目の下のクマは、疲れている印象を与えたり、老けて見えたりする原因になります。
クマにはいくつかの種類があり、種類によって原因や改善方法が異なります。
こちらの記事では、クマの種類と原因、治し方について解説します。
クマには4種類ある
目の下のクマには、大きく分けて4種類あります。一般的には色味で分類されます。
- 青クマ
- 茶クマ
- 赤クマ
- 黒クマ
クマの種類と原因
青クマ
青クマは、目元の毛細血管の血行不良によって引き起こされます。うっすらと青っぽい、または紫っぽい色に見える、影のようなクマです。
目元のマッサージをしたり、目元を下に引っ張ったりしてクマが薄くなった場合は青クマである可能性が高いでしょう。
青クマの原因は、睡眠不足や疲労、栄養不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどです。血液が十分に作られず、血流が悪くなることで目元の血行も悪くなってしまうのです。また、肩こりや頭部の筋肉の緊張などによって、顔の血流が悪化している場合も青クマができやすくなります。
青クマを改善するには、まずは生活を整えることが大切です。
茶クマ
茶クマは、目の下に茶色いシミのようなくすみが広がっている状態のことです。
紫外線による刺激や目元をこすったときの摩擦などにより、メラニンの色素沈着が起こることで茶クマが生じます。茶クマは色素沈着によるものであるため、肌のくすみやシミと同様、皮膚自体が茶色っぽい色になっています。そのため、他のクマと異なり、皮膚を引っ張っても色の変化は起こりません。
茶クマの場合は、紫外線対策やスキンケアの見直しが必要です。
赤クマ
赤クマとは、目の下に赤い膨らみが出ている状態のことです。色は茶クマに似ていますが、膨らんでいる場合や、頬骨あたりの皮膚を下に引っ張ると赤みが増す場合は赤クマの可能性が高いでしょう。
赤クマは、目の周りの眼輪筋が衰え、眼窩脂肪が前に飛び出すことで生じます。眼窩脂肪が前に飛び出すと、眼輪筋が圧迫され押し出されたり、血管が圧迫されてうっ血したりするため赤く見えます。通常、眼窩脂肪は飛び出すことはありませんが、眼精疲労や加齢による筋力の低下によって、このような状態になることがあります。
黒クマ
黒クマは、目の下に黒っぽい影のようなものが目立つ状態のことです。黒クマは影によるもののため、上を向いたり、目の下を横に引っ張ったりすると薄く見えます。また、眼窩脂肪の突出と相まってクマが濃く見えることから、赤クマが同時に生じているケースもあるそうです。
黒クマは加齢による皮膚のたるみが主な原因と考えられています。たるみの原因は、肌内部にあるコラーゲンやエラスチンなどの組織が減少することで、肌のハリがなくなってしまうことです。
加齢や紫外線ダメージ、ストレスなどによって肌の老化が進むと、真皮層で生成されるコラーゲンなどの量が減少するため、だんだんとハリがなくなり、たるみが目立つようになります。
また、表情筋の衰えもたるみの原因となります。眼輪筋が衰えると、眼窩脂肪の突出し赤クマになるだけでなく、目元全体のたるみにも影響します。
それぞれのクマの治し方
クマの種類によって原因が異なるように、改善方法や治し方もそれぞれ異なります。
ここでは、クマの種類別に改善方法や治し方について解説します4。
青クマ
血行を良くする
青クマは血行不良によって生じるため、4つのクマの中では比較的簡単にセルフケアができます。
一番簡単な方法は、ホットタオルで目元を温めることです。濡らしたタオルを電子レンジで少し温め、目元に置いて温めましょう。ドラッグストアで販売されている、温かいアイマスクを使うのもおすすめです。
パソコンやスマートフォンなどを見る時間が長い場合、眼精疲労がたまりやすくなります。寝る前や、仕事・勉強の合間などに温めるケアを行うとより効果的です。
首や肩のストレッチ
首や肩のコリも青クマの原因の1つです。デスクワークで首や肩がコリやすい方は、毎日ストレッチをして、筋肉の緊張をほぐしましょう。
また、仕事や勉強の合間に定期的に首や肩甲骨を回すなど、ストレッチを取り入れるのもおすすめです。
姿勢が悪い場合も、顔まわりの血行不良の原因となるため、背筋を伸ばし正しい姿勢を心がけましょう。
頭部のマッサージ
頭部の筋肉の緊張も、青クマの原因の1つです。
入浴中やシャンプーをする際に、指の腹を使って頭皮のマッサージをしましょう。頭皮がじんわりと温かくなるくらいまで、しっかりほぐすのがおすすめです。
青クマの治療方法
青クマが繰り返しできてしまう場合、目の下の皮膚が薄くなっている可能性があります。皮膚が薄いために、血行不良による静脈が目立ってしまうのです。
そのような場合の美容治療法として、皮膚の代謝を上げる光治療、目元に脂肪やPRPを注入して厚みを持たせる方法などがあります。
茶クマ
紫外線対策を徹底する
茶クマは、メラニンの色素沈着が原因のため、肌のターンオーバーを促し、メラニン色素が作られないように予防やケアを行う必要があります。
まずは、目元の紫外線対策をしっかりと行いましょう。日焼け止めを目元にも塗り、紫外線ダメージを防ぐことが大切です。
また、天気の悪い日や夏以外の季節、家にいる日も日焼け止めを塗りましょう。紫外線は1年中降り注いでおり、家の中にいても窓ガラスを通して浴びることになります。
「日差しが強い日にしか日焼け止めを塗っていなかった」という方は、日々の紫外線対策を改善しましょう。
摩擦を減らす
目をこする癖や、クレンジングやスキンケアのときなどに目元に強い力で触れてしまうことがある場合、摩擦による色素沈着が起こりやすくなります。
日常生活の中での、何気ない摩擦を減らしていきましょう。肌をこすらないようにするだけでも色素沈着を防ぐことができます。
スキンケアを見直す
くすみやシミなどに効果があるスキンケア用品を取り入れましょう。
美白効果のあるスキンケア用品を使用することで、色素沈着を防いだり、改善したりすることができるでしょう。美容皮膚科などで相談し、スキンケア用品を決めたり、トラネキサム酸などの服用を検討したりするのもおすすめです。
茶クマの治療方法
茶クマには、光治療やトーニング治療など、メラニン色素を破壊・排出する治療が良いといわれています。
茶クマは肝斑なども同時に生じているケースもあるため、適切な治療を行うことが重要です。肝斑はレーザーなどの強い刺激を受けると、かえって濃くなってしまうこともあるためです。
治療方法は美容皮膚科などで相談し、自分に合った方法を検討しましょう。
赤クマ
目の疲れを防止する
赤クマの原因は、眼窩脂肪の突出であるためセルフケアでの改善は難しいといわれています。
しかし、眼窩脂肪の突出は眼精疲労や筋力の低下などが原因であるため、目の疲れを防止したり、マッサージや表情筋のストレッチで筋力を鍛えたりすることで予防することはできるでしょう。
赤クマの治療方法
赤クマは、眼窩脂肪を除去することで改善できます。
まぶたの裏側を小さく切開し、脂肪を除去する経結膜脱脂を行うことで、傷跡やダウンタイムがほぼなく、目元の膨らみを改善できます。
赤クマはセルフケアで改善したり、自然になくなったりするものではありません。悪化すると他の症状と併合して改善が難しくなるケースもあるため、気になったら早めに医療機関に相談するのが良いでしょう。
黒クマ
肌のたるみを予防する
黒クマもセルフケアでの改善が難しいといわれています。そのため、加齢や紫外線ダメージなどによる肌のたるみを予防することが重要です。
加齢による筋力の低下は、目元の血行不良を防いだり、表情筋を鍛えたりすることが大切です。普段から目元を温めたり、適度に運動したりしてケアをしていきましょう。
また、紫外線ダメージによってたるみができたり、悪化したりすることもあります。茶クマのケア同様、紫外線対策は1年中行いましょう。
黒クマの治療方法
眼窩脂肪の突出がみられる場合は、赤クマと同じように眼窩脂肪を除去するのが良いといわれています。経結膜脱脂によって、まぶたの裏側から眼窩脂肪を除去することで、目の下の膨らみがなくなり、黒クマの原因である影ができにくくなります。
しかし、皮膚のたるみも原因となっているケースも多く、この場合は眼窩脂肪の除去だけでは改善できません。たるみの原因である余分な皮膚も切除し、下まぶたを引き上げる下眼瞼切開を行う必要があります。
下眼瞼切開の代表的な治療法は、大きく分けて2種類の方法があります。1つが皮弁法、もう1つがハムラ法です。皮弁法は眼窩脂肪を除去し、さらに、まぶたの下5㎜~1㎝程度の余分な皮膚を切除して引き上げて縫い留めるというものです。一方でハムラ法は、ふくらんでいる部分の眼窩脂肪を、脂肪が加齢などによって減少してくぼんでいる部分に移動させ、余分な皮膚を切除して縫い留める方法です。
どちらの方法も、まぶたの下を切開しますが、下まつ毛で隠せる形で行えば、比較的傷跡は目立たない治療法だといえます。
場合によっては、ヒアルロン酸注入や、まぶたの裏側を切開する裏ハムラ法で改善できることもあるため、医師としっかり相談した上で検討するのが良いでしょう。
クマの治し方はさまざま
目の下のクマは種類によって、改善方法や治療方法が異なることが分かりました。
セルフケアで改善できるものもあれば、美容医療の治療を受けなければ改善が難しいものもあります。さらに、いくつかのクマや症状が同時に生じている場合は、治療法を組み合わせる必要もあります。
また、病院によって受けられる治療方法も異なります。ここでご紹介した改善方法・治療方法はあくまで一部のため、医師に相談の上、ご自身のクマの種類や症状に合った治療方法を検討しましょう。
おわりに
クマの種類と原因、治し方について解説しました。
クマには大きく分けて4種類あり、原因や改善方法、治療方法は種類によって異なることが分かりました。
セルフケアで改善できるものもありますが、早めに治療を行った方が良いといえるものもあります。気になる場合は美容皮膚科などで相談しましょう。
コメント