木の精霊は、神話や伝説に彩られた自然界の神秘的で魅力的な存在です。
自然との深い結びつきや、人間界とスピリチュアルな世界をつなぐメッセンジャーなどの特徴を持つと考えられています。
日本では、木の精霊は「木霊(こだま)」と呼ばれ、古くて雄大な木に宿ると言われ、敬う人に幸運をもたらすと考えられてきました。
また、切り倒そうとすると木霊に祟られるといったことも考えられていましたが、木の精霊というのは本当に存在するのでしょうか。
今回は木の精霊のスピリチュアルを解説します。
日本の木の精霊といえば「木霊」
古事記にある登場する木の神・ククノチノカミが木霊と言われています。
鬼や神と並べられる存在であったため、妖怪のような恐ろしさがあったのかもしれません。
怪火、獣、人の姿になるともいい、自在にその姿を操れたことがわかります。
木の精霊で、木霊といえば、まず真っ先に思い浮かぶのが、ジブリ映画もののけ姫のこだまですよね。
このことからも、日本古来の言い伝えがモチーフになっていたことがわかります。
もしかすると、本当に木の精霊はきらきらとした光のような存在で、恥ずかしがり屋かもしれませんね。
木の精霊はなにをしている?
木の精は、木や周りの環境を守り、基本的には自然の番人として働くと信じられています。
また、未来を見ることができると信じられ、必要な人に指導や保護すること考えられています。人間界と霊界をつなぐメッセンジャーとして、2つの世界を仲介することもあります。
また、樹木の精は希望とインスピレーションの源とも考えられており、困っている人々に慰めや導き、保護を与えてくれるのです。
各国の木の精霊
日本では木霊が有名ですが、樹木に精霊など超自然的なものが宿っているとするアニミズム信仰は、多くの文化圏で見られました。
古くから存在し、現在でもその魅力は衰えません。樹木のアニミズム的な力を信じていた中でも「木の精霊」に絞って古代の文化を紹介します。
沖縄の木の精霊「キーヌシー」
沖縄では、木に宿る霊的な存在が信じられている。キーヌシーと呼ばれるこの存在は、木を守り、健康を保つと言われています。
また、キーヌシは木の葉の中に見えると言われており、木が幸せであれば葉が揺らぐと言われています。
また、人間の姿をしており、それをキジムナーと言います。
困っている人を助けに来てくれるという話もあります。キーヌシが傷ついたり、死んだりすると、その木は死んでしまうと信じられています。
ヨーロッパ:グリーンマン
ヨーロッパでは、ケルト人が「グリーンマン」と呼ばれる木の精霊を信仰していました。
グリーンマンは、キリスト教以前のヨーロッパの多くの文化に見られる人物である。
彼は通常、葉や蔓の壁の中に顔を描いており、髪の毛の代わりに葉を生やしています。
一般的には、彼は動物や植物と話すことができ、天候をコントロールし影響を与えることができると信じられています。
イギリス:ドライアド
イギリスには、ドライアドと呼ばれる木の精霊の信仰があります。
これは木に宿るとされる自然界の精霊で、木に魂と知性を与えるとされる。
ドライアドは特定の木と結びついていることが多く、人間や他の生物とコミュニケーションをとることができると信じられています。
イギリスの民間伝承では、ドライアドはしばしば木に住む美しい女性として見られ、邪魔をすると死をもたらすとされていた。
中国における木の精霊「彭侯」
彭侯は人の顔を持つ犬の様な姿をした木の精霊です。
生えてから1000年たった木に取り付くといわれていますが、言い伝えでは彭侯煮て食べたところ犬の味がしたと書かれていたそうで、食べてしまったのかと思わず突っ込んでしまいました。畏敬の念のようなものはなかったようです。
インド:ヤクシニー・ヤクシー
ヤクシニー・ヤクシーはインド神話におけるヤクシャの女性の総称です。
ヤクシャとは、古代インド神話に登場する鬼神で、のちに仏教にも取り入れられ護法善神の一尊になりました。森林に棲む神霊であり、ヤクシは樹木や植物の精霊で、豊穣と女性の美を象徴します。
もともとは森や樹木に棲む精霊で、魅力的な姿の美しい女性です。
タイ:タキアンに宿るナーンタキアン、バナナの樹に宿るナーンターニー
タイには、バナナの樹に宿るナーンターニー、タキアンに宿るナーンタキアンと呼ばれる木の精霊が宿るとする民間信仰があります。木の女神だとする解釈もあります。
どちらも女性の姿をしているそうです。
木の精霊に女性が多いのはなぜか
このように、木には神や霊などの超自然的な何かが宿るというアニミズム的な考え方は、多くの文化で見られ、木の精は女性性の神または女神と見なされていることもわかりました。
木の精霊がしばしば女性として見られる理由として考えられるのは、自然や自然界とのつながりです。
木は自然環境の主役であり、その根は土の奥深くに埋め込まれている。
そのため、木は自然界とそのさまざまな面、たとえば豊饒や生命を与えるエネルギーの体現者と見なされることが多いです。
このような自然界とのつながりは、しばしば女性的であると見なされ、したがって、木の精神は女性の存在と見なされていることがわかります。
木の精霊の歴史を紐解いて見えてきた「木の精霊の存在」
数々の言い伝えや歴史、各国の文化に根付いている木の精霊の存在。
かつて人々は、木には霊的な力があり、それぞれの木には精霊が宿っていると考えていました。そして、その木霊が力を与えてくれたり、守ってくれたりすると考えられていました。では、現代ではどうなのでしょうか。
私たちは昔よりも、木や自然を、意識して生活することは減ってきました。それと同様に、木の精霊も減っているのです。しかし、木の精霊は現代にも存在しています。
わたしたちが変化してきたように、木の精霊の役割も変化していきています。
もしあなたが人生に圧倒されそうなら、木の下に座り、木の精霊とつながる時間を作ってください。ほんの数分、樹木のそばにに座るだけで、精神的、感情的な休息が得られるでしょう。
木の精霊からパワーを得る方法
では、どうすれば木の精霊からパワーをもらえるのでしょうか。
まず、自分が親しみを感じる木を見つけることです。あなたの地域に根ざした木を調べて、その木の精霊が送ってくるメッセージに耳を傾けることです。
これは、瞑想状態で行うのがベストです。また、木に敬意を表すために儀式を行ったり、お供え物をしたりするのもよいでしょう。
次に、木からエネルギーを引き出してみてください。精霊のエネルギーがあなたの中に流れ込み、あなたを元気づけてくれるのをイメージしてください。
もし、木とのつながりを感じない場合は、木に話しかけ、その導きを求めるのもよいでしょう。あなたが成長し、力を得るのを助けるように木に頼んでください。
一度、木の精霊とつながれば、必要なときにいつでも精霊からエネルギーを得ることができます。
おわりに
木の精は、今でもパワフルで、導きと力を与えてくれると信じられています。
木の精からパワーを得るには、自分がつながりを感じられる木を見つけ、その導きを求めましょう。その木と一緒に過ごし、瞑想して、その木からエネルギーをもらいましょう。
木の精霊を理解することで、あなたは強さと守護を得ることができます。
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