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予定日より早く産まれる人の特徴

予定日より早く産まれる人の特徴

予定日より早く赤ちゃんが産まれる「早産」。
早産は体への負担も大きくなったり、母子ともにさまざまなリスクが高まったりすることもあります。

こちらの記事では、予定日より早く産まれる人の特徴や、早産を防ぐために気をつけるべきことについて解説します。

予定日より早く産まれる人の特徴 7つ

予定日より早く産まれる人の特徴 7つを解説します。

1. 妊娠週数が短い

1. 妊娠週数が短い

予定日より早く産まれる人の多くは、妊娠週数が短いです。
通常、赤ちゃんは妊娠37~42週未満で産まれます。そのため、妊娠週数が37週未満で産ままれた赤ちゃんは「早産児」と呼ばれます。

赤ちゃんの体は37~42週の期間、おなかの中で育つことで産まれてくる準備が整うためです。
そのため、早産児は体重が軽く、呼吸器や循環器などの器官が未熟なため、早産児用病棟に入院することがあります。

また、早産児は臓器の発達が不十分であることが多いため、呼吸や哺乳が難しく、感染症や脳内出血などを起こしやすいともいわれています。
さらに出生体重が低い場合、発達障害などのリスクも高くなります。

2. 多胎妊娠

双子や三つ子などの多胎妊娠の場合、早産になる可能性が高くなります。特に多胎妊娠では早産の頻度が高く、赤ちゃんの予後に大きく関係する合併症といわれています。

これは、過度に増大した子宮が早産を促進するためだと考えられています。

2000年〜2008年の日本人口動態統計によると、37週未満の早産は54.3%と半数以上を占めていました。しかし、近年では新生児医療の発達により早産で出生された赤ちゃんの予後はかなり改善されています。28週以降の出生であれば、予後は比較的良好だといわれています1

とはいえ、多胎妊娠にはリスクが伴うため妊娠経過を注意深く見守っていく必要があります。

3. 高血圧や糖尿病などの妊娠合併症がある

高血圧や糖尿病などの妊娠合併症がある場合、早産になる可能性が高くなります。これらの合併症は、赤ちゃんにストレスを与え、早産の原因となります。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 慢性腎炎
  • 全身感染症
  • 血液疾患・心疾患
  • てんかん
  • 甲状腺機能亢進症
  • 膠原病
  • 子宮筋腫
  • 子宮頚癌
  • 卵巣腫瘍 など

妊娠合併症は、母子ともに大きく影響する危険性があるため、定期的に健診を受けることが重要です。

4. 子宮内感染がある

子宮内感染が起こると、赤ちゃんに感染症が伝染し、早産になる可能性があります。

膣炎→子宮頚管炎→絨毛膜羊膜炎と細菌が上行することで、前期破水や子宮内感染が起こります。それにより、子宮の収縮(陣痛)が始まり、早産を止めることができなくなります。

この場合、赤ちゃんは未熟児で産まれてしまうことだけでなく、脳発達にも障害を与えるリスクが生じる可能性もあるといわれています。

5. 母親の年齢が若い、もしくは35歳以上

5. 母親の年齢が若い、もしくは35歳以上

18歳未満または35歳以上の女性は、早産になる可能性が高くなります。

日本では、18歳未満すなわち未成年女性の妊娠を「若年妊娠」と定義しています。
若年妊娠では、早産の確率が高まるほか、新生児死亡も増加するといわれています。その理由として、未成熟な体への負担が大きいことや、十分な妊婦健診を受けていないケースもあることが考えられます。

一方で、35歳以上初産は「高齢出産」といわれています。34歳以下での出産よりも妊娠中や出産時のリスクが高くなります。
上述したような、糖尿病や高血圧などの妊娠合併症のリスクが高くなるため、早産のリスクも上昇すると考えられています。

高齢出産は年々増加しています2
バランスの良い食生活や、規則正しい生活習慣、適度な運動などを心がけ、高齢出産に備えましょう。

6. 母親が喫煙や飲酒をしている

喫煙や飲酒は、早産のリスクを高めます。

非喫煙者と比較すると、喫煙者が早産を起こす確率は1.4〜1.5倍も高いといわれています。
また、妊娠中の喫煙による子宮内胎児発育遅延のリスクは一般的にもよく知られているでしょう。

たばこ煙に含まれる有害物質の中でも、特に一酸化炭素や酸化物質、ニコチンが悪影響を及ぼすといわれています。
これらの影響で、胎児や胎盤の低酸素状態、胎盤の老化促進・機能低下などが起こることから早産のリスクが高まります。

妊娠早期に禁煙した場合、早産率が減少し、出生時体重もほぼ正常であるため、妊娠した場合は早急に禁煙しなければなりません。

また、妊娠中の女性本人が喫煙をしていなくても、受動喫煙によって悪影響が生じることもあるため、周囲の人の配慮も必要です。

飲酒については、妊娠中期〜妊娠後期におけるアルコール摂取量と早産リスクには相関性があるといわれています。また、飲酒量の増加に伴い、早産リスクも上昇します。
最悪の場合、早産ではなく流産となる危険性もあります3
胎児性アルコール症候群や胎児性アルコール・スペクトラム障害、奇形などの先天性異常のリスクも上昇するため、妊娠中の飲酒は絶対に避ける必要があります。

7. 生活習慣の乱れや過度なダイエット

上述したような妊娠中の飲酒・喫煙以外にも、生活習慣の乱れや、過度なダイエットによる痩せすぎが早産に影響する可能性もあります。

生活習慣の乱れや過度なダイエットにより、赤ちゃんに十分な栄養が届かず、胎児発育不全になるリスクがあるためです。

これらは妊婦本人が意識して気をつければ改善できるケースが多いです。早産のリスクを減らすためにも、生活習慣や食生活には気をつけましょう。

早産を予防するには

ここまで、予定日より早く出産する人の特徴について解説しました。
では、早産を予防するにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?

上述した特徴を踏まえて、早産を予防するために注意すべきことをご紹介します。

1. 妊娠中の定期健診を必ず受ける

妊娠中の定期健診は必ず受けましょう。
定期健診は、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を確認するためだけでなく、早産になりやすい状況の早期診断や予防をするためでもあります。

また、妊娠する前は健康だったという人も、妊娠中に合併症やその他病気にかかる可能性もあります。安全に出産をするためにも定期健診は必須だといえます。

定期健診を受けず、陣痛が始まってから病院に運ばれた場合、病院側ではこれまでの経過が把握できておらず出産時のリスクが母子ともに高くなります。受け入れられる病院も限られるため、必ず定期健診を受けましょう4

2. 妊娠中に喫煙や飲酒をしない

妊娠中に喫煙や飲酒をしない

上記で解説した通り、妊娠中の喫煙・飲酒は早産のリスクを高めるだけでなく、赤ちゃんに悪影響を及ぼします。
妊娠が分かったら、必ず禁煙・禁酒しましょう。

同居している家族や周囲の人の受動喫煙も悪影響を及ぼすと考えられているため、周りに理解・配慮してもらったり、喫煙スペースを避けたりするなど、気をつける必要があります。

3. 妊娠中のストレスをできるだけ減らす

妊娠中のストレスにも気をつけ、できるだけ減らしましょう。

ストレスを感じると血管が収縮する危険性があります。 おなかの中の赤ちゃんは母親の子宮に流れている血液から栄養を得ています。
そのため、母親がストレスをたくさん感じている状態だと、血流の悪化や子宮収縮を起こし栄養不足になってしまいます。 それゆえに、早産や低体重発育のリスクが高まります。

それだけでなく、流産や赤ちゃんの情緒不安定やうつ、ADHD(注意欠陥障害)につながる危険性もあると考えられています。

妊娠中は不安定な精神状態や体調不良が続くため、いつもより心身ともにデリケートな状態にあります。
ストレスをゼロにすることは難しいですが、生活習慣や食生活を整えたり、家族や友人と気分転換をしたりして、ストレスを和らげましょう。

4. 長時間労働をしない

近年、妊娠してからも働く女性が多いです。
ハードな労働は早産だけでなく、流産やケガなどのリスクも高めます。

会社と相談し、無理のない範囲で働くようにしましょう。

5. 感染症に気をつける

感染症に気をつける

妊娠中の感染症はおなかの中の赤ちゃんにも影響を及ぼすため、より一層注意しましょう。
細菌やウイルスが母親から赤ちゃんに感染することを「母子感染」といいます。
母子感染には以下の3つがあります5

  1. 赤ちゃんがおなかの中で感染する胎内感染
  2. 出産が始まって産道を通るときに感染する産道感染
  3. 母乳感染

また、赤ちゃんに影響を与える感染症には以下のようなものがあります。

  • サイトメガロウイルス
  • ヘルペスウイルス
  • 風疹
  • トキソプラズマ
  • B型肝炎
  • C型肝炎
  • 梅毒
  • クラミジア
  • ATL
  • AIDS
  • 水痘(水ぼうそう)
  • おたくふかぜ(流行性耳下腺炎)
  • 麻疹(はしか)
  • 帯状疱疹
  • りんご病(伝染性紅斑)
  • インフルエンザ
  • トリコモナス膣炎
  • 淋病
  • 性器ヘルペス
  • リステリア
  • カンジダ膣炎
  • GBS
  • 尖圭コンジローマ など

手洗いうがいをこまめにしたり、人混みを避けたり、外出時はマスクをつけたりするなど、日頃から感染症対策を心がけましょう。
風邪などのウイルスだけでなく、性感染症にも注意しましょう。

6. 歯周病のケアをしておく

歯周病の妊婦さんが早産になるリスクは、そうでない人の7.5倍といわれています。
これは歯周病菌に子宮を収縮させる作用があり、出産を手助けしてしまうためです。

また、歯周病菌が血液中に侵入し、細菌感染を引き起こすことも。おなかの中の赤ちゃんが胎盤を通して歯周病菌に感染する危険性もあります。

妊娠前に歯周病の治療をしておくことが理想的ですが、妊娠後もつわりが落ち着いたら妊娠していることを伝えた上で治療をするのが良いといえます。

7. 早産のリスクが高い場合は、早めに医師に相談する

合併症の自覚症状など、早産の懸念や不安がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
早期診断や予防がとても大切です。
「あのとき早く診断しておけば良かった」「早めに医師に相談しておけば良かった」と後悔しないよう、何かあったときには早めに対処しましょう。

おわりに

予定日より早く出産する人の特徴と、早産を予防するために気をつけるべきことについて解説しました。

妊娠中は妊娠以前と体調や精神の状態が異なります。
また、母親の健康状態・精神状態が、おなかの中の赤ちゃんに大きく影響します。

そのため、生活習慣や食生活、たばこ・お酒に気をつけ、ストレスをためすぎないように心がけましょう。
そして、定期健診は必ず受けましょう。

  1. 国立研究開発法人 国立生育医療研究センター「多胎妊娠外来」
  2. 厚生労働省 第2回妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会「2019年3月15日 妊産婦の診療の現状と課題」
  3. 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「女性の喫煙・受動喫煙の状況と、妊娠出産などへの影響」
  4. 厚生労働省「妊婦健診」
  5. こども家庭庁「妊娠と感染症」

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