後1度、合計3度を合わせて見ると「流れ」が掴みやすくなります。
サビアンシンボルは、度数自体に関するメッセージですから、あなたのカイロン / キロンと、カイロン / キロンが位置する星座とハウスと絡めると、より多くの情報や閃きが沸いて来るはずです。
とはいえ、現代占星術ではホロスコープリーディングの際に活用されますから、10天体とともに、小惑星のサビアンシンボルもチェックしておいてくださいね!
未完全な自分を認めることが完全性を創造する!
今回は土星とトランスサタニアン、物質性と精神性を結ぶ役割を担う、カイロン / キロンを解説させていただきました。
カイロン / キロンは土星と同じく自覚しやすい天体であるとともに、トランスサタニアンの影響を受け止める働きがある天体です。
精神性を扱う時、指標となるものは、私たちの自覚であり、経験から得た実体験で、他人からの受け売りの言葉よりも説得力があります。
今回の講座では、今までの解説よりも「自分自身を認めること」を強調し、「認めること」がどのような成果をもたらすかについて力説させていただきました。
カイロン / キロンがどの星座・ハウスにあっても、また他の天体とどのようなアスペクトを持っていたとしても、あなたには「希望」が用意されています。
なぜならあなたという存在自体が、誰かの希望であり、他者貢献の対象だからです。
そしてあなたの自己信頼は、必ず誰かの光となります。
時間をかけて成熟するあなたの精神性は、揺るぎない安らぎと癒しの力を得るでしょう。
そのタイミングは今であってもいいですし、明日や10年後でもいいのですが、大切なことはあなた自身の実感です。
誰が何を言おうと、あなた自身が心で納得した時、現実に見える形で答えを見つけることができるでしょう。
繰り返しになりますが、カイロン / キロンは人生を懸けて認めていくものです。
それは「無償の愛」や「無条件の愛」という言葉で表現することができます。
裏返せば、あなたはご自身を認めることができなければ、あなたは誰かを癒すことができないのです。
だからこそまずは、自分自身を知り、満たし、認めることが最重要事項といえるでしょう。
時間は貴重な財産ではありますが、時間は心と同じくコントロールすることはできません。
目の前の現実を受け入れると同時に、歯がゆい自分自身を受け入れてあげてくださいね。
その自己受容と自己信頼の積み重ねが、あなたの人生を少しずつ輝かせていくのですから。
今回で小惑星の解説は終わりになりますが、まだまだ講座は続きます。
次は「感受点」について解説させていただき、あなたはより深くホロスコープリーディングができるようになっていきます。
それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次の感受点別「アセンダント」の講座でお会いしましょう!
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