最近、街中やSNSで「水色の保険証は恥ずかしい」という声をちらほら耳にします。そんな話題に思わず耳を傾けてしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、結論から言えば保険証の色で恥じる必要は一切ありません!
まず大前提として、保険証を持っていること自体が大切。
それが水色だろうが、赤だろうが、ピンクだろうが、色は単なる区分に過ぎません。
大事なのは、その保険証があるおかげで、必要なときに医療を受けられるということ。
自分や他人を保険証の色で判断するのはナンセンス。色々な色があるのは、それぞれのライフスタイルや職業に合わせた保険制度があるから。多様性って素敵ですよね。
それに、よくよく考えてみれば、日本で生活している上で本当に困るのは、「保険証がない」こと。保険証がないと、医療費の全額を自分で負担しなくちゃいけないんです。これはお財布にも心にも大打撃。健康で安心して生活するためには、保険証が絶対に必要なんです。
ですので、保険証の色が水色だとやばいということはなく、日本に住んでいる上で、保険証をもっていないのがやばいと言えます。健康保険の加入は法律で定められた義務ですからね。
さて、それではこの記事では水色の保険証がやばいと言われる理由や、それがどれほど頓珍漢な意見なのかを解説していきますね。
水色の保険証がやばい、恥ずかしいと言われている理由
日本では、健康保険証の色が異なることで、その人の職業や加入している保険の種類がわかることがあります。
たとえば、会社員の方は通常、青色の協会けんぽの保険証を持っていますが、大企業は赤やピンクの組合健保です。グループのロゴマークなどが記載されているケースもあります。
このことから、水色の保険証=低収入~中収入、赤やピンクの保険証=金持ちが多いという噂が広がったのです。
保険証の色で人を判断することがどれほど根拠のないものか、解説していきますね。
水色の保険証がやばくない・恥ずかしくない理由3つ
水色の保険証を持っているのはむしろ普通である
まず、水色の保険証の代表と言えば協会けんぽ。令和4年4月末の加入者数は4,036万4千人であり、被保険者数は2,535万9千人となっています1。
これは日本人のほとんどが、この水色の保険証であるということです。また2017年時点で200万社以上が加入しているので、その中には当然ですが、社長や役員も含まれています。
日本を支える中小企業、4000万人以上の人が恥ずかしくてやばいのでしょうか?、あまりにも無理があるので、これだけで論破するには十分ですが、まだまだあるので論破してみましょう。
公務員も水色の保険証を持っている人がいる
例えば、東京都職員共済組合の加入者(東京都の常勤職員やその扶養家族)に交付される保険証なども水色です。
東京都職員共済組合の保険証は、水色の表紙の保険証です。
東京都職員共済組合ホームページ
https://www.kyosai.metro.tokyo.jp/kumiaiin-login.html
公務員とは、国や地方公共団体などの職員で、営利を目的とせず、国民や地域のために公務を執行する仕事です。
そもそも仕事や職業で優劣をつける考え方が失礼ですが、公務員がやばくて恥ずかしいのでしょうか。
そんなことはないですよね。
協会けんぽの人でも大企業よりお金持ちの人が普通にいる
協会けんぽは、中小企業の従業員やフリーランス、自営業者など、幅広い職種の人々が加入しています。
このため、加入者の中には、高収入のフリーランスの方々も含まれており、彼らの収入や資産は大企業の社員を上回ることも珍しくありません。大企業の社員よりも経済的に成功している人は山程いるのです。
保険証の種類や加入している組織は、その人の職業や所属する業界を反映しているに過ぎず、その人の収入や社会的地位を直接的に示すものではありません。
おわりに
「水色の保険証が恥ずかしい?」なんて話、大きな誤解から生まれたちょっとした都市伝説ってことがわかったと思います。
水色の保険証、実はほとんどの日本人が持っているもの。それが協会けんぽの証だったりします。会社員から法人成りした自営業者まで、幅広い職業の人たちが使っているんです。公務員だって、水色の保険証を持っている人、結構いるんですよ。
※実際には自営業は国民健康保険ですが、一人社長なども協会けんぽになります。
そして、ここがポイント。協会けんぽに加入している人たちの中には、大企業の社員よりも収入が高い方々もいるわけです。保険証の色で人の価値を測るなんて、もう古い古い。
結局のところ、大切なのは保険証の色じゃなくて、その保険証があることで、私たちが必要な医療を受けられること。これに尽きるんですよね。
「水色だから恥ずかしい」なんて言葉、もう忘れてしまいましょう。多様な人々がそれぞれのライフスタイルで健康な生活を送る、そんな社会こそが、私たちが目指すべき場所。この記事を読んで、保険証の色に対するちょっとした誤解が解けて、皆さんの日常が少しでも軽やかになればいいなと思います。
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