親兄弟のように、血の繋がりがあるからといって、必ずしも人間的な相性が良いとは限らず、むしろ関係性が近いからこそ生じる摩擦もあるかと思います。
幾度衝突することがあっても、身内だから、兄弟だからと、どこかで折り合いをつけながら付き合いを続けているうちに、ある一定の許容範囲をこえてしまうと、「もう二度と関わりたくない」と考えることもあるかもしれません。
今回は兄弟(姉妹、姉弟、弟妹も含む)と縁を切ることのスピリチュアルな意味を中心にして、兄弟と縁をきることによって生じるメリットやデメリットも掘り下げてお話していきます。
兄弟と縁を切ることのスピリチュアルな意味
同じ親から生まれ、血をわけたともいえる近しい存在であるはずの兄弟と、“縁を切る”となるまでには、様々な要因があることが想定できますが、スピリチュアル的な視点からみたときに、兄弟と縁をきる時には、いったいどのような意味があると考えられるのかをこちらの項目を通してお伝えしていきます。
自分の魂が成長する時
スピリチュアル界では魂が大きく成長する時は、それまでとは違うステージにあがるときでもあるといわれています。
そうして自分の意識や霊格がひとつ上の段階へあがると、経験したことのあるような同じ出来事や問題に直面しても、感じ方や受け取り方がまったく変わることもよくあるのです。
これまでは違和感を覚えながらも許容してきた兄弟との問題点についての考え方が変わり、もし急に、それまで当たり前に自身の身近にいた人に対して、「これからの自分の人生に必要な相手ではないな」と感じることがあるならば、それはあなたの魂が次のステージへと向かっている兆候のひとつなのかもしれません。
また、第三者からみれば、まったくもって良好な関係ではないのに、世間体や固定概念に縛られて、兄弟を特別視しているかたも沢山いらっしゃいますが、相手との魂のステージが大きく変わると、負の感情を動かされることが少なくなり、諍いすらおこらなくなります。
それまで何をムキになっていたのかと自分でも驚くほどに、兄弟に対しての執着がなくなり、比較的あっさりとした気持ちで縁を切るに至ったなら、あなたの魂が大きく成長したときのサインであると捉えてよいでしょう。
これから進むべき道の暗示
「人生の節目には、その時々で必要な人との出会いがある」という話がありますが、逆をいえば、不必要となった(今生での目的が果たされた)関係が終わるときでもある、と考えることができます。
つまり、幼い頃から一緒に育ってきて、比較的仲の良かったはずの兄弟と縁をきるということになった時は、そうしなければこれからのあなたや兄弟が、進むべき道に進むことができなかったのかもしれません。
これまで兄弟仲が良く、親友のように気があっていたのに、ある物事をきっかけに関係が急激に悪化し縁をきることになった方には、このケースがもっとも当てはまるといえるので、縁を切ってからの自分自身の心の動きに注目し、興味が惹かれることには、積極的に関わっていくことで、定められていたと思えるような運命にたどり着く可能性がじゅうぶんに考えられるでしょう。
必要な人やものと向き合うとき
兄弟と縁を切るにあたって、新たに出会った人がいるならば、その方とは出会うべくして出会ったと考えられるでしょう。
人生の中で、なにを差しおいても魂レベルで引き合うこととなっている、運命の相手と出会う予兆のひとつに、“大きな変化がおこる”という話を耳にしたことはありませんか?
感じ方は人それぞれとはいえ、兄弟と縁を切るということは、とても大きな人生の変化といってよいくらいのできごとですよね。
また兄弟と縁を切り距離を置くことで、これまでみえていなかった現実や、離れてみたからこそ向き合えるようになった問題などが、縁を切った日を堺にわかってきたなら、兄弟と縁を切ることこそが、これからのあなたに必要不可欠なものや人と出会うための重要なプロセスだったのだと、前向きな気持ちで捉えてよいでしょう。
定められていた魂の課題
スピリチュアルな世界で人は、輪廻転生を繰り返しながら魂を成長させていると言われています。
魂には大きな課題のほかにも、その時代、その人として生まれたことによって課せられる試練もあります。
仲が良いわけではなく、むしろこの世で一番苦手だと思えるような兄弟がいて、あらゆる悩みのもととなっているなら、「その関係性を今生で清算しなさい」という魂の課題であるのかもしれませんね。
兄弟と縁を切ることのメリット
兄弟と縁を切った時に、“嬉しい”が大きいのか、“さびしい”が勝るのかは人それぞれの違いがあるかと思います。
そのさいどのような感情を抱いたかはさておき、こちらの項目では喪失に対するネガティブな意見ではなく、兄弟と縁を切ったことで得られるメリットに目を向けてみましょう。
自分の生き方や価値観に忠実になれる
兄弟と縁を切り、しがらみから開放された時、心境の変化から、これまで兄弟と関わりがあるゆえにできなかったことに挑戦することもできるようになります。
具体的にどのようなことかといいますと、プライドが高い長兄に遠慮したり、怒らせることが怖くて、幼いころから無意識に能力を抑え、本領発揮することなくそれまで過ごしてきたという方です。
このような場合、兄弟と縁を切ることで本来の価値観や心のからの望みと向き合うことができ、それまでとは生き方が大きく変わることもあるようです。
能力や望みを抑圧する必要がなくなるので、自分でも驚くほどアクティブになったり、挑戦する楽しさに目覚めたりと、まるで生まれ変わったように世界が違ってみえる、なんてこともあるでしょう。
そうして新たなことを始めたり、アクティブにポジティブなマインドで過ごすことは、自分の価値観や人生を大切に生きることへとつながるのです。
慢性的なストレスの原因が排除される
兄弟と一緒にいない時でも、関係が悪いことによって常に頭の片隅に大きな悩みとして付きまとい、心理的な悪影響を受け続けている場合、縁を切ることで慢性的なストレスの原因を1つ排除することができます。
「血の繋がった家族を捨て、縁を切ることは薄情なこと」という固定概念が無意識に植え付けられていると、縁を切ることに罪悪感や自己への不甲斐なさなどネガティブな感情を抱いてしまうケースもありますが、縁を切ることで大きな悩みが消えて、心のキャパシティが広がるのなら、むしろ良いことだといえるケースも往々にしてあります。
スピリチュアルな世界では、悩みや問題は魂を成長するために課せられた天からの試練だと考えられていますが、心が壊れてしまいそうなほど辛いときには、目をそらして逃げたり、避けても良いのです。
もし、何度も衝突しながら精魂つきそうになってでも、兄弟とわかり合うことこそが魂を磨くための試練であるなら、いつの日か、来たるべきタイミングでまたあなたの前に現れる時がきます。
なので、兄弟との関係改善にむけて時間と体力、精神を削り、考えうるできる限りを尽くしたのなら、次の段階として“縁を切る”という手段も一度選択肢に入れてみてくださいね。
兄弟と縁を切ることのデメリット
決断することを躊躇い、身動きできずにいる時は、問題が目の前から消えた頃のメリットだけをみるのではなく、デメリットも知ってからのほうが、あとから気がづきいて後悔する可能性をさげることに繋がります。
今現在兄弟と縁を切りたいと考えているかたは特に、こちらの項目に目を通して、兄弟と縁を切ることのデメリットについても頭に入れておいてくださいね。
人から非難される可能性がある
兄弟と縁を切ることになる場合の多くは、根深い確執や不仲が原因であることがおおいかと思いますが、兄弟仲、あるいは家族仲が良好な方々に、兄弟と縁を切ったことを知られると、ときには非難されることもあるでしょう。
兄弟との仲が良好な方にとっては、兄弟と喧嘩してわかりあい、時間がたてば必ず許しあえると信じているのです。
他人に対して想像力を働かせることができない方は特に、自分の経験と価値観を押し付けがちです。
縁を切るに至った本人の心境や状況を無視するように、「兄弟なんだから縁まできらなくても・・」「兄弟なんだから助け合い、許すべきだよ」
なんて言葉をかけてくる方とは、そもそも“兄弟”という存在に対する価値観や印象が違っているので、理解されなくてもある意味当然です。
とはいえ他人からの見当違いな憶測や非難の種を進んで撒くことのないよう、兄弟と縁を切ったことはあまり人に話さないほうが無難かと思います。
介護などの問題に直面した時に後悔する可能性がある
兄弟がいることの利点のひとつに、親の介護問題があります。
親もいつかは歳をとり、介護が必要になります。
一昔前はその子供が親と同居をして在宅介護をするのが一般的でしたが、現代では通いのヘルパーを雇ったり、老人ホームにいれるなど、さまざまな選択肢が増えてきました。
しかし兄弟と縁を切るということは、どのような手段で親の介護にあたるかを一緒に悩み考える相手を失うことでもあります。
「兄弟と連絡を取り合い協力できていれば、年老いた親の様子を定期的に交代でみにいって報告しあうこともできたのに」など、タラレバで広がる介護の選択肢を思い、兄弟と縁をきったことを後悔することとなる可能性があることは否定できません。
兄弟から嫌がらせをされる可能性がある
兄弟と縁をきるにあたって、悪い意味での執着をされてしまうケースがあります。
あなたが一方的に縁を切ったと思い、連絡を遮断して関わることを避けていても、兄弟が縁切りに納得していない場合、逆上したように厄介な嫌がらせを受けるかもしれません。
例えば親も含めた親族に、あなたの有る事無い事を吹き込み親や親族と不仲にさせたり、職場にまで連絡をいれてきたりと、あなたの私生活により介入する形で煩わしい行動を起こす可能性もあるでしょう。
もし、嫌がらせがエスカレートし、日常生活をおくるのが難しいほどの被害を受けるようになってきて、個人での解決が困難だと感じたならば、警察や弁護士などを交えて、身内といえども然るべき対処をとることをおすすめします。
兄弟と縁を切ることのリスクと回避方法
兄弟と縁をきり大きな悩みから開放されても、新たな悩みやリスクが発生すること場合も少なからずあります。
ここからは兄弟と縁を切ることによって考えられるデメリットやリスクの回避方法について、いくつかご紹介していきます。
親や親戚とも距離をおく
兄弟からの執着や嫌がらせで、あなたが悪者となるよう吹聴されたせいで、家族や親戚から非難されることが新たな悩みとなっているなら、家族や親戚とも縁を切るまではいかなくても、ある程度の距離をおくと良いでしょう。
せっかく兄弟と縁を切っても、家族や親戚が、兄弟から聞いた一方的な情報に振り回されてあなたを非難し、その誤解を解こうと関わっている限り、新たなストレスを延々と生み出してしまいます。
こちらの話も聞こうとする姿勢がみえない限り、今は何を言っても無駄だと割り切ることも一つの手です。
兄弟と縁を切ることでひきおこされるリスクの基本的な回避方法は、ムキにならず、あくまで無関心のまま引き続き相手から距離を置くことが最良だといえるでしょう。
今あるものを大切にする
優しく、情に厚い方ほど兄弟と縁を切ることになった時、心苦しい気持ちになったり、何度も自問自答を繰り返した結果、精神を病むほどの負担がドッと押し寄せてしまう、なんてことになりがちです。
しかし、縁を切ると決めたからには、無関心になって相手としっかり距離を置き、感情や思い入れを断ち切り、今ある自分の幸せや、目標に集中することが重要なのです。
せっかく縁を切ることができ、兄弟と直接的な接触がなくなったとしても、精神的に囚われ続けていては、縁を切るまでに費やした労力や時間が無意味になってしまいます。
兄弟との縁切りが実現したなら、もう過去のことは振り返らず、今あなたの周りにいる人や目標にだけ目をむけるように意識しましょう。
まとめ
今回の大きなテーマである「兄弟と縁を切ること」について、スピリチュアルな観点からその意味を考えてみると、それは必ずしも悪いことではなく、むしろポジティブな意味が込められているケースもある、ということがわかっていただけたのではないでしょうか。
もし今あなたが兄弟仲に悩みを抱えていて、この先の付き合いに迷っているのなら、兄弟と縁を切ることによって兄弟からより執着され嫌がらせをうけたり、人から非難されるなどのリスクやデメリットがあることと、慢性的なストレスの原因から開放され、本来の自分らしさや価値観や思い出し、夢や目標について考える精神的な余裕が生まれるといったメリットについて、この機会によく考えてみてはいかがでしょうか。
そして兄弟と縁を切ると決めたなら、家族とはいえもう過去の人だと割り切って未練をもたず、今あなたのまわりにいる大切な人たちのために心と時間をさいてあげてくださいね。
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