PR

人の気持ちに寄り添えない夫はなぜ?男女の違い?病気やアスペルガー?

家事や育児で妻がどれだけ疲れ切っていても、それに全く気づかずゲームをする夫。どう考えても妻は忙しくていっぱいいっぱいなのに、平気でどうでもいい自分の用事を頼んでくる夫。付き合っていた頃には分からなかったけど、結婚して一緒に暮らしてみたら、「あれ?この人ってこんなに人の気持ちが分からない人だったの?」そう驚愕したという女性、少なくないようです。

今回は、人の気持ちに寄り添えない夫の典型例や、なぜ寄り添えないのか、その原因と対策について考察していきたいと思います。

夫が人の気持ちに寄り添えない原因は大きく3つある

人の気持ちに寄り添えない、それはすなわち「共感性の欠如」です。共感性とは、相手の気持ちを想像したり、相手の置かれた立場になって物事を考えてみたりする力です。この能力があることで、人はその場の空気が読めたり、相手の心情を思いやったりして行動ができるのです。裏を返せば、何かしらの理由でこの共感能力が発達しないまま育ってきていると、いわゆる空気が読めない人と言われたり、人の気持ちが分からない無情な人だと思われたりしてしまいます。

問題なのは周りからの評価だけではありません。人の気持ちを読み取るのが苦手なため、相手が怒ったりガッカリしていても、なぜそのような気持ちになっているのかが理解できず、かえって怒らせてしまったり、敬遠されてしまうこともしばしば。そうなると、さすがに本人も凹んだり、逆に周囲に対して苛立ったり、、、負のスパイラルです。

共感性の欠如は生活のさまざまな人間関係で問題になります。仕事上でも課題になることは多いですが、特に大問題になるのが『夫婦関係』です。よく聞くパターンとしては、夫が妻の気持ちに寄り添えないケースが非常に多く起こっているようです。

では、なぜ妻の気持ちを想像して寄り添うことが難しい夫がいるのでしょうか。おそらく理由は大きく分けて3つあると思います。

理由① 人より物への関心が高い
理由② 社会性が未熟である
理由③ 自閉スペクトラム症の特性が強い

3つについてそれぞれ詳しく解説してきます。

理由1 人より物への関心が高い

男性脳・女性脳という言葉が流行った時期があったように、男性と女性では元々脳のつくりやホルモンの影響度が異なるから、考え方が根本的に違うのだ、という主張があります。確かに一理あるのですが、近年ではこの考え方は否定されており、性差以上に、人の考え方や行動は、文化・環境・教育などの影響を受けていることが分かっています。つまり性差ではなく個人差によって、いわゆる”男性脳的”あるいは”女性脳的”な言動が見られるのだということです。ジェンダーレスの時代ですから、男性だから、女性だからという分け方で判断するのは差別的な考え方と受け取られる可能性があるので、注意がひつようです。

体の生物学的な構造以外に関しては、多くの分野で男女差はないということが証明されつつあるのですが、それでも男性と女性で男女差が見られたという分野があります。それは、男性は物への関心が高く、女性は人への関心が女性が高い、という点でした。つまり、女性は起きた出来事に対し、まず関わった人の行動や心情に意識が向けられます。しかし、男性は起きた出来事に対し、人よりもその出来事そのものや、現象、結果などに意識が向きやすいのでしょう。

夫婦関係では、この男女差を理解していないとお互いに軋轢が起こります。例えば、赤ちゃんがずっと泣いていると、妻は赤ちゃんの気持ちを思いやり(おむつが気持ち悪いのか?抱っこして欲しいのか?おなかがすいたのか?眠いのか?)とハラハラします。しかし、夫は焦りません。『赤ちゃんが泣いていた→おむつを替えたら泣き止んだ』。その事実だけでOKなのです。でも、妻からしたらなぜそんなに落ち着いていられるのか理解ができません。赤ちゃんの発する不快感のメッセージや、早くどうにかしたいと焦る自分の気持ちにまったく寄り添おうとしない夫に憤ります。冷たい!ひどい!と。でも、夫にしたら、泣き止んだんだからいいじゃないか、何がそんなに問題なのか分からない、という思考があるのだと思います。

理由2 社会性が未熟である

人の気持ちに寄り添えない夫の中には、単純に社会性が育っていない、未熟な状態だったというケースもあります。社会性とは、どんな集団・社会でも通用する特性のことを意味します。 たとえばコミュニケーション能力・責任感・協調性・モラルやマナーなど、どんな集団の中でも使えるスキルの総称が社会性です。これは、幼いころからさまざまな社会経験を積むことで自然と身についてくるものです。家庭環境からの影響を一番受けると思いますが、それ以外の学校や習い事など、コミュニティで活動すれば、その分社会性は育っていきます。しかし、社会経験が乏しいとどうでしょうか。自分の家族しか他者の気持ちを学ぶ場面がなかったとか、友達と関わって気持ちを通じ合わせる機会が極端に少なかったとか、そのような環境であれば、社会性が育たないまま大人になります。

社会性が未熟なまま結婚した場合、夫婦という2人だけの小さな社会でも、妻の表情や行動を読み取ることが難しかったり、妻の気持ちに寄り添った思いやりのある行動がとれなかったり、そんな出来事が多々起こるでしょう。日々の中で成長していく伸びしろはあると思いますので、一から学んでもらうしかありません。

理由3 自閉スペクトラム症(ASD)の特性が強い

自閉スペクトラム症(ASD)をご存じでしょうか。発達障害の一種で、かつてはアスペルガー症候群と呼ばれていた症状も、今ではこの自閉スペクトラム症に含まれています。いわゆるアスペルガー的な特性が生まれながらに強い方は、他者の気持ちを汲み取る、共感することが非常に苦手だとされています。これは、持って生まれた脳の器質的な問題なので、本人の努力不足とか、未熟さという話とは異なります。本人も、相手の気持ちが分からない、場の空気が分からないことで、自分を責めたり、生きづらさを感じていたりします。

ASDの男女比は4:1程度と言われており、男性に非常に多いです。そのため、夫婦関係では夫のASDについての悩み相談も多く、結婚後に夫の特性に気づき、気持ちが通じ合わないと悩む女性が多いようです。例えば、妻や子供が病気で苦しんでいても、全く心配する様子がなく夫はマイペースに日常を営んでいるとか、もっと家族のことを思いやってほしいと妻が怒っても、どうすることが思いやることなのか分からずに夫は困ってしまうなど、すれ違いが増えていきます。ASDの夫を持つ妻は、こうした夫の言動によってストレスを抱え、「カサンドラ症候群」と呼ばれる症状に陥ることもしばしば起こります。

3つの理由 それぞれの対応策

理由① 人より物への関心が高い夫への対応
どうしても物や現象、結果に対しての関心が高く、その過程や周辺の人の気持ちや心情に興味が向かない夫に対しては、視点が違うことを理解して、ある程度寛容になる方がお互いの思いやりが促進されます。相手の考え方も尊重しつつ、こちらの考え方も伝えるような、どちらの意見も尊重し、落としどころを見つけるようなコミュニケーションを心がけてみましょう。どちらが正しい、どちらが間違っている、という二者択一的な思考でコミュニケーションをとると、お互い感情的になってしまうので要注意です。

理由② 社会性が未熟である

夫の生い立ちや育った環境の情報から、社会性が育っていないと感じるのであれば、今から社会性を育てていく覚悟が必要です。こんなの常識!マナー!分かっていて当たり前!という気持ちで糾弾していくと、夫も意固地になって成長しないと思います。なるべく多くのコミュニティに二人で参加をして、社会性を育てていきましょう。また二人で一緒にドラマや映画を観て、この場面で私はこういう気持ちになると伝えていくことも有効です。

理由③ 自閉スペクトラム症(ASD)の特性が強い
共感という能力がストンと抜け落ちていると感じるレベルで、夫が人の気持ちを理解できないのであれば、それは発達障害の特性が原因の可能性もゼロではありません。人の気持ちが分からない!と責めたてると、本人もどんどん傷ついて問題が悪化する可能性があります。あまりにも共感性に欠けていたら、一度専門的な視点でアドバイスをもらえるよう、夫婦でカウンセリングに訪れるのも手です。ASDの特性のせいで、こんなに人の気持ちに寄り添えないのだと分かったことで、逆に気持ちが楽になった、救われたという夫婦もいます。二人だけで悩まずに、誰かに相談してみましょう。

お互いが歩み寄ることで思いやりを高める

今回は、人の気持ちに寄り添えない夫の原因と対策についてみてきました。なぜ寄り添えないのか、の理由は実は人それぞれです。理由を考えることは、すでに相手にあなた自身が寄り添おうとしている証拠だと思います。今回の記事を参考に、ぜひ対策を見つけて欲しいと思います。

コメント