日付や曜日を確認するのに欠かせないカレンダーには「大安」や「仏滅」などが書かれていることが多いです。
大安や仏滅は必ず順番に巡って来るだけであり、科学的な根拠がないのがわかっていても、何となく気になってしまうのではないでしょうか。
特に仏滅には不吉なイメージがあるので、結婚などの人生の節目になるイベントでは避けたがる人が多いです。
しかし、仏滅にやってはいけないことや、やってもいいことは法律で決められているわけでもないので、わかりにくいのが現実でしょう。
この記事では、仏滅にはどんな意味があるのか。仏滅にやってはいけないこと、やっていいことなどを紹介していきます。
幼いころよりおまじないや星の世界に親しみ、現在は占いサイトWORDSでのメール鑑定や、占い記事の執筆、運勢の配信などで活動しています。占術は西洋占星術とタロットを使用し、補助的に姓名判断、算命学、心理学などを取り入れることもございます。「占いを通して自分を信じ前向きに生きる後押しをする」を使命に、困難に直面してもしなやかにサバイブするためのサポートをしております。
仏滅とは
仏滅には次のような意味や歴史的な経緯により、現在の解釈が定着しています。
仏滅(ぶつめつ)の意味
仏滅は、以前は「物滅」の文字が使用されていて、すべての物事の滅びにつながることを意味していましたが、現在では「仏滅」の表記がされるようになっています。
「仏」の文字が使用されているものの、仏教由来の言葉ではありません。
一日を通じて凶相であるとされ、お祝いごとなどを避けるべき日だとされています。
仏滅の由来や歴史
仏滅の概念はもともと中国で生まれたものであり、14世紀の鎌倉時代から室町時代あたりに日本に伝来したとされています。
上記のように以前は「物滅」と表記されていましたが、さらに古い歴史を辿ると「虚亡」という表記が使われていました。
「物滅」にしても「虚亡」にしても、いかにもマイナスなイメージがあります。
もともとはすべてが虚しいということで「虚亡」と呼ばれていたものが、すべてが滅して終わることを意味する「物滅」と呼ばれるようになり、最後は仏すらも滅びるという意味で「仏滅」と呼ばれるようになりました。
「仏滅」には「仏」の文字が使われているため、仏教との関係があると思われがちですが、中国発祥の仏滅概念と、紀元前6~5世紀にインドで生まれた釈迦が説いたことが発祥である仏教とは関係がありません。
六曜(ろくよう)のひとつ
仏滅は中国から伝来した六曜のひとつです。
六曜は中国で時刻の吉凶占いとして使用されてきたものです。
日本でも江戸時代に流行したものの、明治時代に社会が西洋化する中、暦に日付や天文現象の予報以外に日時の吉凶や禁忌などの迷信的事柄を書き込むことを政府によって禁止されたため、六曜も使用できなくなりました。
しかし、第二次世界大戦後に表現の自由が保障された日本国憲法が制定されて、六曜が復活してカレンダーでも使用されるようになった歴史の流れがあります。
六曜の必要性については、現在でも議論が続いています。
六曜には仏滅以外にも次の5つの曜日があり、それぞれの意味を紹介しましょう。
●先勝(せんしょう)
先勝には「先んずれば即ち勝つ」という意味があり、急ぐほど良いと考えられています。
もともとは「即吉」や「速喜」という言葉が使われていたように、午前の時間帯が良いとされ、午後は悪い時間帯とされています。
先勝の日に結婚式などを行なうのであれば、午前中の時間帯で設定するといいでしょう。
●友引(ともびき)
友引のもともとの意味は「勝負事において引き分けになる日」といったものでしたが、現在では「友を引く」という文字の意味から、自分が行なったことで周囲に影響を与える日という意味に変化しています。
そのため、結婚式のようなお祝いの日に選ぶことでは好まれるのに対して、お通夜やお葬式などに選ぶのは避けられる傾向が強いです。
友引には「幸せのおすそ分け」という意味もあるので、引出物や招待状の発送を友引に合わせることが少なくありません。時間帯としては午の刻(11時から13時)が凶とされています。
●先負(せんふ/せんぶ)
先負には「先んずれば即ち負ける」という意味があり、先勝とは逆に午前中が凶で午後は吉または小吉とされているのが特徴です。
先負の日には何事も急がず控えめに動く方が良いとされています。
結婚式や入籍なども午前中ではなく、午後に行なうのがおすすめです。仕事や取引についても、午前中に急いで行なうのではなく、午後になってからじっくり取り組む方がうまく行く可能性が高いでしょう。
●大安(たいあん)
大安には「大いに安し」という意味があり、何をするにも縁起が良いとされています。
六曜の中でも最も人気があり、結婚式などのお祝い事でも人気が高く、土日と大安が重なるような場合には余計に人気があります。
時間帯によって凶になることもなく、一日を通して運勢が良いのも特徴です。
店舗の開店や事務所の開業はもちろん、引越しなどにも良いとされています。
土日の大安に結婚式を行なうのであれば、予約が埋まらないうちに早めに式場や披露宴会場などを押さえておく必要があるでしょう。
●赤口(しゃっこう)
赤口には「鬼神が人や生き物を悩ませる日」という意味があり、仏滅以上に凶の日であるという説もあります。
しかし、一方では正午前後は吉だと言われていますから、赤口の日に結婚や入籍、店舗の開店や事務所の開業などをするのであれば、時間帯を工夫しましょう。
赤口の日に結婚や入籍、店舗の開店や事務所の開業などをするのであれば、時間帯に注意しましょう。
<同じ六曜がカレンダー上で続く理由>
カレンダーには基本的に先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順番で六曜が繰り返し表記されていますが、同じ六曜の日が続くこともあります。
その理由は旧暦の毎月1日に各月に割り振られた六曜を適用する法則があるからです。
例えば、旧暦の4月と10月の1日には仏滅が割り当てられています。
旧暦の1日になると、前日がどの六曜であろうが関係なく六曜の順番がリセットされます。
そして、その次の日からはまた先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の六曜の順番に戻る仕組みになっているので、カレンダー上で同じ六曜が2回続くという現象が起きるわけです。
仏滅についてよく言われる考え方
仏滅は一般的に縁起が悪い日とされていますが、次のような考え方もあります。
1:午後からは縁起が良くなるという説
六曜の中で最も凶日だと言われる仏滅ですが、午後からは縁起が良くなるという考え方が一部にあります。
仏滅の翌日が大安なので、午後になると翌日に向けて運気が上昇していくという理屈です。
しかし、その理屈が正しいとすると、大安の翌日は赤口なので、大安の日は午後から運気が下がっていくことになります。
他の六曜についても同じように午後から運気が変動することになってややこしくなるでしょう。
仏滅の午後から縁起が良くなるという考え方の根拠にはそれほど説得力がありません。
2:新しいことを始めるのに良い日
仏滅は以前、「物が滅ぶ」物滅と表記されていたように、それまでの状況が破壊されるという意味もあります。
それまでの状況が良好だったなら破壊されると困るでしょうが、閉塞感で八方塞がりだったなら一度破壊されることで新しい展開が期待できます。
悪い状況を一度リセットできる点では良い日だと言えるでしょう。
物滅と表記されていた時代における「古いものが一旦滅びて、新しく物ごとが始まる」といった意味が現在でも引き継がれており、新しいことを始めるのに適した日だと考えられています。
仏滅の日にやってはいけないこと5つ
次のようなことは仏滅の日にやってはいけないこととされています。
結婚式
仏滅は六曜の中で最も凶の日であるため、結婚式のような人生最大のお祝いの日に選ぶべきではないというのが一般的な考え方として深く浸透しています。
仏滅に結婚式を挙げた夫婦が離婚率が高いとか不幸になる可能性が高いという統計や科学的根拠もありませんから、気にならないならば問題ないかもしれません。
しかし、結婚というのは当人同士だけの問題ではなく、家族や親族、仕事関係の知人までも巻き込むものであるため、わざわざ縁起悪い仏滅を選ぶのはデメリットも少なくありません。
家族や親族、友人知人が大勢集まる披露宴などにはいろいろな考えの人がいることを考えて、仏滅を避けて大安などの六曜を選ぶのが無難でしょう。
入籍
入籍にしても、仏滅をわざわざ選ぶことには、親世代や高齢者は特に抵抗を持つ人が多いです。
もちろん、仏滅の日に入籍したカップルが破綻する可能性が高いなどの根拠は何もありません。
当人同士が平気ならば問題ないとも言えますが、現実の統計を見ると、わざわざ仏滅に入籍するカップルは少数派です。
しかし、たまたま都合で入籍の手続きを仏滅の日にしなくてはならないなら、仏滅だから悪いことが起きるわけではない現実を冷静に見て、お互いの気持ちの方を優先しましょう。
納車
車は移動手段として便利な一方、ひとつ間違えば命に関わるような大きな事故につながるかもしれない危険性があります。
交通事故というのは、どれほど注意して運転しても起きることがある以上、仏滅の納車にわずかでも不安を感じるなら避けた方がいいでしょう。
縁起の良し悪しについて何も気にならないのであれば問題ないですが、仏滅に納車したことにわずかでも違和感や後悔を感じそうならば、大安などの六曜に納車してもらうのがおすすめです。
どうしても納車が仏滅の日になるのであれば、車をお祓いしてもらう方法もあります。
車を境内に乗り付けて、お祓いをしてくれる神社がありますし、行けない場合には車のタイヤに塩で清めることもできます。
お祝い品を贈る
結婚や出産、高校や大学への入学など、お祝いを贈ることについては仏滅は避けた方がいいでしょう。
自分では縁起の良し悪しが気にならないとしても、お祝いを貰う側がそうだとは限らないからです。
昔も今も、おめでたいことのお祝いは縁起が良い日にするのが当然だという慣例が出来上がっていますし、受け取る側の気持ちを第一に考えるのがお祝いを贈る上で重要なポイントだからです。
自分では精一杯お祝いの気持ちを持っているとしても、相手にそれが伝わらなくては意味がありません。
お祝いについては、相手に嫌な気持ちをさせることがないように仏滅は避けるのが賢明です。
契約
仏滅はもともと「物滅」から変化したものであり、物が滅ぶことを意味することから特に不動産業界では契約日が仏滅になるのを避ける傾向があります。
家やマンションを買うお客の方にしても、これから一生住む家などの契約日が仏滅にならないように希望することが少なくありません。
縁起の良し悪しを気にしない人が増えてきたとはいえ、せっかく買った家やマンションで何か悪いことが起きたときに仏滅に契約したからだと後悔する可能性を感じるならば、大型契約は仏滅を避けた方がいいでしょう。
家やマンションを買う契約ではなく、アパートや事務所などの賃貸物件についての契約の場合であっても、それからの生活やビジネスに大きな影響が出るかもしれません。
縁起の良し悪しが気になるならば、大安などの日取りで契約するのがおすすめです。
仏滅の日にやっていいこと
仏滅の日にやってはいけないことよりも、やっていいことの方が多いです。
お葬式やお通夜
仏滅は「仏が滅する」と書くため、お葬式やお通夜は仏滅にやってはいけないことだと勘違いされがちですが、やって大丈夫です。
六曜は中国から伝来したものであり、インド発祥の仏教とは何の関係もないからです。
お葬式やお通夜で避けるべきは友引だけです。
友引は「友を引く」と書くため、亡くなった人が別の人を一緒に連れて行ってしまうのを連想させることがお葬式やお通夜の日として嫌われる理由でしょう。
友引にはほとんどの葬儀場が閉まっているので、お葬式はもともとできませんし、お通夜も別の日にすべきです。
法事
3回忌などの法事を仏滅に行なうのも何の問題もありません。
ただし、お葬式やお通夜と違って法事はある程度日程の調整がしやすいので、仏滅を気にする親族などがいるなら避けてもいいかもしれません。
お墓参り
お墓参りは、命日や月命日、お盆やお彼岸、年末年始に行くのが一般的ですが、仏滅と重なっても何も問題ありません。
仏滅にお墓参りすると災いを引き寄せるなどということはなく、都合の良いときに行きましょう。
神社への参拝や厄払い
神社に参拝するのにわざわざ仏滅を避けて、大安の日を選ぶ人もいますが、六曜を意識する必要はありません。
六曜は中国から伝来したものであり、どの宗教とも関係ないからです。
神社で厄払いをしてもらうにしても、日本の仏教の各宗派は六曜を迷信として否定しているほどですから、同様に神道においても関連性がなく、何も問題ありません。
神社へ参拝に訪れることも厄払いをしてもらうことも仏滅の影響を受けないでしょう。
引越し
新しい生活を迎えるための引っ越しにしても、できるだけ仏滅を避けて大安の日にしたいと考える人が多いですが、仏滅を避ける必要はありません。
仏滅は一度最悪になったところから復活する意味もあるので、仏滅に引越し作業を終わらせて、翌日の大安から新しい生活が始めるのも運気の上昇に乗れるでしょう。
仏滅の引越しは利用者が少ないために予約が取りやすい上、費用の割引を受けられる可能性もあります。
引越しシーズンのように予約が取れないような時期なら、仏滅をわざわざ狙うのもおすすめです。
退院
せっかく病気が治って退院することになっても、仏滅の日に退院することに抵抗を持つ人が少なくありません。
仏滅だと、せっかく退院しても、また病気になるのではないかと縁起の悪さを気にする人が多いからです。
しかし、仏滅の日に退院することが現実的なデメリットになることなどほとんどないでしょう。
病は気からと言われるように、六曜の仏滅という慣習よりも病気を治してくれた医学の力を信じるのが正解です。
就職活動
縁起を担いで仏滅の日の就職活動を避ける人がいますが、仏滅には何もない状態から新しいことを始めるのに良い日という意味もあります。
就職活動はまさに新しいことを始めることですから、大安以上に就職活動に効果的な日である可能性もあります。
縁起を気にするよりも、どんどん就職活動することが成功への近道です。
七五三
七五三も仏滅に行なっても大丈夫です。
七五三は本来、神様に子供がここまで成長できたことを報告して感謝の気持ちを伝えるためのお祝い事ですから、仏滅とバッティングするようなものではありません。
子供の幸せを願うあまり、大安に合わせて予定を組もうとして苦労している人が多いですが、仏滅でも気にすることなく七五三のお祝いをしてみるといいでしょう。
宝くじを買う
宝くじ売り場には大安吉日の旗が立てられていたりして、大安に買うのが良いように思われているようですが、実際の統計では仏滅の日の方が当選率が高いようです。
統計の取り方や時期によっても違うかもしれませんが、わざわざ大安を選ぶ必要はなさそうです。
仏滅を気にせずに自由に選ぶといいでしょう。
買い物
仏滅に買い物をすると災いを引き寄せるなどということはありません。
普段のスーパーでの買い物はもちろん、大きな買い物にしても、仏滅とは無関係です。
仏滅を気にして、お得なセールを逃すことの方が損失です。
旅行
仏滅は時間を問わず凶日なため、旅行の出発日が仏滅だったり、旅行の途中の日程に仏滅が入っていると不安に感じるかもしれません。
しかし、旅行中に不吉なことを引き寄せるようなことはないので安心です。
実際に旅行の日程を組むとなると、長期の旅行になるほど仏滅を避けては通れません。
6日に1回巡ってくる仏滅を必要以上に避けるのではなく、自然に受け入れて旅行を楽しみましょう。
仏滅の過ごし方
仏滅の日にはどのように過ごすべきかについて紹介しましょう。
基本的に普段通り暮らして大丈夫
仏滅だからといって、特別なことをする必要なありません。基本的に普段と同じ生活をしていれば大丈夫です。仏滅は六曜の中では最悪の凶日だとしても、実際にはほとんど何も起きません。
事故や事件の統計データを見ても、仏滅が他の六曜と比べて事故や事件が際立って多いわけでもないのがわかります。
六曜というのは、あくまでも暦の上での吉凶を表わしているだけです。
仏滅を含めた六曜は単なる慣習のようなもので、科学的根拠があるわけでもありません。必要以上に仏滅であることを意識し過ぎることがかえって災いを引き寄せてしまうことすらあります。
お祝い品を贈ることのように、相手が気にする場合を除けば、それほど意識する必要もないでしょう。
やってみたいことに挑戦してみる
仏滅は六曜の中でも一番の凶日である反面、新しいことを始めるのに最適な日でもあると言われていますから、今まで興味があったけど、手を出せなかったことに挑戦してみるのもいいでしょう。
趣味でも仕事でも、最初から上手くいかなくても、始めてみないことには成長も何もありません。
まずは最初の第一歩を踏み出すのに、仏滅の日が丁度いいかもしれません。
仏滅よりも自分の運勢を信じる
仏滅を含めた六曜はもともと中国で作られた吉凶を占うシステムであるとはいえ、あくまでも暦の上での運勢に過ぎず、プロの占い師が西洋占星術などの占術で個人の運勢を鑑定する精度とは比較になりません。
仏滅が六曜の中では凶日だとしても、個人が持っている運勢が良いなら、仏滅のマイナス運気を跳ね返してくれます。仏滅を過度に気にするのではなく、自分の運勢の方を信じましょう。
もしも、自分の運勢について疑問を持ったなら、実力がある占い師の鑑定を受けてみるのがおすすめです。
直接占い師に会って鑑定してもらうのが一番良いですが、鑑定場所に足を運べないとか、時間が取れないような場合には電話鑑定やメール鑑定を受けることもできます。
特にメール鑑定は鑑定内容が文章で残るので、後から何度でも確認できるメリットがあります。
仏滅のメリット
一日中凶の日とされる仏滅には一見デメリットだらけなようでも、次のようなメリットがあります。
結婚式のメリット
一般的に言えば、仏滅での結婚式は敬遠されますが、次のようなメリットもあります。
●予約が取りやすい
仏滅に結婚式をわざわざ挙げたいカップルは少ないので、予約が取りやすいのが大きなメリットです。
大安ならほとんど予約が取れないような式場でも仏滅なら簡単に取れたりするので、縁起の良し悪しをただの迷信だと割り切れるなら、仏滅にあえて結婚式を行なうのも悪くありません。
●費用が安くなる
結婚式の費用が安くなるのも仏滅の日に結婚式を挙げるメリットです。
結婚式場としては、できるだけ利益を増やしたいわけですから、人気がない仏滅には割引サービスをしてくれることがあります。
結婚式場を借りる費用はかなり高額ですから、できるだけ費用を抑えるためにも、仏滅を選んで結婚式をやってみるのも合理的です。
割引サービスで浮いたお金は結婚後の資金にも充てられるなどのメリットがあります。
●仏滅に結婚したカップルの割合
仏滅の日に結婚式を挙げたカップルの割合を調査したデータによると、2021年に11.2%1、2022年には4.8%2という結果が出ています。縁起の良し悪しにうるさい日本人として考えれば決して低い数字ではありません。
わざわざ仏滅を選んだ場合もあるでしょうし、都合によってやむを得ずの場合もあるでしょうが、仏滅に結婚式を挙げるカップルがそれほど珍しくないことがデータによっても証明されています。
●ドレスの選択肢が広くなる
ドレスの選択肢が広くなるのも仏滅のメリットです。
大安などの人気がある六曜の日だと結婚式が数多く重なるため、レンタルドレスの貸し出しが比例して多くなります。そのため、選べるドレスが少なくなります。
人気の挙式日を予約してしまうと、着たかったドレスの予約も競争率が高くて諦めることが多くなるでしょう。
しかし、仏滅であれば、利用者がもともと少ないので、希望のドレスの予約も取りやすくなります。
縁起の良さよりも実質的に満足できる結婚式にこだわるなら、仏滅の日に行なうのも悪くありません。
●親や親族を説得する必要がある
仏滅に結婚式を挙げることには少なからずメリットがあるものの、親や親族からは反対されるかもしれません。
世間一般の感覚からすれば、人生で一番の門出は縁起の良い日に行なうのが常識だと思っているからでしょう。
それらの反対を押し切ってまで仏滅に挙式を行なうべきかは、結婚する当人同士の問題です。
反対する親や親族を説得するならば、メリットが縁起の悪さを上回ることを説明する必要があるでしょう。
入籍日のメリット
仏滅は入籍日に関しても、次のようなメリットがあります。
●役所が空いてて手続きがしやすい
仏滅の日にわざわざ入籍するカップルは少数派ですから、役所が空いていて手続きしやすいのがメリットです。
日本人では、縁起の良い日に入籍したいと考えるカップルが圧倒的に多いです。
平成から令和に時代が切り替わったタイミングで婚姻届けを出したカップルが非常に多かったことも話題になりました。
元号が変わるような特別な場合だけでなく、普段でも大安の日ほど役所には多くのカップルが入籍手続きに訪れます。
そうなると待たされる時間も長くなりますし、手続きをしてくれる役所の担当者の負担も増えます。たくさんの利用者を捌くために婚姻届の記載漏れのチェックなどが雑にならないとも限りません。
これに対して、仏滅の日に入籍の手続きをすれば、利用者数が少ないので待たされることもなく、手続きが早く確実に行なわれるメリットもあります。
余裕をもって手続きできるのも快適でしょう。
二人の絆が強くなる
時間的な都合で仏滅の日に入籍することになったなら、不本意であるかもしれませんが、それだけに仏滅に入籍することになったインパクトの強さが印象に残ることになるでしょう。
世の中には入籍した日をすぐに忘れてしまうカップルが多い中で、いつまでも忘れられない入籍になることは、二人の絆をより強くしてくれる可能性があります。
芸能人や著名人の中にも、仏滅の日に入籍した人たちがたくさん存在しています。
その人たちがその後、幸せに暮らしている実例が多いことも仏滅の入籍にそれほど問題がないことを証明しています。
もちろん、仏滅の日に入籍したカップルの中には、その後不幸な別れになっている人たちがいるとしても、他の六曜の日に比べて多いわけではなく、統計的に大差ないのが現実です。
悪縁を断ち切れる
悪縁を断ち切れることも仏滅のメリットです。
仏滅には物事を一旦終わらせる意味もありますから、それまでの悪縁を断ち切る効果が期待できます。
仏滅に悪縁を断ち切っておけば、その翌日には新しいスタートを切るのにふさわしい大安が待っていますから、仏滅で悪縁を切っておくことが運勢を向上させるでしょう。
自分の運勢を明らかに下げてくる隣人とは引越すことで悪縁を断ち切れますし、苦手な上司や同僚がいる職場を辞めて転職することで人間関係の悪縁を断ち切れます。
仏滅に病気したり事故に遭ったりすると、仏滅で運が悪かったと感じるかもしれませんが、それがきっかけで悪縁を断ち切れたなら運が良かったことになります。
悪縁というのは人間関係に限られるものではなく、相性が悪い土地や仕事だったりすることもあります。
住んでいていつもリラックスできないならば、住んでいる物件や場所自体が悪縁になっている可能性もあります。
それらの悪縁を解消して、新しい生活に入るきっかけになるかもしれないのが仏滅の効果です。
おわりに
仏滅はもともと14世紀の鎌倉時代から室町時代あたりに中国から伝来した六曜の中のひとつであり、最初はこの世のすべてが虚しいことを意味する「虚亡」と呼ばれていたものが、すべてを終わらせるという意味の「物滅」と呼ばれるようになりました。
それがやがて仏すらも滅するという意味に使われるようになっています。
仏滅は六曜の中で最悪の凶日とされていて、結婚や入籍、納車、お祝い品を贈るなどをしてはいけないとされています。
しかし、六曜はあくまでも暦の上での凶日であり、実際には気にせずに結婚や入籍がなされている場合が少なくありません。仏滅に結婚式をすることは式場の予約が取りやすいなどのメリットもあります。
入籍にしても、大安などの人気がある曜日であれば役所が混んでいて待ち時間が長くなるのに対して、仏滅なら利用者が少ないです。そのため、待たされることなく手続きがスムーズに終わるなどのメリットがあります。
仏滅にやってはいけないとされていることの中で、本当に避けるべきは結婚や入学などのお祝い品を贈ることについてです。これらは自分自身だけの問題ではなく、相手がいることですので、注意が必要です。
仏滅を含めた六曜について、神社や各宗派では迷信だと考えていますので、神社への参拝や厄払いなどは仏滅に関係なく行って大丈夫です。仏滅がいくら凶日だと言われても、過度に心配する必要はないでしょう。
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