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マイナー・アスペクト解釈・現代占星術編その3

マイナー・アスペクト解釈・現代占星術編その3

「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座」にようこそ!

いつも記事を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。

前回の講座では、ネイタルチャートにおける星座の関係性や、運命や法則性、
そしてメジャーアスペクトについての解釈について解説しました。


メジャー・アスペクトとは、地上(ハウス)から空(星座)を見上げ、
地球視点での天体が織り成す「意図の融合と発揮」をホロスコープ上に起したもの。



それは、意味のある角度(アスペクト)として、星座の関係性において、ある天体が他の天体に近づく(アプローチ/アプライング)
もしくは離れること(セパレート)で、アスペクトの正確さが変わるというもので、天体が星座を介する、という点が重要なポイントです。

つまり、天体が他の天体と特定の角度を持つ際には、星座の区分による関係性の構築が必要で、それによって、複数の天体による融合的な意図が発揮される条件を満たす、ということです。



対して、マイナー・アスペクトは、原則的に、星座を抜きに、天体同士の角度だけに着目した概念で、アスペクトのルールとしては、矛盾を孕みながらも、「意味を見出す」という点において、私たちにより深い洞察の機会を与えてくれます。

それは、時間からの呪縛から離れた、内的な感覚や感性に訴えかける、私たちの意識を使った天体に対する概念だからです。

本講座では、メジャー・アスペクトが「真理の摂理(真理探究)」であるならば、マイナー・アスペクトは、「心理の摂理(心理探究)」である、と表現していきます。


この対比は、伝統占星術と現代占星術の相違や、アスペクトの概念の対立を意味するわけではなく、単に「視線」や「目線」が違う、ということです。


ホロスコープを読む上で、マイナー・アスペクトは、小惑星やアラビック・パーツなどと同様に、最初に深堀すべき概念ではありませんが、後々に理解したくなるかと思いますので、是非、基本知識や原則、ルールなどを知った上で、マイナー・アスペクトを活用していってください。


前振りとしては、少しモヤモヤが残るかもしれませんが、今回の講座でマイナー・アスペクトが持つ特長と矛盾についてを詳しく解説していきますので、今回も最後までお付き合いください!

アスペクトの定義とマイナー・アスペクト

さて、耳にタコができているかもしれませんが、ここでもアスペクト本来の定義のおさらいです。

アスペクトとは、天体の星座における特定の角度を意味します。

更に言えば、アスペクトは、天体が他の天体を「見ること」ができる位置関係を表します。

見る角度によって、良い面と悪い面があるわけですね。

ですから、同じ星座に位置する天体同士は、お互いを見ることができないため、本来はアスペクトとは見ないません。


アスペクトの定義・条件は、以下の3点に集約されます。

  1. 星座同士がアスペクトの角度になっていること
  2. 天体同士がアスペクトの関係にあること
  3. 天体同士のアスペクトになり得る角度を持つこと

また、アスペクトの状態は、以下の3点によって変化の段階があります。

  1. 天体同士が星座の組み合わせによって、正確なアスペクトを形成している(ピーク)
  2. 一方の天体が他の天体に近づくことで、アスペクトが完成しつつある(接近/上昇)
  3. 一方の天体が他の天体から離れることで、アスペクトのピークが終わっていく(分離/下降)

①星座同士がアスペクトになっているかどうかは、度数によって明らかです。

②天体同士がアスペクトにあるかどうかと、③天体同士がアスペクトになり得る角度を持つことは、表現として若干の違いがありますが、アスペクトとして成立するか否か、の違いを表しています。

どういうことかといいますと、アスペクトの原理は、星座同士の関係性が土台・条件ですので、例え天体同士がアスペクトを形成する角度を持っていても、星座を超えての天体同士の関係性は、アスペクトとして成立しません。

ただ、天体が近づいている途中である、もしくは、天体が離れている途中である、という場合、アスペクトが①完成・調和の状態(ピーク)、②完成しつつある、③ピークを超えてアスペクトが解除されるという天体同士の関係性という具合に、意味のある角度は常に変動することを忘れてはいけないのですね。

ここまでが、アスペクトの定義と条件であり、メジャー・アスペクトに適応される概念です。

次に、マイナー・アスペクトですが、マイナー・アスペクトは、「人為的に角度を見出す」という立ち位置から、天体同士の角度にアスペクトと同じような意味付けを与える、という概念になります。

なぜなら、マイナー・アスペクトは、アスペクトの定義・条件の③のみを適用するからです。

もちろん、③の項目と同時に、他の項目を満たす場合もありますが、メジャー・アスペクトとマイナー・アスペクトは別物である、と考えた方が、根本的なアスペクトの理解に繋がります。

ここが、伝統占星術と現代占星術の概念・解釈の大きな違いといえるでしょう。

マイナー・アスペクトは、アスペクトを形成する条件である星座の組み合わせに依存せず、天体同士が持つ角度を見るもの、という風に捉えていただければOKです。

マイナー・アスペクトの解釈

今回の講座では、マイナー・アスペクト単体での解釈をお伝えします。

また、マイナー・アスペクトは天体が持つ角度を中心とした関係性(角度)ですので、メジャー・アスペクトのように、表は用意していません。

今回ご紹介するアスペクトは、以下の10種類です。

  1. セミセクスタイル / 【30度】
  2. セミクインタイル / 【36度】
  3. ノヴァイル(ノナゴン) / 【40度】
  4. セミスクエア / 【45度】
  5. クインタイル / 【72度】
  6. バイクインタイル / 【144度】
  7. インコンジャンクト(クインカンクス)  / 【150度】
  8. セプタイル / 【51.42度】
  9. セスキコードレート / 【135度】
  10. クインデチレ / 【165度】

マイナー・アスペクトは上記に挙げた10つがありますが、マイナー・アスペクトの中でも、第2種アスペクト、第3種アスペクトに分けられます。

以下に1つずつマイナー・アスペクトをご紹介していきますが、第2種・第3種を混合で説明していきます。

それぞれのマイナー・アスペクトを解説する前に、マイナー・アスペクトを考察・活用する際の注意点を挙げさせていただきます。

マイナー・アスペクトを扱う際の注意点

マイナー・アスペクトは、天体同士の角度(ホロスコープ上では度数による距離)だけを抜きったものです。

そのため、メジャー・アスペクトと比べると、どうしても整合性がつかないため、特殊な条件を持って取り上げる必要があります。

本講座でご紹介するマイナー・アスペクトの見方は、以下の7項目です。

  1. マイナー・アスペクトは、天体は他の天体との角度によって、その天体の性格・影響力を説明する
  2. マイナー・アスペクトは、天体の他の天体とのメジャー・アスペクトの形成の発展途上にある天体の状態を示す(と見る)
  3. マイナー・アスペクトは、天体が他の天体に近づこうとしている、または、離れようとしている時の位置関係を読む際に活用できる
  4. マイナー・アスペクトは、単独で判断・活用するよりも、メジャー・アスペクトの一部として捉えることで、角度を持たない天体同士の関係性よりも、若干の象意や意味を見出すことができる
  5. マイナー・アスペクトは、空間的・ハウス的に天体を見る際、特に天体がアングルに近い時に、マイナー・アスペクトの角度を持つ天体の状態を強調する
  6. マイナー・アスペクトは、ホロスコープで強い影響力を持つ天体が支配する(関連する)星座やハウスに位置する時に、判断材料となる角度である
  7. マイナー・アスペクトは、アングルや小惑星、他の感受点を含めた時に複合アスペクトができる際の判断材料となる角度である

そんなに細かいことを気にしないといけないのか?という疑問が湧くかもしれません。

そうであるならば、マイナー・アスペクト自体を使わず、メジャー・アスペクトだけを採用し、シンプルに、だけれど、深く天体が持つ影響力を見た方が気苦労が無いかもしれません。

ですが、現代占星術が持っている特長は、「意識を進化させる」という点で、「表面的には表れていない潜在的なメッセージを読み取る」ということにあります。

ホロスコープを初めて目にする場合は、メジャー・アスペクトを深堀することに集中することをお勧めしますが、天体からのメッセージを深く読み取ろうとする場合、マイナー・アスペクトは、全体像としては表れていないヒントを拾い上げることが可能になります

上記の注意点を参考にしていただけると、突拍子もない判断や発想に発展することを避けられるでしょう。

セミセクスタイル(semi-sexile):【30度】:第2種アスペクト

セミセクスタイルは、360度を12で割った角度で、天体同士が30度離れている時のマイナー・アスペクトです。

数だけを見れば、12つの星座とハウスの度数・幅と同じであるため、何かしら重大な意味があるのではないか、と考えてしまいますね。

トラインは、二区分・三区分・四区分がすべて共通するため、天体がアスペクトを持つため、調和や安定、援助、成功といった好意的な働きを象徴します。

セクスタイルは、二区分は共通しますが、三区分と四区分は異なります。

セクスタイルの三区分は、活動宮&不動(固定)宮、活用宮&柔軟宮、不動(固定)宮&柔軟宮、

四区分は、火&風 / 風&火、地&水 / 水&風の組み合わせです。

調和や安心は、言葉を変えれば、親しみやすいさや馴染みやすいさ(親和性)や融通の利く性質の一致から生まれます。

セクスタイルの場合、度数の関係上、隣り合うサインか、もしくは、2つ離れたサインでアスペクトが形成されます。

そのため、トラインやセクスタイルのような調和的な働きがもたらされると判断することはできませんので、状況次第で占断は変わります。

セクスタイル(60度)の半分の度数がセミセクスタイルですが、セクスタイル自体がトラインの半分の角度ですので、セミセクスタイルに大きな幸運や転機を期待できるわけではありません。

マイナー・アスペクトは天体同士のみの角度ですので、星座の関係性を抜きにした、天体同士の角度により決まる場合少なくありません。

セミセクスタイルが持つ象意は、「思わぬ形で得られる援助」ですが、セミセクスタイルで天体が繋がっているからといって、常にそのような作用が起こるわけではありません。

幸運や恩恵といえば、ベネフィック(吉星)と呼ばれる金星と木星の働き、喜びや豊かさ、喜びや繁栄などに関連する事象に関連し、特に木星は「棚ボタ的な幸運」という見方がされますが、それは木星の本質的な働きではありません。

木星は、広い視野で見た際の発展・繁栄を象徴し、その根底には、道徳心や倫理観が通っていますので、能天気さや無責任さとは一線を画します。

金星と木星は、喜ばしい体験や望ましい待遇をもたらしますが、人によっては、怠惰や惰性といった悪癖を呼び起こす作用に転じる場合もあります。

補足になりますが、伝統占星術では、30度と150度という角度自体は、東の地平線から見えない場所(アヴァージョン)を表しますので、本来的には望ましくない象意や事柄を指します。

アヴァージョンの概念が無かったとしても、30度という角度は、現代占星術でもそれほど大きな意味を持たされていません。

「あってもなくても問題はないが、あった方が多少の恵みがあるかもしれない」という解釈が一般的です。

セミセクスタイルは、原則的に隣り合うサインで形成されるアスペクトです。

また、後ろ側に位置する天体が、前川に位置する天体にアプローチする場合と、前側に位置する天体が後ろ側に位置する天体にアプローチする場合とでは、隣り合うサインの反作用の仕方の意味が変わります。

恩恵や喜びといった性質よりも、反発や否定といった反作用による化学反応として、「思わぬ形で得られる収穫」という風に解釈すると、隣り合うサイン・ハウスの天体の繋がり方や影響の度合いを深読みすることができるでしょう。

水星は、最大離隔といって、太陽から28度以上離れることがありませんので、太陽と水星のサインが異なる場合、また、ハウスの5度前ルールなどの適用から、セミセクスタイルの影響を見るかどうかの判断がつきにくい場合があります。

*セミセクスタイルは、複合アスペクトであるセミヨード(セミヨッド/変則ヨッド)を形成するアスペクトの1つです。

マイナーアスペクト自体の影響力がそれほど強くなくても、複合アスペクトを形成する要因の1つとして考える時、天体の影響力の理解に役立ちます。

複合アスペクトについての解説は、次回の講座で解説させていただきます。

セミセクスタイルのオーブは、2度以内です。

セミスクエア(semi-square):【45度】:第2種アスペクト

セミスクエアは、スクエア(90度)の半分の角度で、360度を8で割った角度で、天体同士が45度離れている時のマイナー・アスペクトです。

8は、土星の数と考えられていますので、スクエアに準じるセミスクエアは、困難や障害、衝突、摩擦といった軋轢の意味があるアスペクトです。

ちなみに、土星の数である8によって割り出されたアスペクトがセミスクエアですから、サインとハウスを分断した形で、ホロスコープを八等分され、八望星が浮かび上がります。

この場合、セミセクスタイルと同様に、隣り合うサインか、2つ離れたサインで形成されるアスペクトとなり、スクエアのような強い影響力が生じるかは、状況次第といえます。

マイナー・アスペクトは天体同士が形成する角度によるアスペクトである場合が多いため、セミスクエアよりも、メジャーアスペクトの方を優先的に採用する必要があります。

とはいえ、セミスクエアは土星の数が関係しているため、影響力が無い、とは言えません。

どういうことかといいますと、2つ(または2つ以上)の天体がセミスクエアの角度を取る場合、土星の能力や性格が加味される、という補足的な見方ができるからです。

この見方・読み方は、メジャーではありませんし、必ず適用できるものではありませんが、1つの見方として採用してもいいかもしれません。

ただ、天体と天体の間に起こるものであって、地上にまで影響がある時は、例えば、土星が他の天体とセミスクエアを取っている場合は、他のメジャー・アスペクトと絡む複合アスペクトの場合に、セミスクエアに意味を持たせる、というような条件で占断を下すことができます。

そして、2つの天体の力関係、意図が顕在化することを踏まえた上での、マイナー・アスペクトの作用を考える、という意味では、サブ的な角度といえるでしょう。

「セミ(semi)」は、「半分の」や「半ば」、「準」といった、部分的な状態を表します。

深読みをするとすれば、「アスペクトが形成される角度のプロセスの途中」という見方もできます。

ただ、その場合は、アスペクトとして扱うのではなく、天体の動きとして見た方が自然かもしれません。

少し珍しく、妙な感覚ではありますが、①アスペクトとしての角度と、②天体が示している運行状態のように、メジャー・アスペクトとマイナー・アスペクトを分ける、という具合に、天体の影響力と現象化の度合いを分けて考えると面白いかもしれませんね。

セミスクエアのオーブは、3度以内です。

クインタイル/キンタイルquitile):【72度】:第2種アスペクト

クインタイルは、360度を水星の数である5で割った角度で、天体同士が72度離れている時のマイナー・アスペクトです。

キンタイルとも呼ばれますが、本講座では、クインタイルで統一させていただきます。

クインタイルの意味は、「5分の1」や「五分位数」で、図形に例えるなら「五角形」です。

もし5つの天体が72度の角度で繋がるなら、ホロスコープ上では五芒星が描かれることになりますが、あまり見たことも聞いたこともないかもしれません。

ただ、アングルや小惑星、他の感受点、アラビック・パーツを含めての特殊なアスペクトの読み方をするのであれば、五芒星の影響を読むことは可能かもしれませんが、アスペクトはあくまでも天体同士の関係性であることにご注意ください。

クインタイルは、マイナー・アスペクトであっても、注目されやすい角度とされています。

水星の数である5が関わっているため、2つ(または2つ以上)の天体の角度がクインタイルである場合、水星の能力や性格が加味される、という見方がされるためです。

クインタイルによって加味される意味とは、知的要素で、象意・意味としては、比較的良いと判断されます。

五芒星は、世界中で結界やエネルギーの放出に用いられる幾何学的な象徴です。

水星は太陽に最も近い天体であり、頻繁に逆行に転じ、本質的には、男性性と女性性のどちらのエネルギーも持ち合わせる特殊な役割を与えられています。

そのため、金星や木星といった、外部からの恩恵といった形ではなく、水星は、内面に宿っている創造性を発揮することで、豊かさや幸運に巡り会う素養を宿す、自発的に運を開拓する天体と考えることができます。

そして、クインタイルは、創造性や才能に関する作用や働きがあると考えられています。

クインタイルのオーブは、2度以内です。

セミクインタイル/セミキンタイル(semi-quitile):【36度】

セミクインタイルは、五等分(分割)を意味するクインタイルの半分の角度で、天体同士が36度離れた時のマイナー・アスペクトです。

セミキンタイルとも呼ぶようですが、英語の綴りに従って、本講座ではセミクインタイルで統一させていただきます。

クインタイルの半分の角度ですから、円を10等分すると、セミスクエアのように、分割が上手くいきません。

セミクインタイルの場合も、セミスクエア同様に、天体同士がメジャー・アスペクトを形成する際の距離・角度と考えてみましょう。

クインタイルは、2つ(または2つ以上)の天体の角度が36度を持つ場合のマイナー・アスペクトで、扱うかどうかは占断者に委ねられますが、それほど重要視されない角度です。

セミクインタイルには、「弱い調和」「弱い援助」といった意味が与えられています。

セミクインタイルは、クインタイルを等分することを前提としていますので、セミクインタイル単体では、それほど強い影響力が無い、と判断せざるを得ません。

セミクインタイルのオーブは、2度以内です。

バイクインタイル/バイキンタイル:【144度】

バイクインタイルは、クインタイルの倍の角度で、水星の数(5)に関連していて、天体が他の天体に対して144度の角度を持つ時の角度です。

クインタイルは、セミクインタイルとバイクインタイルの両方に関連があり、天体が他の天体と角度を持つ時、これらのマイナー・アスペクトには水星の性格や性質が加味される、といわれています。

個人天体である水星は、外部環境に影響され、他者の存在によって感化されることによって、自らに宿っている能力や才能を発露させる役割があります。

バイクインタイルは、先天的に宿っている才能と創造性の発揮に関係があるとされています。

クインタイルの倍の角度であるバイクインタイルは、クインタイルよりも視野が広く、長期的な目線で自己を客観視することを促すアスペクトといえるでしょう。

そのため、自らの才能や能力は、経験をしてみなければ自覚することも、開花させることもできませんので、努力や工夫、柔軟な発想が要求されます。

自己理解と人生経験を積み重ねながら、想像力を創造力に転換させる上で、クインタイルとバイクインタイルは注目してもいいかもしれません。

バイクインタイルのオーブは、2度以内です。

インコンジャンクト/クインカンクス:【150度】:第2種アスペクト

インコンジャンクトは、天体の数で割ったものではなく、90度(スクエア)と60度(セクスタイル)を合わせた角度で、ハードアスペクトとソフトアスペクトを掛け合わせた特殊なアスペクトでもあります。

インコンジャンクトは、クインカンクスとも呼ばれますが、本講座では、インコンジャンクトで統一させていただきます。

伝統占星術では、インコンジャンクトは、30度(セミセクスタイル)と対の角度で、東の地平線から見えない場所を指すアヴァージョンの角度です。

ですが、マイナー・アスペクトとしてのインコンジャンクトは、場所ではなく、天体同士の角度を意味しますので、地上(ハウス)的な概念には対応しません。

インコンジャンクトは、マイナー・アスペクトの中では、比較的注目されやすい角度です。

90度と60度を足す、ということを抜きにして、インコンジャンクトは、二区分・三区分・四区分のすべてが異なるサインに天体が位置する角度・関係性を持つことを意味します。

「暖簾に腕押し」ではありませんが、他方に対して気を遣わなければならなかったり、どのような反応が返ってくるかが分からないため、ストレスが生じます。

そういった場合は、柔軟に対応することが求められたり、事前準備が入念にしたり、はたまた、出たとこ勝負であったりと、創意工夫・努力が求められるとともに、新鮮な経験が与えられ、勇気や根気が求められる状況が生じるといえます。

そして、それは、天体間に緊張感や摩擦、刺激といった火花が生まれ、フラストレーションが蓄積される位置関係です。

アスペクトは、星座の区分に共通点を持つことが、天体同士の連絡を取りやすさの指標となるのですが、インコンジャンクトの場合は、「異質」「違和感」といったものが強調されます。

そのため、インコンジャンクトによる作用によって、他方の天体から「全く違う性質が流れ込んでくることで、気づきが得られる」、といったことが重要な視点です。

もちろん、こういった視点が無ければ、「障害」や「困った存在」として対象(天体)を捉えてしまうのですが、マイナー・アスペクトの特長は、「自らの意思で概念を見出すこと」にありますので、インコンジャンクトを採用することは、創造的な思考実験になるでしょう。

医療占星術では、インコンジャンクトはカルマ(先天的に定められた運命)に関連付けられる場合があるようです。

*インコンジャンクトは、複合アスペクトのヨードを形成するアスペクトであるため、現代占星術では重要視される傾向があります。

複合アスペクトの解説は次回の講座で解説させていただきます。

インコンジャンクト/クインカンクスのオーヴは、3度以内です。

ノヴァイル(ノナゴン)【40度】

ノヴァイルは、360度を火星の数(9)で割った角度です。

火星が対応しているこの角度は、それほど重要視されないのですが、数秘で完成数とされる9が重要視されないというのは、何とも不思議な話ですね。

角度だけでいいますと、40度はトライン(120度)の3分の1の角度となり、星座の度数でいいますと、1つの星座に他の星座の度数の3分の1の幅を合わせた範囲、ということになります。

ややこしい話になりますが、デーカン/デーク、ドデカテモリーの概念を引っ張り出してみると、1つの星座に、10度ずつの星座や天体(支配星)が対応していることなどを考える、という手もありますので、検証すれば面白い発見があるかもしれません。

ただ、何度も申し上げますが、マイナー・アスペクトは天体同士の角度を原則としていますので、なかなかこの角度の真意は掴みづらいものがあります。

ノヴァイルは、ノナゴンとも呼ばれますが、本講座では。ノヴァイルで統一させていただきます。

ノヴァイルは、マレフィック(凶星)と見なされる火星が関係している角度ですが、一般的には、吉意を持つといわれています。

伝統占星術では、ホールサイン・ハウスシステムが採用されますので、1つの星座とハウスの幅(度数)が同じになり、30度+10度という考え方でいけば、ノヴァイルは、1つの星座を補強する形で、否定的・反作用的なエネルギーを受け入れることを促す、と考えることができます。

現代占星術の観点では、サインの関係性の有無は重要ではあるものの、天体が40度の角度を取っている時に、何かしらの衝動性を見出すことができ、後々になって自覚・認識される特徴や性質が見られる、といった具合の解釈がされます。

あまり注目されず、研究が進んでいないアスペクトではありますが、アングル付近に位置する天体がノヴァイルのアスペクトを持っている場合は、分析の項目に入れておくべきかもしれません。

ノヴァイルのオーヴは、2度以内です。

セプタイル【51.42度】

セプタイルとは、360度を海王星の7で割った角度です。

五芒星や六芒星、八望星と異なり、七望星は永遠に完成しません

そのため、数秘7は「孤独」や「神秘」を象徴します。

アスペクトでこの角度が表される時、運命や宿命、影響力の強い縁、地場といったコントロール不可能な働きが働いていることが見出されます。

12星座では、7番目は天秤座が位置し、12ハウスでは7ハウスが対応します。

天秤座や7ハウスは、対峙する相手との繋がりや信用を構築する体験をもたらします。

一人では体験できないことを他者と共同で体験することで、感動や変容、対立、葛藤といった境遇がもたらされることで、利己主義と利他主義のバランスに変化が生じます。

つまるところ、自分本位であった態度やスタンスが、他者との繋がりによって崩されるわけです。

天体同士の繋がりでセプタイルのアスペクトが形成される時、自分の中に宿る力が呼び起こされるキッカケや気づきが与えられます。

なぜなら、私たちは他者や周囲の環境に影響されることによって、自分自身という神秘的な存在の理解を進めることになるからです。

神秘性は、私たちの概念・観念で掴むことができる場合と、そうではない場合があります。

例えば、生命の誕生のプロセスが分かったとしても、生命そのものの原理的な働きや、原初の生命体の所在については解明できない、といった、演繹性と帰納性、または、神秘性と物質性の違いがあります。

数秘7やセプタイル、七望星がもたらす働きは、理屈や論理では完全に掌握できない働きを象徴します。

海王星が7を象徴する天体であることから、その働きが普遍的・想定的ではないことを踏まえますと、運命や宿命といった、人生から託され、体験を促される働きがセプタイルのアスペクトの根本定な性質です。

そして、「閃き」や「直感」は、緊張する環境から離れ、自らにプレッシャーも期待も与えない状態(フラットな状態)の時に訪れるものです。

セプタイルの働きに気づくためには、主体性や能動性は逆に力みとなり、神秘的な働きを阻んでしまいますので、心身をリラックスさせ、流れに委ねる意識によって、精神性の高まりと、無意識からの気づきが与えることを心掛ける必要があります。

私たちが思っている以上に、私たちは外部から影響を受け、いつの間にか内面で自分の常識や信念(価値観)になってしまっています。

外部から入り込み、定着してしまった概念・観念は、私たちの創造性の在り処を隠してしまう側面があります。

私たちが自らの潜在能力や創造性を発掘しようとする時は、いつも以上に、自分自身を丁寧・繊細に扱う意識が必要となります。

小さなことに気づき、過去を振り返って、数えきれないほどの発見があるものです。

自己評価において、自意識過剰になっている部分と過小評価している部分との落差やギャップ、偏りに気づき、フラットな目線やニュートラルな境地へと矯正・修正を行う努力は、「本質の自分に立ち返る」という努力といえるでしょう。

セプタイルのオーヴは、2度以内です。

セスキコードレート【135度】

セスキコードレートは、90度と45度を足した角度です。

更に45度を足せば、180度(オポジション)となります。

オポジションは、対立や衝突を象徴しますが、対極を繋いでいるわけですから、

逆に、相補性や相互性といった支え合う状態をも象徴します。

そのため、オポジション自体は、自分と相手の立場と環境から、それぞれの影響を与え合う関係性にあり、メリットとデメリットの両面を見せあう関係性です。

セスキコードレートの場合は、完全な対立性や相補性を持つわけではありませんので、どちらかの天体が強い影響力を持ち、不調和や衝突、困難に対する苦悩や葛藤を意味します。

半ば強引に押し切られる関係性、または、相手に無理強いを強いるような状況がセスキコードレートが象徴するパワーバランスといえます。

原則的に、ホロスコープ上には、天体や感受点はが点在・集合・孤立しますので、いくらでもアスペクトを見出すことができます。

セスキコードレートのように、メジャーアスペクトから派生したマイナーアスペクトは、必ずピックアップすべきアスペクトとは見なされませんが、

特徴的な天体や影響力が強い天体が他の天体に対して持つ場合に、参考材料として補助的に活用しすべきかもしれません。

セスキコードレートのオーヴは、2度以内です。

クインデチレ【165度】

クインデチレは、ラテン語で15を語源とする言葉です。

150度(インコンジャンクト/クインカンクス)に15度を足した角度であり、

180度(オポジション)には15度足りないクインデチレは、

セスキコードレートと同様に、衝動性や対立に関わるアスペクト・事象を表します。

サインとハウスは30度の度数・幅を持ち、その半分の数である15は、ピークの前と後といったような象徴と考えることができます。

そのため、強い動機や決意を生じさせる働きや、特定の環境や場面、他者に対する強い感情や情緒、観念を生じさせると考えられます。

また、165度は一見、中途半端な数字ではありますが、クインデチレという概念自体が、15度ずつ度数を動かさせる意味合いを持ちます。

そのため、満月に近づくにつれて、感情や衝動性が膨張するような、水面下で強化・増幅していく変化を意味し、未病の状態が進み、症状が出るプロセスや原因、そして、病気への発展という意味合いがあると考えらえています。

クインデチレのオーヴは、2度以内です。

マイナー・アスペクトを採用する場面

マイナー・アスペクトは、メジャー・アスペクトに比べて、潜在的な性質を表します。

そのため、メジャー・アスペクトほどの分かりやすい影響力や働きは無いと判断せざるを得ません。

ですが、ホロスコープ・リーディングを深める際、以下の3つの場面において、マイナー・アスペクトを活用することで、細かい部分を拾い上げることができます。

  1. 自分の出生ホロスコープ(ネイタルチャート)で、細かい部分まで分析する場合
  2. 恋人や配偶者、影響力の強い人などの特定の他者の出生ホロスコープを見る際
  3. 2の特定の他者との相性(シナストリー)を見る場合

上記に挙げた3つのケースは、出生日だけでなく、出生日だけでなく、出生時間(分単位)が必要となります。

出生時間が分からない場合は、マイナー・アスペクトの影響力が計りにくくなります。

特に、月は分単位・時間単位でサインやハウスの度数が変わりますし、特定の他者との相性を見る際に、月が絡むマイナー・アスペクトを見る際は、月と言えど、マイナー・アスペクトのオーヴは狭く取る必要があります。

マイナー・アスペクトを用いる際の注意点

占星術を活用する際、多くの要素を順序良く見て、総合的に占断を下す必要があります。

ホロスコープ・リーディングの優先順位は、以下のような順番です。

  1. 太陽のハウスの位置
    ⇒ 南半球と北半球のどちらの半球に位置し、どのハウスに位置するかで、目的意識が分かる
  2. 太陽のサイン
    ⇒ 本質、未来性、成熟すべきサインのエネルギーを知る
  3. 月のハウス
    ⇒ 興味関心を超えた、重点的に体験を促される環境が分かる
  4. 月のサイン
    ⇒体験に対する反射神経・深層心理のパターンが分かる
  5. ASCのサイン ⇒ チャートルーラー
    ⇒ 人生全般において、太陽を活かすための能力や才能、影響力を持つ天体が分かる
  6. ノード軸(ドラゴンヘッド/ドラゴンテイル)のハウス・サイン
    ⇒ 人生の方向性と、それを阻害する親しみや執着、生涯などの対極性が分かる
  7. アンギュラー・ハウス(1・4・7・10ハウス)と重なるサイン
    ⇒ 主観と外的印象(ASC)、深層心理(IC)、客観/他者(DSC)、自己実現(MC)の4つの領域・分野が分かる
  8. アンギュラー・ハウスに位置する天体
    ⇒ 7の領域・分野で影響力を持つ天体が分かり、その天体が支配・守護するサインと位置するハウスへの影響力へと繋がる
  9. 上昇星の有無(12ハウス側から見て、地平線の5度以内に位置する天体)
    ⇒ チャートルーラーと異なった視点で、自然の摂理(プライマリー・ディレクション)において、人生の導き手となる天体とその影響力が分かる
  10. 品位/品格を持つ天体(エッセンシャル・ディグニティ)
    ⇒ 天体の強弱が分かり、どの天体がどの場面・環境において影響するのかが分かる
  11. ジョイのハウスに位置する天体
    ⇒ 天体特有の機能・働きが強調され、活躍できる場所と天体が分かる
  12. MCが位置するハウス
    ⇒ 9~11ハウスの間で、個人性(9ハウス)・社会性(10ハウス)・貢献性(11ハウス)の強さが分かり、重なるサインと組み合わせ、ルーラーの影響力を知ることで、自己実現の要素や環境、分野などが分かる
  13. カルミネートの天体(MCに最も近い天体)
    ⇒ 同じサインに位置し、MCと度数が近い天体がある場合に、その天体の働きによって自己実現が加速することや、その天体の働きを活用するための方法によって、人生を豊かにする予測が立つ
  14. メジャー・アスペクト
    ⇒ 0度・180度・120度・90度・60度の5つの天体同士の、サインを介しての関係性が分かり、天体の意図が発揮され、事象かする場所やその影響が分かる
  15. マイナー・アスペクト
    ⇒ メジャー・アスペクト以外の10つの細かい角度から、天体の性能や機能を見出し、間接的・後天的・婉曲的・潜在的な影響力を計る
  16. 複合アスペクト
    ⇒ メジャー・アスペクト・マイナー・アスペクトに関わらず、影響力が強い天体同士の連携と影響力が分かり、そのエネルギーがどの場面において強調され、事象化するかを想定することができる
  17. 天体のレセプション
    ⇒ 品位/品格を持つ天体が、他の天体とアスペクトを持つ際に、一方的、または、相互的な影響力を持つ関係性が分かる
  18. 天体のディスポジション
    ⇒ 天体のサインを介しての繋がりを見て、影響力の順列や最終的に明確化されるべき天体の意図、そしてその意図が反映される場所・場面・環境を見出すことができる
  19. 小惑星・その他の感受点
    ⇒ 四大小惑星やカイロン/キロンの他、心理占星術や進化占星術などで扱われる小惑星を活用して、更に複雑なリーでイングを行うことで、内省的・精神的な洞察力を高めることができる

その他にも様々な要素はありますが、優先順位と重要性からホロスコープ・リーディングを進めることが大切です。

占星術に精通するほどに、基本事項を押さえながら、順序立ててリーディングを進めるようになり、アスペクト解釈はリーディングの終盤に手を付けるようになります。

アスペクトの特徴や意味、象徴、そして天体の影響力は、天体自体の働きや役割をしっかりと理解してからでないと、占断を誤ります。

マイナー・アスペクトは、判断材料として活用する補助的、比較的影響慮力が弱いアスペクトとして扱った方が賢明なのですが、ホロスコープの中で主要な役割を担う天体や、複合アスペクトの一部となるアスペクトの場合は、メジャー・アスペクトと同じように扱うべき場面もあります。

細かいリーディングの際にマイナー・アスペクトは役に立つ

今回は、マイナー・アスペクトについて解説させていただきました。

今回ご紹介したマイナー・アスペクトは、以下の10つです。

  1. セミセクスタイル / 【30度】
  2. セミクインタイル / 【36度】
  3. ノヴァイル(ノナゴン) / 【40度】
  4. セミスクエア / 【45度】
  5. クインタイル / 【72度】
  6. バイクインタイル / 【144度】
  7. インコンジャンクト(クインカンクス)  / 【150度】
  8. セプタイル / 【51.42度】
  9. セスキコードレート / 【135度】
  10. クインデチレ / 【165度】

ホロスコープは360度の方位・度数の円環で、その中で12つの天と地の部屋で区切られています。

天の部屋はサイン、地の部屋はハウスで、アスペクトは主に、サインの角度・関係性によって決定されます。

占星術では、天体はサインとハウスのどちらにも支配力・影響力を持つのですが、天体とサインの関係性の方が強調される傾向があります。

アスペクトは、天体が位置するサインの二区分・三区分・四区分によって決まるからではないかと思われます。

これは正しい見方ですが、ホロスコープ上の天体の運行は反時計回り(左回り)で、天体の位置関係によって、どの天体からのアプローチが強く影響するアスペクトなのか、ということを見る必要があります。

また、天体間で形成されるアスペクトが、どのハウスに投影されるか、といったところまでを知り、占断を下す必要があります。

現実性や客観性といった観点では、マイナー・アスペクトは、経験と照らし合わせ、自覚・認識・実感できる特徴や性質でないと、扱う必要性がありません。

マイナー・アスペクトは、現代占星術で用いられ、表面化しない事象や働き、作用を表す天体同士の関係性を意味します。

そして、マイナー・アスペクトは複合アスペクトの形成に一役買っている側面があります。

特に、太陽と月、チャートルーラーや、アンギュラー・ハウスに位置する天体が関わる複合アスペクトに、マイナー・アスペクトが関わっている場合は、必然的にマイナー・アスペクトの性質を知る必要があります。

その他、品位/品格が高い天体や、年齢領域に対応する天体、カルミネートの天体などがマイナー・アスペクトに関わっている場合も、それらの天体の短期的・中期的・長期的な働きを見る際には、活用すべきアスペクトです。

総じて、マイナー・アスペクトは、メジャー・アスペクトほどの影響力は無いものの、総合的なリーディングや細部まで深堀する際には、補助的な扱い・判断材料として扱うことをお勧めします。

今回の講座では、マイナー・アスペクトに対して消極的な表現が多かったかもしれませんが、メジャー・アスペクトに比べて、という前提があり、そもそも、アスペクトを見るのはホロスコープ・リーディングの終盤である、ということをお伝えしたかった、という意図があります。

何事も基本や順序に沿って進めた方が、効率的であるだけでなく、納得のいく結果に結び付きますので、マイナー・アスペクトについては、重要性が低い、もしくは、過剰に期待値を持つ必要がない項目である、というだけのことですので、マイナー・アスペクトには意味が無い、というわけではありません。

マイナー・アスペクトについて、知って良かった部分が見つけられたなら幸いです。

次回の講座では、アスペクトの流れを汲んで、複合アスペクトについて解説させていただきます。

今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

次の講座「複合アスペクト解釈・現代占星術編その4」でお会いしましょう!

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