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パニック障害の人に言ってはいけない言葉

パニック障害の人に言ってはいけない言葉

家族や友人など、身近な人がパニック障害になったとき、どのように接するのが良いのか悩む方が多いのではないでしょうか?

こちらの記事では、パニック障害の方に言ってはいけない言葉を解説します。
どのような言葉をかければ良いのか、悩んだときのご参考になれば幸いです。

パニック障害とは?

パニック障害とは?

パニック障害とは、理由もなく突然、動悸(どうき)・めまい・発汗・窒息感・吐き気・手足の震えなどの発作を起こし、生活に支障が出ている状態のことです。

この発作を「パニック発作」と呼びます。
パニック発作が起こると、「このまま死んでしまうのではないか?」というくらい、自分ではコントロールできないと感じます。

また発作が起きる可能性があるということを考えると不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。
例えば、電車やエレベーターの中などの閉鎖的な空間では逃げられないと感じるため、外出することが困難になることもあります。

パニック障害の治療では、薬による治療と並行して心理療法が用いられます。
心理療法は、少しずつ苦手なことに慣れていくことを目的としています。

治療は自分のペースで無理をせずに進めることが大事です。
周囲の人も本人のペースに合わせて見守りましょう(※1)。

(※1)出典:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 総合サイト「パニック障害・不安障害

パニック障害の人に言ってはいけない言葉13選

パニック障害の人に言ってはいけない言葉13選

パニック障害の症状を踏まえた上で、言ってはいけない言葉について解説します。

①「あなたはパニック障害を克服できる」

①「あなたはパニック障害を克服できる」

パニック障害を「自力で頑張れば克服できる」といった言葉をかけるのは良くないでしょう(※2)。
「頑張れば治る」といったような発言は、かえって焦らせてしまうこともあります。

また、パニック障害の治療には、薬による治療と心理療法が必要です。
また、専門家を頼った場合でも、本人のペースでゆっくりと治療していく必要があります。

(※2)出典:WebMD「What to Say to Someone Who’s Experiencing Anxiety

②「私も不安になることがあるから、気持ちは分かる」

②「私も不安になることがあるから、気持ちは分かる」

誰しも、将来のことなどを考えると、一時的に不安になることはあるでしょう。
しかし、パニック障害の方の不安と、そうでない方の不安は、症状や感じ方が異なります(※2)。

共感してあげたいという気持ちは分かりますが、不安を比較するような発言は控えましょう。

③「○○という方法は試しましたか?」

③「○○という方法は試しましたか?」

インターネットや書籍などでは、前向きになる方法や、不安を感じにくくする方法など、さまざまな健康法やメソッドが紹介されています。

しかし、パニック障害の不安を抱えている方に、そのような健康法やメソッドを試したかどうか尋ねるのは控えましょう(※2)。

パニック障害ではない、誰しもが感じる一時的な不安を抱えている人には効果があるかもしれません。
一方で、パニック障害は専門家による治療が必要なため、専門家ではない人がさまざまな方法を提案するのは良くないでしょう。

④「不安になる必要はない」

④「不安になる必要はない」

パニック発作を起こしている人の多くは、本当は不安になる必要がないことを分かっています。
しかし、一度パニック発作を経験すると、その恐怖から「同じ場所や状況では、また発作が起こるのではないか?」と不安になってしまうのです。

そのため、励ますつもりでも、「不安になる必要はないよ」と声をかけるのはおすすめしません。

パニック障害の方の不安は根拠のないものだと強調して伝えると、より不安感が増してしまう可能性があるためです(※3)。

(※3)出典:verywellmind「4 Things to Not Say During a Panic Attack」

⑤「あなたが過剰に反応しているだけ」

⑤「あなたが過剰に反応しているだけ」

上述した通り、パニック発作は、死を意識してしまうほどの症状で、自分でコントロールすることが難しいといわれています。
パニック障害でない方が、物事に過剰反応しないように気をつけることとは話が違います。

そのため、「あなたが過剰反応しているだけ」といった発言は控えましょう。
このような発言は、パニック障害の方を傷つけてしまいます。

パニック障害の方を励ましたり、安心させたりしたい場合は、以下のようなサポートをするのが良いでしょう(※3)。

・外に出て新鮮な空気を吸う
・静かな場所を見つける手助けをする
・気を散らされず、より安全に感じることができる場所にとどまる
・人から離れた場所に連れて行く

※引用:verywellmind「4 Things to Not Say During a Panic Attack

どんな言葉をかければ良いか悩んだ場合は、無理に励ましたり、安心させようとしたりせず、静かに見守ったり、場所を移動したりして行動で示すのが良いといえるでしょう。

⑤「落ち着いて」

⑤「落ち着いて」

パニック障害の方に、「落ち着いて」と言うのも控えた方が良いでしょう。

落ち着くように言われても、パニック発作を起こしている人は症状をコントロールできません。
また、「落ち着いて」と言われると、自分の症状をより意識してしまいます。

口頭で指示するのではなく、パニック発作を乗り越えるための方法を実践する方が良いでしょう。
一般的には、以下のようなリラクゼーションテクニックが用いられます。

・深呼吸
・漸進的筋弛緩法 (PMR)
・視覚化

※引用:verywellmind「4 Things to Not Say During a Panic Attack

上記のようなリラクゼーションテクニックを用いることで、相手に安心感を与えながら、パニック発作を落ち着かせることができるでしょう(※3)。

⑥「恥ずかしくないの?」

⑥「恥ずかしくないの?」

どんな人にも言わない方がいい言葉ですが、パニック発作が起こることについて「恥ずかしくないの?」といった言葉をかけるのもやめましょう。

あまりにも無神経で、傷つけてしまいます。
パニック障害の方は、人前でパニック発作を起こしてしまうことに、恥ずかしさを感じている場合もあるため、そのことをわざわざ本人に伝えて自覚させる必要はありません。

パニック障害の方に、恥を感じる理由がないことを伝えましょう。
また、その人の強みを肯定しましょう。

⑦「お酒を飲むとリラックスできる」

⑦「お酒を飲むとリラックスできる」

一時的な不安であれば、少量のお酒を飲むとリラックスでき、気分転換ができるかもしれません。

しかし、パニック障害の方の不安は、そのような不安とは異なります。

また、パニック障害の方は、お酒を飲むことで最終的に不安を手放すことができると思い込んでしまい、中毒になってしまう危険性があります。
実際に、不安障害や気分障害のある方は、薬物やアルコールの中毒になる可能性が2倍になるといわれています(※4)。

一時的な不安を解消するための方法を、パニック障害で不安を感じている方に気軽に勧めないようにしましょう。

(※4)出典:Anxiety, Panic&Health「15 Things You Should Never Say to Someone Who Suffers From Anxiety

⑧「なぜもっとポジティブになれないの?」

⑧「なぜもっとポジティブになれないの?」

不安を感じているパニック障害の方に「なぜポジティブになれないのか?」と聞くのもやめましょう。

多くの不安はトラウマから生じるものです。
そのトラウマにより、物事を楽観的に見ることが難しくなります(※4)。

不安で苦しんでいる方を急にポジティブにさせたり、物事の明るい面を見るようさせたりするのは、無理があるでしょう。

そのような言葉をかけて焦らせるのではなく、その人に合ったペースで治療を進め、克服していくのを見守りましょう。

⑨「良くなるための努力をしていない」

⑨「良くなるための努力をしていない」

パニック障害の不安と戦っている人や治療をしている人に、「十分に努力をしていない」ということも大変失礼な発言です。

不安との戦いは過酷なものです。
治療中で、症状を緩和する薬を用いているときでも、不安や恐怖に打ちのめされてしまうこともあるのです(※4)。

治療をしている時点で、良くなるための努力をしているといえます。
そのため、「努力が足りない」「もっと努力した方がいい」といった、その人の努力を否定するような発言はやめましょう。

努力を否定すると、傷つき、頑張れなくなってしまう人もいます。

⑩「気持ちの問題」

⑩「気持ちの問題」

パニック障害の方に「気持ちの問題」「甘え」といった判断をし、そのような言葉をかけるのは良くないでしょう。

特に、パニック障害に関する知識がない方は、そのように判断してしまうかもしれません。
しかし、パニック障害は心身の不調が日常生活に影響を与えるほどの症状が出る病気です(※5)。

単に「気持ちの問題」では片付けられないほど、大変な思いをしているということに理解を示し、寄り添ってあげるのが良いでしょう。

(※5)出典:あらたまこころのクリニック「適応障害の人との接し方とは?かける言葉やかけてはいけない言葉から家族や周りの人ができることまで紹介

⑪「頑張って」「元気を出して」

⑪「頑張って」「元気を出して」

パニック障害の方を励ましたり、治療を応援したりするつもりで「頑張って」「元気を出して」と言ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、すでに頑張っているという人がほとんどです。
また、頑張りすぎたことによって、ストレスが限界まで達している状態になっていることもあります(※5)。

励ますつもりで悪気なく言ったことが、プレッシャーになってしまうこともあるため、このような言葉も控えるのが良いでしょう。

⑫「もっと大変な人もいる」

⑫「もっと大変な人もいる」

パニック障害の苦しみを、他の人と比較するような発言も控えましょう。
症状や、不安、苦しみは他の人と比較しても意味がありません。

また、「もっと大変な人もいる」といった言葉で、自分を責めてしまい、追い詰めてしまう人もいます(※5)。

症状や苦しみの多様性を理解し、人と比べるような発言はやめましょう。

⑬「今後、どうするの?」

⑬「今後、どうするの?」

パニック障害が理由で、家に閉じこもっていたり、休職したりしているときに、心配で「今後、どうするの?」と聞いてしまいたくなることもあるかもしれません。

心配になる気持ちは分かりますが、まずはゆっくりと休むことが大切です。

未来の話をすると、焦って、またそれがストレスになり、不安感を生み出してしまうこともあります。今は未来の話をするのではなく、ゆっくり休むことを肯定しましょう(※5)。

まとめ

パニック障害の症状と、パニック障害の方に言ってはいけない言葉を解説しました。

心配や励ましのつもりで、悪気なく上記のような言葉をかけてしまうこともあるかもしれません。

しかし、口頭で励ましたり指示したりするのではなく、その人のペースに合わせて見守ってあげるのが良いといえるでしょう。

また、パニック発作や不安の症状が出た場合は、落ち着ける場所に移動するなど、行動でサポートするのが良いでしょう。

パニック障害の方にどんな言葉をかけるのが良いのか、悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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