豆乳は大豆から作られた栄養豊富な飲み物で、美容や健康に良いといわれています。実際に、豆乳を3年半飲み続けた人の口コミや体験談を調べてみると、以下のような効果があったという報告がありました。
- 肌がきれいになった
- 髪質がよくなった
- 便通が良くなった
- 腹持ちが良く、食べ過ぎを防止できた
- 生理不順や更年期障害が改善した
実際のところ、どうなのでしょうか?
こちらの記事では、豆乳の効果や3年半飲み続けた結果をご紹介します。
豆乳を3年半飲み続けた結果何が起こる?
豆乳は大豆から作られる飲み物で、健康に良い影響があるとされています。では、3年半も飲み続けたら、具体的にどう変わるのでしょうか?
胸が大きくなったという人もいる
豆乳はバストアップにも効果的だと聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
豆乳に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをします。エストロゲンは卵巣で分泌され、女性らしい丸みのある体や、髪や肌のハリ・ツヤを作るといわれています。
そんなエストロゲンの働きにより、乳腺が刺激され発達します。乳腺が発達すると、大きくなった乳腺を保護するために脂肪がバストに集まりやすくなると考えられています。これがバストアップの仕組みです。
そのため、体内で作られるエストロゲンだけでなく、豆乳からイソフラボンを摂取することで、バストアップ効果が高まるのではないかといわれているのです。
実際に、バストアップに効果があったと感じる人もいるようです。しかし個人差があるため、全ての人に当てはまるわけではありません。
また、飲み過ぎや生理中・妊娠中の摂取には注意が必要です。特に生理中・妊娠中はエストロゲンの分泌量が増加するため、イソフラボンの作用が加わるとホルモンバランスが崩れてしまう可能性があるためです1。
骨粗鬆症の予防
閉経期の女性を対象に行われた骨粗鬆症の予防効果に関する研究では、大豆イソフラボンが骨密度には大きく影響しないことが明らかになっています。
しかし、大豆イソフラボンの骨に対する作用を活性化させるエクオールの産生能を考慮して解析を行ったところ、エクオール産生者の大腿骨近位部の骨密度の低下率が、非産生者と比較して低いことが分かったそうです2。
乳がんの発症率減少
大豆製品に含まれるイソフラボンが、乳がんの発生率減少と関連があると考えられています。
イソフラボンをあまり摂取しない人に比べ、たくさん摂取する人は乳がんになりにくいことが研究で分かりました。
さらに、閉経後の女性に限定してみると、イソフラボンをたくさん摂取すればするほど、乳がんになりにくい傾向が顕著に表れたとのことです。
イソフラボンが乳がんを予防するかどうかについては、まだ十分なデータがありません。
また豆乳に限らず、大豆製品をバランスよく摂取することが大事だと考えられています3。
脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク低下
大豆の摂取頻度と病気の発症についての研究によると、週に5日以上摂取する女性のグループで脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下したそうです。
また、イソフラボン摂取量が多い女性グループで、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクと循環器疾患による死亡リスクが低下したそうです。特に、閉経後の女性で心筋梗塞リスクの低下が見られましたが、男性には同様の効果が見られませんでした。
この研究により、閉経後の女性は大豆製品を摂取することで、脳梗塞・心筋梗塞を予防できる可能性があると考えられています4。
腸内環境を整える
豆乳にはオリゴ糖も含まれています。オリゴ糖は乳酸菌やビフィズス菌の栄養源となるため、善玉菌を増加させ、腸内環境を整えてくれます。
善玉菌が増えると、便通が良くなるだけでなく、免疫力も向上するといわれています。
中性脂肪やコレステロール値を下げる
中性脂肪やコレステロールが高いと心臓病や脳卒中のリスクが上がるなど、健康にとって良くないことが起こりやすくなります。
しかし、豆乳を飲み続けることで、中性脂肪やコレステロールを改善できるのではないかと考えられています。
研究によると、4〜8週間、豆乳を1日に240ml〜1L以上摂取した人のLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)が大幅に改善されたことが分かったそうです5。
高血圧を軽減する
豆乳を飲み続けることで、高血圧を軽減できる可能性があるといわれています。
高血圧は、中性脂肪やコレステロールが高い場合と同様に心臓病の発症リスクを高めるだけでなく、腎臓病のリスクも高めます。
研究によると、豆乳には血圧を下げる効果があるそうです。
高血圧の参加者40人を対象にした研究では、3カ月月間、毎日約1Lの豆乳を飲むグループと牛乳を飲むグループに分けて血圧の数値を調べました。研究の結果、両グループの血圧の数値が低下したそうです。
さらに、豆乳を摂取したグループは、牛乳を摂取したグループに比べ、収縮期血圧が92% 、拡張期血圧が77%と大幅な低下が見られました6。
タンパク質が血圧に効果があることはよく知られていましたが、この研究では、豆乳にも血圧を下げる効果があることと、豆乳に含まれるゲニステインと呼ばれる特定のイソフラボンの含有量が関連していることが分かりました。
他の研究でも、豆乳に限らず大豆製品に血圧を下げる効果があることが確認されています7。
減量効果の期待
豆乳の体重減少に対する効果について、研究で明らかになっていません。
しかし、無調整豆乳100mlは57kcal前後であるため、食事との置き換えダイエットには適しているといえるでしょう。
さらに、豆乳には多くのたんぱく質が含まれています。
たんぱく質には減量に効果があるといわれています。満腹感を促したり、筋肉量の維持に効果をもたらしたりするためです。
そのため、豆乳に限らず、低カロリーで栄養価の高い食品を摂取することで、減量の効果が期待できるのではないかと考えられています8。
貧血や疲労、倦怠感の予防
豆乳を飲み続けることで、貧血や疲労、倦怠感を予防できると考えられています。
豆乳に豊富に含まれるたんぱく質は植物性のため健康的であり、筋肉や内臓のサポートに役立ちます。また、豆乳にはビタミンBも含まれており、神経細胞やDNA(デオキシリボ核酸)の維持に効果があります。
認知症やアルツハイマー症の発症リスク低下
豆乳には、体内で生成できない脂肪であるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は、「健康的な脂肪」とされており、認知症やアルツハイマー病の発症リスク低下と関連しているといわれています。
認知症やアルツハイマー病に対する豆乳の効果については、まだ研究段階ですが、オメガ3脂肪酸は脳の健康をサポートするため、豆乳も脳に良い効果をもたらすのではないかと考えられています。
更年期障害の症状緩和
上述した通り、豆乳には、エストロゲンに似た働きをするイソフラボンが含まれています。そのため、豆乳や大豆製品を摂取することで、ほてりなどの更年期障害の症状を緩和できる可能性があることが研究で示されています。
しかし、飲み過ぎるとホルモンバランスを崩し、悪影響を及ぼしてしまう危険性もあるため、適量を摂取しましょう9。
生活習慣病や認知症の予防
豆乳にはレシチンという成分も含まれています。レシチンは、悪玉コレステロールの減少や血中コレステロールの低下、さらに乳酸化作用で血流を良くする効果があります。これらの効果が生活習慣病の予防につながると考えられています。
また、レシチンは高血圧を防いだり、神経伝達物質を生成して脳を活性化させたりする作用もあるため、認知症にも効果があるのではないかといわれています10。
飲み始めた初期の変化
豆乳にはさまざまな効果があるため、飲み始めると肌の調子が良くなったり、エネルギーが湧いてくると感じたりする人もいます。
これは豆乳に含まれる栄養成分が、体調の改善に効果をもたらしているからだと考えられます。
1年後の変化
1年後には、体重の減少など、より具体的な変化を感じることができるでしょう。
腸内環境が整えられたことにより、便秘が改善され、食べ過ぎを防止できるようになるなどの効果も期待できます。
また女性の場合、バストアップや、肌や髪のハリ・ツヤが良くなるなど美容的な効果も感じ始めるでしょう。
2年後の変化
2年後には、骨密度の維持や免疫力の向上など、長期的な健康効果が表れ始めるかもしれません。
また、女性の場合、PMSによるイライラや月経痛、更年期障害による症状が緩和されたという声もありました。個人差はありますが、つらい症状が和らぐ人もいるようです。
3年半後の現在
3年半の飲用で、健康的な生活への意識が高まり、全体的な生活の質が向上したと感じる人も多いでしょう。豆乳に含まれる栄養素に、疲労感や倦怠感を緩和し、疲れにくく健康的な体作りをサポートする効果があるためです。
また、腸内環境の改善や、肌や髪のハリ・ツヤが良くなるなどの効果も、飲み続けることによって持続されるようです。
無理なく、適量を摂取し続けることがポイントといえます。
豆乳を飲み続けるときに気をつけたいこと
豆乳は健康に良い飲み物ですが、適量を守り、自分に合うかどうかを確認した上で飲み続けることが大切です。
豆乳の過剰摂取により、ホルモンバランスが乱れ生理不順になったり、肌あれや肥満などの原因になったりすることもあるようです。
また、人によっては下痢をしたり、豆乳アレルギーになったりと体調が悪化してしまうケースもあります。アレルギーの場合、皮膚や粘膜のかゆみ、赤み、腫れ、じんましん、呼吸困難などの症状が見られます11。症状が出た場合は、飲むのをやめ、医療機関を受診しましょう。また、飲み過ぎにはくれぐれも注意してください。
もともと大豆アレルギーがある場合は、豆乳を摂取しないほうが良いと考えられています。とはいえ、完全に避ける必要があるかは症状の重さによって異なるため、かかりつけの医師に相談の上、判断するのが良いといえます。
健康に良いからといって、一気にたくさん飲むのではなく、毎日適量を摂取するよう心がけましょう。
おわりに
豆乳は摂取し続けることで、健康や美容にとって、さまざまな良い効果をもたらすことが分かりました。
また、3年半継続することで、徐々にその効果が表れるようです。
飲み過ぎや、生理中・妊娠中の摂取には注意しながら適量を摂取しましょう。
- 美容整形は東京美容外科「豆乳にバストアップ効果はある?」
- 厚生労働科学研究成果データベース「石見 佳子(独立行政法人国立健康・栄養研究所)、個体特性に着目した食品成分の骨粗鬆症に対する予防効果に関する研究」をもとに作成
- 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「大豆・イソフラボン摂取と乳がん発生率との関係について」
- 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「イソフラボンと脳梗塞・心筋梗塞発症との関連について」
- healthline「What’s in Soy Milk? A Closer Look at Ingredients and More」
- National Library of Medicine「Soy milk lowers blood pressure in men and women with mild to moderate essential hypertension」
- National Library of Medicine「Diets higher in protein predict lower high blood pressure risk in Framingham Offspring Study adults」
- National Library of Medicine「Metabolic advantages of higher protein diets and benefits of dairy foods on weight management, glycemic regulation, and bone」
- NOURISH by WebMD「Health Benefits of Soy Milk」
- 日本豆乳協会「豆乳の栄養成分」
- 独立行政法人 国民生活センター「豆乳等によるアレルギーについて-花粉症(カバノキ科花粉症)の方はご注意を-」
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