「初心者が最初に巡り会いたい『深楽しい』西洋占星術講座に」ようこそ!
ホロスコープを読み解く上で、① 星座、② 天体、③ ハウスの3つは特に重要です。
占星術において、天体は主要なキャラクターです。
今回も太陽系10天体について解説させていただきます!
太陽系に存在する星たちは、必ず自分の役割を持ち、今日も宇宙全体の創造活動に貢献しています。
もちろん宇宙全体の中には、あなたも入っていますし、あなたが関わっている人すべての人も一緒です。
個々の天体が持つ力は、宇宙の働きが成り立つために分配されています。
そしてどの天体がどのような力を発揮するのかは、あなたのホロスコープに詳しく描かれているのです。
それでは、ホロスコープを読み解き、あなたがご自分の魂の計画を知る上で大切な、あなたの土星の役割を見ていきましょう。
今回は天体別の解説の第7となる、土星の解説です。
どうぞ最後までお付き合いくださいね!
土星の基本情報
土星は、物質世界における「責任」や「因果応報」の天体です。
占星術で一般的に知られている土星の象意は、「試練」や「困難」といった表現が並び、敬遠されやすい天体でもあります。
私たちの価値基準や評価基準は、感情や観念、常識によって決まりますが、宇宙や自然には通用しないことが多いです。
例えば雨が多い日が続けば、晴天の日が待ち遠しくなったり、夏の暑さが続けば、涼しさが欲しくなるように、私たちはその時々に「反対の心地良さ」を求めます。
それは私たちの人生が、「二元性」によって成り立っているからに他なりません。
快・不快、喜びと恐怖といった相対するものは、私たちを成長させることもあれば、危険回避にもつながります。
ですが占星術における土星は、「結果」を求める天体です。
楽しいことや楽なことばかりを追求したり、本来は自分ですべきことを放置したり、他人に任せたりしていれば、後々になって自分で処理しなければならなくなります。
至極当たり前のことではありますが、「楽」をしたい、できれば辛いことは避けたい、という心理は、誰にでもあるでしょう。
土星は私たちを見守りながら、「課題提出」を迫り、プレッシャーを与える星なのです。
そのため占星術では、土星を「マレフィック(凶星)」と呼びます。
これは決して、土星が「不運や困難を呼び込む星」という意味ではありません。
あくまで「役回り」であり、「人生の過程における苦境の経験」に土星が関わっているということです。
というよりも、土星の力を借りず(発揮せず)に、この世の喜びや幸せは実現しません。
細かいことや苦手なことを指摘し、直るまでチェックしてくる人がいたとしたら、あなたは苦手意識を持つのと同じなのではないでしょうか?
あらゆる出来事には、原因と結果があります。
原因と言っても、「意図的に撒いた種」と「不可抗力的に撒いてしまった種」があると思いますが、人生においても、どちらも私たちが撒いたことには変わりありません。
それを「当たり前」と捉えるか、「理不尽」と捉えるかで、短期的にも長期的も、生きるモチベーションが変わってくるでしょう。
私たちは他者や社会との関わりが多いほどに、自分の力が及ばなくなりますが、行動範囲や関わる人が変わっても、私たちは自分の行いに責任を持たなければいけません。
そして私たちは誰しも、「苦手意識」や「弱点」を持っていて、それを含めて個性と呼びます。
私たちの個性は、人生をかけて獲得されるもの。
だからこそ土星は、私たち個人個人が苦手とすること、弱点や欠点などの事柄に向き合うように働きます。
下記に基本情報をまとめました。
- 土星は太陽系の働きを取りまとめる天体である
- 土星の公転周期は、約29.5年
- 土星の自転周期は、約10時間
- 土星は約2年半で星座を移動する (=イングレス)
- 土星は社会天体であり、責任、人生における困難や試練、苦手意識の克服、社会性、この世の喜びを意味する
- 土星はマレフィック(凶星)と呼ばれ、不運や不幸と克服に関わる星である
- 土星のナチュラルサインは、山羊座
- 土星が対応する老年期は、個性と社会性の完成期に値し、1人の人間の歴史とも呼べる領域である
*天体は大きく分けて、① 個人天体、② 社会天体、③ トランスサタニアンに分かれます。
土星の年齢領域
占星術には、「年齢領域」または「年齢域」という考え方があります。
太陽系10天体すべてが、人生のステージ・成長段階に対応しているということです。
土星の年齢領域は57~70歳です。
現代の人間の寿命は80歳を優に超え、日本人の平均寿命は男女ともに80歳半ばに到達しようとしています。
「定年」や「終身雇用」という言葉と制度が当たり前だった頃は、それほど昔の話ではありません。
土星の公転周期は約29・5年ですから、ネイタルチャートの土星星座に土星を迎える(土星回帰)は最大3回です。
最大3回というのも、3度目の土星回帰は、87~90歳頃に起こるとされていますが、その時期に土星からの強制力は、1度目と2度目よりもかなり薄れているでしょう。
その時期はどちらかというと、海王星の年齢領域にあり、冥王星(死後の世界)へと生命が移行しようとしているからです。
占星術において、土星は大変大きな影響を持つ天体で、人生の節目節目に大きな変化をもたらすとされています。
「高齢者」という言葉は、単に「身体が衰えている人」を意味するわけではなく、「人生においての知恵を獲得し、他者に活かすことができる人」とも呼べるでしょう。
私たちはできることが増えれば増えるほど、喜びも増え、また他人に分け与えることができるものです。
また私たちには、「誰かの役に立ちたい」という欲求が備わっています。
この欲求は「自分が満たされている状態」が強く影響しますが、その他に「自分が味わった喜びを体験してもらいたい」という気持ちも作用するでしょう。
誰もがそんな「良い人」や「利他主義」じゃない、ということは世の中を見れば分かります。
ですが土星は、「人生における喜びの獲得」というものを、四苦八苦を経験する中で、「自分は1人で生きていない」ということを教える天体なのです。
どのような苦しみも喜びもいつかは過ぎ去りますが、比較的に苦しいことや辛いことの方が、忘れることなく、また強烈な痛みや苦みが感じられるもの。
土星は私たちに、どのような経験も優劣無く、人生に起こる出来事を余すところなく味わうことを望み、またそれを半ば強制します。
それは私たちの人生に時間や寿命があることで、私たちが必死に生きることができるように、土星は「厳しい教育者」の役回りを買って出てくれていると言えるでしょう。
土星が象徴するもの・キーワード
土星の象徴
土星の象徴を、以下の3つにまとめました。
- 現実を生きる力、人生の責任を全うする力
- 収縮・安定・持続・継続、長期的計画
- 苦手意識・困難を乗り越える力・否定的な側面を肯定する力
土星は、私たちが人生を完成させるための「監督」のような存在です。
監督がいなければ、スポーツや映画作品が成り立たないように、土星は太陽系の働きを監督する立場。
この講座で何度もお伝えしているように、私たちは「小宇宙」であり、大宇宙とつながっています。
私たちが毎日を生き、その集大成である人生が充実していることで、大宇宙にエネルギーが還元されるのです。
これは大宇宙と私たちの「魂の約束」であり、「自然の摂理」。
そして土星は私たちに、苦手や困難だけでなく、喜びや安心のどちらをも体験し、「善悪なんて無かった」や「すべての経験は宝物」という境地を得ることを心待ちにしています。
私たちが自分の人生を生きることしかできませんし、また誰かの人生に口を挟むこともできません。
ですから私たちは常に、自分の人生に責任を持ち、人生という「魂の計画」を精一杯生きる、それが「使命」であり「運命」なのです。
現実を生きる力、人生の責任を全うする力
「地に足をつける」や「現実を生きる」などの言葉は、決して物質主義であることや、利潤追求を指すわけではありません。
お金を稼ぐことや働くこと、家庭や人間関係を築くこと、自分の生き甲斐を形にすることなどは、すべてつながっています。
それらはすべて「時間」があることで成り立ち、私たちは意識的に時間を使うことで、形や結果になるのです。
また現実を生きるということは、「自分の人生から逃げない」と言い換えることができます。
ホロスコープに映し出される要素は、決して喜ばしいことだけではないでしょう。
また幼い頃からのあらゆる経験は、幸せだけではなかったはずです。
ですが私たちは自分自身を深く知り、現実を受け止めることで、俯瞰して物事を見ることも、自分の感情を客観視することもできます。
それは自分の人生に責任を持つことになり、また心に自由をもたらすことになります。
土星は、私たちが常に成長していて、現実を変える力を持っていることを思い出させる星。
大きな影響を与える節目節目に、私たちの「生きる力」を試す、それが土星なのです。
収縮・安定・持続・継続、長期的計画
木星が「拡大」や「膨張」を担当する天体なら、土星はその反対の働きをする天体です。
私たちの視野は膨らむことで、可能性を見つけることができますし、また培った経験を掘り下げ、血肉にすることで、確固たる成功や発展につながります。
木星の講座では、木星は呼吸の「吸う行為」と表現しました。
それなら土星は、呼吸の「吐く行為」と言えます。
私たちがあらゆることを吸収する時、「玉石混合」といった具合に、沢山の選択肢が得られますが、すべてに手を付けることは叶いません。
一旦受け取ったものを精査し、自分にとって最適な取捨選択をしてこそ、時間を使って成果を出すことができます。
土星は、木星で得られた発展や成功を、更に「熟成させる」というわけです。
「断捨離」をすることで、私たちは不要な情報や物、エネルギーや感情、思考を取り除くことができます。
大風呂敷を広げた後には、やはり自分の手で収拾をつけることが必要になりますから。
また土星は、「更なる発展」の基盤を実現させるために「継続」や「持続」、「安定」などの働きをします。
これは単に変化を恐れているのではなく、「システム」や「循環」を上手く回すためです。
土星は「厳しい教師」と呼ばれる所以は、「今行っていること」と「更なる発展」を同時に進めさせようと、私たちにプレッシャーを与えるからと言えるでしょう。
苦手意識・困難を乗り越える力・否定的な側面を肯定する力
土星が敬遠される理由は、私たちに敢えて「苦い経験」をさせるからです。
この「苦み」は、私たちが生まれながらに備えている「癖」のようなもので、好きなものや得意なものと全く同じ要素。
ですが私たちは誰でも、楽しみや喜び、楽なことの方を好みますし、できれば自分を否定する要素は極力減らしたいものです。
なぜ土星は、私たちに困難や影、苦手意識に向き合わせるようとするのでしょうか?
その答えはシンプルで、マイナスやネガティブ、陰(かげ)と思われる事柄にこそ、喜びがあるから。
土星は私たちに、「本当の人生の喜び」を味わってもらいたいからこそ、自分と現実、大宇宙と魂からのギフトの両方(二元性)を差し出すのです。
あなたのホロスコープには、ちゃんと土星からのメッセージがあり、あなたが「喜びに変えるべき影」が刻まれています。
そのメッセージや転機となる出来事は、土星回帰(サターン・リターン)の時に最も顕著に表れ、私たちの長い学びは、土星によって導かれていることがご理解いただけるでしょう。
土星に関するキーワード
補足として、土星に関するキーワードをまとめました。
- 現実的に生きる力、現実を受け止める力、自分を受け入れる力
- 形式・道筋・計画を作る力
- 組織や枠組みを作る力
- 持続・継続
- 忍耐力
- 困難や不運と思われる出来事や経験と、乗り越える力
- 安定
- 理性的な判断・決定・選択
- 社会性と個性の確立
- 苦手意識
- 罪悪感
- 制限・制約、自分の中にある枠
- 管理・ルール・規範
- 長期的な計画や成功
- 普遍性
- 権威・権利
- 責任
etc
更に深掘りすると、以下のような表現ができます。
- 人生における「真の喜び」や「生きている実感」
- 独立から組織への発展
- 個人主義と社会主義の両立
- 持続・継続によって得られる結果・成果
- 困難や不運を逆転させる生命力
- 不安定なものを安定させる力
- 闇にこそ光がある
- 思い込みや常識を超えるキッカケ
- 運命や宿命をステージアップさせる
- 限界を伸ばす力
- 時代・歴史を作る
- 再現性・具現化
- 自由を裏支えする力・価値観
etc
私たちが肉眼で見ることができるのは、太陽系10天体は土星までです。
土星は木星に次ぐ、太陽系の大質量の惑星。
ですから土星は、物質社会の「骨格」として、また太陽系をまとめる天体と呼ぶことができるのです。
広大な宇宙には、太陽系がある天の川銀河のような銀河が、200億以上存在していると言われています。
大宇宙の歴史に比べてしまえば、私たち人間の歴史も、地球の歴史も、ほんの短い歴史でしょう。
ですが私たちがどんな発想を思いつこうと、どれほど科学技術が進歩しようと、命を与えられたからには、その人生を全うしなければいけません。
土星は私たちに、「現実から目を逸らさないこと」と同時に、誰でもない「自分の人生」を生きる重要性を教えてくれます。
あなたがご自分の内面と現実としっかりと向き合う時、土星は必ず味方をしてくれますし、人生を生きる実感を与えてくれるでしょう。
ですから土星の影響を過度に恐れず、むしろご自身の中にある土星の力に向き合い、ご自分の人生を楽しんでください。
月と土星は「時間の管理者」
大昔の人類にとって、土星の星回りが寿命に相当する、というお話をしましたね。
私たちは日常的に時計やカレンダーを使っていますが、本当のところ、「時間」そのものの正体を知りませんし、掴んではいません。
ただ分かっていることは、「時間」というものが、生命活動や物質の変化に関与している、ということだけです。
ですが生き物すべてに共通していることがあります。
それは「生死」という時間の始まりと終わりがあるということです。
天体別の講座の1番めに、月の解説をさせていただきました。
月の解説では、「誰もが月の世界から人生を始める」という内容をお話しましたね。
太陽系10天体には、それぞれ年齢領域があり、月は私たちの生命の誕生から幼少期に相当し、土星は29.5年の公転周期をもって、私たちの人生の節目に影響を与えます。
ですから月と土星は、「時間」に深く関与している、と言えるのです。
また月の時間は、私たちの「日常」や「体内時計」を表し、土星の時間は、私たちの「人生の道筋」や「カレンダー」と表現することができます。
月の影響は「無意識」ですから、私たちが意識的に動いていない時は、月の影響が強まっている時です。
そう考えると、土星の影響は、私たちが現実と向き合っている時に強く出ると考えることができます。
月と土星の影響は、タイミングは違えど、「強制的」です。
月の持つ引力は、私たちの「心」や「深層心理」、「感情」に訴えかけ、土星の持つ強制力は、私たちの「現実に対する意識」や「人生に対する意志」に働きかけます。
太陽系における人間の生命活動に限定すると、月と土星の時間との関わりは、「短期的」か「長期的」か、という対比をすることができるでしょう。
時間はあくまで、人間の「概念」なのですから。
そして私たちが1日を生きると同時に、人生も1日進み、私たちに残された時間は確実に短くなっています。
1年を時間に換算すると、8,760時間。
30年は262,800時間で、100年は876,000時間です。
あなたの人生は今、何時間経っていますか?
土星はこのように、今すべきことはもちろん、結局しなければいけない現実を突き付ける星です。
あなたが月の引力に取り込まれることなく、また人生から逃げることなく生きることは、あなたが意志力と生命力によって、人生を生きている証拠。
木星は「楽観性」を教え、あらゆる可能性を選べる機会を与えてくれますが、そのワクワクは永遠には続きません。
土星は私たちに「人生の完成」を成功させるべく、人生を長期的な視野で見ることを促します。
それは「今を大切に生きる」ことに集約され、「自分からも人生からも逃げない」ということになるでしょう。
ですからあなたは、ご自分と人生を大切にするためにも、ホロスコープを使い、土星からのメッセージを受け取ってください。
占星術は、あなたを思い込みや被害者意識から救い出し、「自分の人生を味方に変える知恵」を教えてくれるのですから。
【12星座別】土星の意味
あなたのホロスコープでは、土星はどの星座にありますか?
天体は必ずどこかの星座に位置し、占星術では 土星星座と呼びます。
多くの天体が1つの星座に集中していることもあれば、バラバラに散らばっていることもあるでしょう。
10天体がどの星座にあり、天体同士の繋がり方を知ることで、ホロスコープはあなたの魂の計画を教えてくれます。
天体と星座の関係は、あなたの顕在意識と潜在意識の両方に影響し、その影響力を自覚できるかどうかは、天体によって異なります。
土星星座を見る時、重要となるポイントは、「苦手意識」や「制限」、「成長を妨げる要因」です。
土星からの影響と試練は、あくまで時間をかけて乗り越えていくもの。
あなたは土星星座を通して、ご自身の中にある「問題」と向き合うことになります。
ですがあなたは過去を振り返った時、「現実に問題があったのではないこと」に気づくでしょう。
「現実を作っているのは自分自身」と言われるのは、私たちの「解釈」です。
そしてその解釈を使って、私たちは問題を解消することも、深刻化させることにできます。
あなたの土星星座は、あなたが生まれながらに持たされた「影」と向き合うことで、問題や苦手意識を克服した先にある「喜び」を掴むヒントを教えてくれるでしょう。
それでは、土星星座の意味を見ていきましょう!
土星 × 牡羊座
牡羊座土星は、「負けること」への恐怖心や葛藤、抵抗があることを示します。
ですから牡羊座土星の人生のカギは、「自分で限界を作らないこと」です。
牡羊座単体の意味を考えれば、「勝負心や自己主張が強い」となりますが、土星の影響はその要素に影を落とす、ということになります。
「人生の影」とは、物心つく頃の体験を通して「掴んだもの」という考え方ができますし、影を掴むこと自体が、「人生の目的の1つ」という捉え方もできるでしょう。
あなたの牡羊座の意志や、火の要素は、恐怖心や葛藤によって覆い隠されますが、それらを克服することにより、あなたは本来の力を取り戻すように設定されています。
人生の幸福は、「自分を幸せにできるか」にかかっていて、それを可能にするのは、いつでもあなた次第。
牡羊座土星は、恐怖心にうろたえることなく、「失敗してもいいこと」を自分に許すことが非常に重要です。
そのことが腑に落ちた時、あなたはご自分の自己主張や行動、社会活動に自信を持つことができるでしょう。
土星 × 牡牛座
牡牛座土星は、「お金や所有への執着」に恐れや疑いを持っていることを示します。
牡牛座は本来、「豊かさ」や「自然の恵み」を享受する星座。
土星はあなたに、人生の真の喜びを体験させるために、価値あるものの獲得や所有に対する恐怖に乗り越えるように働きかけます。
恐怖心や疑いがあることと、豊かになれるかどうか、は別の問題です。
ですがあなたが内的に恐怖心や疑い、不安を抱えている限り、実際的な豊かさを逃してしまうでしょう。
牡牛座にとってそれは、「実感」になりもなれば、「物理的に手にすること」です。
あなたの人生は物語ですから、恐怖心や影を克服することは、ハッピーエンドを迎えるためのスパイスであり、壁と言えるでしょう。
牡牛座土星には、「受け取る喜び」を自分に許すことが必要になります。
私たちはどのような時も、「自分に許可をする」ことで、あらゆる宇宙の恩恵を受け取ることができます。
それを邪魔するものは、あなたの内面に内在する影。
そしてあなたは影を見ないようにするけれども、あることは分かっているからこその苦しみを味わっているはずです。
ですからあなたは焦らず、時間をかけて、「豊かになってもいい人生」を送れるよう、豊かさへの罪悪感や抵抗感、恐怖心を払拭していってください。
土星 × 双子座
双子座土星は、「理解してもらうこと」や「身近な存在」への抵抗感や疑いを持っています。
双子座は本来、「対話」や「知性」、「自己表現」を楽しむ星座。
自分が楽しむ姿を見てもらうことで、双子座は注目を集めたり、頼りにされることを喜びに感じますが、そこに陰りが生まれる時、コンプレックスになってしまいます。
また双子座土星は、身近な存在、例えば兄弟や親戚といった人たちに対して、自ら壁や限界を作り、不快感を覚えることもあるでしょう。
恐怖とは一般的に、原因が分かっているものですが、土星がもたらす恐怖心は「原因が分かっていても辛いもの」です。
双子座土星が持つ人間関係における疑心は、「理解される体験」によって解かれます。
なぜなら私たちは、記憶や解釈を塗り替える生き物だからです。
ですからあなたが人と接する時には、「簡単に理解してもらおうとは思わない」という価値観を緩めることが大切になります。
またご自分の判断基準がすべてで、それに応えてくれない人を蔑ろにはしないでください。
繰り返しになりますが、あなたの人生を拓くのは、「理解される体験」であり、「深い意思疎通」です。
土星 × 蟹座
蟹座土星は、「大切にされない恐怖」や「感情を傷つけられる恐怖」を持っています。
蟹座の本来の力は、「感情の結びつき」によって生まれる優しさや安心感を、他者と共有することです。
ですが心や感情の扱い方は、人それぞれですし、表現方法や人との関わり方も様々。
蟹座土星の影は、「本当は心で繋がりたいのに、怖くてできない」ということになります。
「何もしない選択」は、「保留」だと判断されることは多くありません。
それはこの世が二元性で成り立っているというだけでなく、私たちは日常的に目に見える選択をしているからです。
蟹座土星は、他者との心の繋がりを拒否することで、「自分の心を守る」という選択を続けます。
それによって表面的な人間づきあいはできていても、いつも孤独感や、対人恐怖といった不安定さを抱えてしまうのでしょう。
ですから蟹座土星は、「信頼に値する人」をいつまでも探します。
自分を守ることと、他者を突き放すことはイコールにしてしまうと、私たちはいつまで経っても、「人の温もり」を感じることができません。
蟹座土星が恐怖心を乗り越えるためには、「人の感情」に対する「レッテル」を外すことです。
私たちの感情はグラデーションのようなもので、誰もが同じ「色」を持っているとは限りません。
土星はあなたに、「心の在りようが多様であること」を、恐怖心の克服によって教えるのです。
土星 × 獅子座
獅子座土星は、「自己表現」や「内なる情熱の表現」に関して苦手意識を持っています。
獅子座は本来、「自分が自分であることを誇りに思う」星座で、それは自分自身の驕りではなく、他者にも認められる存在です。
私たちが自分自身を隠してしまう理由は、「自己信頼」や「自己肯定」にあります。
獅子座土星は、「素の自分」を外に出すことに戸惑いを感じるのは、自分自身に完璧を求めるためです。
完全や完璧は、育てていくものですが、獅子座土星は自信の無さやコンプレックスが多くあることが不完全だと感じ、それを悟られることを怖がります。
獅子座の意志や情熱は、人を感化し、動かすまでの力と輝きを持つもの。
ですから獅子座土星には、生命力が際立つための「影」を乗り越える必要があるのです。
相反する要素は、互いを否定しているように思えますが、それぞれの働きを全うしていると同時に、相手を肯定し、支える立場にあります。
そのため獅子座土星は、自信や炎とは真逆の立場から、自分自身を捉えることに時間を駆ける必要があるでしょう。
それは自身の繊細さや脆さ、感性の鋭さを認めることに行き着きます。
私たちの誰もが、自分自身を認めることでしか、人生で自己実現を達成することはできないのです。
土星 × 乙女座
乙女座土星は、「自分を自由にする」ことに対する恐怖心を持っています。
自由とは不思議な言葉・概念で、ルールがあることで、のびのびと活躍できる人もいれば、全くの枠組みがないことで、柔軟に自分自身を表現できる人もいるでしょう。
乙女座土星の場合は前者ですが、自分だけの「決まり事」を沢山持とうとし、常にルーティンを多く持とうとします。
私たちは幼い頃から、「決まり事」に従うように教育され続けることで、いざ自由に何でも選べる状況でも、過去からの「癖」や「パターン」を再現してしまう不自由な生き物です。
私たちの日常と人生の大部分は、「再現」に満ちています。
ですから生まれ育った環境や生活環境が、その人の価値観や行動、言葉遣いなどに反映されるため、顕在意識では変化を望んでいても、なかなか変化を遂げることは難しいのです。
乙女座は「安定」や「安心」のためにルーティンをするわけではなく、ルールの中で動くことが得意で、忙しく、テキパキと実務をこなすのが得意とされる星座。
乙女座土星は、「ルールを守る」という強迫観念的な思いに駆られ、ルールで自分を縛り、自分の意志や願望を見失う傾向が強いです。
ですが自由さを感じるために障害があるように、乙女座土星は、ルールや決まり事に見切りをつけることで、「自分は自由になってもいい」という境地に至る必要があります。
「完全に自由になること」は肉体を持っていては実現不可能ですが、必要以上の制限は取り払うことができるのです。
古い価値観や既存の慣習に従うことに慣れてしまい、新しいことや未知への挑戦を避けていては、成長や幸運のチャンスを逃してしまいます。
乙女座土星は、価値観や言動、選択次第で、もっと自由な人生を送れることを悟った時、のびのびと自分自身を解放し、自由になった自分だからこそ、多くの影響力を持つでしょう。
土星 × 天秤座
天秤座土星は、「関係性を築くこと」や「自分と他者の区別」に恐怖心を持っています。
天秤座は本来、「公平性」や「客観性」を持ち、人との関わりをスムーズに行う星座。
「バランス」とは、二者択一ではなく、どちらをも尊重する姿勢です。
ところが天秤座土星は、自分自身に抱えている不安が、他者との関わりによって露呈してしまうことを極度に恐れる傾向があります。
私たちが「被害者意識」に囚われる時、どうしても自分ではなく外側に責任を求め、自身を省みないことが多いでしょう。
また天秤座土星は、「自分は自分」・「他人は他人」という線引きが苦手で、だからこそ比較対象になることを恐れます。
「自分の中にしか存在しない」ということを認められる時、天秤座土星は、他者と心置きなく関わることができるでしょう。
こういった恐怖心を克服させるのは、「他者に傷つけられるかもしれない」という幻想(思い込み)を、「他者は信頼できる」という経験によって打ち消すことです。
自分以外の人がすべて「敵」であるということは、絶対にあり得ません。
そしてあなたが初対面の人に、最初から疑ってかかられたり、極度に怯えられたとしたら、気持ちが良くないはず
この世に魔法の道具は存在しませんが、「誰かを信じられること」は人生を変える魔法のようだと経験する時がきっと来ます。
ですから誰かと「つながること」は、決してあなたを脅かすことではないことを知り、少しずつ関係性を深めていってください。
土星 × 蠍座
蠍座土星、「他者に信頼されない不安」や「性に対する恐怖」といった深い影を持っています。
蠍座は本来、「他者からの深い愛や信頼を得ること」にエネルギーを注ぎ、またそれが実現した暁には、他者との深い結びつきを生きる糧にする星座です。
「生きる糧」にするくらいですから、蠍座が敬愛する相手からは、どんなことも打ち明けて欲しいと望みます。
ですが蠍座土星の場合、「自分は信頼に値しない」という自己評価を下し、そのことに絶望とコンプレックスを感じてしまうのです。
「与えること」と「受け取ること」は、二元性においてセットですが、苦手意識や恐怖心から「与えられないこと」を前提としていると、受け取る機会にも恵まれません。
またその前提が、自身の卑屈さや、他者に対する不信感につながることで、本来求めている「深い関係性」を構築することができなくなり、人生に陰りが生じてしまいます。
そして「性エネルギー」は、強い生命力と他者とのつながりに深い関わりがありますが、自らが「性の恩恵」を怖がり、拒否することで、本来得られる体験も逃してしまうでしょう。
蠍座土星にとって必要なことは、「主観を絶対視しないこと」です。
他者の意見や感情を知る前に、自分の価値観で決断を出さず、相手からの「答え」を受け入れましょう。
感情的になればなるほど、主観が強くなればなるほど、また依存心が強くなればなるほどに、私たちは他者との関わりを苦手に感じ、煩わしく感じてしまうのですから。
土星 × 射手座
射手座土星は、「理解と信じること」や「自由」に対する抵抗感や苦手意識があります。
射手座は本来、のびのびと振る舞い、あらゆる可能性に対してオープンで、学問や宗教、哲学、旅に関してただならぬ関心を持つ星座。
射手座は「真理」や「世界」と、自分とをリンクさせるあらゆることに手を伸ばそうとし、それを腑に落とすことに生き甲斐を感じるはずなのです。
ですがそういった「精神性を高めること」に対して懐疑的であると、あらゆる歴史や物事、人々が行っていることに価値を感じなくなってしまいます。
「信じたところでどうなるのか?」や「理解した先に何があるのか?」といった疑問は誰しもが持つものでしょう。
ですが「終わりの無い学び」は人生と同じく、進めた分だけ得られるものがあります。
そういった「成果」や「収穫」、そして「心の自由」を自分に与えてあげられない葛藤を持つのが、射手座土星なのです。
私たちは誰でも、「確固たる答え」や「間違いの無い筋道」があれば安心ですが、そのようなものは数少ないでしょう。
主体性を影が覆う時、私たちは「思考停止状態」に陥り、受け身の姿勢で、人生に消極的になってしまいます。
「自分を信じること」や「自分が幸せになることで世界に幸せが増える」というような境地は、なかなか得られるものではありません。
自分事から始まったことは、必ず誰かに影響を与え、社会、世界、宇宙へとエネルギーを与えるものなのです。
自己評価が低さは、現実に対する恐怖心とつながり、射手座木星の人生を停滞させる要因になります。
ですから射手座土星に必要なことは、「反射的な否定や拒否を客観視すること」です。
私たちの中にある多くの価値観は、「自分勝手」で、視野が狭いことが多いでしょう。
そういった状態の時ほど、自分自身を狭い枠に押し込めていますから、もっと自分自身と世界に対してオープンになり、そして先入観を捨てることが重要になります。
土星 × 山羊座
山羊座土星は、「存在意義」や「存在価値」に対する恐怖心や影を持っています。
山羊座は本来、社会において「司令塔」のような存在で、管理や統率の役割を担い、多くの人と連携し、大きな仕事を達成させることができる星座です。
占星術では、山羊座において物質文明が完成され、山羊座は社会的成功や公の責任を受け入れる器であるとされています。
私たちが誰でも、人生のどこかで、自分の「存在意義」や「存在価値」を問い、「何も無い」と感じてしまう時があるはずです。
山羊座土星は、土星が支配する山羊座にあることで、土星の公的で、外側の世界に対するプレッシャーは大変強いと言えます。
「自分がしっかりしなくてはいけない」という気持ちの後ろに、「自分に力などあるはずがない」という抗うことが難しい影が潜んでいるのが、山羊座土星なのです。
このような強く、また暗い気持ちになってしまうのは、正反対の感情が潜んでいる証拠。
山羊座土星は、「社会で活躍する自分像」が完璧過ぎたり、自分の成功に対する強すぎる期待が足を引っ張ります。
こういった葛藤は果てしないですが、断ち切ることはできます。
それは「結果を見ること」であり、「他者からの言葉を受け入れること」です。
山羊座は多くの人に影響を与えると同時に、多くの人に評価され、頼りにされる存在でしょう。
だからこそ、多くの人の客観的な意見と感情が、山羊座土星の影に光を照らし、「存在意義」や「存在価値」を見出す助けになるのです。
土星 × 水瓶座
水瓶座土星は、「柔軟性」や「多様性」に対して抵抗感や苦手意識があります。
水瓶座の本来の特性は、「既存の概念」や「常識」から解き放たれた精神性と、そこから得られる自由を体現することです。
従属意識や大衆意識は、その中に居ること自体に主体性はありませんが、その流れに身を任せることができるため楽ではあります。
水瓶座土星はそういった「凝り固まった状態」に身を任せることができず、かといって自分自身が自由に振る舞えず、葛藤を抱えてしまうでしょう。
私たちの個性は、大きな大衆性や人気、影響力に押しのけられてしまいますが、個性を手放してしまわなければならない、ということではありません。
水瓶座土星は、物事の本質に対する短絡さや無理解、無神経さを乗り越えることで、自分自身が「渦」となって、新しい流れを作り出すことができます。
苦手意識や恐怖心の先に水瓶座土星が得られるものは、「循環」です。
時代は常に進むと同時に、私たちの意識も進化するものですが、水瓶座は先発者となりやすい星回り。
ですが水瓶座土星は、そういった「新しい可能性」に対して、自身の主張を語ることを躊躇い、足踏みをしてしまうのです。
それは従来の価値基準に抗いながらも、新しい一歩を踏み出せないでいる自分自身に対する苛立ちとも言えるでしょう。
水瓶座土星の葛藤や苦手意識は、素直に理想を発信し、理解を得られる人との対話を重ねることに尽きます。
誰もが変化を望みながら現状を維持するもの。
水瓶座土星は、内面に秘めている真の理想に気づき、それを共有できる仲間と出会い、心情を吐露する時、土星からのプレッシャーから解き放たれるでしょう。
それは自由への切符であり、自分の価値を刷新し、どのような規模であれコミュニティを築きていくことになります。
土星 × 魚座
魚座土星は、「共感」や「エゴの消失」に抵抗し、恐怖心を持っています。
共感とエゴの消失は、一見関係が無いように思えるでしょう。
魚座は本来、感情を共有するだけでなく、他者とつながっている無意識にアクセスし、深く、広く、そして柔らかい連帯意識を築き、深い充足感を覚え、また与える星座です。
そういった意識状態には、一切の自己防衛も自己顕示欲も無く、自己と他者の隔たりも必要ありません。
私たちがこの世で体験する「二元性」は、意識の奥へ到達することにより、「二項対立」や「葛藤」が消えていきます。
それを可能にするのが、心の奥底に到達する感情です。
ですが魚座土星は、そういった「神秘性」に恐怖を覚え、また他者とそのような意識を築くことができない、と思い込んでいます。
凝り固まった「執着」や「欲望」、「価値観」などが解消される時は、同時に「自分の正義」や価値基準さえも解消されるのです。
「意識の奥」へのアクセスは、ある種、「自分というこだわり」が消える時にこそ実現するのですが、それを遮るものは、感情に対する不信であり、他者に対する恐怖。
魚座土星は、本来実現したいはずの「連帯感」を拒否し、また「自分が消える感覚」に恐怖を覚え、抵抗します。
魚座土星の恐怖は、他者との信頼関係により克服することができるでしょう。
また信頼や絆を他者と築くことで、自分の存在の曖昧さを肯定することができます。
私たちは肉体を持っていますが、心や意識、魂といった曖昧なものも持ち併せ、それを否定することはできません。
魚座土星は、物質世界だけでなく、特に目に見えない世界の両方を肯定することに、エネルギーを使うことで生命力が輝きます。
土星の影響力とサターン・リターン
今回の講座では、土星がいかに、私たちの人生「全般」に影響するかをお伝えしています。
現実や出来事そのものと、それらに対する私たちの解釈や精神的反応は、実は同じではありません。
私たちが経験的に未熟であったり、排他的な個人主義であったとしたら、「人は信じたいものしか見えない」という無意識の力が強まります。
それはある意味、幸せで楽な状況かもしれません。
ですが現実は決してそうではありませんし、土星は強制力を持って、そういった判断や意識を覆してくるでしょう。
そこで、土星回帰・サターン・リターンについて解説させていただきます。
占星術において「リターン」は重要視されている理由は、「人生の始まり」と「天体の環境」が重なるからです。
あなたのネイタルチャートは変わることはありません。
ですからネイタルチャートと進行中の天空のチャート(プログレス)を比較すること(トランジット)で、天体の影響力の出方が分かります。
最も分かりやすいリターンは、サン・リターン。
私たちに毎年やってくる誕生日ですね。
誰もがそうであるわけではありませんが、誕生日の1ヵ月前後、つまり誕生月を含んだ3ヵ月間は「脱皮期間」と考えられています。
太陽と土星のリターンが重なる年は、人生においての大転換と言えるでしょう。
サン・リターンの間隔を、約30年に伸ばしものが、土星回帰・サターン・リターンです。
1度目は27~30歳、1度目は56~59歳、3度目は87~90歳。
(年齢の幅には諸説ありますが、それほど大きな違いはありません。)
1度目の土星回帰では、「個の自分」と「社会的な自分」の両方に歪みが生じます。
2度目のサターン・リターンでは、社会から離れ、成熟した個人としての人生を再構築する時期です。
どちらの時期も、「人生の道筋」がハッキリと自覚されるような出来事や経験、周りとの不調和が起こります。
特に30歳前後のサターン・リターンは衝撃的かもしれません。
太陽期のど真ん中の頃、私たちはがむしゃらに生きている半面、自分自身をしっかり確立できていなかったり、社会の中で揉まれている頃でしょう。
「一人前」という言葉に、絶対的な定義はなく、成人したからと言って誰もが成熟しているわけでも、社会的な地位や立場が、人間的に成熟しているとも限りません。
土星が出生時の星座にやってくる時、土星星座の力を自覚する時と言えます。
天体の影響は星座を通して表れますから、土星星座をしっかりチェックすることが大切です。
またサターン・リターン時に、どの天体とどのようなアスペクトを取り、あなたの人生の転換と、社会と時代の流れがどのように関わってくるのかが重要になってくるでしょう。
あなたの人生は、実はあなただけのものではなく、身近な人から社会、大宇宙とつながっています。
あなたは土星から、「この世的」・「物質的」・「自分の人生らしい」流れを読み取ることができるでしょう。
それはサターン・リターンの到来とともに、意識せざるを得ない現実が迫って来ますが、過度に心配する必要はありません。
私たちは人生はいつだって、「未知なる可能性」に満ちていますし、あなたには占星術があるのですから!
土星が支配する星座に、他の天体はある?
少しテクニカルなことになりますが、今のうちにと他の天体の絡みを覚えておくと、後でホロスコープを読む解きにラクになります。
土星のナチュラルサインは山羊座でしたね。
あなたのホロスコープでは、山羊座に天体は入っているでしょうか?
山羊座にある天体は、土星とアスペクトが無くても、山羊座を通して土星の影響を受けます。
土星の影響は、人生全般的な生き方や、ルールや規範、社会性などの価値観に出る傾向が強いでしょう。
占星術では、「太陽より遠い星は、太陽より近い星よりも強い影響力を持つ」とされています。
土星は、月から木星までよりも強い影響力を持ち、土星が支配する山羊座にある天体にも影響を与える、と考えてください。
また天体と星座の組み合わせや、他の天体との絡みによって、天体の力の出方が異なりますから、あなたが持つ天体の状況(質)を1つずつ明確にしていきましょう。
そして天体は、自分のナチュラルハウス(オウンハウス)に入ることで、強い影響力を持つ、ということも覚えておいてくださいね。
チャートルーラーとしての土星
まずホロスコープで重要視されるのは、① 星座、② 天体、③ ハウスです。
ハウスについては天体別の解説後に解説していきますが、今回は土星の解説ですので、チャートルーラーとしての土星について少し触れておきますね。
チャートルーラーとは、アセンダントの星座の支配星のことを指します。
アセンダントとは、「東の地平線」で、星が上昇していく地点です。
ホロスコープでは、アセンダントが生まれ持った性格や性質を表すため、重要視されます。
そのアセンダントに位置する星座の支配星が、チャートルーラーとなり、ホロスコープで影響力の強い天体と考えられるのです。
以下に、チャートルーラーの一覧を挙げておきますね。
- アセンダントが牡羊座:チャートルーラーは、火星
- アセンダントが牡牛座:チャートルーラーは、金星
- アセンダントが双子座:チャートルーラーは、水星
- アセンダントが蟹座:チャートルーラーは、月
- アセンダントが獅子座:チャートルーラーは、太陽
- アセンダントが乙女座:チャートルーラーは、水星
- アセンダントが天秤座:チャートルーラーは、金星
- アセンダントが蠍座:チャートルーラーは、冥王星と火星
- アセンダントが射手座:チャートルーラーは、木星
- アセンダントが山羊座:チャートルーラーは、土星
- アセンダントが水瓶座:チャートルーラーは、天王星
- アセンダントが魚座:チャートルーラーは、海王星 (と木星)
土星が支配する山羊座がアセンダントにある場合、あなたのチャートルーラーは土星になります。
意外と意識をしていない!ということもありますので、是非チェックしておいてくださいね!
土星とハウス
ハウスについての解説は、ハウス別の講座で行いますが、軽く土星が入るハウスについても触れておきます。
10天体すべては、あなたの心・魂・意識の要素です。
ハウスは、あなたの人生や時間の流れ、成長段階のテーマを表します。
土星が入るハウスに着目することで、「時間をかけて実現する事柄」や「自分の責任」を知ることができるでしょう。
土星は「人生設計の星」であり、「実現力の星」です。
土星が入っているハウスは、あなたが土星力を発揮することで、人生が充実していきます。
木星と土星、またトランスサタニアンの3天体のエネルギーはとても強い分、私たちの意識で掌握できるものではありません。
ですが土星はその限りではなく、私たちには必ず、「人生を自分でデザインする」という意味を発見することができます。
あなたの人生は、何によって「収まる」のか?
何を追求し、どのような形で他人や社会に貢献することで、あなたの努力は報われるのか?
是非そういったことを、ハウスと土星の象意を絡めて考えてみましょう。
ハウスのテーマと絡めることで、人生における学びや人との関係性において、あなたにとって大切なことを教えてくれます。
それは土星が導く、「長期的なスパンとしての人生」や「生きている実感」に表れ、多くの人に与える強い影響力につながっていくでしょう。
大切なポイントは、心から炙り出る「意志」です。
夢や目標は、何かしらの形にしないままでは、単なる可能性に過ぎません。
あなたのホロスコープには、特に土星からのメッセージには、「実現すべき意志」が託されています。
土星が位置する星座の度数
ホロスコープは12分割して、12つの星座とハウスが配分されているということは、これまでの講座でお伝えしましたね。
また360度の円を12分割し、それぞれの星座には更に30度の部屋があり、あなたの土星が位置する度数によって、「あなたの土星」の特徴が分かります。
ちなみに1つの星座の度数は、0度~29.99度の間で、30度は次の星座の0度となります。
また1つの星座は、1~9度、10~19度、20~29度の3つの区分けで考えられます。
違う考え方として、5度毎にグループ分けをして、更に細分化する解説もあります。
物事は細分化することで、より深く、また明確に特徴を掴むことができますが、最初のうちは3グループに分けるところから始めてみましょう!
サビアンシンボル
サビアンシンボルとは、星座の度数の1つひとつに、意味やメッセージがあるというものです。
サビアンシンボルについては、また後の講座で解説していきますが、あなたの土星が位置する星座の度数をまずチェックしてください。
そして、土星の度数に+1度足したサビアンシンボルのメッセージを読んだり、その度数のサビアンシンボルの解説の中からビビッと来た言葉や表現を選びましょう。
サビアンシンボルに限らず、天体が位置する度数の前後1度、合計3度を合わせて見ると「流れ」が掴みやすくなります。
サビアンシンボルは、度数自体に関するメッセージですから、あなたの土星と、土星が位置する星座とハウスと絡めると、より多くの情報や閃きが沸いて来るはずです。
とはいえ、現代占星術ではホロスコープリーディングの際に活用されますから、10天体のサビアンシンボルだけでもチェックしておいてくださいね!
土星は「人生の報い」を味わわせる星
今回は土星の解説をし、人生の奥深さをお伝えさせていただきました。
今回の講座では、抽象的な内容やスケールの大き過ぎる部分もあったかもしれません。
私たちの人生にはそれぞれのストーリーがあり、またその1つひとつの物語は宇宙と対話でもあります。
さて土星の年齢領域である、57~70歳は、昔は人間の寿命に相当していました。
大昔は30代が寿命であった時代もありますから、「人生100年時代」と表現される現代の私たちは、肉体的にも精神的にも進化していることになりますね。
古典占星術や、現在のインド占星術では、土星が太陽系の「王様」や「支配者」を表していました。
ですが科学技術の進歩と、人間の意識進化が相まって、土星以降の天体が見つかったり、宇宙への更なる理解が進んでいます。
今ではこのような講座が誰でも見られ、宇宙の摂理に誰もがアクセスできるようになっていますね。
ですが本来占星術は、国家の繁栄に関わる専門的な学問でしたし、鑑定が役に立たなかった時には、占星術家には厳しい処分が与えられたといいます。
そういった時代には、現代のような日常的な選択肢や、個人的な人生の展望は望めなかった、という人が多かったかもしれません。
そういう意味で言えば、現代人は幸せなのかもしれませんが、逆に増えすぎたことによって、私たちは不自由になってしまいました。
自由と不自由は状況によって変わります。
人間には「適応力」がありますが、長い時間をかけて完成されていくものですから、私たちはまだ発展途上と言えるでしょう。
寿命が100年に伸びても、それ以上に多くの危険があったのでは、私たちは常に息苦しさから解放されることはありません。
昔は正解とされていたことが間違いであったことや、既に役に立たなくなったことなどは沢山あります。
ですが重要なことは、あなたの人生が、何によって成就し、充実するのかを自覚することです。
あなたはあなたの力でもって、人生を有意義にすることができますし、それを宇宙はもちろんのこと、社会も待ち望んでいることでしょう。
私たちの時代は今、土星移行のトランスサタニアンの力が強まっています。
なぜなら太陽系も、天の川銀河を、天の川銀河も大宇宙の中を突き進んでいるからです。
それは単なる「時代の変化」ではなく、太陽系を超えた「銀河時代の到来」と呼べるかもしれません。
ですからそれら3天体の影響を受け止めるためには、土星力をしっかりと育てていく必要があるでしょう。
それは今日1日を大切に生きるとともに、「人生をどう生きるか」という難問に立ち向かうことでもあります。
ですが焦らなくても大丈夫です。
占星術はあなたをより深い意識状態に引き上げてくれますし、より深い気づきにあなたを導いてくれます。
今回は土星について解説させていただきましたが、このまま残りの3天体のトランスサタニアンについても深く知っていきましょう!
それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次の天体別・天王星の講座でお会いしましょう!
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