効率的な学習方法とはどのようなものでしょうか?
丸暗記から語呂合わせまでさまざまな学習方法が存在しますが,皆さんは中学入試や高校入試,そして大学入試などの時にどんな勉強をしていましたか?
問題集を解く,過去問を回す,書いて覚える,まとめノートを作る,などなど。
実験心理学の分野では,例えば何かを記憶する際に,Aという方法で覚えるよりも,Bという方法で覚えた方が効率,記憶の定着率が良い,など実験を通して比較検討がなされています。
もし今まで,用いていた学習方法が実験心理学の研究で非効率だと分かっていたら別の学習方法を用いた方が,時間の余裕もできますし,効率もいいはずです。
今回の記事では,まず学校現場にまかり通っている非効率な指導方法・学習方法について触れた後,今までの実験心理学の分野で研究され,効果があるであろう,3つのポイントについて述べていきます。
学校現場での非科学的な指導法
世の中には多くの時間をかけているにもかかわらず成果が出ない勉強方法があります。学校で行われている指導が本当に効果的なのかを調べたアメリカ進歩センター(CAP)の調査(1)では,やはり間違った,科学的に正しくないにも関わらず,効果的であると思い使われ続けている指導方法が存在することを報告しています。具体的な例を2つ挙げます。
1.生徒の頭の賢さを褒める
1つ目は「生徒の頭の賢さを褒める」という考え方です。生徒を褒めることによってモチベーションを高め,それが学習を促進することは間違いではありません。大事な部分はどこを褒めるかです。もし成果物に対する評価をする上で生徒の頭の賢さに注目をするような止め方をしてしまうと,次失敗した時に自分自身とは切り離せない,自分自身の頭の悪さを認識することにつながります。褒めるべきは生徒の頑張り(学習のプロセス)です。しかし生徒の頑張り(学習のプロセス)に意識を向けさせれば,次失敗した時でも自分の努力の過程のどこが間違っていたのか考える機会を与えることになります
2.個人に合った学習スタイルがある
2つ目は「個人に合った学習スタイルがある」という考え方です。確かに人それぞれによって個性があり,その個性を生かした学習方法が存在すると考えるのは的を得ているように聞こえます。しかしこれまでの学習について調べた研究によって個人の気質や性格に合わせた学習方法をとる事は非効率であることが分かっています。今までの科学的研究は編み出してきた答えは多くの人に当てはまる,効率的,効果的な学習方法には押さえるべきポイントがあることを明らかにしています。
(1)What Do People Know About Excellent Teaching and Learning?(https://cdn.americanprogress.org/content/uploads/2017/03/10122018/TeachingAndLearning-brief.pdf)
非科学的な学習方法
2013年にケント州立大学での研究(1)では「世間では推奨されているにもかかわらず,効果的でない勉強方法はどれなのか」について調べています。この研究では,過去の勉強法に関する約200件以上もの文献をチェックし,巷でよく使われている勉強方法は本当に効果があるのかどうかを分析し調べています。その結果,行っても効率が悪いと結論づけられた勉強方法は以下の3つになります。
1.ポイントの要約
ポイントの予約が非効率であると考えられる大きな原因はテキストの要約は非常に難易度が高いと言うことです。要約をするのには全体の流れを把握し,重要な部分はどこなのかを理解した上で,ポイントとなる部分を短く作り替えなければなりません。この能力は非常に高度なもので,非常に時間がかかる行為と考えられています。
2.暗記術
「泣くよウグイス平安京」のように語呂合わせやリズムに乗せることによってたしかに暗記術は記憶する対象の思い出せる可能性を高めてくれます。しかし一問一答のような記憶してるかどうかを測る試験があれば,この方略は非常に効果的でしょう。しかし現在,これからの試験においてただ単に記憶しているだけを問われる問題は減少傾向にあります。ただ単に記憶していたことで得られた知識は物事の本質を考える上で必要な要素を欠いた知識になります。
3.ハイライト
マーカーやアンダーラインをするだけではそこを重要な部分であると注意を向けるだけで,その情報にどのような背景があり,周辺との関係性があるのかより深い知識になりません。物事の理解には言葉の説明だけで足りません。マーカーやアンダーラインはその部分だけに注意を向けさせることで全体像の把握の理解を低下させます。
では科学的に正しく,効率的な勉強方法とはどのようなものなのでしょうか。これまでの学習に関する研究で効果的であると分かっているものを取り上げたいと思います。
(1)Dunlosky, J., Rawson, K. A., Marsh, E. J., Nathan, M. J., & Willingham, D. T. (2013). Improving students’ learning with effective learning techniques: Promising directions from cognitive and educational psychology. Psychological Science in the Public Interest, 14(1), 4-58.(https://journals.sagepub.com/stoken/rbtfl/Z10jaVH/60XQM/full)
間隔を空ける
学習方法は大きく分けて2つあります。それは集中学習と分散学習です。集中学習とは間隔を空けずに学習することで,分散学習とは間隔をあけて学習することです。この2つで効率が良いのは分散学習の方です。集中学習をして期間を詰めて知識を詰め込んでも,時間が経てば大半の情報を忘れてしまうと言う欠点を持っています。それに対し分散学習は学習と学習の間隔をあけることで集中と緩和を繰り返し,記憶に定着すると言うメリットをも持っています。
例えば,2005年のサウス・フロリダ大学のダウグ・ローレル氏らが行った実験(1)では集中学習の効果が長期的には続かないことを示しています。実験の対象となったのは大学生130名でした。その実験参加者を2つのグループに分け,国と都市のペアを覚えてもらいました。その2つのグループの詳細は以下の通りです。
①学習のセッションを5回行う。
②学習のセッションを20回行う。
グループの詳細について補足を行うとグループにはグループ1-4倍の量の学習を行ってもらっています。その後さらに2つのグループを3つに分けそれぞれ違う期間を経てテストを受けて。その学習とテストまでの期間は以下の3つの通りです。
①1 週間
②3週間
③9週間
では,学習量の違いと学習とテストまでの期間の違いがあったそれぞれ6グループには最終のテストの得点でどのような違いが見られたのでしょうか。実験の結果,1週間後のテストでは学習の量を4杯こなしたグループにはグループ1よりもテストで高い得点を取りました。その特典の差は約2倍です。しかし学習とテストまでの期間が3週間,9週間となった場合において1週間後のテスト見られたこの2つのグループの特典の差はなくなりました。ここから言えることは集中学習が短期的には効果があるものの,長期的にはその効果がなくなると言うことです。学習量を4杯目にしたにもかかわらずその効果は1週間後にテストにおいてのみ見られました。
2008年のカルフォルニア大学のハロルド・パシューラー氏らの実験(2)では復習のベストなタイミングはテストの日から最初の学習日を引いた日数の20%に当たる日であると述べています。学習日から試験が100日後にあるなら,その20%の20日後に,試験が7日後であれば,1日ないしに2日後に復習するべきと言うことです。実験の対象となったのは大人1354名でした。その実験参加者を4つのグループに分け,間隔をあけて2度世間ではあまりよく知られていない32個の事実について覚えてもらいました。今回の実験で開けた感覚についても様々で1回目と2回目の学習の間隔を0日(すぐ2回目の学習をする)から105日まで違いを設けていました。2回目の学習からテストまでの期間の種類で分けたグループの種類は以下の通りです。
①2回目の学習後,7日後にテストを受ける
②35日後にテストを受ける
③70日後にテストを受ける
④350日後にテストを受ける
グループの種類を例に取ると,1回目と2回目の学習の間隔がなく,350日後にテストを受けた人もいれば,1回目と2回目の学習の間隔が105日空いて,7日後にテストを受けた人もいました。では1回目と2回目の学習の期間とテストまでの期間に違いが設けられたグループ端には最終的なテストの得点で済が見られたのでしょうか。実験の結果テストまでの期間が7日,35日後の場合には1回目と2回目の学習の間隔が1-2日,7日であったグループが一番テストの成績が良かった。そしてテストまでの期間が70日,350杯子の場合には1回目と2回目の学習の間隔が21日,35日だったグループが一番テストの成績が良くなりました。
ここから言える事はただただ学習の間隔を開ければ記憶に定着しテストで高い得点を取れるわけではないと言うことです。学習の感覚を開ける,その感覚にはベストな復習のタイミングがあります。それが先ほど陳述した通り復讐のベストなタイミングはテストの日から最初の学習日を引いた日数の20%に当たる日だと言うことです。
ではなぜ分散学習が記憶の定着に効率が良いと言うのでしょうか。それはここ最近の認知神経科学の研究によって明らかにされています。それらの研究では人間の脳には2つのモードがあると述べています。それは以下の2つです。
1.集中モード
集中力が高まって,一つの情報に注意が向いている状態
2.緩和モード
リラックスしていて,思考がさまよっている状態
効率的な勉強をする際には集中モードだけでなく緩和モードを用いる必要があります。緩和モードが必要な理由は集中モードになったままの状態が一度リラックス状態になることで脳の神経の配線が再構成されると言われています。この再構成されるときに新しいアイディアの創出,今まで集めてきた情報を結びつける作業が行われていると言われています。しかし分散学習する際,ただ情報を記憶するだけでは効果的な学習とは言えません。次章では人間の記憶メカニズムがどのようになっているのかの説明を先にし,記憶するのではなく思い出す練習をすることの重要性について述べていきます。
(1)Rohrer, D., Taylor, K., Pashler, H., Wixted, J. T., & Cepeda, N. J. (2005). The effect of overlearning on long‐term retention. Applied Cognitive Psychology, 19(3), 361-374.(http://wixtedlab.ucsd.edu/publications/wixted/Rohrer_et_al._%282005%29.pdf)
(2)Cepeda, N. J., Vul, E., Rohrer, D., Wixted, J. T., & Pashler, H. (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychological science, 19(11), 1095-1102.(http://laplab.ucsd.edu/articles/Cepeda%20et%20al%202008_psychsci.pdf)
小テストをする
記憶は記銘と保持と想起に分けることができる。記銘(符号化)とは過去の経験したもの,情報を記憶として覚えることで,俗に言う覚えることです。保持とは記憶において情報を記銘し,後に想起するまでの内的に保存している機能またはその状態のことで,覚えていることを指します。最後に想起(検索)とは記憶された過去の経験,情報の中から特定の情報を取り出すことで,思い出すことを意味します。
私たちは情報を記憶する際には,まず情報を記銘し,それを保持しています。そしてその情報が必要になった時に記銘し,保持した情報を想起します。
ではテストで問われているのは記憶のどの段階なのでしょうか。テストで必要とされているのは記銘ではなく想起することです。しかし私たちは学生時代の漢字の書き取りや教科書の音読は上記の記憶のどの部分を使っていたのでしょうか。それは記憶の記名の段階です。情報を覚える訓練をひたすら繰り返していたはずです。これを繰り返すことで書き速さや読む速さは上がるのは確かです。しかしテストの時に記銘した情報を想起できるかどうかは分かりません。おそらく出来ないでしょう。なぜなら記銘し,保持した情報を想起する練習をしていないからです。
例えば,2008年にカリフォルニア大学のシャナ・カーペンター氏らの実験(1)では小テストをすることでテストの点数が高くなることが分かっています。対象となったのはオンラインで応募した聖人44名でした。実験参加者をまず無作為に2つのグループに分け,60組のスワヒリ語と英語のペアが画面に2秒間提示されるのを見てもらいました。その2つのグループとは以下の通りです。
①再びスワヒリ語だけ2秒間見て,その間にペアの英語を思い出す
②再びスワヒリ語と英語のペアを見て,そのペアを覚える
そしてその記憶してもらったスワヒリ語と英語のペアのテストを5分後,1,2,7,14,42日後までの間隔をあけて受けてもらいました。さてもう一度記憶してもらったグループと片方のペアだけを見て思い出したグループでテストの得点に差はあったのでしょうか。実験の結果,片方のペアを見て思い出したグループ1はただスワヒリ語と英語の票を見ていたグループ2よりも得点が高くなりました。そしてこのグループ1とグループ2の得点の差は42日後も確認されました。このようにただ情報を記憶するだけでなく,記憶すべき対象を思い出す練習を少しするだけでテストの点数に差が出てきます。
もう一つ例を挙げましょう。1939年にアイオワ州立大学のヘルベルト・スピッツァーさんらがテストの効果についてある実験(2)を行いました。この実験では,小テストの効果を得るには最初の学習から1週間以上時間を開けずにテストをする事が肝心であることを示しています。対象となったのは小学6年生3605名でした。実験参加者にはピーナッツと蝶に関する記事を読んでもらいました。その後実験参加者を8つのグループに分けました。その8つのグループとは以下の通りです。
①記事を読んだ直後,1日,21日後にテストを受ける
②記事を読んだ1日,7日,63日後にテストを受ける
③記事を読んだ1日,14日後にテストを受ける
④記事を読んだ7日,21日後にテストを受ける
⑤記事を読んだ14日,28日後にテストを受ける
⑥記事を読んだ21日,63日後にテストを受ける
⑦記事を読んだ28日後にテストを受ける
⑧記事を読んだ63日後にテストを受ける
そして最初に記事を読んだ日から63日後に午後の選択肢の中から答えを選ぶ25問のテストを受けてもらえました。さて各8グループで小テストを受ける感覚に違いを設けましたが最終的なテストの点数の特典が違ってきたのでしょうか。実験の結果,1週間以内に1回目の小テストを受けたグループはそうでないグループに比べて正答率が約50%高くなりました。それとは対照的に1回目のテストを1週間後に受けたグループは正答率が約30%にとどまりました。このショーテストを受けることで最終的なテストの得点が上がる現象のことをテスト効果といいます。テスト効果とは過去に学習した内容を検索することで記憶が強化される現象のことです。上記の具体例で出した研究の通り小テストをすればするほど学習した内容の記憶が強化されます。しかしその間隔も重要であり,最初の学習から期間が開いてしまうとテスト効果の効果が大きく下がってしまうことが示されています。
この章では情報を記銘するのではなく,想起する練習が必要であることを述べました。しかしやはり想起する練習をする為にはきちんと情報を記銘し,保持できていなくてはなりません。ではどうすれば情報を効率よく記銘できるのでしょうか。次章では人に説明することによって得られる学習の効果について触れていきます。
Carpenter, S. K., Pashler, H., Wixted, J. T., & Vul, E. (2008). The effects of tests on learning and forgetting. Memory & Cognition, 36(2), 438-448.(https://link.springer.com/content/pdf/10.3758%2FMC.36.2.438.pdf)
Spitzer, H. F. (1939). Studies in retention. Journal of Educational Psychology, 30(9), 641–656.(https://psycnet.apa.org/record/1940-02338-001)
他の人に教える
最後の章では,目的に組み込むことで効率よく学習が進む方法について紹介します。それは「他の人に教える」つもりで学習することです。勉強をする目的は個人にとってさまざまで,テストのためや,受験のため,資格取得のためなど多岐にわたります。しかしこの方法はそこに他人を介在させることで大きなプラスの効果を生むことができます。なぜこの方法が効果的かを説明すると,自分以外の人に説明するためには得た情報を理解し,相手が分かるようにはなさなければならなくなるからです。その過程での学習の促進は目に見張るものがあります。
2014年のワシントン大学のジョン・ネストジコ氏らの実験(1)では,他の人に教えるつもりで学習した方が記憶に残りやすいことを示しています。実験の対象になったら56名の大学生でした。まず実験参加者をランダムに2つのグループに分け,クリミア戦争に関する1500文字以上の文章を読み,記憶してもらいました。その2つのグループの詳細は以下の通りです。
①この後のテストがあると思って勉強する
②この後に他の学生に教えると思って勉強する
そしてその後両方のグループに同じテストを受けてもらい,その得点に差があるのかどうかを調べました。さて,勉強する目的が違うかったことでテストの得点に差は見られるのでしょうか。実験の結果,他の学生に教えるつもりで学習したグループ2はグループ1に比べて内容を正確に思い出すことができました。また,記憶した文章の中のより重要な情報に関してもグループ2はグループ1よりも記憶していました。このようにテストのために学習するのではなく,他の人に教えるという目的のために学習することで,より効果的な学習方法を実験参加者は取るようになったと解釈できそうです。この論文の研究者は,「人は他の人に教えなければならないと考えると,自然と物事の要点をまとめようとするのではないか」と言っています。この他にも他の人に教えるために学習することのメリットについて調べた論文は多くあります。
2018年にシンガポール国立大学のアロシアス・コウ氏らがなぜ他人に教えるつもりで勉強するとよく記憶できるのかについて実験(2)を行いました。実験の対象となったのは124名の大学生でした。まず実験参加者をランダムに4つのグループに分け,10分間ドップラー効果について勉強してもらいました。その4つのグループの詳細は以下の通りです。
①数学の問題を解く
②何も見ず,他の人に教える
③一人で思い出す
④実験参加者が準備した紙を見て他の人に教える
それから1週間後にどれくらいドップラー効果について理解しているのかを問うテストを受けてもらいました。さて,学習後にする行為に違いは負けたこの4つのグループは1週間後のテストでどのような違いが見られたのでしょうか。実験の結果,何も見ずに他人に教えたグループ2は事前に用意された紙を見て他の人に教えたグループ4に比べて1週間後のテストの得点が良かった。しかし,一人で思い出す練習をしていたグループ3は何も見ず他人に教えたグループ4と同等の点数で,違いがなかった。ここからわかることは他人に教える事はそれ自体に効果があるのではなく,一度記憶した情報を他の人にも分かる形で思い出すことが記憶の強化に役立っているのではないかと言うことです。つまり,他人に教えるときには自分が以前書き留めたものやメモなどに頼るのではなく,記憶した情報を頭の中から検索することが伴わなければなりません。
このように「他の人に教える」つもりで学習することで学習効率が上がることについて説明しました。そしてその行為には第2章で取り上げた,情報を頭の中から検索する側面の効果が含まれていることも説明しました。他の人に教える行為は自らが学習した内容を整理し,要点はどこであるのかを考える機会を与えてくれます。またその時に外部の記録,例えばメモなどに頼るのではなく,自らの頭の中にある情報を使うことが重要であることも述べました。この効率よく勉強するためには他の人に教えることが良いと言う知見は2000年以前に数多くの研究が行われ,他人に教える事は効果的な学習につながるという一貫した効果が認められています。この知見に基づいて考えると,1人で学習するのではなく複数人で学習を行い,お互いに押し合うアクティブラーニング等は記憶した情報を再度検討し,要点をまとめる機会を与えてくれると言えるでしょう。
Nestojko, J. F., Bui, D. C., Kornell, N., & Bjork, E. L. (2014). Expecting to teach enhances learning and organization of knowledge in free recall of text passages. Memory & cognition, 42(7), 1038-1048.(https://link.springer.com/article/10.3758%2Fs13421-014-0416-z)
Koh, A. W. L., Lee, S. C., & Lim, S. W. H. (2018). The learning benefits of teaching: A retrieval practice hypothesis. Applied Cognitive Psychology, 32(3), 401-410.(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/acp.3410?campaign=wolearlyview)
まとめ
はじめにの部分で世の中に出回っている非科学的な勉強方法に触れた後,科学的に正しい,効果的で,効率的な勉強方法について述べてきました。各セッションに渡って科学的な文献がサポートする,学習効率を高める手段についても言及しました。それは学生時代に先生から教えてもらう学習内容とは別で,今後の「学び方」の参考になるものではないでしょうか。また小テストや問題集など今までただこなしていたものが,今後は少し工夫を加えるだけで大きく学習の効果が変わってくるのではないかという気付きを得られれば幸いです。学習の間隔,その日の睡眠いかんでも大きく学習効率が変わってきます。どうすれば,得たい情報が頭に残り,必要な時に出せるようになるのかを心理学者は今まで研究してくれています。その科学的知見をこれからも知り,生活に生かしてください。
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