転職は、人生において重要な節目です。働いてお給料を貰わなくては、生活に必要なモノはもちろん友達との付き合いや娯楽など、楽しんで生活はできません。人生の中で大半の時間を費やす仕事をするにあたって、誰もが過酷な労働環境で身体を壊してしまったり、複雑な人間関係で精神的に疲弊したくありません。
「ブラック企業だから辞めたい」
「成長できる環境じゃないから、将来性が見込めない」
など、不満を抱えながら仕事をすることなくできれば長く勤められる会社で働きたいですよね。
今回は、やめておいた方がいい仕事やその理由、今後伸びていく業界について紹介します。
やめておいた方がいい仕事
心身ともに負担が大きい仕事はやめた方がいいと言えるでしょう。仕事を続けていくうえで、過酷な労働環境に慣れてしまい気づかないうちに疲弊してしまうケースや、言い出せないままずるずると続けてしまうケースもあります。
ここで挙げる仕事が一概にダメというわけではありません。下記の業界のなかでもホワイト企業と呼ばれる充実した手当や保証がある企業もたくさんあります。
やりがいをもって出来る仕事か自分に合った仕事かなど、働いてる姿を想像できる仕事かどうかをしっかり考える必要があると言えるでしょう。
後悔のない仕事選びをしましょう。
AI代替可能な仕事
2015年に発表された、野村総研と英オックスフォード大学の共同研究の資料によると、2030年には労働人口の約49%の人がついている仕事が、AIに代替される可能性を秘めているとしています。この資料には、今後人工知能やロボット等による代替可能性の高い100の職業を紹介しています。
- 代替の可能性のある職業100
IC生産オペレーター | こん包工 | 電子計算機保守員(IT保守員) |
一般事務員 | サッシ工 | 電子部品製造工 |
鋳物工 | 産業廃棄物収集運搬作業員 | 電車運転士 |
医療事務員 | 紙器製造工 | 道路パトロール隊員 |
受付係 | 自動車組立工 | 日用品修理ショップ店員 |
AV・通信機器組立 | 自動車塗装工 | バイク便配達員 |
駅務員 | 出荷・発送係員 | 発電員 |
NC研削盤工 | じんかい収集作業員 | 非破壊検査員 |
NC旋盤工 | 人事係事務員 | ビル施設管理技術者 |
加工紙製造工 | 新聞配達員 | ビル清掃員 |
貸付係事務員 | 診療情報管理士 | 物品購買事務員 |
学校事務員 | 水産ねり製品製造工 | プラスチック製品成形工 |
カメラ組立工 | スーパー店員 | プロセス製版オペレーター |
機械木工 | 生産現場事務員 | ボイラーオペレーター |
寄宿舎・寮・マンション管理人 | 製パン工 | 貿易事務員 |
CADオペレーター | 製粉工 | 包装作業員 |
給食調理人 | 製本作業員 | 保管・管理係員 |
教育・研修事務員 | 清涼飲料ルートセールス員 | 保険事務員 |
行政事務員(国) | 石油精製オペレーター | ホテル客室係 |
行政事務員(県市町村) | セメント生産オペレーター | マシニングセンター・オペレーター |
銀行窓口係 | 繊維製品検査工 | ミシン縫製工 |
金属加工・金属製品検査工 | 倉庫作業員 | めっき工 |
金属研磨工 | 惣菜製造工 | めん類製造工 |
金属材料製造検査工 | 測量士 | 郵便外務員 |
金属熱処理工 | 宝くじ販売人 | 郵便事務員 |
金属プレス工 | タクシー運転者 | 有料道路料金収受員 |
クリーニング取次店員 | 宅配便配達員 | レジ係 |
計器組立工 | 鍛造工 | 列車清掃員 |
警備員 | 駐車場管理人 | レンタカー営業所員 |
経理事務員 | 通関士 | 路線バス運転者 |
検収・検品係員 | 通信販売受付事務員 | |
検針員 | 積卸作業員 | |
建設作業員 | データ入力係 | |
ゴム製品成形工(タイヤ成形を除く) | 電気通信技術者 | |
会計監査係員 | 電算写植オペレーター | |
上述の表を見てもわかる通り、事務職の多くがAIに代替される可能性があるとしています。
出典:野村総研
過酷な労働条件の仕事
過度のノルマや残業や休日出勤の多い仕事、ストレスを抱えやすい仕事は肉体的にも精神的にも負担が大きくなってしまいます。
下記の挙げた業界の一例は、他の職業と比較して人出不足から長時間勤務などストレスを抱えやすい仕事と言われています。
- 保険業界
- 金融業界
- 飲食業界
- 宿泊業界
- 介護業界
- 運送業界
- マスコミ業界
- 教育業界
なかでも保険業界は、過度のノルマから知人や友人を勧誘しなくてはいけない状況になり、孤立してしまう可能性も少なくありません。また昔ながらの古い考えの上司も多く、パワハラが横行していたり、顧客の都合に合わせて休日出勤なども日常茶飯事です。なかにはノルマなしの会社もありますが、基本給が低く歩合制となっており、結果的に保険を売らないと生活をしていくだけの給与を得られないのが現状です。
しかし、本気で覚悟を決めた人にとっては年収1,000万超えを達成することも出来る業界なので、やりがいをもってやることができれば成功できるとも言えるでしょう。
離職率が高い仕事
令和3年の1年間のうち、離職率が高い業種は「宿泊業、飲食サービス業」「卸売業、小売業」「医療、福祉」です。
なかでも宿泊業、飲食サービス業は令和2年の1,258.5千人と比較しても増加しており、1,270,9人となっています。卸売業、小売業と医療、福祉は令和2年の離職者数よりも減少し、卸売業、小売業1,167.2千人、医療、福祉は1,056.4千人です。
全産業のうち宿泊業や飲食サービス業は、圧倒的に離職率が高くなっています。その要因として、下記が挙げられます。
- 常に人材不足のため労働時間が長くなる傾向がある
- 世間一般的な土日休みなどが取れず不規則な勤務状況になりやすい
- 低賃金の仕事が多く、残業代などが出ない場合がある
- キャリアアップが望めず、成長する機会がない
しかし、離職率が高いからこそ転職がしやすい市場であることも確かです。求人サイトを開くと必ずあるのが宿泊業や飲食業界です。転職しやすいからこそ、離職率も高くなってしまうと言えるでしょう。
どこの会社にも言えますが、多くの企業は長く勤めてくれる人材を探しており、他よりも魅力的に見えるよう雇用条件を良くしたり、労働環境の見直しを行っています。
出典:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」
スキルアップが見込めない仕事
やりがいをもって仕事を行うことで、単調な時間でも充実した毎日を過ごすことができます。逆にやりがいがない仕事に就いた場合、モチベーションを維持できず心身ともに疲弊していってしまうかもしれません。
スキルアップが見込めない業種の一例は下記です。
- コールセンター
- 接客業
- サービス業
- 工場・軽作業
毎日の多くの時間を占める仕事だからこそ、自身の将来性を高めるためにもスキルアップが見込める仕事に就くべきだと言えるでしょう。
事業規模が衰退している仕事
衰退産業と呼ばれる企業は、今後も市場規模が減少していくことが予想されます。時代の変化に対応できなければ、倒産やリストラなどで人員削減せざるを得ない状況になるかもしれません。
- ブライダル業界
- レジャー業界
- 建設業界
- 出版業界
- テレビ業界
- 士業
- 旅行業界
- アパレル業界
なかでも出版業界では、順調に売り上げを伸ばしていた平成8年から、下降し続けています。平成9年には消費税が3%から5%に増税、インターネットやスマートフォンの普及、加えて少子高齢化と、特に雑誌の需要が減少し休刊になった雑誌も多いです。
今後もITが進化していく事から、今後も雑誌や書籍の分野が伸びていく可能性は低いと言えます。
しかし、教育分野の書籍の需要は根強い人気を誇っています。平成28年には、雑誌と書籍の売り上げが逆転しています。今後も資格関連や児童書など一定の需要がある書籍を扱っている出版社やファンが多くいる漫画や小説などを扱っている出版社、映画やアニメ化などの収益源のある出版社は、衰退の可能性が低いと言えるでしょう。
これから伸びる業種
AIの進化により、今までは人が行ってきた仕事もAIに代替されていく業界が増えています。将来性を見据えて安心して長く働くためにも、AIに代替されない仕事を選択する必要があります。例えば、人と人が接することで成り立つ仕事です。保育士や教師、カウンセラーなど人の感情や感性を大切にする仕事はAIに代替されにくい仕事と言えるでしょう。また、少子高齢化の影響で、今後も福祉事業の需要が増加します。
医療や介護と言ったサポートはもちろん、高齢者向けの娯楽や交通、食品なども大きな可能性を秘めています。他にもライフライン関係で水や電気、食料といった生活に欠かせない仕事は今後も安定して伸びていく事が予想されます。
IT業界
IT業界は、今後最も将来性が期待されている分野です。私たちの生活に欠かすことができなくなったインターネットの発展にはIT技術が必要不可欠です。ビジネスはもちろん、ネットショッピングやメール、YouTubeなどの動画配信などさまざまツールでIT技術を使用しています。経済産業省が発表したデータによると、IT業界(情報サービス業)は順調に売り上げを増加させています。
令和3年にはデジタル庁が設立され、日本におけるデジタル化を加速することが期待されています。しかし、デジタル化の発展に必要なIT人材が不足していることが大きな問題となっています。この調査結果によると、2030年には最大で約79万人ものIT人材が不足するとしており、現在エンジニアなどのIT人材は採用活動において売り手市場となっています。
今後も急成長が予想されるIT業界では、特に人工知能やIoTといった職種の人口が不足すると言われています。IT業界は高年収かつ将来性が期待できるため、キャリアアップも視野に入れて検討してみる事をおすすめします。
出典:経済産業省「特定サービス産業動向統計」
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」
介護業界
超高齢化社会である日本の今後を支えるためにも、介護業界は今後も成長が期待できる分野です。2014年度には8.6兆円だった市場規模は、2025年には18.7兆円にも増加すると予想されている介護サービス。
IT技術の発展により、介護ロボットが導入されたりと介護職の負担も軽減されつつあります。人手不足が深刻になっている介護業界では、売り手市場で就職、転職活動を行うことができます。希望する勤務地や勤務環境、労働条件などを精査してみると気になる求人に出会えるかもしれません。
また、介護ビジネスに進出する企業も増えており、高齢者の介護はもちろん医療や食品、娯楽などをトータルプロデュースする企業もあります。成長産業と呼ばれる介護業界で、社会に貢献しながら、新たな経験を積み挑戦してみるのも面白いかもしれません。
エンタメ業界
新型コロナウイルス感染症の影響から「新しい生活様式」が推奨され、ステイホームに関連する業界の事業は拡大しています。例えば、不要不急の外出を避けるためにネットスーパーなどで必要な食料品や日用品を購入したり、自宅にいながらお店の料理が楽しめるデリバリーサービスを利用する人が増加しました。
自宅で楽しめるようDIYやゲーム、キャンプ用品なども売れ行きが好調です。
特にエンタメ業界は、IT技術を取り入れた動画ビジネスやオンラインイベント、g-無業界などが将来性を期待できると言えるでしょう。
少しずつ改善されているとはいえ、まだまだ人が多く集まるような密な状況は避けた方がいい風潮が残っています。そのためデジタルコンテンツを所有するエンタメ業界は、今後も市場規模を拡大していくと予想されます。
まとめ
今回は、やめておいた方がいい仕事やその理由、今後伸びていく業界について紹介しました。
快適で便利な生活に欠かすことができないIT技術。その進歩により、今後消えていく可能性のある仕事があります。
今から就職や転職を考えている場合は、将来性があり自身のやりがいをもって就くことができる仕事を選択する必要があると言えるでしょう。人生のうち大半の時間を費やす仕事を楽しみながら行うことで、人生そのものを充実させ豊かにすることができます。
悩んだ場合は、やりがいをもって行えるかや自身が成長できる仕事かなどを、選ぶときの判断材料にしてもいいかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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