昨今の不安定な社会情勢から、将来の不安を補うために貯金をする人も多いかもしれません。貯まっていく貯金残高を眺めては安心する。貯金が順調に増えていくと、嬉しくなりどんどん増やしていきたいと感じ、貯金が生きがい=趣味のようになってきてしまう場合も。
人生にはさまざまな出来事があり、引っ越しや結婚などライフスタイルの変化に応じて時には大きな出費をしなくてはいけないときもあります。貯金があれば悩む必要なく行動に移すことができるため、ある程度の貯金は必要であると言えます。
しかし、人生の楽しみが貯金だけになってしまうと将来後悔してしまう可能性があります。ここでは、貯金が楽しすぎて貯めることに生きがいを感じている人の特徴や貯金しすぎて後悔した事例を紹介します。
貯金が楽しい人の特徴
貯金をゲーム感覚で捉えており、100万達成、500万達成とクリアしていく事に喜びを感じています。一般的に貯金をする際には、何かの目標のために貯金を開始する場合が多いです。
貯金が楽しい人は貯金自体を目標としているので、貯金=趣味として毎朝出勤前に通帳を見て仕事を頑張る人もいるほど。そのため、節約などは苦にならず
- 頑張れば頑張っただけ増える
- 預金通帳の残高を見るのが楽しい
などと感じている人が多いです。国民的スターである嵐の二宮和也氏も、預金通帳の残高を見るだけで幸せな気分になるとし、500円玉貯金箱を抱きかかえて眠るほど貯金を楽しんでいる1人と言えるでしょう。
しかし、二宮氏と同じように
- 後輩とはご飯にい行かない
- 先輩には必ず奢ってもらう
- レジでは財布を出さない
などのドケチ行為は、私たちがやっても同じよう愛されないので注意しましょう。
20代の貯金事情
自分が貯金をしすぎているのか、それとも平均なのか…。自分が楽しんで貯金をしていれば、他の人の貯金額など気にならないかもしれません。しかし、自分が貯金をしすぎているのか気になっている場合は、下記の表を参考にしてみてください。
なかなか身近の人に確認することができない貯金事情。ここでは、年代別と20代の貯金事情について統計を用いて紹介します。
年代別貯金額
令和2年に金融広報中央委員会が実施した統計によると、単身者の各年代別の貯金額は以下のようになります。
年代 | 平均貯金額 |
20代 | 77万円 |
30代 | 167万円 |
40代 | 263万円 |
50代 | 322万円 |
全体 | 276万円 |
20代の平均貯蓄額は77万円、30代では167万円と倍近い資産が増えていることが分かります。社会人としてスタートを切ったばかりの20代と働き盛りの30代では手取り収入の違いからも貯金額に影響が出ていると言えます。
その中でも、株や投資などの資産も含める全体の平均貯蓄額は、全体の平均貯金額276万円を大きく上回り653万円という結果となっています。
また、2019年と比較し金融資産残高が増加した世帯は23.4%となり、いろいろな方法で資産を増やしています。増加した世帯の中でも、定期的な収入から貯蓄する割合を引き上げた世帯は増加しており、貯蓄への意識の高さがうかがえます。
20代の貯金事情
20代は学生生活終え、社会人としての土台をつくるための大切な時期です。まだまだ手取りが少なく生活が厳しいと感じている人も多いのではないでしょうか。働いている全世代の平均年収は約433万円です。
20代は約311万円なので、上手にやりくりをしながら生活に必要な金額を除いて、貯金をしなくてはいけません。そのため20代の多くは、金融資産の合計が100万円未満の割合が49.9%となっています。
その中でも、金融資産の合計が1,000万円を超えている人も存在するから驚きです。1,000万円を超える人の割合は全体の2.9%とわずかながら、確実に存在します。
それだけの資産を保有している背景は分かりませんが、平均よりも貯金をしている人が多いということが分かります。
金融資産保有額 | 割合 |
100万円未満 | 49.9% |
100万~200万円未満 | 15.5% |
200万~300円円未満 | 8.4% |
300万~400万円未満 | 6.3% |
400万~500万円未満 | 4.4% |
500万~700万円未満 | 5.2% |
700万~1,00万円未満 | 3.0% |
1,000万~1,500万円未満 | 1.6% |
1,500万~2,000万円未満 | 0.8% |
2,000万~3,000万円未満 | 0.5% |
3,000万円以上 | 0.0% |
貯金をしすぎて後悔した理由
貯金にこだわるあまり、周りが見えずさみしい生活をするのはおすすめできません。逆に、身の丈に合わない浪費を繰り返し、いざという時のお金が工面できなかったり老後のお金がないのも問題です。お金を貯金するのも消費するのも、バランスが大切です。
後悔しないお金との付き合い方を学ぶ必要があります。貯金をしすぎて後悔している人の中には、さまざまな葛藤や悩みを抱えています。ここでは、貯金だけにとらわれて後悔した事例を紹介します。
お金が増えない
低金利のため、銀行に預けてもお金を増やすことはできません。
親世代が経験したバブル時代。1985年では、年5.5%もの利息がもらえていたため、銀行に預けるだけで資産は増加していました。年5.5%で100万円を銀行に預けていた場合、利息として55,000円貰える計算になります。(税引き前)
何もしなくても、預けておくだけで55,000円もの臨時収入があったら旅行にも行けちゃいますね。しかし、昨今は低金利のため銀行に預けていても、お金は増えていきません。
2022年は普通預金の利息は年0.001%となり、100万円預けていてもわずか10円の利息しか付きません。(税引き前)
同時に銀行に預けた資産が1,000万円を超えても、銀行は1,000万円しか保証してくれません。もし銀行が破綻をしてしまった場合、手元には1,000円しか戻ってこないのです。日本人は銀行に対する絶対的な安心感を持っています。
しかし、1997年には大手銀行が破綻した過去があります。後悔しない選択をするべきと言えるでしょう。
お金の使い方が分からない
貯金が同世代と比較して多い人ほど、お金の使い方が分からないと悩んでいる人がいます。「使えるお金はあるのに、何に使ったらいいのか分からない」という場合は、自分にとって心が満たされるような、生活を豊かにするものにお金を使うのがおすすめです。
普段使っている物を少し高級タイプに変えてみる
この記事を見ているパソコンやスマートフォンのランクを上げてみると、他の使い方が思い浮かぶかもしれません。現在のスマートフォンは進化しています。
カメラの画素数にしても、セキュリティにしても、少しランクを上げるだけで、活用の幅が広がり、便利かつ快適に過ごすことができます。同時にお金を使い新しい経験をすることで、視野が広がる可能性も秘めています。
交友関係が少なくなる
節約を意識するあまり、飲み会やイベントを断っていませんか。もちろん、必要のない飲み会に参加するのは時間的にも、金銭的にも無駄です。しかし、損得勘定抜きで付き合うことができる友人は大切にすべきです。
お金だけが全てでは、長い人生で寂しく空しい思いをしてしまう可能性があります。また貯金額やお金の問題は、身内でもタブーとされる話題の1つです。貯金額が多くなっても、友人に話すことはせず周りと同じように「お金がない」などと話を合わせている人もいます。
心の根底では、
- お金が大好きな人と周りに思われたくない
- 節約しているケチだと思われたくない
などと無意識に嘘をついてしまいます。そのため「お金がない」という人ほど貯めている可能性もあるので、親しい間柄の人の言葉でもお金に関する答えは真実とは限りません。交際費もメリハリをつけて、信用できる友人と楽しい日々を過ごせると良いですね。
貯金貧乏
貯金ばかりに気を取られ、普段の生活を送るために必要なお金まで貯金に回してしまっては、本末転倒です。お金は、生活を豊かにするためのツールにしかすぎません。貯金のしすぎで生活が苦しいようでは、その貯金方法はあなたに合っていないと言えるでしょう。
貯金貧乏と言える人は、将来に不安があったり、過去に貧乏だった経験からお金を使うことに抵抗を感じ、貯金をしすぎてしまう傾向があります。
過去にお金がなく生活が苦しかった人の多くは、いくら稼いでもいくら貯金しても、あの頃に戻りたくないとお金に対するトラウマを抱えて生活しています。
将来の不安から、お金の見通しを立てることができず、自分が欲しいものよりも値段の安いものを選択し購入してしまいがちです。人生を妥協で過ごしてしまうので、楽しみを見いだせずによりお金に執着するようになってしまいます。
自己投資をしていない
自分自身を成長させるためにも、自己投資にかけるお金は必要です。自己投資と言ってもさまざまです。
- 資格取得やスクールなどで学びに対するお金を使う
- 行ったことのない場所を訪れる
- やったことのないことを経験するためにお金を使う
- 能力を成長させるのか
- 人間性を成長させるのか
将来のために自己投資をすることで大きな成長を望めるでしょう。若いうちの苦労は、経験値を積むためにも必要です。同じ経験を20代でしても30代でしても、年代で、心が感じる内容は変わります。
その時しか感じることのできない充足感を得ることで、何かを始めるきっかけにもつながります。最近Instagramなどでは、自転車で日本一周などを発信しているユーザーもいます。これも自己投資の1つです。
自分の時間やお金を使い、日本全国でいろいろな人と接し成長できることができるからです。
貯金しすぎて後悔しないためには
お金を貯めるにしろ後悔しないためには、貯金のゴールを明確にすることが大切です。
病気やけがで働けなくなった場合や不測の事態に備えるためなどに対応できるよう生活防衛資金を貯める必要がある
1人暮らしの場合の生活防衛資金は、3ヵ月から6か月暮らせる分の預貯金があれば、ある程度は安心して過ごすことができます。自分が1ヶ月生活するうえで必要なお金を計算し、生活防衛資金を貯めてから貯金をするようにしましょう。
生活防衛資金を貯めたうえで、自分がしたいこと買いたいもののゴールを決めお金を貯めることで、ストレスなくお金を使うことができます。
100万貯まるごとに自分へのご褒美として欲しかったものや行きたい場所へ出かける
それを繰り返すことで、貯金をしながらお金を使うことも楽しめるようになります。もし貯金のゴールまでに時間がない場合などは、貯金を優先しても大丈夫です。同様に、100万円ではなく50万円など、ゴールを短く設定しても大丈夫です。
楽しみながらお金を貯め、必要に応じてお金を使うことも楽しめるのが1番です。
まとめ
20代、30代の頃に、お金だけにとらわれ日々節約をしてお金を貯める事だけに集中すると、人生の転機を逃してしまい後悔する可能性があります。
また、お金を使いたくなく欲しいものや行きたい場所を我慢していても、将来あの頃にやっておけばよかったと後悔するかもしれません。貯金は、将来の生活を豊かにするために貯めるべきものです。
今使っているお金も、もしかしたら将来の自分を成長させるために必要なお金かもしれません。貯金か消費にこだわるのではなく、バランスの取れたお金を使うことが大切です。今の身の丈に合った生活を心がけ、柔軟に動けるようなお金の使い方をしたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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