人と関わる中で自分が与えたあと「こんなにもしてあげているのに……」と、相手がなにもしてくれないことに不満を抱く人が多いはず。
性質的に人は、してあげたことに対して見返りを求めてしまう生き物であり、そして人の脳は自分がしたことに対して裏切られることを嫌います。
そのため「ギブばかり……」と、思い悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
また、ギブばかりをしていると常に物事を損得勘定で考えてしまうことも増えてしまうのです。
今回はそんな、ギブアンドテイクでギブばかりについて解説します。
いつも与える側ばかりで悩んでいる人の参考になれば幸いです。
ギブアンドテイクでギブばかり?
日本人は多くの人がギブアンドテイクで、ギブばかりしてしまうのではないでしょうか。
主に自分よりも周囲を大切にする人が多いため、
- あまりにも優しすぎる
- 押しに弱く断れない
- 誰かの役に立ちたいという想い
- 自分のことは後回しにしてしまう自己犠牲な性格
このような人は特にギブばかりをしてしまう傾向にあります。
また、誰かが困っていると見過ごせず、誰かの役に立つことを喜びと感じている人は特にギブばかりなことが多いのではないでしょうか。
そのため、自分では気づかないうちにギブの状態に疲れを感じたり、不満が溜まって多くのエネルギーを奪われてしまうことがあるのです。
ギブアンドテイクでギブばかりの人の特徴
キブアンドテイクでギブばかりの人は、ギバー(Giver)と呼ばれています。
そんな与える側のギバーの特徴を持っている人は、
- 惜しみなく他人に与えられる
- 相手がなにを求めているのか理解できる
- 見返りは一切求めない
- 基本的に自己犠牲型
- 他人中心の思考を持っている
このような特徴を持っている人が多いのではないでしょうか。
どれほど大変な状況であってもギブの人は他人思考を持っているため、自分を犠牲にしてまで相手に手を貸してしまうのです。
そのため、余裕のないときになにか頼まれてしまったり、お金を貸して自分が大変な状態になることも少なくありません。
その結果、ギブしすぎてしまう状況に疲れを感じてしまうのです。
ギブアンドテイクでギブばかりの問題点
他人を想ってギブばかりになってしまうことは問題ありません。
しかし、与えること・受け取ることのバランスが取れずに崩れてしまうと、自己犠牲を強いられることや、共依存してしまうことがあるため注意が必要になるのです。
もし、他人に対して必要以上にギブしていると自分の時間やエネルギーなどを奪い取られることになるため、ストレスを感じて健康に大きな影響が現れてしまうことも少なくありません。
また、相手から甘えられたり頼られることで依存されてしまい、その状況に最終的には共依存に陥ることも。
そのため、自分の責任や役割が増えることで負担を感じ、気づかない間にキャパオーバーの原因になることもあります。
ギブアンドテイクは相手が求めるものだけではなく、自分の求めるものを相手から受け取ることも大切。
ゆえにギブアンドテイクのバランスの取れた関係が重要となってしまうのです。
ギブアンドテイクでギブばかりに陥る原因
人はどんな人であっても困っている人がいれば、手を差し伸べたいという想いを抱いているはず。
しかし、ギブばかりの人は相手を想うあまり必要以上に困っていると助けてしまうことがあるため、ギブしすぎている現状に疲弊してしまうことがあるのです。
どのような理由からギブばかりしてしまうのでしょうか。
無意識に過度な見返りを期待してしまう
ギブアンドテイクの中で最も疲れを感じやすいことは、過度な見返りを期待してしまうことでしょう。
人は無意識レベルで誰かに与えたものに対して同じもの・それ以上の対価を受け取るべきといった思考を持っているのです。
このような「これだけしたんだから、これくらいのお返しは当然でしょ?」などと求めることを心理学では社会的交換理論と呼ばれています。
誰しもがこの社会的交換理論を持っているため、ギブアンドテイクで疲弊してしまう多くの人は以下の反応が現れてしまうのです。
- 見返りがあることを要求する
- 見返りがなかったり少ないことに落胆する
- 自分が相手にギブした以上の見返りを求める など
ギブばかりをしていてもこのような気持ちから期待をしてしまっているため、相手が自分の思うような見返りをしてくれないことに失望してしまいます。
まずは、自分のためにも誰かに期待しないことを最小限にすることが大切。
自分にとって希少なものを与えてしまう
希少なものを惜しみなく相手に与えてしまう人も、ギブアンドテイクで疲弊してしまう原因となります。
- 余裕のない状況でも頼まれると引き受けて断れない
- 時間がなくても相手に手を差し伸べて自分のことまで手が回らない
- 経済的に厳しい状況であったとしても相手のためにお金を貸したり奢る など
このようにどのようなことを頼んでも断れずに引き受けてしまうのです。
テイカーばかりにギブをしている状況も疲弊する原因となります。そのため、周囲からは「良い人」と思われることで余計に、ギブばかりな状況を自ら作り出しています。
また、ギブばかりな人は断ることもできないことから良い人、都合の良い人と見られてしまうこともあるのです。
こうした人は過度に自分を過小評価しており、自分を安売りしている傾向があるのかもしれません。
テイカーばかりにギブしてしまう
テイカーばかりにギブをしている状況も疲弊する原因となります。
テイカー(Taker)
他人に与えるよりも、常に自分が多くを受け取ろうとする人。
自分が得することだけしか考えていないため、与えてくれた人にお返しなどしない傾向があります。
特に仕事では自分の評価に繋がる業務だけしか取り組まない、周囲の状況は考えずに自分のメリットだけを考えているのです。
このような特徴を持っているため「相手が困っているから」「相手が求めているから」などという理由から手を差し伸べてしまうと、テイカーばかりにギブしてしまう原因になりかねません。
困っているからといって、必ずしも助けなければいけないことはないのです。
自分の気持ちや状況を考え、ギブするポイントを見つめ直すことが大切になります。
ギブアンドテイクでギブばかりに疲れないためには?
ギブアンドテイクでギブばかりな状態にストレスを感じないようにするには、余裕のあるものから順番にギブしていくことです。
頼まれてしまったからといって無理をして相手にギブしてしまうとストレスを感じ、エネルギーが悪いものへと変わってしまいます。
ゆえに頼まれた際、気持ちやスケジュールにも余裕があるのならば引き受けていいでしょう。
しかし、余裕がないのにもかかわらず「断ったら相手が困るよね……」など、相手中心に考えてしまうとすべて引き受けることになり、そんな状況に疲弊してしまうはず。
そのため、ギブする前に現在の状況をきちんと考え、その後にギブするかどうかの判断をすることが大切。
また、ギブした相手からテイクしないこともポイントになります。
人はどうしてもギブした相手に期待をしがち。
ですが、期待してしまうから実際なにもしてくれないことに落胆し、期待していただけ疲れてしまうのです。
本来、ギブは見返りを求めない純粋な気持ちから生まれるもの。
そのため、純粋な気持ちで与えることができれば見返りは気になることがないはずです。
まとめ
ギブアンドテイクでギブばかりについて解説しました。
多くの人が困っている人を目にすると放っておくことができずに相手のためを思い、手を差し伸べてしまう人が多いのではないでしょうか。
そのときの自分がどれほど余裕がない状況であっても「相手の助けになれるなら……」と、ほとんどの人がギブしてしまうはず。
しかし、自分を後回しにしてギブばかりをしてしまうとエネルギーを奪われてしまったり、気づかないうちにストレスを溜め込んでしまうことになりかねません。
そのため、すべてをギブしてしまうのではなく自分の状況などをしっかりと見つめ、余裕のあるものから与えていくことが大切になります。
そうすることで相手に依存されることもなくなり、自分の気持ちにも余裕が持てるようになり、ギブばかりになることは少なくなるはずです。
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