「毒親」という言葉を聞いたことはありませんか?「毒親」とはその名の通り、子どもにとって毒となる親のことです。暴力をふるったり育児放棄したりするのは深刻なレベルの毒親ですが、子どもの気持ちを無視して自分の意見を押し付けるのも毒親であると言えます。
毒親に翻弄された子どもたちは大人になってもその影響が残るものです。自分だけでなく、まわりのとの人間関係にも関わってくるでしょう。
今回はあなたの親の毒親度がわかる診断を紹介します。「もしかして自分も…」と思う人はぜひ試してみてください。毒親の特徴やタイプ、毒親になる原因、毒親との付き合い方も解説するので参考にしてくださいね。
毒親診断
次の質問の中で、あなたの親に当てはまるものにチェックを入れてください。すべて回答を終えた後、チェックのついた数を数えてみましょう。
- あなたの髪形や服装などに細かく口を出してきた
- 進路や仕事を決める時、いちいち介入してきた
- 「あなたのためを思って」が口癖だった
- 自分の思い通りになるようにあなたの言動を指図した
- 勝手に携帯を見たり部屋に入ったり、プライバシーに侵入してきた
- 言う通りにしないとすぐに機嫌を損ねた
- あなたにかかったお金を返せと言ってくる
- あなたのことをよくけなした
- アルコールやギャンブルなどに依存していた
- 暴力を振るわれたことがある
- すべてを自分の判断基準で決め付けていた
- 完璧主義、ストイックな性格だった
- さまざまな場面であなたをコントロールしようとした
- 間違いを指摘しても決して認めなかった
- 自分の決めたルールに厳しかった
- 過度の心配性だった
- 気分屋でいつ感情が爆発するかわからなかった
- 自分の欲求を満たすために子どもを放置することがあった
- 未だに子離れできていない
- あなたの幸せに嫉妬してくる
- あなたの意見や考えを否定していた
- 言っていることとやっていることに一貫性がなかった
- 自分の夢や理想をあなたに押し付けた
- 過保護・過干渉だった
- 付き合う友人について口出しをされた
チェックの数が11個以上
あなたの親は、毒親であった可能性が非常に高いです。
特に、暴力を振るったり育児放棄をしていたら立派な毒親です。
チェックの数が6~10個
あなたの親は、プチ毒親であったと考えられます。
自分の理想通りにあなたを育てたかったのかもしれません。
チェックの数が0~5個
あなたの親は、毒親であった可能性は低いです。
あなたとも良い関係を築けていたでしょう。
毒親の特徴
ここからは、毒親に共通してみられる特徴について解説していきます。
子どもを支配しようとする
毒親は「あなたはできないから」と、ことあるごとに子どもに言います。「自分はできない」と思わせることで、支配と被支配の関係を築くのです。自信を失った子どもは、親がいなければ何もできなくなってしまいます。毒親は子どもが自分の言うことを聞いていれば機嫌がよく、反抗すれば脅したり怖がらせたりして言うことを聞かせるのです。
子どもを管理しようとする
毒親は、子どものすべてを管理したがります。日ごろの生活だけでなく、付き合う友人や服装まで口を出すでしょう。中には、聴く音楽や読む本まで厳しく管理する毒親もいます。厳しい管理下に置かれた子どもは、息苦しさが積み重なった思春期に、攻撃的になったり自暴自棄になったりする可能性が高いです。
自分の気持ちを押し付ける
「あなたのため」とよく言う親にも要注意です。「あなたのため」という言葉の裏側には、自分の期待通りに育てたい気持ちが込められています。毒親は、子どもを自分の自己実現のために使おうとするのです。子どもを過度に追い立てるのも、自分の願望や期待を押し付けている証拠です。「あなたのため」は「自分のため」だということに気づいていません。
過保護・過干渉
過保護も毒親の特徴のひとつです。過度に世話をすることで、子どもの親離れを防ぎます。子どもに必要とされることでしか、自分の価値を感じられないのです。子どもが自立し、自分を頼ってもらえなくなると自己肯定感も感じられなくなってしまいます。過干渉も過保護と同じです。特に、夫婦関係に不満を抱えている親は過保護や過干渉になる可能性が高くなります。過保護や過干渉な親の元で育った子どもは自立心が育つことはなく、親に依存するようになってしまいます。
子どもに罪悪感を植え付ける
毒親は人生の後悔を子どもにぶつけます。子どものために自分が犠牲になってきたと思わせ、罪悪感を植え付けるのです。「あなたのために全てを犠牲にしてきた」なんて言われたら、子どもも自分の人生を生きられません。優しい性格の子どもほど、親の気持ちに寄り添おうとするでしょう。毒親は子供に罪悪感を植え付けることで、子どもを永遠に支配しようとするのです。
子どもの選択に口を出す
毒親は『子どもの評価=自分の評価』と感じるため、進学や就職など人生の選択の時に細かく口出しします。子どもの人生を、自分のことのようにとらえてしまうのです。中には恋愛や結婚にまで口出しする人もいるでしょう。親の価値観に沿って生きてしまうと、大人になっても自分の考えと親の考えを区別できなくなってしまいます。親の言う通りにしなければ幸せになれないとも感じてしまうでしょう。
毒親の4つのタイプ
毒親にもさまざまな種類があります。ここでは、毒親の4つのタイプについて解説していきましょう。
過保護・過干渉タイプ
過保護・過干渉タイプの毒親は、子どもの気持ちより自分の考えや価値観を重視します。「あなたのためを思って」というセリフが、過保護・過干渉タイプの毒親の口癖です。子どもに罪悪感を持たせたり、無理やりいうことを聞かせたりすることもあるでしょう。過保護・過干渉タイプの毒親のもとで育った子どもは、自分で意志決定ができなくなります。自分がどうしたいのだけではなく、何を望んでいるのかもわからなくなるでしょう。
虐待タイプ
身体的、精神的な暴力を与えるのが虐待タイプの毒親です。虐待にもさまざまな種類がありますが、子どもの頃に受けた傷は大人になってから色濃く影響が出るもの。親からの虐待は、子どもの心だけでなく性格形成にも大きく関わってきます。親から傷つけられて育った子どもは、世の中をなかなか信じられなくなるでしょう。自分を守るために、暴力的になったり威圧的になったりするかもしれません。自分自身を責め、自虐的な行為をする可能性も高いです。
無関心タイプ
子どもを放置したり、無視したりするのが無関心タイプの毒親です。一番身近な存在である親から放置されれば、子どもは自分は必要ない存在だと感じるようになります。大人になってからも、自分に自信を持つことはできません。人は誰しも愛されたい欲求を持っています。幼い頃に愛情が満たされないと、自分が不完全な人間であると感じてしまうのです。
精神障害タイプ
親に精神的な疾患がある場合、子どもに影響がでることがあります。親の精神状態に行動を左右されてしまうのです。いつ起こるかわからない感情の爆発に、常にびくびくするようにもなります。また、ADHD(注意欠陥多動性障害)やASD(自閉スペクトラム症)などの症状があれば、子育てにも大きな影響が出るものです。
毒親になる原因
毒親になってしまう人は、寂しさを抱えていることが多いです。夫婦関係がうまくいかないことから、子どもに心のよりどころを求める人もいるでしょう。また、自分自身が毒親に育てられていれば子育てにも影響が現れます。
毒親になってしまう理由は人それぞれですが、精神的に自立できていないのが共通する原因です。精神的な自立ができていないため、子どもの個性を認められず一体感を求めてしまうのです。毒親は子どもを自分の理想通りに育てることで、自己実現をしようとします。親の自己実現のために利用された子どもの多くは、同じように人を使って自己実現をするようになるでしょう。
毒親との付き合い方
まずは自分自身が親とどのように付き合っていきたいか決めてください。
「全く交流しない」「LINEや電話だけで連絡を取る」「お正月やお盆だけ顔を見せる」など、負担なく付き合える範囲を決めるのがおすすめです。物理的・心理的な距離を置くのもよいでしょう。一緒にいる時間を少なくすることで、感情が乱れることも少なくなります。
大切なのは、親の気持ちより自分の気持ちを優先することです。毒親の育てられた子どもの多くは「親に対して怒りや不満を持ってはいけない」と感じています。自分の素直な感情を認めるようにしましょう。親に対するネガティブな感情を認めることが、自分自身の人生を歩む第一歩になります。
まとめ
毒親は子どもの性格や価値観に大きな影響を与えます。毒親との関係を見直さなければ、いつまでも自分に自信が持てず、親の言いなりになってしまうでしょう。攻撃的になったり、自暴自棄になったりする可能性もあります。自分の親が毒親だと感じる人は、今回紹介した診断テストを試してみてください。その上で、親との関係性を考えていきましょう。一番大切なのは、あなた自身の気持ちです。
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