美容や健康をサポートしてくれるサプリメント。手軽に入手し、飲むことができるため幅広い層に人気です。
一方で、「たくさん種類があるけど、結局どれを飲めばいいの?」と悩む方もいるのではないでしょうか?
こちらの記事では、飲んだ方がいいサプリメント4選をエビデンスをもとにご紹介します。また、サプリメントの選び方や注意点も併せて解説しますので、サプリメントを購入する際の参考にしてみてください。
高度急性期病院にて管理栄養士として勤務。300件以上の栄養指導実績と栄養管理経験あり。現在はフリーランス管理栄養士としてライター、ブロガーとして活動しながら、栄養士のコミュニティの運営を行う。病院勤務で培った知識とエビデンスを基にした情報発信を意識しております。
サプリメントの選び方
インターネット通販からドラッグストアなどの店舗まで、サプリメントはさまざまな場所で販売されています。
しかし、その種類は幅広く魅力的な広告も多いため、どれも必要な栄養素のように感じてしまう方も多いのではないでしょうか?
サプリメントを選ぶ際は、広告や商品名、価格だけを見て判断するのではなく、製造しているメーカーや原材料、成分の配合量を確認するのが良いといえます。
こちらを参考に判断しましょう。
・原料の記載(できれば原産地)があり、天然素材でつくられている
・成分が正確に単位づけ(mg、μg、IUなど)で表示されている
・加工方法が適切であること
・目的に応じて、適切な量の栄養成分がふくまれていること
・同じ成分なら安い方が良いと判断するのは間違い。天然素材で丁寧に作るためにはある程度費用がかかる
・商品の宣伝が“個人の体験”だけのものは万人の認めるエビデンス(医学的証拠)がないと思うべき
田中消化器科クリニック「良いサプリメントの選び方」
飲んだ方がいいサプリメント 5選
では、次に「飲んだ方がいい」といわれているサプリメント4選をご紹介します。
ただし、摂取しても良いかどうかはご自身の健康状態を踏まえてご判断いただけますと幸いです。
1. マルチビタミン
マルチビタミンは複数種類のビタミンを1粒で摂ることができるサプリメントで、あまたあるサプリメントの中でも大変人気があります。
マルチビタミンには様々な種類のビタミンが含まれていますが、大きく脂溶性ビタミン(V.D.E.K.E)と水溶性ビタミン(V.C.B群)に分けられます。
よくマルチビタミンに含まれている成分の効果や役割について紹介します。
まず、ビタミンA は主に動物性食品に含まれ、目の正常な機能の維持、皮膚や粘膜の正常保持、成長および分化に関与しています。そのため、不足すると夜盲症、皮膚や粘膜の乾燥、成長障害、胎児の奇形などを引き起こすおそれがあります。
ビタミンDには、カルシウムやリンなどのミネラルの吸収を促進する効果があります。そのため、不足すると骨の発達に影響が現れます。ビタミンDは食事や日光を浴びることでも生成できますが、屋外で過ごす時間が少ない場合はサプリメントで補うのが良いといえます。
ビタミンC は、コラーゲンを作るのに必須のビタミンで、コラーゲンが不足すると皮膚のはりやつやがなくなるだけでなく、血管を正常に保つことができなくなり出血しやすくなります。
また、体内で重要な抗酸化物質としても働いている他、鉄の吸収を高める効果も持っています。
ビタミンB1は、豚肉や玄米などに含まれるビタミンで、糖質の代謝をサポートする役割を持っており、不足すると糖質を主なエネルギー源とする神経や脳に影響が出ます。
マルチビタミンは摂取に伴うリスクが比較的低いサプリメントともいわれています。食品医薬品局 (FDA)もマルチビタミンを規制していません。しかし、特定の薬を服用している人や病気の治療をしている人は注意が必要です。必ず医師に相談の上、摂取を検討しましょう。
また、リスクが低く、体に良さそうだからといって他のビタミンサプリメントや医薬品と同時に摂取すると、合併症などを引き起こす可能性があります。飲み合わせには十分注意しましょう
2. ミネラル
カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラルも健康にとって重要な栄養素です。
まず、カルシウムは丈夫な骨や歯を維持することや、全身に血液を運ぶこと、筋肉の弛緩や収縮をサポートすることなどに必要な栄養素です。
カルシウムは牛乳やヨーグルトなどの乳製品や葉物野菜、イワシやサケなどの魚類などから摂取できます。食事で摂取できるのが良いですが、サプリメントで補うのもおすすめです。
鉄は、赤血球を構成するヘモグロビンに必要な栄養素です。鉄が不足すると赤血球を作ることができなくなるため、貧血を引き起こします。
また、鉄は筋肉の代謝や結合組織の健康を維持する作用もあるため、成長・発達にとって重要といえます。
鉄は、肉類や魚介類から摂取できますが、食事のみで十分な鉄を摂取できない場合はサプリメントで補うのが良いでしょう。
亜鉛は、遺伝子発現やたんぱく質合成など、細胞の成長の中心的役割を果たしています。不足により、味覚障害や皮膚炎、食欲不振などが起こることが知られ、若年成人女性において味覚機能の低下と低亜鉛状態との関連が報告されています。
牡蠣や鶏胸肉、ナッツ類、乳製品などに含まれていますが、亜鉛も食事のみで十分に摂取できない場合はサプリメントで補うのがおすすめといえます。
3. オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、DHAやEPAなどの魚に多く含まれる脂肪酸で、体内で生成できないため食事から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸は悪玉コレステロールの数値を低下させるため、血圧を下げることや中性脂肪を減らすこと、動脈硬化や心臓病、脳卒中などのリスクを減らすことなどへの効果が期待されています。
食事で十分なオメガ3脂肪酸を摂取できるのが理想的ですが、魚が苦手な人や高くて買えないという方はサプリメントで補うのも良いといえます。
とはいえ、サプリメントを摂取することでの心臓への健康的な効果は不明な点もあるため、医師に相談の上、摂取を検討するのが良いでしょう
4. 葉酸
上述したマルチビタミンにも含まれていることがある葉酸は、葉物野菜やナッツ類、オレンジ、イチゴ、バナナなどの果物に含まれているビタミンです。
赤血球の形成や健康的な細胞の成長にとって重要な栄養素で、脳や脊椎の先天異常のリスクを軽減する作用もあるため、妊娠初期に特に必要な栄養素といわれています。
また、葉酸には動脈硬化の危険因子となるホモシステインをメチオニンと呼ばれるアミノ酸に戻す役割を持っているため、動脈硬化の予防に効果があると言われています。
葉酸が不足すると、血液を作る機能が異常をきたす巨赤芽球性貧血や、胎児奇形のリスクがあります。
葉酸も食事で摂取するのが良いですが、妊娠する可能性のある女性や妊娠中・授乳中の女性にはサプリメントで栄養を補うのも良いといえるでしょう。医師に相談の上、検討しましょう
サプリメントを購入する際の注意点
サプリメントは、インターネット通販やドラッグストア、コンビニなど、さまざまな場所で購入できます。
しかし、手軽に購入できるサプリメントでも、人によっては健康に悪影響を及ぼすことがあり、摂取する際には注意が必要なものもあります。
最後に、サプリメントを購入・摂取する際の注意点をいくつかご紹介します。
海外のサイトから個人輸入ができるサプリメント
海外のサイトから個人輸入ができるサプリメントの中には危険なものもあります。
日本の法律に基づいて製造・販売されているわけではないため、日本では承認されていない成分を含んでいる可能性があります。
また、インターネット通販では怪しい輸入業者や偽物を販売する業者も存在するため、注意が必要です。
通販サイトに記載された販売会社や住所などの情報を確認し、本当に信用できる製品か見極めなければなりません。また、広告や価格だけで判断して危険な製品を購入しないよう注意しましょう12。
鉄分の含有量が多いサプリメント
鉄分は体内で強力な酸化物になります。そのため、摂取のしすぎには注意が必要です。
また、病気や体調によっては飲んではいけない場合もあるため、治療中の方は医師に相談の上、摂取するようにしましょう。
ビタミンKの含有量が多いサプリメント
クロレラなどに含まれるビタミンKには、血液を凝固させる作用があります。特に、血液をサラサラにするワーファリンという薬を服用している患者さんは、その効能を損なうため飲んではいけません。
ダイエットサプリ
ダイエット系のサプリメントの中には、下剤などにより体重減少をさせるものもあるため、成分表示をしっかりと確認することが大切です。
また、食生活を整えたり、運動したりすることなく、サプリメントのみに頼ったダイエットも大変危険といえます。
プエラリア・ミリフィカ含有のバストアップ効果をうたうサプリ
バストアップやダイエットなどの効果をうたっている、プエラリア・ミリフィカという原材料が配合されたサプリメントにも注意が必要です。
若い女性を中心に、消化器障害や月経不順・不正出血、皮膚障害などの症状、頭痛や乳房の異常、呼吸器障害などの症状が報告されており、日本医師会からも注意喚起がされています。
ウェブ広告ではこういった副作用を隠したまま販売しているものも多いため、十分注意しましょう。345。
おわりに
エビデンスをもとに飲んだ方がいいサプリメント4選やサプリメントの選び方、購入する際の注意点などについて解説しました。
自分の健康にとって必要な栄養素を知り、それに合ったサプリメントを選ぶことが大切です。
また、メーカーや成分表示などをしっかりと確認し、より安全性の高いサプリメントを購入しましょう。
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