マインドフルネススペシャリストの資格

マインドフルネススペシャリストの資格

資格をとるための目的は、人によってそれぞれの理由があります。仕事のキャリアアップのために、肩書として取得しておきたい、という方々や、生活を豊かにするための教養があったほうがよい、という考え方で勉強する方々もいると思われます。

ビジネスマンの方々は、マインドフルネスについて聴く機会が増えたように感じていると思われます。ビジネスの領域では、瞑想が、雑念から解放されて、仕事における集中力を高めるためのメソッドとして解釈されています。

また、マインドフルネススペシャリストの資格は、セラピスト向きの資格です。マインドフルネスのプログラムを精神医療に役立てたい、という場合には、知識だけではなく、治療者として、マインドフルネスの方法を体験しておく必要があります。

しかし、たとえ、そのようなことにはかかわらないようなライフスタイルでも、自己の心身を整えるためにマインドフルネスを学ぶことができます。もしも、日常の集中力を保つために瞑想を学ぶならば、その人には、さまざまなプラスの効用がもたらされます。

そのためには、簡単にできるような正しい瞑想法を、プロの講師から学ぶことが、重要です。この文章では、マインドフルネス関連の資格の中でも、比較的取得しやすい、マインドフルネススペシャリストという資格について述べます。

kunitada
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マインドフルネススペシャリストとは

マインドフルネススペシャリストという資格を認定している団体は、日本能力開発推進協会(JADP)です。

当該協会では、この資格を『マインドフルネスを用いて心を整えられる技能の証明』と説明しています。『技能』ということは、マインドフルネスで推奨されているような瞑想法を習得している、ということです。

つまり、ただ知識として理解するのではなく、心を安定させるための方法として実践することができる(あるいは、実践方法を知っている)、ということです。

そして、マインドフルネスの実践は『集中力・創造性・ストレス対応力・幸福感』を高めてくれます。

受講料は、もっとも安い金額では、割引価格の39,600円で、教材を購入して、学習することができます。これは、インターネットから申し込んで、一括払いを選択したときの金額となります。

ただし、インターネット以外の申し込みによる受講を選んだ場合には、割引が適用されません。もしも、講座の申し込みを考えておられる場合には、各自の経済的な状況をふまえて、お支払い方法を選ぶことをおすすめします。

講師は、禅宗の住職でありながら、精神科医でもある、川野泰周先生です。川野先生は、マスメディアでも、マインドフルネスについて、情報を発信しています。

マインドフルネススペシャリスト資格の特徴

マインドフルネスについての資格は、わが国でも、すでに、いくつかの組織による認定制度があります。もしも、それらの資格を、ほかの精神医療関係の資格にプラスするならば、瞑想を利用した治療法のエキスパートとして、重宝されることとなります。そのようにして、カウンセラーとして開業をする方々もいます。

欧米式のマインドフルネスは、わが国で注目されるようになってから、まだ、数年ほどの歴史しかありません。マインドフルネスについての知識や技能をもっている、というだけでも、希少価値はあります。

もっとも、マインドフルネススペシャリストの資格には、国家資格や、それに準ずるほどの権威はないようです。たとえば、2019年に国家資格として設置された公認心理士ならば、精神疾患の治療に携わるような方々の中でも、エキスパートとして、認められています。それは、臨床心理士よりも信頼性が高い肩書きです。マインドフルネスについての資格は、それほどの権威があるわけではありません。

しかし、だからといって、その知識が実際の治療に役立たない、というわけではありません。マインドフルネスがうつ病などを改善する効果がある、ということは、脳の断面図を解析するなどといった実験によって、証明されています。権威の有無ということは別の問題としても、治療法としては、効果があるのです。

大学などで、学術的にマインドフルネス研究に携わるような方々のうちには、アメリカに渡って、心理学や神経科学といった分野から見た瞑想の効果を学んでいる専門家もいます。

マインドフルネススペシャリストの学習においても、また、そのような研究成果の概要を知ることができます。内容や情報量では、JDPAのテキストは、初心者にわかりやすいように構成されていますけれども、瞑想が心や脳にどのような効果をもたらすのか、などといったことの根拠となるデータは、豊富に掲載されています。

マインドフルネススペシャリストはどのような勉強をすれば取得できる?

マインドフルネススペシャリストの学習内容は、マインドフルネスについての基礎的な知識と、実践向けの正しい瞑想法です。

学習は《マインドフルネス実践講座》のテキスト3冊と、確認テストで進行します。

3冊などというと、分厚いような印象を受けるかもしれません。

しかし、これらのテキストは、1冊につき、ページくらいの分量となります。わずか50ページならば、たとえ1日2ページ学習するだけでも、1ヶ月でできます。全体的な学習の修了は、3ヶ月という設定のプログラムですから、この構成は、親切といえます。講座のサポート期間は、700日となっています。急ぐ必要はありませんけれども、できれば、モチベーションが高まっているうちに、学習を進めておくとよいです。

現代におけるマインドフルネスの意義や、呼吸瞑想や静坐瞑想の実践方法を学びます。インターネットで、具体的な瞑想の仕方を、動画を見ながら練習することもできます。

じゅうぶんに学習できたあとで、それぞれに対応した試験を受験することとなります。

そして、それらの試験に合格したならば、JADPによる、認定試験を受験することとなります。この試験の正答率が70パーセント以上ならば、晴れて合格となります。

各試験は、すべて、在宅で受験することができます。教材を取り寄せたときに付属している解答用紙を郵送する方法のほかにも、ウェブサイトから、オンラインで受験することもできます。

ここ2〜3年のあいだに、新型コロナウイルスの蔓延にともなう外出自粛要請によって、瞑想法を習得するための講習は、中止や延期を余儀なくされた時期がありました。

しかし、通信講座や、オンラインならば、講義がキャンセルとなる心配はありません。いつでも、学習者が自由に使える時間を利用して、学ぶことができます。

学習することのメリット

キャリアアップのために学ぶ場合のメリット

今のところ、マインドフルネスの資格は、民間の団体によるものだけです。国家資格は、ありません。

しかし、もしも、ほかの心理学系の資格も取得しているならば、マインドフルネススペシャリストは、補助的な資格として利用することができます。マインドフルネスについて、一般の方々よりも知識や理解がある、ということの証明にはなる、ということです。

また、肩書きを活かして、自分でマインドフルネス・サロンを開業する、という方法もあります。たとえ、民間の資格でも、使い方しだいでは、世間に通用するようなものとなるのです。その場合には、ヨガのインストラクターなどといった資格も、役立ちます。

もともと、精神医療に携わっているような方々や、臨床医を目指している方々にとっては、マインドフルネスを学習することは、資格を取得する目的と一致していることとなります。事実、認知行動療法とマインドフルネスを組み合わせる治療法は、わが国でも、実践されるようになっています。

ビジネスの領域でも、マインドフルネスは注目されています。社員一人ひとりによる生産性をアップさせるための瞑想プログラムが、必要とされているのです。

現代は、マルチタスク型の業務形態が常態となっています。複数の業務を同時に処理することが求められているのです。

このような状態は、マインドフルネスの観点から見るならば、注意力が散漫となりやすい状態です。雑念が湧きやすい脳の状態は、神経科学では、デフォルトモードネットワーク(DMN)とよばれています。DMNの状態は、ネガティブな雑念も湧きやすい状態です。このとき、われわれの脳から集中力が奪われてしまいます。複数のことを同時にこなす、ということは、脳にとっては、あまり自然な状態とはいえないのです。

しかし、そのような複雑な環境でも、集中力を保ちながら、雑念を手放すことができるようにしなければいけません。

だから、いくつかの大企業では、社員向けの瞑想会が開催されています。アメリカの大企業で瞑想プログラムが実践されていることは、よく知られています。

そして、近年は、わが国でも、ビジネスの領域で、瞑想が取り入れられるようになっています。毎日の業務に追われている社員にたいして、忙しさから解放される時間を提供するために、マインドフルネス講習が企画されているのです。

もしも、予備知識として、マインドフルネスを学習して理解を深めておくならば、学習者だけではなく、その周りの社員にも、あらかじめ教えておくことができます。そうすることによって、瞑想会そのものが、進行させやすくなります。

自己の心を安定させる

マインドフルネスを学習することは、また、学習者が、自己の心を安定させるための実践法を学ぶことでもあります。マインドフルネスの集中力を保つための瞑想をプロの講師から学ぶことができるならば、その方法を、各自で実践することもできるようになります。

神経科学による研究では、マインドフルネスの実践は、うつ病や統合失調症を改善する効果がある、ということが確認されています。瞑想の習慣は、記憶をつかさどる脳の部位である、海馬などに、良い影響を与えるのです。

そして、自己の心を正しく整えたならば、生活の中で、その集中力を発揮することができます。

精神的な価値観として

禅は、マインドフルネスの瞑想法だけではなく、その思想的な基礎となっています。

わが国では、禅の思想は、日本人の心をつくりあげるものの一つとなりました。国内に仏教が伝わってから、1200年以上の歴史の中で、修養のための精神統一として、禅の瞑想法が実践されてきたのです。

たとえば、わが国に曹洞宗の禅を伝えた僧侶であった、道元は『只管打坐』『修証一致』という心構えを説きました。『只管打坐』というのは、ただ坐禅を組むことに集中する、という意味です。『修証一致』というのは、集中状態をつくることを目指すのではなく、坐禅を組んでいるありのままの姿がマインドフルな状態である、という意味です。

このように、マインドフルネスをつうじて、生き方としての、禅の思想を知ることができます。仏教の思想に興味をもっておられるような方々ならば、学習や、自己の瞑想体験をつうじて、このような、禅の思想を経験しながら学習する、ということも可能です。

そして、禅の考え方を精神的なささえとしながら、マインドフルな生活を送ることができるようになるのです。

もっとも、マインドフルネスを学ぶからといって、信仰心をもつ必要はありません。事実、臨床やビジネスで活用されているような瞑想は、仏教の教義から切り離されて考えられることが多いです。アメリカの研究者には、とくに、信仰と瞑想をべつのものとして考える傾向があります。

まとめ

マインドフルネススペシャリストの資格は、通信講座によって取得することができます。

基本的に、マインドフルネスの知識や実践方法は、だれでも使うことができるようなものです。瞑想のプログラムは、セラピストやビジネスマンだけではなく、万人のためにあるのです。

精神医療の領域では、精神疾患から回復した方々が、カウンセラーやセラピストについての勉強をはじめる、ということがあります。彼らは、その回復したという体験をつうじて、治療法に興味をもちはじめるのです。

そして、その過程で、患者だった人が、癒やす側の人物となる実例があります。そのような人物が、治療を受ける側の気持ちを理解していながら、治療を施す側の人間として、役割をになうこととなります。

もしも、マインドフルネスをつうじて、自己の心が安定したり、幸福感が高まっていることを実感したならば、その経験を、ほかの人にも伝えることができるようになるのです。

生き方そのものをポジティブなものとしてくれるような学習内容をもった講座は、あまり多くありません。マインドフルネスにかかわる資格は、取得するまでの過程が、その人の心によい影響を与える、という点において、貴重な財産となります。

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