晩婚化が進み、生涯独身を貫く女性も増加しつつあります。結婚をするのかは本人の自由でもあるのに、なぜ結婚をしない女性がずるいと言われてしまうのでしょうか。
結婚をしていない人は独身貴族と呼ばれ、自由に人生を謳歌しているように見えます。結婚をすると大概の場合、お金や時間を自由に好きなように使えなくなってしまいます。そのため、結婚生活に満足していない女性が羨ましさから、人生を満喫しているように見える独身女性をずるいと思われ妬まれるケースが多いです。
今回は、一生独身の女性がずるいと思われてしまう理由について紹介します。
独身女性の実態
未婚者が結婚をしない理由はさまざまです。
- 自由を失いたくない
- お金がない
- 出会いがない
独身時代が長くなるにつれて、自分だけのペースで進めることができる自由な時間を求めてしまいがちな傾向があります。また昨今の不安定な市場から、非正規雇用も増え家庭を持つことにお金の責任を感じすぎてしまい結婚に踏み切れない人も多くいます。そもそも人生の選択肢が多様化しており、結婚がすべてではない時代のなか、結婚を選択しない人が増えています。
同時に片方だけが結婚を求めていても、両者が結婚を選択しないと結婚はできません。漫画のような運命の出会いは現実的ではなく、年齢を重ねるにつれて自然な出会いも減ってきます。結婚をしたい人が能動的に動かないと、まず出会えないと言っても過言ではないでしょう。
生涯未婚率
50歳の年齢まで1度も結婚したことがない人の割合を「生涯未婚率」と言います。
引用:厚生労働省「50歳時の未婚割合の推移」
厚生労働省が発表したデータによると、50歳児の未婚割合は1985年の3.9%が、2035年には19.2%に上昇するのではないかとされています。
事実、2020年時点での生涯未婚率は男性28.3%、女性17.8%です。なかでも、30歳男女の未婚の割合は、男性が50.4%、女性が40.5%となっており、約半数以上が未婚の時代です。しかし「結婚がすべて」の時代は終わりつつあり、どのような人生を歩むかは自由に選択ができます。20代のうちに結婚したいと結婚相談所での婚活をする人がいる一方で、少子化や晩婚化など人生の選択肢の多様化によって30歳の未婚率が高くなっているのが現状です。
初婚年齢
引用:東洋経済オンライン
女性の平均初婚年齢は、年々上昇しています。1975年で全国平均が24.7歳だった年齢が、2018年には29.4歳です。上記の図でもわかる通り、26歳をピークに婚姻件数が年々下がり、年齢を重ねるにつれ成婚しづらい状況が見てとれます。近年の婚姻件数は戦後最も減少し、1970年に102.9万件だった婚姻件数が、2020年には52.6万件に減少しています。
30代前半の女性は22%〜36%が5年以内に結婚できると言われていますが、30代後半になると11%〜22%まで落ち込みます。結婚を考えている人は35歳くらいまでが勝負と言えるでしょう。
一緒独身の女性がずるいと言われる原因
コロナウイルス感染症の影響で、1人で出かけることが当たり前になってきています。大手旅行会社やホテルなども「おひとり様プラン」を数多く打ち出しており、パートナーがいなくても周囲の目をあまり気にしないで過ごすことができる「おひとり様」に優しい時代になっています。そうなると、結婚をしなくても、なにも不便ではないと思ってしまう人が増えることも不思議ではありません。
独身だからお金が自由に使える
確かに、結婚したり子どもがいる家庭よりは独身女性のほうが、比較的自由に使えるお金が多いのも事実です。家族の将来のため子どものためなど、収入が増えても自分で好きなようにお金を使えないのが既婚者です。多くはお小遣い制を導入して、毎月2万円前後でやりくりしているのではないでしょうか。
独身者は給与をすべて自分のために使えるからこそ、羨ましく思いずるいと思ってしまいやすいです。しかし、お金が自由に使えるかどうかは、独身・既婚とはあまり関係ありません。日々頑張ってやりくりをして、好きなものにお金を使っているだけの人もいます。独身だからとひとくくりに言われると、傷つく人もいることを忘れないようにしましょう。
自由に遊べてうらやましい
「隣の芝生は青く見える」
結婚している人には結婚しているからこその幸せがあり、独身女性も独身だからこそ得られる幸せがあります。逆に悩みもそうです。独身女性からしたら、結婚している人がうらやましいと思うことも多いです。例えば、仕事が終わって夜遊びに出てても、家に帰ると暗い部屋に1人でいることが寂しいと思ってしまうかもしれません。既婚者であれば、明るい部屋で誰かしらが帰りを待っててくれる安心感があり羨ましくなります。自宅で見せる表情と外で見せる表情には、誰しも違いがあるかもしれません。
特に、独身の女性は両親や親せきから「まだ結婚しないの?」「理想が高すぎるんじゃない」など、しつこく言われることに辟易している人も多いです。どちらが幸せかは個人の感じ方次第であり、他人に自分の人生だからほっといてほしいですよね。結婚するかしないかは自分で選択したことであり、お互いが無いものねだりをしている状況と言えるでしょう。
家事をしなくてもいい
旦那や子どもがいたら、疲れていても家事をしなくてはいけない状況が多いです。家族で出かけていたのに、片づけや夕飯の準備などは妻である女性がすることも多く、辛いと思ってしまう人も。
独身だったら疲れていたら次の日に後回ししたり、気軽に外食出来るのにと羨ましくなってしまいがちです。人の目があり、すぐに行動しなくてはいけないのも大変ですが、家事を後回しにしたツケは翌日の自分に返ってきます。家族に振り回されない分スムーズに進めることができるのは事実ですが、まったく家事をせずに過ごしている独身女性も少ないです。すべての家事を外注していては家計が破綻してしまいやすいですし、ある程度折り合いをつけて自分でこなしている人が多いです。
子どもの世話をしなくていい
結婚したら必ずついてくる子どもの存在。結婚=子どもを産む事ではありませんが、パートナーが子どもを望むこともあります。
周囲からの「子どもはいないの?」「子どもを産むなら早い方がいいよ」などのプレッシャーも同様です。子どもが好きな女性は、結婚し愛する人との子どもを授かることに喜びを感じるでしょう。しかし子どもが苦手な女性にとっては苦痛でしかないかもしれません。また、子どもが大好きでも余裕がないときには何もかも放棄したいと思ってしまう場合もあります。まだまだお世話が必要な子どもと、気持ちのバランスがうまく取れず疲れてしまう既婚女性もいます。
キャリアがストップしない
多くの女性は、結婚や出産、子育てなどで一時的にキャリアが中断してしまうケースも少なくありません。産休育休はもちろん、子育てとの両立に悩み仕事を辞めてしまうケースもあります。
自分で決めた結婚・出産・子育てであっても、周囲が順調にキャリアアップしているのを見て「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまう人も少なくありません。いざ出産を終え社会復帰したときには浦島太郎状態であり、周りの変化に対応できない人もいます。そのような世間と自身の理想との狭間で、悩んでいる既婚者が順調にキャリアを築き、出世している独身女性を妬ましく思ってしまいがちです。
しかし、キャリアアップしている人は相当の努力をしています。生涯独身の覚悟を決め、1人で生きていけるだけのキャリアを築いているのかもしれません。キャリアだけを見ると羨ましく思いがちですが、何かあった時に支えられるものは自分だけという不安と戦って頑張っている人もいます。
結婚の手続きが面倒
結婚をする際には、さまざまな手続きが必要です。一般的に女性が姓を変更する場合が多く、男性よりも手続きが複雑です。免許者や銀行口座なども変更はもちろん、会社への報告。印鑑などを新しく購入したりもしなくてはいけません。女性の社会進出が進んでいる昨今では、仕事で名前を使用している女性も多く、旧姓と使い分けるのを面倒に感じている人も少なくありません。
また、独身女性も結婚によって姓を変更することに抵抗を感じる人もいます。日本では夫婦同性が定められており、どちらかの姓を名乗る必要があります。しかし、夫婦別姓も国会で話題に上がることも多く、今後変更される可能性もあるかもしれません。
煩わしい義家族や親戚付き合いがない
結婚したら自動的についてくる、相手の家族や親戚。
実家とは違い本心で接することができず、気苦労が絶えない人も少なくありません。盆や正月には家族揃って帰省している人もいるのではないでしょうか。せっかくの休みだから家族だけでゆっくり過ごしたいと思ってもそうはいきません。旦那が寝転がってテレビを見ている横で、家事はもちろん義両親や親戚の相手、子どもの世話と忙しく動き回る既婚女性。
独身だったら、好きな時に起きて好きな場所に遊びに行けるのにと思ってしまうのも仕方ないのかもしれません。しかし、独身女性も長期休暇はどこに出かけても家族連れが目に入ってしまい居心地が悪いと思っている人もいます。1人を選択していても、家族連れが多く集まる場所では疎外感を感じやすくみじめな気分になっている独身女性もいます。
挑戦できる環境がうらやましい
結婚をすると保守的な考えになってしまいがちです。もし失敗して、家族に迷惑をかけたらどうしようと気軽に挑戦ができなくなる人も多いです。
例えば、新たなキャリアを掴みたくて資格を取得しようと検討したとします。子育てと家事を両立しながらの勉強は難しく、勉強する時間を工面するために家族に協力をしてもらったり、費用の負担などを強いる場合があります。もちろん一発で資格取得できれば問題はありません。しかし、もし不合格だった場合、その時間やお金を無駄にしてしまうのではという気持ちからチャレンジすることに臆病になってしまいがちです。失敗を恐れて挑戦しないのはもったいないですが、自分1人だけですべての事をやりくりする事は難しく、家族に協力してもらうからこそ負担に感じてしまいます。そのため、好きなことに果敢に挑戦している独身女性をずるいと思ってしまうのかもしれません。
独身女性をずるいと思ってしまった場合
幸せのかたちは人それぞれであり、他人と比べても幸せにはなれません。むしろ他人と比べることで幸せから遠ざかっていることに気づきましょう。生涯独身女性の多くは、既婚者にない自由を持っています。しかし、老後の不安や病気になった場合の不安なども抱えています。同時に、孫の顔を両親に見せてあげることができないことを申し訳なく思っている人もいます。
ホッと一息付ける時間は必要ですが、子供の手がかかるのも長い人生の中で考えれば一瞬です。生涯を共にしたいと思える人に出会え、愛する人の子どもを授かったことは奇跡でもあります。今しか見れない子どもの可愛い姿を楽しめるのも既婚者ならではの醍醐味と言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、生涯独身女性をずるいと思ってしまう理由について紹介しました。
結婚生活に何かしらの不満を抱えていたり、子育てや家事に忙しく余裕がない生活ばかりをしていると他の人を羨んでしまいます。人を羨んでばかりいると、結婚したことで得られたメリットや安定さを忘れ、独身女性のいい所ばかりが目につきやすくなります。
結婚するのかしないのか、どちらを選択しても一長一短です。生涯独身を選択することで抱える問題もあり、他人から見えない部分で葛藤している人も少なくありません。自分の将来は自分で責任もって選択し、後悔しない人生を過ごせると良いですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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