セレナイトとは?意味・特徴
磨硝子のように曇りがかったホワイトが印象的なセレナイト。柔らかく無垢なイメージがあり、まるで琥珀糖のようにも見えますね。
セレナイトは石膏の一種で、ヨーロッパでは「聖母マリアの石」と呼ばれ、教会のガラスにも使用されていました。光の角度によってキャッツアイ効果を持ったものもあり、穏やかな雰囲気の中にもスピリチュアル的なパワーを感じさせてくれるパワーストーンです。
セレナイトの起源・語源
セレナイト(Selenite)は、柔らかな光が月光を思わせることから、ギリシャ語で「月」を意味する「セレニティ(Selenites)」や、月の女神・セレーネ(Selene)にあやかってセレスタイトと名づけられたんだそう。セレスタイトの持つ優しく艶のある輝きは、月の女神が由来と言われても納得してしまいますね。
ヨーロッパだけでなく、ケルト民族やネイティブアメリカンの間でも「月の力を閉じ込めた石」とされ、神聖視されていました。月と共に満ち欠けするという伝説もあります。
しかし、現代では鉱石学の観点から鉱石の鑑定が容易となっていますが、過去においては似たパワーストーン同士の混同や同一視も珍しくありません。セレナイトは、ムーンストーンと混同または同一視されていた可能性があり、ケルト民族やネイティブアメリカンが信奉していた鉱石はムーンストーンだという説も浮上しています。どちらも柔らかな月の光を思わせる、静かながらも温かい雰囲気を持ったパワーストーンですよね。
セレナイトの基本情報
セレナイトの和名
セレナイトの和名は「透石膏(とうせっこう)」といいます。漢字が表す通り、透明の石膏(ジプサム)のことで、鉱物名は「クリアジプサム(Clear Gypsum)」です。
セレナイトの産地
セレナイトは石膏の1種なので、年間1億トンという量が世界各国で掘り出されています。日本に流通しているセレスタイトはインド産やメキシコ産、モロッコ産が多いです。
中でもメキシコは産出量が多いのですが、これは2000年に発見されたナイカ鉱山で世界最大級のジプサムの洞窟が発見されたことに由来しています。大きなものでは10メートルを超えるセレナイトの結晶柱が発見されたといいますから、すごいですよね。地下にそんなものが眠っているなんて、鉱石が地球の一部であり長い年月をかけて作られたものということを再確認できます。ちなみに、現在ではマイカ鉱山でのセレナイトの採取は禁止されています。
セレナイトの硬度
セレナイトの硬度は2と、とても弱いです。
衝撃に弱く簡単にひっかき傷がついてしまいます。加工しづらく脆いのに生活の中に取り入れられていたことを鑑みても、古代の人々がセレナイトにどれほど惹かれていたかが分かりますね。
油にも水にも弱くとても繊細なので、着用したり手に持ったりした後は汚れや皮脂を優しく拭き取るようにし、取り扱いの際には注意してください。
セレナイトと相性の良い方位・置き場
セレナイトと相性の良い方角は、北です。
また、セレナイトは効力の観点から、体を休める寝室や人の出入りが多く浄化が必要な玄関に置くと良いでしょう。インテリアとしても素敵なので、リビングにもよいですね。ただし、水に弱いのでキッチンや風呂場、トイレなどの水場は避けた方が無難です。
セレナイトの色と種類
セレナイトは透明から半透明で、カラーは無色です。シルクサテンのようにも氷のようにも見え、中にはキャッツアイ効果のあるものも。
カラーは、まれに灰色がかったものや、マンガンが入って変色した「オレンジセレナイト」も見られます。着色しやすい素材でもあるため、人工的に着色されたものも存在します。
同じ自然界の石膏の中でセレナイトに近い存在として、「サテンスパー(satin spar)」や「アラバスタ―(alabaster)」、「デザートローズ(desert rose)」があります。
サテンスパーは、結晶集合体が繊維状のもので、和名は「繊維石膏(せんいせっこう)」です。サテンスパーはキャッツアイ効果がハッキリと見える特性があります。アラバスタ―は結晶集合体が細かい粒子で出来ていて、和名は「雪花石膏(せっかせっこう)」。また、「砂漠のバラ」という別名で有名なデザートローズも、石膏が水に溶けて再び固まったものなので、セレナイトの親戚のような存在と言えるでしょう。
厳密な違いはないので、サテンスパーやアラバスターもセレナイトの1種として扱われることが多いです。デザートローズはパワーストーンとして扱われることはほとんどないので、セレナイトとして流通することはありません。
セレナイトの石言葉
セレナイトの石言葉は「直感」「無意識」「純粋」「女性性」などです。
セレナイトが深層心理に語りかけるパワーストーンであり、その名前の由来にもなっている月が女性性を表すことから、このような石言葉がつけられたのでしょう。
セレナイトの誕生石
セレナイトは4月17日、5月23日、7月19日の誕生石となっています。
セレナイトの効果・効能
浄化
セレナイトは浄化効果があるパワーストーンです。
パワーストーンの浄化方法の1つに月光浴がありますが、これは、月の光には浄化作用があるとされているからです。セレナイトは月のパワーを閉じ込めた石で、まるでほのかに光っているようにも見えますよね。そんなセレナイトには浄化効果があり、場の空気を清浄に保ってくれるとされるのは当然かもしれません。
セレナイトは、玄関など人の出入りの多い場所に置いくのにオススメです。霊感が強い人や他人の影響を受けやすい人の中には、セレナイトのワンドを持ち歩き、嫌な気配がしたら結界を張るという人も。ただし、取扱いに注意しないとすぐに割れたり擦れたりするので、持ち運びの際には気をつけてくださいね。
瞑想
セレナイトは第9チャクラに対応しているパワーストーンで、月という精神性を表す存在のパワーを秘めているということから、天上界からのメッセージを受け取ることができるとされています。そのため、瞑想の際に額に置いたりする人もいます。
セレナイトは、自分の心に向き合う作業のサポートをしてくれます。何かに迷ったときに自分の心を見つめ直すことで、心がクリアになり一歩を踏み出すことができるのです。セレナイトは、自分を大事にしてしっかりと人生を歩もうとする人にとって、強い味方となってくれるでしょう。
癒し・睡眠の質を上げる
セレナイトは、癒し効果のあるパワーストーンです。
セレナイトは静謐な月の光を思わせるような輝きを持ち、見る人の心を静め、落ち着かせてくれます。静寂の中で月光に照らされているときのような、癒し効果を得ることができるでしょう。
セレナイトは、持ち主の心の中にあるトラウマや恐怖心を取り除いてくれるパワーストーンとされています。セレナイトの力を借りて心を癒すことで、自分に自信が持てるようになり、前向きな未来へ向かって歩き出すことができるでしょう。
対人運アップ
セレナイトは対人運や恋愛運にも効果があるとされています。
月は協調性を意味するモチーフなので、コミュニケーション能力のアップにセレナイトが役立ってくれます。セレナイトが放つ穏やかな愛情に包まれれば、他人への拒否反応が薄くなり、積極的にご縁を結ぶことができるでしょう。また、月は女性の象徴でもあるため、女性らしさがアップし、恋愛運も良くなるとされています。
セレナイトと相性の良い石・組み合わせ
アクセサリー加工が難しいとされるセレナイトですが、技術の進化により、ビーズ加工されることも増えました。となると、気になるのは他のパワーストーンとの組み合わせや相性ですよね。
セレナイトと相性の良い石やオススメの組み合わせについて、チェックしていきましょう。
セレナイトと相性の良い石・組み合わせ
アメジスト
レナイトとアメジストは、インスピレーションを高めてくれる組み合わせです。
アメジストは「愛の守護石」と呼ばれ、恋愛運アップのパワーストーンとしても人気があります。2月の誕生石として、宝石としても知られていますよね。アメジストは高ぶった気持ちを落ち着け安らぎを与え、マイナスエネルギーを緩和してくれるとされています。
一方、セレナイトも強い浄化能力を持ったパワーストーンであり、持ち主に安らぎを与えてくれます。組み合わせとしては、ラベンダーアメジストやアメトリンでも同じ効果が得られるため、好みで選んでもよいでしょう。
アクアマリン
セレナイトとアクアマリンの組み合わせは、癒しに効果があります。
アクアマリンはその名の通り、海に語源を持つパワーストーンです。3月の誕生石として、また、結婚指輪や婚約指輪の代表格でもありますね。古代ローマ神話に登場する月の女神・ディアナの持ち物ともされ、月にルーツがあるセレナイトとも縁があります。現代においても月と海は深い関わりがあるため、パワーストーンとしての相性ももちろん良いです。
アクアマリンもセレナイトも、ヒーリング能力に長けています。ヒーラーやチャネラーに人気の組み合わせであり、人の心を穏やかにし柔軟性を身に着け、どんな事態にも対応できる強さをくれる組み合わせです。また、コミュニケーション能力アップの効果も得られるため、人付き合いが苦手な人にもお守りとしてオススメです。
トパーズ
セレナイトとトパーズの組み合わせは、本当に必要なものを引き寄せてくれます。
トパーズは「誠実」という石言葉があり、持ち主が本当に必要とするのは何かを見極めさせ、曖昧な状況にケリをつけてくれるんだそう。セレナイトも内面に語りかけるパワーストーンなので同じ性質があり、相乗効果が得られるでしょう。
ソーダライト
ソーダライトとセレナイトの組み合わせは、目標達成へのサポートをしてくれます。
ソーダライトは創造力を高めるとされ、夢や目標を達成する手助けをしてくれます。冷静さや忍耐力を身に着け、意志を強くしてくれるため、他人の影響を受けやすい人や流されやすい人のお守りとして人気があります。
セレナイトは持ち主の深層心理に語りかけ、本音を引き出す石です。ソーダライトと組み合わせることによって、本当の魅力を引き出し、上手に表現し、目標に向かって一直線に進むことができるでしょう。
ガーデンクォーツ
セレナイトとガーデンクォーツの組み合わせは、癒しの相乗効果や浄化作用が期待できます。
月に由来するセレナイトと大地に縁の深いガーデンクォーツとは、天地という正反対の起源がありますが、共に癒し効果があり邪滅の力を持っています。魔除けのお守りとして飾っておくと、持ち主を悪意から守り精神を安定させてくれるでしょう。
また、ガーデンクォーツは地に足をつけ己が何者かを知らせてくれる石とされ、セレナイトは自分の内面に向き合い柔軟性を与えてくれます。確固たる自分を持ちながら新しい世界へ飛び込んでいけるため、持ち主の世界はどんどん広がっていくでしょう。想像力を必要とする職業に就いている人にもオススメです。
ラピスラズリ
セレナイトとラピスラズリの組み合わせは、魔除けや状況打破に効果を発揮します。特に、転職を考えている人や二者一択で悩んでいる人にオススメの組み合わせです。
セレナイトが持ち主の目を自分の内面へと向けさせ、ラピスラズリは問題を顕著化します。これによって持ち主は自分の抱えている問題と向き合わざるを得なくなり、さらにセレナイトが集中力や判断力をアップしてくれるため、問題解決へと向かわせてくれます。
ただし、この組み合わせが持ってくる方法は少々強引です。気持ちにまったく余裕のない人でも強制的に問題に向き合わされる可能性が高いため、気力がないと疲労してしまうでしょう。パワーを少し和らげたいときには水晶を組み合わせることで、温和な波動へと変化してくれますよ。
セレスタイト
セレナイトとセレスタイトは、癒し効果が抜群の組み合わせです。
セレナイトは月の力を閉じ込めた石とされ、セレスタイトは天空と通じる石といわれています。両者ともに空にルーツを持つパワストーンなので、相性は良いです。
セレナイトは内面を見つめ深層心理に語りかけ、セレスタイトは高次元にアクセスし魂の浄化を手伝ってくれます。この組み合わせなら、過去のトラウマを癒し精神性を高め、心が求める未来へと導いてくれるでしょう。
セレナイトの浄化・お手入れ方法
セレナイトの浄化方法としてオススメなのは、セージの煙、月光浴、水晶クラスターなどでしょう。
セレナイトは紫外線によって変色するので、太陽光には当てないようにする必要があります。保管や部屋に飾る際には、太陽の光が差し込まない場所に置いてあげてくださいね。
塩分や油分にも弱いので、身に着けた後には必ず柔らかい布で汚れを優しく拭き取るようにしましょう。
セレナイトは水洗い出来る?
セレナイトは水に溶ける性質があるため、水に触れさせるのは厳禁です。
セレナイトは石膏の1種です。石膏は、水に溶けて再凝固する物質です。私たちの日常生活にもなじみがあり、例えば医療方面ならギブスは石膏で固めますし、食事面では豆腐を作る際のにがりの代用品にもなっています。漢方薬として使われたり、肥料として用いられることもあるのです。美術品の石膏像も、その名の通り石膏で作られていますよね。
このように、多方面で石膏が使われるのは水溶性という使い勝手の良さからです。もちろん、セレスタイトは石膏とは厳密には違いますが、水溶性という性質は同じなので、水は天敵といっても過言ではありません。セレスタイトを扱う際には、水に直接触れさせるのはおろか、水滴が付着した指先で触れることも避けるべきです。
セレナイトQ&A よくある質問
セレナイトは持つ人を選ぶ?
セレナイトは、「気難しい石」とされ、持つ人を選ぶといわれています。波動が独特なので、人とも他の石とも相性が合わないこともあるんだとか。
セレナイトは、持ち主の意識を自分の内面へと向けさせるパワーストーンです。トラウマや嫌な経験を見つめさせることもありますが、人によってはその作業を辛く感じるでしょう。「セレナイトを部屋に置いたら嫌な思い出を夢に見るようになった」という人もいます。気のせいと言われればそれまでですが、当事者にとってはとても辛く乗り越えがたい試練のように思うのではないでしょうか。
このように、セレナイトを飾ることで嫌な出来事が起きたり、手に持ったときに嫌な気持ちになったり違和感を感じたりすれば、相性が悪いのだと思ってよいでしょう。これはセレナイトに限ったことではありません。
人の放つ波動は変化しますし、出会いにはタイミングというものもありますから、時間が経てば相性の良し悪しが変化することもあります。自分にとって良いタイミングでお迎えができれば、それがもっとも良いでしょう。
また、セレナイトが持つ人を選ぶと言われる理由の1つには「割れやすい」というものがあります。「持ち主のマイナスな波動を飲み込みすぎたセレナイトが割れる」という説から「セレナイトが割れる人は、セレナイトを持つのに適していない」となったようです。
この説は、半分正しく半分間違いといえます。
確かに、割れたり欠けたりすることで持ち主の危機を教えてくれるパワーストーンというのは存在します。例えば、ラピズラズリはネイティブアメリカンの間では「危機を教えてくれる石」として信仰されていました。しかし、セレナイトに関しては、硬度2という柔らかい性質を持つことが、割れやすさの原因と推測できます。
そのため、セレナイトが次々と割れてしまうのは、「持ったセレナイトが割れやすい人」というより、「セレナイトが割れるような扱い方をする人」と考える方が現実的です。そういった人はセレナイトのような脆いパワーストーンには向いていません。他の石を持つべきでしょう。
セレナイトとセレスタイトの違い
セレナイトとセレスタイト、名前がよく似ていますね。何か共通点があったり、謂れが近いのでしょうか?
セレスタイト(Celestite)は和名を「天青石(てんせいせき)」といい、灰色がった水色のパワーストーンです。「博愛」や「休息」といった石言葉を持ち、安らぎを運んでくれる効果があるとされています。また、高次元へのアクセスにより、強い浄化効果と明晰力を授けてくれるパワーストーンでもあります。
セレナイトとセレスタイトの共通点は、硬度や性質、見た目でしょう。
セレスタイトは硬度が3から4と非常に柔らかく、加工が難しいとされています。また、水や太陽光に弱く、浄化の際には太陽光と水を避けるべきでしょう。こうした鉱物的な観点で、セレナイトとセレスタイトはとてもよく似ていますね。また、セレナイトには少し灰色がかったものや着色によって色を変化させたものもあり、灰色がかった水色のセレナイトはセレスタイトと区別がつかないほど似ています。
さらに、セレスタイトと同じ成分の鉱物として「バライトローズ」「セレスタイトローズ」と呼ばれるバラの形をしたものがあります。セレスタイトの仲間にも「デザートローズ」がありますから、こうした共通点から似ているとされているのでしょう。
しかし、セレナイトはギリシャ語で月を意味する「selenites」が語源であり、硫酸カルシウムが主体。セレスタイトはラテン語で空を意味する「coelestis」が由来で、硫酸塩鉱物す。まったく別の鉱石がたまたま似た性質や似た親戚を持ったというのが正しいでしょう。
セレナイトの購入におすすめの販店・通販
鬮石 くじいし
愛知県に店舗を構える海外直輸入のお店です。原石や置き石をメインにしているだけあって、アクセサリーとして持つとお手入れが大変なセレナイトも扱っています。ミネラルショーに出店することもある店舗です。
Kirolu
アクセサリーだけでなくヒーリング雑貨や原石も扱っている、札幌のお店です。オンライン通販もあり、セレナイトも扱いがあります。ストーンセラピストが組んでくれるオーダーメイドブレスレットも。
まとめ
セレナイトは癒しと浄化の効果があり、持ち主が本当に必要なものを判断できる決断力を身に着けさせてくれるといわれています。インスピレーションを高め高次元とアクセスできるため、ヒーラーや霊能力者にも人気があります。
セレナイトは優しく柔らかなルックスに似合わず、実際には強力なパワーがあり、持ち主の意識を半ば強制的に内面へと向けさせます。無条件に愛情に包んで頭をなでてくれるような石ではなく、難しい波動を持っているため、合わないという人もいるでしょう。しかし、持ち主が抱える問題をしっかり解決するサポートをしてくれるため、結果的に持ち主は癒され明日への活力を得るのではないでしょうか。
セレナイト以外にも言えることですが、出会いはタイミングですから、もしセレナイトと接して合わないと感じたら別の機会を待てばよいのです。セレナイトの力を得るのにふさわしいタイミングがやってきたときに力を借り、明るい未来へのお手伝いをしてもらうようにしましょう。
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