子どもは家庭環境の影響を受けやすいといわれています。
特に、両親の不仲は子どもの人格や性格の形成に大きな影響を与えます。
こちらの記事では、両親の仲が悪い家庭で育った人の特徴や幸せになるための方法を解説します。
両親の仲の悪さは子どもに大きな影響を与える
幼少期からの家庭環境は、子どもの人格や性格の形成に大きく影響します。幼い子どもにとって両親は最も身近な存在であり、「親が全て」と言っても過言ではありません。
両親の仲が悪い環境で育つと、「両親が不仲なのは自分のせいだ」「自分さえいなければ両親はうまくいくのかもしれない」と自分を責めてしまうようになります。
また、家庭内の空気が常に張り詰めているため、本来安心して過ごせるはずの家で安心して過ごすことができません。両親の顔色をうかがったり、家庭内の雰囲気がこれ以上悪くならないように気を使ったりするようになります。
それにより、常に不安に苛まれるようになったり、自信がなくなったりする傾向にあります。
さらに、子どものころに子どもらしくいられないため、人に甘えたり頼ったりするのが苦手になることもあり、人間関係にも影響を及ぼすことがあります。
両親の仲が悪い家庭で育った人の特徴
両親の仲が悪い家庭で育った人の特徴について解説します。
自信がない
両親が不仲だと、子どもは「両親の仲が悪いのは自分のせいなのではないか」「自分さえいなければ両親はうまくいくのではないか」と自分に原因があるかのように自分を責めてしまう傾向にあります。
そのような日々が積み重なると、「両親に愛されていないのではないか」「生まれてこなければよかった」と思うようになることもあります。
幼い子どもにとって両親は一番近い存在のため、両親からの愛を十分に受けられないと自信もなくなってしまうのです。
人の顔色をうかがう
いつ両親がけんかを始めるか分からない、急に不機嫌になることがある家庭で育つと、子どもは両親の顔色をうかがうようになります。
そして、両親の機嫌を損ねないように良い子を演じたり、両親がけんかにならないように子どもなりに気を使います。
幼い子どもにとって家庭環境の影響は大きいため、外の世界でも同じように人の顔色をうかがうようになる傾向にあります。
甘えたり頼ったりするのが苦手
幼い頃から両親の不仲に振り回されてきた子どもは、子ども時代に子どもらしくいられなかったため、甘えたり頼ったりするのが苦手な傾向にあります。
甘えることとわがままの違いが分からなかったり、頼るのは迷惑なのではないかと思っていたりします。また、そもそも甘え方や頼り方が分からない、甘えるという発想がない、という場合もあります。
周囲の人に甘えたり頼ったりできないため、悩みがあっても一人で抱え込み、苦しむことも多いでしょう。
自分の意見を伝えるのが苦手
自分の意見や本音、素直な気持ちを伝えるのが苦手な傾向にあります。
両親が不仲だと、いつも「両親が仲良くなるためにはどうしたらいいだろう」「両親がけんかをしないために自分はどうあるべきか」と、両親を軸に物事を考えるようになります。
また、家庭内の空気が張り詰めていると、会話も少なくなりがちなため子どもは自分のことを話したり、自分の意見を伝えたりすることが難しくなります。
できるだけ家庭内の雰囲気が悪くならないような「正解」を探しているため、自分の本音が見えなくなってしまうこともあるでしょう。
優しすぎる
両親の仲が悪い家庭で育った人は、いつも両親の顔色をうかがい、両親の気持ちを考えて過ごしてきたため、家庭の外でも同じように相手の気持ちを考えて優先するようになる傾向にあります。
そのため、優しすぎる人も多いです。
自分の気持ちを抑え、時には無理をして相手に合わせるのです。
生きづらさを感じる
両親の不仲がトラウマとなり、生きづらさを感じるようになります。
周囲にうまくなじめなかったり、人を信頼できなかったりすることも多いでしょう。
漠然とした生きづらさを感じており、どこにいても落ち着かない感覚があります。それが家庭環境や両親の影響だと気づいていない場合もあるでしょう。
周りの目を過度に気にする
子どもの頃から両親の顔色をうかがい、機嫌を損ねないように気を使ってきた人は、大人になっても周りの目を過度に気にするようになります。
「怒らせていないだろうか？」「不快な気持ちにさせていないだろうか？」と必要以上に気にしたり、何か悪いことが起こったときに「自分のせいなのでは？」と自分を責めたりすることもあるでしょう。
人間関係で苦労する
両親の不仲により、健全なコミュニケーションや人との関わり方を知る機会が損失されるため、人間関係で苦労しやすくなります。
子どもは両親や家庭環境の影響を大きく受けるため、社会に出てからも他人と良好な関係を築くのが難しくなることがあります。
恋愛がうまくいかない
両親の仲が悪い家庭で育った人は、恋愛でも苦労する傾向にあります。
両親から十分な愛を受けられずに成長したため、「愛されている」という感覚がなく、恋人を心から信頼することができなかったり、疑ったりすることもあるでしょう。また、依存的になることや、逆に深い仲になるのを避けることもあります。
結婚や子育てに不安がある
両親の仲が悪い家庭で育った人は、結婚や子育てに恐怖や不安を感じる傾向にあります。
「結婚＝幸せ」と思えないため、結婚願望がないこともあります。逆に、良い家庭を作ろうとこだわりすぎてしまうこともあるでしょう。
また、出産し子どもを育てることにも恐怖や不安がある人もいるでしょう。「自分と同じような子どもをつくるのが怖い」「自分も両親と同じようなってしまうのではないか」と考えてしまうのです。
幸せになるためには？
両親の仲が悪い家庭で育った人が幸せになるためには、どうすれば良いのでしょうか？
最後に、幸せになるためにできることをご紹介します。
生きづらいのは家庭環境の影響だと気づく
両親の仲が悪い家庭で育ち、漠然と生きづらさを感じているのであれば、それは自分のせいではなく、家庭環境や両親の影響だということに気づくことが大切です。
これ以上自分を責め続ける必要はありません。
家庭環境や両親のせいにしても良いのです。生きづらさの原因が分かることで、だんだんと「自分は悪くなかったんだ」と思えるようになるでしょう。
自分を褒める習慣をつける
子どもの頃から両親の不仲により、たくさんつらい思いや大変な思いをしてきたと思います。
そんな自分のことをまずは褒めましょう。子どもの頃の自分を抱きしめるイメージで、「つらかったね」「よく頑張ったね」と自分に語りかけてあげましょう。
そして、毎日「できたこと」や「良かったこと」を日記に書くなどして、自分を褒める習慣をつけましょう。
自分をたくさん責めてきた人は、自信がなかったり自分のことを好きになれなかったりします。毎日、自分を褒めることを心がけることで自分を肯定していきましょう。
感情を紙に書き出す
日常生活で生きづらさを感じたり、子どもの頃のことを思い出してつらくなったりすることもあると思います。
情緒が安定せず、苦しさを感じている方も多いのではないでしょうか。
そんなときには感情を抑えるのではなく、紙に感じていることを書き出しましょう。誰も見ないため、安心してとにかく素直な気持ちを書くことが大切です。
紙に書くだけでも頭や心がスッキリします。また、自分の本音に向き合うことができ、素直な気持ちをアウトプットする練習にもなります。
自分がどんなことを思い、どういう状況でどんな感情になる傾向にあるのか、自分を知り、理解していくことも大切です。
人の気持ちを考えすぎない
人の顔色を伺ったり、相手の気持ちを考えすぎてしまったりする人は、「人の気持ちを考えないこと」を意識しましょう。
「あの人にどう思われているだろう？」ではなく、「自分はどう思うのか？」と自分の気持ちにフォーカスすることが大切です。
また、人の気持ちや過去・未来のことを考えて不安になったときは、目の前のことに集中しましょう。「今ここ」を感じ続けることで、だんだんと自分らしくいられるようになっていきます。
両親と離れて暮らす
大人になったら、両親と離れて暮らすことを検討するのも1つの方法です。
両親や育ってきた環境から物理的に離れることで、両親や家庭環境から受けた影響に気づくことができるでしょう。
また、社会に出てさまざまな人と関わる中で、自分の常識を覆していけることもあります。自分が育ってきた環境では当たり前だったことが、実は一般的には当たり前ではないこともあります。
例えば、「人と関わるときに顔色をうかがわなくてもいい」「悪いことが起こっても自分が悪いと考えなくてもいい」など、自分を責める習慣がついているのであれば、それに気づき変えていくこともできます。
両親を反面教師だと思う
両親を反面教師だと思うと、「両親はこうだったけど、自分はこうありたい」と思えるようになるでしょう。
例えば、両親のコミュニケーションが雑でよくけんかをしていたのであれば、人とのコミュニケーションを大切にする。すぐに不機嫌になる両親だったのであれば、自分の機嫌は自分でとるようにする、など両親がやっていたことの逆をいくことが良好な人間関係を築くためのヒントになることがあります。
本を読む
家庭環境が子どもに与える影響や生きづらさについて書かれた本を読むのも良いでしょう。
さまざまな専門家による本が出版されているため、自分の悩みに近い内容の本を選ぶのがおすすめです。
今まで漠然とした生きづらさや不安感があった場合も、言語化された情報を読むことで「両親の不仲がこんなにも自分に影響していたんだ」と腑に落ちることがあります。
誰にも理解されないと思うと苦しいですが、同じような家庭環境で育った人がたくさんいるということや解決の手立てを知ることで気持ちが楽になることもあるでしょう。
専門家のサポートを受ける
両親の両親の仲が悪い家庭で育った人は、長年つらい思いや大変な経験をしてきており、精神的な負担が大きかったと考えられます。また、トラウマがある人もいるでしょう。
そのため、カウンセラーなどの専門家のサポートが必要な場合もあります。
自分一人では抱えきれない苦しさやしんどさがあるのであれば、専門家に相談することも検討してみてください。
おわりに
両親の仲が悪い家庭で育った人の特徴や幸せになるための方法を解説しました。
両親の仲が悪いことにより、長年つらい思いや大変な経験をしてきた方も多いと思います。
子どもは生まれてくる家庭を選べないですが、これからは自分で人生を選び、幸せになることができます。必要に応じて専門家のサポートを受けながら、ずっと頑張ってきた自分を褒めてあげてください。
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