2012年4月、Facebook(現META/メタ)に買収されたInstagramは、ユーザー数を拡大し続け世界で3番目のソーシャルメディアとして急成長しています。2019年3月時点でMETA社が発表したデータによると、日本国内における月間アクティブユーザー数が3,300万人以上、世界では10億人以上のユーザー数を誇ります。日本では若い世代を中心に、10代から50代以上の男女と幅広いユーザーが愛用しているSNSの1つと言えるでしょう。
そんな多種多様な人物が登録しているからこそ、よからぬことを考える人も増えており、詐欺が多発しています。被害にあった人も多く、被害額は数百万と高額になる場合も…
自分だけは大丈夫と思わずに、詐欺被害にあわないように注意をすることが大切です。
今回は、Instagramで横行している詐欺の実態について、見分け方や対処法などを合わせて紹介していきます。
インスタグラムには詐欺が横行している?
多くのユーザーを抱えるインスタグラムでは、詐欺が多発しています。
最近ニュースになったのは、末期ガンを装い食事や代替え療法で克服したことをインスタグラムで発信していたベル・ギブソン氏です。ベル・ギブソン氏は、ガンを克服した食事療法を元にレシピ本を出版したりアプリなどを発売しました。これにより、一躍ウェルネス界のスーパーインフルエンサーとなり、世間の注目を集めました。実際には、末期ガンは患っておらずすべてが嘘だということが暴かれ、賠償金を払う事態に陥りました。
インスタグラム公式でも以下の詐欺について警告をしています。
恋愛詐欺
恋愛詐欺は、「国際ロマンス詐欺」としても有名で、知らない人からいきなり愛をささやかれるようなメッセージが送られてきます。多くの恋愛詐欺は、シングルマザーやシングルファザー、未亡人、生活に困窮している人を装い、言葉巧みにインターネット上で信頼を得て、恋愛感情を抱かせるように仕向けます。これらは、インスタ内やインターネット上で恋愛関係を築くことで、航空券やビザ、アマゾンカード、Googleplayカードなどを金品を狙っています。
宝くじ詐欺
宝くじ詐欺は、誰もが知る企業やプラットホーム、知人などを装い、何かしらのイベントに当選したと嘘の情報を伝えてきます。当選した商品を受け取るには当選金を送る必要があるなどと言い、前金などの少額の金銭を要求してきます。他にも、住所や電話番号、銀行の口座番号などの個人情報を悪用するために狙っています。
ローン詐欺
ローン詐欺は、少額の前金を払うことで低金利で即日お金を借りることができると言葉巧みに勧誘してきます。1度金銭のやり取りをしてしまうと、どんどん高額の取引になっていったり、急に姿を消し連絡が途絶えてしまい、お金だけが無くなるという状況に追い込まれます。
投資詐欺
投資詐欺は、少ない金額で大きな利益が得られるなどハイリターンの投資方法などを紹介してきます。「1万円の投資で10万円の利益を得ることができる」など現実的ではない利益を伝え、金銭をだまし取ろうとたくらんでいます。他にも、マネーフリッピング、ポンジスキーム(出資金詐欺)、一攫千金などをうたう詐欺も投資詐欺に分類されます。
マネーフリッピング:デビットカードや電子送金などで少額のお金を要求し、お礼に多額の送金を保証し金銭をだまし取る手法
ポンジスキーム(出資金詐欺):出資した資金を運用し、利益や配当金を出資者に還元するとうたい、金銭をだまし取る手法。実際、出資したお金は運用などされておらず、配当金はもちろん出資した金銭も戻ることなく破綻する仕組みです。
求人詐欺
好条件の偽求人情報などを掲載し、個人情報や金銭の要求を行います。特に金銭を求めるような求人情報には安易に応募をしないように気を付けてください。
クレジットカード詐欺
クレジットカード情報を盗み、クレジットカードの転売や買い物を繰り返し高額な請求を盗まれた人に請求させます。いつもより支払金額が多いと感じるときやいつも購入しないような店での使用履歴がある場合は悪用を疑ってください。
有料サブスクリプション詐欺
サブスクリプションには、有名なものでNetflix(ネットフィリックス)やSpotify(スポティファイ)などがあります。有料サブスクリプション詐欺とは、1回の定額料金を払うだけで有料サブスクリプションを永久に使える権利などを提供すると嘘の情報をついて金銭をだまし取る手法です。実際には、製品が配信されなかったり、機能しない等のトラブルでお金を無駄にしてしまう可能性があります。
フィッシング詐欺
インスタグラムのアカウントに侵入するため、個人情報などの入力を求めるような不審なメッセージなどを送りインスタグラムのアカウントを乗っ取ります。アカウントが乗っ取られると、不正にアクセスされ、アカウントを使用できなくなる可能性があります。よくあるフィッシング詐欺では、クレジットカード会社を装いクレジットカード情報を盗み不正に使用される手口として有名です。
偽装行為を行う販売者
安価な製品の販売や今だけ半額など、購買意欲を掻き立てるような偽の情報で金銭をだまし取ります。製品自体は実在せず、投稿にタグ付けされた位置情報なども偽の情報を記載していたりするため、注意が必要です。
パターン別インスタ詐欺の見分け方
詐欺師の目的はさまざまです。個人情報の詐取、金銭の詐取、アカウントの乗っ取りなど、悪意のある行為で、私たちの生活を脅かしてきます。詐欺の種類はたくさんありますが、騙されないようにすることが何よりも大切です。
ここでは、パターン別にインスタ詐欺の見分け方を紹介します。
出会い系を装う
巷では出会い系アプリやマッチングサイト、相席居酒屋など出会いを求める場所がたくさん市場に出ています。インスタグラムを使って出会いを求める男女がいるのも事実です。
しかし、ニーズがあるからこそ詐欺師はそこに注目し、虎視眈々と機会をうかがっています。出会いを探しいている風を装うDMやコメントがいきなり来た場合には、警戒したほうが後々のトラブルを防ぐことができます。出会い系サイトやエロサイトへの誘導を目的に、LINEなどのアカウントに誘導されるパターンが多いです。
美人女性アカウント
容姿が整っている女性の写真などを使用して、恋愛感情を抱かせたり、優雅な生活を演出して自分も同じような生活を送れるのではないかと錯覚させ、詐欺行為を行おうとたくらんでいます。
特にインスタ内でバイナリーオプション詐欺などを行っているアカウントは、美人女性の写真が使われている事例が多いです。
イケメン男性アカウント
イケメンでお金持ちの男性を装い、恋愛感情を抱かせ詐欺に発展する場合も多いです。国際ロマンス詐欺につながる可能性もあるため、安易に気を許したり個人情報を教えないように気を付けてください。
外国人風アカウント
外国人からDMが来る場合の多くは、国際ロマンス詐欺です。恋愛感情をあおり、渡航費用やビザ代などの金銭の詐取が目的です。他にもFXや株、仮想通貨などの投資へと誘導し、儲け話を餌に騙そうと狙っています。
「お金に困っているからAmazonカードを送ってください。」と持ち掛ける人もおり、分かりやすい分下手に煽ったり話に乗らないよう気をつけましょう。
インスタ広告
Instagramで広告を掲載するには、META社が定める広告掲載ポリシーを遵守する必要があります。そのための厳しい審査なども設けられていますが、インスタ広告詐欺は存在します。明らかに値段が相場より安い場合やフォロワー数といいねやコメントの数の割合が合わない等不自然な場合は詐欺を疑った方がいいです。
商品が届かない、手数料をだまし取られる、個人情報を詐取される危険性があります。
インフルエンサー詐欺は世界でも問題になっており、被害額は年々増加しています。被害額は約1,430億円以上と予想されており、今後も増加すると予想されています。フォロワー数が多いからと安心せず、少しでも怪しいと感じた場合は購入をしないように気を付けてください。
プレゼント企画
「現金100万円プレゼント」や「先着10名に現金プレゼント」などの誰もが気になるプレゼント企画を行い、不特定多数の人を集客をします。集客目的はさまざまで、個人情報の搾取や商法商材の勧誘、アカウントの販売など一般的にプレゼント企画は詐欺案件が多くなります。
そもそも、当たる確率は限りなくゼロです。詐欺かもしれないプレゼント企画に参加するだけ無駄だと思い、応募しないほうが時間的にもコストは高いと言えるでしょう。
インスタグラムで詐欺にあわないために
インスタグラムで詐欺にあわないためには、いくつか気を付けるポイントがあります。しかし、気を付けていても被害にあってしまう可能性があります。その際は慌てずに、インスタグラム運営や弁護士、警察に相談をするようにしましょう。また、不審に感じるようなアカウントがあった場合は、インスタグラム運営に報告することで、自分以外の誰かの被害を防ぐことができます。
長文のDMには気を付ける
詐欺師は、インターネット上でユーザーを騙すために長文のDMを送ってくる人が多いです。不特定多数の人にテキスト化されたメールを大量に送信し、誰かが返信するのを待っています。いきなり送られてくる長文DMのほとんどは、詐欺を働こうとしている人からの悪意のメールだと思っていたほうがいいでしょう。少しでも違和感があるようなDMが送られてきた場合は無視をすることはもちろん、しつこい場合はブロックするようにしましょう。
投稿する写真に気を付ける
インスタグラムに写真を投稿する際は、位置情報付きの写真や自宅の位置が分かるような写真を投稿しないようにしましょう。不特定多数の人が見る可能性があるSNSでは、自分のプライベートを安易にさらすのはおすすめしません。
個人情報を掲載しないようにしていても、写真に位置情報が付与している可能性もあります。設定などを見直し、被害にあわないよう自衛をすることが大切です。またインターネット上に投稿された写真は、だれかがスクリーンショットなどで保存している場合は半永久的に残り、削除することは困難です。投稿する際は、気を付けるようにしましょう。
URLは安易にクリックしない
DMなどで他のサイトへの誘導された場合は、安易にURLをクリックしないことが大切です。クリックすることで個人情報を詐取されたり、アカウントが乗っ取られる可能性があります。もしも誤ってクリックしてしまった場合は、すぐにインスタグラムのパスワードを変更するなどの対処をしましょう。しかし、クリックしただけでアカウントの乗っ取り被害も多発しています。
現在、「This took me about 3 hours to make. I hope you like it, http://giftstore○○○○.buzz/ユーザーID」というアカウント乗っ取りDMが多発しています。このURLをクリックしてしまうことで、アカウントが乗っ取られてしまう可能性があります。安易にクリックしないように気をつけましょう。
まとめ
人が多く集まるところには、詐欺師も存在します。インスタグラムも世界で人気のSNSの1つとなり、詐欺が横行しています。リアルで繋がりがある人以外と関わる際は、相手をすぐに信用するのではなくインターネット上での繋がりということを念頭に置き、慎重に行動するようにしましょう。少しでも金銭が絡む、個人情報を教えるなど怪しいと感じた場合は深入りせず、無視をすることで詐欺被害を未然に防ぐことができます。
詐欺の合わないよう気を付けるのはもちろん、被害にあった場合はすぐに警察やインスタグラム公式に通報するようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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